JP2017224538A - 電気デバイス用負極活物質、およびこれを用いた電気デバイス - Google Patents
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Abstract
Description
Aは、不可避不純物であり、
x、y、z、およびaは、質量%の値を表し、この際、0<x<100、0<y<100、0<z<100、および0≦a<0.5であり、x+y+z+a=100である。)
で表される組成を有する。そして、ケイ素含有合金のCuKα1線を用いたX線回折(XRD)測定において、2θ=38〜40°の範囲におけるC54構造を有するTiSi2の(311)面の回折ピーク強度Xに対する、2θ=40〜41°の範囲におけるC49構造を有するTiSi2の(131)面の回折ピーク強度Yの比の値(Y/X)が、0.5以上である点に特徴を有する。さらに、2θ=28〜30°の範囲におけるSiの(111)面の回折ピーク強度Zに対する、回折ピーク強度Yの比の値(Y/Z)が、0.6以上である点にも特徴を有する。
図1は、本発明の電気デバイスの代表的な一実施形態である、扁平型(積層型)のリチウムイオン二次電池(以下、単に「積層型電池」ともいう)の全体構造を模式的に表した断面概略図である。
活物質層13または15は活物質を含み、必要に応じてその他の添加剤をさらに含む。
正極活物質層15は、正極活物質を含む。
正極活物質としては、例えば、LiMn2O4、LiCoO2、LiNiO2、Li(Ni−Mn−Co)O2およびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの等のリチウム−遷移金属複合酸化物、リチウム−遷移金属リン酸化合物、リチウム−遷移金属硫酸化合物などが挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、リチウム−遷移金属複合酸化物が、正極活物質として用いられる。より好ましくはリチウムとニッケルとを含有する複合酸化物が用いられ、さらに好ましくはLi(Ni−Mn−Co)O2およびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの(以下、単に「NMC複合酸化物」とも称する)が用いられる。NMC複合酸化物は、リチウム原子層と遷移金属(Mn、NiおよびCoが秩序正しく配置)原子層とが酸素原子層を介して交互に積み重なった層状結晶構造を持ち、遷移金属Mの1原子あたり1個のLi原子が含まれ、取り出せるLi量が、スピネル系リチウムマンガン酸化物の2倍、つまり供給能力が2倍になり、高い容量を持つことができる。
バインダは、活物質同士または活物質と集電体とを結着させて電極構造を維持する目的で添加される。正極活物質層に用いられるバインダとしては、特に限定されないが、例えば、以下の材料が挙げられる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物などの熱可塑性高分子、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴム、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、スチレン・ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアミドイミドであることがより好ましい。これらの好適なバインダは、耐熱性に優れ、さらに電位窓が非常に広く正極電位、負極電位双方に安定であり活物質層に使用が可能となる。これらのバインダは、1種単独で用いてもよいし、2種併用してもよい。
負極活物質層13は、負極活物質を含む。
本実施形態において、負極活物質は、Si−Sn−Tiからなる三元系の合金組成を有し、X線回折測定で観測される特定の3つの回折ピークの強度が所定の関係を有するケイ素含有合金からなるものである。
上述したように、本実施形態における負極活物質を構成するケイ素含有合金は、まず、Si−Sn−Tiからなる三元系の合金組成を有している。より具体的に、本実施形態における負極活物質を構成するケイ素含有合金は、下記化学式(I)で表される組成を有するものである。
本実施形態における負極活物質を構成するケイ素含有合金は、TiSi2を含むシリサイド相の母相中に、ケイ素の結晶構造の内部にスズが固溶してなる非晶質または低結晶性ケイ素を主成分とする相(以下、「非晶質または低結晶性ケイ素を主成分とする相」をa−Si相とも称する)が分散されてなる構造を有することが好ましい。すなわち、連続相としてのシリサイド相からなる海の中に、分散相としてのa−Si相からなる島が分散しているいわゆる海島構造を有することが、本実施形態に係るケイ素含有合金の好ましい特徴の1つである。このような構造を有することで、負極活物質(ケイ素含有合金)の電子伝導性をよりいっそう向上させることができ、しかもa−Si相の膨張時の応力を緩和して活物質の割れを防止することができる。なお、ケイ素含有合金がこのような微細組織構造を有しているか否かは、例えば、後述する実施例の欄において説明するように、ケイ素含有合金を高角度環状暗視野走査透過型電子顕微鏡(HAADF−STEM)を用いて観察した後、観察画像と同じ視野についてEDX(エネルギー分散型X線分光法)により元素強度マッピングを行うことにより確認することができる。
ここで、本実施形態に係るケイ素含有合金において、a−Si相は、非晶質または低結晶性のケイ素を含む相である。このa−Si相は、本実施形態の電気デバイス(リチウムイオン二次電池)の作動時にリチウムイオンの吸蔵・放出に関与する相であり、電気化学的にリチウムと反応可能(すなわち、重量あたりおよび体積あたりに多量のリチウムを吸蔵・放出することが可能)な相である。また、a−Si相を構成するケイ素の結晶構造の内部にはスズが固溶していることが好ましい。さらに、ケイ素は電子伝導性に乏しいことから、a−Si相にはリンやホウ素などの微量の添加元素や遷移金属などが含まれていてもよい。
一方、上述した海島構造の海(連続相)を構成するシリサイド相は、TiSi2を主成分とする結晶相である。このシリサイド相は、TiSi2を含むことでa−Si相との親和性に優れ、特に充電時の体積膨張における結晶界面での割れを抑制することができる。さらに、シリサイド相はa−Si相と比較して電子伝導性および硬度の観点で優れている。このように、シリサイド相はa−Si相の低い電子伝導性を改善し、かつ膨張時の応力に対して活物質の形状を維持する役割をも担っている。本実施形態においては、このような特性を有するシリサイド相が海島構造の海(連続相)を構成することで、負極活物質(ケイ素含有合金)の電子伝導性をよりいっそう向上させることができ、しかもa−Si相の膨張時の応力を緩和して活物質の割れを防止することができ、サイクル耐久性の向上に寄与しているものと考えられる。
上述したように、本実施形態における負極活物質を構成するケイ素含有合金は、X線回折測定で観測される特定の3つの回折ピークの強度が所定の関係を有する点にも特徴がある。すなわち、ケイ素含有合金のCuKα1線を用いたX線回折(XRD)測定において、2θ=38〜40°の範囲におけるC54構造を有するTiSi2の(311)面の回折ピーク強度Xに対する、2θ=40〜41°の範囲におけるC49構造を有するTiSi2の(131)面の回折ピーク強度Yの比の値(Y/X)が、0.5以上であり、2θ=28〜30°の範囲におけるSiの(111)面の回折ピーク強度Zに対する、前記回折ピーク強度Yの比の値(Y/Z)が、0.6以上である点に特徴を有する。
本実施形態に係る電気デバイス用負極活物質の製造方法については、特に制限はなく、従来公知の知見が適宜参照されうるが、本発明では、X線回折測定で観測される特定の3つの回折ピークの強度が所定の関係を有するケイ素含有合金からなる負極活物質の製造方法の一例として、以下のように液体急冷凝固法を用いて薄帯状合金(急冷薄帯合金)を作製することを有する製造方法が提供される。すなわち、本発明の他の形態によれば、上記化学式(I)で表される組成を有するケイ素含有合金からなる電気デバイス用負極活物質の製造方法であって、前記ケイ素含有合金と同一の組成を有する母合金を用いた液体急冷凝固法により薄帯状合金を作製し、当該薄帯状合金に対して粉砕処理を施して前記ケイ素含有合金からなる電気デバイス用負極活物質を得る、電気デバイス用負極活物質の製造方法もまた、提供される。このように、液体急冷凝固法を実施して負極活物質(ケイ素含有合金)を製造することで、上述したX線回折測定で観測される特定の3つの回折ピークの強度が所定の関係を有する合金を製造することが可能となる。これによりサイクル耐久性の向上に有効に寄与し得る負極活物質の製造方法が提供されるのである。以下、本形態に係る製造方法について、工程ごとに説明する。
まず、所望のケイ素含有合金と同一の組成を有する母合金を用いて液体急冷凝固法を実施する。これにより、薄帯状合金(急冷薄帯合金)を作製する。
この後、上記で得られた薄帯状合金(急冷薄帯合金)に対して粉砕処理を行う。例えば、後述する実施例で用いたようなボールミル装置(例えば、遊星ボールミル装置)を用いて、粉砕ポットに粉砕ボールおよび薄帯状合金(急冷薄帯合金)を投入し、粉砕処理を行う。なお、薄帯状合金(急冷薄帯合金)は、装置に投入しやすい大きさに、予め適当な粉砕機で粗粉砕しておいてもよい。
バインダは、活物質同士または活物質と集電体とを結着させて電極構造を維持する目的で添加される。負極活物質層に用いられるバインダの種類についても特に制限はなく、正極活物質層に用いられるバインダとして上述したものが同様に用いられうる。よって、ここでは詳細な説明は省略する。
以下に、正極および負極活物質層15、13に共通する要件につき、説明する。
導電助剤とは、正極活物質層または負極活物質層の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、気相成長炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。活物質層が導電助剤を含むと、活物質層の内部における電子ネットワークが効果的に形成され、電池の出力特性の向上に寄与しうる。
電解質塩(リチウム塩)としては、Li(C2F5SO2)2N、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3等が挙げられる。
イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)系およびポリプロピレンオキシド(PPO)系のポリマーが挙げられる。
集電体11、12は導電性材料から構成される。集電体の大きさは、電池の使用用途に応じて決定される。例えば、高エネルギー密度が要求される大型の電池に用いられるのであれば、面積の大きな集電体が用いられる。
電解質層17を構成する電解質としては、液体電解質またはポリマー電解質が用いられうる。
電池外部に電流を取り出す目的で、集電板を用いてもよい。集電板は集電体やリードに電気的に接続され、電池外装材であるラミネートシートの外部に取り出される。
電池外装材29としては、公知の金属缶ケースを用いることができるほか、発電要素を覆うことができる、アルミニウムを含むラミネートフィルムを用いた袋状のケースが用いられうる。該ラミネートフィルムには、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるという観点から、ラミネートフィルムが望ましい。
図2は、積層型の扁平なリチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。
[ケイ素含有合金の製造]
Si(純度11N)、Sn(純度4N)、Ti(純度3N)を用い、アーク溶解法を用いて、Si合金(Si61質量%、Sn9質量%、Ti30質量%)のインゴットを作製した。
負極活物質である上記で製造したケイ素含有合金(Si61Sn9Ti30)80質量部と、導電助剤であるアセチレンブラック5質量部と、バインダであるポリアミドイミド15質量部と、を混合し、N−メチルピロリドンに分散させて負極スラリーを得た。次いで、得られた負極スラリーを、銅箔よりなる負極集電体の両面にそれぞれ負極活物質層の厚さが30μmとなるように均一に塗布し、真空中で24時間乾燥させて、負極を得た。
上記で作製した負極と対極Liとを対向させ、この間にセパレータ(ポリオレフィン、膜厚20μm)を配置した。次いで、負極、セパレータ、および対極Liの積層体をコインセル(CR2032、材質:ステンレス鋼(SUS316))の底部側に配置した。さらに、正極と負極との間の絶縁性を保つためガスケットを装着し、下記電解液をシリンジにより注入し、スプリングおよびスペーサを積層し、コインセルの上部側を重ねあわせ、かしめることにより密閉して、リチウムイオン二次電池(コインセル)を得た。
液体急冷凝固法における高周波誘導加熱の電流値を9A(溶湯温度:約1500℃)としたこと以外は、上述した実施例1と同様の手法により、ケイ素含有合金(負極活物質)、負極およびリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。なお、得られた薄帯状合金(急冷薄帯合金)の厚さは23.0μmであった。また、得られたケイ素含有合金(負極活物質)粉末の平均粒子径D50は8.8μmであった。
液体急冷凝固法における高周波誘導加熱の電流値を9A(溶湯温度:約1500℃)、噴射圧を0.03MPaとしたこと以外は、上述した実施例1と同様の手法により、ケイ素含有合金(負極活物質)、負極およびリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。なお、得られた薄帯状合金(急冷薄帯合金)の厚さは21.5μmであった。また、得られたケイ素含有合金(負極活物質)粉末の平均粒子径D50は7.9μmであった。
母合金の組成をSi66Sn4Ti30としたこと以外は、上述した実施例1と同様の手法により、ケイ素含有合金(負極活物質)、負極およびリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。なお、得られた薄帯状合金(急冷薄帯合金)の厚さは21.8μmであった。また、得られたケイ素含有合金(負極活物質)粉末の平均粒子径D50は9.2μmであった。
液体急冷凝固法における高周波誘導加熱の電流値を9A(溶湯温度:約1500℃)、噴射圧を0.03MPaとしたこと以外は、上述した実施例4と同様の手法により、ケイ素含有合金(負極活物質)、負極およびリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。なお、得られた薄帯状合金(急冷薄帯合金)の厚さは19.4μmであった。また、得られたケイ素含有合金(負極活物質)粉末の平均粒子径D50は8.3μmであった。
液体急冷凝固法におけるチャンバー内のゲージ圧を−0.01MPa、高周波誘導加熱の電流値を6.5A(溶湯温度:約1400℃)、噴射圧を0.01MPaとしたこと以外は、上述した実施例1と同様の手法により、ケイ素含有合金(負極活物質)、負極およびリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。なお、得られた薄帯状合金(急冷薄帯合金)の厚さは28.0μmであった。また、得られたケイ素含有合金(負極活物質)粉末の平均粒子径D50は10.3μmであった。
母合金の組成をSi60Sn20Ti20としたこと以外は、上述した実施例1と同様の手法により、ケイ素含有合金(負極活物質)、負極およびリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。なお、得られた薄帯状合金(急冷薄帯合金)の厚さは23.2μmであった。また、得られたケイ素含有合金(負極活物質)粉末の平均粒子径D50は6.4μmであった。
実施例1〜5および比較例1〜2のそれぞれにおいて作製した負極活物質(ケイ素含有合金)の組織構造を、高角度環状暗視野走査透過型電子顕微鏡(HAADF−STEM)を用いて観察した後、観察画像と同じ視野についてEDX(エネルギー分散型X線分光法)により元素強度マッピングを行うことにより確認した。その結果、実施例1〜5および比較例1については、TiSi2を含むシリサイド相の母相中に、ケイ素の結晶構造の内部にスズが固溶してなる非晶質または低結晶性ケイ素を主成分とする相が分散されてなる構造を有するものであることが確認された。一方、比較例2については、ケイ素の結晶構造の内部にスズが固溶してなる非晶質または低結晶性ケイ素を主成分とする母相中に、TiSi2を含むシリサイド相が分散されてなる構造を有するものであることが確認された。
電圧・電流:45kV・200mA
X線波長:CuKα1。
実施例1〜5および比較例1〜2のそれぞれにおいて作製した各リチウムイオン二次電池(コインセル)について以下の充放電試験条件に従ってサイクル耐久性評価を行った。
1)充放電試験機:HJ0501SM8A(北斗電工株式会社製)
2)充放電条件[充電過程]0.1mA、10mV→2V(定電流・定電圧モード)
[放電過程]0.3C、2V→10mV(定電流モード)
3)恒温槽:PFU−3K(エスペック株式会社製)
4)評価温度:300K(27℃)。
11 負極集電体、
12 正極集電体、
13 負極活物質層、
15 正極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21、57 発電要素、
25、58 負極集電板、
27、59 正極集電板、
29、52 電池外装材(ラミネートフィルム)。
Claims (5)
- 下記化学式(I):
Aは、不可避不純物であり、
x、y、z、およびaは、質量%の値を表し、この際、0<x<100、0<y<100、0<z<100、および0≦a<0.5であり、x+y+z+a=100である。)
で表される組成を有するケイ素含有合金からなり、
前記ケイ素含有合金のCuKα1線を用いたX線回折測定において、2θ=38〜40°の範囲におけるC54構造を有するTiSi2の(311)面の回折ピーク強度Xに対する、2θ=40〜41°の範囲におけるC49構造を有するTiSi2の(131)面の回折ピーク強度Yの比の値(Y/X)が、0.5以上であり、
2θ=28〜30°の範囲におけるSiの(111)面の回折ピーク強度Zに対する、前記回折ピーク強度Yの比の値(Y/Z)が、0.6以上である、電気デバイス用負極活物質。 - 前記Y/Xが、1.7以上である、請求項1に記載の電気デバイス用負極活物質。
- 前記ケイ素含有合金は、TiSi2を含むシリサイド相の母相中に、ケイ素の結晶構造の内部にスズが固溶してなる非晶質または低結晶性ケイ素を主成分とする相が分散されてなる構造を有する、請求項1または2に記載の電気デバイス用負極活物質。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気デバイス用負極活物質を用いてなる、電気デバイス用負極。
- 請求項4に記載の電気デバイス用負極を用いてなる、電気デバイス。
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