JP2017226743A - インク、インクセット、インク収容容器、インクジェット記録方法、記録方法、インクジェット記録装置、及び記録物 - Google Patents

インク、インクセット、インク収容容器、インクジェット記録方法、記録方法、インクジェット記録装置、及び記録物 Download PDF

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Abstract

【課題】熱的安定性、保存安定性、及び乾燥性に優れ、非浸透性基材に記録した場合でもベタ埋まり性が良好であり、耐擦過性、及び画像光沢性に優れる画像を得ることができるインクの提供。【解決手段】水、色材、有機溶剤、ポリウレタン樹脂、及びHLB値の異なる2種以上のポリシロキサン界面活性剤を含有し、前記有機溶剤として下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物を含有し、前記一般式(2)で表される化合物の含有量が、12質量%以上であるインクである。【選択図】なし

Description

本発明は、インク、インクセット、インク収容容器、インクジェット記録方法、記録方法、インクジェット記録装置、及び記録物に関する。
近年、ディスプレイ、ポスター、掲示板などの産業用途において、耐光性、耐水性、耐摩耗性などの耐久性を向上させるため、例えば、プラスチックフィルムなどの浸透性基材が使用されており、前記非浸透性基材に記録するためのインクが開発されてきている。
前記インクとしては、有機溶剤に溶解させた樹脂を含有する溶剤系インクや、重合性モノマーを主成分とする紫外線硬化型インクが広く用いられてきたが、前記有機溶剤及び前記重合性モノマーの蒸発による環境負荷が大きいものであった。そこで、前記非浸透性基材に記録することができ、かつ、水、及び樹脂粒子を含有する水性インクが提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。
本発明は、熱的安定性、保存安定性、及び乾燥性に優れ、非浸透性基材に記録した場合でもベタ埋まり性が良好であり、耐擦過性、及び画像光沢性に優れる画像を得ることができるインクを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のインクは、水、色材、有機溶剤、ポリウレタン樹脂、及びHLB値の異なる2種以上のポリシロキサン界面活性剤を含有し、前記有機溶剤として下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物を含有し、前記一般式(2)で表される化合物の含有量が、12質量%以上である。
ただし、前記一般式(1)中、Rは、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、又はアセチル基を表す。
ただし、前記一般式(2)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。
本発明によると、熱的安定性、保存安定性、及び乾燥性に優れ、非浸透性基材に記録した場合でもベタ埋まり性が良好であり、耐擦過性、及び画像光沢性に優れる画像を得ることができるインクを提供することができる。
図1は、シリアル型インクジェット記録装置の一例を示す概略図である。 図2は、図1の装置の本体内の構成を示す概略図である。 図3は、記録装置に用いる加熱手段の一例を示す概略図である。
(インク)
本発明のインクセットは、水、色材、有機溶剤、ポリウレタン樹脂、及びHLB値の異なる2種以上のポリシロキサン界面活性剤を含有し、前記有機溶剤として下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物を含有し、前記一般式(2)で表される化合物の含有量が、12質量%以上であり、さらに必要に応じてその他の成分を含有する。
ただし、前記一般式(1)中、Rは、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、又はアセチル基を表す。
ただし、前記一般式(2)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。
本発明のインクは、一般的に溶剤系インクは、インク中の有機溶剤により非浸透性基材を膨潤させながら定着するため、非浸透性基材に対する定着性に優れるが、従来の水性インクでは、最終記録物としてはインク塗膜が記録媒体上に留まる構成となるため、インク塗膜の乾燥性が不十分であり、高速記録性に劣るという問題があるという知見に基づくものである。また、屋外用途を想定した場合、記録物の耐候性についても、屋内向けとは比較できない耐画像劣化などの性質が求められており、従来の水性インクでは、十分な前記性質が得られていない問題があるという知見に基づくものである。
本発明のインクは、乾燥性に優れ、高速記録が可能であると共に、本発明のインクを用いて記録した記録物は耐擦過性に優れ、屋外でも画像の劣化が生じない記録物の提供が可能である。
<ポリシロキサン界面活性剤>
前記ポリシロキサン界面活性剤は、HLB値の異なる2種以上を含有する。
なお、前記ポリシロキサン界面活性剤とは、その構造中にポリシロキサン構造を有していればよく、ポリシロキサン系界面活性剤も含む意味である。
前記ポリシロキサン界面活性剤としては、HLB値が異なれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、高pHでも分解しないポリシロキサン界面活性剤が好ましい。
高pHでも分解しないポリシロキサン界面活性剤としては、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水系界面活性剤として良好な性質を示す点から、変性基として、ポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基等を有するものが好ましい。
前記ポリシロキサン界面活性剤としては、例えば、ポリエーテル変性シリコーン界面活性剤、ポリオキシアルキレン基含有シリコーン界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエーテル変性シリコーン界面活性剤が好ましい。
前記ポリシロキサン界面活性剤のHLB値としては、2種以上において異なっていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2種以上のうち、一種のHLB値が5以下のポリシロキサン界面活性剤、他の一種のHLB値が8以上であることが好ましい。HLB値が異なる2種以上のポリシロキサン界面活性剤を用いることにより、基材への濡れ性を向上し、平滑な膜を形成できるため、高い画像光沢を有する画像を得ることができる。
ここで、HLB値とは、界面活性剤の親水基と親油基とのバランスを意味し、前記HLB値は0〜20までの値を取り、0に近いほど親油性が高く、20に近いほど親水性が高くなる。前記HLB値は、以下の式(グリフィン法)により定義されるものである。
HLB値=20×(親水部の式量の総和/分子量)
前記ポリシロキサン界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
前記市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学株式会社などから入手できる。
前記ポリエーテル変性シリコーン界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(S−1)で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
一般式(S−1)
ただし、一般式(S−1)式中、m、n、a、及びbは整数を表わす。 R及びR’はアルキル基、アルキレン基を表わす。
前記ポリエーテル変性シリコーン界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618(HLB値:11)、KF−642(HLB値:12)、KF−643(HLB値:14)、KF−6017(HLB値:4.5)、KF−6028(HLB値:4.0)、KF−6013(HLB値:10.0)、KF−6043(HLB値:14.5)(以上、信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602(HLB値:9)、EMALEX−SS−1906EX(以上、日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164、SH3773M、SH3749(HLB値:8)(以上、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(以上、ビックケミー株式会社)、TSF4440(HLB値:14)、TSF4452(HLB値:11)、TSF4453(東芝シリコン株式会社)、シルフェイスSAG005(HLB値:7)(日信化学工業株式会社製)などが挙げられる。
前記ポリシロキサン界面活性剤の含有量としては、インク全量に対して、0.1質量%以上4.0質量%以下が好ましく、1.0質量%以上2.0質量%以下がより好ましい。前記含有量が、0.1質量%以上4.0質量%以下であると、各種非浸透性基材へのインクの定着性を向上でき、さらに光沢等の画像品質も向上できる。
<有機溶剤>
前記有機溶剤は、下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物を含有し、更に必要に応じてその他の有機溶剤を含有する。
前記一般式(1)で表される化合物及び前記一般式(2)で表される化合物を含有することにより、インク中の安定性を保持し、更に画像光沢を飛躍的に向上させることができ、また、乾燥性を向上できる。
ただし、前記一般式(1)中、Rは、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、又はアセチル基を表す。
ただし、前記一般式(2)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。
前記一般式(1)で表される化合物としては、例えば、3−メトキシ−3−メチル−1−メタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−エタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチル−1−プロパノール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール(株式会社クラレ製)が好ましい。
前記一般式(2)で表される化合物としては、例えば、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−メトキシ−N,N−ジエチルプロピオンアミド、3−エトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−プロポキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、3−メトキシ−N,N−ジエチルプロピオンアミドが好ましく、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドがより好ましい。
前記有機溶剤としては、必要に応じて、その他の有機溶剤を含有する。
前記その他の有機溶剤としては、下記のものが挙げられる。
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチル−1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、3−メトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド、3−ブトキシ−N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
前記有機溶剤の含有量としては、乾燥性の点から、インク全量に対して、0.5質量%以上40質量%以下が好ましく、0.5質量%以上20質量%以下がより好ましく、1質量%以上20質量%が特に好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物の含有量としては、インク全量に対して、0.5質量%以上10質量%以下が好ましく、1質量%以上5質量%以下がより好ましい。
前記一般式(2)で表される化合物の含有量としては、インク全量に対して、12質量%以上であり、12質量%以上50質量%以下が好ましく、12質量%以上30質量%以下がより好ましい。
<ポリウレタン樹脂>
前記ポリウレタン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ポリエステルウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂が好ましい。また、ポリエステルウレタン樹脂、及びポリカーボネートウレタン樹脂を併用することも好ましい。
前記ポリウレタン樹脂としては、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られる。
−ポリオール−
前記ポリオールに使用可能なポリオールとしては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びポリエステルポリオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、耐擦過性が飛躍的に向上できる点から、ポリエステルポリオールが好ましい。
−−ポリエーテルポリオール−−
前記ポリエーテルポリオールとしては、例えば、活性水素原子を2個以上有する化合物の1種又は2種以上を出発原料として、アルキレンオキサイドを付加重合させたものを使用することができる。
前記出発原料としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等を使用することができる。
前記アルキレンオキサイドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テトラヒドロフラン等を使用することができる。
−−ポリカーボネートポリオール−−
前記ポリカーボネートポリオールとしては、非常に優れた耐擦過性を付与可能なインクジェット印刷インク用バインダーを得る観点から、ポリオキシテトラメチレングリコールやポリオキシプロピレングリコールを使用することが好ましい。
また、前記ポリウレタン樹脂の製造に使用可能なポリカーボネートポリオールとしては、例えば、炭酸エステルとポリオールとを反応させて得られるものや、ホスゲンとビスフェノールA等とを反応させて得られるものを使用することができる。
前記炭酸エステルとしては、例えば、メチルカーボネートや、ジメチルカーボネート、エチルカーボネート、ジエチルカーボネート、シクロカーボネート、ジフェニルカーボネート等を使用することできる。
前記炭酸エステルと反応しうるポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノール−A、ビスフェノール−F、4,4’−ビフェノール等の比較的低分子量のジヒドロキシ化合物や、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールや、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等のポリエステルポリオールなどを使用することができる。
−−ポリエステルポリオール−−
前記ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子量のポリオールとポリカルボン酸とをエステル化反応して得られるものや、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステルや、これらの共重合ポリエステル等を使用することができる。
前記低分子量のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコールなどを使用することができる。
前記ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、及びこれらの無水物又はエステル形成性誘導体などを使用することができる。
−ポリイソシアネート−
前記ポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂肪族環式構造含有ジイソシアネート等を、単独で使用又は2種以上を併用して使用することができる。
また、本発明のインクは、ポスターや看板などの屋外向けの用途をも視野に入れているため、非常に高い長期耐候性を持つ塗膜を必要としており、この観点から脂肪族又は脂環式ジイソシアネートを使用することが好ましい。
更に、少なくとも1種の脂環式ジイソシアネートを添加することにより目的とする塗膜強度を得やすくなる。特に、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートが好適である。脂環式ジイソシアネートの含有量は、全イソシアネート化合物中の60質量%以上であることが好ましい。
[ポリウレタン樹脂の製造方法]
前記ポリウレタン樹脂は、従来一般的に用いられている製造方法により得ることができ、例えば、次の方法などが挙げられる。
まず、無溶剤下又は有機溶剤の存在下にて、前記ポリオールと前記ポリイソシアネートとを、イソシアネート基が過剰になる当量比で反応させて、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを製造する。
次いで、前記イソシアネート末端ウレタンプレポリマー中のアニオン性基を必要に応じて中和剤により中和し、その後、鎖延長剤と反応させて、最後に必要に応じて系内の有機溶剤を除去することによって得ることができる。
使用可能な有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類、アセトニトリルなどのニトリル類、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のアミド類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記鎖延長剤としては、ポリアミンやその他の活性水素基含有化合物などが挙げられる。
前記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等のジアミン類、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン類、ヒドラジン、N,N’−ジメチルヒドラジン、1,6−ヘキサメチレンビスヒドラジン等のヒドラジン類、コハク酸ジヒドラジッド、アジピン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のジヒドラジド類などが挙げられる。
前記その他の活性水素基含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等のグリコール類、ビスフェノールA、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等のフェノール類、水などが挙げられる。これらは、インクの保存安定性が低下しない範囲内であれば、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリウレタン樹脂の中でも、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂はカーボネート基の高い凝集力により耐水性、耐熱性、耐摩耗性、耐候性に優れているため、前記ポリウレタン樹脂がポリカーボネート系ポリウレタンである場合、記録物の耐擦性はより強固なものとなるため好ましく、屋外用途のような過酷な環境において使用される記録物に適したインクが得られる。
前記ポリウレタン樹脂としては、市販品を使用してもよく、例えば、ユーコートUX−485(ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂)、ユーコートUWS−145(ポリエステル系ポリウレタン樹脂)、パーマリンUA−368T(ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂)、パーマリンUA−200(ポリエーテル系ポリウレタン樹脂)(以上、三洋化成工業株式会社製)などが挙げられる。
前記ポリウレタン樹脂の含有量としては、インク全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましく、5質量%以上15質量%以下がより好ましい。
<色材>
前記色材としては、例えば、白色インクに用いる白色色材、非白色インクに用いる非白色色材などが挙げられる。
−白色色材−
前記白色インクの白色度の基準としては、ISO−2469(JIS−8148)があり、一般的にはその値が70以上の場合、白色色材として用いることができる。
前記白色色材としては、例えば、金属酸化物などが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、酸化スズ、酸化ジルコニウム、チタン酸鉄(鉄とチタンの複合酸化物)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−非白色色材−
前記非白色色材としては、カラー色材、黒色色材、灰色色材、メタリック色材などが挙げられる。前記カラー色材を含むインクは、カラーインクとして用いることができ、前記黒色色材を含むインクは、黒色インクとして用いることができ、前記灰色色材を含むインクは、灰色インクとして用いることができ、前記メタリック色材を含むインクは、メタリックインクとして用いることができる。また、本発明においては、色材を含まず、主に樹脂、有機溶剤及び水からなるクリアインクも用いることができる。
前記カラーインクとしては、例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク、レッドインク、グリーンインク、ブルーインク、オレンジインク、バイオレットインクなどが挙げられる。
前記非白色インクに用いられる非白色色材としては、非白色を呈するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、染料、顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、顔料が好ましい。
前記顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料などが挙げられる。
前記無機顔料として、例えば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料(例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
その他、中空樹脂粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましい。
前記顔料としては、黒色用としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、カラー用としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155;C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51;C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219;C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63;C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー17、23、42、44、79、142;C.I.アシッドレッド52、80、82、249、254、289;C.I.アシッドブルー9、45、249;C.I.アシッドブラック1、2、24、94;C.I.フードブラック1、2;C.I.ダイレクトイエロー1、12、24、33、50、55、58、86、132、142、144、173;C.I.ダイレクトレッド1、4、9、80、81、225、227;C.I.ダイレクトブルー1、2、15、71、86、87、98、165、199、202;C.I.ダイレクドブラック19、38、51、71、154、168、171、195;C.I.リアクティブレッド14、32、55、79、249;C.I.リアクティブブラック3、4、35などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記メタリックインクに用いる色材としては、例えば、金属単体、合金、又は金属化合物を微粉砕してなる微粉末であり、より具体的には、アルミニウム、銀、金、ニッケル、クロム、スズ、亜鉛、インジウム、チタン、シリコン、銅、又はプラチナよりなる一群の金属単体の何れか1種類若しくは複数よりなるものであって、又はこれらの一群の金属を組み合わせて得られる合金であってよく、又はこれらの一群の金属単体若しくは合金の酸化物、窒化物、硫化物、又は炭化物の何れか1種類若しくは複数、を微粉砕して得られるものである。
顔料をインク中に分散させるには、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした自己分散顔料等が使用できる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能なものを用いることができる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料がインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT−100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<顔料分散体>
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave−UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
<水>
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%〜60質量%がより好ましい。
前記水としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イオン交換水、限外ろ過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、超純水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<添加剤>
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
<消泡剤>
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
<防腐防黴剤>
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
[インクの製造方法]
前記インクの製造方法としては、例えば、前記水、前記有機溶剤、前記ポリシロキサン界面活性剤、前記ポリウレタン樹脂、更に必要に応じて、前記その他の成分を、撹拌混合することにより製造することができる。前記撹拌混合としては、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機、通常の撹拌羽を用いた撹拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機などを用いることができる。
インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力、pH等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE−80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7〜12が好ましく、8〜11がより好ましい。
本発明のインクは、インクジェット記録用に好適に用いることができる。
被印刷物としては、特に限定されず、一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙や床材などの建材、衣料用などの布、テキスタイル、皮革等を適宜使用することができる。また、被印刷物を搬送する経路の構成を調整することで、セラミックスやガラス、金属を使用することもできる。次に、記録媒体について説明するが、被印刷物としては、これに限定されるものではない。
<記録媒体>
記録媒体としては特に制限はなく、普通紙、光沢紙、特殊紙、布などを用いることもできるが、非浸透性基材を用いても良好な画像形成が可能である。
前記非浸透性基材とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する基材であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である基材をいう。
前記非浸透性基材としては、例えば、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートフィルムなどのプラスチックフィルムを、好適に使用することができる。
前記記録媒体としては、一般的な記録媒体として用いられるものに限られず、壁紙や床材等の建材、Tシャツなど衣料用等の布、テキスタイル、皮革等を適宜使用することができる。また、記録媒体を搬送する経路の構成を調整することにより、セラミックスやガラス、金属などを使用することもできる。
また、カラー記録の際にカラーインクより前に、白色インクを塗布することによって記録媒体が着色されたもの(着色記録媒体)であっても記録媒体の色を白に揃えることができ、カラーインクの発色を向上させることができる。
前記着色記録媒体としては、着色された紙や前記フィルム、生地、衣服、セラミックスなどが代表例である。
(インクセット)
本発明のインクセットは、白色インク及び非白色インクを有するインクセットであって、前記インクセットに含まれる各インクは、本発明のインクであり、更に必要に応じてその他のインクを有する。
本発明のインクセットは、乾燥性に優れ、高速記録が可能であると共に、本発明のインクセットを用いて記録した記録物は耐光性に優れ、屋外でも画像の劣化が生じない記録物の提供が可能である。
前記インクセットとしては、本発明の白色インク及び非白色インクを組み合わせることにより得ることができる。
本発明のインクセットには、白色インクとブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクだけでなく、その他のカラーインク、灰色インク、クリアインク、メタリックインクなどを含めてもよい。
(インク収容容器)
前記インク収容容器は、本発明の前記インク、本発明のインクセットに用いる各インクを容器に収容してなる。
前記インク収容容器としては、前記インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材などを有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じて、その形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するものなどが挙げられる。
本発明に用いる印刷装置、印刷方法の例として、被印刷物として記録媒体を用いた場合について説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
<記録装置、記録方法>
本発明のインクは、インクジェット記録方式による各種記録装置、例えば、プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、立体造形装置などに好適に使用することができる。
本発明において、記録装置、記録方法とは、記録媒体に対してインクや各種処理液等を吐出することが可能な装置、当該装置を用いて記録を行う方法である。記録媒体とは、インクや各種処理液が一時的にでも付着可能なものを意味する。
この記録装置には、インクを吐出するヘッド部分だけでなく、記録媒体の給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置と称される装置などを含むことができる。
記録装置、記録方法は、加熱工程に用いる加熱手段、乾燥工程に用いる乾燥手段を有しても良い。加熱手段、乾燥手段には、例えば、記録媒体の印字面や裏面を加熱、乾燥する手段が含まれる。加熱手段、乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、温風ヒーター、赤外線ヒーターを用いることができる。加熱、乾燥は、印字前、印字中、印字後などに行うことができる。
また、記録装置、記録方法は、インクによって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、幾何学模様などのパターン等を形成するもの、3次元像を造形するものも含まれる。
また、記録装置には、特に限定しない限り、吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、吐出ヘッドを移動させないライン型装置のいずれも含まれる。
更に、この記録装置には、卓上型だけでなく、A0サイズの記録媒体への印刷も可能とする広幅の記録装置や、例えばロール状に巻き取られた連続用紙を記録媒体として用いることが可能な連帳プリンタも含まれる。
記録装置の一例について図1乃至図2を参照して説明する。図1は同装置の斜視説明図である。図2はメインタンクの斜視説明図である。記録装置の一例としての画像形成装置400は、シリアル型画像形成装置である。画像形成装置400の外装401内に機構部420が設けられている。ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色用のメインタンク410(410k、410c、410m、410y)の各インク収容部411は、例えばアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。インク収容部411は、例えば、プラスチックス製の収容容器ケース414内に収容される。これによりメインタンク410は、各色のインクカートリッジとして用いられる。
一方、装置本体のカバー401cを開いたときの開口の奥側にはカートリッジホルダ404が設けられている。カートリッジホルダ404には、メインタンク410が着脱自在に装着される。これにより、各色用の供給チューブ436を介して、メインタンク410の各インク排出口413と各色用の吐出ヘッド434とが連通し、吐出ヘッド434から記録媒体へインクを吐出可能となる。
ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)を用いた場合について説明したが、他の色のインクを用いてもよい。例えば、白色インク及び非白色インクとを有するインクセットを用いて印刷する場合は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)のいずれかに代えて、白色インクを用いてもよいし、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)に加えて白色インクを用いてもよい。
本発明のインクは、インクジェット印刷方法に制限されず、広く使用することが可能である。インクジェット印刷方法以外にも、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本乃至5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などが挙げられる。
実施態様の一例として、白色インクを記録媒体の全面に塗布する場合は、インクジェット印刷方法以外の塗工方法で塗工し、非白色インクにて記録する場合は、インクジェット印刷方法で記録する態様が可能である。
また、非白色インクで印刷した上に、白色インクを全面に塗布する場合も同様である。
別の実施態様として、白色インクを用いた印刷も、非白色インクを用いた印刷も、インクジェット印刷方法で記録する態様が可能である。
白色インクの代わりに、クリアインクを用いた場合も同様である。白色インクの代わりに、クリアインクを用いれば、保護層としても機能することが可能である。
本発明のインクセットに含まれる非白色インクを記録媒体に付与し、非白色インクからなる非白色インク層を形成する非白色インク層形成工程と、前記記録媒体を加熱する加熱工程とを備え、更に前記インクセットに含まれる白色インクを、前記非白色インク層上に付与して画像を記録する画像記録工程を有する記録方法とすることが好ましい。加熱工程を含むことで、好適に高速化可能である。
<<加熱工程及び加熱手段>>
前記加熱工程は、画像を記録した記録媒体を加熱する工程であり、加熱手段により実施することができる。
前記インクジェット記録方法、及び記録方法としては、前記記録媒体としての非浸透性基材に高画像品質な記録ができるが、より一層高画質で耐擦過性、及び記録媒体への密着性の高い画像の形成、並びに高速の記録条件にも対応できるようにするために、記録後に前記非浸透性基材を加熱することが好ましい。記録後に加熱工程を含むと、インク中に含有される樹脂粒子の造膜が促進されるため、印刷物の画像硬度を向上させることができる。
前記加熱温度としては、乾燥性、及び造膜温度の点から、高いことが好ましく、40℃以上100℃以下がより好ましく、50℃以上90℃以下が特に好ましい。前記加熱温度が、40℃以上120℃以下であると、非浸透性基材の熱によるダメージを防止し、インクヘッドが温まることによる不吐出が生じることを抑制することができる。
図3は、記録装置に用いる加熱手段の一例を示す概略図である。図3に示すように、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッドを駆動することにより、停止している記録媒体142にインク滴を吐出して画像を記録する。記録媒体を下支えするガイド部材153上であり、かつ搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架される搬送ベルト151上を搬送される記録媒体142に形成された画像に、温風発生部として加熱ファン201により温風202を吹き付けることにより乾燥させる。
なお、搬送ベルト151の記録媒体142と反対側には、ヒーター群203が設けられており、画像形成された記録媒体142を加熱可能である。
また、本発明のインクジェット記録装置としては、本発明のインク、又は本発明のインクセットに含まれる各インクを収容したインク収容部と、前記インクをエネルギーの作用により滴化し吐出させるためのインクジェット記録ヘッドを有する。
前記インクジェット記録ヘッドとしては、特に制限はなく、目的に応じて、公知のものを適宜選択することができる。
(記録物)
本発明の記録物は、記録媒体と、前記記録媒体上に、色材、有機溶剤、ポリウレタン樹脂、及びHLB値の異なる2種以上のポリシロキサン界面活性剤を含有する記録層と、を有し、前記有機溶剤として下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物を含有する。
ただし、前記一般式(1)中、Rは、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、又はアセチル基を表す。
ただし、前記一般式(2)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。
前記記録物は、例えば、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録することにより好適に得ることができる。
前記記録層としては、下地に白色インクを付与して白色インクからなる記録層を形成してから、前記記録層上に非白色インクからなる記録層を形成してもよく、また、下地に非白色インクを付与して非白色インクからなる記録層を形成してから、前記記録層上に白色インクからなる記録層を形成してもよい。これらの中でも、高い光沢性が得られる点から、下地に非白色インクを付与して非白色インクからなる記録層を形成し、前記記録層上に白色インクからなる記録層を形成することが好ましい。
以下に、本発明の実施例及び比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(ポリウレタン樹脂の調製例1)
<ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂エマルジョンの調製>
撹拌機、還流冷却管及び温度計を挿入した反応容器に、ポリカーボネートジオール(1,6−ヘキサンジオールとジメチルカーボネートとの反応生成物(数平均分子量(Mn):1,200)1,500質量部、2,2−ジメチロールプロピオン酸(DMPA)220質量部、及びN−メチルピロリドン(NMP)1,347質量部を窒素気流下で仕込み、60℃に加熱してDMPAを溶解させた。次いで、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート1,445質量部、及びジブチルスズジラウリレート(触媒)2.6質量部を加えて、90℃まで加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、イソシアネート末端ウレタンプレポリマーを得た。この反応混合物を80℃まで冷却し、これにトリエチルアミン149質量部を添加し、混合したものの中から4,340質量部を抜き出して、強撹拌下、水5,400質量部及びトリエチルアミン15質量部の混合溶液の中に加えた。次いで、氷1,500質量部を投入し、35質量%の2−メチル−1,5−ペンタンジアミン水溶液626質量部を加えて鎖延長反応を行い、固形分濃度が30質量%となるように溶媒を留去し、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂エマルジョンを得た。
(ポリウレタン樹脂の調製例2)
<ポリエステル系ポリウレタン樹脂エマルジョンの調製>
温度計、窒素ガス導入管、撹拌器を備えた窒素置換された容器中において、ポリエステルポリオール(「ポリライトOD−X−2251」、DIC株式会社製、平均分子量:2,000)100.2質量部、2,2―ジメチロールプロピオン酸15.7質量部、イソホロンジイソシアネート48.0質量部、及び有機溶剤としてメチルエチルケトン77.1質量部を、DMTDL(ジブチルスズジレウレート)0.06質量部を触媒として使用し、反応させた。前記反応を4時間継続した後、希釈溶剤としてメチルエチルケトン30.7質量部を供給し、更に反応を継続した。前記反応物の平均分子量が20,000から60,000の範囲に達した時点において、メタノール1.4質量部を投入し、前記反応を終了することによって、ポリウレタン樹脂の有機溶剤溶液を得た。
前記ポリウレタン樹脂の有機溶剤溶液に48質量%水酸化カリウム水溶液13.4質量部を加えることにより、前記ウレタン樹脂が有するカルボキシル基を中和し、次いで、水715.3質量部を加え、十分に撹拌した後、エージング及び脱溶剤することによって、固形分濃度が30質量%のポリエステル系ポリウレタン樹脂エマルジョンを得た。
(ポリウレタン樹脂の調製例3)
<ポリエーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンの調製>
ポリウレタン樹脂の調製例2において、ポリエステルポリオールをポリエーテルポリオール(「PTMG1000」、三菱化学株式会社製、平均分子量1,000、固形分濃度:30質量%)に変更した以外は、ポリウレタン樹脂の調製例2と同様にして、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョンを得た。
(顔料分散液の調製例1)
<ブラック顔料分散液の調製>
以下の処方混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社、KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)にて7時間循環分散してブラック顔料分散液(固形分濃度:15質量%)を得た。
カーボンブラック顔料(キャボット社製、Monarch800)・・・・15質量部
アニオン界面活性剤(パイオニンA−51−B、竹本油脂株式会社製)・・・2質量部
イオン交換水・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・83質量部
(顔料分散液の調製例2)
<シアン顔料分散液の調製>
顔料分散液の調製例1において、カーボンブラック顔料をピグメントブルー15:4(東洋インキ株式会社製)に変更した以外は、顔料分散液の調製例1と同様にして、シアン顔料分散液(固形分濃度:15質量%)を得た。
(顔料分散液の調製例3)
<マゼンタ顔料分散液の調製>
顔料分散液の調製例1において、カーボンブラック顔料をピグメントレッド122(商品名:トナーマゼンタEO02、クラリアントジャパン株式会社製)に変更した以外は、顔料分散液の調製例1と同様にして、マゼンタ顔料分散液(固形分濃度:15質量%)を得た。
(顔料分散液の調製例4)
<イエロー顔料分散液の調製>
顔料分散液の調製例1において、カーボンブラック顔料をピグメントイエロー74(商品名:ファーストイエロー531、大日精化工業株式会社製)に変更した以外は、顔料分散液の調製例1と同様にして、イエロー顔料分散液(固形分濃度:15質量%)を得た。
(実施例1)
ブラック顔料分散液20.0質量%、ポリシロキサン界面活性剤1(商品名:KF−6017、信越化学工業株式会社製、HLB値:4.5)1.0質量%、ポリシロキサン界面活性剤7(商品名:SH3749、東レ・ダウコーニング株式会社製、HLB値:8.0)1.0質量%、有機溶剤として、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート(一般式(1)で表される化合物)4.0質量%、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド(一般式(2)で表される化合物、出光興産株式会社製)12.0質量%、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂エマルジョン15.0質量%、1,2−ブタンジオール8.0質量%、2,3−ブタンジオール3.0質量%、2−メチル−2,4−ペンタンジオール3.0質量%、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル3.0質量%、防腐剤としてプロキセルLV(アビシア社製)0.1質量%、及び合計が100質量%となるように高純水を添加し、混合撹拌後、平均孔径が0.2μmポリプロピレンフィルター(商品名:BetafineポリプロピレンプリーツフィルターPPGシリーズ、3M社製)にて濾過することにより、実施例1のインクを得た。
(実施例2〜11及び比較例1〜3)
実施例1において、組成を下記表1〜3に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜11及び比較例1〜3のインクを得た。
なお、前記表1〜3において、成分の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
・ポリシロキサン界面活性剤1(商品名:KF−6017、信越化学工業株式会社製、HLB値:4.5)
・ポリシロキサン界面活性剤2(商品名:KF−6028、信越化学工業株式会社製、HLB値:4.0)
・ポリシロキサン界面活性剤3(商品名:SH3773M、東レ・ダウコーニング株式会社製、HLB値:5.0)
・ポリシロキサン界面活性剤4(商品名:KF−6013、信越化学工業株式会社製、HLB値:10.0)
・ポリシロキサン界面活性剤5(商品名:KF−6043、信越化学工業株式会社製、HLB値:14.5)
・ポリシロキサン界面活性剤6(商品名:シルフェイスSAG005、日信化学工業株式会社製、HLB値:7.0)
・ポリシロキサン界面活性剤7(商品名:SH3749、東レ・ダウコーニング株式会社製、HLB値:8.0
・3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート:一般式(1)で表される化合物
・3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール:一般式(1)で表される化合物
・3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド:出光興産株式会社製、一般式(2)で表される化合物
・プロキセルLV:アビシア社製
次に、以下のようにして、「熱的安定性」、「保存安定性」、「ベタ埋まり性」、「画像光沢性」、「乾燥性」、及び「耐擦過性」を評価した。結果を下記表4に示す。
(熱的安定性)
得られた実施例1〜11、及び比較例1〜3のインクを30mL容量の容器(商品名:ガラスバイヤルSV−30、日電理化硝子株式会社製)に充填し、それぞれのインクを充填した容器を、50℃、60℃、及び70℃において、7日間保管した。その後、インクの状態を目視にて観察し、下記基準に基づいて、「熱的安定性」を評価した。B以上の評価が使用上問題のないレベルである。
[評価基準]
AA:70℃保存において相分離していない
A:60℃保存において相分離していないが、70℃保存において相分離している
B:50℃保存において相分離していないが、60℃保存において相分離している
C:50℃保存において相分離している
(保存安定性)
作製したインクをインクカートリッジに充填して、65℃にて3週間保存し、粘度の変化率を下記式から算出し、下記評価基準に基づいて、「保存安定性」を評価した。A以上の評価が使用上問題のないレベルである。
粘度の測定には、粘度計(商品名:RE80L、東機産業株式会社製)を使用し、25℃における粘度を、50回転で測定した。
[評価基準]
AA:保存前後の粘度変化率が、±5%以内である
A:保存前後の粘度変化率が、±5%を超え、±10%以内である
B:保存前後の粘度変化率が、±10%を超えている
(ベタ埋まり性)
得られた実施例1〜11、及び比較例1〜3のインクをインクジェットプリンター(株式会社リコー製、IPSiO GXe5500)に充填し、ポリ塩化ビニルフィルム(CPPVWP1300、桜井株式会社製、以下、「PVCフィルム」とも称することがある)上に通常印刷で使用するインク量の70質量%のインク量で10cm×10cmのベタ画像を印刷し、80℃、5分間の条件で乾燥させた。次いで、印刷されたベタ画像をマイクロスコープ(装置名:VHX−200、株式会社キーエンス製)を用いて20倍で観察し、観察画像でインクが付着していない面積を除いたインク付着面積を測定し、以下の基準より判定した。B以上の評価が使用上問題のないレベルである。
[評価基準]
A:インク付着面積が97%超
B:インク付着面積が95%超97%以下
C:インク付着面積が95%以下
[ベタ画像の形成]
次に、得られた実施例1〜11、及び比較例1〜3のインクをインクジェットプリンター(装置名:IPSiO GXe5500改造機、株式会社リコー製)に充填し、ポリ塩化ビニルフィルム(商品名:CPPVWP1300、桜井株式会社製)に対し、インク付着量が0.6g/cmで、ベタ画像を記録した。
なお、前記IPSiO GXe5500改造機は、IPSiO GXe5500機を、150cmの印字幅で30m/hrの記録速度相当の記録をA4サイズで再現できるように改造し、また、前記ポットプレートを設置し、記録後の加熱条件(加熱温度、加熱時間)を変えることができるように改造した。
(乾燥性)
前記ベタ画像を記録後、前記ベタ画像を50℃に設定したホットプレート(装置名:NINOS ND−1、アズワン株式会社製)上にて乾燥させた。乾燥後のベタ画像にろ紙を押し当て、ろ紙へのインクの転写を目視で観察して、下記評価基準に基づいて、「乾燥性」を評価した。B以上の評価が使用上問題のないレベルである。
[評価基準]
A:50℃、5分間以下の乾燥条件においてろ紙への転写がなくなる
B:50℃、5分間超8分間以下の乾燥条件においてろ紙への転写がなくなる
C:50℃、8分間超10分間以下の乾燥条件においてろ紙への転写がなくなる
D:50℃、10分間超の乾燥条件においてもろ紙への転写がなくならない
(画像光沢性)
乾燥性の評価において、乾燥させた後のベタ画像の60°光沢度を光沢度計(BYK Gardener社製、4501)により4回測定し、その平均値を算出し、下記評価基準に基づいて、「画像光沢性」を評価した。B以上の評価が使用上問題のないレベルである。
[評価基準]
AA:60°光沢度が100以上である
A:60°光沢度が90以上100未満である
B:60°光沢度が80以上90未満である
C:60°光沢度が80未満である
(耐擦過性)
乾燥性の評価において、乾燥させた後のベタ画像を乾いた木綿(カナキン3号)で400gの荷重をかけて擦過し、下記評価基準に基づいて、「耐擦過性」を評価した。B以上の評価が使用上問題のないレベルである。
[評価基準]
AA:50回以上擦っても画像が変化しなかった
A:50回擦った段階で多少の傷が残るが画像には影響しなかった
B:31回以上49回以下擦っても画像が変化しなかった
C:30回以下擦っても画像が変化しなかった
(ブラックインクの調製例1)
<ブラックインク1の調製>
ブラック顔料分散液20.0質量%、ポリシロキサン界面活性剤1(商品名:KF−6017、信越化学工業株式会社製、HLB値:4.5)1.0質量%、ポリシロキサン界面活性剤7(商品名:シルフェイスSAG005、日信化学工業株式会社製、HLB値:8.0)1.0質量%、ポリエステル系ポリウレタン樹脂エマルジョン(固形分濃度:30質量%)7.0質量%、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート4.0質量%、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド12.0質量%、1,2−ブタンジオール8.0質量%、2,3−ブタンジオール3.0質量%、2−メチル−2,4−ペンタンジオール3.0質量%、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル3.0質量%、防腐剤として商品名:プロキセルLV(アビシア社製)0.1質量%、及び100質量%となるように高純水を残量添加し、混合撹拌して、平均孔径が0.2μmのポリプロピレンフィルター(商品名:BetafineポリプロピレンプリーツフィルターPPGシリーズ、3M社製)にてろ過することにより、ブラックインク1を作製した。
(ブラックインクの調製例2〜7)
<ブラックインク2〜7の調製>
ブラックインクの調製例1において、組成を下記表5に示すように変更した以外は、ブラックインクの調製例1と同様にして、ブラックインク2〜7を得た。
(シアンインクの調製例1)
<シアンインク1の調製>
ブラックインクの調製例1において、ブラック顔料分散液20.0質量%をシアン顔料分散液20.0質量%に変更した以外は、ブラックインクの調製例1と同様にして、シアンインク1を得た。
(シアンインクの調製例2〜7)
<シアンインク2〜7の調製>
シアンインクの調製例1において、組成を下記表6に示すように変更した以外は、シアンインクの調製例1と同様にして、シアンインク2〜7を得た。
(マゼンタインクの調製例1)
<マゼンタインク1の調製>
ブラックインクの調製例1において、ブラック顔料分散液20.0質量%をマゼンタ顔料分散液20.0質量%に変更した以外は、ブラックインクの調製例1と同様にして、マゼンタインク1を得た。
(マゼンタインクの調製例2〜7)
<マゼンタインク2〜7の調製>
マゼンタインクの調製例1において、組成を下記表7に示すように変更した以外は、マゼンタインクの調製例1と同様にして、マゼンタインク2〜7を得た。
(イエローインクの調製例1)
<イエローインク1の調製>
ブラックインクの調製例1において、ブラック顔料分散液20.0質量%をイエロー顔料分散液20.0質量%に変更した以外は、ブラックインクの調製例1と同様にして、イエローインク1を得た。
(イエローインクの調製例2〜7)
<イエローインク2〜7の調製>
イエローインクの調製例1において、組成を下記表8に示すように変更した以外は、イエローインクの調製例1と同様にして、イエローインク2〜7を得た。
(顔料分散液の調製例5)
<ホワイト顔料分散液の調製>
酸化チタン(商品名:STR−100W、堺化学工業株式会社製)25質量部、顔料分散剤(商品名:TEGO Dispers651、エボニック社製)5質量部、水70質量部を混合し、ビーズミル(商品名:リサーチラボ、株式会社シンマルエンタープライゼス製)にて、直径0.3mmのジルコニアビーズを充填率60%、8m/sにて5分間分散し、ホワイト顔料分散液(固形分濃度:15質量%)を得た。
(ホワイトインクの調製例1)
<ホワイトインク1の調製>
ブラックインクの調製例1において、ブラック顔料分散液20.0質量%をホワイト顔料分散液20.0質量%に変更した以外は、ブラックインクの調製例1と同様にして、ホワイトインク1を得た。
(ホワイトインクの調製例2〜7)
<ホワイトインク2〜7の調製>
ホワイトインクの調製例1において、組成を下記表9に示すように変更した以外は、ホワイトインクの調製例1と同様にして、ホワイトインク2〜7を得た。
(実施例12)
ブラックインク1、シアンインク1、マゼンタインク1、イエローインク1、及びホワイトインク1を組み合わせて、実施例12のインクセットとした。
得られたインクセットを用いて、「熱的安定性」、「保存安定性」、「ベタ埋まり性」、「画像光沢性」、「乾燥性」、及び「耐擦過性」を評価した。結果を下記表10に示す。
(熱的安定性、及び保存安定性)
インクセットにおけるインクについて、実施例1と同様にして、熱的安定性及び保存安定性を評価した。各インクにおいて、最も評価の悪い結果を示す。
(ベタ埋まり性)
インクセットにおけるインクについて、実施例1と同様にして、ベタ埋まり性を評価した。各インクにおいて、最も評価の悪い結果を示す。
[ベタ画像の形成]
次に、得られた実施例12のインクセットをインクジェットプリンター(装置名:IPSiO GXe5500改造機、株式会社リコー製)に充填し、ブラックインク1、シアンインク1、マゼンタインク1、及びイエローインク1をポリ塩化ビニルフィルム(商品名:CPPVWP1300、桜井株式会社製)に対し、インク付着量が0.6g/cmで、ベタ画像を記録した。その後、前記ベタ画像上に、ホワイトインク1をインク付着量が0.6g/cmで、ベタ画像を記録した。
なお、前記IPSiO GXe5500改造機は、IPSiO GXe5500機を、150cmの印字幅で30m/hrの記録速度相当の記録をA4サイズで再現できるように改造し、また、前記ポットプレートを設置し、記録後の加熱条件(加熱温度、加熱時間)を変えることができるように改造した。
(乾燥性)
得られたベタ画像について、実施例1と同様にして、乾燥性を評価した。
(画像光沢性)
乾燥性の評価において、乾燥させた後のベタ画像について、実施例1と同様にして、画像光沢性を評価した。
(耐擦過性)
乾燥性の評価において、乾燥させた後のベタ画像について、実施例1と同様にして、耐擦過性を評価した。
(実施例13〜17及び比較例4〜5)
実施例12において、インクの組合せを下記表10に示すように変更した以外は、実施例12と同様にして、実施例13〜17及び比較例4〜5のインクセットとした。
得られたインクセットを用いて、「熱的安定性」、「保存安定性」、「ベタ埋まり性」、「画像光沢性」、「乾燥性」、及び「耐擦過性」を実施例12と同様にして評価した。結果を下記表10に示す。
なお、ベタ画像の形成において、下記表10に示すホワイトインクの打ち順に変更して、「画像光沢性」、「乾燥性」、及び「耐擦過性」を評価した。
実施例12〜14、及び16は、本発明の特に好ましい例であり、ベタ埋まり性が良好であり、画像光沢性が非常に優れており、耐擦過性にも優れ、かつ、熱的安定性、及び保存安定性も良好であることが分かる。
実施例15は、HLB値が8以上のポリシロキサン界面活性剤を含まない例であり、他の実施例と比較すると、熱的安定性に劣り、画像光沢も低下しているが、実使用上問題はないレベルである。
実施例17は、ホワイトインクによる記録層(ベタ画像)を先に形成し、後から非白色インクによる画像を重ねた場合の例であり、非白色インクによる画像を先に形成し、後から白色インクによる記録層を形成する実施例1と比較して、ベタ埋まり性、画像光沢性、耐擦過性に劣ることが分かる。
比較例4は、一種のポリシロキサン界面活性剤のみを用いた例であり、熱的安定性が若干劣る上、ベタの埋まり性及び画像光沢性が悪いことが分かる。
比較例5は、前記一般式(1)の化合物を含まない例であり、熱的安定性が非常に悪くインクとして実用に耐えないレベルである。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 水、色材、有機溶剤、ポリウレタン樹脂、及びHLB値の異なる2種以上のポリシロキサン界面活性剤を含有し、
前記有機溶剤として下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物を含有し、
前記一般式(2)で表される化合物の含有量が、12質量%以上であることを特徴とするインクである。
ただし、前記一般式(1)中、Rは、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、又はアセチル基を表す。
ただし、前記一般式(2)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。
<2> 前記HLB値の異なる2種以上のポリシロキサン界面活性剤が、HLB値が8以上のポリシロキサン界面活性剤、及びHLB値が5以下のポリシロキサン界面活性剤を含む前記<1>に記載のインクである。
<3> 前記ポリウレタン樹脂が、ポリエステルウレタン樹脂及びポリカーボネートウレタン樹脂の少なくともいずれかを含む前記<1>から<2>のいずれかに記載のインクである。
<4> 前記ポリウレタン樹脂が、前記ポリエステルウレタン樹脂及び前記ポリカーボネートウレタン樹脂を含む前記<3>に記載のインクである。
<5> 前記一般式(1)で表される化合物が、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテート、及び3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノールの少なくともいずれかである前記<1>から<4>のいずれかに記載のインクである。
<6> 前記一般式(1)で表される化合物が、3−メトキシ−3−メチル−1−ブチルアセテートである前記<1>から<5>のいずれかに記載のインクである。
<7> 前記一般式(2)で表される化合物が、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、及び3−メトキシ−N,N−ジエチルプロピオンアミドの少なくともいずれかである前記<1>から<6>のいずれかに記載のインクである。
<8> 前記一般式(2)で表される化合物が、3−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミドである前記<1>から<7>のいずれかに記載のインクである。
<9> 前記有機溶剤の含有量が、0.5質量%以上40質量%以下である前記<1>から<8>のいずれかに記載のインクである。
<10> 前記ポリウレタン樹脂の含有量が、1質量%以上20質量%以下である前記<1>から<9>のいずれかに記載のインクである。
<11> 前記色材が、白色色材、及び非白色色材である前記<1>から<10>のいずれかに記載のインクである。
<12> 白色インク及び非白色インクを有するインクセットであって、
前記インクセットに含まれる各インクが、前記<1>から<11>のいずれかに記載のインクであることを特徴とするインクセットである。
<13> 前記白色インクが、白色色材を含む前記<12>に記載のインクセットである。
<14> 前記非白色インクが、非白色色材を含む前記<12>から<13>のいずれかに記載のインクセットである。
<15> 前記非白色インクが、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、及びイエローインクから選択される少なくとも一種である前記<12>から<14>のいずれかに記載のインクセットである。
<16> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のインク、又は前記<12>から<15>のいずれかに記載のインクセットに含まれる各インクを容器中に収容してなることを特徴とするインク収容容器である。
<17> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のインク、又は前記<12>から<15>のいずれかに記載のインクセットに含まれる各インクに刺激を印加し、前記インクを飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔工程を含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。
<18> 前記記録媒体を加熱する加熱工程を含む前記<17>に記載のインクジェット記録方法である。
<19> 前記<12>から<15>のいずれかに記載のインクセットに含まれる非白色インクを記録媒体に付与し、非白色インクからなる非白色インク層を形成する非白色インク層形成工程と、
前記記録媒体を加熱する加熱工程と、
前記<12>から<15>のいずれかに記載のインクセットに含まれる白色インクを、前記非白色インク層上に付与して画像を記録する画像記録工程と、を含むことを特徴とする記録方法である。
<20> 前記<1>から<11>のいずれかに記載のインク、又は前記<12>から<15>のいずれかに記載のインクセットに含まれる各インクを収容したインク収容部と、
前記インクをエネルギーの作用により滴化し吐出させるためのインクジェット記録ヘッドと、を有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
<21> 記録媒体と、
前記記録媒体上に、色材、有機溶剤、ポリウレタン樹脂、及びHLB値の異なる2種以上のポリシロキサン界面活性剤を含有する記録層と、を有し、
前記有機溶剤として下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする記録物である。
ただし、前記一般式(1)中、Rは、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、又はアセチル基を表す。
ただし、前記一般式(2)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。
前記<1>から<11>のいずれかに記載のインク、前記<12>から<15>のいずれかに記載のインクセット、前記<16>に記載のインク収容容器、前記<17>から<18>のいずれかに記載のインクジェット記録方法、前記<19>に記載の記録方法、及び前記<20>に記載のインクジェット記録装置、及び前記<21>に記載の記録物によると、従来における前記諸問題を解決し、前記本発明の目的を達成することができる。
特開2012−52042号公報 特開2014−101517号公報
30、201 インクカートリッジ
101 インクジェット記録装置

Claims (11)

  1. 水、色材、有機溶剤、ポリウレタン樹脂、及びHLB値の異なる2種以上のポリシロキサン界面活性剤を含有し、
    前記有機溶剤として下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物を含有し、
    前記一般式(2)で表される化合物の含有量が、12質量%以上であることを特徴とするインク。
    ただし、前記一般式(1)中、Rは、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、又はアセチル基を表す。
    ただし、前記一般式(2)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。
  2. 前記HLB値の異なる2種以上のポリシロキサン界面活性剤が、HLB値が8以上のポリシロキサン界面活性剤、及びHLB値が5以下のポリシロキサン界面活性剤を含む請求項1に記載のインク。
  3. 前記ポリウレタン樹脂が、ポリエステルウレタン樹脂及びポリカーボネートウレタン樹脂の少なくともいずれかを含む請求項1から2のいずれかに記載のインク。
  4. 前記ポリウレタン樹脂が、前記ポリエステルウレタン樹脂及び前記ポリカーボネートウレタン樹脂を含む請求項3に記載のインク。
  5. 白色インク及び非白色インクを有するインクセットであって、
    前記インクセットに含まれる各インクが、請求項1から4のいずれかに記載のインクであることを特徴とするインクセット。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載のインク、又は請求項5に記載のインクセットに含まれる各インクを容器中に収容してなることを特徴とするインク収容容器。
  7. 請求項1から4のいずれかに記載のインク、又は請求項5に記載のインクセットに含まれる各インクに刺激を印加し、前記インクを飛翔させて記録媒体に画像を記録するインク飛翔工程を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
  8. 前記記録媒体を加熱する加熱工程を含む請求項7に記載のインクジェット記録方法。
  9. 請求項5に記載のインクセットに含まれる非白色インクを記録媒体に付与し、非白色インクからなる非白色インク層を形成する非白色インク層形成工程と、
    前記記録媒体を加熱する加熱工程と、
    請求項5に記載のインクセットに含まれる白色インクを、前記非白色インク層上に付与して画像を記録する画像記録工程と、を含むことを特徴とする記録方法。
  10. 請求項1から4のいずれかに記載のインク、又は請求項5に記載のインクセットに含まれる各インクを収容したインク収容部と、
    前記インクをエネルギーの作用により滴化し吐出させるためのインクジェット記録ヘッドと、を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  11. 記録媒体と、
    前記記録媒体上に、色材、有機溶剤、ポリウレタン樹脂、及びHLB値の異なる2種以上のポリシロキサン界面活性剤を含有する記録層と、を有し、
    前記有機溶剤として下記一般式(1)で表される化合物及び下記一般式(2)で表される化合物を含有することを特徴とする記録物。
    ただし、前記一般式(1)中、Rは、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基、又はアセチル基を表す。
    ただし、前記一般式(2)中、R、R、及びRは、それぞれ独立に、炭素数1以上4以下のアルキル基を表す。
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