JP2017226148A - 印字ユニット及びプリンタ - Google Patents
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Abstract
Description
この構成によれば、キャリッジが被記録媒体上を行方向に往復移動する過程で、インクリボンを介して印字ヘッドのヘッドピンを被記録媒体に打ち付けることで、被記録媒体に印字を行うようになっている。
特に、本態様では、改行ガイドにおける行方向の一方端部に連なり、キャリッジの列方向の移動を規制する規制部を有している。
この構成によれば、連動部材及び案内部材のうち第2部材が規制部に位置しているときに、キャリッジに対して列方向に外力が作用した場合であっても、案内部材に対するキャリッジの列方向の移動が規制される。そのため、キャリッジが列方向に予期せず移動するのを抑制することができる。この場合、例えば往路情報(一行目に印字される情報)と復路情報(二行目に印字される情報)とが重なり合ったり、往路情報と復路情報とが列方向に離れすぎたりする等の不具合が生じるのを抑制できる。その結果、印字ユニットの商品性を向上させることができる。
しかも、本態様では、改行時における連動部材の移動軌跡に進入しない位置で連動部材の列方向への移動を規制できる。そのため、例えば改行時における連動部材の移動軌跡上に連動部材が乗り越え可能な突起等を設ける場合に比べて、キャリッジを駆動させる駆動源に掛かる負荷を低減できる。これにより、駆動源の大型化を抑制し、省エネ化を実現できる。
この構成によれば、改行ガイドの行方向両端部に規制部がそれぞれ連なっているため、キャリッジが列方向に予期せず移動するのを往路及び復路双方の印字動作領域において規制できる。これにより、更なる商品性の向上を図ることができる。
この構成によれば、規制部が行方向に直線状に延在しているため、キャリッジが外力によって列方向に予期せず移動しようとした場合のキャリッジの列方向への移動量を最小限に抑えることができる。
この構成によれば、改行ガイドや規制部が係合凹部に形成されているため、改行時において係合凸部をスムーズに案内することができる。また、係合凸部が列方向の両側から囲まれることになるので、キャリッジに外力が作用した場合に、案内部材に対する連動部材の列方向の両側への移動を規制できる。
この構成によれば、キャリッジが往路改行領域で連動部材の往路係合部に係合することで、その後往路終点に向かう際に、連動部材とともに列方向の一方に移動することになる。また、キャリッジが復路改行領域で連動部材の復路係合部に係合することで、その後復路終点に向かう際に、連動部材とともに列方向の他方に移動することになる。これにより、改行動作領域において、キャリッジをスムーズに改行させることができる。
この構成によれば、キャリッジに対して予期せず外力が作用した場合に、連動部材及び案内部材のうち第2部材が段差部に係止されることで、第2部材が列方向に不意に移動するのを抑制できる。なお、キャリッジの改行時には、キャリッジが連動部材とともに移動することで、第2部材が段差部を乗り越える。
この構成によれば、軸受部がシャフトを列方向に移動可能に支持した上で、印字フレームのシャフト周りの揺動を規制するため、それぞれの機能を別々の部品で行う場合に比べて部品点数の削減や低コスト化、組立性の向上を図ることができる。
この構成によれば、キャリッジの移動に伴い、インクリボンが巻き取られるため、印字濃度の変化や印字かすれ等の発生を抑制し、印字品質を良好に保つことができる。
この構成によれば、巻取歯車と巻取ラックとの噛合を解除する欠歯領域が形成されているため、キャリッジの改行時において、キャリッジがラック板の行方向における両端部を通過する際、キャリッジの移動によって巻取歯車が回転しないことになる。すなわち、欠歯領域を移動中は、インクリボンの巻き取りが行われないことになる。そのため、改行時において巻き取りに要する負荷トルクが駆動源に作用するのを抑制し、改行動作をスムーズに行うことができる。また、改行時において、インクリボンが無駄に巻き取られるのを抑制できるので、インクリボンを有効に使用できる。
この構成によれば、上記本発明の印字ユニットを備えているため、商品性を向上させることができる。
[第1実施形態]
[プリンタ]
図1は、プリンタ1を左側から見た外観斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のプリンタ1は、例えばタイムスタンプ等に用いられるものであって、カード状の記録紙(被記録媒体)Pの印字領域に対して日付や時刻等の時に関する情報を印字する。具体的に、プリンタ1は、ケーシング2と、ケーシング2内に収納された印字ユニット3(図2参照)と、を備えている。なお、以下の説明では、図1における紙面の左下側を前方(矢印FR方向)、右上側を後方、上側を上方(矢印UP方向)、下側を下方とする。また、図1において、紙面に対して右下側をプリンタ1から見て左側(矢印LH方向)、左上側をプリンタ1から見て右側とする。
ケーシング2の上壁2bには、鍵穴6や各種操作を行う操作ボタン7、時刻等を表示する表示部8が配設されている。なお、図1の例において、上壁2bの前部は、前方に向かうに従い下方に傾斜している。
図2は、印字ユニット3を左側から見た斜視図である。
図3は、図2に示す印字ユニット3の分解斜視図である。
図2、図3に示すように、印字ユニット3は、ユニットフレーム11と、ユニットフレーム11に搭載された印字ブロック12及びプラテンブロック13と、を主に備えている。
ユニットフレーム11は、金属等が屈曲形成されて構成されている。具体的に、ユニットフレーム11は、フレームベース15と、印字ブロック12を支持する印字ブロック支持部17と、プラテンブロック13を支持するプラテン支持部18と、を有している。
プラテン支持部18は、フレームベース15に対して下方に位置している。プラテン支持部18は、上方から見た平面視で矩形枠状に形成されている。なお、プラテン支持部18は、上述したスロット5に対して下方に位置している。すなわち、スロット5内に挿入される記録紙Pは、フレームベース15とプラテン支持部18との間に前方から進入するようになっている。
プラテンブロック13は、プラテン本体22と、プラテン本体22を駆動させるプラテン駆動機構23と、を備えている。
プラテン本体22は、上方から見た平面視で板状に形成されている。プラテン本体22は、プラテン支持部18に上下動可能に支持されている。具体的に、プラテン本体22は、フレームベース15に下方から当接する挟持位置と、フレームベース15から下方に離間する退避位置と、の間を上下動する。なお、プラテン本体22は、挟持位置においてフレームベース15に取り付けられた上述したストッパゴムを介してフレームベース15に当接する。また、プラテン本体22は、退避位置において、上述したスロット5よりも下方に退避する。
印字ブロック12は、印字フレーム31と、シャフト32と、キャリッジ33と、印字ヘッド34と、巻取機構35と、印字用駆動機構36と、を主に備えている。
印字フレーム31は、上方及び左側が開放された箱型に形成されている。図3に示すように、印字フレーム31における前壁31a及び後壁31bの下部には、前壁31a及び後壁31bをそれぞれ前後方向(行方向)に貫通する貫通孔41(図3では前壁31aの貫通孔41のみ示す)が形成されている。
上述した軸受部46は、軸支持孔45内に挿入されたカラー部47と、カラー部47における前後方向の外側端部から張り出すフランジ部48と、フランジ部48から前後方向の内側に向けて突出する突起部49と、を有している。
フランジ部48は、前後方向から見た正面視で左右方向を長手方向とする長円形状に形成されている。フランジ部48における左側端部には、上述したカラー部47が連設されている。
キャリッジ33には、右側に向けて突出する走査ラック52が形成されている。走査ラック52は、前後方向に沿って延在している。
図4に示すように、キャリッジ33の上部には、輪列収容部54が形成されている。輪列収容部54は、は、左側に向けて開口する収容凹部55と、収容凹部55を左側から覆うカバー56と、を備えている。
図4、図5に示すように、巻取機構35は、上述した輪列収容部54内に収容された巻取輪列61〜65と、キャリッジ33の上方に配設されたラック板67と、を備えている。
巻取輪列61〜65は、巻取軸61と、第1移動歯車62及び第2移動歯車63と、これら第1移動歯車(巻取歯車)62及び第2移動歯車(巻取歯車)63の間に配設された中間歯車64及び逆転歯車65と、を備えている。
中間大歯車83は、上述した第1移動歯車62の前後方向における移動に伴い、第1小歯車73との噛合及び噛合の解除が切り替えられる。
中間小歯車84は、上述した巻取軸61の伝達歯車71に噛合している。
印字用モータ91は、印字フレーム31内において、キャリッジ33よりも右側に位置する部分に配設されている。
走査歯車92は、印字フレーム31内において、印字用モータ91とキャリッジ33との間を接続している。走査歯車92は、印字用モータ91の出力軸に連結された図示しない出力歯車に噛合する一方、上述したキャリッジ33の走査ラック52に噛合している。上述したキャリッジ33は、印字用モータ91の駆動力が走査歯車92及び走査ラック52を介して伝達されることで、シャフト32に沿って前後方向に往復移動する。
ここで、本実施形態の印字ユニット3は、上述したキャリッジ33を左右方向に移動させる改行機構100を備えている。改行機構100は、前後方向に移動可能にシャフト32に支持された改行板(連動部材、第2部材)101と、改行板101の前後方向の移動に伴い改行板101を左右方向に案内する案内部材(第1部材)102と、を備えている。
図6に示すように、改行板101は、上下方向から見た平面視で左側に開口するC字状に形成されている。具体的に、改行板101は、キャリッジ33に対して前方に位置する往路係合部110と、キャリッジ33に対して後方に位置する復路係合部111と、これら各係合部110,111間を架け渡す改行ベース112と、を備えている。
復路係合部111の左側端部には、シャフト32が貫通している。復路係合部111は、キャリッジ33に前後方向で対向している。これにより、キャリッジ33の後方への移動(復路)に伴いキャリッジ33が前方から係合(当接)する。なお、復路係合部111は、上述した巻取ラック87よりも後方に位置している。なお、図4に示す例において、各係合部110,111における前後方向の内側端面同士の間の距離は、欠歯領域K1,K2における前後方向の外側端縁同士の間の距離よりも長くなっている。
図6、図7に示すように、係合凹部115は、改行ガイド121と、往路規制部122及び復路規制部123と、を備えている。
改行ガイド121は、前方(行方向の一方)に向かうに従い右側(列方向の一方)に向けて傾斜している。改行ガイド121は、係合凸部113を前後方向の移動に伴い左右方向に案内する。なお、改行ガイド121の傾斜角度(改行ガイド121の延在方向と前後方向とのなす角度)や寸法等は、適宜変更が可能である。
次に、上述したプリンタ1の動作方法について説明する。
まず、図1に示すように、スロット5内に記録紙Pを前側から挿入する。スロット5内に進入した記録紙Pは、ケーシング2内において図2に示すフレームベース15とプラテン支持部18との間に配置される。記録紙Pがスロット5内における所定の位置に到達すると、プラテンブロック13が作動する。具体的には、プラテン用モータ24が作動することで、その駆動力がプラテン輪列25を介してプラテン本体22に伝達される。すると、プラテン本体22が上昇することで、上述したフレームベース15との間に記録紙Pが挟持される。
往路印字工程では、キャリッジ33が往路始点から前方に移動する過程(印字動作領域)で記録紙Pの印字領域に対して一行目の印字を行う。
改行工程では、記録紙Pに対して一行目の印字を行った後、キャリッジ33が往路終点に向かう過程(往路改行領域)で、前方に移動しながら右側(二行目)に移動する。
復路印字工程では、キャリッジ33が復路始点(往路終点)から後方に移動する過程(印字動作領域)で記録紙Pの印字領域に対して二行目の印字を行う。
復帰工程では、記録紙Pに対して二行目の印字を行った後、キャリッジ33が復路終点(往路始点)に向かう過程(復路改行領域)で、後方に移動しながら左側に移動する。なお、以下の説明では、キャリッジ33が印字フレーム31内における後側に位置している場合を往路始点(復路終点)として説明する。往路始点において、上述した第2移動歯車63は、ラック板67における後側の欠歯領域K1(図4参照)に位置し、巻取ラック87と第2大歯車77との噛合が解除されている。また、往路始点において、キャリッジ33は、少なくとも往路係合部110に対して後方に離間している。さらに、往路始点において、係合凸部113は、係合凹部115の往路規制部122内に位置している。
図2、図4、図6に示すように、往路印字工程では、印字用モータ91が正転することで、その駆動力が走査歯車92を介して走査ラック52に伝達される。すると、キャリッジ33が往路始点から前方に移動する。このとき、図4、図5に示すように、第1移動歯車62は、第1大歯車72が巻取ラック87に噛合しているため、キャリッジ33の前方移動に伴い、第1移動歯車62がキャリッジ33に対して後方に相対移動する。これにより、図5に示すように、第1移動歯車62の第1小歯車73が中間大歯車83に噛合する。
その後、図5、図8に示すように、さらにキャリッジ33が前方に移動することで、第1移動歯車62が軸線周りの一方(図8における時計回り)に回転する。第1移動歯車62が一方に回転すると、中間歯車64が第1移動歯車62とは逆方向(軸線周りの他方)に回転する。中間歯車64が回転すると、逆転歯車65及び巻取軸61が中間歯車64とは逆方向(軸線周りの一方)に回転する。巻取軸61が回転することで、カートリッジ51のボビンが回転する。これにより、カートリッジ51のインクリボンが巻き取られながら、キャリッジ33が前方に移動する。なお、往路印字工程において、第2移動歯車63が後側の欠歯領域K1から抜け出し、巻取ラック87に噛合すると、第2移動歯車63がキャリッジ33に対して後方に移動する。これにより、図5に示すように、第2移動歯車63の第2小歯車78と逆転歯車65の噛合が解除される。すなわち、往路印字工程において、第2移動歯車63は第2大歯車77が巻取ラック87に噛合した状態で、第2小歯車78が逆転歯車65から離間することで、空回りする。
図9は、プリンタ1の動作方法を説明するための説明図であって、図4に相当する側面図である。図10は、プリンタ1の動作方法を説明するための説明図であって、図5に相当する平面図である。
図9、図10に示すように、改行工程では、印字ヘッド34が記録紙Pの一行目の印字領域を通過した後、キャリッジ33が改行板101の往路係合部110に後方から当接する。この状態でキャリッジ33がさらに前方に移動することで、改行板101がキャリッジ33とともに前方に向けて移動する。このとき、改行板101が案内部材102に対して前方に移動することで、係合凸部113が係合凹部115の往路規制部122内を前方に移動する。その後、係合凸部113は、往路規制部122を抜け出し、改行ガイド121内に後方から進入する。すると、キャリッジ33及び改行板101が前方に移動するのに伴い、係合凸部113は改行ガイド121内を前方(行方向の一方)に向かうに従い右側(列方向の一方)に移動する。これにより、印字ブロック12全体が前方に向かうに従い右側に移動する。
そして、図11に示すように、係合凸部113が前方に移動する過程において、改行ガイド121を前方に抜け出すと、復路規制部123内に進入する。その後、係合凸部113が復路規制部123内を前方に移動することで、印字ブロック12全体が前方に移動する。そして、係合凸部113が復路規制部123の前端部に近接又は当接する時点で、キャリッジ33が往路始点(復路終点)に到達する。この時点で、印字用モータ91の正転方向への駆動を一旦停止する。なお、図9に示すように、キャリッジ33が記録紙Pにおける一行目の印字領域を通過した後であって、往路係合部110に当接する前後には、第1移動歯車62がラック板67のうち前側の欠歯領域K2に進入するようになっている。そのため、改行工程に差し掛かる前後からは、第1移動歯車62が回転せず、インクリボンの巻き取りが行われないようになっている。なお、第1移動歯車62が欠歯領域K2に進入するタイミングは適宜変更が可能である。
復路印字工程では、キャリッジ33が復路始点(往路終点)に位置する状態で印字用モータ91を逆転させると、キャリッジ33が後方に向けて移動する。このとき、キャリッジ33は、往路に対して右側に位置する部分(復路)を後方に移動する。
図9、図12に示すように、復路印字工程において、第2移動歯車63は、第2大歯車77が巻取ラック87に噛合しているため、キャリッジ33の後方移動に伴い、第2移動歯車63がキャリッジ33に対して前方に相対移動する。これにより、第2移動歯車63の第2小歯車78が逆転歯車65に噛合する。
図4、図6に示すように、復帰工程では、印字ヘッド34が記録紙Pの二行目の印字領域を通過した後、キャリッジ33が改行板101の復路係合部111に前方から当接する。この状態でキャリッジ33がさらに後方に移動することで、改行板101がキャリッジ33とともに後方に向けて移動する。このとき、改行板101が案内部材102に対して後方に移動することで、係合凸部113が係合凹部115の復路規制部123内を後方に移動する。その後、係合凸部113は、復路規制部123を抜け出し、改行ガイド121内に前方から進入する。すると、キャリッジ33及び改行板101が後方に移動するのに伴い、係合凸部113は改行ガイド121内を後方(行方向の一方)に向かうに従い左側(列方向の一方)に移動する。これにより、印字ブロック12全体が後方に向かうに従い左側に移動する。
また、係合凸部113は、少なくともキャリッジ33が復路始点から印字動作領域を経て復路改行領域に到達するまで復路規制部123内に留まっている。そのため、仮に印字ブロック12を左右方向に移動させるような外力が作用して、係合凸部113が案内部材102に対して左右方向に相対移動しようとした場合、係合凸部113は復路規制部123の内側面に左右方向で当接する。これにより、係合凸部113は、案内部材102に対するそれ以上の左右方向への移動が規制される。
この構成によれば、改行動作領域において、キャリッジ33が改行板101とともに前後方向に移動するのに伴い左右方向に移動することで、往路及び復路の印字動作領域において、左右方向で異なる位置を移動することになる。この場合、例えば往路及び復路の双方で印字ヘッド34による印字を行うことで、記録紙Pのうち左右方向で異なる2列の印字領域に印字を行うことができる。その結果、一度に印字できる情報量を向上させ、商品性を向上させることができる。
この構成によれば、上述したように印字ブロック12に対して左右方向に外力が作用した場合であっても、案内部材102に対する改行板101の左右方向の移動が規制される。そのため、印字ブロック12が左右方向に予期せず移動するのを抑制することができる。この場合、例えば往路情報(一行目に印字される情報)と復路印字(二行目に印字される情報)とが重なり合ったり、往路情報と復路情報とが左右方向に離れすぎたりする等の不具合が生じるのを抑制できる。その結果、印字ユニット3の商品性を向上させることができる。
しかも、本実施形態では、係合凹部115内において係合凸部113の移動軌跡に進入しない位置で係合凸部113の左右方向への移動を規制できる。そのため、例えば係合凸部113の移動軌跡(例えば、係合凹部115の底面や内側面)上に係合凸部113が乗り越え可能な突起等を設ける場合に比べて、上述した改行工程で印字用モータ91に掛かる負荷を低減できる。これにより、印字用モータ91の大型化を抑制し、省エネ化を実現できる。
この構成によれば、キャリッジ33が往路を移動中に改行板101の往路係合部110に係合することで、その後往路終点に向かう際に、改行板101とともに右側に移動することになる。また、キャリッジ33が復路を移動中に改行板101の復路係合部111に係合することで、その後復路終点に向かう際に、改行板101とともに左側に移動することになる。これにより、改行動作領域において、印字ブロック12をスムーズに改行させることができる。
この構成によれば、キャリッジ33がラック板67の前後方向における両端部を通過する際、キャリッジ33の移動によって巻き取り側の移動歯車62,63が回転しないことになる。すなわち、欠歯領域K1,K2を移動中(改行動作領域)は、インクリボンの巻き取りが行われないことになる。そのため、改行工程や復帰工程において巻き取りに要する負荷トルクが印字用モータ91に作用するのを抑制し、改行動作をスムーズに行うことができる。また、改行工程や復帰工程において、インクリボンが無駄に巻き取られるのを抑制できるので、インクリボンを有効に使用できる。
図13は、第2実施形態に係る改行機構200において、図7のXIII−XIII線に相当する断面図である。本実施形態では、係合凹部201内において、係合凸部113の移動軌跡上に乗り越え可能な段差部202を形成した点で、上述した実施形態と相違している。なお、以下の説明において、上述した第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
図13に示す改行機構200において、案内部材210(係合凹部201)の改行ガイド121には、係合凸部113に係止される段差部202が形成されている。具体的に、段差部202は、改行ガイド121の底面から上方に向けて膨出している。段差部202は、その延在方向に沿う断面が台形状に形成されている。具体的に、段差部202は、延在方向の両端部が中央部に向かうに従い上方に延びる傾斜面とされている。また、段差部202における延在方向の中央部は平坦面とされている。
また、段差部202は、係合凹部201の底面及び内側面の少なくとも一部に設けられていれば構わない。この場合、各規制部122,123に段差部を設けても構わない。これにより、係合凸部113が各規制部122,123から改行ガイド121に進入するのを抑制できる。
次に、上述した実施形態の変形例について説明する。図14〜図16は、変形例に係る係合凹部301を示す平面図である。
上述した実施形態では、規制部122,123が前後方向に沿って直線状に形成された場合について説明したが、この構成のみに限られない。例えば、図14に示す規制部122,123のように、前後方向の外側に向かうに従い左右方向の外側に僅かに傾斜(仰角)して延在していても構わない。また、図15に示す規制部122,123のように、前後方向の外側に向かうに従い左右方向の内側に僅かに傾斜していても構わない。このように、規制部122,123は、前後方向に沿って延在し、係合凸部113が往路及び復路の印字動作領域に進入しない範囲で左右方向の移動を規制できれば構わない。すなわち、各規制部122,123は、改行ガイド121と異なる傾斜角度で延在していれば構わない。
例えば、上述した実施形態では、本発明のプリンタ1をドットインパクト式のプリンタ1に適用した場合について説明したが、これに限られない。例えば、インクジェットプリンタやサーマルプリンタ等に適用しても構わない。また、プリンタ1の用途としても、タイムスタンプに限られない。
上述した実施形態では、係合凹部が溝状に形成された構成について説明したが、この構成のみに限らず、係合凸部113の移動を案内できる構成であれば、係合凸部113の移動軌跡に沿って延びる壁等であっても構わない。
また、改行板と案内部材との係合方法は適宜変更が可能である。例えば、ウォームギヤ機構やリンク機構によって係合させても構わない。
上述した実施形態では、係合凸部113が乗り越え可能な段差部202によって係合凸部113の予期せぬ移動を規制する構成について説明したが、この構成のみに限られない。例えば付勢部材等によって印字ブロック12を左右方向の外側(往路及び復路の互いの印字動作領域から離間する方向)に付勢する構成であっても構わない。
なお、キャリッジ33と各係合部110,111との係合タイミングや係合方法は適宜設計変更が可能である。
また、ラック板67の欠歯領域K1,K2はなくてもよい。
上述した実施形態では、左右方向で異なる二行に印字を行う構成について説明したが、三行以上の複数行の印字を行うプリンタに本発明の構成を採用しても構わない。
3…印字ユニット
5…スロット
11…ユニットフレーム
31…印字フレーム
32…シャフト
33…キャリッジ
34…印字ヘッド
35…巻取機構
46…軸受部
51…カートリッジ
62…第1移動歯車(巻取歯車)
63…第2移動歯車(巻取歯車)
91…印字用モータ(駆動源)
100…改行機構
101…改行板(連動部材、第1部材、第2部材)
102…案内部材(第1部材、第2部材)
110…往路係合部
111…復路係合部
113…係合凸部
115…係合凹部
121…改行ガイド
122…往路規制部(規制部)
123…復路規制部(規制部)
201…係合凹部
202…段差部
210…案内部材
301…係合凹部
305…係合凹部
310…規制部
Claims (10)
- 行方向に延在する印字動作領域において、被記録媒体に印字を行う印字ヘッドが搭載されたキャリッジと、
前記キャリッジを前記行方向に往復移動可能に支持するシャフトと、
前記シャフトを前記行方向に直交する列方向に移動可能に支持するユニットフレームと、
前記行方向で前記印字動作領域の外側に位置する改行動作領域において、前記キャリッジとともに移動する連動部材と、
前記ユニットフレームに設けられるとともに、前記連動部材に係合して、前記改行動作領域において前記キャリッジ及び前記連動部材の前記行方向の一方への移動に伴い前記キャリッジ及び前記連動部材を前記列方向の一方に案内する案内部材と、を備え、
前記連動部材及び前記案内部材のうち、第1部材は、
前記行方向の一方に向かうに従い前記列方向の一方に向けて延在し、前記改行動作領域において前記キャリッジの前記行方向の一方に向けた移動に伴い、前記キャリッジを前記列方向の一方に案内する改行ガイドと、
前記改行ガイドのうち少なくとも前記行方向の一方端部に連なり、前記キャリッジの前記列方向の移動を規制する規制部と、を有していることを特徴とする印字ユニット。 - 前記規制部は、前記改行ガイドのうち前記行方向の両端部にそれぞれ連なっていることを特徴とする請求項1に記載の印字ユニット。
- 前記規制部は、前記行方向に沿って直線状に延在していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の印字ユニット。
- 前記連動部材及び前記案内部材のうち第2部材には、前記第1部材に向けて突出する係合凸部が形成され、
前記第1部材には、前記係合凸部を係合する係合凹部が形成され、
前記係合凹部は、前記改行ガイド及び前記規制部を有していることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の印字ユニット。 - 前記連動部材は、前記行方向に移動可能に前記シャフトに支持され、
前記連動部材は、
前記改行動作領域のうち前記印字動作領域に対して一方に連なる往路改行領域で前記キャリッジが係合する往路係合部と、
前記改行動作領域のうち前記印字動作領域に対して他方に連なる復路改行領域で前記キャリッジが係合する復路係合部と、を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の印字ユニット。 - 前記改行ガイド及び前記規制部の少なくとも一方には、前記第1部材が乗り越え可能な段差部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の印字ユニット。
- 前記キャリッジを前記行方向に移動させる駆動源と、
前記駆動源が搭載されるとともに、前記シャフトを支持する印字フレームと、
前記ユニットフレームに設けられ、前記シャフトを前記列方向に往復移動可能に支持するとともに、前記印字フレームに連結されて前記印字フレームの前記シャフト周りの揺動を規制する軸受部と、を有していることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の印字ユニット。 - 前記印字ヘッドは、インパクト式であり、
前記キャリッジに着脱可能に装着されるカートリッジに接続され、前記カートリッジ内のインクリボンを巻き取る巻取機構を備え、
前記巻取機構は、
前記キャリッジに配設された巻取歯車と、
前記巻取歯車に噛合する巻取ラックを有するラック板と、を備え、
前記巻取機構は、前記キャリッジの前記行方向への移動に伴い前記巻取歯車が回転して、前記インクリボンの巻き取りを行うことを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載の印字ユニット。 - 前記ラック板は、前記行方向の両端部において前記巻取歯車と前記巻取ラックとの噛合を解除する欠歯領域を有していることを特徴とする請求項8に記載の印字ユニット。
- 請求項1から請求項9の何れか1項に記載の印字ユニットと、
前記印字ユニットを収納するとともに、被記録媒体を挿入するスロットを有するケーシングと、を備えていることを特徴とするプリンタ。
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