JP2017224538A - 電気デバイス用負極活物質、およびこれを用いた電気デバイス - Google Patents

電気デバイス用負極活物質、およびこれを用いた電気デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池等の電気デバイスのサイクル耐久性を向上させうる手段を提供する。【解決手段】Si−Sn−Tiからなる三元系の合金組成を有し、X線回折測定において、C54構造を有するTiSi2の(311)面の回折ピーク強度Xに対する、C49構造を有するTiSi2の(131)面の回折ピーク強度Yの比の値(Y/X)が、0.5以上であり、Siの(111)面の回折ピーク強度Zに対する、回折ピーク強度Yの比の値(Y/Z)が、0.6以上であるケイ素含有合金からなる負極活物質を電気デバイスに用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、電気デバイス用負極活物質、およびこれを用いた電気デバイスに関する。本発明の電気デバイス用負極活物質およびこれを用いた電気デバイスは、例えば、二次電池やキャパシタ等として電気自動車、燃料電池車およびハイブリッド電気自動車等の車両のモータ等の駆動用電源や補助電源に用いられる。
近年、大気汚染や地球温暖化に対処するため、二酸化炭素量の低減が切に望まれている。自動車業界では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)の導入による二酸化炭素排出量の低減に期待が集まっており、これらの実用化の鍵を握るモータ駆動用二次電池などの電気デバイスの開発が盛んに行われている。
モータ駆動用二次電池としては、携帯電話やノートパソコン等に使用される民生用リチウムイオン二次電池と比較して極めて高い出力特性、および高いエネルギーを有することが求められている。したがって、全ての電池の中で最も高い理論エネルギーを有するリチウムイオン二次電池が注目を集めており、現在急速に開発が進められている。
リチウムイオン二次電池は、一般に、バインダを用いて正極活物質等を正極集電体の両面に塗布した正極と、バインダを用いて負極活物質等を負極集電体の両面に塗布した負極とが、電解質層を介して接続され、電池ケースに収納される構成を有している。
従来、リチウムイオン二次電池の負極には充放電サイクルの寿命やコスト面で有利な炭素・黒鉛系材料が用いられてきた。しかし、炭素・黒鉛系の負極材料ではリチウムイオンの黒鉛結晶中への吸蔵・放出により充放電がなされるため、最大リチウム導入化合物であるLiCから得られる理論容量372mAh/g以上の充放電容量が得られないという欠点がある。このため、炭素・黒鉛系負極材料で車両用途の実用化レベルを満足する容量、エネルギー密度を得るのは困難である。
これに対し、負極にLiと合金化する材料を用いた電池は、従来の炭素・黒鉛系負極材料と比較しエネルギー密度が向上するため、車両用途における負極材料として期待されている。例えば、Si材料は、充放電において下記の反応式(A)のように1molあたり3.75molのリチウムイオンを吸蔵放出し、Li15Si(=Li3.75Si)においては理論容量3600mAh/gである。
しかしながら、負極にLiと合金化する材料を用いたリチウムイオン二次電池は、充放電時の負極での膨張収縮が大きい。例えば、Liイオンを吸蔵した場合の体積膨張は、黒鉛材料では約1.2倍であるのに対し、Si材料ではSiとLiが合金化する際、アモルファス状態から結晶状態へ転移し大きな体積変化(約4倍)を起こすため、電極のサイクル寿命を低下させる問題があった。また、Si系負極活物質の場合、容量とサイクル耐久性とはトレードオフの関係であり、高容量を示しつつサイクル耐久性を向上させることが困難であるといった問題があった。
ここで、特許文献1では、高容量で、かつサイクル寿命に優れた負極ペレットを有する非水電解質二次電池を提供することを課題とした発明が開示されている。具体的には、ケイ素粉末とチタン粉末とをメカニカルアロイング法により混合し、湿式粉砕して得られるケイ素含有合金であって、ケイ素を主体とする第1相とチタンのケイ化物(TiSiなど)を含む第2相とを含むものを負極活物質として用いることが開示されている。この際、これらの2つの相の少なくとも一方を非晶質または低結晶性とすることも開示されている。
国際公開第2006/129415号パンフレット
本発明者らの検討によれば、上記特許文献1に記載の負極ペレットを用いたリチウムイオン二次電池等の電気デバイスでは、良好なサイクル耐久性を示すことができるとされているにもかかわらず、サイクル耐久性が十分ではない場合があることが判明した。
そこで本発明は、リチウムイオン二次電池等の電気デバイスのサイクル耐久性を向上させうる手段を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意研究を行った。その結果、Si−Sn−Tiからなる三元系の合金組成を有し、X線回折測定で観測される特定の3つの回折ピークの強度が所定の関係を有するケイ素含有合金を電気デバイス用の負極活物質として用いることで上記課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、ケイ素含有合金からなる電気デバイス用負極活物質に関する。当該ケイ素含有合金は、下記化学式(I):
(上記化学式(I)において、
Aは、不可避不純物であり、
x、y、z、およびaは、質量%の値を表し、この際、0<x<100、0<y<100、0<z<100、および0≦a<0.5であり、x+y+z+a=100である。)
で表される組成を有する。そして、ケイ素含有合金のCuKα1線を用いたX線回折(XRD)測定において、2θ=38〜40°の範囲におけるC54構造を有するTiSiの(311)面の回折ピーク強度Xに対する、2θ=40〜41°の範囲におけるC49構造を有するTiSiの(131)面の回折ピーク強度Yの比の値(Y/X)が、0.5以上である点に特徴を有する。さらに、2θ=28〜30°の範囲におけるSiの(111)面の回折ピーク強度Zに対する、回折ピーク強度Yの比の値(Y/Z)が、0.6以上である点にも特徴を有する。
本発明の電気デバイス用負極活物質によれば、リチウムイオン二次電池等の電気デバイスのサイクル耐久性を向上させることができる。
図1は、本発明に係る電気デバイスの代表的な一実施形態である積層型の扁平な非双極型リチウムイオン二次電池の概要を模式的に表した断面概略図である。 図2は、本発明に係る電気デバイスの代表的な実施形態である積層型の扁平なリチウムイオン二次電池の外観を模式的に表した斜視図である。 図3は、X線回折スペクトルにおいて、回折ピーク強度の求め方を説明するための図である。 図4は、実施例1で得られたケイ素含有合金(負極活物質)のX線回折スペクトルである。 図5は、実施例2で得られたケイ素含有合金(負極活物質)のX線回折スペクトルである。 図6は、実施例3で得られたケイ素含有合金(負極活物質)のX線回折スペクトルである。 図7は、実施例4で得られたケイ素含有合金(負極活物質)のX線回折スペクトルである。 図8は、実施例5で得られたケイ素含有合金(負極活物質)のX線回折スペクトルである。 図9は、比較例1で得られたケイ素含有合金(負極活物質)のX線回折スペクトルである。 図10は、比較例2で得られたケイ素含有合金(負極活物質)のX線回折スペクトルである。
以下、図面を参照しながら、本発明の電気デバイス用負極活物質およびこれを用いてなる電気デバイスの実施形態を説明する。但し、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、以下の形態のみには制限されない。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
以下、本発明の電気デバイス用負極活物質が適用されうる電気デバイスの基本的な構成を、図面を用いて説明する。本実施形態では、電気デバイスとしてリチウムイオン二次電池を例示して説明する。
まず、本発明に係る電気デバイス用負極活物質を含む負極の代表的な一実施形態であるリチウムイオン二次電池用の負極およびこれを用いてなるリチウムイオン二次電池では、セル(単電池層)の電圧が大きく、高エネルギー密度、高出力密度が達成できる。そのため本実施形態のリチウムイオン二次電池用の負極活物質を用いてなるリチウムイオン二次電池では、車両の駆動電源用や補助電源用として優れている。その結果、車両の駆動電源用等のリチウムイオン二次電池として好適に利用できる。このほかにも、携帯電話などの携帯機器向けのリチウムイオン二次電池にも十分に適用可能である。
すなわち、本実施形態の対象となるリチウムイオン二次電池は、以下に説明する本実施形態のリチウムイオン二次電池用の負極活物質を用いてなるものであればよく、他の構成要件に関しては、特に制限されるべきものではない。
例えば、上記リチウムイオン二次電池を形態・構造で区別した場合には、積層型(扁平型)電池、巻回型(円筒型)電池など、従来公知のいずれの形態・構造にも適用し得るものである。積層型(扁平型)電池構造を採用することで簡単な熱圧着などのシール技術により長期信頼性を確保でき、コスト面や作業性の点では有利である。
また、リチウムイオン二次電池内の電気的な接続形態(電極構造)で見た場合、非双極型(内部並列接続タイプ)電池および双極型(内部直列接続タイプ)電池のいずれにも適用し得るものである。
リチウムイオン二次電池内の電解質層の種類で区別した場合には、電解質層に非水系の電解液等の溶液電解質を用いた溶液電解質型電池、電解質層に高分子電解質を用いたポリマー電池など従来公知のいずれの電解質層のタイプにも適用し得るものである。該ポリマー電池は、さらに高分子ゲル電解質(単にゲル電解質ともいう)を用いたゲル電解質型電池、高分子固体電解質(単にポリマー電解質ともいう)を用いた固体高分子(全固体)型電池に分けられる。
したがって、以下の説明では、本実施形態のリチウムイオン二次電池用の負極活物質を用いてなる非双極型(内部並列接続タイプ)リチウムイオン二次電池につき図面を用いてごく簡単に説明する。但し、本実施形態のリチウムイオン二次電池の技術的範囲が、これらに制限されるべきものではない。
<電池の全体構造>
図1は、本発明の電気デバイスの代表的な一実施形態である、扁平型(積層型)のリチウムイオン二次電池(以下、単に「積層型電池」ともいう)の全体構造を模式的に表した断面概略図である。
図1に示すように、本実施形態の積層型電池10は、実際に充放電反応が進行する略矩形の発電要素21が、外装体であるラミネートシート29の内部に封止された構造を有する。ここで、発電要素21は、正極集電体12の両面に正極活物質層15が配置された正極と、電解質層17と、負極集電体11の両面に負極活物質層13が配置された負極とを積層した構成を有している。具体的には、1つの正極活物質層15とこれに隣接する負極活物質層13とが、電解質層17を介して対向するようにして、負極、電解質層および正極がこの順に積層されている。
これにより、隣接する正極、電解質層、および負極は、1つの単電池層19を構成する。したがって、図1に示す積層型電池10は、単電池層19が複数積層されることで、電気的に並列接続されてなる構成を有するともいえる。なお、発電要素21の両最外層に位置する最外層の正極集電体には、いずれも片面のみに正極活物質層15が配置されているが、両面に活物質層が設けられてもよい。すなわち、片面にのみ活物質層を設けた最外層専用の集電体とするのではなく、両面に活物質層がある集電体をそのまま最外層の集電体として用いてもよい。また、図1とは正極および負極の配置を逆にすることで、発電要素21の両最外層に最外層の負極集電体が位置するようにし、該最外層の負極集電体の片面または両面に負極活物質層が配置されているようにしてもよい。
正極集電体12および負極集電体11は、各電極(正極および負極)と導通される正極集電板27および負極集電板25がそれぞれ取り付けられ、ラミネートシート29の端部に挟まれるようにしてラミネートシート29の外部に導出される構造を有している。正極集電板27および負極集電板25は、それぞれ必要に応じて正極リードおよび負極リード(図示せず)を介して、各電極の正極集電体12および負極集電体11に超音波溶接や抵抗溶接等により取り付けられていてもよい。
上記で説明したリチウムイオン二次電池は、負極に特徴を有する。以下、当該負極を含めた電池の主要な構成部材について説明する。
<活物質層>
活物質層13または15は活物質を含み、必要に応じてその他の添加剤をさらに含む。
[正極活物質層]
正極活物質層15は、正極活物質を含む。
(正極活物質)
正極活物質としては、例えば、LiMn、LiCoO、LiNiO、Li(Ni−Mn−Co)Oおよびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの等のリチウム−遷移金属複合酸化物、リチウム−遷移金属リン酸化合物、リチウム−遷移金属硫酸化合物などが挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、リチウム−遷移金属複合酸化物が、正極活物質として用いられる。より好ましくはリチウムとニッケルとを含有する複合酸化物が用いられ、さらに好ましくはLi(Ni−Mn−Co)Oおよびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの(以下、単に「NMC複合酸化物」とも称する)が用いられる。NMC複合酸化物は、リチウム原子層と遷移金属(Mn、NiおよびCoが秩序正しく配置)原子層とが酸素原子層を介して交互に積み重なった層状結晶構造を持ち、遷移金属Mの1原子あたり1個のLi原子が含まれ、取り出せるLi量が、スピネル系リチウムマンガン酸化物の2倍、つまり供給能力が2倍になり、高い容量を持つことができる。
NMC複合酸化物は、上述したように、遷移金属元素の一部が他の金属元素により置換されている複合酸化物も含む。その場合の他の元素としては、Ti、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、Sr、Cr、Fe、B、Ga、In、Si、Mo、Y、Sn、V、Cu、Ag、Znなどが挙げられ、好ましくは、Ti、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、Sr、Crであり、より好ましくは、Ti、Zr、P、Al、Mg、Crであり、サイクル特性向上の観点から、さらに好ましくは、Ti、Zr、Al、Mg、Crである。
NMC複合酸化物は、理論放電容量が高いことから、好ましくは、一般式(1):LiNiMnCo(但し、式中、a、b、c、d、xは、0.9≦a≦1.2、0<b<1、0<c≦0.5、0<d≦0.5、0≦x≦0.3、b+c+d=1を満たす。MはTi、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、Sr、Crから選ばれる元素で少なくとも1種類である)で表される組成を有する。ここで、aは、Liの原子比を表し、bは、Niの原子比を表し、cは、Mnの原子比を表し、dは、Coの原子比を表し、xは、Mの原子比を表す。サイクル特性の観点からは、一般式(1)において、0.4≦b≦0.6であることが好ましい。なお、各元素の組成は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)発光分析法により測定できる。
一般に、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)およびマンガン(Mn)は、材料の純度向上および電子伝導性向上という観点から、容量および出力特性に寄与することが知られている。Ti等は、結晶格子中の遷移金属を一部置換するものである。サイクル特性の観点からは、遷移元素の一部が他の金属元素により置換されていることが好ましく、特に一般式(1)において0<x≦0.3であることが好ましい。Ti、Zr、Nb、W、P、Al、Mg、V、Ca、SrおよびCrからなる群から選ばれる少なくとも1種が固溶することにより結晶構造が安定化されるため、その結果、充放電を繰り返しても電池の容量低下が防止でき、優れたサイクル特性が実現し得ると考えられる。
より好ましい実施形態としては、一般式(1)において、b、cおよびdが、0.44≦b≦0.51、0.27≦c≦0.31、0.19≦d≦0.26であることが、容量と寿命特性とのバランスを向上させるという観点からは好ましい。例えば、LiNi0.5Mn0.3Co0.2は、一般的な民生電池で実績のあるLiCoO、LiMn、LiNi1/3Mn1/3Co1/3などと比較して、単位重量あたりの容量が大きく、エネルギー密度の向上が可能となることでコンパクトかつ高容量の電池を作製できるという利点を有しており、航続距離の観点からも好ましい。なお、より容量が大きいという点ではLiNi0.8Co0.1Al0.1がより有利であるが、寿命特性に難がある。これに対し、LiNi0.5Mn0.3Co0.2はLiNi1/3Mn1/3Co1/3並みに優れた寿命特性を有しているのである。
場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、リチウム−遷移金属複合酸化物が、正極活物質として用いられる。なお、上記以外の正極活物質が用いられてもよいことは勿論である。
正極活物質層15に含まれる正極活物質の平均粒子径は特に制限されないが、高出力化の観点からは、好ましくは1〜30μmであり、より好ましくは5〜20μmである。なお、本明細書において、「粒子径」とは、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などの観察手段を用いて観察される活物質粒子(観察面)の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離を意味する。また、本明細書において、「平均粒子径」の値は、特記しない限り、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)などの観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。他の構成成分の粒子径や平均粒子径も同様に定義することができる。
正極活物質層15は、バインダを含みうる。
(バインダ)
バインダは、活物質同士または活物質と集電体とを結着させて電極構造を維持する目的で添加される。正極活物質層に用いられるバインダとしては、特に限定されないが、例えば、以下の材料が挙げられる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物などの熱可塑性高分子、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴム、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、スチレン・ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアミドイミドであることがより好ましい。これらの好適なバインダは、耐熱性に優れ、さらに電位窓が非常に広く正極電位、負極電位双方に安定であり活物質層に使用が可能となる。これらのバインダは、1種単独で用いてもよいし、2種併用してもよい。
正極活物質層中に含まれるバインダ量は、活物質を結着することができる量であれば特に限定されるものではないが、好ましくは活物質層に対して、0.5〜15質量%であり、より好ましくは1〜10質量%である。
正極(正極活物質層)は、通常のスラリーを塗布(コーティング)する方法のほか、混練法、スパッタ法、蒸着法、CVD法、PVD法、イオンプレーティング法および溶射法のいずれかの方法によって形成することができる。
[負極活物質層]
負極活物質層13は、負極活物質を含む。
(負極活物質)
本実施形態において、負極活物質は、Si−Sn−Tiからなる三元系の合金組成を有し、X線回折測定で観測される特定の3つの回折ピークの強度が所定の関係を有するケイ素含有合金からなるものである。
〈ケイ素含有合金の組成〉
上述したように、本実施形態における負極活物質を構成するケイ素含有合金は、まず、Si−Sn−Tiからなる三元系の合金組成を有している。より具体的に、本実施形態における負極活物質を構成するケイ素含有合金は、下記化学式(I)で表される組成を有するものである。
上記化学式(I)において、Aは、不可避不純物であり、x、y、z、およびaは、質量%の値を表し、この際、0<x<100、0<y<100、0<z<100、および0≦a<0.5であり、x+y+z+a=100である。
上記化学式(I)から明らかなように、本実施形態に係るケイ素含有合金(SiSnTiの組成を有するもの)は、Si、SnおよびTiの三元系である。ケイ素含有合金への添加元素としてTiを含むことにより、Li合金化の際に、アモルファス−結晶の相転移を抑制し、高いサイクル耐久性の実現が可能となる。また、これによって、従来の負極活物質(例えば、炭素系負極活物質)よりも高容量のものとなる。
ここで、Si系負極活物質では、充電時にSiとLiとが合金化する際、Si相がアモルファス状態から結晶状態へと転移して大きな体積変化(約4倍)を起こす。その結果、活物質粒子自体が壊れてしまい、活物質としての機能が失われてしまうという問題がある。このため、充電時におけるSi相のアモルファス−結晶の相転移を抑制することで粒子自体の崩壊を抑制することができ、活物質としての機能(高容量)が保持され、サイクル寿命も向上させることができる。
なお、本明細書において「不可避不純物」とは、ケイ素含有合金において、原料中に存在したり、製造工程において不可避的に混入したりするものを意味する。当該不可避不純物は、本来は不要なものであるが、微量であり、ケイ素含有合金の特性に影響を及ぼさないため、許容されている不純物である。
上述したように、本実施形態に係るケイ素含有合金(SiSnTiの組成を有するもの)は、Si、SnおよびTiの三元系である。ここで、各構成元素の構成比(質量比x、y、z)の合計は100質量%であるが、x、y、zのそれぞれの値について特に制限はない。ただし、xについては、充放電(Liイオンの挿入脱離)に対する耐久性の保持および初期容量のバランスという観点から、好ましくは60≦x≦73であり、より好ましくは60≦x≦70であり、さらに好ましくは60≦x≦66であり、特に好ましくは63≦x≦66である。また、yについては、Si相中に固溶し、Si相中のSi正四面体間距離を増大させることにより、充放電時のLiイオンの可逆的な挿入脱離を可能にするという観点から、好ましくは2≦y≦15であり、より好ましくは2≦y≦10であり、さらに好ましくは4≦y≦10であり、特に好ましくは4≦y≦7である。そして、zについては、xと同様に充放電(Liイオンの挿入脱離)に対する耐久性の保持および初期容量のバランスという観点から、好ましくは25≦z≦35であり、より好ましくは27≦z≦33であり、さらに好ましくは28≦z≦30である。このように、Siを主成分としつつ、Tiを比較的多めに含ませ、かつ、Snについてもある程度含ませることで、本実施形態に係るケイ素含有合金のX線回折測定で観測される特定の3つの回折ピークの強度が所定の関係を有しやすくなる。ただし、上述した各構成元素の構成比の数値範囲はあくまでも好ましい実施形態を説明するものに過ぎず、特許請求の範囲に含まれている限り、本発明の技術的範囲内のものである。
なお、Aは上述のように、原料や製法に由来する上記3成分以外の不純物(不可避不純物)である。前記aは、0≦a<0.5であり、0≦a<0.1であることが好ましい。負極活物質(ケイ素含有合金)が上記化学式(I)の組成を有するか否かは、蛍光X線分析(XRF)による定性分析、および誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法による定量分析により確認することが可能である。
〈ケイ素含有合金の微細組織構造〉
本実施形態における負極活物質を構成するケイ素含有合金は、TiSiを含むシリサイド相の母相中に、ケイ素の結晶構造の内部にスズが固溶してなる非晶質または低結晶性ケイ素を主成分とする相(以下、「非晶質または低結晶性ケイ素を主成分とする相」をa−Si相とも称する)が分散されてなる構造を有することが好ましい。すなわち、連続相としてのシリサイド相からなる海の中に、分散相としてのa−Si相からなる島が分散しているいわゆる海島構造を有することが、本実施形態に係るケイ素含有合金の好ましい特徴の1つである。このような構造を有することで、負極活物質(ケイ素含有合金)の電子伝導性をよりいっそう向上させることができ、しかもa−Si相の膨張時の応力を緩和して活物質の割れを防止することができる。なお、ケイ素含有合金がこのような微細組織構造を有しているか否かは、例えば、後述する実施例の欄において説明するように、ケイ素含有合金を高角度環状暗視野走査透過型電子顕微鏡(HAADF−STEM)を用いて観察した後、観察画像と同じ視野についてEDX(エネルギー分散型X線分光法)により元素強度マッピングを行うことにより確認することができる。
〈a−Si相〉
ここで、本実施形態に係るケイ素含有合金において、a−Si相は、非晶質または低結晶性のケイ素を含む相である。このa−Si相は、本実施形態の電気デバイス(リチウムイオン二次電池)の作動時にリチウムイオンの吸蔵・放出に関与する相であり、電気化学的にリチウムと反応可能(すなわち、重量あたりおよび体積あたりに多量のリチウムを吸蔵・放出することが可能)な相である。また、a−Si相を構成するケイ素の結晶構造の内部にはスズが固溶していることが好ましい。さらに、ケイ素は電子伝導性に乏しいことから、a−Si相にはリンやホウ素などの微量の添加元素や遷移金属などが含まれていてもよい。
このa−Si相は、後述するシリサイド相よりもアモルファス化していることが好ましい。かような構成とすることにより、負極活物質(ケイ素含有合金)をより高容量なものとすることができる。なお、a−Si相がシリサイド相よりもアモルファス化しているか否かは、高角度環状暗視野走査透過型電子顕微鏡(HAADF−STEM)を用いたa−Si相およびシリサイド相のそれぞれの観察画像を高速フーリエ変換(FFT)して得られる回折図形から判定することができる。すなわち、この回折図形に示される回折パターンは、単結晶相については二次元点配列のネットパターン(格子状のスポット)を示し、多結晶相についてはデバイシェラーリング(回折環)を示し、非晶質相についてはハローパターンを示す。これを利用することで、上記の確認が可能となる。本実施形態において、a−Si相は、非晶質または低結晶性であればよいが、より高いサイクル耐久性を実現するという観点から、a−Si相は、非晶質のものであることが好ましい。
なお、本実施形態に係るケイ素含有合金はスズを必須に含むが、スズはケイ素との間でシリサイドを形成しない元素であることから、シリサイド相ではなくa−Si相に存在することになる。そしてスズの含有量が少ない場合には全てのスズ元素はa−Si相においてケイ素の結晶構造の内部に固溶して存在する。一方、スズの含有量が多くなると、a−Si相のケイ素中に固溶しきれなくなったスズ元素は凝集してスズ単体の結晶相として存在する。本実施形態において、このようなスズ単体の結晶相は存在しないことが好ましい。
〈シリサイド相〉
一方、上述した海島構造の海(連続相)を構成するシリサイド相は、TiSiを主成分とする結晶相である。このシリサイド相は、TiSiを含むことでa−Si相との親和性に優れ、特に充電時の体積膨張における結晶界面での割れを抑制することができる。さらに、シリサイド相はa−Si相と比較して電子伝導性および硬度の観点で優れている。このように、シリサイド相はa−Si相の低い電子伝導性を改善し、かつ膨張時の応力に対して活物質の形状を維持する役割をも担っている。本実施形態においては、このような特性を有するシリサイド相が海島構造の海(連続相)を構成することで、負極活物質(ケイ素含有合金)の電子伝導性をよりいっそう向上させることができ、しかもa−Si相の膨張時の応力を緩和して活物質の割れを防止することができ、サイクル耐久性の向上に寄与しているものと考えられる。
〈ケイ素含有合金のX線回折測定で観測される回折ピーク〉
上述したように、本実施形態における負極活物質を構成するケイ素含有合金は、X線回折測定で観測される特定の3つの回折ピークの強度が所定の関係を有する点にも特徴がある。すなわち、ケイ素含有合金のCuKα1線を用いたX線回折(XRD)測定において、2θ=38〜40°の範囲におけるC54構造を有するTiSiの(311)面の回折ピーク強度Xに対する、2θ=40〜41°の範囲におけるC49構造を有するTiSiの(131)面の回折ピーク強度Yの比の値(Y/X)が、0.5以上であり、2θ=28〜30°の範囲におけるSiの(111)面の回折ピーク強度Zに対する、前記回折ピーク強度Yの比の値(Y/Z)が、0.6以上である点に特徴を有する。
ここで、チタンのダイシリサイド(TiSi)について説明する。TiSiには、C49構造およびC54構造という2種類の結晶構造が存在する。C49構造は抵抗率が60μΩ・cm程度と高抵抗率を示す準安定相であり、底心−斜方晶系の構造である。一方、C54構造は抵抗率が15〜20μΩ・cm程度と低抵抗率の安定相であり、面心−斜方晶系の構造である。また、C49構造を有するTiSiは400℃程度の低温で形成され、C54構造を有するTiSiは800℃程度の高温で形成される。後述するように、本実施形態に係るケイ素含有合金は、ケイ素含有合金と同一の組成を有する母合金を用いた液体急冷凝固法により製造することができる。実施例で示されるように、当該製造方法において、合金の冷却速度を大きくすると、C54構造を有するTiSiに対して、C49構造を有するTiSiの割合が大きくなる。これは、C49構造とC54構造との形成温度の差によるものと考えられる。
なお、本明細書において、上記回折ピークの強度比を算出するためのX線回折測定は、後述する実施例の欄に記載の手法を用いて行うものとする。
次に、本明細書における回折ピーク強度の求め方について説明する。例えば、2θ=38〜40°の範囲におけるC54構造を有するTiSiの(311)面の回折ピーク強度Xは、以下のようにして求めることができる(図3を参照)。
まず、X線回折測定により得られた回折スペクトルにおいて、2θ=38°(図3において2θ=P)における垂線と回折スペクトルとが交わる点をAとする。同様に、2θ=40°(図3において2θ=Q)における垂線とX線路回折スペクトルとが交わる点をBとする。ここで、線分ABをベースラインとし、C54構造を有するTiSiの(311)面の回折ピークにおける垂線と当該ベースラインとが交わる点をCとする。そして、C54構造を有するTiSiの(311)面の回折ピークの頂点Dと点Cとを結ぶ線分CDの長さとして、C54構造を有するTiSiの(311)面の回折ピーク強度Xを求めることができる。
2θ=40〜41°の範囲におけるC49構造を有するTiSiの(131)面の回折ピーク強度Yおよび2θ=28〜30°の範囲におけるSiの(111)面の回折ピーク強度Zについても上記のピーク強度Xと同様の方法で求めることができる。
本実施形態に係る負極活物質を構成するケイ素含有合金のX線回折測定において、2θ=38〜40°の範囲におけるC54構造を有するTiSiの(311)面の回折ピーク強度Xに対する、2θ=40〜41°の範囲におけるC49構造を有するTiSiの(131)面の回折ピーク強度Yの比の値(Y/X)は、0.5以上であることを必須とする。当該比の値(Y/X)は、好ましくは1.2以上であり、より好ましくは1.4以上であり、さらに好ましくは1.7以上であり、特に好ましくは2.8以上であり、最も好ましくは2.9以上である。当該比の値(Y/X)が0.5以上であると、リチウムイオン二次電池等の電気デバイスのサイクル耐久性を向上させることができる。なお、上記比の値(Y/X)の上限は、特に制限されないが、電子伝導性の観点から、好ましくは15以下である。
上記比の値(Y/X)を0.5以上に制御する方法は、特に制限されないが、ケイ素含有合金の合金組成や、後述の液体急冷凝固法を用いたケイ素含有合金の製造方法において合金の冷却速度(冷却条件)を適宜設定することにより調整することができる。例えば、合金組成については、Siに対するTiの配合量を多くすると、初晶として晶出するTiSiの量に比べ、Siとの共晶として晶出するTiSiの量が多くなるため、上記比の値(Y/X)が大きくなる傾向がある。また、液体急冷凝固法において、合金の冷却速度を大きくすると、高温(約800℃)で形成されるC54構造を有するTiSiに対し、低温(約400℃)で形成されるC49構造を有するTiSiの割合が増加するため、上記比の値(Y/X)が大きくなる傾向がある。
また、本実施形態に係るケイ素含有合金のX線回折測定において、2θ=28〜30°の範囲におけるSiの(111)面の回折ピーク強度Zに対する、上記回折ピーク強度Yの比の値(Y/Z)は、0.6以上であることを必須とする。当該比の値(Y/Z)は、好ましくは0.9以上であり、より好ましくは1.3以上であり、さらに好ましくは1.4以上であり、特に好ましくは1.6以上である。当該比の値(Y/Z)が0.6以上であると、リチウムイオン二次電池等の電気デバイスのサイクル耐久性を向上させることができる。なお、上記比の値(Y/Z)の上限は、特に制限されないが、充放電容量の観点から、好ましくは10以下である。
上記比の値(Y/Z)を0.6以上に制御する方法は、特に制限されないが、ケイ素含有合金の合金組成や、後述の液体急冷凝固法を用いたケイ素含有合金の製造方法において合金の冷却速度(冷却条件)を適宜設定することにより調整することができる。例えば、合金組成については、Siに対するTiの配合量を多くすると、シリサイドの生成量が多くなるため、上記比の値(Y/Z)が大きくなる傾向がある。また、液体急冷凝固法において、合金の冷却速度を大きくすると、高温(約800℃)で形成されるC54構造を有するTiSiに対し、より低温(約400℃)で形成されるC49構造を有するTiSiの割合が増加する。また、Siの結晶が十分に成長しなくなるため、結晶性Siの割合が減少しうる。その結果、上記比の値(Y/Z)が大きくなる傾向がある。
上述したように、本実施形態に置いて、X線回折測定で観測される特定の3つの回折ピークの強度が所定の関係を有するケイ素含有合金からなる負極活物質を用いることにより、電気デバイスのサイクル耐久性が向上するメカニズムは不明であるが、本発明者らは以下のように推測している。すなわち、本実施形態に係るケイ素含有合金は、後述する液体急冷凝固法を用いた製造方法により製造されうるが、合金の冷却速度を大きくするにつれ、C54構造を有するTiSiに対して、C49構造を有するTiSiの割合が大きくなる。C49構造を有するTiSiが十分に晶出する程の冷却速度で合金を冷却すると、TiSiおよび/またはSiを含む結晶が十分に成長することができず、得られるケイ素含有合金の構造中の結晶のサイズが小さくなると考えられる。このように、結晶サイズが小さくなることによって、充放電時におけるリチウムイオンの可逆的な挿入・脱離反応に伴うa−Si相の膨張・収縮の絶対的な変化量が小さくなる。その結果、本実施形態に係る負極活物質(ケイ素含有合金)によれば、リチウムイオン二次電池等の電気デバイスのサイクル耐久性の向上がもたらされると考えられる。ただし、上記のメカニズムはあくまでも推測であり、本発明が上記メカニズムによって限定的に解釈されるべきではない。
本実施形態における負極活物質を構成するケイ素含有合金の粒子径は特に制限されないが、平均粒子径D50として、好ましくは0.1〜20μmであり、より好ましくは0.2〜10μmである。
(負極活物質の製造方法)
本実施形態に係る電気デバイス用負極活物質の製造方法については、特に制限はなく、従来公知の知見が適宜参照されうるが、本発明では、X線回折測定で観測される特定の3つの回折ピークの強度が所定の関係を有するケイ素含有合金からなる負極活物質の製造方法の一例として、以下のように液体急冷凝固法を用いて薄帯状合金(急冷薄帯合金)を作製することを有する製造方法が提供される。すなわち、本発明の他の形態によれば、上記化学式(I)で表される組成を有するケイ素含有合金からなる電気デバイス用負極活物質の製造方法であって、前記ケイ素含有合金と同一の組成を有する母合金を用いた液体急冷凝固法により薄帯状合金を作製し、当該薄帯状合金に対して粉砕処理を施して前記ケイ素含有合金からなる電気デバイス用負極活物質を得る、電気デバイス用負極活物質の製造方法もまた、提供される。このように、液体急冷凝固法を実施して負極活物質(ケイ素含有合金)を製造することで、上述したX線回折測定で観測される特定の3つの回折ピークの強度が所定の関係を有する合金を製造することが可能となる。これによりサイクル耐久性の向上に有効に寄与し得る負極活物質の製造方法が提供されるのである。以下、本形態に係る製造方法について、工程ごとに説明する。
〈液体急冷凝固法(薄帯状合金の作製工程)〉
まず、所望のケイ素含有合金と同一の組成を有する母合金を用いて液体急冷凝固法を実施する。これにより、薄帯状合金(急冷薄帯合金)を作製する。
ここで、母合金を得るために、原料として、ケイ素(Si)、スズ(Sn)、チタン(Ti)のそれぞれについて、高純度の原料(単体のインゴット、ワイヤ、板など)を準備する。続いて、最終的に製造したいケイ素含有合金(負極活物質)の組成を考慮して、アーク溶解法などの公知の手法により、インゴット等の形態の母合金を作製する。
その後、上記で得られた母合金を用いて液体急冷凝固法を実施する。この工程は、上記で得られた母合金を溶融させた溶融物を急冷して凝固させる工程であり、例えば、高周波誘導溶解−液体急冷凝固法(双ロールまたは単ロール急冷法)によって実施することができる。これにより、薄帯状合金(急冷薄帯合金)が得られる。なお、液体急冷凝固法は非晶質合金の作製法としてよく使われており、その手法自体に関する知見は多く存在する。なお、液体急冷凝固法は、市販の液体急冷凝固装置(例えば、日新技研株式会社製の液体急冷凝固装置NEV−A05型)を用いて実施することができる。
詳しくは、日新技研株式会社製の液体急冷凝固装置NEV−A05型を用いて、Ar置換の上、ゲージ圧を減圧したチャンバー内に設置した噴射ノズル付きの溶融装置(例えば、石英ノズル)中に、上記母合金を入れ、適用な溶融手段(例えば、高周波誘導加熱)により所定温度域で溶解した後、所定の噴射圧にて、所定の回転数の金属製ないしセラミックス製(特に熱伝導性に優れたCu製)ロール上に噴射することで、ロール上から水平に連続的して形成される薄帯状合金(急冷薄帯合金)を作製することができる。
この際、また、チャンバー内の雰囲気は、不活性ガス(Heガス、Neガス、Arガス、Nガス等)に置換するのが望ましい。不活性ガスで置換後、チャンバー内のゲージ圧は、−0.03〜−0.07MPa(絶対圧で0.03〜0.07MPa)の範囲に調整するのが望ましい。
また、噴射ノズル付きの溶融装置内における母合金の溶融温度は、合金の融点以上であればよい。また、溶融手段としては、高周波誘導加熱など従来公知の溶融手段を用いることができる。
また、噴射ノズル付きの溶融装置のノズルからの母合金の噴射圧は、ゲージ圧で0.03〜0.09MPaの範囲に調整するのが望ましい。上記噴射圧は、従来公知の手法により調節することができる。また、チャンバー内圧と噴射圧との差圧は0.06〜0.16MPaの範囲に調整するのが望ましい。
また、母合金を噴射する際のロールの回転数および周速度は、4000〜6000rpm(周速として40〜65m/秒)の範囲に調整するのが望ましい。
更に、溶融装置のノズルからロール上に溶融した母合金を噴射して合金を冷却する際の合金の冷却速度は、好ましくは100万℃/秒以上であり、より好ましくは160万℃/秒以上であり、さらに好ましくは200万℃/秒以上であり、特に好ましくは300万℃/秒以上、最も好ましくは500万℃/秒以上である。なお、合金の冷却速度は、高速度赤外線カメラを用いて測定することができる。このように、冷却速度を大きくするには、(1)ロールの回転数を大きくする;(2)母合金の溶湯温度を高くしたり、噴射圧を調節したりすることにより、ロールと溶湯と濡れ性を向上させる;といった方法により薄帯状合金(急冷薄帯合金)の厚さがより薄くなるように調整すればよい。
〈粉砕工程〉
この後、上記で得られた薄帯状合金(急冷薄帯合金)に対して粉砕処理を行う。例えば、後述する実施例で用いたようなボールミル装置(例えば、遊星ボールミル装置)を用いて、粉砕ポットに粉砕ボールおよび薄帯状合金(急冷薄帯合金)を投入し、粉砕処理を行う。なお、薄帯状合金(急冷薄帯合金)は、装置に投入しやすい大きさに、予め適当な粉砕機で粗粉砕しておいてもよい。
ボールミル装置を用いた場合、粉砕処理の際の、装置の回転数は、好ましくは500rpm未満であり、より好ましくは100〜480rpmであり、さらに好ましくは300〜450rpmである。また、粉砕時間は、好ましくは12時間未満であり、より好ましくは、0.5〜10時間であり、さらに好ましくは、0.5〜3時間である。
上述した手法による粉砕処理は、通常乾式雰囲気下で行われるが、粉砕処理後の粒度分布は大小の幅が非常に大きい場合がある。このため、粒度を整えるための粉砕処理および/または分級処理を行うことが好ましい。
以上、負極活物質層に必須に含まれる所定の合金について説明したが、負極活物質層はその他の負極活物質を含んでいてもよい。上記所定の合金以外の負極活物質としては、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、もしくはハードカーボンなどのカーボン、SiやSnなどの純金属や上記所定の組成比を外れる合金系活物質、あるいはTiO、Ti、TiO、もしくはSiO、SiO、SnOなどの金属酸化物、Li4/3Ti5/3もしくはLiMnNなどのリチウムと遷移金属との複合酸化物(複合窒化物)、Li−Pb系合金、Li−Al系合金、Liなどが挙げられる。ただし、上記所定の合金を負極活物質として用いることにより奏される作用効果を十分に発揮させるという観点からは、負極活物質の全量100質量%に占める上記所定の合金の含有量は、好ましくは50〜100質量%であり、より好ましくは80〜100質量%であり、さらに好ましくは90〜100質量%であり、特に好ましくは95〜100質量%であり、最も好ましくは100質量%である。
続いて、負極活物質層13は、バインダを含みうる。
(バインダ)
バインダは、活物質同士または活物質と集電体とを結着させて電極構造を維持する目的で添加される。負極活物質層に用いられるバインダの種類についても特に制限はなく、正極活物質層に用いられるバインダとして上述したものが同様に用いられうる。よって、ここでは詳細な説明は省略する。
なお、負極活物質層中に含まれるバインダ量は、活物質を結着することができる量であれば特に限定されるものではないが、好ましくは負極活物質層に対して、0.5〜20質量%であり、より好ましくは1〜15質量%である。
(正極および負極活物質層15、13に共通する要件)
以下に、正極および負極活物質層15、13に共通する要件につき、説明する。
正極活物質層15および負極活物質層13は、必要に応じて、導電助剤、電解質塩(リチウム塩)、イオン伝導性ポリマー等を含む。特に、負極活物質層13は、導電助剤をも必須に含む。
導電助剤
導電助剤とは、正極活物質層または負極活物質層の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、気相成長炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。活物質層が導電助剤を含むと、活物質層の内部における電子ネットワークが効果的に形成され、電池の出力特性の向上に寄与しうる。
活物質層へ混入されてなる導電助剤の含有量は、活物質層の総量に対して、1質量%以上、より好ましくは3質量%以上、さらに好ましくは5質量%以上の範囲である。また、活物質層へ混入されてなる導電助剤の含有量は、活物質層の総量に対して、15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは7質量%以下の範囲である。活物質自体の電子導電性は低く導電助剤の量によって電極抵抗を低減できる活物質層での導電助剤の配合比(含有量)を上記範囲内に規定することで以下の効果が発現される。即ち、電極反応を阻害することなく、電子導電性を十分に担保することができ、電極密度の低下によるエネルギー密度の低下を抑制でき、ひいては電極密度の向上によるエネルギー密度の向上を図ることができる。
また、上記導電助剤とバインダの機能を併せ持つ導電性結着剤をこれら導電助剤とバインダに代えて用いてもよいし、あるいはこれら導電助剤とバインダの一方ないし双方と併用してもよい。導電性結着剤としては、既に市販のTAB−2(宝泉株式会社製)を用いることができる。
電解質塩(リチウム塩)
電解質塩(リチウム塩)としては、Li(CSON、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO等が挙げられる。
イオン伝導性ポリマー
イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)系およびポリプロピレンオキシド(PPO)系のポリマーが挙げられる。
正極活物質層および負極活物質層中に含まれる成分の配合比は、特に限定されない。配合比は、非水溶媒二次電池についての公知の知見を適宜参照することにより、調整されうる。
各活物質層(集電体片面の活物質層)の厚さについても特に制限はなく、電池についての従来公知の知見が適宜参照されうる。一例を挙げると、各活物質層の厚さは、電池の使用目的(出力重視、エネルギー重視など)、イオン伝導性を考慮し、通常1〜500μm程度、好ましくは2〜100μmである。
<集電体>
集電体11、12は導電性材料から構成される。集電体の大きさは、電池の使用用途に応じて決定される。例えば、高エネルギー密度が要求される大型の電池に用いられるのであれば、面積の大きな集電体が用いられる。
集電体の厚さについても特に制限はない。集電体の厚さは、通常は1〜100μm程度である。
集電体の形状についても特に制限されない。図1に示す積層型電池10では、集電箔のほか、網目形状(エキスパンドグリッド等)等を用いることができる。
なお、負極活物質をスパッタ法等により薄膜合金を負極集電体12上に直接形成する場合には、集電箔を用いるのが望ましい。
集電体を構成する材料に特に制限はない。例えば、金属や、導電性高分子材料または非導電性高分子材料に導電性フィラーが添加された樹脂が採用されうる。
具体的には、金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス、チタン、銅などが挙げられる。これらのほか、ニッケルとアルミニウムとのクラッド材、銅とアルミニウムとのクラッド材、またはこれらの金属の組み合わせのめっき材などが好ましく用いられうる。また、金属表面にアルミニウムが被覆されてなる箔であってもよい。なかでも、電子伝導性や電池作動電位、集電体へのスパッタリングによる負極活物質の密着性等の観点からは、アルミニウム、ステンレス、銅、ニッケルが好ましい。
また、導電性高分子材料としては、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアクリロニトリル、およびポリオキサジアゾールなどが挙げられる。かような導電性高分子材料は、導電性フィラーを添加しなくても十分な導電性を有するため、製造工程の容易化または集電体の軽量化の点において有利である。
非導電性高分子材料としては、例えば、ポリエチレン(PE;高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)など)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアミド(PA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、またはポリスチレン(PS)などが挙げられる。かような非導電性高分子材料は、優れた耐電位性または耐溶媒性を有しうる。
上記の導電性高分子材料または非導電性高分子材料には、必要に応じて導電性フィラーが添加されうる。特に、集電体の基材となる樹脂が非導電性高分子のみからなる場合は、樹脂に導電性を付与するために必然的に導電性フィラーが必須となる。
導電性フィラーは、導電性を有する物質であれば特に制限なく用いることができる。例えば、導電性、耐電位性、またはリチウムイオン遮断性に優れた材料として、金属および導電性カーボンなどが挙げられる。金属としては、特に制限はないが、Ni、Ti、Al、Cu、Pt、Fe、Cr、Sn、Zn、In、Sb、およびKからなる群から選択される少なくとも1種の金属もしくはこれらの金属を含む合金または金属酸化物を含むことが好ましい。また、導電性カーボンとしては、特に制限はない。好ましくは、アセチレンブラック、バルカン、ブラックパール、カーボンナノファイバー、ケッチェンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノバルーン、およびフラーレンからなる群より選択される少なくとも1種を含むものである。
導電性フィラーの添加量は、集電体に十分な導電性を付与できる量であれば特に制限はなく、一般的には、5〜35質量%程度である。
<電解質層>
電解質層17を構成する電解質としては、液体電解質またはポリマー電解質が用いられうる。
液体電解質は、有機溶媒にリチウム塩(電解質塩)が溶解した形態を有する。有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプロピルカーボネート(MPC)等のカーボネート類が例示される。
また、リチウム塩としては、Li(CFSON、Li(CSON、LiPF、LiBF、LiAsF、LiTaF、LiClO、LiCFSO等の電極の活物質層に添加され得る化合物を採用することができる。
一方、ポリマー電解質は、電解液を含むゲル電解質と、電解液を含まない真性ポリマー電解質とに分類される。
ゲル電解質は、イオン伝導性ポリマーからなるマトリックスポリマーに、上記の液体電解質(電解液)が注入されてなる構成を有する。電解質としてゲルポリマー電解質を用いることで電解質の流動性がなくなり、各層間のイオン伝導を遮断することが容易になる点で優れている。
マトリックスポリマーとして用いられるイオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)、およびこれらの共重合体等が挙げられる。かようなポリアルキレンオキシド系ポリマーには、リチウム塩などの電解質塩がよく溶解しうる。
ゲル電解質中の上記液体電解質(電解液)の割合としては、特に制限されるべきものではないが、イオン伝導度などの観点から、数質量%〜98質量%程度とするのが望ましい。本実施形態では、電解液の割合が70質量%以上の、電解液が多いゲル電解質について、特に効果がある。
なお、電解質層が液体電解質やゲル電解質や真性ポリマー電解質から構成される場合には、電解質層にセパレータを用いてもよい。セパレータ(不織布を含む)の具体的な形態としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンからなる微多孔膜や多孔質の平板、更には不織布が挙げられる。
真性ポリマー電解質は、上記のマトリックスポリマーに支持塩(リチウム塩)が溶解してなる構成を有し、可塑剤である有機溶媒を含まない。したがって、電解質層が真性ポリマー電解質から構成される場合には電池からの液漏れの心配がなく、電池の信頼性が向上しうる。
ゲル電解質や真性ポリマー電解質のマトリックスポリマーは、架橋構造を形成することによって、優れた機械的強度を発現しうる。架橋構造を形成させるには、適当な重合開始剤を用いて、高分子電解質形成用の重合性ポリマー(例えば、PEOやPPO)に対して熱重合、紫外線重合、放射線重合、電子線重合等の重合処理を施せばよい。
<集電板およびリード>
電池外部に電流を取り出す目的で、集電板を用いてもよい。集電板は集電体やリードに電気的に接続され、電池外装材であるラミネートシートの外部に取り出される。
集電板を構成する材料は、特に制限されず、リチウムイオン二次電池用の集電板として従来用いられている公知の高導電性材料が用いられうる。集電板の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銅、チタン、ニッケル、ステンレス鋼(SUS)、これらの合金等の金属材料が好ましく、より好ましくは軽量、耐食性、高導電性の観点からアルミニウム、銅などが好ましい。なお、正極集電板と負極集電板とでは、同一の材質が用いられてもよいし、異なる材質が用いられてもよい。
正極端子リードおよび負極端子リードに関しても、必要に応じて使用する。正極端子リードおよび負極端子リードの材料は、公知のリチウムイオン二次電池で用いられる端子リードを用いることができる。なお、電池外装材29から取り出された部分は、周辺機器や配線などに接触して漏電したりして製品(例えば、自動車部品、特に電子機器等)に影響を与えないように、耐熱絶縁性の熱収縮チューブなどにより被覆するのが好ましい。
<電池外装材>
電池外装材29としては、公知の金属缶ケースを用いることができるほか、発電要素を覆うことができる、アルミニウムを含むラミネートフィルムを用いた袋状のケースが用いられうる。該ラミネートフィルムには、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるという観点から、ラミネートフィルムが望ましい。
なお、上記のリチウムイオン二次電池は、従来公知の製造方法により製造することができる。
<リチウムイオン二次電池の外観構成>
図2は、積層型の扁平なリチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。
図2に示すように、積層型の扁平なリチウムイオン二次電池50では、長方形状の扁平な形状を有しており、その両側部からは電力を取り出すための正極集電板59、負極集電板58が引き出されている。発電要素57は、リチウムイオン二次電池50の電池外装材52によって包まれ、その周囲は熱融着されており、発電要素57は、正極集電板59および負極集電板58を外部に引き出した状態で密封されている。ここで、発電要素57は、図1に示すリチウムイオン二次電池(積層型電池)10の発電要素21に相当するものである。発電要素57は、正極(正極活物質層)13、電解質層17および負極(負極活物質層)15で構成される単電池層(単セル)19が複数積層されたものである。
なお、上記リチウムイオン二次電池は、積層型の扁平な形状のもの(ラミネートセル)に制限されるものではない。巻回型のリチウムイオン電池では、円筒型形状のもの(コインセル)や角柱型形状(角型セル)のもの、こうした円筒型形状のものを変形させて長方形状の扁平な形状にしたようなもの、更にシリンダー状セルであってもよいなど、特に制限されるものではない。上記円筒型や角柱型の形状のものでは、その外装材に、ラミネートフィルムを用いてもよいし、従来の円筒缶(金属缶)を用いてもよいなど、特に制限されるものではない。好ましくは、発電要素がアルミニウムラミネートフィルムで外装される。当該形態により、軽量化が達成されうる。
また、図2に示す正極集電板59、負極集電板58の取り出しに関しても、特に制限されるものではない。正極集電板59と負極集電板58とを同じ辺から引き出すようにしてもよいし、正極集電板59と負極集電板58をそれぞれ複数に分けて、各辺から取り出すようにしてもよいなど、図2に示すものに制限されるものではない。また、巻回型のリチウムイオン電池では、集電板に変えて、例えば、円筒缶(金属缶)を利用して端子を形成すればよい。
上記したように、本実施形態のリチウムイオン二次電池用の負極活物質を用いてなる負極ならびにリチウムイオン二次電池は、電気自動車やハイブリッド電気自動車や燃料電池車やハイブリッド燃料電池自動車などの大容量電源として、好適に利用することができる。即ち、高体積エネルギー密度、高体積出力密度が求められる車両駆動用電源や補助電源に好適に利用することができる。
なお、上記実施形態では、電気デバイスとして、リチウムイオン電池を例示したが、これに制限されるわけではなく、他のタイプの二次電池、さらには一次電池にも適用できる。また、電池だけではなくキャパシタにも適用できる。
本発明を、以下の実施例を用いてさらに詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
(実施例1)
[ケイ素含有合金の製造]
Si(純度11N)、Sn(純度4N)、Ti(純度3N)を用い、アーク溶解法を用いて、Si合金(Si61質量%、Sn9質量%、Ti30質量%)のインゴットを作製した。
続いて、上記で得られたインゴットを母合金として用いて、液体急冷凝固法によりケイ素含有合金を作製した。具体的には、日新技研株式会社製の液体急冷凝固装置NEV−A05型を用いて、Ar置換のうえゲージ圧−0.03MPaに減圧したチャンバー内に設置した石英ノズル中に、Si61SnTi30のインゴット(母合金)を入れた。そして、電流値を7.5Aとした高周波誘導加熱により融解した後(溶湯温度:約1420℃)、0.05MPaの噴射圧にて、回転数4000rpm(周速:42m/秒)のCuロール上に噴射して、薄帯状合金(急冷薄帯合金)を作製した。この際、Cuロールとノズルとのギャップは0.5mmとした。なお、得られた薄帯状合金(急冷薄帯合金)の厚さは24.4μmであった。
その後、上記で得られた薄帯状合金(急冷薄帯合金)を粉砕処理した。具体的には、まず、薄帯状合金(急冷薄帯)を直径2mmのサイズに粗粉砕した。次に、ドイツ フリッチュ社製遊星ボールミル装置P−6を用いて、ジルコニア製粉砕ポットにジルコニア製粉砕ボールと上記粗粉砕物を投入し、400rpmで1時間、粉砕処理を実施して、ケイ素含有合金(負極活物質)を得た。なお、得られたケイ素含有合金(負極活物質)粉末の平均粒子径D50は7.4であった。
[負極の作製]
負極活物質である上記で製造したケイ素含有合金(Si61SnTi30)80質量部と、導電助剤であるアセチレンブラック5質量部と、バインダであるポリアミドイミド15質量部と、を混合し、N−メチルピロリドンに分散させて負極スラリーを得た。次いで、得られた負極スラリーを、銅箔よりなる負極集電体の両面にそれぞれ負極活物質層の厚さが30μmとなるように均一に塗布し、真空中で24時間乾燥させて、負極を得た。
[リチウムイオン二次電池(コインセル)の作製]
上記で作製した負極と対極Liとを対向させ、この間にセパレータ(ポリオレフィン、膜厚20μm)を配置した。次いで、負極、セパレータ、および対極Liの積層体をコインセル(CR2032、材質:ステンレス鋼(SUS316))の底部側に配置した。さらに、正極と負極との間の絶縁性を保つためガスケットを装着し、下記電解液をシリンジにより注入し、スプリングおよびスペーサを積層し、コインセルの上部側を重ねあわせ、かしめることにより密閉して、リチウムイオン二次電池(コインセル)を得た。
なお、上記電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)とをEC:DEC=1:2(体積比)の割合で混合した有機溶媒に、リチウム塩である六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を1mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。
(実施例2)
液体急冷凝固法における高周波誘導加熱の電流値を9A(溶湯温度:約1500℃)としたこと以外は、上述した実施例1と同様の手法により、ケイ素含有合金(負極活物質)、負極およびリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。なお、得られた薄帯状合金(急冷薄帯合金)の厚さは23.0μmであった。また、得られたケイ素含有合金(負極活物質)粉末の平均粒子径D50は8.8μmであった。
(実施例3)
液体急冷凝固法における高周波誘導加熱の電流値を9A(溶湯温度:約1500℃)、噴射圧を0.03MPaとしたこと以外は、上述した実施例1と同様の手法により、ケイ素含有合金(負極活物質)、負極およびリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。なお、得られた薄帯状合金(急冷薄帯合金)の厚さは21.5μmであった。また、得られたケイ素含有合金(負極活物質)粉末の平均粒子径D50は7.9μmであった。
(実施例4)
母合金の組成をSi66SnTi30としたこと以外は、上述した実施例1と同様の手法により、ケイ素含有合金(負極活物質)、負極およびリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。なお、得られた薄帯状合金(急冷薄帯合金)の厚さは21.8μmであった。また、得られたケイ素含有合金(負極活物質)粉末の平均粒子径D50は9.2μmであった。
(実施例5)
液体急冷凝固法における高周波誘導加熱の電流値を9A(溶湯温度:約1500℃)、噴射圧を0.03MPaとしたこと以外は、上述した実施例4と同様の手法により、ケイ素含有合金(負極活物質)、負極およびリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。なお、得られた薄帯状合金(急冷薄帯合金)の厚さは19.4μmであった。また、得られたケイ素含有合金(負極活物質)粉末の平均粒子径D50は8.3μmであった。
(比較例1)
液体急冷凝固法におけるチャンバー内のゲージ圧を−0.01MPa、高周波誘導加熱の電流値を6.5A(溶湯温度:約1400℃)、噴射圧を0.01MPaとしたこと以外は、上述した実施例1と同様の手法により、ケイ素含有合金(負極活物質)、負極およびリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。なお、得られた薄帯状合金(急冷薄帯合金)の厚さは28.0μmであった。また、得られたケイ素含有合金(負極活物質)粉末の平均粒子径D50は10.3μmであった。
(比較例2)
母合金の組成をSi60Sn20Ti20としたこと以外は、上述した実施例1と同様の手法により、ケイ素含有合金(負極活物質)、負極およびリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。なお、得られた薄帯状合金(急冷薄帯合金)の厚さは23.2μmであった。また、得られたケイ素含有合金(負極活物質)粉末の平均粒子径D50は6.4μmであった。
[負極活物質の組織構造の分析]
実施例1〜5および比較例1〜2のそれぞれにおいて作製した負極活物質(ケイ素含有合金)の組織構造を、高角度環状暗視野走査透過型電子顕微鏡(HAADF−STEM)を用いて観察した後、観察画像と同じ視野についてEDX(エネルギー分散型X線分光法)により元素強度マッピングを行うことにより確認した。その結果、実施例1〜5および比較例1については、TiSiを含むシリサイド相の母相中に、ケイ素の結晶構造の内部にスズが固溶してなる非晶質または低結晶性ケイ素を主成分とする相が分散されてなる構造を有するものであることが確認された。一方、比較例2については、ケイ素の結晶構造の内部にスズが固溶してなる非晶質または低結晶性ケイ素を主成分とする母相中に、TiSiを含むシリサイド相が分散されてなる構造を有するものであることが確認された。
また、実施例1〜5および比較例1〜2のそれぞれにおいて作製した負極活物質(ケイ素含有合金)の結晶構造をX線回折測定法により分析した。X線回折測定法に用いた装置および条件は以下の通りである。
装置名:リガク社製、X線回折装置(SmartLab9kW)
電圧・電流:45kV・200mA
X線波長:CuKα1。
実施例1〜5および比較例1〜2のそれぞれの負極活物質(ケイ素含有合金)について取得されたX線回折スペクトルを図4〜10に示す。図4〜10に示されるX線回折スペクトルによると、実施例1〜5および比較例1〜2のいずれにおいても、C54構造を有するTiSiの(311)面の回折ピーク(図4〜10において「a」で示されるピーク)、C49構造を有するTiSiの(131)面の回折ピーク(図4〜10において「b」で示されるピーク)、およびSiの(111)面の回折ピーク(図4〜10において「c」で示されるピーク)が観測された。
実施例1〜5および比較例1〜2のそれぞれの負極活物質(ケイ素含有合金)について取得されたX線回折スペクトルより、2θ=38〜40°の範囲におけるC54構造を有するTiSiの(311)面の回折ピーク強度X、2θ=40〜41°の範囲におけるC49構造を有するTiSiの(131)面の回折ピーク強度Y、および2θ=28〜30°の範囲におけるSiの(111)面の回折ピーク強度Zの値をそれぞれ求め、これらの比の値(Y/X、Y/Z)を算出した。結果を下記の表1に示す。なお、このX線回折測定により、ケイ素含有合金に含まれる遷移金属元素(Ti)はすべてシリサイド(TiSi)相として存在していることも確認された。
[サイクル耐久性の評価]
実施例1〜5および比較例1〜2のそれぞれにおいて作製した各リチウムイオン二次電池(コインセル)について以下の充放電試験条件に従ってサイクル耐久性評価を行った。
(充放電試験条件)
1)充放電試験機:HJ0501SM8A(北斗電工株式会社製)
2)充放電条件[充電過程]0.1mA、10mV→2V(定電流・定電圧モード)
[放電過程]0.3C、2V→10mV(定電流モード)
3)恒温槽:PFU−3K(エスペック株式会社製)
4)評価温度:300K(27℃)。
評価用セルは、充放電試験機を使用して、上記評価温度に設定された恒温槽中にて、充電過程(評価用電極へのLi挿入過程をいう)では、定電流・定電圧モードとし、0.1mAにて10mVから2Vまで充電した。その後、放電過程(評価用電極からのLi脱離過程をいう)では、定電流モードとし、0.3Cにて、2Vから10mVまで放電した。以上の充放電サイクルを1サイクルとして、同じ充放電条件にて、初期サイクル(1サイクル)〜50サイクルまで充放電試験を行った。そして、1サイクル目の放電容量に対する50サイクル目の放電容量の割合(放電容量維持率[%])を求めた。結果を下記の表1に示す。
上記表1に示す結果から、本発明に係る負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池は、50サイクル後の放電容量維持率が高い値に維持されており、サイクル耐久性に優れるものであることがわかる。
ケイ素含有合金の合金組成がSi61SnTi30である実施例1〜3を比較すると、薄帯上合金の厚さが薄くなるにつれ(すなわち、合金の冷却速度が大きくなるにつれ)、Y/XおよびY/Zの値が大きくなり、放電要領維持率がより向上することが示された。また、合金組成がSi66SnTi30である実施例4と実施例5との比較でも、これと同様の傾向が示された。
また、急冷凝固法における合金の冷却条件が同じである実施例1と実施例4との比較、実施例3と実施例5との比較より、ケイ素含有合金の合金組成は、化学式(I):SiSnTiにおいて、63≦x≦66、4≦y≦7、28≦z≦30の範囲が特に好ましいことが示された。
10、50 リチウムイオン二次電池(積層型電池)、
11 負極集電体、
12 正極集電体、
13 負極活物質層、
15 正極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21、57 発電要素、
25、58 負極集電板、
27、59 正極集電板、
29、52 電池外装材(ラミネートフィルム)。

Claims (5)

  1. 下記化学式(I):
    (上記化学式(I)において、
    Aは、不可避不純物であり、
    x、y、z、およびaは、質量%の値を表し、この際、0<x<100、0<y<100、0<z<100、および0≦a<0.5であり、x+y+z+a=100である。)
    で表される組成を有するケイ素含有合金からなり、
    前記ケイ素含有合金のCuKα1線を用いたX線回折測定において、2θ=38〜40°の範囲におけるC54構造を有するTiSiの(311)面の回折ピーク強度Xに対する、2θ=40〜41°の範囲におけるC49構造を有するTiSiの(131)面の回折ピーク強度Yの比の値(Y/X)が、0.5以上であり、
    2θ=28〜30°の範囲におけるSiの(111)面の回折ピーク強度Zに対する、前記回折ピーク強度Yの比の値(Y/Z)が、0.6以上である、電気デバイス用負極活物質。
  2. 前記Y/Xが、1.7以上である、請求項1に記載の電気デバイス用負極活物質。
  3. 前記ケイ素含有合金は、TiSiを含むシリサイド相の母相中に、ケイ素の結晶構造の内部にスズが固溶してなる非晶質または低結晶性ケイ素を主成分とする相が分散されてなる構造を有する、請求項1または2に記載の電気デバイス用負極活物質。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気デバイス用負極活物質を用いてなる、電気デバイス用負極。
  5. 請求項4に記載の電気デバイス用負極を用いてなる、電気デバイス。
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