以下、各実施形態及び変形例に係る駆動装置について図面を参照して説明する。なお、図面における各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る駆動装置を含むシャッター装置全体の構成を示す模式図である。図1に示すように、本実施の形態に係るシャッター装置1は、複数のスラッド2aを含んで構成されるシャッター2と、取付部材3と、駆動装置4と、回転機構5とを備える。本実施形態では、回転機構5に、シャッター2の一端が固定されている。そして、本実施形態では、駆動装置4により回転機構5が正逆回転されることで、回転機構5によりシャッター2が巻き上げられたり、巻き戻されたりして、シャッター2の開閉が行われる。回転機構5は、駆動装置4による駆動の対象となる装置である。回転機構5は、被駆動部の一例である。
取付部材3は、家屋の壁などにシャッター装置1を取り付けるための部材である。例えば、取付部材3の所定の面を壁に押し当てた状態で、ねじ等の固定手段で取付部材3を壁に固定させることで、シャッター装置1が壁に取り付けられる。
駆動装置4は、回転機構5を回転させる駆動力を発生し、発生した駆動力を回転機構5に伝達することで、回転機構5を回転駆動させる。駆動装置4は、モータ4aと、伝達装置4bと、後述する連結部材4cとを備える。
モータ4aは、図示しない電源からの電力の供給を受けて、モータ4aの出力軸21a(図6参照)を正逆回転することにより、回転機構5を正逆回転させる駆動力を発生する。本実施形態に係るモータ4aは、回転機構5の外側に設けられている。モータ4aは、いわゆる外付けのモータである。モータ4aは、駆動部の一例である。
伝達装置4bは、モータ4aにより発生された駆動力を後述する連結部材4cに伝達する。伝達装置4bについては後述する。
図2は、連結部材及び回転機構の斜視図であり、図3は、連結部材及び回転機構の正面図である。連結部材4cは、伝達装置4bと回転機構5とを連結する部材であり、伝達装置4bからの駆動力を回転機構5に伝達する。図2及び図3に示すように、連結部材4cは、第1の連結部材6aと、第2の連結部材6bと、ばね6cとを含む。
図4は、第1の連結部材の斜視図である。図4に示すように、第1の連結部材6aは、筒状部材であり、孔7aが形成されている。孔7aには、後述するシャフト5a(図3参照)が挿通される。第1の連結部材6aは、シャフト5aを回転軸として、シャフト5a周りを回転可能に設けられる。なお、シャフト5aは、後述するシャフトガイド50(図6参照)に固定されるため、回転しない。
また、第1の連結部材6aは、外径が異なる2つの部材9a及び部材9bが一体成形されたものである。2つの部材9a及び部材9bのうち、外径が大きい方の部材9bは、複数の突起部7bを有する。複数の突起部7bが、後述するドラム5c(図2参照)に形成された複数の凹部と係合することで、ドラム5cに対して第1の連結部材6aが取り付けられる。これにより、第1の連結部材6aがシャフト5a周りを回転する場合には、第1の連結部材6aの回転に伴ってドラム5cも回転することとなる。なお、係合するための形式としては、ドラム5cに形成された複数の孔に、複数の突起部7bが係合されるものでも良い。また、ドラム5cに対し、第1の連結部材6aが回転規制された状態で固定されれば、係合の形式は問わない。
また、部材9aの周面には、複数の溝7c及び複数の溝7dが形成されている。本実施形態では、溝7c及び溝7dがそれぞれ3つずつ、周方向に交互となるように等間隔で形成されている。溝7cは、第1の連結部材6aの周面の回転軸方向における中央部分8bから、第1の連結部材6aの一端8cまでにわたって形成されている。一方、溝7dは、第1の連結部材6aの周面の回転軸方向における中央部分8bから、第1の連結部材6aの一端8cよりも内側の部分8aまでにわたって形成されている。なお、溝7c及び溝7dは、それぞれ複数形成されていれば良く、例えば2つずつでも、4つずつでも良い。
また、部材9aには、ばね6c(図3参照)が覆うように設けられる。また、部材9bは、ばね6cの一端が当接される当接面7eを有する。
図5は、第2の連結部材の斜視図である。図5に示すように、第2の連結部材6bは、筒状部材であり、孔10aが形成されている。孔10aには、後述するシャフト5a(図3参照)が挿通される。第2の連結部材6bは、シャフト5aを回転軸として、シャフト5a周りを回転可能に設けられる。
また、第2の連結部材6bは、伝達装置4bが有する複数のギヤ(ギヤ群)のうち、最終ギヤである後述するギヤ15(図6参照)と噛み合うギヤ10bを有する。したがって、モータ4aにより発生された駆動力が伝達装置4bの複数のギヤを介して第2の連結部材6bに対して伝達される。
また、第2の連結部材6bには、第1の連結部材6aの部材9aに形成された溝7dに対応して、周方向に等間隔で複数のねじ孔10cが形成されている。本実施形態では、3つのねじ孔10cが周方向に等間隔で形成されている。また、第2の連結部材6bの内周面には、第1の連結部材6aの部材9aに形成された溝7cに対応して、周方向に等間隔で突起部10dが設けられている。本実施形態では、3つの突起部10dが周方向に等間隔で設けられている。なお、ねじ孔10c及び突起部10dは、それぞれ溝7d及び溝7cに対応して形成されるため、溝7d及び溝7cが2つずつの場合は、ねじ孔10c及び突起部10dも2つずつ、溝7d及び溝7cが4つずつの場合は、ねじ孔10c及び突起部10dも4つずつ形成されるということは言うまでもない。
第2の連結部材6bの内径は、先の図4に示す部材9aの外径よりも大きい。本実施形態では、部材9aの一部が第2の連結部材6bの孔10aに挿入された状態で、ねじ孔10cを挿通したねじ10f(図3参照)の先端部分が、溝7d内を移動可能に、溝7dと係合する。また、突起部10dが、溝7c内を移動可能に、溝7cと係合する。これにより、第2の連結部材6bがシャフト5a周りを回転する場合には、第2の連結部材6bの回転に伴って第1の連結部材6aも回転する。また、第2の連結部材6bは、第1の連結部材6aに対して回転軸方向に移動(摺動)可能な状態で、第1の連結部材6aにより支持される。なお、ねじ10f及び突起部10dは、移動部の一例である。
ただし、その移動可能な範囲は制限されている。例えば、第2の連結部材6bは、第2の連結部材6bのねじ孔10cを挿通したねじ10fの先端部分が、溝7dの部分8a(図4参照)から、中央部分8b(図4参照)までを移動する範囲内で、第1の連結部材6aに対して移動可能となる。したがって、第1の連結部材6aに対して第2の連結部材6bは、回転軸方向に移動可能である。また、連結部材4cは、第1の連結部材6aに対して第2の連結部材6bが回転軸方向に移動可能であるため、回転軸方向に伸縮可能となる。
図2〜5を参照して、ばね6cについて説明する。ばね6cは、第1の連結部材6aの部材9aの一部が第2の連結部材6bの孔10aに挿入された状態で、第2の連結部材6bの一部及び部材9aを覆うように設けられる。ばね6cの一端は、第1の連結部材6aの当接面7eに当接し、ばね6cの他端は、第2の連結部材6bの当接面10eに当接する。ばね6cは、第1の連結部材6aと第2の連結部材6bとが離れる方向に、当接面7e及び当接面10eに対して付勢する。これにより、第2の連結部材6bに対して、ばね6cの付勢力以外の力が加わっていない場合には、第2の連結部材6bのねじ孔10cを挿通したねじ10fの先端部分が、溝7dの部分8aに位置する状態となり、第1の連結部材6aと第2の連結部材6bとが最も離れる状態となる。ばね6cは、付勢部の一例である。
図2及び図3に示す回転機構5について説明する。図2及び図3に示すように、回転機構5は、シャフト5aと、ドラム5cと、ロール5bとを有する。
ドラム5cは、シャフト5aを回転軸として、シャフト5a周りを回転可能に設けられる。ロール5bは、両端がドラム5cに固定され、ドラム5cと一体的に回転する。また、ロール5bには、シャッター2の一端が固定されるため、ドラム5c及びロール5bの回転に伴い、シャッター2が開閉する。
次に、図6及び図7を参照して、伝達装置4bについて説明する。図6は、第1の実施形態に係る伝達装置の正面図であり、図7は、第1の実施形態に係る伝達装置の背面図である。なお、図6及び図7の例では、伝達装置4bの筐体(ケース)4d(図10,23参照)の図示は省略されている。伝達装置4bは、ギヤ群を有し、モータ4aにより発生された駆動力を連結部材4cに伝達する。図6及び図7の例に示すように、伝達装置4は、ギヤ15〜21と、シャフトガイド50とを有する。また、伝達装置4には、ギヤ切り離し用レバー30、回動部材32及び保持部材33が取り付けられている。ギヤ切り離し用レバー30、回動部材32及び保持部材33は、切替部の一例である。
ギヤ15〜21の各種のギヤについて、モータ4a側から説明する。ギヤ21は、モータ4aの出力軸21aに取り付けられている。そのため、出力軸21aの回転に伴って、ギヤ21は回転する。したがって、モータ4aにより発生された駆動力は、ギヤ21に伝達される。
ここで、ギヤ21には、ブレーキ機構100が接続され、ギヤ21の回転がブレーキ機構100によって規制される。
ブレーキ機構100の構成を説明する。図8は、ブレーキ機構の分解図である。図8に示すように、ブレーキ機構100は、モータ4aの出力軸21a(図6,7参照)を中心に回転する回転部材11と、伝達装置4bの筐体4d(図10,23参照)に対して直接、又は、間接的に固定されている固定部材12と、転がり部材としてのボール13と、付勢手段としてのばね14(図10参照)と、を備える。
回転部材11には、出力軸21aが挿通される軸孔11aと、ボール13の移動をガイドするガイド溝11bと、が形成されている。回転部材11は、ギヤ21に固定されており、ギヤ21と一体的に出力軸21aを中心として回転する。
固定部材12には、出力軸21aが挿通される軸孔12aと、回転部材11に当接して回転部材11の回転を規制する当接面12bと、当接面12b側に形成されており、回転部材11の回転方向に沿って延伸している溝12cと、が形成されている。
軸孔11aには、出力軸21aが挿通され、回転部材11が出力軸21aに対して回転しないよう不図示の固定手段で固定される。固定手段として、固定用のピンを用いて回転部材11と出力軸21aとが互いに固定されている。もしくは、固定手段として、出力軸21a及び軸孔11aが互いに嵌合可能なDカット形状を有しており、互いに相対回転しないように嵌合されている。つまり、回転部材11は出力軸21aと一体となって回転する。なお、固定部材12は、図示しない固定手段(例えば、固定用のピン等)により出力軸21aを中心とした回転は行わないが、出力軸21aに沿った方向(軸方向)に移動可能に組み付けられている。
図9は、固定部材の上面図である。当接面12bには、摩擦体としてのブレーキパッド12baが設けられている。ブレーキパッド12baは、溝12cの外側(出力軸21aと反対側)に沿って全周にわたって設けられている。このブレーキパッド12baにより、回転部材11と固定部材12の当接面12bとの間の摩擦力が大きくなり、ブレーキ機構100によるブレーキの力が大きくなる。なお、ブレーキパッド12baは、弾性部材からなることが好ましい。ブレーキパッド12baが弾性を有し、固定部材12にばね14の付勢力が加えられることにより、ボール13が溝12cの最深部12ca(図10参照)に位置する場合に、ボール13が溝12c及びガイド溝11bの双方と確実に当接する。その結果、ボール13が溝12c又はガイド溝11bから離間して空転することが防止されている。
ただし、摩擦体は、回転部材11の当接面12bと当接する面に設けられていてもよい。また、摩擦体は、出力軸21aが延伸する方向に突出している面12dに設けられていてもよい。この場合、当接面としての面12dとギヤ21とが当接して、シャッター2の開閉が規制される。このとき、回転部材11と当接面12bとは当接しない。このように、当接面としての面12dが回転部材11に直接当接せず、ギヤ21等を介して間接的に回転部材11に当接する構成も本実施の形態に含まれる。
図9に示すように、溝12cは、回転部材11の回転方向に沿って3つ形成されている。図10は、図9のA−A線に対応するブレーキ機構の断面図である。図10に示すように、溝12cは、回転部材11の回転方向における位置によって深さが変化する。具体的には、溝12cは、略中央部に位置する最深部12caから両端部に向かって浅くなるように深さが変化し、両端部には第2の位置としての最浅部12cb及び最浅部12ccが位置する。溝12cの最深部12caの底面からガイド溝11bの底面までの距離は、ボール13の直径に略等しい。溝12cの最浅部12cb又は最浅部12ccの底面からガイド溝11bの底面までの距離は、ボール13の直径より小さい。
ボール13は、例えば金属からなる球体である。ボール13は、固定部材12の溝12cにそれぞれ1つずつ配置され、ガイド溝11bにガイドされて溝12cに沿って転がって移動する。
ばね14は、固定部材12の当接面12bが形成されている面と反対側の面と、筐体4dの内壁面と、の間に配置されており、固定部材12を回転部材11に近づける方向に付勢する。
次に、ブレーキ機構100の動作を説明する。はじめに、ブレーキ機構100がシャッター2の開閉を規制している状態を説明する。まず、モータ4aが回転していない状態では、ボール13は、溝12cの最深部12caに位置する。ここで、溝12cの最深部12caの底面からガイド溝11bの底面までの距離は、ボール13の直径に略等しい。その結果、この状態では、回転部材11と固定部材12の当接面12bとが当接している。そして、回転部材11は、出力軸21aに対して回転しないよう固定されているので、回転部材11と固定部材12の当接面12bとの間の摩擦力により、回転部材11の出力軸21aに対する回転が規制されている。このとき、回転部材11に固定されているギヤ21の回転も規制されるため、ギヤ21と噛み合う各ギヤの回転も規制され、結果としてシャッター2の開閉が規制される。
続いて、ブレーキ機構100によるシャッター2の開閉の規制が解除される様子について説明する。図11、図12は、ブレーキ機構の動作を説明するための図である。モータ4aが正方向に回転すると回転部材11は、モータ4aの出力軸21aと一体に回転するため、図11に示す矢印C1の方向に回転する。すると、回転部材11のガイド溝11bと固定部材12の溝12cとの間に挟まれたボール13は、図11に示す矢印C2に沿って、溝12cの最深部12caから最浅部12cbまで転がりながら移動する。ここで、ボール13が溝12cの最深部12caから移動し始めると、ボール13に押されることにより、固定部材12は、ばね14の付勢力に逆らって、回転部材11から離れる方向(図11に示す矢印C3の方向)に移動する。すると、回転部材11と固定部材12の当接面12bとが離間を始める。さらに、溝12cの最浅部12cbの底面からガイド溝11bの底面までの距離は、ボール13の直径より小さい。その結果、ボール13が最浅部12cbに移動すると、回転部材11と固定部材12の当接面12bとが確実に離間し、回転部材11の回転の規制が確実に解除される。さらに、モータ4aが正方向に回転している間は、ボール13は、溝12cの最浅部12cbで空転するため、回転部材11の回転の規制が解除された状態が維持される。このとき、回転部材11に固定されているギヤ21が正方向に回転しているため、モータ4aからの動力が回転機構5に伝達され、シャッター2が開く。
同様に、モータ4aが逆方向に回転すると回転部材11は、モータ4aの出力軸21aと一体に回転するため、図12に示す矢印C4の方向に回転する。すると、回転部材11のガイド溝11bと固定部材12の溝12cとの間に挟まれたボール13は、図12に示す矢印C5に沿って、溝12cの最深部12caから最浅部12ccまで転がりながら移動する。ここで、ボール13が溝12cの最深部12caから移動し始めると、ボール13に押されることにより、固定部材12はばね14の付勢力に逆らって、回転部材11から離れる方向(図12に示す矢印C6の方向)に移動する。すると、回転部材11と固定部材12の当接面12bとが離間を始める。さらに、溝12cの最浅部12ccの底面からガイド溝11bの底面までの距離は、ボール13の直径より小さい。その結果、ボール13が最浅部12ccに移動すると、回転部材11と固定部材12の当接面12bとが確実に離間し、回転部材11の回転の規制が確実に解除される。さらに、モータ4aが逆方向に回転している間は、ボール13は、溝12cの最浅部12ccで空転するため、回転部材11の回転の規制が解除された状態が維持される。このとき、回転部材11に固定されているギヤ21が逆方向に回転しているため、モータ4aからの動力が回転機構5に伝達され、シャッター2が閉じる。
続いて、ブレーキ機構100によりシャッター2の開閉が規制される様子について説明する。ブレーキ機構100によるシャッター2の開閉の規制が解除された状態において、モータ4aを、それまでの回転方向と逆方向に所定の回転数だけ回転させる。すると、回転部材11がそれまでと逆方向に回転し、ボール13が溝12cの斜面に沿って、最浅部12cb又は最浅部12ccから最深部12caまで移動する。その結果、回転部材11と固定部材12の当接面12bとが当接し、シャッター2の開閉が規制される。なお、モータ4aの逆回転によらず、モータ4aが停止した場合に、ばね14の付勢力によって、ボール13を最深部12caに移動させてもよい。この場合、モータ4aの停止時に、モータ4aの出力軸21aを自由に回転できる状態とし、ばね14の付勢力がボール13を介して回転部材11を逆回転させることにより、ボール13が最深部12caに移動する。
以上説明したように、ブレーキ機構100においては、モータ4aが回転していない状態では、回転部材11と固定部材12の当接面12bとが当接することで、回転部材11の回転が規制されており、モータ4aが正逆回転すると、回転部材11と固定部材12の当接面12bとが離間することで、回転部材11の回転の規制が解除される。従って、ブレーキ機構100は、電気配線を必要としない簡易な構成のブレーキ機構である。さらに、このブレーキ機構100では、電気配線を必要としないため、装置全体の製造コストを低減させることもできる。また、ブレーキ機構100では、モータ4aを駆動することによるシャッター2の開閉動作を利用してブレーキの作動及び解除が可能である。従って、ブレーキ機構100は、ブレーキ機構専用の駆動機構が不要あり、簡易な構成のブレーキ機構である。
図6及び図7の説明に戻り、ギヤ16〜20は、同一回転軸周りを回転する2つのギヤを有する。ギヤ21(図7参照)と、ギヤ20が有する2つのギヤのうち、一方のギヤとが噛み合っている(連結している)。また、ギヤ20の他方のギヤは、ギヤ19が有する2つのギヤのうち、一方のギヤと噛み合っている。また、ギヤ19の他方のギヤは、ギヤ18が有する2つのギヤのうち、一方のギヤと噛み合っている。また、ギヤ18の他方のギヤは、ギヤ17が有する2つのギヤのうち、一方のギヤと噛み合っている。また、ギヤ17の他方のギヤは、ギヤ16が有する2つのギヤのうち、一方のギヤと噛み合っている。また、ギヤ16の他方のギヤは、最終ギヤであるギヤ15と噛み合っている。上述したように、ギヤ15は、ギヤ10bと噛み合っている。
したがって、伝達装置4bは、ギヤ15〜21のギヤ群により、モータ4aにより発生された駆動力を連結部材4cに伝達することができる。なお、ギヤ群に含まれるギヤの数は、上記の6つに限定されない。モータ4aにより発生された駆動力を連結部材4cに伝達することができれば、ギヤ21とギヤ10bの中間に位置するギヤの数は問わない。
ここで、上述したように、連結部材4cは、駆動力を回転機構5に伝達する。よって、以上のことから、モータ4aにより発生された駆動力は、伝達機構4b及び連結部材4cを介して、回転機構5に伝達される。
シャフトガイド50は、コの字型の3面の部材であり、端部が更に3面が外側に折り曲げられた部材である。シャフトガイド50には、シャフト5aを固定するための孔(図示しない)が形成されている。シャフトガイド50の孔、シャフト5aに形成された貫通孔(図示しない)、及び、後述する保持部材33に形成された孔(図示しない)と、シャフト固定用のねじ51とを係合させることで、シャフト5aは、回転が規制された状態でシャフトガイド50に保持されるとともに、保持部材33は、シャフトガイド50に保持される。また、シャフトガイド50は、ねじなどにより、伝達装置4bの筐体に取り付けられる。したがって、シャフト5aは、回転が規制された状態で伝達装置4bにより保持されるとともに、保持部材33も、伝達装置4bにより保持される。
ギヤ切り離し用レバー30は、伝達装置4bが有するギヤ群に含まれる複数のギヤのうち最終ギヤであるギヤ15と、連結部材4cのギヤ10bとの連結状態を切り替える。例えば、連結状態には、ギヤ15とギヤ10bとが連結する状態(第1の状態)、及び、ギヤ15とギヤ10bとが連結しない状態(第2の状態)を含む。ギヤ切り離し用レバー30は、連結状態を、第1の状態又は第2の状態に切り替える。
図13は、ギヤ切り離し用レバーの側面図であり、図14は、ギヤ切り離し用レバーの斜視図である。図13に示すように、ギヤ切り離し用レバー30は、スライド部30aとテーパ部30bとが一体形成された部材である。図14に示すように、スライド部30aには、長手方向に沿って細長い孔30cが形成されており、この孔30cには、伝達装置4bの筐体に固定された2つのピン31a,31b(図6,7参照)が挿通される。これにより、スライド部30aは、孔30cの一端にピン31aが位置する状態から、孔30cの他端にピン31bが位置する状態までの範囲内で、長手方向に移動可能となる。すなわち、ギヤ切り離し用レバー30は、移動可能に、伝達装置4bにより保持される。
図14に示すように、テーパ部30bは、傾斜面を有するテーパ部分、すなわちテーパが付けられたテーパ部分を含む。このテーパ部分は、長手方向における一端から他端に向かうにつれて、厚みが徐々に大きくなる。テーパ部分には、溝30dが形成される。また、テーパ部分は、後述する回動部材32の凹部32a(図15参照)に対して移動可能に、凹部32aと係合する部分30eを含む。
図6及び図7の説明に戻り、保持部材33は、回動部材32を回動可能に保持する。保持部材33は、保持部材33に形成された孔(図示しない)及び回動部材32を挿通したシャフト32d(図16,17参照)周りを回動可能に、回動部材32を保持する。
図15は、回動部材32の斜視図である。図15に示すように、回動部材32には、テーパ部30bの部分30e(図14参照)に対応して、凹部32aが形成される。この凹部32aは、部分30eを移動可能に、部分30eと係合する。また、回動部材32の部分32cは、テーパ部30bの溝30d(図14参照)内を移動可能に、溝30dと係合する。したがって、ギヤ切り離し用レバー30は、回動部材32に対して長手方向に移動可能となる。
また、図15に示すように、回動部材32は、シャフト32d(図16,17参照)が挿通される2つの挿通部32bを含む。2つの挿通部32bにより、保持部材33の孔が形成された部分が挟まれた状態で、シャフト32dが2つの挿通部32b及び保持部材33の孔に挿通される。これにより、回動部材32は、保持部材33により、シャフト32d周りを回動可能に保持される。
図16は、ギヤ10bとギヤ15との位置関係の一例を示す図である。図16は、ギヤ切り離し用レバー30のテーパ部30bの溝30d(図14参照)と回動部材32の部分32c(図15参照)とが係合し、テーパ部30bの部分30e(図14参照)と回動部材32の凹部32a(図15参照)とが係合しているものの、回動部材32が回動していないか、又は、回動部材32の回動がわずかな場合のギヤ10bとギヤ15との位置関係を示す図である。この場合には、図16に示すように、ギヤ10bとギヤ15とが噛み合っている(連結している)。すなわち、溝30dと部分32cとが係合し、部分30eと凹部32aとが係合しているものの、回動部材32が回動していないか、又は、回動部材32の回動がわずかな場合には、連結状態が、ギヤ15とギヤ10bとが連結する第1の状態となる。そして、図16に示す例では、第2の連結部材6b(図2,3参照)に対して、ばね6c(図2,3参照)の付勢力以外の力が加わっていない。このため、図16に示す例では、第2の連結部材6bのねじ孔10c(図5参照)を挿通したねじ10f(図6,7参照)の先端部分が、溝7d(図4参照)の部分8a(図4参照)に位置する状態となり、第1の連結部材6a(図2,3参照)と第2の連結部材6bとが最も離れる状態となる。すなわち、第1の連結部材6aと第2の連結部材6bとの位置関係が、第1の連結部材6aと第2の連結部材6bとが最も離れるような位置関係(第1の位置関係)である場合に、ギヤ15とギヤ10bとの連結状態が、上述した第1の状態となる。
また、第1の連結部材6aと第2の連結部材6bとが最も離れる状態である場合に、第1の連結部材6a及び第2の連結部材6bを含む連結部材4bの回転軸方向における長さは、最大となる。すなわち、連結部材4bの回転軸方向における長さが、最大となる長さ(第1の長さ)である場合に、ギヤ15とギヤ10bとの連結状態が、上述した第1の状態となる。
次に、ギヤ切り離し用レバー30を用いて、ギヤ15とギヤ10bとが連結する第1の状態から、ギヤ15とギヤ15bとが連結しない第2の状態に切り替える方法について説明する。
図17は、ギヤ切り離し用レバー30を用いて、ギヤ15とギヤ10bとが連結する第1の状態から、ギヤ15とギヤ10bとが連結しない第2の状態に切り替える方法の一例を説明するための図である。
図17の例では、ギヤ切り離し用レバー30と、回動部材32と、保持部材33と、シャフト5aと、ギヤ10bと、ギヤ15との位置関係が示されている。
例えば、シャッター装置1を電動から手動に切り替えた上でシャッター2の開閉を行おうとするユーザは、図17に示す矢印90が示す方向に、ギヤ切り離し用レバー30を、例えばワイヤなどにより移動させる。これにより、テーパ部30bの溝30dの傾斜面により回動部材32の部分32cが押し込まれるとともに、テーパ部30bの部分30eの傾斜面により回動部材32の凹部32aが押し込まれて、溝30d及び部分30eそれぞれの傾斜面の傾斜角度及び傾斜面上の接触位置に応じて、回動部材32が矢印91が示す方向に回動する。この回動部材32の回動によって、回動部材32が第2の連結部材6bのギヤ10bを第1の連結部材6a側に移動させる。これにより、第2の連結部材6bが第1の連結部材6a側に移動する。
そして、第2の連結部材6bが、第1の連結部材6a側に、第1の状態における第2の連結部材6bの位置から、ギヤ10bの回転軸方向における両端部のうちギヤ切り離し用レバー30側の端部5g(図16参照)から、ギヤ15の回転軸方向における両端部のうちギヤ切り離し用レバー30側とは反対側の端部15a(図16参照)までの回転軸方向における距離(以下、解除可能距離と称する)以上移動すると、ギヤ15とギヤ10bとの連結が解除されて、ギヤ15とギヤ10bとが連結しない第2の状態となる。第2の状態では、モータ4aによる機械的なロックが解除されるため、ユーザは、手動で容易にシャッター2の開閉を行うことができる。例えば、ユーザは、ギヤ切り離し用レバー30の位置を保持して、手動でシャッター2の開閉を行うことができる第2の状態を維持しつつ、シャッター2を手動で開閉する。
すなわち、第1の連結部材6aと第2の連結部材6bとの位置関係が、第1の連結部材6aと第2の連結部材6bとが最も離れた状態から、回転軸方向に上述の解除可能距離以上近づいた状態における第1の連結部材6aと第2の連結部材6bとの位置関係(第2の位置関係)である場合に、ギヤ15とギヤ10bとの連結状態が、上述した第2の状態となる。この第2の位置関係は、第1の位置関係とは異なる。
また、第1の連結部材6aと第2の連結部材6bとが最も離れた状態から回転軸方向に上述の解除可能距離以上近づいた状態(第2の状態)である場合に、第1の連結部材6a及び第2の連結部材6bを含む連結部材4bの回転軸方向における長さは、上述した最大の長さから、上述の解除可能距離以上短くした長さ(第2の長さ)となる。すなわち、連結部材4bの回転軸方向における長さが、第1の長さと異なる第2の長さである場合に、ギヤ15とギヤ10bとの連結状態が、上述した第2の状態となる。
また、回動部材32が第2の連結部材6bのギヤ10bを第1の連結部材6a側に押し込んでいる場合には、回動部材32によりばね6cによる付勢に抗った力が第2の連結部材6bに加えられることで、第2の連結部材のギヤ10bとギヤ15との連結が解除されて、上述した第2の状態となる。すなわち、回動部材32は、ばね6cによる付勢に抗った力を第2の連結部材6bに加えることで、第2の連結部材のギヤ10bとギヤ15との連結を解除して、連結状態を上述した第2の状態とする。
そして、ユーザは、シャッター装置1を手動から電動に切り替える場合には、図17に示す矢印90が示す方向とは反対の方向に、ギヤ切り離し用レバー30を移動させるだけでよい。矢印90が示す方向とは反対の方向に、ギヤ切り離し用レバー30を移動させるだけで、連結状態が第1の状態となり、モータ4aからの駆動力が回転機構5に伝達可能となる。
以上、説明したように、第1の実施形態に係る駆動装置4によれば、クラッチ機構などのコストが高い部品を用いずに、モータ4aによる機械的なロックの解除及び設定を行うことができる。したがって、駆動装置4によれば、コストを抑制しつつモータ4aによる機械的なロックの解除及び設定を行うことができる。よって、駆動装置4によれば、コストを抑制しつつ、シャッター装置1を手動又は電動に切り替えることができる。
また、第1の実施形態に係る駆動装置4は、ギヤ10bが、ギヤ15に対してギヤ10bの回転軸方向に移動するという簡易な構成を用いて、機械的なロックの解除又は設定を行う。したがって、駆動装置4によれば、簡易な構成で、シャッター装置1を手動又は電動に切り替えることができる。
また、第1の実施形態に係る駆動装置4を、手動であるシャッター装置のシャフトやドラムに適用するだけで、シャッター装置を手動から電動に容易に転換することができる。すなわち、既存の手動のシャッター装置を用いて電動のシャッター装置を容易に作成することができるので、コスト削減につながる。
例えば、手動のシャッター装置として、シャフトとドラムとロールとを含むシャッター装置(第1の実施形態に係る回転機構5に相当)を、電動のシャッター装置に転換する方法の一例について説明する。
まず、手動のシャッター装置のシャフトは家屋の壁などに、その両端が取り付けられているため、ユーザが、そのシャフトを壁から外す。そして、ユーザが、シャフト周りを回転可能に、第1の連結部材6aをドラムに取り付ける。
そして、ユーザが、第1の連結部材6aの当接面7eにばね6cの一端を当接させ、第2の連結部材6bの当接面10eにばね6cの他端を当接させた状態で、第1の連結部材6aに第2の連結部材6bを取り付ける。
そして、ユーザは、シャフトガイド50の孔、及び、シャフトに形成された貫通孔と、シャフト固定用のねじ51とを係合させる必要がある。しかしながら、仮に、第2の連結部材6bが第1の連結部材6b側に移動しない場合には、ユーザは、第2の連結部材6bの存在により、シャフトガイド50の孔、及び、シャフトに形成された貫通孔を確認できない。このため、ユーザは、シャフトガイド50の孔、及び、シャフトに形成された貫通孔と、シャフト固定用のねじ51とを係合させることが困難となる。しかしながら、本実施形態に係る第2の連結部材6bは、第1の連結部材6b側に移動可能である。図18は、本実施形態に係る第2の連結部材6bの第1の連結部材6a側への移動前の状態(第1の状態)を示す図であり、図19は、本実施形態に係る第2の連結部材6bの第1の連結部材6a側への移動後の状態(第2の状態)を示す図である。例えば、第2の連結部材6bは、連結状態が図18に示す第1の状態から図19に示す第2の状態となるように、第1の連結部材6a側に移動可能である。このため、ユーザは、図19に示すように、第2の連結部材6bを、シャフトガイド50の孔、及び、シャフトに形成された貫通孔を確認できる位置まで第1の連結部材6a側に移動させた上で、ねじ51を用いてシャフトを固定することができる。したがって、本実施形態に係る駆動装置4によれば、シャッター装置を手動から電動に容易に転換することができる。
そして、ユーザは、外付けのモータ4aを取り付ける。以上説明した方法により、手動のシャッター装置を容易に電動のシャッター装置に転換できる。
また、第1の実施形態に係る駆動装置4のモータ4a、伝達装置4b及び連結部材4c、並びに、連結部材4cの第1の連結部材6a、第2の連結部材6b及びばね6cのそれぞれは、回転機構5の外部に設けられている。例えば、モータ4a、伝達装置4b及び連結部材4c、並びに、第1の連結部材6a、第2の連結部材6b及びばね6cのそれぞれは、シャフト5aの外部に設けられている。ここで、例えば、従来のチューブラモータを用いた場合のように、シャフトの内部に、電源やモータやギヤ等の複数の部品が格納されている場合には、いずれか1つの部品が故障した場合であっても、シャフトごと交換するため、非常にコストがかかる。しかし、本実施形態の駆動装置4によれば、モータ4a、伝達装置4b及び連結部材4c、並びに、第1の連結部材6a、第2の連結部材6b及びばね6cは、シャフト5aの外部に設けられているため、いずれかの部品が故障した場合には、その部品のみ交換すればよい。したがって、本実施形態の駆動装置4によれば、部品に故障が発生した場合であっても、コストを抑えることができる。
(第1の実施形態の変形例)
次に、第1の実施形態の変形例について説明する。変形例に係る駆動装置4は、切り離し用レバー30に代えて、解除レバー40を含む点で、第1の実施形態に係る駆動装置4と異なる。そこで、解除レバー40について説明する。以下、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
図20は、変形例に係る伝達装置の正面図であり、図21は、変形例に係る伝達装置の背面図である。なお、図20及び図21の例では、伝達装置4bの筐体(ケース)4d(図10,23参照)の図示は省略されている。変形例に係る伝達装置4bは、ギヤ群を有し、モータ4aにより発生された駆動力を連結部材4cに伝達する。図20及び図21の例に示すように、伝達装置4は、ギヤ15〜21と、シャフトガイド50とを有する。また、伝達装置4には、解除レバー40が取り付けられている。
変形例に係るギヤ15〜21,10bは、第1の実施形態に係るギヤ15〜21,10bと同様の機能を有する。なお、ギヤ21には、ブレーキ機構100が接続され、ギヤ21の回転がブレーキ機構100によって規制される。
変形例に係るシャフトガイド50は、コの字型の3面の部材であり、端部が更に3面が外側に折り曲げられた部材である。シャフトガイド50には、シャフト5aを固定するための孔(図示しない)が形成されている。シャフトガイド50の孔、及び、シャフト5aに形成された貫通孔(図示しない)と、シャフト固定用のねじ51とを係合させることで、シャフト5aの回転が規制された状態でシャフトガイド50に保持される。また、シャフトガイド50は、ねじなどにより、伝達装置4bの筐体に取り付けられる。したがって、シャフト5aは、回転が規制された状態で伝達装置4bにより保持される。
解除レバー40は、伝達装置4bが有するギヤ群に含まれる複数のギヤのうち最終ギヤであるギヤ15と、連結部材4cのギヤ10bとの連結状態を切り替える。例えば、連結状態には、ギヤ15とギヤ10bとが連結する状態(第1の状態)、及び、ギヤ15とギヤ10bとが連結しない状態(第2の状態)を含む。解除レバー40は、連結状態を、第1の状態又は第2の状態に切り替える。解除レバー40は、切替部の一例である。
解除レバー40には、孔40aが形成されており、この孔40aには、伝達装置4bの筐体に固定されたシャフト41が挿通される。これにより、解除レバー40は、シャフト41を支点として、回転可能となる。ただし、図20において反時計回り(図21の例では時計回り)に、解除レバー40が回転する場合には、解除レバー40の作用点40e(図23参照;図22のテーパ部40d)に、シャフト5aの端部5f(図23参照)が当接し、解除レバー40はそれ以上その方向に回転できない。このようにして、解除レバー40の回転は規制される。また、ばね42は、図20において反時計回り(図21の例では時計回り)の方向に、解除レバー40に対して付勢する。すなわち、解除レバー40は、ばね42による付勢力以外の力が加えられていない場合には、作用点40eに端部5fが当接している状態となる。この状態のとき、本変形例では、ギヤ15とギヤ10bとが連結する第1の状態となる。また、解除レバー40には、凹部40cが形成されている。凹部40cは、第1の状態のときに、後述する突起部70と接触しないように、内側にえぐられた形状となっている。なお、突起部70は、筐体4dの位置決め(スペーサ)の役割をするピンである。
図22は、解除レバーの斜視図である。図22に示すように、解除レバー40には、第2の連結部材6bのギヤ10b側に、傾斜を有するテーパ部40dが設けられている。
図23は、ばね42による付勢力以外の力が加えられていない場合の解除レバー40と、周辺の部材との位置関係を示す図である。図23に示す例では、解除レバー40のテーパ部40dと、ギヤ10bとが接触していない。具体的には、図23に示す例では、解除レバー40のテーパ部40dと、ギヤ10bの内周縁10g(図5,24,25参照)とが接触していない。また、このとき、上述したように、連結状態が、ギヤ15とギヤ10bとが連結する第1の状態となる。そして、図23に示す例では、第2の連結部材6bに対して、ばね6cの付勢力以外の力が加わっていない。このため、図23に示す例では、第2の連結部材6bのねじ孔10cを挿通したねじ10fの先端部分が、溝7dの部分8aに位置する状態となり、第1の連結部材6aと第2の連結部材6bとが最も離れる状態となる。すなわち、第1の連結部材6aと第2の連結部材6bとの位置関係が、第1の連結部材6aと第2の連結部材6bとが最も離れるような位置関係(第1の位置関係)である場合に、ギヤ15とギヤ10bとの連結状態が、上述した第1の状態となる。
また、第1の連結部材6aと第2の連結部材6bとが最も離れる状態である場合に、第1の連結部材6a及び第2の連結部材6bを含む連結部材4bの回転軸方向における長さは、最大となる。すなわち、連結部材4bの回転軸方向における長さが、最大となる長さ(第1の長さ)である場合に、ギヤ15とギヤ10bとの連結状態が、上述した第1の状態となる。
解除レバー40を用いて、ギヤ15とギヤ10bとが連結する第1の状態から、ギヤ15とギヤ15bとが連結しない第2の状態に切り替える方法について説明する。
図24、図25及び図26は、解除レバー40を用いて、ギヤ15とギヤ10bとが連結する第1の状態から、ギヤ15とギヤ10bとが連結しない第2の状態に切り替える方法の一例を説明するための図である。
図24の例では、解除レバー40と第2の連結部材6bとの位置関係が示されており、図25及び図26の例では、解除レバー40と第2の連結部材6bとギヤ15との位置関係が示されている。
例えば、解除レバー40に形成された孔40bにワイヤを通して、シャッター装置1を電動から手動に切り替えて、シャッター2の開閉を行おうとするユーザは、ワイヤを引っ張る。これにより、解除レバー40の孔40b側の部分は、シャフト41を支点として、矢印60が示す方向に回転し、解除レバー40のテーパ部40d側の部分は、矢印61が示す方向に回転し始める。そして、ある角度まで回転すると、テーパ部40dとギヤ10bの内周縁10gとが接触する。接触が開始した角度から更に解除レバー40の回転が進むと、テーパ部40dの傾斜面により、矢印62の方向に第2の連結部材6bが押し込まれて、テーパ部40dの傾斜面の傾斜角度及び傾斜面上の接触位置に応じて第2の連結部材6bが第1の連結部材6a側に移動する。
そして、第2の連結部材6bが、第1の連結部材6a側に、第1の状態における第2の連結部材6bの位置から、ギヤ10bの回転軸方向における両端部のうち解除レバー40側の端部5g(図25参照)からギヤ15の回転軸方向における両端部のうち解除レバー40側とは反対側の端部15a(図25参照)までの回転軸方向における距離である解除可能距離以上移動すると、図26に示すように、ギヤ15とギヤ10bとの連結が解除されて、ギヤ15とギヤ10bとが連結しない第2の状態となる。第2の状態では、モータ4aによる機械的なロックが解除されるため、ユーザは、手動で容易にシャッター2の開閉を行うことができる。例えば、ユーザは、ワイヤを引っ張り続けて、手動でシャッター2の開閉を行うことができる第2の状態を維持しつつ、シャッター2を手動で開閉する。
すなわち、第1の連結部材6aと第2の連結部材6bとの位置関係が、第1の連結部材6aと第2の連結部材6bとが最も離れた状態から、回転軸方向に上述の解除可能距離以上近づいた状態における第1の連結部材6aと第2の連結部材6bとの位置関係(第2の位置関係)である場合に、ギヤ15とギヤ10bとの連結状態が、上述した第2の状態となる。この第2の位置関係は、第1の位置関係とは異なる。
また、第1の連結部材6aと第2の連結部材6bとが最も離れた状態から回転軸方向に上述の解除可能距離以上近づいた状態(第2の状態)である場合に、第1の連結部材6a及び第2の連結部材6bを含む連結部材4bの回転軸方向における長さは、上述した最大の長さから、上述の解除可能距離以上短くした長さ(第2の長さ)となる。すなわち、連結部材4bの回転軸方向における長さが、第1の長さと異なる第2の長さである場合に、ギヤ15とギヤ10bとの連結状態が、上述した第2の状態となる。
また、テーパ部40dが第2の連結部材6bと接触している場合には、つまり、テーパ部40dが第2の連結部材6bのギヤ10bの内周縁10gを矢印62の方向に押し込んでいる場合には、テーパ部40dにより第2の連結部材6bをばね6cによる付勢に抗った力が第2の連結部材6bに加えられることで、第2の連結部材のギヤ1bとギヤ15との連結が解除されて、上述した第2の状態となる。
そして、ユーザは、シャッター装置1を手動から電動に切り替える場合には、引っ張っていたワイヤを放すだけでよい。ワイヤを放すだけで、上述したばね42の付勢力により、作用点40eが端部5fに当接する方向に解除レバー40が回転して、連結状態が第1の状態となり、モータ4aからの駆動力が回転機構5に伝達可能となる。
以上、説明したように、変形例に係る駆動装置4によれば、第1の実施形態と同様に、クラッチ機構などのコストが高い部品を用いずに、モータ4aによる機械的なロックの解除及び設定を行うことができる。したがって、変形例に係る駆動装置4によれば、コストを抑制しつつモータ4aによる機械的なロックの解除及び設定を行うことができる。よって、変形例に係る駆動装置4によれば、コストを抑制しつつ、シャッター装置1を手動又は電動に切り替えることができる。
また、変形例に係る駆動装置4は、第1の実施形態と同様に、ギヤ10bが、ギヤ15に対してギヤ10bの回転軸方向に移動するという簡易な構成を用いて、機械的なロックの解除又は設定を行う。したがって、変形例に係る駆動装置4によれば、簡易な構成で、シャッター装置1を手動又は電動に切り替えることができる。
また、第1の実施形態と同様に、変形例に係る駆動装置4を、手動であるシャッター装置のシャフトやドラムに適用するだけで、シャッター装置を手動から電動に容易に転換することができる。すなわち、既存の手動のシャッター装置を用いて電動のシャッター装置を容易に作成することができるので、コスト削減につながる。
また、変形例に係る駆動装置4のモータ4a、伝達装置4b及び連結部材4c、並びに、連結部材4cの第1の連結部材6a、第2の連結部材6b及びばね6cのそれぞれは、第1の実施形態と同様に、回転機構5の外部に設けられている。例えば、モータ4a、伝達装置4b及び連結部材4c、並びに、第1の連結部材6a、第2の連結部材6b及びばね6cのそれぞれは、シャフト5aの外部に設けられている。変形例に係る駆動装置4によれば、モータ4a、伝達装置4b及び連結部材4c、並びに、第1の連結部材6a、第2の連結部材6b及びばね6cは、シャフト5aの外部に設けられているため、いずれかの部品が故障した場合には、その部品のみ交換すればよい。したがって、変形例に係る駆動装置4によれば、第1の実施形態と同様に、部品に故障が発生した場合であっても、コストを抑えることができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態及び変形例では、連結部材4cが、複数の連結部材(第1の連結部材6a及び第2の連結部材6b)により構成される場合について説明したが、1つの連結部材により構成されてもよい。そこで、このような実施形態を第2の実施形態として説明する。
図27は、第2の実施形態に係る駆動装置を説明するための図である。第2の実施形態に係る駆動装置は、図27に示すように、連結部材4cに代えて連結部材80を備える点が、第1の実施形態に係る駆動装置4と異なる。以下、第1の実施形態又は変形例と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
図27の例に示すように、第2の実施形態に係る連結部材80は、筒状部材80aと、支持部材80cと、3つの移動部材80dと、ばね80eとを含む。
筒状部材80aには、図示しない孔が形成される。孔には、シャフト5aが挿通される。筒状部材80aは、シャフト5aを回転軸として、シャフト5a周りを回転可能に設けられる。
また、筒状部材80a、支持部材80c及び3つの移動部材80dは、一体成形されている。支持部材80cは、筒状部材80aの上述した孔に対応する図示しない孔が形成される。この支持部材80cの孔にシャフト5aが挿通される。また、支持部材80cには、移動部材80dが設けられる。すなわち、支持部材80cは、移動部材80dを支持する。また、支持部材80cのドラム5c側の面は、ばね80eの一端が当接する当接面である。
移動部材80dは、ドラム5c側に延びる棒状の部材であり、ドラム5cの連結部材80側の面に周方向に等間隔で形成された図示しない3つの孔に対応して、支持部材80cの上述した当接面に周方向に等間隔で設けられている。なお、移動部材80dは、ドラム5cに形成された孔の数に応じて設けられていれば良く、例えば2つでも、4つでも良い。
3つの移動部材80dそれぞれは、ドラム5cに対して移動可能に、ドラム5cに形成された3つの孔それぞれに挿通される。これにより、連結部材80は、ドラム5cに対して移動可能に設けられる。また、移動部材80dがドラムに形成された孔に挿通されることで、連結部材80がシャフト5a周りを回転する場合には、連結部材80の回転に伴ってドラム5cも回転することとなる。
また、筒状部材80aは、伝達装置4bが有する複数のギヤ(ギヤ群)のうち、最終ギヤであるギヤ15(図6参照)と噛み合うギヤ80bを有する。したがって、モータ4aにより発生された駆動力が伝達装置4bの複数のギヤを介して連結部材80に対して伝達される。
また、図27に示すように、シャフト5aが挿通されたばね80eの一端が、支持部材80cの上述した当接面に当接し、他端が、ドラム5cの連結部材80側の面に当接する状態で、ばね80eが設けられる。
ばね80eは、連結部材80(筒状部材80a、支持部材80c)を、ギヤ群(ギヤ15〜21)を含む伝達装置4b側に付勢する。これにより、連結部材80に対して、ばね80eの付勢力以外の力が加わっていない場合には、連結部材80は、可能な移動範囲内で、最も伝達装置4b側に位置することとなる。そして、連結部材80と回転機構5(図2,3参照)との位置関係が、最も伝達装置4b側に連結部材80が位置する場合の位置関係(第1の位置関係)であるときに、ギヤ15とギヤ80bとの連結状態が、上述した第1の状態となる。ばね80eは、付勢部の一例である。
図28は、第2の実施形態において、連結状態が第2の状態となった場合の連結部材の一例を示す図である。図28の例は、連結部材80が、回転機構5側に、第1の実施形態に係る切替部(ギヤ切り離し用レバー30、回動部材32及び保持部材33)と同様の切替部、又は、変形例に係る切替部(解除レバー40)と同様の切替部により、第1の状態における位置から、ギヤ80bの回転軸方向における両端部のうち切替部側の端部からギヤ15の回転軸方向における両端部のうち切替部側とは反対側の端部までの回転軸方向における距離である解除可能距離以上移動されて、連結状態が第2の状態となった場合を示す。
例えば、図28の例において、第1の実施形態に係る切替部と同様の切替部、又は、変形例に係る切替部と同様の切替部は、ばね80eによる付勢に抗った力を連結部材80cに加えることで、連結部材80のギヤ80bとギヤ15との連結を解除して、連結状態を第2の状態とする。
以上、説明したように、第2の実施形態に係る駆動装置によれば、第1の実施形態や変形例と同様に、クラッチ機構などのコストが高い部品を用いずに、モータ4aによる機械的なロックの解除及び設定を行うことができる。したがって、第2の実施形態に係る駆動装置によれば、コストを抑制しつつモータ4aによる機械的なロックの解除及び設定を行うことができる。よって、第2の実施形態に係る駆動装置によれば、コストを抑制しつつ、シャッター装置1を手動又は電動に切り替えることができる。
また、第2の実施形態に係る駆動装置は、第1の実施形態や変形例と同様に、ギヤ80bが、ギヤ15に対してギヤ80bの回転軸方向に移動するという簡易な構成を用いて、機械的なロックの解除又は設定を行う。したがって、第2の実施形態に係る駆動装置によれば、簡易な構成で、シャッター装置を手動又は電動に切り替えることができる。
また、第1の実施形態や変形例と同様に、第2の実施形態に係る駆動装置を、手動であるシャッター装置のシャフトやドラムに適用するだけで、シャッター装置を手動から電動に容易に転換することができる。すなわち、既存の手動のシャッター装置を用いて電動のシャッター装置を容易に作成することができるので、コスト削減につながる。
また、連結部材80は、連結状態が図27に示す第1の状態から図28に示す第2の状態となるように、回転機構5側に移動可能である。このため、ユーザは、シャッター装置を手動から電動に転換する場合に、図28に示すように、連結部材80を、シャフトガイド50の孔、及び、シャフトに形成された貫通孔を確認できる位置まで回転機構5側に移動させた上で、ねじ51を用いてシャフトを固定することができる。したがって、第2実施形態に係る駆動装置によれば、第1の実施形態や変形例と同様に、シャッター装置を手動から電動に容易に転換することができる。
また、第2の実施形態に係る駆動装置のモータ4a、伝達装置4b及び連結部材80のそれぞれは、回転機構5の外部に設けられている。例えば、モータ4a、伝達装置4b及び連結部材80のそれぞれは、シャフト5aの外部に設けられている。第2の実施形態に係る駆動装置によれば、モータ4a、伝達装置4b及び連結部材80は、シャフト5aの外部に設けられているため、いずれかの部品が故障した場合には、その部品のみ交換すればよい。したがって、第2の実施形態に係る駆動装置によれば、第1の実施形態や変形例と同様に、部品に故障が発生した場合であっても、コストを抑えることができる。
なお、各実施形態や変形例においては、駆動装置及び被駆動部を含むものとして、シャッター装置を例に挙げて説明したが、これに限定されない。例えば、スクリーンや垂れ幕、仕切り布等の巻上げ装置への適用も考えられる。
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。