JP2017228760A - 圧電体基板及びその製造方法、ならびに液体吐出ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便に(110)面に優先配向したチタン酸ジルコン酸鉛薄膜の製造方法を提供する。【解決手段】基板加熱をしないで成膜した、中間層のTi並びに(111)軸方向に配向したPt下部電極を有する基板の下部電極上に、チタン酸鉛からなる配向制御層形成用塗工液を塗工し、所定の温度で乾燥させチタン酸鉛からなる配向制御層前駆体を形成した後、チタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電体薄膜形成用塗工液を塗工し、所定の温度で乾燥させて形成したチタン酸ジルコン酸鉛前駆体からなる圧電体前駆体を、配向制御前駆体層と合わせて焼成し、結晶化させることで(110)面に優先的に配向したチタン酸ジルコン酸鉛からなる圧電体薄膜を形成することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、(110)面に優先配向した圧電体薄膜を備える圧電体基板、及びその製造方法、ならびに液体吐出ヘッドに関する。
圧電体に広く用いられている材料として、チタン酸バリウムやチタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が挙げられる。その中でもチタン酸ジルコン酸鉛は、大きな圧電定数と高いキュリー温度を持ち合わせており、バルク、薄膜と形態を問わず様々な分野に渡って活用されている。
その中の一つとして、圧電体薄膜を用いた素子を組み込んだ、インクジェット記録ヘッドが開示されている(特許文献1)。この用途に用いられる圧電体薄膜が充分な電気機械変換機能(変位を促す圧力)を発現するためには、1μm〜25μm程度の膜厚が必要である。また、変位を精度良く制御するためには、圧電体薄膜は均一であることが望まれる。
このような圧電体薄膜を作成する製法としては、スパッタリング法、有機金属気相成長法(MOCVD法)、ゾルゲル法などが挙げられる。その中でもゾルゲル法は、一度に厚い膜を形成することは難しいものの、大掛かりな設備を必要とせず、再現性良く大面積に成膜することが出来る。また、結晶化温度を大幅に下げることが出来る点で有用な方法である。
また、ゾルゲル法により形成されたPZTなどの圧電体薄膜の結晶の配向は、(100)配向の割合が他の配向、例えば(111)配向、(110)配向に比べて高くなるほど分極モーメントの方向が圧電体の変形方向に極めて近づく。この結果、変形量が大きくなり、インクジェット記録ヘッドなどのアクチュエーターとして好適に用いることができる(特許文献1参照)。
一方、近年デバイスの更なる小型化及び高性能化が求められており、それに伴って、圧電素子にも性能向上が求められている。その中で(110)面に配向制御されたジルコン酸チタン酸鉛薄膜の有用性に焦点が当てられるようになってきた。
特許文献2では、(100)面に配向させたPZT薄膜素子では、14kHz以上の周波数で電圧印加を行っても変位させることが出来ないが、(110)面に配向させたPZT薄膜素子とすることで、駆動を可能にすると記載されている。その他、特許文献3では、(110)面に優先配向させたPZTからなる強誘電体薄膜は大きな誘電率を持っていることが記載されている。また、非特許文献1では、(001)面、(110)面、(111)面にそれぞれ配向させたPZT薄膜素子の圧電性能の比較を行っている。その結果、(110)面に配向させたものは(001)面に配向させた素子に比べて、分極処理後の圧電定数が高いことが報告されている。
このように、PZT薄膜を(110)面に優先配向させることは更なる圧電素子の性能向上のために有効な方法の一つとして挙げられるが、その作製は他の面に優先配向させたものに比べて困難であった。これまで(110)面に配向させる方法とされてきたものは、特許文献2に代表されるような、Siや酸化マグネシウムの(110)面単結晶基板から順次層をエピタキシャル成長させて、(110)面に配向した圧電膜を得る方法である。しかしこの方法では、高価な(110)面単結晶基板を使用すること、層間で格子不整合にならないように成膜する材料を選ばなければならないことがネックとなる。
その他の方法としては、特許文献4に代表されるような、基板部の影響を圧電体層側が受けにくくするバッファ層としてダイヤモンドライクカーボンを挟む方法がある。また、非特許文献2及び3に代表されるような、チタン酸ストロンチウムやチタン酸バリウムからなる層を間に入れて(110)面に配向したPZT薄膜を作製する方法がある。しかし、これらの方法をとった場合、導入するバッファ層の成膜が難しい、採用する物質によっては不純物として熱処理中に拡散し、結果として圧電体の性能を低下させてしまう可能性が考えられる。
特許文献3では、このような事態を回避するため、配向制御層として濃度を薄くしたPZT塗工液による層を導入し、該配向制御層の膜厚を制御することで(110)面に優先配向したPZT薄膜の製造方法を開示している。
特許第3890634号 特許第4516166号 特許第5828293号 特許第5509419号
ADVANCED MATERIALS LETTERS 2012, 3(2), 102-106 APPLIED PHYSICS LETTERS 96,031909 (2010) 藤吉国孝、外3名、"ゾルゲル法によるPZT薄膜の作製と配向制御"、[online]、福岡県工業技術センター研究報告 No.15(2005)、インターネット〈URL:http://www.fitc.pref.fukuoka.jp/kenkyu/report/h16/h16-4.pdf〉
しかし、上記特許文献3で示される方法では、配向制御層が目的の膜厚になるように塗工液の濃度を調整する必要がある。また、結晶の異常成長を抑えるために、配向制御層を形成する前に粒径制御層を形成する必要がある。
本発明の目的は、より簡便に(110)面に優先配向し、かつ結晶粒の成長を抑えた緻密な圧電体薄膜を得ることが可能な製造方法を提供することにある。
本発明の一形態によれば、SiOを最表層に有する基板と、該基板のSiO層の上に設けられたTiもしくはTiOからなる中間層と、該中間層上に設けられたPtからなる下部電極と、該下部電極上に設けられたチタン酸鉛を含む配向制御層と、該配向制御層上に設けられた圧電体層を有し、前記圧電体層は、Pb(Zr(y)Ti(1−y))O(x=1.0〜1.2、0.4<y<0.6)で表される組成を有するチタン酸ジルコン酸鉛を含み、前記圧電体層は、X線回折法にて測定された(100)、(110)、(111)面の反射強度の総和に対する(110)面の反射強度の割合が70%以上であり、かつ表面の結晶粒子の平均粒径が1.0μm以下である、圧電体基板、が提供される。
また、本発明の別の形態によれば、SiO層を最表層に有する基板の、該SiO層上に中間層としてTiもしくはTiOを成膜する工程、該中間層の上に下部電極として、基板温度が10℃〜50℃の範囲内でPtを成膜する工程、該下部電極の上にチタン酸鉛前駆体を含む第一の塗工液を塗工、乾燥し、第一の前駆体層を形成する工程、前記第一の前駆体層上に、チタン酸ジルコン酸鉛前駆体を含む第二の塗工液を塗工、310℃〜360℃の範囲で乾燥して第二の前駆体層を形成する工程、及び、前記第一及び第二の前駆体層を合わせて結晶化させる工程、とを含む圧電体基板の製造方法、が提供される。
本発明のさらに別の形態によれば、液体吐出口と、前記液体吐出口に連通する圧力室と、前記圧力室に前記液体吐出口から液体を吐出するための容積変化を生じさせるアクチュエーターと、を有し、前記アクチュエーターは、前記圧力室側から順に、振動板と、上記の圧電体基板と、上部電極と、を有することを特徴とする液体吐出ヘッド、が提供される。
他にも本発明の圧電体基板は、圧電体を用いたセンサーや薄膜コンデンサ、アクチュエーターなどのアプリケーションの構成部品として使用することが出来る。
(110)面単結晶基板を用いることなく、簡便に(110)面方位に優先配向し、結晶粒径の細やかなチタン酸ジルコン酸鉛薄膜による圧電素子を提供できる。
一実施形態の圧電体基板を示す縦断面模式図である。 一実施形態の液体吐出ヘッドを示す模式的斜視図である。 一実施形態の液体吐出ヘッドを示す模式的斜視断面図である。 一実施形態の液体吐出ヘッドを示す模式的断面図である。 実施例1〜4の圧電体薄膜のX線回折結果を示す図である。 比較例1〜4の圧電体薄膜のX線回折結果を示す図である。 実施例1及び比較例5で用いたPt電極成膜後の基板のX線回折結果を示す図である。 実施例1及び比較例5の圧電体薄膜のX線回折結果を示す図である。 実施例1の表面電子顕微鏡写真である。 実施例5〜6及び比較例6の圧電体薄膜のX線回折結果を示す図である。 実施例7〜9の圧電体薄膜のX線回折結果を示す図である。
本発明者等は、従来の圧電体薄膜について鋭意検討を重ねた結果、簡便に(110)面に優先的に結晶面が配向し、かつ微細な結晶組織からなるチタン酸ジルコン酸鉛を含む圧電体薄膜が形成できることを見出し、本発明を完成させた。製造工程として、以下の2つの要点を有する。
(1)中間層としてTiもしくはTi酸化物を成膜した基板に対して、Ptからなる下部電極を、基板加熱を行わず室温に近い温度でスパッタリング法にて基板上に形成すること。
(2)チタン酸鉛前駆体を含む第一の塗工液を下部電極上に塗布し、乾燥してチタン酸鉛前駆体を含む第一の前駆体層を形成する。その際、その乾燥温度を調整すること、加えて該第一の前駆体層を結晶化させずに、チタン酸ジルコン酸鉛前駆体を含む第二の塗工液を該第一の前駆体層上に塗布し、乾燥して第二の前駆体層を形成する際の乾燥温度を調整する。
本発明の第一の観点は、中間層上に成膜するPtからなる下部電極を、基板加熱をしない状態で成膜し、基板上での格子間隔を結晶化したバルクのPtに比べて広げた状態とし、両前駆体層の乾燥並びに焼成を行う際に同時に格子間隔を縮めることを特徴とする。
本発明の第二の観点は、第一の観点に基づく観点であって、第一の前駆体層を形成する工程において、焼成を行わず結晶化させないことを特徴とする。
本発明の第三の観点は、第一の観点に基づく発明であって、第一の前駆体層を形成した後、該第一の前駆体層上に第二の塗工液を塗布し、乾燥させて第二の前駆体層を形成する工程において、乾燥を行う際の温度を310℃〜360℃の範囲内にすることを特徴とする。
本発明の第四の観点では、第一及び第三の観点に基づく発明であって、基板と下部電極の間に中間層として導入する、Ti若しくはTi酸化物の膜厚を、2nm以上30nm以下であることを特徴とする。
本発明の第五の観点では、第一及び第三の観点に基づく発明であって、下部電極として成膜したPt上に第一の塗工液を塗布し、乾燥させて第一の前駆体層を形成する工程において、乾燥を行う際の温度を150℃〜360℃の範囲内にすることを特徴とする。
本発明の第一、第二、第三の観点より、(110)面に優先配向し、かつ粒径が1.0μm以下となる緻密なチタン酸ジルコン酸鉛圧電体薄膜を簡便かつ安定して形成することが出来る。
本発明の第四の観点より、中間層の厚みをこの範囲とすることで、下部電極と基板の密着性を保ちつつ、下部電極並びに圧電体薄膜の結晶性を大きく向上させることが出来る。
本発明の第五の観点より、中間層の拡散による配向変化や結晶性の悪化を抑えて、安定して(110)面に優先配向した圧電体薄膜を形成することが出来る。
以下に、実施形態例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、以下の実施形態例により限定されるものではない。
1.圧電体基板
図1は、一実施形態の圧電体基板の縦断面模式図である。図1中の1は圧電体薄膜を支持する下地基板、2は中間層、3は電極(下部電極)を示している。また、4は配向制御層、5は配向制御層上に設けられた圧電体層を示している。配向制御層4と圧電体層5を併せて圧電体薄膜ということがある。
基板1の材料は少なくとも最表層にSiOを有し、その他としては、塗工後の乾燥工程において熱負荷を与えても、変形や溶融しない材料が好ましい。また、表面が平滑であり、熱処理時の元素の拡散も防止でき、かつ機械的強度も十分であることが好ましい。また、本実施形態により得られる圧電体薄膜を用いて液体吐出ヘッドを製造する際には、下地基板層1が圧力室を形成するための圧力室基板や後述するアクチュエーターの振動板を兼ねていても良い。例えば、このような目的では、熱酸化によって表層をSiOの膜としたシリコン(Si)からなる半導体基板を好ましく用いることができるが、ジルコニアやアルミナ、シリカなどのセラミックを用いても構わない。また、最表層をSiOとするならば、これらの材料を複数種類、組み合わせても良いし、積層して多層構成として用いても良い。
中間層2は、下部のSiO層と上部の電極を密着させる機能を果たすための層である。金属であるPtと酸化物であるSiOだけでは密着性が弱くなるだけでなく、電極及びその上に成膜される圧電体層の結晶性が悪くなり、良好な圧電性能が得られなくなる。また、中間層の厚さは厚すぎても問題となる。中間層の厚さが30nmを超えると、上層の圧電体層の結晶性が悪化していく傾向にある。従って中間層は、2nm以上30nm以下の厚さであることが好ましい。中間層2の材料としてはTi若しくはTiOに代表されるTi酸化物が好ましい。中間層2はTiとTi酸化物との積層でもよい。
電極3は、Ptからなるもので、5〜2000nmの厚みに形成することができる。また、電極の形成方法も、ゾルゲル法、スパッタ法、蒸着法など幾つかの方法があるが、温度をかけずに電極を形成できる点で、スパッタ法による形成が好ましい。電極の厚みは、導電性を得られる厚みであれば特に限定されないが、10nm以上1000nm以下であることが好ましい。また、形成した電極は所望の形状にパターニングして用いても良い。
配向制御層4は、その上部に積層する圧電体層の配向を制御する層であり、Pb及びTiを含むペロブスカイト酸化物、すなわちチタン酸鉛から構成される。該層は、上部に成膜される圧電体層の成長する面を制御する効果を持つ。また、Pb、Zr、Tiを含むペロブスカイト酸化物を圧電体層として積層する際、前駆体から結晶化の熱処理に伴う熱負荷でPbが電極側へと拡散するが、該層を挟むことで、圧電体層側からのPbの拡散を抑制する効果も果たす。加えて、下部電極と基板の間にある中間層のTiも、熱負荷により電極や圧電体層へと拡散するが、該層を挟むことで、Tiの拡散を抑制する効果も併せ持つ。該配向制御層の膜厚は、5nm以上100nm以下が好ましい。この膜厚範囲内であれば、圧電体層の配向を(110)面へ制御する効果とPbやTiの拡散を抑制する効果が十分に得られ、圧電体層の特性に悪影響を及ぼすこともない。
圧電体層5の材料は、ゾルゲル法により形成された、一般式Pb(1.00〜1.20)(ZrTi1−x)O(xが0.4〜0.6)で表されるペロブスカイト型結晶が好ましい。ZrとTiの組成を上記の範囲にすることで、高い圧電性を有するペロブスカイト結晶を得ることができる。
なお、圧電体層の材料中に、Pb、Zr、Ti以外の微量の元素をドーピングしても良い。ドーピングを行う場合にドーパントとして用いることのできる元素の具体的な例としてはLa、Ca、Sr、Ba、Sn、Th、Y、Sm、Ce、Bi、Sb、Nb、Ta、W、Mo、Cr、Co、Ni、Fe、Cu、Si、Ge、Sc、Mg、Mn等の元素を挙げることができる。これらの元素を含む化合物を塗工液の調製時に添加すればよい。添加量は、Pb(1.00〜1.20)(ZrTi1−x)O(xが0.4〜0.6)の0.1質量%から2質量%が好ましい。
この圧電体層の製法としては、スパッタリング法、有機金属気相成長法(MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法)、ゾルゲル法などが知られているが、本発明ではゾルゲル法及びそれに類似する方法を用いる。
ゾルゲル法ではまず、原料となる各成分金属の加水分解性化合物、その部分加水分解性化合物、またはその部分重縮合性化合物(これらを総称して前駆体という)を含有する塗工液を基板上に塗工し、その塗工液を乾燥させる。この後、空気中で、この塗工液を加熱し、さらにその結晶化温度以上で焼成して結晶化させることにより圧電体薄膜を成膜する。上記のゾルゲル法はもっとも安価、簡便に圧電体薄膜を成膜できる。
ゾルゲル法に類似の方法として、有機金属分解法(MOD(Metal Organic Deposition)法)がある。MOD法では、圧電体薄膜前駆体として、熱分解性の有機金属化合物(金属錯体および金属有機酸塩)、たとえば、金属のβ−ジケトン錯体やカルボン酸塩を含有する塗工液を基板上に塗工する。次に、例えば、空気中あるいは酸素中で塗工液を加熱して、塗工液中の溶媒の蒸発および有機金属化合物の熱分解を生じさせ、更にこれの結晶化温度以上での焼成により結晶化させて圧電体薄膜を成膜する方法である。
本明細書では、上記のゾルゲル法、MOD法、およびこれらを組み合わせた方法をあわせて「ゾルゲル法」と称する。
本発明では、後述する製造方法により、Pb(Zr(y)Ti(1−y))O(x=1.0〜1.2、0.4<y<0.6)で表される組成を有するチタン酸ジルコン酸鉛を含み、X線回折法にて測定された(100)、(110)、(111)面の反射強度の総和に対する(110)面の反射強度の割合が70%以上であり、かつ表面の結晶粒子の平均粒径が1.0μm以下である圧電体層が得られる。
2.液体吐出ヘッド
図2〜図4は、上記のようにして得られる圧電体基板を備えた、一実施形態による液体吐出ヘッドを示すものである。この液体吐出ヘッドは、液体吐出ヘッド用基板21と、複数のインク等の液体を吐出する液体吐出口22と、複数の圧力室23と、各圧力室23にそれぞれ対応するように配設されたアクチュエーター25とから構成されている。各圧力室23はそれぞれ、各液体吐出口22に対応して設けられ、液体吐出口22に連通している。アクチュエーター25はその振動により、圧力室23内の液体の容積変化を生じさせて、液体吐出口22から液体を吐出させる。液体吐出口22は、ノズルプレート24に所定の間隔をもって形成され、圧力室23は液体吐出ヘッド用基板21に、液体吐出口22にそれぞれ対応するように並列して形成されている。なお、本実施形態では、液体吐出口22がアクチュエーター25の下面側に設けられているが、アクチュエーター25の側面側に設けることもできる。液体吐出ヘッド用基板21の上面には各圧力室23にそれぞれ対応した開口部21Aが形成され、その開口部をふさぐように各アクチュエーター25が配置されている。各アクチュエーター25は、圧力室側から順に、振動板26と圧電素子30で構成され、圧電素子30は圧電体薄膜27と一対の電極(下部電極28および上部電極29)とから構成されている。
振動板26の材料は特に限定されないが、Siなどの半導体、金属、金属酸化物、ガラスなどが好ましい。圧電素子30と振動板26は接合や接着により形成されても良いし、振動板26を基板として圧電素子30を基板上に直接、形成しても良い。さらに、液体吐出ヘッド用基板21上に振動板26を直接、形成しても良い。
3.圧電体基板の製造工程
次に本発明における圧電体基板の製造方法について説明する。
まず、SiO層を最表層に有する基板を準備する。たとえば、基板としてSi基板を用いる場合は、Si基板表面を熱酸化してSiO層を形成することができる。
次に、SiO層上に、中間層としてTiもしくはTiOを成膜する。中間層の成膜方法は特に限定されないが、比較的低温で成膜できるスパッタ法が好ましい。
中間層上に、続いて、下部電極としてのPtを成膜する。Ptの成膜は基板温度が10℃〜50℃の範囲内で行う。この場合も比較的低温で成膜できるスパッタ法が好ましい。このように、低温で成膜したPt膜は、(111)配向を有しているが、X線回折法にて測定されたそのピーク位置は結晶化されたPt(111)よりも0.1°以上低角側にシフトしたものが得られる。つまり、結晶化されたPt(111)よりも格子間隔が広い状態で成膜される。
このように下部電極層まで形成された基板にゾルゲル法にて配向制御層となるチタン酸鉛(PTO)及び圧電体層となるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を含む圧電体薄膜を形成する。
圧電体薄膜の形成方法は以下の通りである。
本薄膜の製造工程は、以下の(1)〜(6)の工程に分類される。
(1)配向制御層形成用塗工液(第一の塗工液という)及び圧電体層形成用塗工液(第二の塗工液という)の製造(調製)工程。
(2)第一の塗工液を基板に塗工する塗工工程。
(3)基板上に塗工した第一の塗工液中の溶剤を揮発させ、配向制御層の前駆体層(第一の前駆体層という)を形成する乾燥工程。
(4)第二の塗工液を第一の前駆体層上に塗工する塗工工程。
(5)第一の駆体層上に塗工した第二の塗工液中の溶剤を揮発させ、圧電体薄膜前駆体層を形成する乾燥工程。
(6)基板上の第一及び第二の前駆体層を合わせて結晶化させる焼成工程。
(1)塗工液の製造工程
塗工液の製造工程では、基板上に塗工する有機溶剤とPTO前駆体、PZT前駆体を含む塗工液をそれぞれ製造する。PTO及びPZTの前駆体の例としては、各成分金属の加水分解性化合物、その部分加水分解性化合物、その部分重縮合性化合物、熱分解性化合物、またはこれらの化合物の原料を挙げることができる。これらの化合物を生成する原料としては、有機金属化合物を挙げることができる。例えば、上記金属の金属アルコキシド、有機酸塩、β−ジケトン錯体などの金属錯体が代表例である。金属錯体についてはアミン錯体をはじめとして、各種の他の錯体を利用できる。β−ジケトン錯体を形成するためのβ−ジケトンとしては、アセチルアセトン(=2,4−ペンタンジオン)、ヘプタフルオロブタノイルピバロイルメタン、ジピバロイルメタン、トリフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン等を挙げることができる。
原料として好適な有機金属化合物の具体例を示すと、鉛化合物およびランタン化合物としては、酢酸塩(酢酸鉛、酢酸ランタン)等の有機酸塩およびジイソプロポキシ鉛等の有機金属アルコキシドを挙げることができる。チタン化合物としては、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラn−ブトキシチタン、テトライソブトキシチタン、テトラtert−ブトキシチタン、ジメトキシジイソプロポキシチタン等の有機金属アルコキシドが好ましいが、有機酸塩または有機金属錯体も使用できる。ジルコニウム化合物については、上記チタン化合物と同様である。他の金属化合物についても上記と同様のものを使用できるが、これらに限定されるものではない。また、上記金属化合物は組み合わせて用いても良い。なお、有機金属化合物は、上述したような1種類の金属を含有する化合物の他に、2種以上の成分金属を含有する複合化した有機金属化合物であっても良い。
第一及び第二の塗工液は、上記のような有機金属化合物を適当な有機溶剤に溶解または分散させて、例えば、PTO前駆体もしくはPZT前駆体である複合有機金属酸化物(2以上の金属を含有する酸化物)を含有するものを調製する。第一の塗工液としては、PbとTiを含有するものを調製する。第二の塗工液としては、Pb、Zr、Tiを含有するものを調製する。
また、塗工液の調製に用いる有機溶剤は分散性、塗布性を考慮して、公知の各種溶剤から適宜、選択される。塗工液の調製に用いる有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−ブタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等のアルコール系溶剤、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ系、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン系などのアミド系溶剤、アセトニトリル等のニトリル系溶剤を挙げることができる。これらの中では、アルコール系溶剤を用いるのが好ましい。
塗工液中の有機溶剤の量は特に制限されないが、第一の塗工液の場合は、金属固形分濃度が1.0質量%以上2.0質量%以下となるように有機溶剤の量を調整することが好ましい。また、第二の塗工液の場合は金属固形分濃度が15質量%以上30質量%以下となるように有機溶剤の量を調整するのが好ましい。塗工液中の有機溶剤の量がこれらの範囲内であることによって、最終的な圧電体薄膜の層厚を150nm以上400nm以下とすることが容易となる。
複数の有機金属化合物を用いる場合における、塗工液中の各有機金属化合物の割合は、製造予定の配向制御層もしくは圧電体層の材料、例えば、圧電体層であれば、Pb(1.00〜1.20)(ZrTi1−x)O(xが0.4〜0.6)の組成比とほぼ同じ割合とするのが良い。なお、Pb(1.00〜1.20)(ZrTi1−x)O(xが0.4〜0.6)からなる圧電体薄膜を形成する場合、一般に鉛化合物は揮発性が高く、後述する熱処理工程中に、蒸発によって鉛の欠損が起こることがある。このため、この欠損を見越して、鉛をやや過剰に、例えば、化学量論比上、必要な鉛の量に対して2モル%以上40モル%以下、過剰に鉛を存在させても良い。鉛の欠損の程度は、鉛化合物の種類や成膜条件によって異なり、実験により求めることができる。
第一及び第二の塗工液中には、安定化剤として、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(以下、「DBU」と表すことがある)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(以下、「DBN」と表すことがある)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(以下、「DABCO」と表すことがある)を添加できる。また、他の安定化剤として従来から用いられている、β−ジケトン類(例えば、アセチルアセトン、ヘプタフルオロブタノイルピバロイルメタン、ジピバロイルメタン、トリフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン等)、ケトン酸類(例えば、アセト酢酸、プロピオニル酢酸、ベンゾイル酢酸等)、これらのケトン酸のエチル、プロピル、ブチル等の低級アルキルエステル類、オキシ酸類(例えば、乳酸、グリコール酸、α−オキシ酪酸、サリチル酸等)、これらのオキシ酸の低級アルキルエステル類、オキシケトン類(例えば、ジアセトンアルコール、アセトイン等)、α−アミノ酸類(例えば、グリシン、アラニン等)、アルカノールアミン類(例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン)等を併用しても良い。
第一及び第二の塗工液中の安定化剤の量は、金属原子の総モル数に対し、0.05倍モル以上5倍モル以下であることが好ましく、0.1倍モル以上1.5倍モル以下であることがより好ましい。
(2)第一の塗工液の塗工工程
第一の塗工液の塗工工程では、基板上に有機溶剤と配向制御層前駆体を含む第一の塗工液を塗工する。このようにして、基板上に有機溶剤と配向制御層前駆体とを含む層が形成された状態とする。第一の塗工液の塗工方法としては、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレーコートなど公知の塗工方法を用いることができる。また、基板上に塗工液を塗工する際、基板の塗工液を塗工する面は水平方向(鉛直方向に直交する方向)に配置されていることが好ましい。これにより、均一な膜厚および配向制御層前駆体の分布を有する層を得ることができる。第一の塗工液は1回だけ塗工しても、複数回、塗工しても良い。
1回の第一の塗工液の塗工により得られる第一の前駆体層の膜厚は特に限定されないが、最終的に焼成されて得られる配向制御層の膜厚が5nm以上100nm以下となる膜厚が好ましい。
第一の前駆体層の膜厚は、第一の塗工液中の配向制御層前駆体の濃度及び第一の塗工液の塗工条件を変化させることで制御することが可能であり、この条件は実験より求めることができる。例えば、2000rpmのスピンコート法で、固形分濃度が1.0質量%以上2.0質量%以下の第一の塗工液を塗工し、該塗工液を乾燥させて第一の前駆体層の形成を行う。
(3)第一の塗工液の乾燥工程
第一の塗工液の乾燥工程では、塗工した第一の塗工液から有機溶剤を無風環境下で蒸発させて、第一の前駆体層を得る。この工程は、150℃以上360℃以下の温度で行う。第一の塗工液を乾燥する温度をこの範囲とすることで、(110)面に優先配向した圧電体薄膜を作ることが出来る。乾燥温度をこの範囲未満にすると、有機溶剤の蒸発が充分に進まず、第一の前駆体層中に有機溶剤の成分が残ってしまうことにより、圧電体層への悪影響が懸念される。また、乾燥温度をこの範囲より高くしてしまうと、中間層として採用しているTiが下部電極のPt表面に析出し、第一の前駆体層に影響を与えて圧電体薄膜を(111)面に成長させてしまう。乾燥処理を行う時間は特に限定されないが、5分以上かつ60分未満であることが望ましい。
この工程は、乾燥機、ホットプレート、管状炉、電気炉などの熱源内に基板を入れる、または基板を乾燥機、ホットプレート、管状炉、電気炉などの熱源と直接、接触させることにより行うことができる。これらの中でも、加熱温度の均一性の点から、基板の裏面から加熱するホットプレートが好ましい。このときホットプレートの設定温度と実際の温度は設置環境によっては±10℃ほど変動することもある。
乾燥工程は、基板の塗工液を塗工した面(塗工面)が無風環境下となるように行う。具体的には、塗工面に温風、熱風の給気を行う給気口、あるいは排気を行うための排気口を設けない。また、給気口および排気口を設ける場合には、基板上で有機溶剤や熱風の流れが生じないようにする。これにより、基板上の塗工液を塗工した面上、20cmの位置において気体の流速が0.05m/s以下となるようにする。
(4)第二の塗工液の塗工工程
第二の塗工液の塗工工程では、前工程で形成された第一の前駆体層上に有機溶剤とPZT前駆体を含む第二の塗工液を塗工する。このようにして、第一の前駆体層上に有機溶剤とPZT前駆体とを含む第二の前駆体層が形成された状態とする。塗工液の塗工方法としては、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレーコートなど公知の塗工方法を用いることができる。また、基板上に第二の塗工液を塗工する際、基板の塗工液を塗工する面は水平方向(鉛直方向に直交する方向)に配置されていることが好ましい。これにより、均一な膜厚および圧電体薄膜前駆体の分布を有する層を得ることができる。第二の塗工液は1回だけ塗工しても、複数回、塗工しても良い。
1回の第二の塗工液の塗工により得られた第二の前駆体層の膜厚は特に限定されないが、最終的に焼成されて得られる圧電体薄膜の1層あたりの膜厚が150nm以上400nm以下、積層した際の膜厚が300nm以上4μm以下となる膜厚であればよい。
塗工膜厚は、第二の塗工液中のPZT前駆体の濃度と、塗工液の塗工条件を変化させることで、制御することが可能であり、この条件は実験より求めることができる。例えば、2000rpmのスピンコート法で、固形分濃度が20質量%以上25質量%以下の第二の塗工液を塗工し、第二の塗工液の乾燥を行う。これにより、一回の塗工で200nm以上330nm以下の膜厚の圧電体層に相当する第二の前駆体層を形成できる。
(5)第二の塗工液の乾燥工程
第二の塗工液の乾燥工程では、塗工した第二の塗工液から有機溶剤を無風環境下で蒸発させて、第二の前駆体層を得る。この工程は、310℃以上360℃以下の温度で行う。第二の塗工液を乾燥する温度をこの範囲とすることで、(110)面に優先配向した圧電体薄膜を作ることが出来る。乾燥温度を310℃未満にすると、詳しいメカニズムは不明であるが、焼成処理後の圧電体層の(110)面が成長せず、(111)面や(100)面に優先配向したり、若しくは各面が混合した状態となってしまう。また、乾燥温度を360℃より高くしてしまうと、第一の前駆体層のときと同様に、中間層として採用しているTiが下部電極のPt表面に析出し、第一の前駆体層に影響を与えて圧電体層を(111)面が成長してしまう。乾燥処理を行う時間は特に限定されないが、5分以上、60分以下であることが好ましい。
この工程は、乾燥機、ホットプレート、管状炉、電気炉などの熱源内に基板を入れる、または基板を乾燥機、ホットプレート、管状炉、電気炉などの熱源と直接、接触させることにより行うことができる。これらの中でも、加熱温度の均一性の点から、基板の裏面から加熱するホットプレートでの加熱が好ましい。
乾燥工程は、基板の塗工液を塗工した面(塗工面)が無風環境下となるように行う。具体的には、塗工面に温風、熱風の給気を行う給気口、あるいは排気を行うための排気口を設けない。また、給気口および排気口を設ける場合には、基板上で有機溶剤や熱風の流れが生じないようにする。これにより、基板上の塗工液を塗工した面上、20cmの位置において気体の流速が0.05m/s以下となるようにする。
(6)第一及び第二の前駆体層の焼成工程
第二の前駆体層の形成後、焼成処理により、第一並びに第二の前駆体層を合わせて加熱して、圧電体薄膜を形成する。圧電体薄膜は、PTOからなる配向制御層4とPZTからなる圧電体層5を含む。また、配向制御層4と圧電体層5の界面は両者の混在したものであってもよく、チタン酸鉛からチタン酸ジルコン酸鉛へ組成が徐々に変化するものであってもよい。このとき、第二の前駆体層を形成する前に、第一の前駆体層に単独で焼成を行うと、第二の塗工液を塗工、焼成して得られた圧電体薄膜は(110)面には成長せず、(110)面以外の面が優先して成長した圧電体薄膜となる。
この工程は、乾燥機、ホットプレート、管状炉、電気炉などの熱源内に基板を入れる、またはこれらの熱源を基板に接触させることにより行うことができる。この際、加熱は、500℃以上800℃以下で行うことが好ましい。また、加熱雰囲気は、酸化性雰囲気であればよく、大気雰囲気下、20%超の酸素を含む雰囲気下などで行うことができる。加熱の時間は特に限定されないが、2分以上60分未満であることが望ましい。両前駆体層の加熱工程は複数回に分けて行っても良いし、1回だけでも良い。
4.圧電体薄膜の製造装置
圧電体薄膜の製造装置は、塗工手段、乾燥手段、加熱手段を有する。塗工手段は、基板上に、有機溶剤とPTO前駆体、若しくはPZT前駆体とを含む第一若しくは第二の塗工液を塗工することが可能となっている。基板は、載置部に載置されるようになっている。乾燥手段は、無風環境下で塗工した各塗工液からから有機溶剤を蒸発させて、第一の前駆体層、若しくは第二の前駆体層を得ることが可能となっている。加熱手段は、両前駆体層を加熱して、両前駆体から圧電体薄膜を形成することが可能となっている。
以下、実施例を参照して本発明を具体的に説明する。実施例及び比較例における配向度及び平均粒子径は以下の方法で評価した。
配向度評価方法
圧電体薄膜の優先配向面は、得られた薄膜をX線回折装置(XRD;株式会社リガク製:RINT−2100)により測定し、得られた回折結果のうち、最も強度の高い配向面とした。また、得られた薄膜の(110)面における配向度は、先述の回折結果から、(110)面の強度/((100)面の強度+(110)面の強度+(111)面の強度)を計算することにより算出した。以下に測定条件を示す。
(測定条件)
X線源:Cu Kα
X線出力:40kV/10mA
X線スリット幅 入射:0.47mm
反射:0.3mm
測定条件 θ−2θ
測定範囲 2θ:20°〜45°
測定ステップ幅 0.03°
測定時間 1.0s/ステップ
平均粒子径測定方法
各圧電体薄膜の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM:HITACHIハイテク社製 FE−SEM S−4800)を用いて倍率5万倍及び10万倍で撮影した圧電体薄膜表面の電子顕微鏡写真を使用し、写真中に写る任意の結晶粒子30個の最長径と最短径を定規にて肉眼で測定し、その平均値を圧電体薄膜の平均粒子径とした。
[実施例1]
圧電体薄膜の第一の塗工液として、金属組成がPb/Ti=1.15/1.00で表されるチタン酸鉛(PTO)前駆体を含む塗工液を以下の通りに調製した。
酢酸鉛水和物1.2molを加熱で脱水し、これに安定化剤として1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン1.2molおよび1−メトキシ−2−プロパノール(9mol)を混合し加熱撹拌することで反応させる。その後、テトライソプロポキシチタン1molを加えて更に加熱し反応させ、金属化合物を互いに複合化させた。次に、水(5mol)、エタノール(5.0mol)を添加し、加水分解反応を行い、PTO前駆体を得た。その際、酢酸(3.8mol)とアセチルアセトン(0.6mol)を加えた。その後、沸点100℃以下の溶媒をロータリーエバポレーターで完全に取り除き、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(有機溶剤)を添加して、上記金属組成比のPTOに換算した濃度が1.1質量%になるように濃度を調節し、第一の塗工液を調製した。
次に、第二の塗工液として、金属組成がPb/Zr/Ti=1.2/0.52/0.48で表されるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)前駆体を含む塗工液を以下の通り調製した。
酢酸鉛水和物1.2molを加熱で脱水し、これに安定化剤として1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン1.2molおよび1−メトキシ−2−プロパノール(9mol)を混合し加熱撹拌することで反応させる。その後、テトラn−ブトキシジルコニウム0.52mol、テトライソプロポキシチタン0.48molを加えて更に加熱し反応させ、原料金属化合物を互いに複合化させた。次に、水(5mol)、エタノール(5.0mol)を添加し、加水分解反応を行った。その際、酢酸(3.8mol)とアセチルアセトン(0.6mol)を加えた。その後、沸点100℃以下の溶媒をロータリーエバポレーターで完全に取り除き、ジエチレングリコールモノエチルエーテルを添加して、上記金属組成比のPZTに換算した濃度が24質量%になるように濃度を調節し、第二の塗工液を調製した。
続いて、本実施例で用いる基板として、直径6インチ(15cm)のシリコン基板の表面に熱酸化によりシリカ(SiO)層を500nm設けた基板を用意し、前記基板に基板加熱をしない状態でTiをスパッタリング法で10nm成膜し、中間層を形成した。続いて、中間層Tiの上に、基板加熱をしない状態でPtをスパッタリング法にて150nm成膜し、下部電極を形成した。
次に、第一の塗工液をスピンコーター(2000rpm15秒)により、前述の工程にて形成した基板のPt面に塗工した。次に基板上の第一の塗工液に含まれる有機溶剤を系外に除去する工程として、150℃に加熱したホットプレート(アズワン株式会社製 商品名「シャマルホットプレートHHP−411」、盤面の温度ムラは150℃±1℃)に、塗工した基板を5分間載せ、第一の塗工液中の有機溶剤を蒸発させてPTO前駆体を含む第一の前駆体層を形成した。
その後、第一の前駆体層上に、調製した前述の第二の塗工液をスピンコーター(4000rpm15秒)により、速やかに塗工した。続いて塗工した第二の塗工液中の有機溶剤を系外に除去する工程として、340℃に加熱した上記のホットプレート(盤面の温度ムラは340℃±1℃)に塗工した基板を5分間載せ、有機溶剤を蒸発させてPZT前駆体からなる第二の前駆体層を形成した。両前駆体層を形成した基板は、電気炉で昇温速度70℃/秒で酸素雰囲気下650℃、10分間の焼成(急速加熱処理(Rapid Thermal Anneal)、RTAともいう)を行い両前駆体を結晶化させて、配向制御層及び圧電体層を含む圧電体薄膜を得た。これを実施例1の圧電体薄膜とした。
[実施例2]
実施例1で、第一の塗工液を塗工後、乾燥させて第一の前駆体層を形成する際の、ホットプレートの温度を340℃とした以外は同様の工程で圧電体薄膜を得た。これを実施例2の圧電体薄膜とした。
[実施例3]
実施例1で、第一の塗工液を塗工後、乾燥させて第一の前駆体層を形成する際の、ホットプレートの温度を360℃とした。また、第二の塗工液を塗工後、乾燥させて第二の前駆体層を形成する際の、ホットプレートの乾燥温度を340℃とした以外は同様の工程で圧電体薄膜を得た。これを実施例3の圧電体薄膜とした。
[実施例4]
実施例1で、第一の塗工液を塗工後、乾燥させて第一の前駆体層を形成する際の、ホットプレートの温度を280℃とした。また、第二の塗工液を塗工後、乾燥させて第二の前駆体層を形成する際の、ホットプレートの乾燥温度を360℃とした以外は同様の工程で圧電体薄膜を得た。これを実施例4の圧電体薄膜とした。
[実施例5]
実施例1で、第一の塗工液を塗工後、乾燥させて第一の前駆体層を形成する際の、ホットプレートの温度を200℃とした。また、第二の塗工液を塗工後、乾燥させて第二の前駆体層を形成する際の、ホットプレートの乾燥温度を340℃とした以外は同様の工程で圧電体薄膜を得た。これを実施例5の圧電体薄膜とした。
[実施例6]
実施例1で、第一の塗工液を塗工後、乾燥させて第一の前駆体層を形成する際の、ホットプレートの温度を280℃とした。また、第二の塗工液を塗工後、乾燥させて第二の前駆体層を形成する際の、ホットプレートの乾燥温度を340℃とした以外は同様の工程で圧電体薄膜を得た。これを実施例6の圧電体薄膜とした。
[実施例7]
実施例1で、第一の塗工液を塗工後、乾燥させて第一の前駆体層を形成する際の、ホットプレートの温度を150℃とした。また、第二の塗工液を塗工後、乾燥させて第二の前駆体層を形成する際の、ホットプレートの乾燥温度を330℃とした以外は同様の工程で圧電体薄膜を得た。これを実施例7の圧電体薄膜とした。
[実施例8]
実施例1で、第一の塗工液を塗工後、乾燥させて第一の前駆体層を形成する際の、ホットプレートの温度を150℃とした。乾燥時間を30分とした。また、第二の塗工液を塗工後、乾燥させて第二の前駆体層を形成する際の、ホットプレートの乾燥温度を330℃とした以外は同様の工程で圧電体薄膜を得た。これを実施例8の圧電体薄膜とした。
[実施例9]
実施例1で、第一の塗工液を塗工後、乾燥させて第一の前駆体層を形成する際の、ホットプレートの温度を150℃とした。また、第二の塗工液を塗工後、乾燥させて第二の前駆体層を形成する際の、ホットプレートの乾燥温度を330℃とし、乾燥時間を30分とした以外は同様の工程で圧電体薄膜を得た。これを実施例9の圧電体薄膜とした。
[比較例1]
実施例1で、第一の前駆体層を形成せずに、第二の塗工液を実施例1と同様にして基板のPt上に直接塗工し、乾燥、焼成した以外は同様の工程でPZTからなる圧電体薄膜を得た。これを比較例1の圧電体薄膜とした。
[比較例2]
実施例1で、基板上に第一の前駆体層を形成した後、電気炉で昇温速度70℃/秒で酸素雰囲気下650℃、10分間の焼成(RTA)を行った。また、チタン酸鉛からなる配向制御層を結晶化させてから、第二の塗工液を塗工する以外、同様の工程でPZTからなる圧電体薄膜を得た。これを比較例2の圧電体薄膜とした。
[比較例3]
実施例1で、第二の塗工液を塗工後、乾燥させて第二の前駆体層を形成する際の、ホットプレートの乾燥温度を280℃とした以外は同様の工程で圧電体薄膜を得た。これを比較例3の圧電体薄膜とした。
[比較例4]
実施例2で、第二の塗工液を塗工後、乾燥させて第二の前駆体層を形成する際の、ホットプレートの乾燥温度を380℃とした以外は同様の工程で圧電体薄膜を得た。これを比較例4の圧電体薄膜とした。
[比較例5]
実施例1で、下部電極としてPtを成膜した後、ホットプレートで400℃5分加熱し、Ptを結晶化させてから、圧電体薄膜を成膜した以外は同様の工程で圧電体薄膜を得た。これを比較例5の圧電体薄膜とした。
[比較例6]
実施例1で、第一の塗工液を塗工後、乾燥させて第一の前駆体層を形成する際の、ホットプレートの温度を380℃とした以外は同様の工程で圧電体薄膜を得た。これを比較例6の圧電体薄膜とした。
[比較試験]
実施例1〜9、及び比較例1〜6で得られた圧電体薄膜について、先述の評価方法を用いて優先配向面、配向度、平均粒子径を求めた。その結果を表1に示す。また、実施例1〜3のX線回折結果を図5に、比較例1〜4のX線回折結果を図6に示す。また、実施例1で使用したPt電極成膜後の基板及び比較例5で使用したPt電極成膜後の基板のX線回折結果を図7に、実施例1と比較例5のX線回折結果を図8に示す。さらに、実施例1の表面電子顕微鏡写真を図9に、実施例5〜6及び比較例6のX線回折結果を図10に、実施例7〜9のX線回折結果を図11に示す。
実施例では、Pt加熱なし、第一の塗工液乾燥を150℃〜360℃の範囲で行う、第一の前駆体層焼成なし、第二の塗工液乾燥を310℃〜360℃の範囲で行った。この結果、表1及び図5、図6、図10及び図11に示す通り、(110)面に大きく成長し、かつ図9に示すように粒径も1μm以下と細やかなPZT薄膜が得られることが確認された。
一方、比較例1のように配向制御層となる第一の前駆体層が無い、若しくは比較例2のように第一の前駆体層を焼成するなど大きな熱負荷を与えて結晶化させてしまうと(110)面の成長はしないことも確認された。また、比較例3及び比較例4のように、第二の塗工液の乾燥温度が上記範囲内から外れると、別の方位が成長し、(110)面に優先配向したPZT薄膜が得られないことも、合わせて確認された。
加えて、比較例5のようにPtを結晶化させてから、配向制御層、並びに圧電体層を成膜すると、表1及び図8に示すように(110)面の成長が抑えられてしまう。そのため、配向制御層及び圧電体層を成膜する前にPt下部電極を加熱しないことは、(110)面に高配向したPZT薄膜を得る上で、必要であることも確認された。なお、図7と図8から、実施例1で製造された圧電体基板において、下部電極であるPtは圧電体薄膜形成前と後では(111)面のピーク位置が異なっていることがわかる。これは、第一及び第二の前駆体層を焼成する際にPtの結晶化も進行していることによる。
また、比較例6のように配向制御層となる第一の層の乾燥温度が360℃を超えると、図10に見られるように(110)面の成長が抑えられ、相対的に(110)面の比率が低下することが分かる。
1 下地基板
2 中間層
3 下部電極
4 配向制御層
5 圧電体層
21 液体吐出ヘッド用基板
21A 開口部
22 インク吐出口
23 圧力室
24 ノズルプレート
25 アクチュエーター
26 振動板
27 圧電体薄膜
28 下部電極
29 上部電極
30 圧電素子

Claims (9)

  1. SiOを最表層に有する基板と、該基板のSiO層の上に設けられたTiもしくはTiOからなる中間層と、該中間層上に設けられたPtからなる下部電極と、該下部電極上に設けられたチタン酸鉛を含む配向制御層と、該配向制御層上に設けられた圧電体層を有し、
    前記圧電体層は、Pb(Zr(y)Ti(1−y))O(x=1.0〜1.2、0.4<y<0.6)で表される組成を有するチタン酸ジルコン酸鉛を含み、
    前記圧電体層は、X線回折法にて測定された(100)、(110)、(111)面の反射強度の総和に対する(110)面の反射強度の割合が70%以上であり、かつ表面の結晶粒子の平均粒径が1.0μm以下である、圧電体基板。
  2. 前記中間層の厚みは、2nm以上30nm以下であることを特徴とする、請求項1記載の圧電体基板。
  3. SiO層を最表層に有する基板の、該SiO層上に中間層としてTiもしくはTiOを成膜する工程、
    該中間層の上に下部電極として、基板温度が10℃〜50℃の範囲内でPtを成膜する工程、
    該下部電極の上にチタン酸鉛前駆体を含む第一の塗工液を塗工、乾燥し、第一の前駆体層を形成する工程、
    前記第一の前駆体層上に、Pb(Zr(y)Ti(1−y))O(x=1.0〜1.2、0.4<y<0.6)で表される組成を有するチタン酸ジルコン酸鉛の前駆体を含む第二の塗工液を塗工、310℃〜360℃の範囲で乾燥して第二の前駆体層を形成する工程、及び
    前記第一及び第二の前駆体層を合わせて結晶化させる工程
    とを含む圧電体基板の製造方法。
  4. 前記成膜されたPtは、(111)配向を有し、X線回折法にて測定されたそのピーク位置は結晶化されたPt(111)よりも0.1°以上低角側にシフトしていることを特徴とする請求項3に記載の圧電体基板の製造方法。
  5. 前記Ptはスパッタ法で成膜される請求項3又は4に記載の圧電体基板の製造方法。
  6. 前記第一の前駆体層を形成する工程における乾燥温度は、150℃〜360℃の範囲であることを特徴とする、請求項3乃至5のいずれか1項に記載の圧電体基板の製造方法。
  7. 前記中間層の厚みを、2nm以上30nm以下とすることを特徴とする、請求項3乃至6のいずれ1項に記載の圧電体基板の製造方法。
  8. 液体吐出口と、前記液体吐出口に連通する圧力室と、前記圧力室に前記液体吐出口から液体を吐出するための容積変化を生じさせるアクチュエーターと、を有し、前記アクチュエーターは、前記圧力室側から順に、振動板と、請求項1又は2に記載の圧電体基板と、上部電極と、を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  9. 前記圧電体基板の前記基板が、前記振動板を兼ねる請求項8に記載の液体吐出ヘッド。
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