JP2017227096A - 構造物に足場を形成するためのパイプ又は足場板を前方に送り出すスライド機構 - Google Patents

構造物に足場を形成するためのパイプ又は足場板を前方に送り出すスライド機構 Download PDF

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薫侍 大林
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Abstract

【課題】より安全性を向上させたスライド機構を提供すること。【解決手段】構造物に足場を形成するためのパイプ又は足場板を前方に送り出すスライド機構は、第1の角パイプと、第1の角パイプ内に挿通されて第1の角パイプ内をスライド移動する第2の角パイプと、第1の角パイプを、構造物に据え付けられている丸パイプに対して平行に当該丸パイプに固定する少なくとも2つの固定部材と、第2の角パイプから、足場を形成するための新たなパイプ又は足場板を吊り下げる吊下げ部材と、を備え、固定部材のそれぞれは、第1の角パイプを解除可能に把持する角クランプと、角クランプに取り付けられるとともに、丸パイプを解除可能に把持する丸クランプとを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、構造物に足場を形成するためのパイプ又は足場板を前方に送り出すスライド機構に関する。
従来より、橋、高速道路、建築物などの構造物の足場において、足場を形成するための新たなパイプを前方に送り出して足場に固定することにより、新たな足場を形成して足場を拡張する工法および部材が提案されている(例えば、特許文献1、2)。
特許文献1、2で提案される工法においては、2つの短尺のパイプに1つの長尺のパイプ(スライド管)を挿通し、当該スライド管の先端部に足場形成用の新たなパイプを接続する。この状態でスライド管を前方にスライド移動させる。スライド管により新たなパイプを前方に支持するとともに、新たなパイプを前方に送り出して既設の足場に固定する。このようにして固定されたパイプに足場板や別の単管等を取り付けて、新たな足場を拡張する。
特許第5022524号 特許第5763862号
一方で、足場においては安全性が重要視されている。特許文献1、2に開示されるようなスライド機構を含めて、安全性をより向上させることができる技術の開発が求められている。
従って、本発明の目的は、安全性を向上させることができるスライド機構を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の一態様によれば、構造物に足場を形成するためのパイプ又は足場板を前方に送り出すスライド機構であって、第1の角パイプと、第1の角パイプ内に挿通されて第1の角パイプ内をスライド移動する第2の角パイプと、第1の角パイプを、構造物に据え付けられている丸パイプに対して平行に当該丸パイプに固定する少なくとも2つの固定部材と、第2の角パイプから、足場を形成するための新たなパイプ又は足場板を吊り下げる吊下げ部材と、を備え、固定部材のそれぞれは、第1の角パイプを解除可能に把持する角クランプと、角クランプに取り付けられるとともに、丸パイプを解除可能に把持する丸クランプとを備える、スライド機構を提供する。
本発明のスライド機構によれば、安全性を向上させることができる。
実施形態にかかるスライド機構の概略側面図 スライド管の概略斜視図 スライド管の概略断面図 第1および第2のスライド支持管の概略斜視図 固定部材の概略正面図 チェーンの概略正面図 コの字金具の概略正面図 スライド機構により足場形成用パイプを前方に送り出す方法を説明するための概略図 スライド機構により足場形成用パイプを前方に送り出す方法を説明するための概略図
(実施形態)
以下、本発明のスライド機構に係る実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、本発明のスライド機構は、以下の実施形態に記載した構成に限定されるものではない。
図1は、本実施形態にかかるスライド機構2の概略図である。図1に示すスライド機構2は、橋、高速道路、建築物などの構造物(図示せず)の足場3において、新たな足場を形成して拡張するための足場形成用パイプ18を前方に送り出す機構である。
図1に示すように、スライド機構2は、長尺のスライド管4と、短尺の第1のスライド支持管6および第2のスライド支持管8と、複数の固定部材10(10a、10b、10c、10d、10e、10f)と、第1の吊下げ部材12と、第2の吊下げ部材14とを備える。第1のスライド支持管6および第2のスライド支持管8は「第1の角パイプ」と称し、スライド管4は「第2の角パイプ」とも称する。
このような構成において、スライド管4を第1および第2のスライド支持管6、8内に挿通してスライド可能な状態とする。構造物には予め、丸パイプ16が固定して据え付けられており、第1のスライド支持管6は固定部材10a、10b、10cによって丸パイプ16に固定され、第2のスライド支持管8は固定部材10d、10e、10fによって丸パイプ16に固定されている。スライド管4は、第1の吊下げ部材12によって足場形成用パイプ18に接続されており、足場形成用パイプ18は第2の吊下げ部材14によって、第1のスライド支持管6の後方にある第2のスライド支持管8に接続されている。
この状態で、第1のスライド支持管6および第2のスライド支持管8の下方に設置された既存の足場3の上にいる1人又は複数の作業者(図示せず)がスライド管4を前方に送り出した後、足場形成用パイプ18を前方に送り出す。前方に送り出された足場形成用パイプ18を既存の足場3に接続して固定し、その上に新たな足場板や単管等を設置することにより、足場を拡張することが可能となる。
以下、スライド機構2の各構成について、図1、図2A−図2Fを用いて説明する。図2A−図2Fは、スライド機構2の各構成を示す図である。
スライド管4は、足場の前後方向Aにスライド移動可能に設けられたパイプである。スライド管4は前述したように、第1のスライド支持管6と第2のスライド支持管8内に挿通される。第1のスライド支持管6および第2のスライド支持管8が前後方向Aに並んで一直線上に延びて設けられており、スライド管4は前後方向Aにスライド可能な状態となる。
スライド管4としては、角パイプが用いられる(図2A)。角パイプは、その延在方向(図1では前後方向A)に垂直な断面における外形が略正方形状のパイプである。同断面における外形が略円形状である丸パイプに比べて、角パイプはせん断方向の応力に対して特に高い強度を有する。また本実施形態では、スライド管4はアルミニウム製である。アルミニウム製のスライド管4を採用することにより、一般的な鉄製の場合に比べてスライド管4の重量を小さく抑えることができる(約1/3の重量)。スライド管4の寸法は例えば、長さが5m、外径が60mm×60mmである。スライド管4の長さ等については、作業内容や作業現場に応じて適宜異なるものを使用してもよい。
スライド管4の断面構造を図2Bに示す。図2Bに示すように、スライド管4はアルミニウム製の中実部分である壁部4aを有する。壁部4aの内側には空洞4bが形成されている。空洞4bは、スライド管4の延在方向(図2Bの紙面奥行き方向)に沿って一様に延びる内部空間である。図2Bに示すように、空洞4bの断面形状は略円形状である。
スライド管4の外側表面には、複数の突起4cが設けられている。これらの突起4cのそれぞれは、スライド管4の延在方向に沿って延びる線状の隆起部分である。このような突起4cを設けるには例えば、突起4cに対応する溝を有する専用の金型を用いて鋳造すればよい。あるいは、角パイプの外壁面に、角パイプの延在方向に延びる複数の溝を設けることにより、その溝の間の部分として突起を設けてもよい。突起4cの高さは微小な高さに設定される(例えば0.5mm)。このような突起4cを設けることにより、後述するように、スライド管4を第1および第2のスライド支持管6、8内でよりスムーズにスライド移動させることができる。
図2Bに示すように、スライド管4の断面に関して、外形を大略正方形状とし、内形を略円形状とすることにより、スライド管4の壁部4aの厚みを異ならせている。より具体的には、スライド管4のコーナー部4dの厚みT1は、コーナー部以外(非コーナー部4e)の厚みT2よりも大きく設定される。このような厚みの設定により、後述するようにスライド管4の先端部に鉛直荷重が付与されてスライド管4に曲げモーメントが生じたときに、せん断方向に大きな応力が生じやすいコーナー部4dの強度を向上させることができる。これにより、スライド管4の所望の強度を実現し、スライド管4を破断しにくくすることができる。スライド管4の厚みについては、スライド管4の強度とのバランスに応じて適宜設定してもよい。
図1に戻ると、第1のスライド支持管6および第2のスライド支持管8は、スライド管4をスライド可能に支持するパイプである。2つのスライド支持管6、8によってスライド管4を支持することで、1つのスライド支持管によりスライド管4を支持する場合に比べて、スライド管4を安定的に支持することができる。第1のスライド支持管6および第2のスライド支持管8としては、スライド管4と同様に角パイプが用いられる(図2C)。
図2Cに示すように、第1のスライド支持管6および第2のスライド支持管8のそれぞれは、スライド管4よりも短い角パイプであり、本実施形態では同じ構造のものが採用されている。第1のスライド支持管6および第2のスライド支持管8の内側には、断面が略正方形状の空洞6a、8aがそれぞれ形成されている。このような略正方形状の空洞6a、8aが形成されることにより、角パイプであるスライド管4の外形に応じた空洞6a、8aとすることができる。これにより、第1のスライド支持管6および第2のスライド支持管8内でスライド管4を安定的に支持することができる。
本実施形態の第1のスライド支持管6および第2のスライド支持管8は、スライド管4と同様にアルミニウム製である。アルミニウム製とすることにより、一般的な鉄製と比べて重量を小さく抑えることができる。さらには、スライド管4と同種の素材であるアルミニウムを採用することで、異種素材(例えばアルミと鉄)を採用した場合と比較して、スライド管4との間に摩擦が生じにくくなる。これにより、スライド管4を第1のスライド支持管6および第2のスライド支持管8内でスライドさせやすくすることができる。
第1のスライド支持管6および第2のスライド支持管8のそれぞれの寸法は例えば、長さが1m、内径が60mm×60mm、外径が75mm×75mmである。
図1に戻ると、複数の固定部材10(10a、10b、10c、10d、10e、10f)は、第1のスライド支持管6および第2のスライド支持管8を丸パイプ16に固定するための部材である。丸パイプ16は前述したように、構造物に据え付けられている据付単管である。図1に示すように、前後方向Aにおいて前側に位置する3つの固定部材10a、10b、10cが第1のスライド支持管6を丸パイプ16に固定し、後側に位置する3つの固定部材10d、10e、10fが第2のスライド支持管8を丸パイプ16に固定する。このように、1つのスライド支持管を3つの固定部材で固定することにより、スライド支持管を安定的に固定することができる。
複数の固定部材10には、全て同じ構造のものが用いられている。図2Dに示すように、固定部材10は、角クランプ11aと、丸クランプ11bと、接続ボルト11cとを備える。角クランプ11aは、第1および第2のスライド支持管6、8などの角パイプを把持する単クランプである。丸クランプ11bは、据付単管である丸パイプ16などの丸パイプを把持する単クランプである。接続ボルト11cは、角クランプ11aと丸クランプ11bを接続して固定するボルト状の部材である。
このように構成される固定部材10によれば、スライド管4を支持するための第1および第2のスライド支持管6、8を、構造物の据付単管である丸パイプ16に対して解除可能に固定、すなわち、丸パイプ16に取り付け/取り外すことができる。固定部材10はさらに、第1および第2の支持管6、8を角クランプ11aによって把持する一方で、据付単管である丸パイプ16を丸クランプ11bによって把持することができる。このように、第1および第2の支持管6、8の把持と、丸パイプ16の把持をそれぞれ独立して実行することができる。
第1の吊下げ部材12は、スライド管4から足場形成用パイプ18を吊り下げる部材である。本実施形態の第1の吊下げ部材12は、スライド管4の前方側の先端部と、足場形成用パイプ18の前方側の先端部とを互いに接続する。
第1の吊下げ部材12は、ワイヤ20と、2つの上側固定部22、24と、下側固定部26とを備える。上側固定部22、24のそれぞれは、スライド管4を把持する角クランプ22a、24aと、角クランプ22a、24aに取り付けられたアイナット22b、24bにより構成される。2つの上側固定部22、24のうち、前側に位置する上側固定部22のアイナット22bにはワイヤ20が通され、後側に位置する上側固定部24のアイナット24bにはワイヤ20の一端が結合される。下側固定部26は、足場形成用パイプ18を把持する丸クランプ26aと、丸クランプ26aに取り付けられたアイナット26bにより構成される。アイナット26bにはワイヤ20の他端が結合される。
上側固定部22と上側固定部24の間隔を変更することで、ワイヤ20の長さを調整し、スライド管4と足場形成用パイプ18の間隔を調整することができる。
第2の吊下げ部材14は、第1の吊下げ部材12と同様に、足場形成用パイプ18を吊り下げる部材である。図1に示すように、本実施形態の第2の吊下げ部材14は、足場形成用パイプ18における先端部から離れた中間位置と、第2のスライド支持管8の中間位置とを接続する。
第2の吊下げ部材14は、ワイヤ28と、チェーン30(図2E)と、チェーンリング32と、接続金具34と、コの字金具36(図2F)と、角クランプ38とを備える。ワイヤ28の先端部は、足場形成用パイプ18に固定される。ワイヤ28の後端部を第2のスライド支持管に固定するための固定部39が、チェーン30、チェーンリング32、接続金具34、コの字金具36および角クランプ38によって構成される。第2の吊下げ部材14はさらに、上側支持部40と、下側固定部42とを備える。
ワイヤ28は、一端が下側固定部42に固定され、他端がチェーン30に固定されている。ワイヤ28の中間部分は、第1のスライド支持管6に固定された上側固定部40にて支持されている。チェーン30は、図2Eに示すように、鎖状部分30aと、鎖状部分30aの両端部に取り付けられたカギ状部分30bとを有する。一方のカギ状部分30bがワイヤ28の端部に引っ掛けられ、もう一方のカギ状部分30bがチェーンリング32に引っ掛けられて接続されている。チェーンリング32は、接続金具34に固定された大略輪状の部材である。接続金具34は、チェーンリング32とコの字金具36を接続する棒状の金具である。接続金具34は長さ方向に伸縮可能に構成されており、その長さを調節することができる。コの字金具36は、接続金具34の一端を角クランプ38に取り付けるための金具である。
図2Fに示すように、コの字金具36は、コの字形部分36aと、第1のボルト状部材36bと、第2のボルト状部材36cとを備える。コの字形部分36aをそれぞれ貫通するように、第1のボルト状部材36bおよび第2のボルト状部材36cが互いに交差するように取り付けられている。第1のボルト状部材36bには接続金具34が接続され、第2のボルト状部材36cは角クランプ38に取り付けられる。角クランプ38は、第2のスライド支持管8を把持する。
上側支持部40は、ワイヤ28の中間部分を第1のスライド支持管6から支持する部材である。上側支持部40は、第1のスライド支持管6を把持する角クランプ40aと、角クランプ40aに取り付けられたチェーンリング40bとによって構成されている。角クランプ40aは、第1のスライド支持管6の先端部を把持するように設けられている。より具体的には、角クランプ40aは、複数の固定部材10のうち最も前方側に位置する固定部材10aよりも前方側に設けられている。チェーンリング40bは、チェーンリング40bよりも後方におけるワイヤ28の延びる方向が第1のスライド支持管6の延びる方向(すなわち前後方向A)と略同方向となるようにワイヤ28を支持する。
下側固定部42は、ワイヤ28の先端を足場形成用パイプ18に固定する部材である。図1に示すように、本実施形態の下側固定部42は、ワイヤ28の先端を足場形成用パイプ18の先端部から離れた中間位置に固定する。下側固定部42は、足場形成用パイプ18を把持する丸クランプ42aと、丸クランプ42aに取り付けられたアイナット42bによって構成される。アイナット42bには、ワイヤ28の一端が結合される。
このように構成される第2の吊下げ部材14によれば、上側支持部40によるワイヤ28の支持状態を維持しながら、ワイヤ28に固定された足場形成用パイプ18を、足場3上にいる作業者が前後方向Aに移動させることができる。本実施形態では、第1のスライド支持管6の中でも特に第1のスライド支持管6の先端部に上側支持部40を取り付けて配置している。このような配置により、上側支持部40から斜め下方に延びるワイヤ28における鉛直方向Bに対する傾斜角度αを小さくしている。これにより、ワイヤ28の先端部と下側固定部42の結合点において、足場形成用パイプ18等による鉛直下方への荷重W1をワイヤ28の張力W2によって受ける際に、ワイヤ28の張力W2における水平成分に対する鉛直成分の割合が大きくなる。これにより、足場形成用パイプ18等の荷重W1による反力としてワイヤ28の張力W2によって同じ鉛直成分の力を生じさせて相殺する際に、傾斜角度αが大きい場合に比べて、ワイヤ28が延びる方向にかかる張力W2自体の大きさを小さくすることができる。
なお、第1のスライド支持管6に対する上側支持部40の取付位置(丸クランプ40aの把持位置)は、第1のスライド支持管6を把持する位置であれば任意の位置に調整することができる。上側支持部40と同様に、後方に位置される角クランプ38も、第2のスライド支持管8を把持する位置であれば任意の位置に調整することができる。また、接続金具34の長さを調節することにより、第2の吊下げ部材14の全体長さを調整することもできる。
このような構成のスライド機構2を用いて足場形成用パイプ18を前方に送り出す方法について、図3、図4を参照しながら説明する。
図3に示すように、足場3を構成するように多数配列された足場板5上に複数の作業者44が乗っている。作業者44はまず、第1および第2のスライド支持管6、8により支持されたスライド管4をスライド移動させて前方に伸ばす。スライド管4を前方に伸ばした後、作業者44は、第1の吊下げ部材12を介してスライド管4に接続されている足場形成用パイプ18を持ち、前方に送り出す。既に前方に送り出しているスライド管4によって足場形成用パイプ18を支持しながら、足場形成用パイプ18を前方に送り出すことにより、作業者44は足場3の先端から離れた位置で安全に作業を実施することができる。
足場形成用パイプ18は第1の吊下げ部材12を介してスライド管4に接続されており、かつ、第2の吊下げ部材14を介して第2のスライド支持管8に接続された状態にある。よって、作業者44は足場形成用パイプ18を落下させない安全な状態で前方に送り出すことができる。
その後、図4に示すように、前方に送り出した足場形成用パイプ18を足場3に固定する。これは例えば、足場板5を下方から支持している既設のパイプに所定のクランプ(直交クランプ、自在クランプなど)を用いて足場形成用パイプ18を固定することにより足場3に固定することができる。
足場3に固定された足場形成用パイプ18の上には、新たな足場板46を載置することができる。足場板46を設置した後、足場板46を下方から支持するように足場形成用パイプ18と直交する方向に延びる水平パイプ(図示せず)や、鉛直方向に延びて水平パイプや足場板46に接続される鉛直パイプ(図示せず)を設置する。このようにして、足場3を拡張することができる。
足場の拡張作業が終了すると、次の新たな足場を形成するために、スライド機構2全体を前方に移動させる。具体的には、第1の吊下げ部材12および第2の吊下げ部材14(図4では一部省略)と、足場形成用パイプ18との接続を解除する。さらに、第1および第2のスライド支持管6、8からスライド管4を抜くとともに、第1および第2のスライド支持管6、8を丸パイプ16から取り外す。具体的には、固定部材10の丸クランプ11b(図2D)による丸パイプ16の把持を解除する。次に、第1および第2のスライド支持管6、8を前方にある別の丸パイプ(図示せず)に取り付ける。具体的には、固定部材10の丸クランプ11b(図2D)によって新たな丸パイプを把持する。その後、スライド管4を第1および第2のスライド支持管6、8内に通すとともに、第1の吊下げ部材12および第2の吊下げ部材14に新たな足場形成用パイプ(図示せず)を接続してスライド管4に支持させる。これにより、スライド機構2の設置が完了する。
その後、前述したスライド機構2による足場形成用パイプ18を前方に送り出す方法と同様の方法を実施することができ、さらなる足場を拡張することができる。なお、上記では説明を省略したが、第1の吊下げ部材12によるスライド管4の把持および第2の吊下げ部材14による第2のスライド支持管8の把持および上側支持部40による支持は作業段階に応じて適宜解除してもよく、位置を調整してもよい。
ここで、図1、図2Dを参照しながら説明したように、第1および第2のスライド支持管6、8を丸パイプ16に固定する固定部材10は、角クランプ11aと、丸クランプ11bにより構成されている。これにより、角クランプ11aによる第1および第2のスライド支持管6、8の把持と、丸クランプ11bによる丸パイプ16の把持とを独立して行うことができる。このため、例えば第1および第2のスライド支持管6、8と固定部材とを溶接して一体的に構成した場合と比較して、第1および第2のスライド支持管6、8の取付・取り外し作業をより精微に行うことができる。
具体的には、角クランプ11aによる第1および第2のスライド支持管6、8の把持を解除することで、固定部材10に対する第1および第2のスライド支持管6、8の位置を調整することができる。これにより、例えば足場3に存在する障害物をかわすなど、それぞれの足場3の構造に応じて第1および第2のスライド支持管6、8をより所望の位置に配置することが可能となり、状況に応じてスライド機構2の所望のセッティングを行うことができる。
上述したように、本実施形態のスライド機構2は、橋、高速道路、建築物などの構造物に足場3を形成するための足場形成用パイプ18を前方に送り出す機構である。スライド機構2は、第1および第2のスライド支持管6、8(第1の角パイプ)と、スライド管4(第2の角パイプ)と、複数の固定部材10と、第1の吊下げ部材12とを備える。スライド管4は、第1および第2のスライド支持管6、8内に挿通されて、第1および第2のスライド支持管6、8内をスライド移動する。固定部材10は、第1および第2のスライド支持管6、8を、構造物に据え付けられている丸パイプ16に対して平行に丸パイプ16に固定する。第1の吊下げ部材12は、スライド管4から、足場3を形成するための新たな足場形成用パイプ18を吊り下げる。さらに、固定部材10のそれぞれは、第1および第2のスライド支持管6、8を解除可能に把持する角クランプ11aと、角クランプ11aに取り付けられるとともに、丸パイプ16を解除可能に把持する丸クランプ11bとを備える。
このような構成のスライド機構2によれば、スライド管4と第1および第2のスライド支持管6、8の両方に角パイプを用いることにより、丸パイプを用いる場合に比べて、特にスライド管4におけるせん断方向への応力の強度を向上させることができる。これによって、安全性を向上させることができる。特に、スライド管4の先端部には、足場形成用パイプ18やその上に載置される足場板および単管などによって鉛直荷重がかかりやすく、スライド管4において先端が「しなる」方向に大きな曲げモーメントが生じ、スライド管4のせん断方向に大きな応力が生じやすい。これに対して、前述したようにスライド管4として角パイプを用いることにより、丸パイプに比べてせん断方向への応力の強度を向上させて、安全性をより向上させるものである。
また、固定部材10のそれぞれを角クランプ11aと丸クランプ11bにより構成することで、構造物の丸パイプ16並びに第1および第2のスライド支持管6、8を様々な位置で把持して固定することができる。これにより、構造物の丸パイプ16に対する第1および第2のスライド支持管6、8の取付位置の調整を精度良く実施することができ、第1および第2のスライド支持管6、8をより所望の位置に取り付けることができる。
さらに、構造物の丸パイプ16および第1および第2のスライド支持管6、8に対して固定部材10をそれぞれ独立して固定することができるため、第1および第2のスライド支持管6、8と固定部材10が一体的に形成される場合に比べて、第1および第2のスライド支持管6、8の取付および取り外しにかかる作業をより柔軟に行うことができる。このようにして、特に足場3の先端で作業を行う作業員44の安全性を向上させることができる。
また、本実施形態のスライド機構2では、スライド管4における延在方向に垂直な断面の厚みは、コーナー部4dの方が非コーナー部4e(コーナー部以外)よりも厚く設定される。
このように、スライド管4において鉛直荷重に伴って大きな応力が生じやすいコーナー部4dの厚みを厚くすることにより、鉛直荷重に対するスライド管4の所望の強度を実現することができ、安全性を向上させることができる。
また、本実施形態のスライド機構2では、スライド管4内の空洞4bは、延在方向に垂直な断面で略円形状を有する。このような構成によれば、スライド管4として汎用的な角パイプを用いることができるため、スライド機構2の汎用性を高めることができる。
また、本実施形態のスライド機構2では、第1および第2のスライド支持管6、8内の空洞6a、8aは、延在方向に垂直な断面で略正方形状を有する。また、スライド管4の外周面には、スライド管4が延在する方向に延びる複数の突起4cが設けられる。
このような構成によれば、第1および第2のスライド支持管6、8に対してスライド管4は突起4cにより接触するため、突起4cが設けられていない場合に比べて、第1および第2のスライド支持管6、8との接触面積を小さくすることができる。これにより、スライド管4をスライドさせやすくすることができ、作業性および安全性を向上させることができる。また、突起4cを設けずに平坦な外周面とした場合に比べて、スライド管4の強度を向上させることもできる。
また、本実施形態のスライド機構2では、スライド管4と第1および第2のスライド支持管6、8はアルミニウム製である。このようにスライド管4と第1および第2のスライド支持管6、8をアルミニウム製とすることで、一般的な鉄製の場合に比べて重量を軽くすることができる。これにより、作業性および安全性を向上させることができる。
また、本実施形態のスライド機構2は、第1の吊下げ部材12に加えて、第2の吊下げ部材14をさらに備える。第2の吊下げ部材14は、スライド管4から吊り下げられた足場形成用パイプ18を第2のスライド支持管8から吊り下げるためのものである。第2の吊下げ部材14は図1で示したように、ワイヤ28と、上側固定部39と、上側支持部40と、下側固定部42とを備える。ワイヤ28は、先端部が足場形成用パイプ18に固定される。上側固定部39は、ワイヤ28の後端部を第2のスライド支持管8に固定する機構である。上側支持部40は、ワイヤ28を第1のスライド支持管6から支持する。下側固定部42は、ワイヤ28の先端部を足場形成用パイプ18に固定する。上側支持部40はさらに、チェーンリング40bと、角クランプ40aとを備える。チェーンリング40bは、ワイヤ28を通す部材である。角クランプ40aは、チェーンリング40bに取り付けられるとともに第1のスライド支持管6を解除可能に把持する。このような構成によれば、上側支持部40の角クランプ40aの位置を第1のスライド支持管6に対して調整可能であるため、ワイヤ28の鉛直方向に対する傾斜角度αを調整する等、作業の現場・内容に応じてワイヤ28を所望の姿勢に配置することができる。
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。例えば、上記実施形態では、スライド管4を第1のスライド支持管6と第2のスライド支持管8の2つのパイプにより支持する場合について説明したが、このような場合に限らず、1つのパイプにより支持してもよい。さらに、本実施形態では第1および第2のスライド支持管6、8のそれぞれを3つの固定部材10により固定する場合について説明したが、このような場合に限らず、少なくとも2つの固定部材10によりそれぞれ固定すればよい。
また実施形態では、スライド機構2を用いて足場形成用パイプ18を前方に送り出す場合について説明したが、このような場合に限らず、足場形成用パイプ18の代わりに足場形成用の新たな足場板を送り出してもよい。このようにパイプの代わりに足場板を送り出す場合であっても足場3を拡張することができる。
また実施形態では、足場形成用パイプ18を支持する構成として、第1の吊下げ部材12と第2の吊下げ部材14を設ける場合について説明したが、このような場合に限らない。例えば、第2の吊下げ部材14を設けずに第1の吊下げ部材12のみによって足場形成用パイプ18を支持するようにしてもよい。このような場合であっても、足場形成用パイプ18を第1の吊下げ部材12により支持した状態で、足場形成用パイプ18を前方に送り出すことができる。
また実施形態では、第1の吊下げ部材12を、ワイヤ20と上側固定部22、24と下側固定部26により構成する場合について説明したが、このような場合に限らない。スライド管4と足場形成用パイプ18を接続することができれば、第1の吊下げ部材12の任意の構成を採用してもよい。
また実施形態では、第2の吊下げ部材14を、ワイヤ28とチェーン30とチェーンリング32と接続金具34とコの字金具36と角クランプ38と上側支持部40と下側固定部42とにより構成する場合について説明したが、このような場合に限らない。足場形成用パイプ18と第2のスライド支持管8を接続することができれば、第2の吊下げ部材14の任意の構成を採用してもよい。
また実施形態では、作業者44が第1および第2の吊下部材12、14の長さ等を手作業で調整する場合について説明したが、このような場合に限らず、これらの長さを電動式のリールによって調節するようにしてもよい。
本発明は、構造物の足場形成用の部材を前方に送り出すためのスライド機構であれば適用可能である。
2 スライド機構
3 足場
4 スライド管
4a 壁部
4b 空洞
4c 突起
6 第1のスライド支持管
6a 空洞
8 第2のスライド支持管
8a 空洞
10(10a、10b、10c、10d、10e、10f) 固定部材
11a 角クランプ
11b 丸クランプ
11c 接続ボルト
12 第1の吊下げ部材
14 第2の吊下げ部材
16 丸パイプ(据付単管)
18 足場形成用パイプ
20 ワイヤ
22 上側固定部
22a 角クランプ
22b アイナット
24 上側固定部
24a 角クランプ
24b アイナット
26 下側固定部
26a 丸クランプ
26b アイナット
28 ワイヤ
30 チェーン
32 チェーンリング
34 接続金具
36 コの字金具
38 角クランプ
39 上側固定部
40 上側支持部
40a 角クランプ
40b アイナット
42 下側固定部
42a 丸クランプ
42b アイナット
44 作業者
46 足場板

Claims (6)

  1. 構造物に足場を形成するためのパイプ又は足場板を前方に送り出すスライド機構であって、
    第1の角パイプと、
    第1の角パイプ内に挿通されて第1の角パイプ内をスライド移動する第2の角パイプと、
    第1の角パイプを、構造物に据え付けられている丸パイプに対して平行に当該丸パイプに固定する少なくとも2つの固定部材と、
    第2の角パイプから、足場を形成するための新たなパイプ又は足場板を吊り下げる吊下げ部材と、を備え、
    固定部材のそれぞれは、第1の角パイプを解除可能に把持する角クランプと、角クランプに取り付けられるとともに、丸パイプを解除可能に把持する丸クランプとを備える、スライド機構。
  2. 第2の角パイプにおける延在方向に垂直な断面の厚みは、コーナー部の方がコーナー部以外よりも厚く設定される、請求項1に記載のスライド機構。
  3. 第2の角パイプ内の空洞は、延在方向に垂直な断面で略円形状を有する、請求項2に記載のスライド機構。
  4. 第1の角パイプ内の空洞は、延在方向に垂直な断面で略正方形状を有し、
    第2の角パイプの外周面には、第2の角パイプが延在する方向に延びる複数の突起が設けられる、請求項1から3のいずれか1つに記載のスライド機構。
  5. 第1および第2の角パイプはアルミニウム製である、請求項1から4のいずれか1つに記載のスライド機構。
  6. 第2の角パイプから吊り下げられた新たなパイプを第1の角パイプから吊り下げるための別の吊下げ部材をさらに備え、
    当該吊下げ部材は、先端部が新たなパイプに結合されるワイヤと、ワイヤの先端部を新たなパイプに固定する下側固定部と、ワイヤの後端部を第1の角パイプに固定する上側固定部と、ワイヤの中間部分を第1の角パイプから支持する上側支持部とを備え、
    上側支持部は、ワイヤを通すチェーンリングと、チェーンリングに取り付けられるとともに第1の角パイプを解除可能に把持する角クランプとを備える、請求項1から5のいずれか1つに記載のスライド機構。
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