JP2017226982A - 折板屋根構造及びその施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、溶接固着に向かないメッキ鋼板で形成された2以上の谷部を有する折板を用いながらも、中間吊子部分の負圧耐力を向上させた折板屋根構造及びその施工方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の目的は、メッキ鋼板で形成された長尺な屋根板たる折板が並んだ折板屋根構造において、折板3の長尺方向を長手方向と称し、該長手方向に直交する方向を断面方向と称することとしたときに、折板3は断面方向に2以上の折板谷部32を有する断面形状にして、折板谷部32の間に存する長尺である折板山部33が跨る緊締受け躯体1上には中間吊子12が設けられ、中間吊子12には折板山部33に形成されている長尺な折板嵌合部331が嵌合する構成にして、折板嵌合部331を形成する長尺な折板折り返し部に局所的な溶接部5Aが形成されている箇所を有してなることを特徴とする折板屋根構造としたことによって達成される。【選択図】図1

Description

本発明は、折板屋根構造及びその施工方法に関する。
近年、耐久性と外観の美しさを備えた金属屋根が普及している。特に折板屋根はメッキ鋼板である折板で構成された折板屋根構造であって軽量且つコスト面で優れる。そのため、このような屋根構造は、要求される耐用年数が20年以下の建屋、例えば、工場や倉庫等で多用されている。
折板屋根構造として、例えば特許文献1に記載されたものがある。折板はメッキ鋼板が使用されている。一般にメッキ鋼板は溶接に向かないため、同屋根構造では緊締受け躯体(同文献では、山形受金具14)に固定の緊締止具(同文献では、吊子9)に、隣接する折板の端同士を折り込んで締付ける、いわゆる馳締めにより連結している(同文献の第1図参照。)。
折板(同文献では、馳締め建築用板A)は断面構造において、中央が低くなって一谷を形成している(同文献の第3図参照。)。山形の緊締受け躯体が断面方向に並び、2つの該緊締受け躯体が形成する谷間に前記折板の一谷が嵌まり込む構成である。そして、隣接する折板同士は前記緊締受け躯体の頂上で馳締め連結されている。前記折板同士は馳締め連結に際して前記緊締止具を巻き込ことにより前記緊締受け躯体に固定されている。
特許文献2には、一枚に二つの谷が形成されている折板(同文献では、折板屋根材1)による折板屋根構造が記載されている(同文献の図1参照)。断面方向に並んだ3つの緊締受け躯体(同文献では、タイトフレーム11)が形成する二つの谷に、前記二谷を有する折板が嵌まり込む構成である(同文献の図3参照。)。このように二谷を有する折板は一谷の折板よりも施工効率が良い。すなわち、1枚の折版を据え付けると、一谷折板を2枚据え付けたのとほぼ同面積の屋根が葺くこととなり、折板同士の連結箇所が減り、その結果水密性も良くなる。
特開昭58−94551号公報 特開2006−46005号公報
二谷を有する折板の両端については、馳締め方式や嵌合方式若しくはボルト固定方式など、緊締止具への固定方式の選択の幅が広い。しかし、折板中部の山部(同文献では、頂部4)は基本的には嵌合方式で固定される。前記折板中部の山部が嵌まり込む緊締受け躯体の山部には嵌合止部材が設けられている。この嵌合止部材に前記折板中部の山部に設けられた嵌合部が嵌合する構成である。この、折板中部の山部が嵌合する嵌合止部材を中間吊子と称することとする。
メッキ鋼板で形成されている折板は一般的に溶接が困難である。メッキ鋼板の中にはアルミニウム重量比55%の合金をメッキした鋼板があり、比較的溶接性が良いといわれている。しかしそれでも、電気溶接の端子を汚すなど溶接には困難が伴う。溶接をする場合には連結面全域の溶接ではなく、溶接箇所を限るなどの対策が必要である。
特許文献2に記載されている、二谷折板による折板屋根構造は、施工効率がよく、水密製にも優れている。しかし、折板中部を固定するに当たっては、主に嵌合式固定に限られている。台風や暴風に伴って発生する、屋根材を上空に吸い上げようとする負圧への耐力を向上させる必要がある。しかし施工の自由度が少なく、負圧耐力の向上が難しいという課題があった。
そこで、本発明の目的、すなわち解決しようとする技術的課題は、溶接固着に向かないメッキ鋼板で形成された2以上の谷部を有する折板を用いながらも、中間吊子部分の負圧耐力を向上させた折板屋根構造及びその施工方法を提供することにある。
そこで、請求項1の発明を、メッキ鋼板で形成された長尺な屋根板たる折板が並んだ折板屋根構造において、前記折板の長尺方向を長手方向と称し、該長手方向に直交する方向を断面方向と称することとしたときに、前記折板は断面方向に2以上の折板谷部を有する断面形状にして、前記折板谷部の間に存する長尺である折板山部が跨る緊締受け躯体上には中間吊子が設けられ、該中間吊子には前記折板山部に形成されている長尺な折板嵌合部が嵌合する構成にして、前記折板嵌合部を形成する長尺な折板折り返し部に局所的な溶接部が形成されている箇所を有してなることを特徴とする折板屋根構造としたことにより、上記課題を解決した。
また、請求項2の発明を、請求項1に記載の折板屋根構造において、前記中間吊子は前記緊締受け躯体から鉛直に伸びた中間吊子首部と、該中間吊子首部の上に形成された中間吊子頭部を有し、該中間吊子頭部の断面方向の幅が前記中間吊子首部の断面方向の幅よりも大きく形成されていて、前記折板嵌合部の入口側は、断面方向の幅が前記折板嵌合部の奥側すなわち折板折り返し部よりも狭くして折板嵌合首部を形成し、該折板嵌合首部が前記中間吊子頭部に係止した状態にして、前記折板嵌合首部に局所的な溶接部が設けられていることを特徴とする折板屋根構造としたことにより、上記課題を解決した。
請求項3の発明を、請求項2に記載の折板屋根構造において、前記折板嵌合首部と前記中間吊子首部の間に局所的な溶接部が形成されていることを特徴とする折板屋根構造としたことにより、上記課題を解決した。請求項4の発明を、請求項2に記載の折板屋根構造において、前記折板嵌合部を形成する、長尺な折板折り返し部において、該折り返し折板同士が接近して前記折板嵌合首部を形成している部位であって、前記中間吊子を挟まずに、前記長尺な折板折り返し部を成す折板同士が近接若しくは接するところに局所的な溶接部が形成されていることを特徴とする折板屋根構造としたことにより、上記課題を解決した。
請求項5の発明を、請求項4に記載の折板屋根構造において、前記溶接部は、前記折板嵌合首部が前記中間吊子に接している部分から、長手方向に20mm以上離れていることを特徴とする折板屋根構造としたことにより、上記課題を解決した。請求項6の発明を、請求項1に記載の折板屋根構造において、前記中間吊子は前記緊締受け躯体から鉛直に伸びた吊子切片を有し、該吊子切片が前記折板嵌合部に嵌合する構成にして、前記折板嵌合部と前記吊子切片の間に局所的な溶接部が設けられていることを特徴とする折板屋根構造としたことにより、上記課題を解決した。
請求項7の発明を、メッキ鋼板で形成された長尺な屋根板たる折板が並んだ折板屋根構造において、前記折板の長尺方向を長手方向と称し、該長手方向に直交する方向を断面方向と称することとしたときに、前記折板は断面方向に2以上の折板谷部を有する断面形状とし、中間吊子を設けた緊締受け躯体上に、前記折板谷部の間に存する長尺である折板山部が跨るように配置し、前記折板の断面方向の一端に設けられた長尺な第2連結部を緊締止具に保持させ、前記中間吊子を前記折板山部に形成されている長尺な折板嵌合部に嵌合させた上で、前記折板の断面方向の他端に設けられた長尺な第1連結部をもう1つの緊締止具に保持させてから、前記折板嵌合部を局所的に溶接することを特徴とする折板屋根構造の施工方法としたことにより、上記課題を解決した。
また、請求項8の発明を、請求項7に記載の折板屋根構造の施工方法において、前記中間吊子に前記緊締受け躯体から鉛直に伸びた中間吊子首部と該中間吊子首部の上に中間吊子頭部を形成するにあたり、該中間吊子頭部の断面方向の幅が前記中間吊子首部の断面方向の幅よりも大きく形成し、前記折板山部の一部を折り返して前記折板嵌合部を形成するにあたり、該折板嵌合部の断面を半ば円環状に成して該折板嵌合部下部の幅を狭く構成して折板嵌合首部と称することとし、前記中間吊子に前記折板嵌合部を嵌合させるにあたっては前記折板嵌合首部に前記中間吊子頭部を係止させたうえで、前記前記折板嵌合首部を局所的に溶接することを特徴とする折板屋根構造の施工方法としたことにより、上記課題を解決した。
請求項9の発明を、請求項8に記載の折板屋根構造の施工方法において、前記折板嵌合首部と前記中間吊子首部の間を局所的に溶接することを特徴とする折板屋根構造の施工方法としたことにより、上記課題を解決した。請求項10の発明を、請求項8に記載の折板屋根構造の施工方法において、前記折板嵌合部を形成する、長尺な折板折り返し部において、該折り返し折板同士が接近して前記折板嵌合首部を形成している部位であって、前記中間吊子を挟まずに、前記長尺な折板折り返し部を成す折板同士が近接若しくは接するところを局所的に溶接することを特徴とする折板屋根構造の施工方法としたことにより、上記課題を解決した。
請求項11の発明を、請求項10に記載の折板屋根構造の施工方法において、前記折板嵌合首部が前記中間吊子に接している部分から、長手方向に20mm以上離れているところを局所的に溶接することを特徴とする折板屋根構造の施工方法としたことにより、上記課題を解決した。請求項12の発明を、請求項7に記載の折板屋根構造の施工方法において、前記中間吊子を前記緊締受け躯体から鉛直に伸びた吊子切片で構成し、前記吊子切片に前記折板嵌合部を嵌合させたうえで、前記折板嵌合部と前記吊子切片の間を局所的に溶接することを特徴とする折板屋根構造の施工方法としたことにより上記課題を解決した。
請求項1、請求項2、請求項3及び請求項4に係る発明は、少ない溶接箇所にもかかわらず、中間吊子部分の負圧耐力を格段に向上させることができる効果がある。請求項5に係る発明の構成にすることで、中間吊子部分の負圧耐力を向上させつつも、隣接する折板同士の長手方向の動きを強固に規制するものではないものとすることができる。このため、これら折板の伸縮により内部に生じた応力を解放することができるという効果がある。このように応力を解放できるので、前記折板の板鳴低減効果と金属疲労防止効果がある。
請求項6に係る発明の構成にすることで、吊子切片が折板嵌合部に確実に嵌合するため、嵌合不良という施工ミスが発生する可能性を著しく低減する。それにもかかわらず、前記折板嵌合部と前記吊子切片の間には局所的な溶接部を形成されているため、中間吊子部分の負圧耐力は強固に維持されているという効果がある。
請求項7、請求項8、請求項9及び請求項10の発明に係る施工方法により、少ない溶接箇所にもかかわらず、中間吊子部分の負圧耐力を格段に向上させた折板屋根構造を施工することができる効果がある。
請求項11の発明に係る施工方法により、中間吊子部分の負圧耐力を向上させつつも、隣接する折板同士の長手方向の動きを強固に規制するものではないものとすることができる。このため、これら折板の伸縮により内部に生じた応力を解放することができるという効果がある。このように応力を解放できるので、前記折板の板鳴低減効果と金属疲労防止させる折板屋根構造を施工することができる効果がある。
請求項12の発明に係る施工方法により、吊子切片が折板嵌合部に確実に嵌合するため、嵌合不良という施工ミスが発生する可能性を著しく低減する。それにもかかわらず、前記折板嵌合部と前記吊子切片の間には局所的な溶接部を形成されているため、中間吊子部分の負圧耐力は強固に維持されている折板屋根構造を施工することができる効果がある。
は本発明の折板屋根構造の第1実施形態に係る図であって、(A)は施工前の緊締受け躯体と折板の図、(B)は折板屋根構造の断面図、(C)は同折板屋根構造で用いられる中間吊子の例である斜視図、(D)同折板屋根構造の中間吊子箇所断面図であって溶接部の拡大図、(E)は同折板屋根構造の斜視図である。 は本発明の折板屋根構造の第2実施形態に係る図であって、(A)は同折板屋根構造の斜視図、(B)は中間吊子付近の縦断側面図、(C)はY1−Y1矢視図、(D)は同折板屋根構造の断面図である。 は本発明の折板屋根構造の第4実施形態に係る折板屋根構造であって、(A)は折板屋根構造の施工前断面図、(B)は同折板屋根構造で用いられる中間吊子の例である斜視図、(C)同折板屋根構造の断面図、(D)は同折板屋根構造の斜視図である。 は本発明の折板屋根構造の第5実施形態に係る図であって、(A)は折板屋根構造の施工前断面図、(B)同折板屋根構造の断面図、(C)は3谷を有する折板で施工された、本発明の折板屋根構造の第6実施形態の断面図である。 は従来の折板屋根構造の例を示す図であって、(A)は2谷を有する折板の斜視図、(B)は同折板屋根構造の緊締受け躯体を含む部分の断面図、(C)は同折板屋根構造に用いられる緊締止具の例を示す拡大図、(D)は同折板屋根構造の緊締止具と緊締受け躯体を含む断面の拡大図、(E)同折板屋根構造に用いられる中間吊子の例を示す拡大図、(F)は同折板屋根構造の中間吊子と緊締受け躯体を含む断面の拡大図である。 は従来の折板屋根構造の例を示す図であって、(A)は緊締受け躯体を含む部分に負圧がかかっている状態を示す断面図、(B)は同折板屋根構造における中間吊子の断面拡大図、(C)と(D)は負圧によって同折板屋根構造が破壊される例を示す断面拡大図である。 は従来の折板屋根構造に係る他の例を示す図であって、(A)は中間吊子と該中間吊子を嵌合する前の折板嵌合部の断面図、(B)は同折板嵌合部に前記中間吊子を嵌合させた直後の断面図、(C)は嵌合後に前記折板嵌合部の入口を押圧して折板嵌合首部を形成して施工を完了した、同折板屋根構造を示す断面図である。
図5を参照して、従来の典型的な馳締め折板の構成を確認する。図5(A)は長尺なメッキ鋼板で加工された折板であって、2つの谷部を有する折板の例である。説明の便宜上、これら折板の長尺な方向を長手方向と称し、これに直行する方向を断面方向と称することとする。通常の折板屋根構造はこのような折板が断面方向に配置されてそれぞれの端が隣接する折板に連結されている。説明の便宜上、このような屋根構造を構成する折板の1つを折板3とし、これに隣接して設置される折板を隣接折板4と呼ぶこととする。原則的には、折板3と隣接折板4は同一形状をした折板である。
2つの谷部を有する折板を2谷折板と称することとし、該2谷折板の一般的な構成を説明する。ここでは2谷折板の意味として、単に折板と称することとする。折板3は断面方向の一端に長尺構造である第1連結部31を有し、他の一端には長尺構造である第2連結部41を有する。原則として同形である隣接折板4は折板3と断面方向に並べて配置される。
そして、折板3の第1連結部31と隣接折板4の第2連結部41が連結される。同時に、該第1連結部31と該第2連結部41は緊締止具11を介して、後記する緊締受け躯体1に固定される。折板3は断面方向に、2つの長尺な折板谷部32が平行して形成されていて、該折板谷部32の間は長尺である折板山部33となっている。そして、折板山部33上にはこれに平行して折板嵌合部331が設けられている。
緊締受け躯体1は山形の部材で建屋の梁に複数が並列して固定されている。3つの緊締受け躯体1が形成する2つの谷に、折板3の2つの折板谷部32が嵌まり込む。並列する緊締受け躯体1には、緊締止具11又は中間吊子12が1つずつ交互に固定されている。折板3を緊締受け躯体1に固定するにあたり、折板嵌合部331に中間吊子12を嵌合させるようにし、第1連結部31と第2連結部41を緊締止具11に固定するようにする。中間吊子12を介してする緊締受け躯体1への折板の固定は嵌合によるものである。第1連結部31と第2連結部41の連結方法と、緊締止具11を介しての折板の固定方法は幾つかあるが、図5に示す例では馳締めによる方法である。
図5(B)は従来の折板屋根構造の例を示す断面図である。断面方向に並んだ3つの緊締受け躯体1が形成する2つの谷に、折板3の2つの折板谷部32が嵌まり込み、折板山部33は中央の緊締受け躯体1を跨いでいる。そして、折板山部33に設けられた折板嵌合部331に中間吊子12が嵌合することによって、折板山部33が中央の緊締受け躯体1に固定されている。図5(C)は緊締止具11の例である。図5(D)は該緊締止具11によって、折板3の第1連結部31と隣接折板4の第2連結部41が連結して、更に、緊締受け躯体1に固定されている例である。
図5(E)は中間吊子12の例である。この中間吊子12は鉛直上方に延びる中間吊子首部122の先に中間吊子頭部121が設けられている。中間吊子頭部121は、折板嵌合部331が嵌合しやすいように上部がやや小さく細っている。一方で、下部は嵌合した折板3が外れにくいようにえらが張ったようになっている。図5(F)は折板山部33に設けられた折板嵌合部331に中間吊子頭部121が嵌合している状態を示している。
折板嵌合部331は折板山部33部分の折板を断面方向で折り返して形成されていて、該折板嵌合部331の入口側は、断面方向の幅が前記折板嵌合部の奥側すなわち折板折り返し部よりも狭くして折板嵌合首部を形成されている。以上が中間吊子を有する一般的な折板屋根構造である。
このような折板は、折板一枚当たりの断面方向の幅が大きく施工効率が高い。すなわち一枚の折板で大きな面積の屋根を構成している。更に、このような折板屋根構造は軽量にもかかわらず、優れた強度を有している。しかし、この折板屋根構造に対して、上方から許容を超える負圧が作用すると破壊することがある。図6(A)は中間吊子を有する折板屋根構造に負圧が作用している状態である。一般に、中間吊子12の方が緊締止具11よりも固定力が弱いので負圧によって外れやすい。
我々の研究によれば、許容を越える負圧により、中間吊子12に嵌合している折板嵌合部331の形状が歪み、嵌合が外れてしまうことがきっかけとなって折板屋根構造の破壊が進むことが分かっている。図6(B)は折板嵌合部331に中間吊子12が正しく嵌合している状態である。しかし、許容を超える負圧が作用すると、同図(C)、(D)の順で折板嵌合部331の形状が歪んで折板嵌合首部331aが開いて嵌合が外れてしまう。以上が、中間吊子を有する2谷折板の負圧による破壊の過程である。
図7は、従来の折板嵌合部と中間吊子のもう1つの例を示す図である。図7(A)は前記中間吊子とこれを嵌合する前の折板嵌合部の断面図である。この折板嵌合部には、図5(F)の折板嵌合部の入口側にある狭まりが無い。これは中間吊子を嵌合させやすくするために折板嵌合首部を無くしたものである。図7(B)は前記中間吊子を前記折板嵌合部に嵌合させた直後の断面図である。そして、図7(C)は嵌合後に前記折板嵌合部の入口を押圧して折板嵌合首部を形成して施工を完了した、同折板屋根構造を示す断面図である。以後、折板嵌合部への中間吊子の嵌合という場合、このように、嵌合後に押圧により折板嵌合首部を形成する場合も含むものとする。
[第1実施形態の構成]
そこで本発明の折板屋根構造に係る第1実施形態は、図1(B)、(D)及び(E)に示すように、中間吊子12に嵌合している折板嵌合部331と、該中間吊子12の中間吊子首部122の間に局所的な溶接部5Aを設けるものである。溶接部5Aは例えば、スポット溶接である。図1(A)は施工前の折板3と隣接折板4及び緊締受け躯体1である。
図1(B)に示すように、同折板屋根構造は、緊締受け躯体1が形成する谷部に、折板3の2つの谷部32が嵌まり込み、該2つの谷部32が作る折板山部33が1つの緊締受け躯体1を跨いでいる。該緊締受け躯体1には中間吊子12が設けられ、折板山部33の折板嵌合部331に嵌合している。折板嵌合部331は長手方向に長尺な構造をしていて、折板山部33にあたる折板を半ば環状に折り返して形成されている。この嵌合部は図1(D)に拡大図として示されている。折板嵌合部331の狭まった部分が中間吊子12の中間吊子首部122を挟持している。
そして、中間吊子首部122と折板嵌合部331の間に局所的な溶接部5Aが形成されて固定されている。図1(C)は施工前の中間吊子12の斜視図である。中間吊子12は鉛直上方に延びた中間吊子首部122の先に中間吊子頭部121が設けられていて、これが折板嵌合部331に引っ掛かるようになっている。
図1(E)は同折板屋根構造の斜視図である。同図に示される溶接部5Aはスポット溶接であり、局所的な溶接である。また、折板3の端部は隣接折板4と連結し、且つ、緊締止具11で緊締受け躯体1に固定されている。この折板3の端部は隣接折板4の連結構造については、図5に基づいて説明した従来の折板屋根構造と同様である。
折板屋根構造の破壊は、折板嵌合部の狭まった部分が歪んで開いてしまうことがきっかけとは上記のとおりである。この部分を溶接部5Aで固着することは、効率的に折板の嵌合が外れるのを防ぐことができる。したがって、溶接箇所を最小限に抑えながら、折板屋根構造の負圧耐力を最大限に向上させる効果がある。また、板材に貫通孔を設けてボルト等で締め付けるものではないため、水密性が確保されるという効果もある。また、同折板屋根構造は、既設の屋根に対して溶接部5Aを追加することで負圧耐力を強化できる効果がある。
[第2実施形態の構成]
本発明の折板屋根構造に係る第2実施形態を、図2を参照しながら説明する。同折板屋根構造は、溶接部が形成される場所の違いを除いては、第1実施形態における折板屋根構造と同様の構造である。第1実施形態では、折板3と中間吊子12の間に局所的な溶接部を形成した。一方、第2実施形態では、中間吊子12が存在しない断面において、折板嵌合部331の狭まっている所に局所的な溶接部を形成するものである。
この狭まっている所を折板嵌合首部331aと称することとする。図1(C)にも示したように、中間吊子頭部121は中間吊子首部122よりも断面方向に幅が広く形成されている。折板嵌合部331の狭まっている所は長手方向に長尺に延びているものであるから、これが開かなければ、中間吊子12の嵌合は外れず、したがって、負圧に抗して折板屋根構造を維持することができる。つまり、第2実施形態に係る折板屋根構造は中間吊子12の存しない所において、折板嵌合部331の狭まっている所同士を溶接で固定することで、開かないようにする構成である。
図2(D)は同折板屋根構造断面図であって、緊締受け躯体1と、緊締止具11及び中間吊子12を含まない断面の構造である。折板嵌合部331の狭まっている部分に局所的な溶接部5Bが形成されている。図2(B)は、中間吊子12付近の縦断側面図である。図2(C)はY1−Y1矢視図であって、折板嵌合部331の断面拡大図である。折板山部33の上部に形成されている折板嵌合部331が表されている。そして、折板嵌合首部331aに局所的な溶接部5Bが形成されている。同図が示すように、中間吊子12が存在しない所の断面構造であって、折板嵌合首部331aとして折り返した折板部材の接近若しくは接している部分に局所的な溶接部5Bが形成されている。
図2(A)は同折板屋根構造の斜視図であり、(B)は中間吊子付近の縦断側面図である。同図(A)と(B)から明らかなように、中間吊子12の場所を避けて、折板嵌合首部331aに局所的なスポット溶接5Bが形成されている。このように、極めて少ない溶接箇所にもかかわらず、効果的に折板嵌合首部331aが開くのを抑えて、負圧耐力を向上させている。以上が、本発明の第2実施形態に係る折板屋根構造である。
本発明の第2実施形態に係る折板屋根構造は、溶接箇所を最小限に抑えながら、折板屋根構造の負圧耐力を最大限に向上させる効果がある。また、中間吊子の位置は折板に隠れて確認し難いが、中間吊子以外の場所であれば溶接個所を決めるのは容易であって施工作業をしやすいという効果がある。
[第3実施形態の構成と効果]
本発明の折板屋根構造に係る第3実施形態は、第2実施形態に係る折板屋根構造において、長尺な折板嵌合首部311a上であって、該折板嵌合首部311aが中間吊子12に接している位置から、長手方向に20mm以上離れたている所に局所的な溶接部5Bを設け、折板嵌合首部331aとして折り返した折板部材同士が開かないように固定されている構造である。このような折板屋根構造は、後記するように、中間吊子部分の負圧耐力を向上させつつも、折板の長手方向の動きを強固に規制するものではないものとすることができる。このため、これら折板の伸縮により内部に生じた応力を解放することができるという効果がある。このように応力を解放できるので、前記折板の板鳴低減効果と金属疲労防止効果がある。
[折板屋根構造に係る本発明と従来構造の共通点]
ここで、上記を補足するために、緊締止具11や中間吊子12による、折板3及び折版4の緊締受け躯体1への保持構造の特徴について確認する。この折板屋根構造に係る特徴は本発明と従来構造で共通するものである。緊締止具12と折板の連結及び保持の例が、図5(D)に表されている。同図は緊締受け躯体1と緊締止具11を含む折板屋根構造の断面拡大図であって、折板3と隣接折板4の連結部である。緊締止具11は緊締受け躯体1(図示しない建屋の梁に固定されている。)に強固に固定されていて、断面平面内(紙面平面)において上下左右のいずれにも移動できる余地はない。更に、長手方向(紙面から飛び出す方向)にも移動できる余地はない。
一方、折板3と隣接折板4は、長尺方向は直線に延びた状態にして、断面方向のみで、緊締止具11のフック形状の部分を巻き込んでいる。この巻き込みが解かれない限りにおいては、折板3も隣接折版4も、断面方向に限り、上下左右のいずれにも移動の余地はない。しかし、長手方向には絶対的に動きを規制する構成ではない。折板3及び隣接折板4は互いの接触に伴って発生する摩擦力、緊締止具11と緊締受け躯体1との接触面から受ける摩擦力によって保持されているに過ぎない。したがって、折板3や隣接折板4が熱による膨張と収縮をした場合には、長手方向に若干移動して、膨張収縮により折板内部に生じた応力を解消することができる。
次に中間吊子12による折板3の保持形態を確認する。図5(F)は中間吊子12が折板3の折板山部33を保持している構造の断面拡大図である。中間吊子12は緊締受け躯体1に固定されていて、いずれの方向にも移動の余地はない。一方折板3は、同図と図5(A)の斜視図から分かるように、中間吊子頭部121が長尺な折板嵌合部331に嵌合して保持している。折板3は断面方向については上下左右いずれの方向へも移動できない。しかし、長手方向に関しては、折板3は中間吊子12及び緊締受け躯体1との接触で生じる摩擦力で保持されているに過ぎない。したがって、折板3が膨張収縮した際には、長手方向に若干移動して、膨張収縮により折板内部に生じた応力を解消することができる。以上は、本発明と従来構造で共通する折板屋根構造の特徴である。
本発明の折板屋根構造に係る第2実施形態と第3実施形態は折板嵌合首部133a(図2(C))として折り返した折板同士を局所的な溶接で固定するものである。したがって、上記の特徴、すなわち、中間吊子12に対して折板3が長手方向に若干移動する余地を残している特徴は維持されている。
上記したように、折板温度の変化により、同折板は長手方向に若干の伸縮をする。100メートル以上に亘る長尺な折板では、この伸縮量が20mmに及ぶことがある。そこで、本発明の第3実施形態に係る折板屋の構造のように、折板嵌合首部311aが中間吊子12に接している位置から長手方向に20mm以上離れたている所に溶接部5Bを設けることとする。このようにすれば、折板3が最大で20mm収縮したとしても、溶接部5Bが折板3の長手方向のずれ移動を妨げることはない。尚、前記折板3の長さに応じて伸縮量に差異がある。そこで、前記折板3の長さが短い場合には、20mmよりも隔離距離が小さくてもよい。
このような構成を採ることで、上記したように、折板の伸縮により内部に生じた応力を解放することができるという効果がある。このように応力を解放できるので、前記折板の板鳴低減効果と金属疲労防止効果がある。
[第4実施形態の構成]
次に図3を参照しながら、本発明の折板屋根構造の第4実施形態を説明する。同折板屋根構造は中間吊子12Cの形状に特徴がある。第1〜3実施形態の中間吊子12は中間吊子首部122よりも中間吊子頭部121の方が断面方向に大きく形成されていた。一方、第4実施形態に係る中間吊子12Cは鉛直上方に向かう切片であって、頭部と首部の区別がない。中間吊子12Cはその形状から吊子切片とも称することとする。折板嵌合部331Cもこれに合わせた形状で、断面において折板を単にU字状に折り返したものとなっている。
折板3Cと隣接折板4Cの連結部31Cと41Cは嵌合式となっているが、第1〜3実施形態のように馳締め式でもよい。折板3C及び隣接折板4Cはそれぞれ、端部に第1連結部31Cと第2連結部41Cを有している(図3(A))。嵌合式で緊締受け躯体1Cに固定するため、中間吊子12Cを備える緊締受け躯体1Cの両側の緊締受け躯体1Cには嵌合止具13Cが備えられている。折板の連結と緊締受け躯体1Cへの固定は、まず、第1連結部31Cが嵌合止具13Cに嵌合し、その上から第2連結部41Cが嵌合して行われる。
図3(B)は中間吊子12Cを備えた緊締受け躯体1Cの斜視図である。折板嵌合部331Cが長尺であるのに対して、中間吊子12Cは鉛直に起立した切片であって、長尺方向の長さは高々緊締受け躯体1Cの厚さ程度である。図3(C)は本発明の第4実施形態に係る折板屋根構造である。嵌合止具13Cを介して第1連結部31Cと第2連結部41Cが嵌合して連結と緊締受け躯体1Cへの固定をしている。
中間吊子12Cは長尺である折板嵌合部331Cに嵌合した状態で、該中間吊子12Cと折板嵌合部に局所的な溶接部5Cが形成されている。図3(D)に示す同折板屋根構造の斜視図から分かるように溶接部5Cはスポット溶接であって、極めて少ない溶接箇所にもかかわらず、効果的に折板嵌合部331Cが開くのを抑えて、負圧耐力を向上させている。以上が、本発明の第4実施形態に係る折板屋根構造である。
本発明の折板屋根構造に係る第4実施形態は、上記のように、極めて少ない溶接箇所にもかかわらず、効果的に折板嵌合部331Cが開くのを抑えて、負圧耐力を向上させている。加えて、中間吊子12Cがくびれや屈曲形状のない単なる切片形状であり、折板嵌合部331Cに対して極めて嵌合させやすいという効果がある。嵌合させやすいとは施工ミスを無くす上で極めて重要である。
[第5実施形態の構成]
次に図4を参照しながら、本発明の折板屋根構造の第5実施形態を説明する。同折板屋根構造の中間吊子12Dは第4実施形態の中間吊子12Cと同様の形状である。折板嵌合部331Dも中間吊子12Dに合わせて、断面において折板を単にU字状に折り返したものとなっている。よって、施工作業おいて嵌合が極めて簡単である。折板3Dと隣接折板4Dの連結部は、緊締受け躯体1Dと共にボルト14Dで連結固定されている。
折板3D及び隣接折板4Dはそれぞれ、端部に第1連結部31Dと第2連結部41Dを有している(図4(A))。ボルト14Dで緊締受け躯体1Dに固定するため、中間吊子12Dを備える緊締受け躯体1Dの両側の緊締受け躯体1Dにはボルト14Dを貫通する穴が設けられている。折板の連結と緊締受け躯体1Dへの固定は、まず、第1連結部31Dが緊締受け躯体1Dに被さり、その上から第2連結部41Dが被さってボルト14Dで固定される。
図4(B)は本発明の第5実施形態に係る折板屋根構造である。ボルト14Dで第1連結部31Dと第2連結部41Dが連結した上で緊締受け躯体1Dに固定している。中間吊子12Dは長尺である折板嵌合部331Dに嵌合した状態で、該中間吊子12Dと折板嵌合部に局所的な溶接部5Dが形成されている。溶接部5Dはスポット溶接であって、極めて少ない溶接箇所にもかかわらず、効果的に折板嵌合部331Dが開くのを抑えて、負圧耐力を向上させている。以上が、本発明の第5実施形態に係る折板屋根構造である。
本発明の折板屋根構造に係る第5実施形態は、上記のように、極めて少ない溶接箇所にもかかわらず、効果的に折板嵌合部331Dが開くのを抑えて、負圧耐力を向上させている。加えて、中間吊子12Dがくびれや屈曲形状のない単なる切片形状であり、折板嵌合部331Dに対して極めて嵌合させやすいという効果がある。嵌合させやすいとは施工ミスを無くす上で極めて重要である。
本発明の折板屋根構造は、2つの折板谷部を有する折板による屋根構造を例として説明したが、折板谷部が3以上であっても、これら折板谷部の間に形成される折板山部の数に応じて、中間吊子と折板嵌合部が増すのみで、実現可能である。例えば、図4(C)に示すのは3つの折板谷部32Eと2つの折板山部33Eを有する折板3Eによる折板屋根構造である。折板3Eの3つの折板谷部32Eが、4つの緊締受け躯体1Dが作る3つの谷部に嵌まり込んだ構造である。折板3Eと隣接折板4Eはボルト14Dで連結され、且つ、緊締受け躯体1Dに固定されている。2つの中間吊子12Dと折板嵌合部331Dの間には局所的な溶接部5Dが形成されている。このように、折板谷部が3以上あっても本発明の折板屋根構造の構成は可能であり、極めて少ない溶接箇所でありながら、効果的に負圧耐力を向上させることができる。
[第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態の施工方法]
図1(A)と(B)を参照しながら、本発明の折板屋根構造に係る第1実施形態と第2実施形態の施工方法を説明する。これは、メッキ鋼板で形成された長尺な屋根板たる折板が並んだ折板屋根構造を形成する施工方法である。折板3は断面方向に2以上の折板谷部32を有する断面形状とする。中間吊子12を設けた緊締受け躯体上1に、折板谷部32の間に存する長尺である折板山部33が跨るように折板3を配置する。このとき、折板3の第2連結部を既に固定されている緊締止具11に保持させる。次いで、折板嵌合部331に中間吊子12の中間吊子頭部121を嵌合させる。
その後、折板3の第1連結部に緊締止具11を保持させ、該緊締止具11は緊締受け躯体1に固定する。更に、馳締めにより、長尺な第1連結部31を緊締止具11に固定し、長尺な第2連結部41をもう1つの緊締止具11に固定する。そして、折板嵌合部331の長尺な折板嵌合首部331aに局所的な溶接部を形成する折板屋根構造の施工方法である。
溶接部5A又は5Bは、長尺な折板嵌合首部331aのいずれかに形成する。第1実施形態に係る折板屋根構造の施工方法では、中間吊子121の中間吊子首部122と折板嵌合首部331aの間にスポット溶接をする(図1(E))。第2実施形態に係る折板屋根構造の施工方法では、中間吊子121の場所を避けて折板嵌合首部331aを形成する折板の折り返し部同士にスポット溶接をする(図2(A))。更に第3実施形態に係る折板屋根構造の施工方法では、中間吊子121の場所から、長手方向に20mm以上離れたところにスポット溶接をする。
この折板屋根構造の施工方法は、極めて少ない溶接箇所にもかかわらず、負圧耐力に優れた折板屋根構造を施工することができる効果がある。更に、既設の折板屋根に対しても、折板嵌合首部331aに局所的な溶接部5Aを形成することにより、負圧耐力を強化させることができる。また、第3実施形態に係る折板屋根構造の施工方法では、折板が長手方向に移動し得るので、折板の伸縮により内部に生じた応力を解放することができるという効果がある。このように応力を解放できるので、前記折板の板鳴低減効果と金属疲労防止効果がある。
[第4実施形態及び第5実施形態の施工方法]
図3と図4にも示すように、本発明の第4実施形態及び第5実施形態に係る折板屋根構造で用いる中間吊子12Cと12Dは、鉛直に伸びた切片形状であって、吊子切片とも称する。同折板屋根構造の施工方法では、折板山部(33C又は33D)が、中間吊子たる吊子切片を備えた緊締受け躯体(1C又は1D)を跨がせるに際して、前記吊子切片を折板嵌合部(331C又は331D)に嵌合させる。折板と隣接折板の連結及び、緊締受け躯体(1C又は1D)への固定は嵌合若しくはボルトによる。そして、前記吊子切片と前記折板嵌合部の間をスポット溶接する。以上が、前記折板嵌合部と前記吊子切片の間に局所的な溶接部が設けられていることを特徴とする折板屋根構造第4実施形態及び第5実施形態に係る折板屋根構造の施工方法である。
この折板屋根構造の施工方法は、極めて少ない溶接箇所にもかかわらず、負圧耐力に優れた折板屋根構造を施工することができる効果がある。また、中間吊子の形状を嵌合しやすいものとしているため嵌合不良といった施工ミスを大きく減じることができる効果がある。更に、既設の折板屋根に対しても、折板嵌合部と吊子切片を局所的な溶接で固定することにより、負圧耐力を強化させることができる。
次に、好ましい折板材質について説明する。一般に、メッキ鋼板は電気溶接に向かないといわれている。しかし、アルミニウム重量比55%の合金による、合金メッキ鋼板であれば、その他のメッキ鋼板よりも溶接性が良いとされている。したがって、本発明の折板屋根構造に用いる折板は、例えば、アルミニウム重量比55%の合金メッキ鋼板など、溶接性に優れたメッキ鋼板を用いることが好ましい。例えばガルバリウム鋼板(登録商標)を用いることが望ましい。また、折板3の厚さは0.3〜2.0mm前後である。
溶接性に優れたメッキ鋼板を用いても、合金メッキ鋼板の溶接加工は、メッキ成分が溶接電極を汚す等の問題があり、可能な限り溶接箇所を限定したいものである。そこで、本発明の折板屋根構造は、極めて溶接箇所を減じたにもかかわらず、効果的に負圧耐力を向上させる折板屋根構造を提供するものである。
以上説明した、本発明の折板屋根構造の実施形態ではスポット溶接を例として説明したが、各スポット溶接をつなげることにより、シーム溶接化したとしても本発明思想の範囲内である。また、本発明の折板屋根構造は、主に折板屋根に用いられる構造であるが、ルーフデッキなどの床材として用いたり、或いは、垂直に立てて壁材として用いたりしても、本発明思想の範囲内である。
1,1C,1D,1F…緊締受け躯体、11…緊締止具、
12,12C,12D,12F…中間吊子、121…中間吊子頭部、
122…中間吊子首部、13C…嵌合止具、
3,3C,3D,3E,3F…折板、31,31C,31D…第1連結部、
32,32C,32D,32E,32F…折板谷部、
33,33C,33D,33E,33F…折板山部、
331,331C,331D,331F…折板嵌合部、331a…折板嵌合首部、
4,4C,4D,4E…隣接折板、41,41C,41D…第2連結部、
5,5A,5B,5C,5D…局所溶接部。

Claims (12)

  1. メッキ鋼板で形成された長尺な屋根板たる折板が並んだ折板屋根構造において、前記折板の長尺方向を長手方向と称し、該長手方向に直交する方向を断面方向と称することとしたときに、前記折板は断面方向に2以上の折板谷部を有する断面形状にして、前記折板谷部の間に存する長尺である折板山部が跨る緊締受け躯体上には中間吊子が設けられ、該中間吊子には前記折板山部に形成されている長尺な折板嵌合部が嵌合する構成にして、前記折板嵌合部を形成する長尺な折板折り返し部に局所的な溶接部が形成されている箇所を有してなることを特徴とする折板屋根構造。
  2. 請求項1に記載の折板屋根構造において、前記中間吊子は前記緊締受け躯体から鉛直に伸びた中間吊子首部と、該中間吊子首部の上に形成された中間吊子頭部を有し、該中間吊子頭部の断面方向の幅が前記中間吊子首部の断面方向の幅よりも大きく形成されていて、前記折板嵌合部の入口側は、断面方向の幅が前記折板嵌合部の奥側すなわち折板折り返し部よりも狭くして折板嵌合首部を形成し、該折板嵌合首部が前記中間吊子頭部に係止した状態にして、前記折板嵌合首部に局所的な溶接部が設けられていることを特徴とする折板屋根構造。
  3. 請求項2に記載の折板屋根構造において、前記折板嵌合首部と前記中間吊子首部の間に局所的な溶接部が形成されていることを特徴とする折板屋根構造。
  4. 請求項2に記載の折板屋根構造において、前記折板嵌合部を形成する、長尺な折板折り返し部において、該折り返し折板同士が接近して前記折板嵌合首部を形成している部位であって、前記中間吊子を挟まずに、前記長尺な折板折り返し部を成す折板同士が近接若しくは接するところに局所的な溶接部が形成されていることを特徴とする折板屋根構造。
  5. 請求項4に記載の折板屋根構造において、前記溶接部は、前記折板嵌合首部が前記中間吊子に接している部分から、長手方向に20mm以上離れていることを特徴とする折板屋根構造。
  6. 請求項1に記載の折板屋根構造において、前記中間吊子は前記緊締受け躯体から鉛直に伸びた吊子切片を有し、該吊子切片が前記折板嵌合部に嵌合する構成にして、前記折板嵌合部と前記吊子切片の間に局所的な溶接部が設けられていることを特徴とする折板屋根構造。
  7. メッキ鋼板で形成された長尺な屋根板たる折板が並んだ折板屋根構造において、前記折板の長尺方向を長手方向と称し、該長手方向に直交する方向を断面方向と称することとしたときに、前記折板は断面方向に2以上の折板谷部を有する断面形状とし、中間吊子を設けた緊締受け躯体上に、前記折板谷部の間に存する長尺である折板山部が跨るように配置し、前記折板の断面方向の一端に設けられた長尺な第2連結部を緊締止具に保持させ、前記中間吊子を前記折板山部に形成されている長尺な折板嵌合部に嵌合させた上で、前記折板の断面方向の他端に設けられた長尺な第1連結部をもう1つの緊締止具に保持させてから、前記折板嵌合部を局所的に溶接することを特徴とする折板屋根構造の施工方法。
  8. 請求項7に記載の折板屋根構造の施工方法において、前記中間吊子に前記緊締受け躯体から鉛直に伸びた中間吊子首部と該中間吊子首部の上に中間吊子頭部を形成するにあたり、該中間吊子頭部の断面方向の幅が前記中間吊子首部の断面方向の幅よりも大きく形成し、前記折板山部の一部を折り返して前記折板嵌合部を形成するにあたり、該折板嵌合部の断面を半ば円環状に成して該折板嵌合部下部の幅を狭く構成して折板嵌合首部と称することとし、前記中間吊子に前記折板嵌合部を嵌合させるにあたっては前記折板嵌合首部に前記中間吊子頭部を係止させたうえで、前記前記折板嵌合首部を局所的に溶接することを特徴とする折板屋根構造の施工方法。
  9. 請求項8に記載の折板屋根構造の施工方法において、前記折板嵌合首部と前記中間吊子首部の間を局所的に溶接することを特徴とする折板屋根構造の施工方法。
  10. 請求項8に記載の折板屋根構造の施工方法において、前記折板嵌合部を形成する、長尺な折板折り返し部において、該折り返し折板同士が接近して前記折板嵌合首部を形成している部位であって、前記中間吊子を挟まずに、前記長尺な折板折り返し部を成す折板同士が近接若しくは接するところを局所的に溶接することを特徴とする折板屋根構造の施工方法。
  11. 請求項10に記載の折板屋根構造の施工方法において、前記折板嵌合首部が前記中間吊子に接している部分から、長手方向に20mm以上離れているところを局所的に溶接することを特徴とする折板屋根構造の施工方法。
  12. 請求項7に記載の折板屋根構造の施工方法において、前記中間吊子を前記緊締受け躯体から鉛直に伸びた吊子切片で構成し、前記吊子切片に前記折板嵌合部を嵌合させたうえで、前記折板嵌合部と前記吊子切片の間を局所的に溶接することを特徴とする折板屋根構造の施工方法。
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