JP2017227742A - 絞り装置、レンズ鏡筒及び撮像装置又は投影装置 - Google Patents
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Abstract
Description
絞り装置を小型化するため、かかる絞り羽根の退避スペースを狭くすべく、絞り羽根の幅自体を狭くする取り組み(絞り羽根の幅狭化)が従来よりなされている。
しかし、絞り羽根の幅狭化を進めると、絞り開口以外の部分で漏光し易いという問題を生じることが知られている。
つまり、カム溝933は、絞り羽根910を駆動するための溝と漏光防止羽根920を駆動するための溝とを設ける必要があり、いずれか一方の羽根のみを駆動する溝のみを設ける構成に比べて、長いカム溝になる。
上述のように、従来の絞り装置900によれば、一本のカム溝で2種類の羽根を駆動しているため、長いカム溝が必要となる。そのため、駆動環930の限られたスペースに設けることができるカム溝の数は増やし難く、ひいては絞り羽根の枚数を増やすことも難しくなる。
なお、参考までに、複数の絞り羽根により形成される絞り開口の形状は、角張った形状よりも円形に近い形状の方が撮像品位上好ましく、絞り羽根の数を多くするほど、絞り開口の形状を円形に近づけ易い。そのため、撮像品位上は、絞り羽根の枚数を増加させることが望ましい。
このような絞り装置によれば、第1カム溝には漏光防止羽根を駆動するためのカム溝パターンを形成する必要がないため、その分、当該第1カム溝の長さは、従来の絞り装置におけるカム溝の長さよりも短くすることができる。第1カム溝の長さを短くできるため、駆動環に設けることができる第1カム溝の数を増やすことが容易となる。かくして、本発明に係る絞り装置によれば、絞り羽根の枚数を増加させ易い絞り装置を提供することができる。
このような距離の違いにより、漏光防止羽根が回動する角速度を、絞り羽根が回動する角速度よりも遅くすることができ、漏光防止羽根を絞り羽根よりも遅れて突出させることができる。
1.実施形態1に係る絞り装置10の基本構造
図1〜図2は、実施形態1に係る絞り装置10を説明するために示す図である。図1(a)は、絞り装置10を分解した状態の斜視図である。なお、絞り羽根100及び漏光防止羽根200は、互いに重ね合わされた状態で図示されている。図1(b)は、組み立てた状態の絞り装置10の斜視図である。なお、スナップリング500は駆動環300の脱落防止目的で収容体400の外周壁410(後述する。)の内側に取り付けられる。図2は、絞り装置10を光軸OAに沿って平面視したときの平面図である。図2(a)は、絞り羽根100及び漏光防止羽根200を収容体400の幅(光軸OAと直交する方向の幅)内に退避させた状態を示すものであり、絞り開口(絞り羽根100により形成される開口)の開口径を最大にした状態(フル開放状態)を示している。図2(c)は、絞り開口の開口径を最小にした最小絞り状態を示す図である。図2(b)は、絞り羽根100及び漏光防止羽根200をフル開放状態と最小絞り状態との間の位置に移動させた中間絞り状態を示す図である。なお、図2(a)及び図2(c)においては、一対をなす絞り羽根100及び漏光防止羽根200と、それらに対応する第1カム溝330とが図示されており、他の絞り羽根、漏光防止羽根及び第1カム溝は図示が省略されている。
絞り装置10は、絞り羽根100、漏光防止羽根200、駆動環300及び収容体400を備える。収容体400を受け皿として、その上に、複数の絞り羽根100及び複数の漏光防止羽根200が重ねられるように積層され、さらにその上に駆動環300が載置されている。さらに、その上には、スナップリング500が載置され、収容体400の外周壁410の内壁に嵌合されている。
開口径ADは、図2(a)〜図2(c)に示すように、絞り羽根100の開口413内への突出量に応じて、絞りの開口径が、開口径ADf〜開口径ADm〜最小絞り状態の開口径というように遷移しながら変更される。
図3は、実施形態1に係る絞り装置10の要部を説明する図であり、一対をなす絞り羽根100及び漏光防止羽根200とそれらに対応する駆動環300及び収容体400の一部とを取り出して示した斜視図である。その他の構成要素については図示が省略されている。
第1平面板102は、遮光性を有しており、他の構成要件(漏光防止羽根200、収容体400等)と合わせて滑らかに摺動することができる材料からなっている。第1固定ボス120及び移動ボス130は、一定の半径を有する円筒の形状を有している。第1固定ボス120の「固定」の意味は、収容体に対するボスの位置は移動せず固定的であるという意味であり、ボス単体では回転可能であるものとする。
第2平面板202も第1平面板102と同様に、他の構成要件(絞り羽根100、収容体400等)と合わせて滑らかに摺動することができる材料からなっている。また、第2固定ボス220は、一定の半径を有する円筒の形状を有している。第2固定ボス220の「固定」の意味は、収容体に対するボスの位置は移動せず固定的であるという意味であり、ボス単体では回転可能であるものとする。
第1カム溝330は、移動ボス130が嵌挿され、カム溝の位置により光軸OAとの距離が異なるように構成されている。ただし、周方向に沿ってカム溝をみたときに光軸OAとの距離が同じ区間を一部有していても構わない。
かかる駆動環300が光軸OAを中心に回転すると、第1カム溝330は、光軸OAを中心とする周方向に移動する。このとき、第1カム溝330に嵌挿された移動ボス130は、第1固定ボス120を中心に回転させられる。つまり、移動ボス130は、第1固定ボス120を回転中心にして、開口413の内側に向かう方向(以下、−r方向とする。)と、開口413の外側に向かう方向(以下、r方向とする。)とに移動させられる。
駆動環300に回転力を付与する方法はいかなる方法でもよいが、実施形態1においては、駆動環本体310と一体となって回転する回転レバー340を設け、当該回転レバー340に対して図示しない回転力付与手段から力を加える。
また、収容体400には、上記した一対をなす絞り羽根100及び漏光防止羽根200に対応して第1固定ボス120及び第2固定ボス220がそれぞれ挿入される一対の第1孔401j及び第2孔402jが、nセット(絞り羽根100及び漏光防止羽根200の対数)設けられている(ただし、nは2以上の整数。)。
さらに、収容体400には、図1(b)に示すように、駆動環300の回転レバー340が回転できるように外周壁410の一部を切り欠いた切欠部411を有している。
上記した一対をなす絞り羽根100及び漏光防止羽根200は、図2(a)、図2(c)、図3等に示すように、第2方向に向かって絞り羽根100及び漏光防止羽根200の順で積層されている。
絞り羽根100の移動ボス130は、漏光防止羽根200の第2カム溝230に嵌挿され、且つ、駆動環300の第1カム溝330にも嵌挿されている。
なお、移動ボス130は第1カム溝330及び第2カム溝230に「嵌挿」されているとしているが、移動ボス130が、第1カム溝330の深さ(駆動環300の厚さ)の一部にだけ挿入されていてもよいし、第2カム溝230に加えて第1カム溝330を貫通していてもよい。なお、実施形態1においては、ほぼ貫通する程度の状態としている。
実施形態1に係る絞り装置10は、上述したように、複数の羽根を光軸に対して進退させることにより絞り開口の開口径を変化させる絞り装置であって、絞り羽根100と、この絞り羽根100と一対をなす漏光防止羽根200と、駆動環300と、収容体400とを有する。
絞り羽根100は、第1平面板102からなり、絞り装置10の絞り開口(絞り羽根100により形成される開口)に入射する光を遮る第1羽根部110と、第1平面板102の一方の面F1から光軸OAに沿った第1方向の側に突出した第1固定ボス120と、第1平面板102の他方の面F2から第1方向とは逆方向の第2方向の側に突出した移動ボス130とを有する。
漏光防止羽根200は、第2平面板202からなり、絞り装置10の絞り開口に入射する光を遮る第2羽根部210と、第2平面板202の一方の面F3から第1方向の側に突出した第2固定ボス220とを有する。
駆動環300は、移動ボス130が嵌挿される第1カム溝330を有する。この第1カム溝330は、カム溝の位置により光軸OAとの距離が異なる。駆動環300は、光軸OAを中心に回転することができる。したがって、駆動環300が光軸OAを中心に回転すると、第1カム溝330が周方向に移動する。これにより、第1カム溝330に嵌挿された移動ボス130は、r方向または−r方向に移動させられる。
収容体400は、絞り羽根100、漏光防止羽根200及び駆動環300を収容する。
絞り装置10は、一対をなす絞り羽根100及び漏光防止羽根200をnセット(複数対)備える。駆動環300には、絞り羽根100毎に設けられている移動ボス130にそれぞれ対応するようにして第1カム溝330がn個(複数)形成されている。
収容体400には、一対をなす絞り羽根100及び漏光防止羽根200に対応して、第1固定ボス120及び第2固定ボス220がそれぞれ挿入される一対の第1孔401j及び第2孔402jが設けられている。第1孔401j及び第2孔402jは、nセット(絞り羽根100及び漏光防止羽根200の対数)設けられている。
漏光防止羽根200には第2カム溝230が設けられ、絞り羽根100の移動ボス130は、漏光防止羽根200の第2カム溝230に嵌挿され、且つ、駆動環300の第1カム溝330に嵌挿されている。
このような構造を採ることにより、以下のような作用が働くこととなる。(1)図示しない回転力付与手段から回転力が加えられて駆動環300が回転する。(2)駆動環300が回転すると、絞り羽根100においては、駆動環300から第1カム溝330を通じて、移動ボス130に対して力が働く。つまり絞り羽根100は、移動ボス130を力点とし、第1固定ボス120を支点(回動軸)として回動することとなる。(3)移動ボス130が第1固定ボス120を中心に回転(例えば−r方向に移動)することに伴い、漏光防止羽根200においては、移動ボス130から第2カム溝230に対して力が働く。つまり漏光防止羽根200は、移動ボス130から第2カム溝230に力が働いた箇所を力点とし、第2固定ボス220を支点(回動軸)として回動することとなる(図3等を参照。)。
このように実施形態1に係る絞り装置10では、駆動環300の第1カム溝330に嵌挿されているボスは絞り羽根100の移動ボス130のみであるものの、絞り羽根100の駆動に連動させて漏光防止羽根200も駆動することができる。
かくして、実施形態1に係る絞り装置10によれば、絞り羽根の枚数を増加させ易い絞り装置を提供することができる。
図4は、実施形態1における絞り羽根100及び漏光防止羽根200の回動について説明するために示す平面図である。一対をなす絞り羽根100及び漏光防止羽根200、並びにそれらに対応する第1カム溝330については図示され、その他の絞り羽根、漏光防止羽根及び第1カム溝については図示が省略されている。
図5は、実施形態1に係る絞り装置10の要部を説明する図である。図5(a)は、一対をなす絞り羽根100及び漏光防止羽根200と、それらに対応する収容体400の一部とを取り出して示した平面図であり、図5(b)は、漏光防止羽根200の第2突出部240近傍に焦点を当てて拡大した平面図である。その他の構成要素については図示が省略されている。
実施形態1に係る絞り装置10において、駆動環300の回転方向であって、駆動環300を回転させて第1カム溝330を移動させることによって、絞り羽根100を光軸OAに向けて移動せしめる方向《絞り羽根100を開口413の内側(−r方向)に突出させる方向。》を絞り回転方向ROTとする(図2、図3及び図4参照。)。
このとき、漏光防止羽根200の第2固定ボス220は、絞り羽根100の第1固定ボス120よりも絞り回転方向ROTの前方に位置するように、一対をなす絞り羽根100及び漏光防止羽根200が配置され、且つ、一対の第1孔401j及び第2孔402jの位置関係が設定されている。
ここで、第2固定ボス220を、第1固定ボス120よりも絞り回転方向ROTの前方に位置するように配置することにより、図4に示すように、第2固定ボス220と第2カム溝230(又は第2カム溝230に嵌挿された移動ボス130)との間の距離L2を、第1固定ボス120と移動ボス130との間の距離L1よりも長く設定することができる。つまり、漏光防止羽根200の回動に関係する支点と力点との間の距離L2を、絞り羽根100の回動に関係する支点と力点との間の距離L1よりも長く設定することができる。
駆動環300を回転させて、移動ボス130を例えば図4に示す軌跡S1で回動させた場合、これに連動して第2カム溝230は、第2固定ボス220を中心にして回動することになる。駆動環300の回転によって移動ボス130が軌跡S1を描いたときの、絞り羽根100が回動する角度をθ1とし、漏光防止羽根200が回動する角度をθ2としたとき、実施形態1における絞り装置10においてこれらの角度の関係はθ2<θ1となる。
つまり、漏光防止羽根200が回動する角速度は、絞り羽根100が回動する角速度よりも遅くなっている。したがって、漏光防止羽根200の第2羽根部210の先端216を、絞り羽根100の第1羽根部110の先端116よりも後から遅れて絞り装置10の開口413の内側に突出させることができる。よって、漏光防止羽根200が絞り羽根100よりも先に開口413の内側に突出してしまい、漏光防止羽根200が絞り開口を形成してしまうことを防止できる。
(a)絞り羽根100の第1突出部140に対応して設けられた凹部416
実施形態1に係る絞り装置10において、収容体400は、絞り羽根100及び漏光防止羽根200が内側に配置される円筒形の外周壁410を有し、この外周壁410の内側(光軸OA側)には、駆動環300が載置される駆動環載置面412を有する段部414が配置されている。収容体400を、光軸OAに沿って平面視したとき、この収容体400の段部414には、第1突出部140の輪郭のうち少なくとも一部の輪郭が入り込む凹部416が設けられている。
実施形態1に係る絞り装置10において、絞り羽根100は、第1固定ボス120が配設されており、且つ、第1羽根部110から突出している第1突出部140を有する。つまり、図5で示すように(図3も併せて参照。)、絞り装置10を光軸OAに沿って平面視したとき、絞り羽根100には、第1羽根部110から光軸OAから離れる方向に突出した第1突出部140が形成されている。言い換えれば、絞り羽根100は、第1羽根部110の部分については羽根幅を狭くされ、第1固定ボス120が設けられる部分を第1羽根部110よりも羽根幅の広い第1突出部140として形成されている。第1固定ボス120は、第1突出部140に配設されている。この第1突出部140の輪郭のうち最も光軸OAからの距離が遠い輪郭140’は、フル開放状態において第1羽根部110の外周縁112よりも外側(光軸OAから離れる方向)の位置に位置するように構成されている。
収容体400は、絞り羽根100及び漏光防止羽根200が内側(−r方向側)に配置される円筒形の外周壁410を有している。この外周壁410の内側には、駆動環300が載置される駆動環載置面412を有する段部414が配置されている。そして、収容体400を光軸OAに沿って平面視したとき、段部414には、第2突出部240の輪郭のうち少なくとも一部の輪郭が入り込む凹部416が設けられている。
実施形態1に係る絞り装置10において、漏光防止羽根200は、第2固定ボス220が配設されており、且つ、第2羽根部210から突出している第2突出部240を有する。つまり、図5で示すように(図3も併せて参照。)、絞り装置10を光軸OAに沿って平面視したとき、漏光防止羽根200には、第2羽根部210から光軸OAから離れる方向に突出した第2突出部240が形成されている。言い換えれば、漏光防止羽根200は、第2羽根部210の部分については羽根幅を狭くされ、第2固定ボス220が設けられる部分を第2羽根部210よりも羽根幅の広い第2突出部240として形成されている。第2固定ボス220は、第2突出部240に配設されている。この第2突出部240の輪郭のうち最も光軸OAからの距離が遠い輪郭240’は、フル開放状態において第2羽根部210の外周縁212よりも外側(光軸OAから離れる方向)の位置に位置するように構成されている。
図5(b)に示すように、漏光防止羽根200には、第2突出部240が、第2羽根部210の外周縁212(A3で示した円弧の位置)よりも外側(光軸OAからの距離が遠い側)の位置(A1で示した円弧の位置)に位置するように設けられている。収容体400の段部414には、第2突出部240の少なくとも一部が入り込む凹部416が設けられている。
言い換えると、第2突出部240が設けられることで、凹状の領域R(網掛けで示した領域)が形成される。領域Rは、仮想線A1と第2羽根部210の外周縁212(A3で示した円弧の位置)との間の領域である。仮想線A1は、仮に第2突出部240を設けなかった場合(漏光防止羽根200の羽根の幅を、第2羽根部210の部分についても、第2突出部240の部分と同じにした場合。)の第2羽根部210の外周縁の位置である。したがって、第2突出部240を設ける(第2羽根部210の部分の羽根幅を第2突出部240の部分の羽根幅よりも狭くする)ことで、仮想線A1と第2羽根部210の外周縁212(A3で示した円弧の位置)との間に凹状の領域Rが形成される。この領域Rには、駆動環載置面412の一部をこの領域Rに食い込んだ形で配置することができる。
このような構成によれば、元々相応の幅Wが必要とされる駆動環載置面412について、その幅の一部を上記領域R内に配置させることができ(駆動環載置面412を内側にシフトさせることができ)、結果として、収容体400の外周壁410の大径化を抑えることができ、ひいては絞り装置10を小型化することができる。
また、上記(b)の構成によれば、第2固定ボス220と第2カム溝230との間の距離を長くすることができ、漏光防止羽根200をより円滑に駆動することができる。
そのため、第1突出部140を設けることで、仮に第1突出部140を設けない場合に比べて、収容体400の外周壁410の大径化を抑えることができ、ひいては絞り装置10を小型化することができる。
さらに、上記(a)の構成とした場合、第1突出部140を第1羽根部110の外周縁から突出させない場合(第1突出部140が無い場合)に比べて、第1固定ボス120の光軸OAからの距離を長くすることができる。第1固定ボス120の光軸OAからの距離を長くすると、それに応じて、絞り羽根100の長さを長くする必要がある。これは、同じ絞り開口径を形成する場合、第1固定ボス120の光軸OAからの距離が長いほど、絞り羽根100の長さを長くする必要があるからである。一方、絞り羽根100の長さが長くなると、絞り回転方向ROTで前後する絞り羽根100同士の重なりの面積を広くすることができ、該前後する絞り羽根100同士の間に形成される隙間を小さくできる。つまり、漏光防止羽根200の大きさを小さくし、漏光防止羽根200の移動量を少なくすることができる。
実施形態1に係る絞り装置10は、図3及び図5(a)に示すように、一対をなす絞り羽根100及び漏光防止羽根200のそれぞれの外周縁には、凹部114,214が設けられている。
凹部114,214は、絞り羽根100及び漏光防止羽根200が絞り開口の開口径を最大とする位置(フル開放の位置、すなわち、絞り羽根100及び漏光防止羽根200が収容体400の幅内に退避された位置。)に移動させられたときに、別の一対をなす(絞り回転方向の後方で隣接する)絞り羽根100及び漏光防止羽根200についての第2固定ボス220《図5(a)において、第2孔402j+1を示した位置に対応して配置される第2固定ボス220。》を内側(外周縁を切り欠かなかったとした場合の羽根の輪郭の内側。)に配置できるように設けられている。
実施形態1に係る絞り装置10は、図3及び図5(a)に示すように、一対をなす絞り羽根100及び漏光防止羽根200の外周縁には、絞り羽根100及び漏光防止羽根200が絞り開口の開口径を最大とする位置(フル開放の位置、すなわち、絞り羽根100及び漏光防止羽根200が収容体400の幅内に退避された位置。)に移動させられたときに、別の一対をなす(絞り回転方向の後方で隣接する)絞り羽根100及び漏光防止羽根200についての第2固定ボス220を内側に配置するように切り欠いた凹部114,214が設けられている。
実施形態1においては、絞り羽根100及び漏光防止羽根200にそれぞれ凹部114および凹部214を設けているが、凹部はいずれか一方の羽根のみに設けてもよい。この場合には、絞り羽根100及び漏光防止羽根200が絞り開口の開口径を最大とする位置に移動されたときに羽根が第2固定ボス220に干渉しないように、凹部を設けない側の羽根幅を狭くする。なお、少なくとも漏光防止羽根200に凹部214を設けることで、第2カム溝230を形状(長さ、配置等)の自由度を高くすることができる。
実施形態1においては、別の一対をなす絞り羽根100及び漏光防止羽根200のうち、漏光防止羽根200についての第2固定ボス220を逃がすように凹部114,214が設けているが、絞り羽根100の第1固定ボス120を逃がすための別の凹部を更に設けるものとしてもよい。
実施形態1に係る絞り装置10は、図3に示すように、第2カム溝230を延べた長さは、第1カム溝330を延べた長さよりも短い。
換言すると第1カム溝330を延べた長さを、第2カム溝230を延べた長さよりも長く設定することにより、第1カム溝330を可能な限り駆動環300の幅一杯に近いほどに設けることができ、狭い幅の駆動環300を有効に用いながら羽根を内側方向に移動させる量(ストローク量)を可能な限り稼ぐことができる。
また、上記のような絞り装置10によれば、必要最小限の長さの第2カム溝230を設けることで足りるため、漏光防止羽根200もコンパクトに形成することができ、絞り装置10の小型化に資することができる。
実施形態1に係る絞り装置10は、図4に示すように、光軸OAを中心とした円周方向に対する第1カム溝330の角度を、絞り回転方向ROTに向かうにつれて光軸OAから離れる方向に傾斜させる角度としている。一方、第2カム溝230は、該円周方向に対する角度を、第1カム溝330の円周方向に対する角度に比べて小さく形成されている。
このような実施形態1に係る絞り装置10によれば、光軸をOA中心とした円周方向に対する第2カム溝230の角度を、光軸をOA中心とした円周方向に対する第1カム溝330の角度に比べて小さくしている。そのため、第2カム溝230の角度の方を第1カム溝330の角度よりも大きくした場合に比べて、漏光防止羽根200の駆動が円滑に行われる。第2カム溝230を、光軸OAを中心とした円周方向に沿って形成することで、漏光防止羽根200の駆動をより円滑に行うことができる。
次に実施形態2に係る絞り装置10aを、図6を用いて説明する。
図6は、実施形態2に係る絞り装置10aの要部を説明するために示す斜視図である。
なお、実施形態2に係る絞り装置10aは、絞り羽根100a、漏光防止羽根200a及び収容体400a以外の構成においては、実施形態1に係る絞り装置10と同様の構成を有する。そのため、実施形態1に係る絞り装置10が有する効果のうち該当する効果を同様に有する。
実施形態3に係るレンズ鏡筒20は、図7に示すように、レンズ鏡筒本体22の内側に、実施形態1に係る絞り装置10と、複数のレンズ24とが収容されている。
実施形態3に係るレンズ鏡筒20は、実施形態1に係る絞り装置10を備えているため、大型化が抑えられると共に、撮像状態が好適なレンズ鏡筒20の提供が可能となる。
なお、実施形態3において、実施形態1に係る絞り装置10に替えて実施形態2に係る絞り装置10aを適用してもよい。
実施形態4に係る撮像装置30は、図7に示すように、実施形態1に係る絞り装置10、又は、実施形態3に係るレンズ鏡筒20と、撮像装置本体32とを備える。実施形態4に係る撮像装置30は、例えばカメラ等に適用することができる。
また、実施形態4に係る投影装置35は、図7に示すように、実施形態1に係る絞り装置10、又は、実施形態3に係るレンズ鏡筒20と、投影装置本体37とを備える。実施形態4に係る投影装置35は、例えばプロジェクタ等に適用することができる。
なお、実施形態4において、実施形態1に係る絞り装置10に替えて実施形態2に係る絞り装置10aを適用してもよい。
Claims (8)
- 複数の羽根を光軸に対して進退させることにより絞り開口の開口径を変化させる絞り装置であって、
第1平面板からなり、当該絞り装置の絞り開口に入射する光を遮る第1羽根部と、前記第1平面板の一方の面から光軸に沿った第1方向の側に突出した第1固定ボスと、前記第1平面板の他方の面から前記第1方向とは逆方向の第2方向の側に突出した移動ボスとを有する絞り羽根と、
第2平面板からなり、当該絞り装置の絞り開口に入射する光を遮る第2羽根部と、前記第2平面板の一方の面から前記第1方向の側に突出した第2固定ボスとを有し、前記絞り羽根と共に一対をなす漏光防止羽根と、
前記移動ボスが嵌挿され、カム溝の位置により前記光軸との距離が異なる第1カム溝を有し、前記光軸を中心に回転することで、前記第1カム溝を、前記光軸を中心とする周方向に移動させる駆動環と、
前記絞り羽根、前記漏光防止羽根及び前記駆動環を収容する収容体と、を備え、
前記絞り装置は、一対をなす前記絞り羽根及び前記漏光防止羽根を複数対備え、前記駆動環には、前記移動ボス毎に対応して前記第1カム溝が複数形成され、
前記収容体には、各前記一対をなす絞り羽根及び漏光防止羽根に対応して前記第1固定ボス及び前記第2固定ボスがそれぞれ挿入される一対の第1孔及び第2孔が前記絞り羽根及び前記漏光防止羽根の対数設けられ、
前記漏光防止羽根には第2カム溝が更に設けられ、
前記絞り羽根の前記移動ボスは、前記漏光防止羽根の前記第2カム溝に嵌挿され、且つ、前記駆動環の前記第1カム溝に嵌挿されていることを特徴とする絞り装置。 - 請求項1に記載の絞り装置において、
前記駆動環の回転方向のうち、前記駆動環を回転させて前記第1カム溝を移動させることによって、前記絞り羽根を光軸に向けて移動せしめる方向を絞り回転方向としたときに、
前記漏光防止羽根の前記第2固定ボスは、前記絞り羽根の前記第1固定ボスよりも絞り回転方向の前方に位置するように、前記一対をなす絞り羽根及び漏光防止羽根が配置され、且つ、前記一対の第1孔及び第2孔の位置関係が設定されていることを特徴とする絞り装置。 - 請求項1又は2に記載の絞り装置において、
前記収容体は、前記絞り羽根及び前記漏光防止羽根が内側に配置される円筒形の外周壁を有し、該外周壁の内側には、前記駆動環が載置される駆動環載置面を有する段部が配置され、
前記絞り羽根は、前記第1固定ボスが配設されており、且つ、前記第1羽根部から突出している第1突出部を有し、
該第1突出部は、前記第1羽根部の外周縁よりも前記光軸からの距離が遠い位置に位置し、
前記収容体の前記段部には、前記第1突出部の少なくとも一部が入り込む凹部が設けられていることを特徴とする絞り装置。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の絞り装置において、
前記収容体は、前記絞り羽根及び前記漏光防止羽根が内側に配置される円筒形の外周壁を有し、該外周壁の内側には、前記駆動環が載置される駆動環載置面を有する段部が配置され、
前記漏光防止羽根は、前記第2固定ボスが配設されており、且つ、前記第2羽根部から突出している第2突出部を有し、
該第2突出部は、前記第2羽根部の外周縁よりも前記光軸からの距離が遠い位置に位置し、
前記収容体の前記段部には、前記第2突出部の少なくとも一部が入り込む凹部が設けられていることを特徴とする絞り装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の絞り装置において、
前記一対をなす絞り羽根及び漏光防止羽根の少なくとも一方の外周縁には、前記絞り羽根及び漏光防止羽根が絞り開口の開口径を最大とする位置に移動させられたときに、別の一対をなす前記絞り羽根及び前記漏光防止羽根についての前記第2固定ボスを内側に配置するように切り欠いた凹部が設けられていることを特徴とする絞り装置。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の絞り装置において、
前記駆動環の回転方向のうち、前記駆動環を回転させて前記第1カム溝を移動させることによって、前記絞り羽根を光軸に向けて移動せしめる方向を絞り回転方向としたときに、
前記第1カム溝は、前記光軸を中心とした円周方向に対して、前記絞り回転方向に向かうにつれて前記光軸から離れる方向に傾斜する角度に形成され、前記第2カム溝は、前記円周方向に対する角度を、前記第1カム溝の前記円周方向に対する角度に比べて小さく形成されていることを特徴とする絞り装置。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の絞り装置及びレンズが収容されたレンズ鏡筒。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の絞り装置又は請求項7に記載のレンズ鏡筒を備えた撮像装置又は投影装置。
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