JP2017226141A - 板材の乾燥方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒビや割れの入りを低減して乾燥させることが可能な板材の乾燥方法を提供する。
【解決手段】板材の乾燥方法として、未乾燥の丸太を一定の厚さで長手方向へ切断して板状の未乾燥板材2に製材し、未乾燥板材2の長手方向に延びている幅の広い二つの板面の長手方向両端部に、合板からなる帯板状の端部用補助板4を、板面の全幅に亘って木工用ボンドで貼り付けると共に、端部用補助板4が貼り付けられている板面の幅方向中央部において、木工用ボンドで合板からなる帯板状の中央部用補助板5を、長手方向両端部に貼り付けられている端部用補助板4同士の間の全長に亘って貼り付けた後に、端部用補助板4及び中央部用補助板5を貼り付けたまま未乾燥板材2を自然乾燥させる。
【選択図】図3
【解決手段】板材の乾燥方法として、未乾燥の丸太を一定の厚さで長手方向へ切断して板状の未乾燥板材2に製材し、未乾燥板材2の長手方向に延びている幅の広い二つの板面の長手方向両端部に、合板からなる帯板状の端部用補助板4を、板面の全幅に亘って木工用ボンドで貼り付けると共に、端部用補助板4が貼り付けられている板面の幅方向中央部において、木工用ボンドで合板からなる帯板状の中央部用補助板5を、長手方向両端部に貼り付けられている端部用補助板4同士の間の全長に亘って貼り付けた後に、端部用補助板4及び中央部用補助板5を貼り付けたまま未乾燥板材2を自然乾燥させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、板材の乾燥方法に関するものであり、特に表面のヒビや割れの入りを低減して乾燥させるための板材の乾燥方法に関するものである。
未乾燥の丸太を長手方向に一定の厚さで切断(製材)した未乾燥板材では、長手方向(木の延びている方向)の両端面(木口)に無数の導管が開口していることから、未乾燥板材を乾燥させると、長手方向に延びている板面(幅の広い方)や木端面(幅の狭い方)よりも、木口の方が、乾燥が早く進む。また、樹木では、年輪の中心から外側へ向かうほど、構成している細胞の密度が低くなることから、未乾燥板材を乾燥させると、年輪の中心側よりも外側の方が、乾燥による収縮率が大きいと共に乾燥が進み易い。
このようなことから、未乾燥板材の乾燥が進むと、初めに木口付近の板面にヒビが入り易く、ヒビが入った状態で更に乾燥が進むと、ヒビが開いて割れとなる。そして、乾燥により割れが入った場合、割れた部位は板材として使えないため、木口から割れの長さの分だけ切除しており、製品として使える板材の長さが短くなる問題があった。
これに対して、従来では、乾燥中において割れの前兆となるようなヒビを発見した場合、ヒビを跨ぐようにカスガイを打込むことで、ヒビがこれ以上広がって割れないようにしていた。しかしながら、従来の方法は、ヒビの拡大による割れを防ぐものであり、割れの原因となるヒビの発生そのものを防止することはできなかった。
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、ヒビや割れの入りを低減して乾燥させることが可能な板材の乾燥方法を課題とするものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る板材の乾燥方法は、「未乾燥の丸太を一定の厚さで長手方向へ切断して板状の未乾燥板材に製材し、該未乾燥板材において長手方向に延びている四つの板面のうち少なくとも幅の広い二つの該板面の長手方向両端部に、合板からなる帯板状の端部用補助板を、前記板面の全幅に亘って木工用ボンドで貼り付けた後に、前記端部用補助板を貼り付けたまま前記未乾燥板材を自然乾燥させる」ことを特徴とする。
ここで、「長手方向」とは、丸太の中心軸が延びている方向のことである。また、「板材(未乾燥板材)」としては、年輪の中心を有していないものでも良いし、年輪の中心を有しているものでも良い。また、「幅」とは、未乾燥板材(板材)の板面において、長手方向に直交する方向の寸法のことであり、四つの板面のうち幅の狭い二つの板面の幅は未乾燥板材の厚さに該当する。
また、「合板」とは、薄くスライスされた3枚以上の単板を、互いの木目を直交させた状態で貼り合わせたものである。合板の材質としては、「ラワン合板」、「シナ合板」、等を例示することができる。また、「木工用ボンド」としては、「酢酸ビニル系」、「ポリウレタン系」、「イソシアネート系」、「イソブテン・無水マイレン酸共重合系」、「にかわ」、等の成分のものを例示することができ、干し割れ防止剤やひび割れ防止用ボンドのような通気性を有するものが良い。
また、長手方向両端部の「端部」とは、長手方向の端(木口)から一定の距離(5cm〜15cm)までの間の部位のことである。
一般的に、板状の未乾燥板材を乾燥させた場合、幅の狭い板面よりも幅の広い板面の方が、ヒビが入り易い。また、未乾燥板材が年輪の中心を有している場合、年輪の中心を有していない未乾燥板材と比べて、乾燥によるヒビや割れが入り易い。
本発明では、未乾燥板材における長手方向に延びている四つの板面のうち少なくとも幅の広い二つの板面において、長手方向両端部に端部用補助板を貼り付けたままの状態で、未乾燥板材を自然乾燥させている。端部用補助板を構成している合板は、薄くスライスされた3枚以上の単板を、互いの木目を直交させた状態で貼り合わせたものであるため、温度や湿度が変化しても伸び縮みすることは殆どない。従って、初めに乾燥が進む木口付近において、乾燥によって表面が収縮しようとする力を、貼り付けられている端部用補助板によって妨げることができるため、板面の木口付近でのヒビの入りを防止することができる。また、たとえヒビが入ったとしても、端部用補助板によりヒビの拡大を防止することができるため、ヒビが大きくなることによる割れの入りを防止することができる。
端部用補助板は、年輪の中心を有していない未乾燥板材では、少なくとも幅の広い二つの板面に貼り付け、年輪の中心を有している未乾燥板材では、全て(四つ)の板面に貼り付けることにより、上述した作用効果を奏することができる。
また、端部用補助板を木工用ボンドで貼り付けていることから、通気性を有する木工用ボンドを用いたり、木工用ボンドを点状や線状に塗って端部用補助板を貼り付けた時に通気性を有するようにしたりすることで、端部用補助板を介して未乾燥板材内の水分を蒸散させることが可能となり、未乾燥板材の長手方向両端部(木口付近)も端部用補助板が貼り付けられていない部位と同様に乾燥させることができる。また、通気性を有するようにすることで、端部用補助板を貼り付けた部位も乾燥させることができるため、乾燥しないことによるカビの発生を防止することができる。
更に、未乾燥板材に端部用補助板を木工用ボンドで貼り付けているため、未乾燥板材を乾燥させた後に、乾燥により変色したり反ったりした表面を削って製品としての板材に製材する(仕上げる)時に、端部用補助板を貼り付けたままの状態で製材機にかけることができる。
このように、本発明によれば、ヒビや割れの入りを低減して未乾燥板材を乾燥させることができるため、乾燥前の長さと同じ長さの板材を得ることができる。従って、木口から割れた長さの分を切除して廃棄したり、割れの長さの分を見越した長さの未乾燥板材を用意したりする必要はなく、資源を有効に活用することができると共に、板材の製造にかかるコストを低減させることができる。また、未乾燥板材が厚くても木口からヒビや割れの入りを低減して乾燥させることができるため、より付加価値の高い厚くて長い板材を提供することができる。
また、本発明に係る板材の乾燥方法は、上記の構成に加えて、「前記未乾燥板材を自然乾燥させる前に、前記未乾燥板材における前記端部用補助板が貼り付けられている前記板面の幅方向中央部に、合板からなる帯板状の中央部用補助板を、長手方向両端部に貼り付けられている前記端部用補助板同士の間の全長に亘って木工用ボンドで貼り付ける」ようにしても良い。
ここで、幅方向中央部の「中央部」とは、「木目が板目を呈している部位」、「幅方向中央を中心にして全幅の1/4〜3/4の部位」、を例示することができる。この中央部は、乾燥によってヒビの入り易い部位である。
ところで、未乾燥板材を乾燥させた時に、板面においてもヒビや割れが入る場合があるため、従来では、未乾燥板材の板面にボンドやペンキを塗ることで、表面の乾燥を遅らせて、ヒビの入りを防ぐようにしていた。しかしながら、ボンドやペンキを塗っても、ヒビの入りを確実に防止することは困難であった。また、ボンドやペンキの種類によっては、ボンドやペンキが塗られている部位にカビが発生する問題があった。
これに対して、本発明では、未乾燥板材を乾燥させる際に、未乾燥板材の端部用補助板が貼り付けられている板面における幅方向中央部で両端の端部用補助板同士の間に中央部用補助板を貼り付けている。これにより、板面の幅方向中央部において、乾燥によって表面が収縮しようとする力を、貼り付けられている中央部用補助板によって妨げることができるため、板面の中央部にヒビや割れの入りを防止することができる。
これにより、乾燥により板材の板面にヒビや割れの入りを防止することができるため、乾燥後に製品となる板材を製材する際に、乾燥の際に変色した表面を削り落とすだけでヒビや割れの無い良質な板材を得ることができる。また、無駄に削り落とす量を少なくすることができるため、板厚の厚い板材を提供することができる。
以上のように、本発明の効果として、ヒビや割れの入りを低減して乾燥させることが可能な板材の乾燥方法を提供することができる。
本発明の一実施形態である板材の乾燥方法について、図1乃至図3を参照して詳細に説明する。本実施形態の板材の乾燥方法1は、未乾燥の丸太を一定の厚さで長手方向へ切断して年輪の中心を有していない板状の未乾燥板材2に製材し、未乾燥板材2において長手方向に延びている四つの板面のうち幅の広い二つの板面の長手方向両端部において、木工用ボンド3(図4を参照)で合板からなる帯板状の端部用補助板4を、板面の全幅に亘って貼り付けると共に、未乾燥板材2の幅方向中央部において、木工用ボンド3で合板からなる帯板状の中央部用補助板5を、長手方向両端部に貼り付けられている端部用補助板4同士の間の全長に亘って貼り付けた後に、端部用補助板4及び中央部用補助板5を貼り付けたまま未乾燥板材2を自然乾燥させるものである。
詳述すると、板材の乾燥方法1は、まず、未乾燥板材製材工程S1において、表面の樹皮を向いた未乾燥の丸太を、図示しない製材機により一定の厚さで長手方向に切断して年輪の中心を有していない板状の未乾燥板材2を製材する。本実施形態の未乾燥板材2は、丸太を、年輪の中心を通る線に対して平行に切断した(所謂、板目挽きした)ものである。未乾燥板材2は、厚さが2cm〜10cm、幅が60cm〜100cm、長さが2m〜4m、の範囲内とすることが望ましい。従って、丸太は、未乾燥板材2を切出すことができる太さ及び長さのものを用いる。
次に、端部用補助板貼付工程S2において、未乾燥板材2の幅の広い二つの板面における長手方向両端部に、合板からなる帯板状の端部用補助板4を、木工用ボンド3で貼り付ける。端部用補助板4は、板厚が2mm〜6mmのラワン合板を、5cm〜10cmの幅に切断した上で、板面(未乾燥板材2)の全幅と同じ長さに切断したものである。この端部用補助板貼付工程S2では、未乾燥板材2と端部用補助板4の両方に、通気性を有した市販品の木工用ボンド3を塗布して貼り付ける。なお、端部用補助板4を貼り付けた後に、釘により端部用補助板4の四隅を未乾燥板材2に留め付けても良い。
ここで、端部用補助板4の幅を、5cm〜10cmの範囲内とした理由は、5cmよりも小さいと、木口付近にヒビや割れの入りを十分に防止することができなくなる恐れがあるためであり、10cmよりも大きいと、木口付近でのヒビや割れの防止効果に対して端部用補助板4の無駄な使用量が増えてコストが増加するためである。また、端部用補助板4(中央部用補助板5)の厚さを、2mm〜6mmの範囲内とした理由は、2mmよりも薄いと、ヒビや割れの入りを十分に防止することができなくなる恐れがあるためであり、6mmよりも厚いと、ヒビや割れの防止効果が高まらないと共に端部用補助板4(中央部用補助板5)にかかるコストが増加するためである。
ところで、樹木(丸太)では、同じような密度の細胞が連なることで一つの年輪を構成していることから、乾燥により収縮する際に、年輪の幅方向(半径方向)よりも年輪の延びている方向(周方向)への収縮率が大きくなっている。製材された未乾燥板材2では、幅の広い板面に、年輪による木目が略平行に真直ぐ並んでいる部位(柾目の部位)と、木目が平行に通らず山形や不規則な波形をしている部位(板目の部位)とが表れる。この未乾燥板材2の木口面では、柾目の部位では年輪が板面に対して略垂直に延びているのに対して、板目の部位では年輪が板面に接するように延びている。従って、未乾燥板材2の乾燥による年輪の収縮する力が、柾目の部位では板面に対して垂直な方向へ大きく作用するのに対して、板目の部位では板面に平行な方向へ大きく作用することとなるため、柾目の部位よりも板目の部位の方が、ヒビが入り易い。
これに対して、次の中央部用補助板貼付工程S3では、未乾燥板材2の幅方向中央部(木目が板目を呈している部位)に、合板からなる帯板状の中央部用補助板5を、木工用ボンド3で貼り付ける。中央部用補助板5は、板厚が2mm〜6mmのラワン合板を、未乾燥板材2の板面における木目が板目を呈している部位と同じ幅に切断した上で、長手方向両端部に貼り付けられている端部用補助板4同士の間と同じ長さに切断したものである。なお、中央部用補助板5は、長手方向へ複数に分割されていても良い。この中央部用補助板貼付工程S3では、未乾燥板材2と中央部用補助板5の両方に木工用ボンド3を塗布して貼り付ける。
未乾燥板材2に端部用補助板4と中央部用補助板5を貼り付けたら、次の自然乾燥工程S4へ進み、端部用補助板4及び中央部用補助板5を貼り付けたままの状態で未乾燥板材2を自然乾燥させる。自然乾燥工程S4では、端部用補助板4及び中央部用補助板5を貼り付けた未乾燥板材2を、直射日光や雨の当らない場所で、一方の板面を上に向けて自然乾燥させる。この際に、未乾燥板材2の下側に隙間ができるようにして通気性を確保する。
そして、未乾燥板材2が乾燥したら、次の製品板材製材工程S5で、製品(例えば、机板、家具用材、建材、飾り板、等)となる板材に製材する。ここでは、端部用補助板4及び中央部用補助板5を貼り付けたままの状態で、乾燥により変色した表面がなくなる程度に製材機により削り落として仕上げる。なお、端部用補助板4を釘で留め付けた場合は、製材機にかける前に釘を抜いておく。
このように、本実施形態によれば、未乾燥板材2の幅の広い二つの板面において、長手方向両端部に端部用補助板4を貼り付けているため、初めに乾燥が進む未乾燥板材2の木口付近において、乾燥によって表面が収縮しようとする力を、貼り付けられている端部用補助板4によって妨げることができ、板面の木口付近でのヒビの入りを防止することができる。また、たとえヒビが入ったとしても、端部用補助板4によりヒビの拡大を防止することができ、ヒビが大きくなって割れの入りを防止することができる。
また、未乾燥板材2の端部用補助板4が貼り付けられている二つの板面における幅方向中央部で両端の端部用補助板4同士の間に中央部用補助板5を貼り付けているため、板面の幅方向中央部において、乾燥によって表面が収縮しようとする力を、貼り付けられている中央部用補助板5によって相殺することができ、板面の中央部にヒビや割れが入るのを防止することができる。
更に、未乾燥板材2の二つの板面における木目が板目を呈している部位と同じ幅の中央部用補助板5を、板面の板目を呈している部位を覆うように貼り付けているため、板面における乾燥によるヒビの入りを効果的に防止することができる。
また、中央部用補助板5を、板面における板目の部位のみに貼り付けているため、板面の前面に貼り付けた場合と比較して、中央部用補助板5の使用量が少なくなり、コストの増加を抑制させることができる。
また、通気性を有する木工用ボンド3を用いているため、端部用補助板4や中央部用補助板5を介して未乾燥板材2内の水分を蒸散させることができ、端部用補助板4や中央部用補助板5が貼り付けられていない部位と同様に乾燥させることができる。また、端部用補助板4や中央部用補助板5が貼り付けられている部位において、乾燥しないことによるカビの発生を防止することができる。
このように、本実施形態によれば、ヒビや割れの入りを低減して未乾燥板材2を乾燥させることができるため、乾燥前の大きさ(長さ及び厚さ)と同じ大きさの板材を得ることができる。つまり、木口から割れた長さの分を切除したり、板面に入ったヒビを取り除くために大きく削ったりする必要がない。また、木口からの割れの長さを見越した長さや、板面に入るヒビの深さを見越した厚さの未乾燥板材2を用意する必要がない。従って、資源を有効に活用することができ、板材の製造にかかるコストを低減させることができると共に、より付加価値の高い厚くて長い板材を提供することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、未乾燥板材2に、端部用補助板4と中央部用補助板5を貼り付けて自然乾燥させる例を示したが、これに限定するものではなく、例えば、図4に示すように、未乾燥板材2の幅方向中央部(板目の部位)において、長手方向両端部に貼り付けられた端部用補助板4同士の間の全長に亘って木工用ボンド3を塗布し、その状態で自然乾燥させるようにしても良い。
また、上記の実施形態では、年輪の中心を有していない未乾燥板材2に適用した例を示したが、これに限定するものではなく、図5に示すように、年輪の中心を有している未乾燥板材6に適用しても良い。年輪の中心を有している未乾燥板材6の場合は、幅の広い二つの板面に加えて、幅の狭い二つの板面の長手方向両端部に、合板からなる帯板状の端部用補助板7を、その板面の全幅に亘って木工用ボンドで貼り付ける。続いて、端部用補助板7が貼り付けられている板面の幅方向中央部に、合板からなる帯板状の中央部用補助板8を、端部用補助板7同士の間の全長に亘って木工用ボンドで貼り付ける。そして、未乾燥板材6における長手方向へ延びた全て(四つ)の板面に、端部用補助板4,7と中央部用補助板5,8を貼り付けたままの状態で自然乾燥させるようにしても良い。これによっても、上記と同様の作用効果を奏することができる。なお、年輪の中心を有していない未乾燥板材2において、長手方向へ延びた全て(四つ)の板面に、端部用補助板4,7と中央部用補助板5,8を貼り付けたままの状態で自然乾燥させるようにしても良い。
年輪の中心を有している未乾燥板材6を乾燥させる場合、未乾燥板材の製材工程S1において、長手方向へ延びている四つの板面のうち、一つ板面において年輪の中心に至る深さで全長に亘って切り込んだ背割りを形成するようにしても良い。これにより、乾燥による大きな割れを確実に防止することができる。
また、上記の実施形態において、未乾燥板材2の木口に、木工用ボンド3を塗布してから自然乾燥させるようにしても良い。この際に、木口の全面に木工用ボンド3を塗布するようにしても良いし、木口の一部(例えば、年輪の中心部分、柾目の部分)に木工用ボンド3を塗布するようにしても良い。木口に木工用ボンド3を塗布することで、木口にヒビや割れが入るのを抑制させることができると共に、木口からの乾燥を遅らせて、未乾燥板材2の全体を均一に乾燥させ易くすることができる。
1 板材の乾燥方法
2 未乾燥板材
3 木工用ボンド
4 端部用補助板
5 中央部用補助板
6 未乾燥板材
7 端部用補助板
8 中央部用補助板
2 未乾燥板材
3 木工用ボンド
4 端部用補助板
5 中央部用補助板
6 未乾燥板材
7 端部用補助板
8 中央部用補助板
上記の課題を解決するために、本発明に係る板材の乾燥方法は、「未乾燥の丸太を一定の厚さで長手方向へ切断して板状の未乾燥板材に製材し、該未乾燥板材において長手方向に延びている四つの板面のうち少なくとも幅の広い二つの該板面の長手方向両端部に、合板からなる帯板状の端部用補助板を、前記板面の全幅に亘って木工用ボンドで貼り付けると共に、前記端部用補助板が貼り付けられている前記板面の幅方向中央部に、合板からなる帯板状の中央部用補助板を、長手方向両端部に貼り付けられている前記端部用補助板同士の間の全長に亘って木工用ボンドで貼り付け、更に、長手方向両端の木口の全面に塗布することなく該木口の一部に木工用ボンドを塗布した後に、前記端部用補助板を貼り付けたまま前記未乾燥板材を自然乾燥させる」ことを特徴とする。
例えば、本発明を構成するものではないが、上記の実施形態では、未乾燥板材2に、端部用補助板4と中央部用補助板5を貼り付けて自然乾燥させる例を示したが、これに限定するものではなく、例えば、図4に示すように、未乾燥板材2の幅方向中央部(板目の部位)において、長手方向両端部に貼り付けられた端部用補助板4同士の間の全長に亘って木工用ボンド3を塗布し、その状態で自然乾燥させるようにしても良い。
また、上記の実施形態において、未乾燥板材2の木口に、木工用ボンド3を塗布してから自然乾燥させるようにしても良い。この際に、木口の全面に木工用ボンド3を塗布することなく木口の一部(例えば、年輪の中心部分、柾目の部分)に木工用ボンド3を塗布する。木口に木工用ボンド3を塗布することで、木口にヒビや割れが入るのを抑制させることができると共に、木口からの乾燥を遅らせて、未乾燥板材2の全体を均一に乾燥させ易くすることができる。
Claims (2)
- 未乾燥の丸太を一定の厚さで長手方向へ切断して板状の未乾燥板材に製材し、該未乾燥板材において長手方向に延びている四つの板面のうち少なくとも幅の広い二つの該板面の長手方向両端部に、合板からなる帯板状の端部用補助板を、前記板面の全幅に亘って木工用ボンドで貼り付けた後に、前記端部用補助板を貼り付けたまま前記未乾燥板材を自然乾燥させることを特徴とする板材の乾燥方法。
- 前記未乾燥板材を自然乾燥させる前に、
前記未乾燥板材における前記端部用補助板が貼り付けられている前記板面の幅方向中央部に、合板からなる帯板状の中央部用補助板を、長手方向両端部に貼り付けられている前記端部用補助板同士の間の全長に亘って木工用ボンドで貼り付けることを特徴とする請求項1に記載の板材の乾燥方法。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180109 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20180724 |