JP2017223901A - レンズ保持機構及び撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】温度や湿度などの環境の変化にかかわらず撮像結果に変化が生じづらい撮像装置のためのレンズ保持機構を提供する。【解決手段】第1レンズと、前記第1レンズより撮像部材側に配置された第2レンズと、前記第1レンズを支持固定する第1レンズ枠と、前記第2レンズを支持固定する第2レンズ枠と、を備え、前記第1レンズ枠は前記第2レンズ枠に対して、接着剤により固定されており、前記接着剤は、前記第2レンズ枠に対して前記第1レンズ枠に与えられる応力を互いに消し合うように配置されている、レンズ保持機構を採用する。【選択図】図3

Description

本発明の一態様は、環境の変化に関わらずレンズが位置ずれしづらいレンズ保持機構及び撮像装置(例えば、民生用カメラ、携帯電話に搭載のカメラ、車載用カメラ、及び監視カメラなど)に関する。
従来から、カメラなどの撮像装置には、複数のレンズを収容して保持するレンズ保持機構(レンズ鏡筒またはレンズ鏡胴とも呼ばれる)が搭載されている。このような従来のレンズ保持機構は、例えば特許文献1などに開示されている。
特開2004−354879号公報
ところで、レンズ保持機構では、組み立て工程におけるキャリブレーションにおいてレンズの結像位置などを適切に調整するため、一のレンズに対して他のレンズの位置を調整して、調整後に接着剤で固定する構成を採ることがある。ところが、このような構成のレンズ保持機構では、温度や湿度などの環境が変化することで接着剤が膨張または収縮し、一のレンズに対する他のレンズの位置がずれてしまうことがあった。
本発明は、上記課題を解決するために次のような手段を採る。なお、以下の説明において、発明の理解を容易にするために、一例として実施例における図面中の符号等を括弧書きで付記することがあるが、本発明の各構成要素はこれらの付記したものに限定されるものではなく、当業者が技術的に理解しうる範囲にまで広く解釈されるべきものである。
本発明の一の手段は、
第1レンズ(2)と、
前記第1レンズより撮像部材側に配置された第2レンズ(5)と、
前記第1レンズを支持固定する第1レンズ枠(3)と、
前記第2レンズを支持固定する第2レンズ枠(1、4)と、を備え、
前記第1レンズ枠は前記第2レンズ枠に対して、接着剤(10a〜10l)により固定されており、
前記接着剤は、前記第2レンズ枠に対して前記第1レンズ枠に与えられる応力を互いに消し合うように配置されている、
レンズ保持機構である。
上記構成のレンズ保持機構では、接着剤により与えられる応力を互いに消し合うように接着剤が配置されているため、温度や湿度などの環境変化により接着剤から第1レンズ枠及び第2レンズ枠に対して与えられる応力に変化が生じたとしても、第1レンズ枠と第2レンズ枠の相対位置を安定的に保持することが可能となる。これにより、環境などの変化にかかわらず、第2レンズに対する第1レンズの位置ずれを抑制することが可能となる。
上記レンズ保持機構において、好ましくは、
前記接着剤(10i〜10l)は、前記第1レンズ及び前記第2レンズを透過する光の光軸に対して水平な円筒面上において、前記第1レンズを中心に対向する位置に配置されている。
上記のレンズ保持機構によれば、環境などの変化にかかわらず、第2レンズに対する第1レンズの、光軸方向のずれを防止することが可能となる。
上記レンズ保持機構において、好ましくは、
前記接着剤(10a〜10h)は、前記第1レンズ及び前記第2レンズを透過する光の光軸に対して垂直な平面上において、前記第1レンズを中心に対向する位置に配置されている。
上記のレンズ保持機構によれば、環境などの変化にかかわらず、第2レンズに対する第1レンズの、光軸に対して垂直な方向のずれを防止することが可能となる。
上記レンズ保持機構において、好ましくは、
前記接着剤は、前記第1レンズの中心に対して対称な位置に配置されている。
上記のレンズ保持機構によれば、環境などの変化にかかわらず、第2レンズに対する第1レンズのずれを防止することが可能となる。
また、本発明は、
上記いずれかのレンズ保持機構と、
露光により被写体の状態を撮像する撮像部材(撮像素子、またはフィルムなど)と、を備える、
撮像装置を含む。
上記の撮像装置によれば、温度や湿度などの環境の変化にかかわらず、撮像位置に変化が生じることがなく、撮像した画像など(撮影した動画を含む)の画質の低下を防止する構成とすることができる。
第1実施形態のレンズ保持機構の外観斜視図。 第1実施形態のレンズ保持機構の分解斜視図。 第1実施形態のレンズ保持機構の断面図。 第2実施形態のレンズ保持機構の外観斜視図。 第3実施形態のレンズ保持機構の分解斜視図。 第4実施形態のレンズ保持機構の断面図。 変形例のレンズ保持機構の構成例を示す図。
本発明に係る実施形態について、以下の構成に従って図面を参照しながら具体的に説明する。ただし、以下で説明する実施形態はあくまで本発明の一例にすぎず、本発明の技術的範囲を限定的に解釈させるものではない。なお、各図面において、同一の構成要素には同一の符号を付しており、その説明を省略する場合がある。
1.実施形態1
2.実施形態2
3.変形例
4.本発明の特徴
5.補足事項
<1.実施形態1>
本実施形態1及び実施形態2のレンズ保持機構は、第1レンズを支持する第2レンズ枠が、他の複数のレンズを支持する第1レンズ枠及び第3レンズ枠に対して複数位置に配置された接着剤により固定され、これらの接着剤が第2レンズ枠に与える応力が光軸方向及び光軸に対して垂直な方向において互いに消し合う(キャンセルされる)よう配置されていることを、一つの特徴としている。特に、本実施形態1では、接着剤は光軸方向にのみ接し、光軸に対して垂直な方向には接しておらず、光軸方向において、接着剤により第2レンズ枠に与えられる応力が逆方向に均等に与えられるように接着剤が配置されている。以下、本実施形態のレンズ保持機構の構成について具体的に説明する。なお、以下の説明にて、被写体側とは図2、及び図3で示す符号A側をいい、撮像部材側とは同図で示す符号B側をいう。
図1は、本実施形態のレンズ保持機構の外観斜視図である。図2は、本実施形態のレンズ保持機構の分解斜視図である。図3は、本実施形態のレンズ保持機構の光軸に対して水平な面における断面図である。
図1〜図3に示されるように、本実施形態のレンズ保持機構は、第1レンズ枠1、第1レンズ2、第2レンズ枠3、第3レンズ枠4、第2レンズ5、スペーサー6、第3レンズ7、口径板8、押さえ環9、接着剤10a〜10h、並びにねじ11a及び11bを含んで構成される。第1レンズ枠1、第2レンズ枠3、及び第3レンズ枠4は、複数のレンズ2、5、及び7、スペーサー6、口径板8、及び押さえ環9といった複数のレンズ等の構成を支持収容するよう構成される。第1レンズ2は、第2レンズ5及び第3レンズ7に対して、接着剤10a〜10hにより固定されており、接着剤10a〜10hが配置(塗布)される前の状態では、第1レンズ2は第2レンズ5及び第3レンズ7に対して移動可能に配置されている。
なお、本実施形態のレンズ保持機構は、撮像装置の構成の一部である。本実施形態のレンズ保持機構を構成の一部として含む撮像装置は、CCDまたはC−MOSなどの撮像素子またはフィルムなどの撮像部材、及び必要に応じてシャッター(例えば、レンズシャッター、またはフォーカルプレンシャッターなど)などを含んで構成される。これらの構成(撮像部材、及びシャッターなどの構成)は従来の構成と同様のものであるため、ここではそれらの説明を省略する。
<第1レンズ枠1>
第1レンズ枠1は、光軸方向に対して略垂直な平面の第3レンズ枠4との当接面を有しており、ねじ11a及び11bによって第3レンズ枠4と連結されている。また、第1レンズ枠1には、4箇所の接着剤配置部1a〜1dが形成されており、それぞれの位置に接着剤10a〜10dが配置されている。
<第1レンズ2>
第1レンズ2は、複数のレンズのうち最も被写体側に配置されたレンズであって、第2レンズ枠3により支持固定されている。第1レンズ2は、第2レンズ枠3と接着剤10a〜10hを介在させて、第1レンズ枠1及び第3レンズ枠4により支持されている。すなわち、接着剤10a〜10hにより第2レンズ枠3が第1レンズ枠1及び第3レンズ枠4に接着されることで、第1レンズ2が第2レンズ5及び第3レンズ7に対して固定される。
<第2レンズ枠3>
第2レンズ枠3は、第1レンズ2を支持固定するよう構成されており、接着剤10a〜10hによって第1レンズ枠1及び第3レンズ枠4に対して固定されている。
<第3レンズ枠4>
第3レンズ枠4は、光軸方向に対して略垂直な平面の第1レンズ枠1との当接面を有しており、ねじ11a及び11bによって第1レンズ枠1と連結されている。また、第3レンズ枠4には、第1レンズ2の光軸に対して垂直な面において、接着剤10a〜10dに対して面対称な位置に、接着剤10e〜10hが配置されている。
<接着剤10a〜10h>
接着剤10a〜10dは、例えば、液性接着剤、または固体接着剤などであって、第1レンズ枠1と第2レンズ枠3との間に配置される。接着剤10a〜10dは、第1レンズ枠1の撮像部材側の面に接し、第2レンズ枠3の被写体側の面に接し、それ以外の面には接しないよう配置されている。一方、接着剤10e〜10hは、第2レンズ枠3と第3レンズ枠4との間に配置される。接着剤10e〜10hは、第2レンズ枠3の撮像部材側の面に接し、第3レンズ枠4の被写体側の面に接し、それ以外の面には接しないよう配置されている。接着剤10e〜10hは、上記のとおり、光軸に対して垂直な面において、接着剤10a〜10dに対して面対称な位置に、接着剤10e〜10hが配置されている。また、接着剤10a〜10hは、それぞれ同じ材料及び量になっている。
このように配置された接着剤10a〜10dは、第1レンズ枠1と第2レンズ枠3との間に、光軸方向の応力を発生する。この応力は、周辺の温度及び湿度などの環境により接着剤が膨張または収縮することで変化し、これによって光軸方向の応力が変化する。一方で接着剤10e〜10hは、第2レンズ枠3及び第3レンズ枠4との間に、光軸方向の応力を発生する。この応力も、周辺の温度及び湿度などの環境により接着剤が膨張または収縮することで変化し、これによって光軸方向の応力が変化する。接着剤10a〜10dにより発生する応力は、接着剤10e〜10hにより発生する応力と同じ強さで逆方向に発生するため、これらの応力は互いに消し合う(キャンセルしあう)。そのため、環境変化などにより接着剤10a〜10hにより発生する応力に変化が生じたとしても、この応力のベクトルは0になる。これにより、連結された第1レンズ枠1及び第3レンズ枠4に対して接着剤10a〜10hにより固定された第2レンズ枠3は、環境変化などにより位置が変化する(ずれる)ことがなくなる。
<その他の構成>
第2レンズ5及び第3レンズ7は、第3レンズ枠4に支持固定されており、その間にはスペーサー6が配置される。スペーサー6は、第2レンズ5と第3レンズ7との間隔を適切に固定するための構成であって、光を透過するための開口を有する。口径板8は、本実施形態のレンズ保持機構に含まれる複数のレンズの途中位置に配置されており、被写体側からの光量を規制する機能を有する。押さえ環9は、レンズ保持機構の最も撮像部材側に配置された口径板8に当接し、口径板8の光軸方向の移動を規制して、口径板8、第2レンズ5及び第3レンズ7の位置を固定するよう構成される。なお、スペーサー6及び口径板8は、複数のレンズのうちの適切な位置に配置されればよく、必ずしも本実施形態の位置に配置される必要はない。
<2.実施形態2>
本実施形態2は、実施形態1と類似の構成であるが、実施形態1と異なり、接着剤は光軸に垂直な方向にのみ接し、光軸に対して水平な方向には接しておらず、光軸に垂直な方向において、接着剤により第2レンズ枠に与えられる応力が逆方向に均等に与えられるように接着剤が配置されている。以下、本実施形態の撮像装置の構成について具体的に説明する。なお、以下の説明にて、被写体側とは図5及び図6で示す符号A側をいい、撮像部材側とは同図で示す符号B側をいう。
図4は、本実施形態のレンズ保持機構の外観斜視図である。図5は、本実施形態のレンズ保持機構の分解斜視図である。図6は、本実施形態のレンズ保持機構の光軸に対して水平な面における断面図である。
図4〜図6に示されるよう、本実施形態のレンズ保持機構は、第1レンズ枠12、第1レンズ2、第2レンズ枠3、第3レンズ枠4、第2レンズ5、スペーサー6、第3レンズ7、口径板8、押さえ環9、接着剤10i〜10l、並びにねじ11a及び11bを含んで構成される。すなわち、本実施形態のレンズ保持機構は、第1レンズ枠12の構成が第1レンズ枠1と異なり、接着剤10i〜10lの配置が異なっている。
<第1レンズ枠12>
第1レンズ枠12は、実施形態1の第1レンズ枠1と同様に、光軸方向に対して略垂直な平面の第3レンズ枠4との当接面を有しており、ねじ11a及び11bによって第3レンズ枠4と連結されている。また、第1レンズ枠12には、光軸方向に形成された円筒状の外形部の均等位置の4箇所(互いに90度の場所)に、接着剤10i〜10lが配置されている。
<第2レンズ枠3>
第2レンズ枠3は、実施形態1の第2レンズ3と同様に、第1レンズ2を支持固定するよう構成されており、接着剤10i〜10lによって第1レンズ枠1及び第3レンズ枠4に対して固定されている。
<第3レンズ枠4>
第3レンズ枠4は、実施形態1の第3レンズ枠4と同様に、光軸方向に対して略垂直な平面の第1レンズ枠1との当接面を有しており、ねじ11a及び11bによって第1レンズ枠1と連結されている。また、第3レンズ枠4には接着剤は配置されていない。
<接着剤10i〜10l>
接着剤10i〜10lは、第1レンズ枠1の内径部分と、第2レンズ枠3の外径部分との間に配置される。第1レンズ枠1の内径部分及び第2レンズ枠3の外径部分は、光軸方向に対して水平に形成されている。また、接着剤10a〜10hは、それぞれ同じ材料及び量になっている。
このように配置された接着剤10i〜10lは、第1レンズ枠1と第2レンズ枠3との間に、光軸に対して垂直な方向の応力を発生する。この応力は、周辺の温度及び湿度などの環境により接着剤が膨張または収縮することで変化し、これによって光軸に対して垂直な方向の応力が変化する。また、接着剤10iと10k、及び接着剤10jと10lは、光軸を中心に互いに対向する位置に配置されているため、接着剤10iに生じる応力の変化は接着剤10kに生じる応力の変化と同様であり、接着剤10jに生じる応力の変化は接着剤10lに生じる応力の変化と同様である。よって、これらの応力は互いに消し合う(キャンセルしあう)こととなる。そのため、環境変化などにより接着剤10i〜10lにより発生する応力に変化が生じたとしても、この応力のベクトルは0となり、第1レンズ枠1に対して接着剤10i〜10lにより固定された第2レンズ枠3は、環境変化などにより位置が変化する(ずれる)ことがなくなる。
<3.変形例>
次に、上記実施形態1及び実施形態2に加え、本発明の変形例について説明する。本変形例では、上記実施形態に対して図面を大幅に簡略化している。すなわち、本変形例では、本発明で重要な構成となる、第1レンズ枠1(12)及び第3レンズ枠4、第1レンズ2及び第1レンズ枠3、並びに接着剤10の配置についてのみ説明し、それ以外の構成についての説明を省略する。なお、本発明では、そもそも第1レンズ枠1及び第3レンズ枠4は一体的な構成であっても良い。また、本発明では、第1レンズ2は必ずしも第2レンズ枠3により支持されつつ、接着剤により第1レンズ枠に接着されている必要はなく、第2レンズ枠3を含まない構成であっても良い。以下、本発明の変形例について、図7を参照しながら具体的に説明する。
図7(a)は、本発明の変形例1の断面図である。図7(a)に示されるように、本変形例1のレンズ保持機構では、第1レンズ2に対して、光軸を中心とする、光軸に水平な平面上において、第1レンズ2を中心に面対称に接着剤10が配置されている。この接着剤の配置は、実施形態1の接着剤10a〜10hの配置と同様である。
図7(b)は、本発明の変形例2の断面図である。図7(b)に示されるように、本変形例2のレンズ保持機構では、第1レンズ2の端面部分を覆うように接着剤10が配置され、この接着剤は、第1レンズ枠1に全面的に接している。第1レンズ枠1は、接着剤10と接する面が全方位に対して均等になっており、接着剤10により発生する応力が全方位に対して均等になるように形成されている。
図7(c)は、本発明の変形例3の断面図である。図7(c)に示されるように、本変形例3のレンズ保持機構では、接着剤10は、第1レンズ2に対しては光軸方向にのみ接しており、第1レンズ枠1に対しては光軸方向と光軸に対して垂直な方向とに均等に接している。
図7(d)は、本発明の変形例4の断面図である。図7(d)に示されるように、本変形例4のレンズ保持機構では、接着剤10は、第1レンズ2及び第1レンズ枠1に、光軸に対して垂直な方向にのみ接するよう配置されている。この接着剤の配置は、実施形態2の接着剤10i〜10lの配置と同様である。
図7(e)は、本発明の変形例5の断面図である。図7(e)に示されるように、本変形例5のレンズ保持機構では、接着剤10は、第1レンズ2に対しては光軸方向にのみ接しており、第1レンズ枠1に対しては光軸に対して垂直な方向にのみ接している。
図7(f)は、本発明の変形例6の断面図である。図7(f)に示されるように、本変形例6のレンズ保持機構では、第1レンズ枠1が接着剤10と接する面は斜面状に形成されており、接着剤10は、第1レンズ2の端面全体を覆うよう配置され、第1レンズ枠1の斜面の全面に接している。これにより、接着剤10により発生する応力が全方位に対して均等になるように形成されている。
図7(g)は、本発明の変形例7の断面図である。図7(g)に示されるように、本変形例7のレンズ保持機構では、変形例6と同様に、第1レンズ枠1が接着剤10と接する面は斜面状に形成されている。接着剤10は、第1レンズ2の端面全体を覆うよう配置され、第1レンズ枠1の斜面の一部に均等に接している。これにより、接着剤10により発生する応力が全方位に対して均等になるように形成されている。
<4.本発明の特徴>
上記の実施形態1、実施形態2、及び変形例1〜変形例7の構成では、いずれも、第1レンズ枠1(及び第3レンズ枠4)を基準に、接着剤10が第1レンズ2に与える応力を互いに消し合うように配置されている。このような構成のレンズ保持機構では、接着剤10により与えられる応力が互いに消し合わされるよう配置されているため、温度や湿度などの環境変化により接着剤10から第1レンズ枠1(及び第3レンズ枠4)及び第1レンズ2(及び第2レンズ枠3)に対して与えられる応力に変化が生じたとしても、第1レンズ2(及び第2レンズ枠3)と第1レンズ枠1(及び第3レンズ枠4)との相対位置を安定的に保持することが可能となる。これにより、環境などの変化にかかわらず、第1レンズ2以外のレンズに対する第1レンズ2の位置ずれを抑制することが可能となる。
<5.補足事項>
以上、本発明の実施形態についての具体的な説明を行った。上記説明では、あくまで一実施形態としての説明であって、本発明の範囲はこの一実施形態に留まらず、当業者が把握可能な範囲にまで広く解釈されるものである。
上記実施形態では、接着剤の配置の具体例を複数挙げて説明したが、本発明のレンズ保持機構では、あくまで接着剤により与えられる応力のバランスが取れるように接着剤を配置し、接着剤の応力の変化を均等にすることがその本質である。すなわち、本発明は上記発明の本質を含む範囲の構成を包含するものである。
また、上記実施形態では、接着剤を互いに対向する4箇所または8箇所などの位置に配置していたが、当然これらの形態に限定されるものではない。例えば、接着剤は6箇所または16箇所などに配置されても良いし、第1レンズ2の端部周辺を全方位において覆うように配置されても良いことはいうまでもない。
また、上記実施形態では一例として、第1レンズ2、第2レンズ5、及び第3レンズ7を含む構成としていたが、レンズの数は任意に変更可能である。また、口径板8の位置は任意に変更可能である。また、スペーサー6は必要に応じて配置されればよく、配置されなくても良いし、複数配置されても良い。
また、上記実施形態の撮像装置に含まれるレンズは、プラスチックを素材としても良いし、ガラスを素材としても良いし、透過性を有する他の素材を用いても良い。
また、上記実施形態では本発明で特徴的な部分のみについて説明したが、本発明の撮像装置は、撮像部材などの種々の構成をさらに備えている。
本発明は、温度や湿度などの環境が変化しても撮像結果に変化が生じづらい撮像装置のレンズ保持機構などとして効果的に利用される。
1、12…第1レンズ枠
1a-1d…接着剤配置部
2…第1レンズ
3…第2レンズ枠
4…第3レンズ枠
5…第2レンズ
6…スペーサー
7…第3レンズ
8…口径板
9…環
10a-10l…接着剤
11a、11b…ねじ
A…被写体側
B…撮像部材側

Claims (5)

  1. 第1レンズと、
    前記第1レンズより撮像部材側に配置された第2レンズと、
    前記第1レンズを支持固定する第1レンズ枠と、
    前記第2レンズを支持固定する第2レンズ枠と、を備え、
    前記第1レンズ枠は前記第2レンズ枠に対して、接着剤により固定されており、
    前記接着剤は、前記第2レンズ枠に対して前記第1レンズ枠に与えられる応力を互いに消し合うように配置されている、
    レンズ保持機構。
  2. 前記接着剤は、前記第1レンズ及び前記第2レンズを透過する光の光軸に対して水平な円筒面上において、前記第1レンズを中心に対向する位置に配置されている、
    請求項1に記載のレンズ保持機構。
  3. 前記接着剤は、前記第1レンズ及び前記第2レンズを透過する光の光軸に対して垂直な平面上において、前記第1レンズを中心に対向する位置に配置されている、
    請求項1に記載のレンズ保持機構。
  4. 前記接着剤は、前記第1レンズの中心に対して対称な位置に配置されている、
    請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のレンズ保持機構。
  5. 請求項1または請求項2に記載のレンズ保持機構と、
    露光により被写体の状態を撮像する撮像部材と、を備える、
    撮像装置。
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