JP6485028B2 - 電気デバイス用負極活物質、およびこれを用いた電気デバイス - Google Patents
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Description
Aは、不可避不純物であり、
Mは、1または2以上の遷移金属元素であり、
x、y、z、およびaは、質量%の値を表し、この際、0<x<100、0≦y<100、0<z<100、および0≦a<0.5であり、x+y+z+a=100である。)
で表される組成を有するケイ素含有合金からなるものである。そして、前記電気デバイス用負極活物質は、前記ケイ素含有合金のCuKα1線を用いたX線回折測定において、2θ=24〜33°の範囲におけるSiの(111)面の回折ピーク強度Aに対する、2θ=37〜45°の範囲における遷移金属のケイ化物の回折ピーク強度Bの比の値(B/A)が0.41以上である点に特徴を有する。また、前記ケイ素含有合金における、レーザー回折法により得られた2次粒子径のD50値が、0.01μmを超え20μm未満である点にも特徴を有する。
図1は、本発明の電気デバイスの代表的な一実施形態である、扁平型(積層型)のリチウムイオン二次電池(以下、単に「積層型電池」ともいう)の全体構造を模式的に表した断面概略図である。
活物質層13または15は活物質を含み、必要に応じてその他の添加剤をさらに含む。
正極活物質層15は、正極活物質を含む。
正極活物質としては、例えば、LiMn2O4、LiCoO2、LiNiO2、Li(Ni−Mn−Co)O2およびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの等のリチウム−遷移金属複合酸化物、リチウム−遷移金属リン酸化合物、リチウム−遷移金属硫酸化合物などが挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、リチウム−遷移金属複合酸化物が、正極活物質として用いられる。より好ましくはリチウムとニッケルとを含有する複合酸化物が用いられ、さらに好ましくはLi(Ni−Mn−Co)O2およびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの(以下、単に「NMC複合酸化物」とも称する)が用いられる。NMC複合酸化物は、リチウム原子層と遷移金属(Mn、NiおよびCoが秩序正しく配置)原子層とが酸素原子層を介して交互に積み重なった層状結晶構造を持ち、遷移金属Mの1原子あたり1個のLi原子が含まれ、取り出せるLi量が、スピネル系リチウムマンガン酸化物の2倍、つまり供給能力が2倍になり、高い容量を持つことができる。
バインダは、活物質同士または活物質と集電体とを結着させて電極構造を維持する目的で添加される。正極活物質層に用いられるバインダとしては、特に限定されないが、例えば、以下の材料が挙げられる。ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、セルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体およびその水素添加物などの熱可塑性高分子、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、ポリフッ化ビニル(PVF)等のフッ素樹脂、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−HFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−HFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン系フッ素ゴム(VDF−PFP系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−ペンタフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFP−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−PFMVE−TFE系フッ素ゴム)、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン系フッ素ゴム(VDF−CTFE系フッ素ゴム)等のビニリデンフルオライド系フッ素ゴム、エポキシ樹脂等が挙げられる。中でも、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、スチレン・ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリアミドイミドであることがより好ましい。これらの好適なバインダは、耐熱性に優れ、さらに電位窓が非常に広く正極電位、負極電位双方に安定であり活物質層に使用が可能となる。これらのバインダは、1種単独で用いてもよいし、2種併用してもよい。
負極活物質層13は、負極活物質を含む。
本実施形態において、負極活物質は、非晶質または低結晶性のケイ素を主成分とする母相中に、遷移金属のケイ化物を含むシリサイド相が分散されてなる構造を有し、所定の組成を有するケイ素含有合金からなるものである。
本発明に係るケイ素含有合金は、レーザー回折法により得られた2次粒子径のD50値が、0.01μmを超え20μm未満である点に特徴を有する。かような特徴を有するケイ素含有合金を含む負極活物質を用いたリチウムイオン二次電池等の電気デバイスは、高いサイクル耐久性を有する。
ケイ素含有合金の2次粒子径のD90値とD10値との差(D90−D10)は、40μm未満であることが好ましく、30μm未満であることがより好ましく、10μm以下であることがさらに好ましい。2次粒子径の(D90−D10)が40μm未満であれば、充放電時のケイ素含有合金の膨張、収縮に伴う応力の分布が偏ることを抑制でき、その結果サイクル耐久性がより向上するため好ましい。(D90−D10)の下限値は特に制限されず、0を超えていればよいが、実質的に、0.01μm以上であり、所定のD50値を有するケイ素含有合金においてより高いサイクル耐久性を得る観点から、0.1μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。
本実施形態に係る電気デバイス用負極活物質の製造方法について特に制限はなく、従来公知の知見が適宜参照されうるが、本願では、X線回折分析による回折ピークの強度比B/Aの値を上述したような範囲内のものとするための製造方法の一例として、以下のような工程を有する製造方法が提供される。
バインダは、活物質同士または活物質と集電体とを結着させて電極構造を維持する目的で添加される。負極活物質層に用いられるバインダの種類についても特に制限はなく、正極活物質層に用いられるバインダとして上述したものが同様に用いられうる。よって、ここでは詳細な説明は省略する。
以下に、正極および負極活物質層15、13に共通する要件につき、説明する。
導電助剤とは、正極活物質層または負極活物質層の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、アセチレンブラック等のカーボンブラック、グラファイト、気相成長炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。活物質層が導電助剤を含むと、活物質層の内部における電子ネットワークが効果的に形成され、電池の出力特性の向上に寄与しうる。
電解質塩(リチウム塩)としては、Li(C2F5SO2)2N、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3等が挙げられる。
イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンオキシド(PEO)系およびポリプロピレンオキシド(PPO)系のポリマーが挙げられる。
集電体11、12は導電性材料から構成される。集電体の大きさは、電池の使用用途に応じて決定される。例えば、高エネルギー密度が要求される大型の電池に用いられるのであれば、面積の大きな集電体が用いられる。
電解質層17を構成する電解質としては、液体電解質またはポリマー電解質が用いられうる。
電池外部に電流を取り出す目的で、集電板を用いてもよい。集電板は集電体やリードに電気的に接続され、電池外装材であるラミネートシートの外部に取り出される。
電池外装材29としては、公知の金属缶ケースを用いることができるほか、発電要素を覆うことができる、アルミニウムを含むラミネートフィルムを用いた袋状のケースが用いられうる。該ラミネートフィルムには、例えば、PP、アルミニウム、ナイロンをこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができるが、これらに何ら制限されるものではない。高出力化や冷却性能に優れ、EV、HEV用の大型機器用電池に好適に利用することができるという観点から、ラミネートフィルムが望ましい。
図2は、積層型の扁平なリチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。
[ケイ素含有合金の製造]
ケイ素含有合金(Si80Sn10Ti10)(単位は質量%、以下同じ)を、メカニカルアロイ法により製造した。具体的には、ドイツ フリッチュ社製遊星ボールミル装置P−6を用いて、ジルコニア製粉砕ポットにジルコニア製粉砕ボールおよび合金の原料粉末を投入し、600rpm、24時間かけて合金化させ(合金化処理)、その後400rpmで1時間、粉砕処理を実施した。なお、得られたケイ素含有合金(負極活物質)粉末の平均粒子径は0.3μmであった。
負極活物質である上記で製造したケイ素含有合金(Si80Sn10Ti10)80質量部と、導電助剤であるアセチレンブラック 5質量部と、バインダであるポリアミドイミド 15質量部と、を混合し、N−メチルピロリドンに分散させて負極スラリーを得た。次いで、得られた負極スラリーを、銅箔よりなる負極集電体の両面にそれぞれ負極活物質層の厚さが30μmとなるように均一に塗布し、真空中で24時間乾燥させて、負極を得た。
上記で作製した負極と対極Liとを対向させ、この間にセパレータ(ポリオレフィン、膜厚20μm)を配置した。次いで、負極、セパレータ、および対極Liの積層体をコインセル(CR2032、材質:ステンレス鋼(SUS316))の底部側に配置した。さらに、正極と負極との間の絶縁性を保つためガスケットを装着し、下記電解液をシリンジにより注入し、スプリングおよびスペーサを積層し、コインセルの上部側を重ねあわせ、かしめることにより密閉して、リチウムイオン二次電池を得た。
ケイ素含有合金の組成をSi70Sn15Ti15へと変更したこと以外は、上述した参考例1と同様の手法により、負極活物質、負極およびリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。なお、得られたケイ素含有合金(負極活物質)粉末の平均粒子径は0.3μmであった。
ケイ素含有合金の組成をSi59Sn22Ti19へと変更し、ケイ素含有合金を作製する際の合金化処理の時間を25時間へと変更したこと以外は、上述した参考例1と同様の手法により、負極活物質、負極およびリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。なお、得られたケイ素含有合金(負極活物質)粉末の平均粒子径は0.3μmであった。
ケイ素含有合金を作製する際の合金化処理の時間を50時間へと変更したこと以外は、上述した参考例3と同様の手法により、負極活物質、負極およびリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。なお、得られたケイ素含有合金(負極活物質)粉末の平均粒子径は0.3μmであった。
ケイ素含有合金の組成をSi90Ti10へと変更したこと以外は、上述した参考例1と同様の手法により、負極活物質、負極およびリチウムイオン二次電池(コインセル)を作製した。なお、得られたケイ素含有合金(負極活物質)粉末の平均粒子径は0.3μmであった。
参考例1〜4および比較参考例1のそれぞれにおいて作製した負極活物質(ケイ素含有合金)の組織構造を電子回折法により分析した結果、参考例1〜4および比較参考例1のいずれについてもシリサイド相(TiSi2)の結晶性を示す回折スポットおよびハローパターンが観察され、母相であるアモルファスSi相中に結晶性のシリサイド相が分散した組織構造を有することが確認された。
電圧・電流:45kV・200mA
X線波長:CuKα1
ここで、参考例1〜4および比較参考例1のそれぞれの負極活物質(ケイ素含有合金)について取得されたX線回折スペクトルを図3A〜図3Eに示す。また、これらのX線回折スペクトルから得られる2θ=24〜33°の範囲におけるSiの(111)面の回折ピーク強度Aの値、および2θ=37〜45°の範囲におけるTiSi2の回折ピーク強度Bの値、並びにこれらの比の値(B/A)を下記の表1に示す。なお、このX線回折分析により、ケイ素含有合金に含まれるTiはすべてシリサイド(TiSi2)相として存在していることも確認された。
上記で作製した各リチウムイオン二次電池(コインセル)について以下の充放電試験条件に従ってサイクル耐久性評価を行った。
1)充放電試験機:HJ0501SM8A(北斗電工株式会社製)
2)充放電条件[充電過程]0.3C、2V→10mV(定電流・定電圧モード)
[放電過程]0.3C、10mV→2V(定電流モード)
3)恒温槽:PFU−3K(エスペック株式会社製)
4)評価温度:300K(27℃)。
[ケイ素含有合金の製造]
ケイ素含有合金(Si59Sn22Ti19)(単位は質量%、以下同じ)を、メカニカルアロイ法により製造した。具体的には、ドイツ フリッチュ社製遊星ボールミル装置P−6を用いて、ジルコニア製粉砕ポットにジルコニア製粉砕ボールおよび合金の原料粉末を投入し、600rpm、12.5時間かけて合金化させ(合金化処理)、その後400rpmで1時間、粉砕処理を実施した。
負極活物質である上記で製造したケイ素含有合金(Si59Sn22Ti19)80質量部と、導電助剤であるアセチレンブラック 5質量部と、バインダであるポリイミド 15質量部と、を混合し、N−メチルピロリドンに分散させて負極スラリーを得た。負極スラリーは脱泡混練機(Thinky AR−100)を用いて作製した。次いで、得られた負極スラリーを、銅箔よりなる負極集電体の両面にそれぞれ負極活物質層の厚さが30μmとなるように均一に塗布し、真空中で24時間乾燥させて、負極を得た。
上記で作製した負極と対極Liとを対向させ、この間にセパレータ(ポリオレフィン、膜厚20μm)を配置した。次いで、負極、セパレータ、および対極Liの積層体をコインセル(CR2032、材質:ステンレス鋼(SUS316))の底部側に配置した。さらに、正極と負極との間の絶縁性を保つためガスケットを装着し、下記電解液をシリンジにより注入し、スプリングおよびスペーサを積層し、コインセルの上部側を重ねあわせ、かしめることにより密閉して、リチウムイオン二次電池を得た。
負極の作製において、ドイツ フリッチュ社製遊星ボールミル装置P−6を用いて、ジルコニア製粉砕ポットにジルコニア製粉砕ボールと、負極活物質である上記で製造したケイ素含有合金(Si59Sn22Ti19)80質量部と、導電助剤であるアセチレンブラック 5質量部と、バインダであるポリイミド 15質量部と、N−メチルピロリドンと、を混合し、回転数200pmで1時間処理を実施したことを除いては、実施例1と同様の手法により電池を作製した。
実施例2の負極の作製において、回転数400pmで3時間処理したこと以外は、実施例2と同様の手法により電池を作製した。
実施例2の負極の作製において、回転数300pmで1時間処理したこと以外は、実施例2と同様の手法により電池を作製した。
実施例2の負極の作製において、回転数400pmで1時間処理したこと以外は、実施例2と同様の手法により電池を作製した。
実施例2の負極の作製において、回転数400pmで1時間処理を3回実施し、それぞれの処理毎に1時間の冷却時間を設定したこと以外は、実施例2と同様の手法により電池を作製した。
実施例1のケイ素含有合金の製造において、400rpmで1時間の粉砕処理を実施しなかったこと、および、負極の作製において、負極スラリーは脱泡混練機(Thinky AR−100)を使用せず、スパチュラで2分間撹拌を実施したことを除いては、実施例1と同様の手法により電池を作製した。
実施例2の負極の作製において、回転数600rpmで3時間処理したこと以外は、実施例2と同様の手法により電池を作製した。
実施例1の[ケイ素含有合金の製造]において作製した負極活物質(ケイ素含有合金)の組織構造を電子回折法により分析した結果、シリサイド相(TiSi2)の結晶性を示す回折スポットおよびハローパターンが観察され、母相であるアモルファスSi相中に結晶性のシリサイド相が分散した組織構造を有することが確認された。
電圧・電流:45kV・200mA
X線波長:CuKα1
ここで、上記で作製した負極活物質(ケイ素含有合金)について取得されたX線回折スペクトルから得られる2θ=24〜33°の範囲におけるSiの(111)面の回折ピーク強度Aの値、および2θ=37〜45°の範囲におけるTiSi2の回折ピーク強度Bの値、並びにこれらの比の値(B/A)を下記の表2に示す。なお、このX線回折分析により、ケイ素含有合金に含まれるTiはすべてシリサイド(TiSi2)相として存在していることも確認された。
D50値、D90値、D10値は、レーザー式粒度分布計により算出された、粒度分布データをもとに、
D50;小粒子径側からみて累積分布が50%となる場合の粒子径、
D90;小粒子径側からみて累積分布が90%となる場合の粒子径、
D10;小粒子径側からみて累積分布が10%となる場合の粒子径を算出した。また、本発明において、レーザー式粒度分布計はレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(株式会社堀場製作所製、型式:LA−920)を用いた。
上記で作製した各リチウムイオン二次電池(コインセル)について以下の充放電試験条件に従ってサイクル耐久性評価を行った。
1)充放電試験機:HJ0501SM8A(北斗電工株式会社製)
2)充放電条件[充電過程]0.3C、2V→10mV(定電流・定電圧モード)
[放電過程]0.3C、10mV→2V(定電流モード)
3)恒温槽:PFU−3K(エスペック株式会社製)
4)評価温度:300K(27℃)。
11 負極集電体、
12 正極集電体、
13 負極活物質層、
15 正極活物質層、
17 電解質層、
19 単電池層、
21、57 発電要素、
25、58 負極集電板、
27、59 正極集電板、
29、52 電池外装材(ラミネートフィルム)。
Claims (14)
- 非晶質または低結晶性のケイ素を主成分とする母相中に、チタン(Ti)のケイ化物を含むシリサイド相が分散されてなる構造を有し、下記化学式(1):
Aは、不可避不純物であり、
Mは、チタン(Ti)であり、
x、y、z、およびaは、質量%の値を表し、この際、0<x<100、0<y<100、0<z<100、および0≦a<0.5であり、x+y+z+a=100である。)
で表される組成を有するケイ素含有合金からなり、
前記ケイ素含有合金のCuKα1線を用いたX線回折測定において、2θ=24〜33°の範囲におけるSiの(111)面の回折ピーク強度Aに対する、2θ=37〜45°の範囲におけるチタン(Ti)のケイ化物の回折ピーク強度Bの比の値(B/A)が0.41以上であり、
前記ケイ素含有合金における、レーザー回折法により得られた2次粒子径のD50値が、0.01μmを超え20μm未満である、電気デバイス用負極活物質。 - 前記D50値が、0.01μmを超え10μm未満である、請求項1に記載の電気デバイス用負極活物質。
- 前記D50値が、1.6〜5μmである、請求項1または2に記載の電気デバイス用負極活物質。
- 前記ケイ素含有合金における、レーザー回折法により得られた2次粒子径のD90値とD10値との差(D90−D10)が、40μm未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気デバイス用負極活物質。
- 前記(D90−D10)が、30μm未満である、請求項4に記載の電気デバイス用負極活物質。
- 前記(D90−D10)が、1〜3.9μmである、請求項5に記載の電気デバイス用負極活物質。
- 前記B/Aが0.89以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電気デバイス用負極活物質。
- 前記B/Aが2.55以上である、請求項7に記載の電気デバイス用負極活物質。
- 前記B/Aが7.07以上である、請求項8に記載の電気デバイス用負極活物質。
- 前記母相は、前記シリサイド相よりもアモルファス化している、請求項1〜9のいずれか1項に記載の電気デバイス用負極活物質。
- 前記シリサイド相のサイズが50nm以下である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の電気デバイス用負極活物質。
- 前記化学式(1)において、7<z<100である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の電気デバイス用負極活物質。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の電気デバイス用負極活物質を用いてなる、電気デバイス用負極。
- 請求項13に記載の電気デバイス用負極を用いてなる、電気デバイス。
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