JP2017225310A - 車両用燃料電池の電力制御装置 - Google Patents

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雄介 平光
一芳 中根
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一芳 中根
力 竹井
Riki Takei
力 竹井
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Abstract

【課題】モータの回生制御時において余剰電力が発生した場合であっても、燃料電池の燃料極や空気極の触媒層上の酸化還元反応を抑制でき、これにより触媒層の白金凝集・溶出に起因する劣化を確実に防止できる車両用燃料電池の電力制御装置を提供する。【解決手段】車両走行中のアクセル戻し操作に応じたモータ2の回生制御時において、その回生電力Wmot及び燃料電池4aの出力電力の全てを2次電池3に充電可能な場合には2次電池3に充電し(S5,6)、充電不能な場合には2次電池3に加えて充放電装置6に充電し(S7〜9)、それでも充電しきれない場合には余剰電力分だけ燃料電池4aの出力電力を制限する(S7,10〜12)。【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池を運転して発電しつつモータを力行制御して走行する電動車両に搭載され、モータの回生制御時に燃料電池の出力電力を制限する車両用燃料電池の電力制御装置に関する。
近年の環境意識の高まりに伴い、化石燃料に頼ることのないクリーンエネルギー発電の一つとして燃料電池システムが注目されている。例えば車両に搭載される燃料電池システムには固体高分子型燃料電池が用いられており、固体高分子膜の両側に触媒として白金(Pt)を担持した燃料極及び空気極を貼り合わせてMEAを構成し、そのMEAをガス拡散層及びセパレータにより挟持した単セルを多数積層して製作されている。燃料極には湿度調整した燃料ガスが供給され、空気極には湿度調整した空気が供給され、これにより燃料極及び空気極の触媒層で発電反応が進行して燃料電池の発電が開始される。
このような燃料電池を搭載した燃料電池車両では、燃料電池を運転して発電電力を走行用の2次電池に充電しつつ、その2次電池からの出力電力により走行用のモータを力行制御して走行すると共に、アクセル戻し操作に応じたモータの回生制御時には、モータの回生電力を2次電池に充電して後のモータの力行制御に利用している。
しかしながら、例えば高速道路での長い降坂路ではモータが大きな回生電力を発生することから、回生電力と燃料電池の出力電力との合計が2次電池の受入電力(充電可能な最大電力)を上回って充電しきれない事態が発生する。このような状況では、モータの回生制御を中止或いは抑制せざるを得ず、必然的に所期の回生制動力が得られなくなり、運転者に煩雑なブレーキ操作を強いることになる。
以上の不具合に着目した対策として、例えば特許文献1に記載の技術では、モータの回生電力のうち2次電池の充電可能電力を超える余剰電力を電力消費手段(エアコンのコンプレッサ用モータ、冷却水のポンプ用モータ、電気ヒータ等)で消費することにより、所期のモータの回生制御を継続して制動力を確保している。
特開2013−99081号公報
ところで、上記したように燃料電池の発電反応は燃料極及び空気極の触媒層で進行するため、触媒層の劣化を抑制することは、燃料電池の耐久性を高める上で重要な課題となっている。
触媒層の劣化を促進する要因として、触媒層上で生じる酸化還元反応の繰り返しが挙げられる。例えば、車両の加減速に伴い燃料電池に要求される出力電力が変動すると、燃料電池の運転状態はアイドル運転と発電運転との間で変化し、それに伴い単セルの電圧(以下、セル電圧という)は、アイドル運転時の高電圧域と発電運転時の低電圧域との間で変動する。このようなセル電圧の増加及び低下に伴って触媒層上では酸化還元反応が繰り返され、これにより特に空気極側の触媒層の白金粒子がオストワルド成長による凝集や白金溶出によって発電反応比面積が減少し、これらの現象が触媒層の劣化を進行させる要因となる。
特許文献1の技術が想定しているモータの回生制御時において、回生電力と燃料電池の出力電力とを2次電池が充電しきれない場合には、回生制動力の問題だけでなく燃料電池の劣化の問題も生じる。即ち、このような余剰電力が発生した状況では燃料電池の出力電力を制限せざるを得ず、必然的に燃料電池の運転状態は発電運転とアイドル運転との間で変化し、触媒層の劣化を進行させてしまう。無論、回生制動力の確保を目的とした特許文献1の技術では問題解決にはなり得ず、従来からモータの回生制御に起因する燃料電池の劣化防止のための有効な対策が要望されていた。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、モータの回生制御時において余剰電力が発生した場合であっても、燃料電池の燃料極や空気極の触媒層上の酸化還元反応を抑制でき、これにより触媒層の白金凝集・溶出に起因する劣化を確実に防止することができる車両用燃料電池の電力制御装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明の車両用燃料電池の電力制御装置は、燃料電池を運転して発電しつつ走行用動力源として搭載されたモータを力行制御して走行する一方、アクセル戻し操作に応じた前記モータの回生制御時に前記燃料電池の出力電力を制限する電動車両において、前記アクセル戻し操作に応じた前記モータの回生制御時に、前記燃料電池の出力電力の制限に伴う電圧増加を抑制すべく前記出力電力の制限を緩和する電力制限緩和手段を備えたことを特徴とする。
このように構成した車両用燃料電池の電力制御装置によれば、アクセル戻し操作に応じたモータの回生制御時には、燃料電池の出力電力に加えてモータの回生電力が発生することから、例えば、これらの電力の合計が走行用充放電手段(例えば2次電池)の最大充電電力を上回って充電しきれない場合等に、余剰電力の抑制のために燃料電池の出力電力を制限せざるを得なくなる。出力電力が制限されると燃料電池は電圧増加を伴ってアイドル運転へと移行し、その過程で燃料極や空気極の触媒層の劣化が進行する。本発明によれば、モータの回生制御時に電力制限緩和手段により燃料電池の出力電力の制限が緩和されるため、上記した燃料電池の電圧増加が抑制されて触媒層上での酸化還元反応が軽減される。
その他の態様として、前記電力制限緩和手段が、前記アクセル戻し操作の量が少ないほど前記燃料電池の出力電力の制限をより大きく緩和することが好ましい。
この態様によれば、アクセル戻し操作の量に応じて燃料電池の出力制限が最小限に抑制されるため、触媒層上での酸化還元反応がより一層軽減される。
その他の態様として、前記電力制限緩和手段が、前記アクセル戻し操作の量及び前記電動車両の車速から求めた前記モータの回生電力が少ないほど、前記燃料電池の出力電力の制限をより大きく緩和することが好ましい。
この態様によれば、アクセル戻し操作の量及び車速から求めたモータの回生電力に応じて燃料電池の出力制限が最小限に抑制されるため、触媒層上での酸化還元反応がより一層軽減される。
その他の態様として、前記モータの力行制御及び回生制御に応じて充放電する走行用充放電手段とは別に、前記燃料電池の出力電力の制限を緩和することにより生じた余剰電力を充電可能な余剰電力充電手段をさらに備えることが好ましい。
この態様によれば、モータの回生電力及び燃料電池の出力電力を2次電池のみに充電した場合に比較して、燃料電池の出力制限が緩和されて触媒層上での酸化還元反応がより一層軽減される。
その他の態様として、前記電力制限緩和手段が、前記余剰電力充電手段に充電できなかった余剰電力分だけ前記燃料電池の出力電力を制限することが好ましい。
この態様によれば、燃料電池の出力電力の制限が、余剰電力充電手段にも充電しきれなかった余剰電力分だけの必要最小限になり、触媒層上での酸化還元反応がより一層軽減される。
本発明の車両用燃料電池の電力制御装置によれば、モータの回生制御時において余剰電力が発生した場合であっても、燃料電池の燃料極や空気極の触媒層上の酸化還元反応を抑制でき、これにより触媒層の白金凝集・溶出に起因する劣化を確実に防止することができる。
実施形態の燃料電池の電力制御装置を搭載した電動車両を示す全体構成図である。 燃料電池の運転状態がアイドル運転と発電運転との間で変化した状況を示すタイムチャートである。 車両ECUが実行する出力制限緩和ルーチンを示すフローチャートである。
以下、本発明を具体化した車両用燃料電池の電力制御装置の一実施形態を説明する。
図1は本実施形態の燃料電池の電力制御装置を搭載した電動車両を示す全体構成図である。
本実施形態の電動車両1は、モータ2を走行用動力源とすると共に、その電源として2次電池3(走行用充放電手段)及び燃料電池システム4を備えたハイブリッド燃料電池車両である。周知のように2次電池3は、化学反応により直流電力を充放電可能な電池であり、燃料電池システム4は、燃料電池4aでの水素ガスを用いた電気化学反応により発電するシステムである。基本的にモータ2は2次電池3からの電力により駆動され、燃料電池システム4は主に2次電池3を充電するレンジエクステンダの機能を果たすと共に、その出力電力が補助的にモータ2の駆動にも利用される。
モータ2にはインバータ5を介して2次電池3が接続され、インバータ5は直流・交流間の変換機能を奏する。即ち、モータ2の力行制御時には、2次電池3や燃料電池システム4からの直流電力がインバータ5により三相交流電力に変換されてモータ2を駆動し、モータ2の回生制御時には、モータ2からの三相交流電力がインバータ5により直流電力に変換されて2次電池3に充電される。
また、インバータ5にはキャパシタ等の充放電装置6(余剰電力充電手段)が接続され、後述するようにモータ2の回生制御時に発生した余剰電力を充電するようになっている。
なお、図示はしないが2次電池3には充電用のAC-DCコンバータが接続され、外部電源の交流電力がAC-DCコンバータにより直流電力に変換されて2次電池3に充電されるようになっている。
また、2次電池3及びインバータ5には燃料電池システム4が接続されている。燃料電池システム4に備えられた固体高分子型燃料電池4aは、固体高分子膜の両側に触媒として白金(Pt)を担持した燃料極(負極)及び空気極(正極)を貼り合わせてMEA(Membrane Electrode Assembly:膜/電極接合体)を構成し、そのMEAをガス拡散層及びセパレータにより挟持した単セルを多数積層して製作されている。
燃料電池4aの動作原理は周知であるため、詳細は説明しないが、燃料極に水素タンク7からの水素ガスを湿度調整して供給すると共に、空気極に湿度調整した空気を供給することで運転される。燃料極に供給された水素ガスは触媒作用により水素イオンと電子に分解され、水素イオンは固体高分子膜を透過して空気極に到達し、電子は図示しない外部回路を経て空気極に到達し、これにより燃料極をマイナス、空気極をプラスとして直流電圧が発生する。また空気極では、空気供給ラインを経て供給された空気、固体高分子膜を透過した水素イオン、及び外部回路を経てきた電子が反応して水が生成される。
燃料電池4aの出力端子にはDC-DCコンバータ8が接続され、DC-DCコンバータ8は2次電池3、インバータ5及び充放電装置6に接続されている。これにより燃料電池4aの出力電力が2次電池3及び充放電装置6の充電やモータ2の駆動に利用可能となっている。
このような燃料電池4aの運転のために燃料電池システム4を構成する各機器(例えば、水素ガス及び空気を切換制御する制御弁やガス加湿用の加湿装置等)はFC-ECU9に接続され、このFC-ECU9より燃料電池4aの運転状態が制御される。
一方、インバータ5にはモータECU10が接続され、このモータECU10によりモータ2の駆動制御が実行される。例えばモータECU10はインバータ5を駆動制御し、2次電池3や燃料電池4a或いは充放電装置6から供給される出力電力によりモータ2を駆動する一方、モータ2の回生制御時には回生電力を2次電池3や充放電装置6に供給する。
また、2次電池3には第1バッテリECU11が接続され、充放電装置6には第2バッテリECU12が接続され、各ECU11,12により2次電池3及び充放電装置6の充放電制御等がそれぞれ実行される。例えばモータ2の回生制御時には、モータ2側からの回生電力を第1バッテリECU11が2次電池3に充電し、第2バッテリECU12が充放電装置6に充電する。また、2次電池3及び充放電装置6のSOC(充電率:State Of Charge)の算出や温度TBATの検出等も、これらのECU11,12により実行される。
以上のFC-ECU9、モータECU10、第1及び第2バッテリECU11,12は、上位ユニットに相当する車両ECU13に接続されており、各ECU9〜13は、それぞれ入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央演算処理装置(CPU)等から構成されている。
車両ECU13は、電動車両1の総合的な制御を行うための制御ユニットであり、この車両ECU13からの指令を受けた下位の各ECU9〜12により、上記のような燃料電池4aの運転制御、モータ2の駆動制御や2次電池3及び充放電装置6の充電制御等が実行される。
そのために、車両ECU13の入力側には、アクセル開度を検出するアクセルセンサ14等の各種センサ類が接続されると共に、FC-ECU9、モータECU10、第1及び第2バッテリECU11,12が接続されており、アクセル開度等の検出情報と共に、燃料電池システム4、モータ2、2次電池3、充放電装置6のそれぞれの運転情報が入力される。
そして車両ECU13は、アクセルセンサにより検出されたアクセル開度等に基づき電動車両1の走行に必要な要求出力を算出し、その要求出力を達成するようにモータECU10に指令信号を出力する。この指令信号に基づき、モータECU10によりモータ2が駆動されて要求トルクが達成される。
また車両ECU13は、2次電池3及び充放電装置6のSOCや車両走行のための要求出力に基づき燃料電池システム4の出力電力を算出し、その出力電力を達成するようにFC-ECU9に指令信号を出力する。例えば、2次電池3のSOCが所定値未満まで低下して充電を要する場合、或いは2次電池3からの電力供給のみではモータ2が要求出力を達成不能と判定した場合、車両ECU13は燃料電池4aの出力電力を増加側に設定する。
FC-ECU9側では、出力電力の達成のために燃料極に供給すべき水素ガス量及び空気極に供給すべき空気量を算出し、算出したガス供給量に調整することにより要求出力電力を達成する。無論、このような水素ガス及び空気の供給制御と並行して、水素ガスや空気の湿度、セル圧力やセル温度等に関しても最適制御する。例えば上記のように出力電力が増加側に制御された場合には、水素ガス量及び空気量が増加側に調整されて出力電力が増加され、その増加分が2次電池3の充電やモータ2の駆動に利用される。
以上のようなFC-ECU9による出力電力の制御により、例えば図2のタイムチャートに示すように、燃料電池4aの運転状態はアイドル運転と発電運転との間で変化する。アイドル運転時の燃料電池4aは、自己の運転に要する電力相当だけを発電しており、このときのセル電圧V(上記単セルの電圧)は相対的に高電圧域(0.9〜1.0V)に保たれている。そして、このアイドル運転から出力電力が増加して発電運転に移行すると、燃料電池4aの内部抵抗に起因してセル電圧Vは低下して低電圧域(0.5〜0.8V)に切り換えられる。
ところで、[発明が解決しようとする課題]で述べたように、高速道路等の長い降坂路ではモータ2が発生する回生電力と燃料電池4aの出力電力とを2次電池3が充電しきれない場合があり、特許文献1の技術では、このときに生じるモータ2の回生制動力の低下を回避するために、余剰電力を電力消費手段に消費させて所期のモータ2の回生制御を継続している。しかしながら、このような余剰電力が発生した場合には、発電運転中の燃料電池4aがアイドル運転に切り換えられて出力電力が制限されるため(図2中のAからBを経てCに移行)、燃料極や空気極の触媒層の劣化が進行するという別の問題が生じる。
このような点を鑑みて本発明者は、モータ2の回生制御に起因する触媒層の劣化を抑制するには燃料電池4aに対する出力電力の制限を可能な限り緩和する必要があり、そのためには、特許文献1の技術で回生制動力の確保のために実行した余剰電力の消費を、出力制限の緩和のために応用できることを見出した。以下、この知見の下にモータ回生制御時に実施される燃料電池4aに対する出力制限の緩和処理について説明する。
図3は車両ECU13が実行する出力制限緩和ルーチンであり、車両ECU13は燃料電池4aの運転中に当該ルーチンを所定の制御インターバルで実行する。
今、説明の便宜上、電動車両1が走行中であり、2次電池3の充電或いはモータ2の駆動のために燃料電池4aが発電運転中であるものとする。
まず、ステップS1でアクセルセンサ14により検出されたアクセル開度に基づき、運転者によりアクセル戻し操作が行われたか否かを判定する。このときのアクセル戻し操作は、全閉相当のみならず全閉に至らない途中までの戻し操作も含む。ステップS1の判定がNo(否定)のときには一旦ルーチンを終了し、判定がYes(肯定)のときにはステップS2に移行する。このとき、モータ制御側ではアクセル戻し操作に応じた負側の要求出力が算出され、その要求出力に基づきモータECU10によりモータ2が回生制御されている。
ステップS2では、モータ2が発生している回生電力を検出する。なお、回生電力はアクセル戻し量及び車速等から算出してもよい。続くステップS3では第1バッテリECU11から入力される2次電池3のSOCに基づき受入電力(充電可能な最大電力)を算出し、ステップS4で第2バッテリECU12から入力される充放電装置6のSOCに基づき受入電力(同じく充電可能な最大電力)を算出する。2次電池3や充放電装置6はSOCが増加するほど受入電力を低下させる特性を有するため、それぞれのSOCと受入電力との関係を規定したマップに基づきステップS3,4の算出処理が実行される。
続くステップS5では、次式(1)が成立するか否かを判定する。
Wmot+Wfc≦Wa …… (1)
ここに、Wmotはモータ2の回生電力、Wfcは燃料電池4aの出力電力、Waは2次電池3の受入電力である。
即ち、ステップS5の処理では、モータ2の回生及び燃料電池4aの運転によって電動車両1で発生している全ての電力を2次電池3に充電可能か否かが判別される。式(1)の成立によりYesの判定を下したときにはステップS6に移行し、モータ2の回生電力Wmot及び燃料電池4aの出力電力Wfcを2次電池3に充電した後にルーチンを終了する。
従って、この場合には回生電力Wmot及び出力電力Wfcが全て2次電池3に充電され、燃料電池4aは何ら出力電力Wfcを制限されることなく、例えば図2に示す高電圧域で発電運転を継続して触媒層上での酸化還元反応が防止される。
また、式(1)が成立せずにステップS5でNoの判定を下したときにはステップS7に移行し、次式(2)が成立するか否かを判定する。
Wmot+Wfc≦Wa+Wb …… (2)
ここに、Wbは充放電装置6の受入電力である。
従って、ステップS7の処理では、モータ2の回生及び燃料電池4aの運転による全ての電力を2次電池3と充放電装置6に充電可能か否かが判別される。式(2)の成立によりYesの判定を下したときにはステップS8に移行し、まずモータ2の回生電力Wmot及び燃料電池4aの出力電力Wfcを2次電池3に充電し、続くステップS9で、充電しきれなかった余剰電力を充放電装置6に充電した後にルーチンを終了する。
従って、この場合には回生電力Wmot及び出力電力Wfcの全てが2次電池3及び充放電装置6に充電され、上記と同様に燃料電池4aは発電運転を継続してセル電圧Vが高電圧域に保たれる。即ち、このような状況では従来技術(例えば特許文献1の技術)によれば燃料電池4aの出力電力Wfcが制限されていたが、本実施形態では出力電力Wfcの制限が中止(この出力電力Wfcの制限が中止も、本発明の「出力電力の制限が緩和」に含む)されることになり、発電運転の継続により触媒層上での酸化還元反応が防止される。
2次電池3への充電を優先して実施するのは、以下の知見に基づく。
本実施形態では2次電池3を主たるモータ2の電源として機能させており、電動車両1の走行中に燃料電池4aの出力電力Wfcを充電すると共に、モータ2の回生時には回生電力Wmotも充電して後のモータ2の力行制御に利用している。そして、これらの回生電力Wmot及び出力電力Wfcを2次電池3が充電しきれない場合に、補助的に余剰電力を充電する役割を充放電装置6が果たす。従って、充放電装置6は常に電力を受入可能なように低SOC域に保たれている必要があり、そのために2次電池3への充電を優先しているのである。また、このような観点に基づき、その後にモータ2を力行制御する際には、まず充放電装置6からの放電電力がモータ2に供給され、充放電装置6のSOCが十分に低下した後に2次電池3からの放電電力がモータ2に供給される。
一方、式(2)が成立せずにステップS7でNoの判定を下したときには、ステップS10でモータ2の回生電力Wmot及び燃料電池4aの出力電力Wfcを2次電池3に充電し、続くステップS11で余剰電力を充放電装置6に充電し、それでも充電しきれない余剰電力分だけ燃料電池4aの出力電力Wfcを低下側に設定した後にルーチンを終了する。
このようにして低下側に設定された出力電力Wfcに基づき、FC-ECU9により燃料電池4aの運転状態が制御される。結果として燃料電池4aの出力電力Wfcは制限されるものの、その出力電力Wfcの制限は従来技術に比較して緩和されたものとなる。
即ち、従来技術のように回生電力Wmot及び出力電力Wfcを2次電池3のみに充電した場合に比較して、本実施形態では充放電装置6への余剰電力の充電分だけ燃料電池4aの出力電力Wfcの制限が緩和され、より高い出力電力Wfcに維持される。例えば従来技術では、図2に示す高電圧域までセル電圧Vが増加してアイドル運転に完全に移行する場合であっても、本実施形態によれば、図中に破線で示すようにセル電圧Vの増加が抑制されて高電圧域の手前にとどまることから、燃料電池4aの発電運転が継続されて触媒層上での酸化還元反応が軽減される。
本実施形態では、上記ステップS7〜12の処理を実行するときの車両ECU13が、本発明の電力制限緩和手段として機能する。
以上詳述したように本実施形態の車両用燃料電池4aの電力制御装置によれば、車両走行中のアクセル戻し操作に応じたモータ2の回生制御時に、その回生電力Wmot及び燃料電池4aの出力電力Wfcの全てを2次電池3に充電不能な場合には、余剰電力を充放電装置6に充電した上で、それでも充電しきれない場合に余剰電力分だけ燃料電池4aの出力電力Wfcを制限するようにしている。
従って、全ての電力を2次電池3と充放電装置6に充電可能な場合には、何ら出力電力Wfcを制限することなく高電圧域で燃料電池4aの発電運転を継続できることから、燃料極や空気極の触媒層上での酸化還元反応を防止できる。また、全ての電力を2次電池3と充放電装置6に充電不能な場合であっても、充放電装置6への余剰電力の充電分だけ燃料電池4aの出力電力Wfcの制限を緩和できることから、セル電圧Vの増加を抑制して触媒層上での酸化還元反応を軽減できる。結果として、酸化還元反応に伴う白金凝集・溶出に起因する触媒層の劣化を確実に防止することができる。
そして、従来技術のように燃料電池4aがアイドル運転に移行した場合、セル電圧Vはアイドル運転中には高電圧域を継続し(図2中のC)、その後に発電要求に呼応して低電圧域へと電圧低下するが(図2中のCからDを経てAに移行)、これらのセル電圧Vの変動も触媒層上での酸化還元反応の要因になる。本実施形態によれば、出力電力Wfcの制限の緩和によりセル電圧Vの増加が抑制されるため、これらのセル電圧Vの変動が未然に防止、或いは最小限に抑制され、この点も触媒層上での酸化還元反応を軽減するために間接的に貢献する。
また本実施形態によれば、モータ2の回生電力Wmot及び燃料電池4aの出力電力Wfcと2次電池3及び充放電装置6の受入電力との比較に基づき、2次電池3への充電、充放電装置6への充電、燃料電池4aの出力制限を順次実行している。そして、モータ2の回生電力Wmotはアクセル戻し操作の量及び車速に応じて定まることから、アクセル戻し量が少ないほど或いは電動車両1の車速が低いほどモータ2の回生電力Wmotが少なくなり、回生電力Wmotが少ないほど燃料電池4aの出力電力Wfcを含めた全ての電力を2次電池3及び充放電装置6に充電可能な確率が高まり、結果として燃料電池4aの出力制限がより大きく緩和される。
このため、アクセル戻し操作の量や電動車両1の車速、或いはそれらに基づくモータ2の回生電力Wmotに応じて燃料電池4aの出力制限が最小限に抑制され、触媒層上での酸化還元反応をより一層軽減することができる。特にアクセル戻し操作の量や電動車両1の車速が所定値以下の場合(必然的にモータ2の回生電力Wmotも所定値以下)には、燃料電池4aの出力制限が中止されるため、触媒層上での酸化還元反応を防止することができる。
加えて、燃料電池4aの出力電力Wfcの制限は、充放電装置6にも充電しきれなかった余剰電力分だけの必要最小限になるため、この点も触媒層上での酸化還元反応の軽減に貢献する。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、モータ2の電源である2次電池3に加えてキャパシタ等の充放電装置6を備え、2次電池3で充電不能な余剰電力を充放電装置6に充電したが、これに限るものではない。
例えば充放電装置6を追加することなく、充放電装置6の容量分だけ2次電池3の容量を増加させてもよい(走行用充放電手段、余剰電力充電手段)。また、2次電池3とは別に充放電装置6を備える場合でも、必ずしも放電機能を備える必要はなく2次電池3に充電不能な余剰電力を充電できるものであればよい。よって、電動車両1に搭載されたエアコンや電気温水ヒータ等の電気負荷(余剰電力充電手段)を余剰電力により作動(即ち余剰電力を充電)させてもよい。
2 モータ
3 2次電池(走行用充放電手段)
4a 燃料電池
6 充放電装置(余剰電力充電手段)
13 車両ECU(電力制限緩和手段)

Claims (5)

  1. 燃料電池を運転して発電しつつ走行用動力源として搭載されたモータを力行制御して走行する一方、アクセル戻し操作に応じた前記モータの回生制御時に前記燃料電池の出力電力を制限する電動車両において、
    前記アクセル戻し操作に応じた前記モータの回生制御時に、前記燃料電池の出力電力の制限に伴う電圧増加を抑制すべく前記出力電力の制限を緩和する電力制限緩和手段を備えた
    ことを特徴とする車両用燃料電池の電力制御装置。
  2. 前記電力制限緩和手段は、前記アクセル戻し操作の量が少ないほど前記燃料電池の出力電力の制限をより大きく緩和する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用燃料電池の電力制御装置。
  3. 前記電力制限緩和手段は、前記アクセル戻し操作の量及び前記電動車両の車速から求めた前記モータの回生電力が少ないほど、前記燃料電池の出力電力の制限をより大きく緩和する
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用燃料電池の電力制御装置。
  4. 前記モータの力行制御及び回生制御に応じて充放電する走行用充放電手段とは別に、前記燃料電池の出力電力の制限を緩和することにより生じた余剰電力を充電可能な余剰電力充電手段をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両用燃料電池の電力制御装置。
  5. 前記電力制限緩和手段は、前記余剰電力充電手段に充電できなかった余剰電力分だけ前記燃料電池の出力電力を制限する
    ことを特徴とする請求項4に記載の車両用燃料電池の電力制御装置。
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