JP2017223560A - 粒子検出センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】粒子の検出精度を維持することができる粒子検出センサを提供する。
【解決手段】粒子2が流入する流入口101と粒子2が流出する流出口102とが形成された筐体10と、筐体10内に設置された粒子2を検出する光学系20と、筐体10内を乾燥する乾燥剤151と、乾燥剤151を加熱する加熱装置61と、加熱装置61を制御する制御回路72とを備える。
【選択図】図5
【解決手段】粒子2が流入する流入口101と粒子2が流出する流出口102とが形成された筐体10と、筐体10内に設置された粒子2を検出する光学系20と、筐体10内を乾燥する乾燥剤151と、乾燥剤151を加熱する加熱装置61と、加熱装置61を制御する制御回路72とを備える。
【選択図】図5
Description
本発明は、粒子検出センサに関する。
従来、大気中に浮遊する粒子(エアロゾル)によって散乱された光(散乱光)を検出することで、粒子を検出する光散乱式粒子検出センサが知られている。光散乱式粒子検出センサでは、当該光散乱式粒子検出センサの内部に結露が生じると、粒子の誤検出を起こす可能性がある。したがって、光散乱式粒子検出センサの内部に結露が生じないようにするために、吸湿剤が設けられた光散乱式粒子検出センサがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の散乱光式煙検知器は、通気性を有する暗箱内に、光源と光電素子とが配設されている。上記散乱光式煙検知器では、光源の光が当る暗箱の内面に吸湿剤層が形成される。
しかしながら、特許文献1に記載の散乱光式煙検知器では、例えば高湿度環境下においては、吸湿剤が吸収できる水分がすぐに飽和することで、除湿能力を失うことが懸念される。つまり、上記散乱光式煙検知器では、粒子の検出精度の維持が困難であった。
そこで、本発明は、粒子の検出精度を維持することができる粒子検出センサを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る粒子検出センサは、粒子が流入する流入口と前記粒子が流出する流出口とが形成された筐体と、前記筐体内に設置され、前記粒子を検出する光学系と、前記筐体内を乾燥する乾燥剤と、前記乾燥剤を加熱する加熱装置と、前記加熱装置を制御する制御回路と、を備える。
本発明に係る粒子検出センサによれば、粒子の検出精度を維持することができる。
以下では、本発明の実施の形態に係る粒子検出センサなどについて、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
(実施の形態)
[粒子検出センサ]
まず、本実施の形態に係る粒子検出センサの概要について、図1〜図6を用いて説明する。
[粒子検出センサ]
まず、本実施の形態に係る粒子検出センサの概要について、図1〜図6を用いて説明する。
図1〜図3はそれぞれ、本実施の形態に係る粒子検出センサ1を示す概観斜視図、分解斜視図、六面図である。具体的には、図3の(a)は粒子検出センサ1の正面図、(b)は背面図、(c)は下面図、(d)は上面図、(e)は左側面図、(f)は右側面図である。
図4は、本実施の形態に係る粒子検出センサ1の筐体10の内部を示す断面図であり、具体的には、図3の(c)のIV−IV線における断面を示している。図5及び図6はそれぞれ、本実施の形態に係る背面カバー110及び前面カバー100の内部構造を示す概観斜視図である。
粒子検出センサ1は、流入口101が下方、流出口102が上方になるように配置される。具体的には、粒子検出センサ1は、図1に示すY軸方向が鉛直上向きになるように配置される。なお、粒子検出センサ1は、扁平な略直方体状であり、互いに直交する2つの辺に沿った方向をそれぞれX軸方向及びY軸方向とする。また、粒子検出センサ1の厚さ方向をZ軸方向とする。本実施の形態では、粒子検出センサ1は、例えば、X:52mm×Y:45mm×Z:22mmに収まる範囲の大きさである。
粒子検出センサ1は、図1及び図4に示すように、筐体10と、筐体10の内部に配置された光学系20とを備える光電式粒子検出センサである。本実施の形態では、粒子検出センサ1は、光散乱式粒子検出センサである。具体的には、粒子検出センサ1は、光学系20が筐体10内の検出領域DAに光を照射し、検出領域DAを通過する粒子2(エアロゾル)による光の散乱光を受光することで、粒子2の有無を検出する。また、粒子検出センサ1は、粒子2の有無に限らず、粒子2の個数及び大きさなどを検出してもよい。なお、粒子検出センサ1が検出の対象とする粒子2は、例えば、2μm以下の微小なホコリ、花粉、煙、PM2.5などの微粒子である。
筐体10は、光学系20及び検出領域DAを覆う筐体(ケース)である。筐体10は、光学系20及び検出領域DAに外光が照射されないように、光学系20及び検出領域DAを覆っている。
筐体10は、内部に粒子2が流入するための流入口101と、内部に流入した粒子2が外部に流出するための流出口102とを有する。本実施の形態では、図4の太点線の矢印で示すように、粒子2を含む気体が流入口101から流入し、筐体10の内部(例えば、検出領域DA)を通って流出口102から流出する。つまり、筐体10内において、流入口101から流出口102へ、空気の流路が形成される。また、流入口101側が、流出口102側に対して上述した空気の流路の上流側となる。筐体10の詳細な構成については、後で説明する。
光学系20は、流入口101を介して筐体10内に流入し、かつ、筐体10に覆われた検出領域DAを通過する粒子2を光学的に検出する。本実施の形態では、図4に示すように、光学系20は、筐体10に覆われた検出領域DAに互いの光軸(光軸P及び光軸Q)が交差するように配置された投光系120及び受光系130を有する。検出領域DAを通過する粒子2は、投光系120が出力する光によって検出される。投光系120は、投光素子121と、投光レンズ122とを備える。受光系130は、受光素子131と、受光レンズ132とを備える。光学系20の詳細な構成については、後で説明する。
なお、検出領域(光散乱部)DAは、測定対象の気体に含まれる粒子2を検出するための領域であるエアロゾル検出領域(エアロゾル測定部)である。本実施の形態では、検出領域DAは、投光系120の光軸Pと受光系130の光軸Qとが交差する交点を含む領域である。検出領域DAは、例えば、φ2mmである。測定対象の気体は、筐体10の流入口101から流入し、検出領域DAに誘導された後、流出口102から流出する。
粒子検出センサ1は、さらに、ホコリ抑制壁30と、光トラップ40と、光トラップ50とを備える。
ホコリ抑制壁30は、流入口101と検出領域DAとの間に設けられた壁であって、粒子2より大きいホコリが検出領域DAに進入するのを抑制する。ここで、検出領域DAへの進入を抑制すべき対象となるホコリ(塵埃)は、例えば、2μm以上の粒子である。また、ホコリ抑制壁30は、流入口101と光トラップ40との間に設けられた壁であって、気体が光トラップ40に進入しないように気体を誘導する気体誘導壁である。
光トラップ40は、投光系120から出力されて検出領域DAを通った光をトラップする。具体的には、光トラップ40は、内部に一旦入射した光が外部に出射しないように吸収する。また、光トラップ40は、検出領域DAを介して投光系120と対向する位置に設けられている。具体的には、光トラップ40は、図4に示すように、閉空間41及び43と、開口部42及び44と、光反射壁112と、ホコリ抑制壁30とを有する。光トラップ40は、投光系120から出力されて検出領域DAを通った光を、光反射壁112で分割する。
開口部42及び44は、検出領域DAに向かって開口しており、投光系120から出力された光が直接通過する。具体的には、投光系120から出力されて検出領域DAを通過した後に広がった光の略全ては、筐体10の内面及び内部構造などに反射されることなく、開口部42及び44を通過する。開口部42には、光軸Pが通過している。
閉空間41及び43は、筐体10の内部に設けられた、迷光を吸収するための閉じられた空間である。閉空間41には、迷光が入射するための開口部42が設けられている。閉空間43には、迷光が入射するための開口部44が設けられている。検出領域DAを通過した光の一部は、開口部42を介して閉空間41へ進入する。また、検出領域DAを通過した光の一部は、開口部44を介して閉空間43へ進入する。進入した光は、閉空間41及び43内で多重反射することで、壁面に吸収されて減衰する。
光反射壁112は、開口部42を通過した光を反射することで、当該光を閉空間41の奥部に進行させる。さらに、光反射壁112は、開口部44を通過した光を反射することで、当該光を閉空間43に進行させる。
光トラップ50は、光トラップ40にトラップされない光をトラップする。例えば、光トラップ50は、投光系120から出力されて検出領域DAを通らない光(漏れ光)、及び、光トラップ40に一旦入射したものの再び光トラップ40から出射された光などをトラップする。また、光トラップ50は、検出領域DAを介して受光系130と対向する位置に設けられている。光トラップ50は、例えば、複数の楔形突出部115が設けられたラビリンス構造である。具体的には、光トラップ50は、図4に示すように、閉空間51と、開口部52と、光反射壁113と、光反射壁114と、複数の楔形突出部115とを有するラビリンス構造である。
閉空間51は、筐体10の内部に設けられた、迷光を吸収するための閉じられた空間である。閉空間51には、検出領域DAに向かって開口した開口部52が設けられている。閉空間51から開口部52を介して光が出射された場合、検出領域DAを通って受光系130に到達する可能性がある。このため、光トラップ50は、開口部52を介して閉空間51に進入した光が、再び開口部52を介して出射されないように形成されている。
光反射壁113は、複数の楔形突出部115の突出方向に交差し、かつ、受光系130の光軸Qと略平行に配置されている。光反射壁113は、例えば平板状の壁であり、背面部10b(内面110a)及び右側面部10fの各々から立設している。光反射壁113は、投光系120から出力されて筐体10の内面で反射された光を、複数の楔形突出部115に向けて反射する。
光反射壁114は、投光系120から出射されて光トラップ40にトラップされなかった光(迷光)を反射する。光反射壁114は、所定の方向(Y軸方向)における一方の端部が下面部10cに接続され、他方の端部が筐体10のいずれの内面にも接続されていない。当該他方の端部が検出領域DAに向かうように、光反射壁114は設けられている。また、光反射壁114は、ホコリ抑制壁30(気体誘導壁)によって誘導された気体を検出領域DAに向けて誘導する気体誘導壁である。また、光反射壁114は、流入口101と光トラップ50との間に設けられた壁であり、ホコリ抑制壁30によって誘導された気体が光トラップ50に進入しないように誘導する。
複数の楔形突出部115は、閉空間51に設けられ、筐体10の側面から内方に向かって突出した楔形の壁である。複数の楔形突出部115は、閉空間51内において、背面カバー110の内面110aから立設している。複数の楔形突出部115に進入した光は、複数の楔形突出部115で多重反射することで、複数の楔形突出部115の壁面に吸収されて減衰する。
粒子検出センサ1は、さらに、加熱装置(第二加熱装置)60と、除湿体150と、加熱装置(第一加熱装置)61と、湿度センサ140と、回路基板70と、コネクタ80と、シールドカバー90と、シールドカバー91とを備える。
加熱装置60は、流入口101から流入した粒子2を含む気体を、検出領域DAを通るように流すことで、筐体10内に気流を生成する気流生成部の一例である。本実施の形態では、加熱装置60は、筐体10の下部に配置されて、大気を加熱するヒータである。具体的には、加熱装置60は、粒子2を含む気体を加熱することで、図4に示すように、筐体10内に上昇気流(Y軸正方向への気体の流れ)を生成し、検出領域DAに粒子2を含む気体を誘導する。加熱装置60は、例えば、低コストのヒータ抵抗である。なお、図4では、太点線の矢印で気流の一例を示している。
除湿体150は、粒子検出センサ1の内部の湿度を低下させるために、又は、粒子検出センサ1内に流入される空気の湿度を低下させるために用いられる。除湿体150には、除湿体150の内部に乾燥剤151が保持されている。具体的には、乾燥剤151が、粒子検出センサ1の内部の湿度を低下させることで、又は、粒子検出センサ1内に流入される空気の湿度を低下させることで、筐体10内を乾燥させる。また、除湿体150は、除湿体150の内部を空気が通過するように形成される。本実施の形態においては、除湿体150は、流入口101の近傍に設置される。具体的には、粒子検出センサ1内に空気が取り込まれる際に、除湿体150内に保持された乾燥剤151に空気が接触するように、流入口101に除湿体150は設置される。
こうすることで、粒子検出センサ1内の湿度の上昇をより効果的に抑制することが可能となる。つまり、粒子検出センサ1内に流入される空気をより効果的に除湿することが可能となるため、乾燥剤151の量を少なくしても、粒子検出センサ1内の湿度の上昇は効果的に抑制される。さらには、乾燥剤151の量を少なくすることができるため、除湿体150は小型化され得る。除湿体150の詳細な構成については、後で説明する。
加熱装置61は、除湿体150に保持される乾燥剤151を加熱して乾燥させるヒータである。乾燥剤151は、空気中の水分を物理吸着する。空気中の水分を吸収することで除湿能力を失った乾燥剤151は、加熱されることで除湿能力を回復する。加熱装置61は、除湿体150の近傍に設置される。本実施の形態では、加熱装置61は、除湿体150の内部に配置されて、乾燥剤151を加熱する。加熱装置61は、例えば、低コストのヒータ抵抗である。
湿度センサ140は、粒子検出センサ1内の湿度を計測するセンサである。湿度センサ140は、例えば、静電容量型の電子湿度計である。筐体10内における湿度センサ140を設置する場所は、特に限定されない。本実施の形態においては、湿度センサ140は、筐体10の下部に配置される。さらに、湿度センサ140は、図4に示す閉空間41における筐体10側の内壁面に寄せて設置されてもよい。こうすることで、湿度センサ140は、粒子2を検出する際に光学系20への影響を少なくすることができる。さらには、湿度センサ140は、粒子検出センサ1内を通過する粒子2の妨げにならない。
回路基板70は、粒子検出センサ1の制御回路72が形成されたプリント配線基板である。制御回路72は、例えば、投光系120による光の出力、受光系130によって受光した光信号に基づく電気信号の処理、加熱装置60による気体の加熱などの処理を制御する。例えば、制御回路72は、粒子2の有無、大きさ及び個数などを検出し、コネクタ80を介して外部に検出結果を出力する。
回路基板70は、例えば、矩形の平板であり、一方の主面(表面)に筐体10が固定されている。他方の主面(裏面)には、制御回路72を構成する1つ又は複数の回路素子(回路部品)が実装されている。なお、投光素子121、受光素子131、加熱装置60(ヒータ抵抗)、加熱装置61(ヒータ抵抗)及び湿度センサ140の各々の電極端子は、筐体10の背面カバー110及び回路基板70を貫通し、回路基板70の裏面にはんだ付けされている。これにより、投光素子121、受光素子131、加熱装置60(ヒータ抵抗)、加熱装置61(ヒータ抵抗)及び湿度センサ140の各々は、制御回路72に電気的に接続されて、制御回路72によって動作が制御される。制御回路72の加熱装置61の詳細な動作については、後で説明する。
複数の回路素子は、例えば、抵抗、コンデンサ、コイル、ダイオード又はトランジスタなどを含む。複数の回路素子の1つである電解コンデンサ71は、図4及び図5に示すように、回路基板70の表面に設けられ、筐体10内に配置されている。
コネクタ80は、粒子検出センサ1の制御回路72(回路基板70)と、外部の制御回路又は電源回路とを接続するためのコネクタである。コネクタ80は、回路基板70の裏面に実装されている。例えば、粒子検出センサ1は、コネクタ80を介して外部から電力が供給されて動作する。
シールドカバー90は、外部ノイズから制御回路72を保護するために設けられた金属製のカバーである。シールドカバー90は、回路基板70の裏面側に取り付けられている。
シールドカバー91は、外部ノイズから受光系130の受光素子131を保護するために設けられた金属製のカバーである。シールドカバー91は、図3の(a)、(d)及び(e)に示すように、筐体10の前面、上面及び左側面の一部であって、内部に受光素子131が配置された部分を覆っている。
なお、シールドカバー90及びシールドカバー91は、例えば、はんだ付けなどで容易に接続ができるブリキなどから構成される。
以下では、粒子検出センサ1が備える各構成要素について、詳細に説明する。
[筐体]
筐体10は、粒子検出センサ1の本体部であり、内部には、検出領域DA、光学系20、ホコリ抑制壁30、光トラップ40、光トラップ50及び加熱装置60が設けられている。本実施の形態では、筐体10は、前面カバー100と、背面カバー110との2つの部材によって構成される。
筐体10は、粒子検出センサ1の本体部であり、内部には、検出領域DA、光学系20、ホコリ抑制壁30、光トラップ40、光トラップ50及び加熱装置60が設けられている。本実施の形態では、筐体10は、前面カバー100と、背面カバー110との2つの部材によって構成される。
筐体10は、遮光性を有する。例えば、筐体10は、迷光を吸収させるように、少なくとも内面が黒色である。具体的には、筐体10の内面は、光の吸収率が高く、かつ、光を鏡面反射する。なお、筐体10の内面における反射は、鏡面反射でなくてもよく、光の一部が散乱反射されてもよい。
ここで、迷光は、粒子2による散乱光以外の光であり、具体的には、投光系120が出力する光のうち検出領域DAにおいて粒子2に散乱されることなく、筐体10内を進行する光である。また、迷光は、粒子2によって散乱されなかった光だけでなく、投光系120のレンズ表面での反射光、及び、検出領域DAを通過しない光(例えば、投光系120から略直下に出射された光)なども含む。また、迷光は、筐体10の外部から流入口101又は流出口102を介して筐体10の内部に進入した外光も含む。
筐体10は、例えば、ABS樹脂などの樹脂材料を用いた射出成形により形成される。具体的には、前面カバー100及び背面カバー110の各々が、樹脂材料を用いた射出成形により形成された後、互いに組み合わされることで筐体10を構成する。このとき、例えば、黒色の顔料又は染料を添加した樹脂材料を用いることで、筐体10の内面を黒色面にすることができる。あるいは、射出成形後に内面に黒色塗料を塗布することで、筐体10の内面を黒色面にすることができる。また、筐体10の内面にシボ加工などの表面処理を行うことによって、迷光を吸収させてもよい。
筐体10は、図1〜図3に示すように、扁平な多面体であり、前面部10aと、背面部10bと、下面部10cと、上面部10dと、左側面部10eと、右側面部10fとを有する。具体的には、図3の(a)に示すように、筐体10は、矩形の4つの角のうち右上及び左上の角が斜めになった略七角形を底面とする角柱形状である。
前面部10a、背面部10b、下面部10c、上面部10d、左側面部10e及び右側面部10fはそれぞれ、筐体10の前面(正面)、背面、下面、上面、左側面及び右側面を形成する。前面部10aは、前面カバー100の底部であり、背面部10bは、背面カバー110の底部である。下面部10c、上面部10d、左側面部10e及び右側面部10fは、前面カバー100の側周部と背面カバー110の側周部とが組み合わされて形成される。
前面部10a及び背面部10bは、互いに略同じ形状であり、具体的には、図3の(a)に示すように、略七角形の平板部である。下面部10cは、前面部10a及び背面部10bに垂直に設けられた略矩形の平板部である。上面部10d、左側面部10e及び右側面部10fは、前面部10a及び背面部10bに垂直に設けられ、図3の(a)に示すように、平面視において筐体10の内方に向かって屈曲した板状部である。
なお、筐体10の形状は一例であって、これに限らない。例えば、筐体10は、底面(前面部10a及び背面部10b)が矩形の直方体でもよく、あるいは、底面が円形の円柱でもよい。
筐体10の側面には、図1に示すように、流入口101と、流出口102とが設けられている。具体的には、筐体10の前面部10aに、流入口101と、流出口102とが設けられている。
流入口101は、筐体10の側面に設けられた所定形状の開口であり、当該開口を介して、粒子2を含む気体が筐体10の内部に流入する。流入口101は、例えば、5.5mm×12mmの略矩形の開口であるが、流入口101の形状はこれに限らない。例えば、流入口101は、円形又は楕円形などの開口でもよい。
本実施の形態では、流入口101は、図4に示すように、検出領域DAの直下方向には設けられておらず、前面カバー100の下部の隅に設けられている。これにより、流入口101から進入する外光が検出領域DAに照射されにくくなり、また、迷光として受光素子131に入射されるのを抑制することができる。
流出口102は、筐体10の側面に設けられた所定形状の開口であり、当該開口を介して、粒子2を含む気体が筐体10の外部に流出する。流出口102は、例えば、5mm×12mmの略矩形の開口であるが、流出口102の形状はこれに限らない。例えば、流出口102は、円形又は楕円形などの開口でもよい。流出口102の大きさは、例えば、流入口101と略同じである。
本実施の形態では、流出口102は、図4に示すように、検出領域DAの直上方向であって、前面カバー100の上部の中央に設けられている。これにより、加熱装置60によって生成された気流をスムーズに流出口102から外部に放出することができる。
なお、流入口101及び流出口102は、筐体10の前面部10aに設けたが、これに限らない。例えば、流入口101は、筐体10の背面部10b、下面部10c、左側面部10e又は右側面部10fに設けてもよい。また、流出口102は、筐体10の背面部10b、上面部10d、左側面部10e又は右側面部10fに設けてもよい。
筐体10には、ホコリ抑制壁30、光トラップ40及び光トラップ50の各々を構成するための内部構造(例えば、所定形状のリブなど)が設けられている。具体的には、図6に示すように、前面カバー100は、内面100aから立設した壁103を有する。また、図5に示すように、背面カバー110は、内面110aから立設した壁111を有する。壁103と壁111とは、ホコリ抑制壁30を形成する。
ホコリ抑制壁30は、図4に示すように、筐体10の内部において、加熱装置60より流入口101に近い位置に設けられている。具体的には、ホコリ抑制壁30の少なくとも一部は、流入口101の縁に沿って設けられている。本実施の形態では、流入口101は略矩形の開口であり、ホコリ抑制壁30の少なくとも一部は、当該開口に沿って設けられている。
背面カバー110は、さらに、内面110aから立設した光反射壁112、光反射壁113、光反射壁114及び複数の楔形突出部115を有する。光反射壁112は、壁111とともに光トラップ40を形成する。
また、前面カバー100は、投光系保持部104と、受光系保持部105とを有する。同様に、背面カバー110は、投光系保持部116と、受光系保持部117とを有する。投光系保持部104及び投光系保持部116は、前面カバー100と背面カバー110とが組み合わされた場合に、投光系120を保持する。受光系保持部105及び受光系保持部117は、前面カバー100と背面カバー110とが組み合わされた場合に、受光系130を保持する。これにより、投光系120及び受光系130は、予め定められた場所に検出領域DAを形成することができる。
前面カバー100は、図6に示すように、係止部106及び係止部107を有する。また、背面カバー110は、図4及び図5に示すように、被係止部118及び被係止部119を有する。前面カバー100と背面カバー110とを組み合わせることで、係止部106が被係止部118に係止し、係止部107が被係止部119に係止する。これにより、前面カバー100と背面カバー110とは固定される。なお、係止部106及び係止部107並びに被係止部118及び被係止部119の設ける位置、個数及び形状などは、いかなるものでもよい。
筐体10の前面部10aには、さらに、掃除窓108が設けられている。具体的には、掃除窓108は、前面カバー100の中央部に設けられた台形状の貫通孔である。掃除窓108は、投光レンズ122、受光レンズ132及び筐体10の内部に付着した汚れ又はホコリを取り除くために設けられている。例えば、掃除窓108から綿棒などを筐体10の内部に挿入することで、内部の掃除を行うことができる。掃除窓108は、粒子検出センサ1を動作させる際には、掃除窓108を介して外光が検出領域DAに照射されないように、図示しないカバー部材によって蓋がされる。
本実施の形態では、壁103、投光系保持部104、受光系保持部105、係止部106及び係止部107は、前面カバー100と一体に形成されている。また、壁111、光反射壁112、光反射壁113、光反射壁114、複数の楔形突出部115、投光系保持部116、受光系保持部117、被係止部118及び被係止部119は、背面カバー110と一体に形成されている。
[光学系]
光学系20は、図5に示すように、筐体10の背面カバー110に配置されて、前面カバー100によって挟まれることで、筐体10の内部に収納されている。投光系120と受光系130とは、図4に示すように、各々の光軸(光軸P及び光軸Q)が交差するように配置されている。
光学系20は、図5に示すように、筐体10の背面カバー110に配置されて、前面カバー100によって挟まれることで、筐体10の内部に収納されている。投光系120と受光系130とは、図4に示すように、各々の光軸(光軸P及び光軸Q)が交差するように配置されている。
投光系120は、検出領域DAに集光するように光を出力する。投光系120は、投光素子121と、投光レンズ122とを備える。
投光素子121は、所定の波長の光を発する光源(発光部)であり、例えば、LED(Light Emitting Diode)又は半導体レーザなどの固体発光素子である。投光素子121の光軸は、投光系120の光軸Pに一致し、例えば、検出領域DAを通過する。
投光素子121としては、紫外光、青色光、緑色光、赤色光又は赤外光を発する発光素子を用いることができる。この場合、投光素子121は、2波長以上の混合波を発するように構成されてもよい。本実施の形態では、粒子2による光の散乱強度に鑑みて、投光素子121として、例えば、600nm〜800nmの波長の光を出力する砲弾型のLEDを用いる。
なお、投光素子121の発光波長が短い程、粒径の小さな粒子を検出しやすくなる。また、投光素子121の発光制御方式は特に限定されるものではなく、投光素子121から出射する光は、直流駆動による連続光又はパルス光などでもよい。また、投光素子121の出力の大きさ(光の強度)は、時間的に変化させてもよい。
投光レンズ122は、投光素子121の前方に配置されており、投光素子121から出射する光(投光ビーム)を検出領域DAに向けて進行させるように構成されている。つまり、投光素子121から出射する光は、投光レンズ122を介して検出領域DAを通過する。検出領域DAを通過する粒子2が投光素子121からの光を散乱させる。
投光レンズ122は、例えば、投光素子121から出射する光を検出領域DAに集束(集光)させる集光レンズであり、例えば、ポリカーボネート(PC)などの透明樹脂レンズ又はガラスレンズである。例えば、投光レンズ122の焦点は、検出領域DAに存在する。
受光系130は、検出領域DAにおける粒子2による投光系120からの光の散乱光を受光する。なお、図4では、太実線の矢印で光の経路の一例を示している。受光系130は、受光素子131と、受光レンズ132とを備える。
受光素子131は、検出領域DAにおける粒子2による投光素子121からの光の散乱光の少なくとも一部を受光する。受光素子131は、具体的には、受光した光を電気信号に変換する光電変換素子であり、例えば、フォトダイオード、フォトICダイオード、フォトトランジスタ又は光電子増倍管などである。受光素子131の光軸は、受光系130の光軸Qに一致し、例えば、検出領域DAを通過する。
受光レンズ132は、受光素子131と検出領域DAとの間に配置されており、検出領域DA側から入射する光を受光素子131に集光するように構成されている。具体的には、受光レンズ132は、検出領域DAにおいて粒子2による散乱光を、受光素子131に集束させる集光レンズであり、例えば、PCなどの透明樹脂レンズ又はガラスレンズである。例えば、受光レンズ132の焦点は、検出領域DA及び受光素子131の表面に存在する。
[除湿体]
次に、除湿体150の構造について説明する。図7は、本発明の実施の形態に係る除湿体150の斜視図である。図8は、図7のVIII−VIII線に沿って切断された除湿体150の断面図である。なお、図7及び図8中の太点線の矢印は、気流の一例を示している。図7及び図8に示すように、除湿体150は、筒体152と、乾燥剤151と、加熱装置61とを備える。
次に、除湿体150の構造について説明する。図7は、本発明の実施の形態に係る除湿体150の斜視図である。図8は、図7のVIII−VIII線に沿って切断された除湿体150の断面図である。なお、図7及び図8中の太点線の矢印は、気流の一例を示している。図7及び図8に示すように、除湿体150は、筒体152と、乾燥剤151と、加熱装置61とを備える。
除湿体150は、粒子検出センサ1の内部の湿度を低下させるために、及び/又は、粒子検出センサ1内に流入される空気の湿度を低下させるために用いられる。除湿体150は、空気中の水分を吸着する乾燥剤151と、乾燥剤151を保持する筒体152と、乾燥剤を乾燥する加熱装置61とで構成される。
筒体152は、乾燥剤151を保持するための筐体である。また、筒体152は、空気が流入されるための流入孔153と空気が流出されるための流出孔154とが形成される。筒体152の材料は、特に限定されないが、例えば、樹脂材料でもよいし、金属でもよい。
なお、流入孔153及び流出孔154は、空気が通過するように形成されていればよく、限定されない。具体的には、流入孔153及び流出孔154のサイズ、個数及び形状などは、限定されない。また、流入孔153及び流出孔154には、空気が通過するような網目状のシートが設置されてもよい。具体的には、網目のサイズは、粒子2が通過し、且つ、乾燥剤151が通過しないサイズとする。こうすることで、流入孔153及び流出孔154のサイズが乾燥剤151よりも大きくても、筒体152は、筒体152内に乾燥剤151を保持し、且つ、筒体152内に空気を通過させることが可能となる。また、筒体152が上述した網目状のシートで形成されてもよい。
乾燥剤151は、筐体10内の湿度を低下させるための粒状の吸湿部材である。具体的には、乾燥剤151は、水分を吸収する性質を有し、空気と接触させることで、空気中の水分を物理吸着する。乾燥剤151としては、例えば、除湿能力の高いシリカゲル又はゼオライトが好ましい。本実施の形態においては、乾燥剤151は、除湿体150の内部に設置される。乾燥剤151は、筒体152の内部に敷き詰めるように設置されてもよいし、接着剤などを用いて筒体152に接着させてもよく、これらに限定されない。
乾燥剤151は、例えば高湿度環境下で空気中の水分を吸収し続けると、しだいに除湿能力が低下する。しかしながら、水分を含んだ乾燥剤151は、加熱されることにより吸収した水分を放出する。こうすることで、乾燥剤151の除湿能力は回復される。本実施の形態において、除湿体150は、加熱装置61を備える。乾燥剤151は、加熱装置61によって加熱されることにより、乾燥される。乾燥された乾燥剤151は、除湿能力が回復される。そのため、乾燥剤151は繰り返し使用することができる。
加熱装置61は、乾燥剤151を加熱するヒータである。具体的には、加熱装置61は、筒体152内に設置される。加熱装置61の配線62は、回路基板70と接続される。加熱装置61は、配線62を介して通電されることにより発熱し、乾燥剤151を加熱して乾燥させる。なお、加熱装置61は、乾燥剤151を加熱して乾燥させることができればよく、筒体152内に設置されてもよいし、筒体152外に設置されてもよい。
また、本実施の形態において、粒子検出センサ1は、筐体10内に空気の流路を形成するために加熱装置60が用いられる。そのため、加熱装置60と加熱装置61とが兼用されてもよい。つまり、加熱装置60によって乾燥剤151は乾燥されてもよい。
以上、本実施の形態における粒子検出センサ1が備える各構成要素について説明した。次に、本実施の形態における制御回路72が行う加熱装置61の制御方法について説明する。
[加熱装置の制御方法]
本実施の形態において、加熱装置61は、制御回路72によって制御される。具体的には、制御回路72は、乾燥剤151の水分含有率が所定の数値以上になった場合に、加熱装置61を駆動させるとよい。本実施の形態においては、制御回路72は、乾燥剤151の水分含有率が所定の数値以上になった場合に、加熱装置61(ヒータ抵抗)に通電させる。つまり、乾燥剤151の除湿能力が低下した際に、制御回路72は、加熱装置61を駆動し、乾燥剤151を加熱させる。こうすることで、乾燥剤151は、乾燥されるために効果的なタイミングで加熱される。なお、乾燥剤151の水分含有率が計測する方法は、限定されない。例えば、電子天秤等の重量計を除湿体150の下に設置し、除湿体150の重量を計測することで、乾燥剤151の水分含有率を計測してもよい。
本実施の形態において、加熱装置61は、制御回路72によって制御される。具体的には、制御回路72は、乾燥剤151の水分含有率が所定の数値以上になった場合に、加熱装置61を駆動させるとよい。本実施の形態においては、制御回路72は、乾燥剤151の水分含有率が所定の数値以上になった場合に、加熱装置61(ヒータ抵抗)に通電させる。つまり、乾燥剤151の除湿能力が低下した際に、制御回路72は、加熱装置61を駆動し、乾燥剤151を加熱させる。こうすることで、乾燥剤151は、乾燥されるために効果的なタイミングで加熱される。なお、乾燥剤151の水分含有率が計測する方法は、限定されない。例えば、電子天秤等の重量計を除湿体150の下に設置し、除湿体150の重量を計測することで、乾燥剤151の水分含有率を計測してもよい。
また、例えば、筐体10内に湿度センサ140を設置し、湿度を計測することで、間接的に乾燥剤151の除湿能力を確認してもよい。つまり、粒子検出センサ1の使用を開始したとき、或いは粒子検出センサ1を設置したときと比較して、筐体10内の湿度が上昇したということは、乾燥剤151の除湿能力が低下したことを意味する。制御回路72は、湿度が所定の数値以上になった場合に、加熱装置61に通電させるとよい。こうすることで、除湿能力が低下した乾燥剤151を加熱装置61により加熱することができるため、乾燥剤151は効果的に乾燥される。
また、制御回路72は、光学系20が粒子2を検出処理していないときに加熱装置61を駆動させるとよい。つまり、加熱装置61によって乾燥剤151を乾燥させている際に、粒子検出センサ1の光学系20が粒子2の検出処理を開始する場合、制御回路72は加熱装置61の駆動を停止させてもよい。言い換えると、制御回路72は、乾燥剤151の水分含有率又は湿度センサ140により測定される湿度が所定の数値以上になった場合に、且つ、光学系20が粒子2を検出処理していない場合に、加熱装置61を駆動させてもよい。
加熱装置61による熱によって乾燥剤151を乾燥させるため、熱の影響によって、粒子検出センサ1内に意図しない空気の流路が形成される可能性がある。しかしながら、光学系20が粒子2を検出処理していないときに加熱装置61を駆動させることで、加熱装置61の熱による流路の形成を考慮する必要がなくなる。これにより、粒子検出センサ1の粒子2の検出に影響を与えることなく、加熱装置61は乾燥剤151を加熱ことができる。
次に、制御回路72による加熱装置61の制御方法の一具体例について説明する。
例えば、湿度センサ140が検出する湿度が90%以上となった場合に、制御回路72が加熱装置61に通電させるように予め設定しておく。また、制御回路72は、湿度センサ140から粒子検出センサ1内の湿度を受け取るように予め設定しておく。
除湿体150に設置された乾燥剤151は、除湿を行う。乾燥剤151は、除湿を行い続けると、吸着できる水分量が限界に達する。すると、乾燥剤151は除湿ができなくなるため、粒子検出センサ1内の湿度は上昇を始める。制御回路72は、湿度が90%となった場合に、加熱装置61に通電させる。これにより、加熱装置61によって加熱された乾燥剤151は、除湿能力が回復される。除湿能力が回復した乾燥剤151は、再び除湿を行う。
ここで、例えば、制御回路72が加熱装置61に通電している場合に、湿度が50%以下となったとき、制御回路72が加熱装置61に通電を止めさせるように予め設定しておく。粒子検出センサ1内の湿度は、乾燥剤151によって除湿されることで徐々に低下する。湿度が50%以下となった場合に、制御回路72は、加熱装置61への通電を止めさせる。こうすることで、除湿能力を有した乾燥剤151を加熱装置61により余計に加熱することが抑制される。
また、加熱装置61によって乾燥剤151を乾燥させている際に、粒子検出センサ1の光学系20が粒子2を検出処理している場合、制御回路72は加熱装置61を駆動しないようにしてもよい。つまり、加熱装置61によって乾燥剤151を乾燥させている際に、粒子検出センサ1の光学系20が粒子2の検出処理を開始した場合、制御回路72は加熱装置61の駆動を停止させてもよい。
粒子検出センサ1は、光学系20で粒子2の検出処理をする際、筐体10内に空気の流路を形成するために、加熱装置60を駆動する必要がある。しかしながら、乾燥剤151を加熱するために加熱装置61を駆動した場合、意図しない空気の流路が形成される可能性がある。そこで、加熱装置61によって乾燥剤151を乾燥させている際に、粒子検出センサ1の光学系20が粒子2の検出処理を開始した場合、制御回路72は加熱装置61の駆動を停止させる。こうすることで、加熱装置61の熱による空気の流路の形成を防ぐことができる。これにより、光学系20による粒子2の検出処理に影響を与えることなく、乾燥剤151は乾燥される。
なお、光学系20を動作させたことにより、加熱装置61の駆動を停止させた場合に、さらにその後に光学系20の動作を停止させたとき、制御回路72は、再び加熱装置61を駆動させてもよいし、駆動させなくてもよい。また、光学系20を動作させたことにより、加熱装置61の駆動を停止させた場合に、さらにその後に光学系20の動作を停止させたときに、制御回路72が加熱装置61を駆動させる条件を設定してもよい。制御回路72が加熱装置61を再び駆動させる条件は、特に限定されないが、例えば、湿度が70%以上の場合でもよいし、湿度が50%以上の場合でもよい。
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態に係る粒子検出センサ1について説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施の形態では、除湿体150は、筐体10の流入口101に設置された。しかしながら、除湿体150が設置される場所は、筐体10内の湿度を低下させられる、又は、筐体10内に入る空気の湿度を低下させられればよく、この限りではない。図9に示すように、筐体10を覆うように乾燥剤151が設置されてもよい。
以上、実施の形態に係る粒子検出センサ1について説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施の形態では、除湿体150は、筐体10の流入口101に設置された。しかしながら、除湿体150が設置される場所は、筐体10内の湿度を低下させられる、又は、筐体10内に入る空気の湿度を低下させられればよく、この限りではない。図9に示すように、筐体10を覆うように乾燥剤151が設置されてもよい。
図9は、他の実施の形態1に係る粒子検出センサ1Aの斜視図である。図9に示すように、乾燥剤151は、筐体10の表面に接着剤155によって接着されている。具体的には、乾燥剤151は、前面カバー100、背面カバー110、シールドカバー90及びシールドカバー91等の外壁面に配置される。また、乾燥剤151は、乾燥剤151の表面の一部が空気と接触するように露出されて筐体10の表面に付着されている。こうすることで、乾燥剤151は、粒子検出センサ1Aが設置される場所の近傍の空気を除湿する。そのため、粒子検出センサ1A内の流入される空気の湿度は低下される。
また、粒子検出センサ1Aは、粒子検出センサ1と同様に筐体10内に加熱装置を備える。加熱装置は、粒子検出センサ1A内の空気及び筐体10を加熱することで、間接的に乾燥剤151を乾燥させることができる。こうすることで、水分を吸着して除湿能力が低下した乾燥剤151の除湿能力を回復させることができるため、粒子検出センサ1Aの検出精度の低下が抑制される。
なお、粒子検出センサ1Aに設置される加熱装置においては、粒子検出センサ1と同様に、加熱装置60が筐体10内の空気の流路の形成と乾燥剤151の加熱とを行ってもよい(例えば、図4参照)。また、粒子検出センサ1Aに設置される加熱装置においては、加熱装置60とは別の加熱装置を備え、当該別の加熱装置が乾燥剤151の加熱を行ってもよい。その場合、当該別の加熱装置が設置される位置は、乾燥剤151を加熱できる位置であれば、特に限定されない。
なお、図9においては、筐体10の外表面を覆うように乾燥剤151を接着剤155で接着させた。例えば、乾燥剤151を内部に敷き詰めたケースの中に粒子検出センサを設置してもよい。
図10は、他の実施の形態2に係る粒子検出センサ1Bの斜視図である。乾燥剤151が敷き詰められた除湿体150aの内部には、光学系20を内側に備える筐体10が設置される。除湿体150aの内側に保持される乾燥剤151と外気とを接触させるために、除湿体150aの外表面には、通風孔が形成される。
また、除湿体150aには、流入口101及び流出口102が外気と接続するように、例えば、除湿体150aに流入口101又は流出口102と外気とが連通するような穴200b及び穴200cが形成される。また、除湿体150aには、コネクタ80が外部機器と接続できるように穴200aが形成される。さらに、除湿体150aには、掃除窓108と連通する穴200dが形成される。こうすることで、接着剤155を用いる必要がなくなるため、粒子検出センサ1Aより簡便な構成で粒子検出センサ1Bは作製され得る。
なお、乾燥剤151が筐体10の外部に設置される場合、乾燥剤151を加熱する加熱装置は、筐体10の外部に設置されてもよい。上述した他の実施の形態2のように、例えば、乾燥剤151が敷き詰められた除湿体150aの中に筐体10を設置する場合、筐体10の外側で、且つ除湿体150aの内側に加熱装置が設置されてもよい。こうすることで、加熱装置は、筐体10内に設置された場合よりも近くで乾燥剤151を加熱することができるため、効果的に乾燥剤151を乾燥させることができる。
(効果など)
以上のように、例えば、本実施の形態に係る粒子検出センサ1は、粒子2が流入する流入口101と、粒子2が流出する流出口102とが形成された筐体10と、筐体10内に設置され、粒子2を検出する光学系20と、を備える。また、本実施の形態に係る粒子検出センサ1は、さらに、筐体10内を乾燥する乾燥剤151と、乾燥剤151を加熱する加熱装置61と、加熱装置61を制御する制御回路72と、を備える。
以上のように、例えば、本実施の形態に係る粒子検出センサ1は、粒子2が流入する流入口101と、粒子2が流出する流出口102とが形成された筐体10と、筐体10内に設置され、粒子2を検出する光学系20と、を備える。また、本実施の形態に係る粒子検出センサ1は、さらに、筐体10内を乾燥する乾燥剤151と、乾燥剤151を加熱する加熱装置61と、加熱装置61を制御する制御回路72と、を備える。
これにより、乾燥剤151を加熱装置61により加熱することができるため、乾燥剤151の除湿能力は回復される。つまり、乾燥剤151は、繰り返し使用可能となる。そのため、粒子検出センサ1の粒子の検出精度は維持される。
また、例えば、乾燥剤151は、光学系20により粒子2が検出される検出領域DAよりも上流側に配置されてもよい。
これにより、粒子検出センサ1内に流入される空気は、乾燥剤151の近傍を通過する。具体的には、粒子検出センサ1内に流入される空気は、乾燥剤151により乾燥されてから粒子検出センサ1内に流入される。つまり、粒子検出センサ1内に流入される空気は効果的に除湿される。そのため、乾燥剤151の量を少なくしても、粒子検出センサ1内の湿度の上昇は効果的に抑制される。
また、例えば、乾燥剤151は、ゼオライト又はシリカゲルでもよい。つまり、乾燥剤151としては、例えば、除湿能力が高いゼオライト又はシリカゲルが採用される。
これにより、粒子検出センサ1内の湿度の上昇は効果的に抑制される。また、ゼオライト及びシリカゲルは、除湿し続けることにより除湿機能は低下されるが、加熱されることにより除湿機能を回復する。そのため、ゼオライト及びシリカゲルの乾燥剤151は、加熱されることにより繰り返し使用できる。
また、例えば、制御回路72は、乾燥剤151の水分含有率が所定の数値以上になった場合に、加熱装置61を駆動させてもよい。
これにより、加熱装置61によって効果的なタイミングで乾燥剤151を加熱することができる。
また、例えば、制御回路72は、水分含有率が所定の数値以上になった場合に、且つ、光学系20が粒子2を検出処理していない場合に、加熱装置61を駆動させてもよい。
加熱装置61による熱によって乾燥剤151を乾燥させるため、当該熱の影響によって、粒子検出センサ1内に意図しない空気の流路が形成される可能性がある。しかしながら、光学系20が粒子2を検出処理していないときに加熱装置61を駆動することで、加熱装置61の熱による流路の形成を考慮する必要がなくなる。これにより、粒子検出センサ1の粒子2の検出処理に影響を与えることなく、乾燥剤151は乾燥される。
また、例えば、粒子検出センサ1は、さらに、筐体10内に湿度センサ140を備えてもよい。また、制御回路72は、湿度センサ140が測定した湿度が所定の数値以上になった場合に、加熱装置61を駆動させてもよい。
筐体10内の湿度が上昇するということは、乾燥剤151の除湿能力の低下を意味する。そのため、筐体10内の湿度を計測することで、乾燥剤151の除湿能力が間接的に確認され得る。よって、筐体10内の湿度を計測することで、加熱装置61によって効果的なタイミングで乾燥剤151を加熱することができる。
また、例えば、制御回路72は、湿度が所定の数値以上になった場合に、且つ、光学系20が粒子2を検出処理していない場合に、加熱装置61を駆動させてもよい。
加熱装置61による熱によって乾燥剤151を乾燥させるため、当該熱の影響によって、粒子検出センサ1内に意図しない空気の流路が形成される可能性がある。しかしながら、光学系20が粒子2を検出処理していないときに加熱装置61を駆動することで、加熱装置61の熱による流路の形成を考慮する必要がなくなる。これにより、粒子検出センサ1の粒子2の検出処理に影響を与えることなく、乾燥剤151を乾燥させることができる。
また、例えば、乾燥剤151は、筐体10の外表面を覆うように形成されてもよい。
これにより、乾燥剤151は、粒子検出センサ1A及び粒子検出センサ1Bの周囲の湿度の上昇を抑制する。つまり、粒子検出センサ1内に流入される空気は、湿度の上昇が抑制される。そのため、粒子検出センサ1A内の湿度の上昇は抑制される。
また、例えば、粒子検出センサ1は、さらに、除湿体150を備えてもよい。また、除湿体150は、乾燥剤151を保持し、流入口101に設置されてもよい。
これにより、筐体10内に流入される空気は、乾燥剤151が保持された除湿体150の近傍を通過する。具体的には、筐体10内に流入される空気は、除湿体150により乾燥されてから筐体10内に流入される。つまり、粒子検出センサ1内に流入される空気を効果的に除湿することが可能となるため、乾燥剤151の量を少なくしても、粒子検出センサ1内の湿度の上昇は効果的に抑制される。さらには、乾燥剤151の量を少なくすることができるため、除湿体150は小型化され得る。
また、例えば、加熱装置61は、除湿体150の内部に設置される。
こうすることで、加熱装置61を乾燥剤151の近傍に設置することができるため、乾燥剤151は効果的に加熱される。
(その他)
以上、本発明に係る粒子検出センサについて、上記実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
以上、本発明に係る粒子検出センサについて、上記実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態では、筐体10が前面カバー100と背面カバー110とに分割可能な例について示したが、これに限らない。筐体10は、樹脂材料と金型とを用いた射出成形などにより、一体に形成されてもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、光反射壁112、光反射壁113、光反射壁114及び楔形突出部115を背面カバー110と一体に形成したが、これに限らない。光反射壁112、光反射壁113、光反射壁114及び楔形突出部115の少なくとも1つは、前面カバー100と一体に形成してもよく、あるいは、前面カバー100及び背面カバー110のいずれとも別体で形成してもよい。また、光反射壁112、光反射壁113、光反射壁114及び楔形突出部115の少なくとも1つは、ホコリ抑制壁30と同様に、前面カバー100と背面カバー110との各々に形成された壁が組み合わされて形成されてもよい。
また、例えば、前面カバー100及び背面カバー110に設けられた各構成要素の配置は、上述した例に限らない。例えば、上記の実施の形態では、投光系120と受光系130とが水平方向に並んで配置されているが、上下方向に並んで配置されてもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、投光素子121からの光を集光する部材及び受光素子131へ光を集光する部材として、投光レンズ122及び受光レンズ132を示したが、集光ミラーなどの反射部材を利用してもよい。
また、上記実施の形態においては、加熱装置60が流入口101から流入した粒子2を含む気体を加熱することで、筐体10内に気流を生成したが、これに限らない。筐体10内に空気の流路を形成することができればよく、送風機等を用いて筐体10内に気流を生成してもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、粒子検出センサ1が光散乱式の粒子検出センサである例について説明したが、これに限らない。粒子検出センサ1は、光電式の粒子検出センサであればよく、例えば、投光系120と受光系130とが互いに対向するように配置された場合、粒子2が検出領域DAを通過した際に、投光系120からの光を遮ることで、受光系130に入射する光量が減少する。したがって、粒子検出センサは、光量の変化量(減少量)を検出することで、粒子を検出することができる。
なお、上記の実施の形態に係る粒子検出センサ1は、様々な機器に利用することができる。例えば、本発明の一態様は、粒子検出センサ1を備えるダストセンサとして実現することもできる。ダストセンサは、例えば掃除機などに利用することができる。
また、例えば、本発明の一態様は、煙感知器、空気清浄機、換気扇又はエアコンとしても実現することができる。
上述したような掃除機、煙感知器、空気清浄機、換気扇又はエアコンは、内蔵する粒子検出センサ1によって粒子2を検出した場合、単に粒子2を検出したことを提示(例えば、表示部に表示、又は、アラーム音などの出力)してもよい。あるいは、ファンの起動、ファンの回転速度の変更などのファンの制御を行ってもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
1、1A、1B 粒子検出センサ
2 粒子
10 筐体
20 光学系
60、61 加熱装置
72 制御回路
101 流入口
102 流出口
140 湿度センサ
150、150a 除湿体
151 乾燥剤
DA 検出領域
2 粒子
10 筐体
20 光学系
60、61 加熱装置
72 制御回路
101 流入口
102 流出口
140 湿度センサ
150、150a 除湿体
151 乾燥剤
DA 検出領域
Claims (10)
- 粒子が流入する流入口と前記粒子が流出する流出口とが形成された筐体と、
前記筐体内に設置され、前記粒子を検出する光学系と、
前記筐体内を乾燥する乾燥剤と、
前記乾燥剤を加熱する加熱装置と、
前記加熱装置を制御する制御回路と、を備える
粒子検出センサ。 - 前記乾燥剤は、前記光学系により前記粒子が検出される検出領域よりも上流側に配置される
請求項1に記載の粒子検出センサ。 - 前記乾燥剤は、ゼオライト又はシリカゲルである
請求項1または2に記載の粒子検出センサ。 - 前記制御回路は、前記乾燥剤の水分含有率が所定の数値以上になった場合に、前記加熱装置を駆動させる
請求項1〜3のいずれか1項に記載の粒子検出センサ。 - 前記制御回路は、前記水分含有率が所定の数値以上になった場合に、且つ、前記光学系が前記粒子を検出処理していない場合に、前記加熱装置を駆動させる
請求項4に記載の粒子検出センサ。 - さらに、筐体内に湿度センサを備え、
前記制御回路は、前記湿度センサが測定した湿度が所定の数値以上になった場合に、前記加熱装置を駆動させる
請求項1〜4のいずれか1項に記載の粒子検出センサ。 - 前記制御回路は、前記湿度が所定の数値以上になった場合に、且つ、前記光学系が前記粒子を検出処理していない場合に、前記加熱装置を駆動させる
請求項6に記載の粒子検出センサ。 - 前記乾燥剤は、前記筐体の外表面を覆うように形成される
請求項1〜7のいずれか1項に記載の粒子検出センサ。 - さらに、除湿体を備え、
前記除湿体は、前記乾燥剤を保持し、前記流入口に設置される
請求項1〜7のいずれか1項に記載の粒子検出センサ。 - 前記加熱装置は、前記除湿体の内部に設置される
請求項9に記載の粒子検出センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016119407A JP2017223560A (ja) | 2016-06-15 | 2016-06-15 | 粒子検出センサ |
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JP2016119407A JP2017223560A (ja) | 2016-06-15 | 2016-06-15 | 粒子検出センサ |
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Publication Number | Publication Date |
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- 2016-06-15 JP JP2016119407A patent/JP2017223560A/ja active Pending
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