JP2017223394A - 熱需要抑制装置、熱需要抑制方法及びプログラム - Google Patents

熱需要抑制装置、熱需要抑制方法及びプログラム Download PDF

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Masaaki Saito
正明 齋藤
大竹 宏明
Hiroaki Otake
宏明 大竹
裕輝 勝山
Yuki Katsuyama
裕輝 勝山
慎悟 田丸
Shingo Tamaru
慎悟 田丸
勉 藤川
Tsutomu Fujikawa
勉 藤川
飯野 穣
Minoru Iino
穣 飯野
堀口 和俊
Kazutoshi Horiguchi
和俊 堀口
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Abstract

【課題】熱エネルギーの需給において需要抑制に有効な熱需要抑制装置、熱需要抑制方法及びプログラムを提供することである。【解決手段】実施形態の熱需要抑制装置は、複数の需要家施設と複数の需要家施設へ熱を供給する熱供給プラントとを備える熱供給ネットワークにおいて利用される。熱需要抑制装置は、熱需要予測部と、熱需要抑制量決定部と、を持つ。熱需要予測部は、複数の需要家施設における熱需要量の実績値に基づいて、複数の需要家施設における今後の熱需要量を予測する。熱需要抑制量決定部は、熱需要予測部により予測された熱需要量と熱供給プラントから供給される熱量とから需要家施設における熱需要抑制量を決定する。【選択図】図2

Description

本発明の実施形態は、熱需要抑制装置、熱需要抑制方法及びプログラムに関する。
地域や街などにおいて独立した電力ネットワークが構築される場合に、発電で生じる熱も電力と同様に地域や街に供給して利用するため、熱供給ネットワークも構築されることがある。電力と熱との双方を消費地又は消費地の近傍において生成して消費することは、給電及び給熱の過程で生じる損失を抑えることができるため、合理的である。電力ネットワークにおいて需要と供給とを均衡させるための手法としては、需要抑制がある(特許文献1、2)。電気エネルギーに関しての需要抑制は検討が進んでいる一方で、熱エネルギーに関しては有効な手法についての検討があまりなされていなかった。
特許第5679847号公報 特開2015−192541号公報
本発明が解決しようとする課題は、熱エネルギーの需給において需要抑制に有効な熱需要抑制装置、熱需要抑制方法及びプログラムを提供することである。
実施形態の熱需要抑制装置は、複数の需要家施設と複数の需要家施設へ熱を供給する熱供給プラントとを備える熱供給ネットワークにおいて利用される。熱需要抑制装置は、熱需要予測部と、熱需要抑制量決定部と、を持つ。熱需要予測部は、複数の需要家施設における熱需要量の実績値に基づいて、複数の需要家施設における今後の熱需要量を予測する。熱需要抑制量決定部は、熱需要予測部により予測された熱需要量と熱供給プラントから供給される熱量とから需要家施設における熱需要抑制量を決定する。
第1の実施形態における熱需要抑制装置が適用された熱供給ネットワークの構成例を示すブロック図。 熱需要抑制装置の構成例を示すブロック図。 プラント供給可能熱量の計画値を表すグラフ。 削減率テーブルAの一例を示す図。 熱需要抑制量決定部による熱需要抑制の要否の判定と、熱需要抑制量との一例を示すグラフ。 熱需要抑制装置が行う抑制量決定処理を示すフローチャート。 図6におけるステップS7の熱需要抑制量を決定する処理を示すフローチャート。 図6におけるステップS8の熱需要抑制量を決定する処理を示すフローチャート。 需要家施設の通信端末における抑制情報の表示例を示す図。 第2の実施形態における熱需要抑制装置の構成例を示すブロック図。 系統別削減率テーブルの一例を示す図。 熱需要抑制装置が行う抑制量決定処理を示すフローチャート。 図12におけるステップS108の熱需要抑制量を決定する処理を示すフローチャート。 図12におけるステップS109の熱需要抑制量を決定する処理を示すフローチャート。 需要家施設の通信端末における抑制情報の表示例を示す図。 第3の実施形態における熱需要抑制装置の構成例を示すブロック図。 熱需要抑制必要量算出部が判定で用いる熱媒体送出温度、熱媒体送出設定温度、抑制実行条件に含まれる閾値温度を表すグラフの一例。 熱需要抑制必要量算出部が判定で用いる熱媒体送出温度、熱媒体送出設定温度、抑制実行条件に含まれる閾値時間を表すグラフの一例。 熱需要抑制装置が行う抑制量決定処理を示すフローチャート。 第4の実施形態における熱需要抑制装置の構成例を示すブロック図。 熱需要抑制装置が行う抑制量決定処理を示すフローチャート。
以下、実施形態の熱需要抑制装置、熱需要抑制方法及びプログラムを、図面を参照して説明する。以下の実施形態では、同一の符号を付した構成要素は同様の動作を行うものとして、重複する説明を適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における熱需要抑制装置が適用された熱供給ネットワークの構成例を示すブロック図である。熱供給ネットワークは、熱需要抑制装置1を備える熱供給プラント10と、少なくとも一つの需要家施設11と、熱供給プラント10と需要家施設11との間において熱媒体を輸送する熱配管8と、熱供給プラント10と需要家施設11との間を通信可能にする情報通信ネットワーク9とを備える。熱媒体には、水を冷却した冷水又は氷水や、水を加熱した温水、水以外の流体、水蒸気などが用いられる。
熱供給プラント10は、熱源システム4と、監視制御装置2と、熱需要抑制装置1とを備える。熱源システム4は、熱源機器や熱媒体の搬送機器などを備える。熱源システム4は、熱源機器により生成された熱を、熱配管8を介して地域内の各需要家施設11へ供給する。監視制御装置2は、各需要家施設11に備えられる通信端末3と、情報通信ネットワーク9を介して通信を行う。監視制御装置2は、通信端末3から需要家施設11における熱利用に関する情報を取得する。監視制御装置2は、各需要家施設11へ熱を安定して供給できるように、熱源システム4を制御する。熱需要抑制装置1は、各需要家施設11から得られる熱利用に関する情報などに基づいて、熱需要抑制に関する抑制情報を生成する。
需要家施設11は、通信端末3と、熱利用機器5と、バルブ6、7とを備える。通信端末3は、熱利用機器5における熱利用に関する情報を取得し、取得した情報を熱供給プラント10へ送信する。通信端末3は、熱供給プラント10から熱需要抑制に関する抑制情報を受信する。熱利用機器5は、需要家施設11において設けられた一つ又は複数の系統のいずれかに属する。熱供給プラント10から供給される熱媒体は、バルブ7を経由した後に、各系統に分配される。各系統に分配された熱媒体は、系統ごとに設けられたバルブ6を経由した後に、各熱利用機器5へ供給される。熱供給ネットワークにおける熱需要量(熱使用量)の調節は、各熱利用機器5の運転調整や、需要家施設11の各所に設置されたバルブ6、7の開閉又は開度の変更により行われる。
熱需要抑制装置1は、熱供給プラント10内に設けられたサーバ装置又はコンピュータ上にて実装されてもよい。熱需要抑制装置1は、監視制御装置2を介して、熱源システム4の供給可能熱量、供給熱量などの実績値を取得する。また、熱需要抑制装置1は、通信端末3及び情報通信ネットワーク9を介して、各需要家施設11における熱需要を取得するとともに、抑制情報を送信して共有する。なお、図1に示す熱需要抑制装置1の適用形態は一例であり、この形態に限定されない。例えば、熱需要抑制装置1は、監視制御装置2を介さずに、熱源システム4や各需要家施設11と通信を行い、各種情報の取得及び共有を行ってもよい。
図2は、第1の実施形態における熱需要抑制装置1の構成例を示すブロック図である。熱需要抑制装置1は、データ取得部20と、設定情報記憶部21と、設定情報取得部22と、熱需要予測部23と、熱需要抑制量決定部24とを備える。
データ取得部20は、熱供給プラント10から各需要家施設11へ供給可能な熱量(以下「プラント供給可能熱量」という。)の計画値と、各需要家施設11における熱需要量の実績値と、各需要家施設11における熱需要の予測値を得るために必要な各種情報とを外部の装置又は操作者による入力から取得する。データ取得部20は、プラント供給可能熱量の計画値と、熱需要量の実績値と、各種情報とを熱需要予測部23へ出力する。熱需要の予測値を得るために必要な各種情報は、例えば需要家施設11又はその周囲における気温、湿度、天候、日射量、雨量、積雪量などの過去の実測値と予報値とである。
図3は、プラント供給可能熱量の計画値を表すグラフである。図3において、縦軸はプラント供給可能熱量を示し、横軸は時間を示す。プラント供給可能熱量は、所定の期間ごとに定められる。所定の期間は、例えば一日、一週間などである。プラント供給可能熱量の計画値は、熱需要抑制装置1が動作している現時点を起点とした所定の期間において、熱源システム4が供給可能な熱量を表す。プラント供給可能熱量の計画値は、熱源システム4における現時点又は将来の稼動可能な熱源機器の容量の合計値として得られる。図3に示すグラフには、時刻tにおいてプラント供給可能熱量が減少する計画値のグラフ25が示されている。このような減少は、熱源機器の計画的なメンテナンスにより生じる。すなわち、時刻tから、熱源システム4に備えられる複数の熱源機器のうち、一部の熱源機器でメンテナンスが行われる場合の計画値が図3に示されている。
設定情報記憶部21には、削減率テーブル21Aが記憶されている。削減率テーブル21Aには、需要家施設11それぞれに対して設定された熱需要量に対する削減率[%]の上限値が記憶されている。以下、削減率の上限値を上限削減率という。上限削減率は、熱供給プラント10の運用主体又は熱需要抑制装置1の管理者又は運用者が過去の各需要家施設11における熱需要削減の過去の実績値に基づいて定めてもよい。また、熱供給プラント10の運用主体と各需要家施設11の運用主体とが事前に合意した値を上限削減率としてもよい。図4は、削減率テーブル21Aの一例を示す図である。削減率テーブル21Aは、需要家施設11を識別する需要家IDごとの列を有し、各需要家施設11に対する上限削減率を記憶している。例えば「需要家#1」の需要家IDで識別される需要家施設11に対する上限削減率として5[%]が記憶されている。
図2に戻り、熱需要抑制装置1の説明を続ける。設定情報取得部22は、設定情報記憶部21に記憶されている各需要家施設11に対する上限削減率を読み出す。設定情報取得部22は、読み出した上限削減率を熱需要抑制量決定部24へ出力する。
熱需要予測部23は、データ取得部20により取得されたプラント供給可能熱量の計画値と熱需要量の実績値と各種情報とに基づいて、各需要家施設11における熱需要量の予測値を算出する。例えば熱需要予測部23は、熱需要量の予測値の算出に、脳の神経回路を模擬したニューラルネットワークを用いる。熱需要予測部23は、熱需要量の実績値と、各種情報に含まれる各情報の実績値とをニューラルネットワークに入力して、各需要家施設における熱需要量を出力するモデルを学習させる。熱需要予測部23は、学習により得られたモデルに各種情報の予報値を入力することにより、各需要家施設11における熱需要量の予測値を算出する。なお、ニューラルネットワークを用いて熱需要量の予測値を算出する手法に代えて、他の公知の手法を用いてもよい。例えば、各種情報の予測値に類似する各種情報の組み合わせを各種情報の実績値において検出する類似日検索手法を用いて、検出した日時における熱需要量の実績値を、熱需要量の予測値としてもよい。熱需要予測部23は、算出した各需要家施設11における熱需要量の予測値と、プラント供給可能熱量の計画値とを熱需要抑制量決定部24へ出力する。
熱需要抑制量決定部24は、データ取得部20により取得されたプラント供給可能熱量の計画値と、熱需要予測部23により算出された各需要家施設11の熱需要量の予測値とに基づいて、熱需要抑制の要否を判定する。例えば、熱需要抑制量決定部24は、各需要家施設11の熱需要量の予測値の総和が、プラント供給可能熱量の計画値より大きいか否かを日時ごとに判定する。熱需要抑制量決定部24は、予測値の総和が計画値より大きい場合に熱需要抑制が必要であると判定し、予測値の総和が計画値以下である場合に熱需要抑制が不要であると判定する。なお、計画値に対してマージンを考慮し、熱需要抑制量決定部24は、不等式「(総和値)≧(計画値)−(マージン)」を満たすか否かにより、熱需要抑制の要否を判定してもよい。
図5は、熱需要抑制量決定部24による熱需要抑制の要否の判定と、熱需要抑制量との一例を示すグラフである。同図において、横軸は時間を示し、縦軸は熱量を示している。同図には、プラント供給可能熱量の計画値を表すグラフ25と、熱供給ネットワークにおける各需要家施設11を含む地域全体の熱需要量を表すグラフ26と、現時点における熱需要量の実績値を表す点27と、補正後の全体の熱需要量を表すグラフ28と、必要となる熱需要抑制量を表す領域29とが示されている。各需要家施設11を含む地域全体の熱需要量とは、各需要家施設11における熱需要量の予測値の総和である。
熱需要抑制量決定部24は、熱需要量の予測値を表すグラフ26における現時点の値と、現時点における熱需要量の実績値の点27とに差がある場合、この差をグラフ26に加えることにより全体の熱需要量の誤差を補正する。補正後の全体の熱量を表すグラフ28は、熱需要量の予測値を表すグラフ26を補正することにより得られたグラフである。熱需要抑制量決定部24は、プラント供給可能熱量の計画値のグラフ25と、補正後の全体の熱需要量のグラフ28とを比較し、熱需要量のグラフ28が計画値のグラフ25を超える期間又は領域の有無を時刻ごとに判定する。熱需要量のグラフ28が計画値のグラフ25を超える期間が存在する場合、熱需要抑制が必要になる。図5において、時刻tから時刻tまでの期間において熱需要抑制が必要である。また、時刻tから時刻tまでの期間において、熱需要量のグラフ28が計画値のグラフ25を超える領域29(ハッチングされた領域)の縦軸方向の長さが、熱需要抑制を行うことで削減が必要となる熱量(以下「熱需要抑制必要量」という。)を表す。
なお、熱需要抑制量決定部24が現時点における実績値の点27とグラフ26の予測値との差分を用いた補正を行う動作を説明したが、この補正を行わずにグラフ26の予測値を用いて熱需要抑制必要量を取得してもよい。熱需要抑制量決定部24は、熱需要抑制必要量は時刻ごとに取得してもよいし、熱需要抑制が必要となる期間における最大値を当該期間における熱需要抑制必要量として取得してもよい。
熱需要抑制量決定部24は、熱需要抑制必要量と各需要家施設11の上限削減率及び熱需要量とに基づいて、各需要家施設11における熱需要抑制量を決定する。熱需要抑制量の決定には、例えば式(1)が用いられる。
Figure 2017223394
式(1)において、ARは時刻tにおける地域全体における熱需要抑制量[KJ]である。r(i=1,2,…,n)はi番目の需要家施設11における熱需要削減率[%]である。HD は時刻tにおけるi番目の需要家施設11の熱需要量[KJ]である。時刻tにおけるi番目の需要家施設11の熱需要量は、熱需要予測部23により算出された各需要家施設11の熱需要量の予測値である。
熱需要抑制量決定部24は、熱需要削減率rを需要家施設11ごとに決定する。決定された各需要家施設11に対する熱需要削減率rと各需要家施設11の熱需要量とをそれぞれ乗算することにより、時刻tにおける需要家施設11それぞれの熱需要抑制量が算出される。熱需要削減率rの決定は、熱需要抑制装置1が熱需要削減率rを決定する時点が、熱需要抑制の実施前であるか実施中であるかで異なる。
熱需要抑制量決定部24は、決定した各需要家施設11に対する熱需要削減率rに基づく抑制情報を生成する。熱需要抑制量決定部24は、監視制御装置2及び情報通信ネットワーク9を介して、各需要家施設11に備えられた通信端末3へ抑制情報を送信する。
図6は、熱需要抑制装置1が行う抑制量決定処理を示すフローチャートである。熱需要抑制装置1は、予め定められた周期で抑制量決定処理を行ったり、操作者の要求を受けて抑制量決定処理を行ったり、事前に定めされたイベント発生時に抑制量決定処理を行ったりする。予め定められた周期は、例えば5分や1時間などであり、各需要家施設11における熱需要量の変動に応じて定めてもよい。また、事前に定めたイベントとは、例えば需要家施設11において熱需要量が短時間で一定値以上増加する事象や、需要家施設11又はその近傍における気温が短時間で一定値以上変化する事象などである。
熱需要抑制装置1において抑制量決定処理が開始されると、データ取得部20は、プラント供給可能熱量の計画値と、各需要家施設11における熱需要量の実績値と、熱需要予測に用いる各種情報とを取得する(ステップS1)。設定情報取得部22は、設定情報記憶部21に記憶されている各需要家施設11に対する上限削減率を読み出して取得する(ステップS2)。
熱需要予測部23は、ステップS1においてデータ取得部20により取得されたプラント供給可能熱量の計画値と、各需要家施設11における熱需要量の実績値と、熱需要予測に用いる各種情報とに基づいて、各需要家施設11の熱需要量を予測する(ステップS3)。熱需要抑制量決定部24は、熱需要予測部23により予測された熱需要量と、プラント供給可能熱量の計画値とに基づいて、熱需要抑制の必要があるか否かを判定する(ステップS4)。
熱需要抑制が不要である場合(ステップS4:NO)、熱需要抑制量決定部24は、各需要家施設11において熱需要抑制が不要であることを示す抑制情報を生成し(ステップS5)、処理をステップS10へ進める。
熱需要抑制が必要である場合(ステップS4:YES)、熱需要抑制量決定部24は、熱需要抑制の実施前であるか否かを判定する(ステップS6)。熱需要抑制が実施される前である場合(ステップS6:YES)、熱需要抑制量決定部24は、熱需要抑制の実施前における熱需要抑制量を決定する(ステップS7)。熱需要抑制が実施されている場合(ステップS6:NO)、熱需要抑制量決定部24は、熱需要抑制の実施中における熱需要抑制量を決定する(ステップS8)。熱需要抑制の実施前及び実施中における熱需要抑制量を決定する処理の詳細は後述する。
熱需要抑制量決定部24は、ステップS7又はステップS8において決定した各需要家施設11における熱需要抑制量及び抑制が必要となる期間を示す抑制情報を生成する(ステップS9)。熱需要抑制量決定部24は、ステップS5又はステップS9において生成した抑制情報を各需要家施設11の通信端末3へ送信し、抑制量決定処理を終了する。
図7は、図6におけるステップS7の熱需要抑制量を決定する処理を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートは、熱需要抑制が実施される前に熱需要抑制量決定部24が熱需要削減率を決定する動作を示す。熱需要削減率が決定されることにより、需要家施設11における熱需要抑制量が決定される。
熱需要抑制量を決定する処理が開始されると、熱需要抑制量決定部24は、各需要家施設11に対する熱需要削減率r(i=1,2,…,n)それぞれを微小量増加させ、式(1)を用いて地域全体における熱需要抑制量ARを算出する(ステップS11)。熱需要削減率rそれぞれの初期値として例えば0が設定される。熱需要削減率rそれぞれの初期値には、各需要家施設11に対して定められた上限削減率を超えない値が設定されてもよい。微小量としては、例えば0.01[%]が用いられる。微小量は、熱需要抑制量を決定する処理に要する時間と、熱需要削減率の精度とのトレードオフで定められる。熱需要抑制量決定部24は、増加させた熱需要削減率rがi番目の需要家施設11に対する上限削減率を超える場合には、熱需要削減率rの値を上限削減率に変更する。すなわち、熱需要抑制量決定部24は、熱需要削減率rが上限削減率に達している場合にはi番目の需要家施設に対する熱需要削減率rを増加させず、熱需要削減率rが上限削減率に達していない場合にi番目の需要家施設に対する熱需要削減率rを増加させる。
熱需要抑制量決定部24は、ステップS11において算出した熱需要抑制量ARが熱需要抑制必要量に達しているか否かを判定する(ステップS12)。熱需要抑制量ARが熱需要抑制必要量に達している場合(ステップS12:YES)、熱需要抑制量決定部24は、熱需要抑制量を決定する処理を終了する。熱需要抑制量ARが熱需要抑制必要量に達していない場合(ステップS12:NO)、熱需要抑制量決定部24は、処理をステップS11へ戻す。
熱需要抑制量決定部24は、図7に示す処理を行うことにより、熱需要抑制量ARが熱需要抑制必要量に達するまで、各需要家施設11に対する熱需要削減率rを増加させる。この処理により、各需要家施設11に対して定められた上限削減率の範囲内において、各需要家施設11間で公平な熱需要抑制が実現される。
図8は、図6におけるステップS8の熱需要抑制量を決定する処理を示すフローチャートである。図8に示すフローチャートは、熱需要抑制が実施されているときに熱需要抑制量決定部24が熱需要削減率を決定する動作を示す。熱需要削減率が決定されることにより、需要家施設11における熱需要抑制量が決定される。
熱需要抑制量を決定する処理が開始されると、熱需要抑制量決定部24は、対象となる需要家施設11に対する熱需要削減率rを微小量増加させ、式(1)を用いて地域全体における熱需要抑制量ARを算出する(ステップS21)。熱需要削減率rそれぞれの初期値として、各需要家施設11における削減率の実績値が設定される。微小量は、図7における処理と同様に、例えば0.01[%]などが用いられる。対象となる需要家施設11は、現在の熱需要削減率(以下「削減率の実績値」という。)が熱需要抑制の実施前に決定した熱需要削減率(以下「削減率の計画値」という。)以上である需要家施設11である。すなわち、熱需要抑制量決定部24は、(削減率の実績値)≧(削減率の計画値)を満たしている需要家施設11に対する熱需要削減率rを微小量増加させる。
熱需要抑制量決定部24は、ステップS21において算出した熱需要抑制量ARが熱需要抑制必要量に達しているか否かを判定する(ステップS22)。熱需要抑制量ARが熱需要抑制必要量に達している場合(ステップS22:YES)、熱需要抑制量決定部24は、熱需要抑制量を決定する処理を終了する。熱需要抑制量ARが熱需要抑制必要量に達していない場合(ステップS22:NO)、熱需要抑制量決定部24は、処理をステップS21へ戻す。
熱需要抑制量決定部24は、図8に示す処理を行うことにより、熱需要抑制量ARが熱需要抑制必要量に達するまで、熱需要の計画値を超えて熱需要の削減を行っている需要家施設11に対する熱需要削減率rを増加させる。この処理により、熱需要の削減に対して余裕がある可能性の高い需要家施設11に対する追加の熱需要抑制を依頼して、地域全体の熱需要抑制必要量を満足させる可能性を高めることができる。
図6に示した抑制量決定処理を熱需要抑制装置1が行い、各需要家施設11の通信端末3が抑制情報を受信し、各需要家施設11において熱需要量の削減が行われることにより、プラント供給可能熱量の計画値に基づいた安定した熱量の供給を実現することができる。各需要家施設11における熱需要量の削減は、熱利用機器5の運用計画の変更や、バルブ6、7の開度の調整などにより行われる。熱利用機器5の運用計画の変更や、バルブ6、7の開度の調整は、通信端末3により出力される抑制情報に基づいて需要家施設11の管理者又は運用者が行ってもよいし、通信端末3に接続された制御装置が抑制情報に基づいて行ってもよい。
図9は、需要家施設11の通信端末3における抑制情報の表示例を示す図である。同図の表示例には、熱需要量の予測値を示すグラフ30と、熱需要の実績値を示す点33と、プラント供給可能熱量の計画値が熱需要の予測値を下回ると予測される期間におけるプラント供給可能熱量を示すグラフ31と、が表示されている。グラフ31が表示されている時間帯では熱需要量の抑制が必要であり、需要家施設11では当該時間帯において熱需要量がプラント供給可能熱量以下となるように、熱利用機器5の運転計画の変更や、バルブ6、7の開度の調節が行われる。また、抑制情報を表示する際に、各需要家施設11に対して要求される熱需要抑制量(r×HD )を合わせて表示してもよい。通信端末3における表示は、熱需要抑制装置1に備えられた表示装置で行われてもよい。
第1の実施形態における熱需要抑制装置1によれば、熱供給プラント10のプラント供給可能熱量と各需要家施設11の熱需要量とに基づいて、各需要家施設11に対する熱需要抑制量を決定し、熱エネルギーの需給において需要抑制に有効な通知を行うことができ、熱量に特化した需要抑制を実現することができる。また、熱需要抑制装置1によれば、各需要家施設11における熱需要抑制量を共有することにより、地域全体における独立した熱供給ネットワークにおける熱需要抑制を実現することができる。
[第2の実施形態]
図10は、第2の実施形態における熱需要抑制装置101の構成例を示すブロック図である。熱需要抑制装置101は、図1に示した熱供給ネットワークにおける熱需要抑制装置1に代えて用いられる。熱需要抑制装置101は、データ取得部120と、設定情報記憶部121と、設定情報取得部122と、系統別熱需要予測部123と、需要家別熱需要抑制必要量決定部124と、系統別熱需要抑制量決定部125とを備える。需要家施設11における系統とは、需要家施設11における複数のバルブ6で区切られた下流側のことである。バルブ6ごとに1つの系統が存在する。需要家施設11が複数のフロアを有する建物である場合、フロアごとに設けられたバルブ6で区切られた下流の区間であってフロアに設けられた熱利用機器5が接続された区間が1つの系統として扱われる。
データ取得部120は、プラント供給可能熱量の計画値と、各需要家施設11における系統別の熱需要量の実績値と、各需要家施設11における系統別の熱需要量の予測値を得るために必要な各種情報とを外部の装置又は操作者による入力から取得する。データ取得部120は、各需要家施設11における熱需要量の実績値に代えて、各需要家施設11における系統別の熱需要量の実績値を取得する点で、第1の実施形態におけるデータ取得部20と異なる。
設定情報記憶部121には、削減率テーブル21Aと、系統別削減率テーブル121Bとが記憶されている。削減率テーブル21Aは、第1の実施形態における削減率テーブル21Aと同じである。系統別削減率テーブル121Bには、需要家施設11それぞれにおける各系統に対して設定された熱需要量に対する上限削減率[%]が記憶されている。図11は、系統別削減率テーブル121Bの一例を示す図である。系統別削減率テーブル121Bは、需要家施設11における系統を識別する系統IDごとの列を有する。系統別削減率テーブル121Bにおいて、需要家施設11ごとに行が存在し、各行における系統IDそれぞれに対応する領域には、需要家施設11において系統IDで識別される系統に対する上限削減率が記憶されている。例えば、図11に示す系統別削減率テーブル121Bには、需要家施設#1における系統#3に対して、上限削減率として100%が記憶されている。また、需要家施設11において存在しない系統IDに対しては、当該系統が無効であることを示す記号「−」ハイフンが記憶されている。設定情報記憶部121は、系統別削減率テーブル121Bを記憶する点で、第1の実施形態における設定情報記憶部21と異なる。
図10に戻り、熱需要抑制装置101の説明を続ける。設定情報取得部122は、設定情報記憶部121に記憶されている、各需要家施設11に対する上限削減率と、各需要家施設11における系統ごとの上限削減率とを読み出す。設定情報取得部122は、読み出したそれぞれの上限削減率を需要家別熱需要抑制必要量決定部124及び系統別熱需要抑制量決定部125へ出力する。
系統別熱需要予測部123は、データ取得部120により取得されたプラント供給可能熱量の計画値と系統別の熱需要量の実績値と各種情報とに基づいて、各需要家施設11の系統それぞれにおける熱需要量の予測値を算出する。系統別熱需要予測部123による系統ごとの熱需要量の予測には、第1の実施形態における熱需要予測部23と同様に、ニューラルネットワークのモデルを用いた手法や、類似日検索手法などの公知の技術が用いられる。
需要家別熱需要抑制必要量決定部124は、各需要家施設11に対する熱需要抑制必要量を決定する。各需要家施設11の熱需要の予測値は、系統別熱需要予測部123により算出される系統の熱需要量の予測値を需要家施設11ごとに累算することにより得られる。需要家別熱需要抑制必要量決定部124は、第1の実施形態における熱需要抑制量決定部24が用いる方法と同様の方法により、需要家施設11それぞれに対する熱需要抑制必要量を算出する。需要家別熱需要抑制必要量決定部124は、熱需要抑制が実施されている場合、現時点における実績値と予測値との差を用いた補正を行わずともよい。
系統別熱需要抑制量決定部125は、各需要家施設11における系統別の熱需要抑制量を決定する。系統別熱需要抑制量決定部125は、例えば、系統ごとの熱需要抑制量を決定する際に式(2)を用いる。
Figure 2017223394
式(2)において、DR (i=1,2,…,n)は時刻tにおけるi番目の需要家施設11の熱需要抑制量[KJ]である。ri−j(i=1,2,…,n;j=1,2,…,m)はi番目の需要家施設11に備えられるj番目の系統の熱需要削減率である。HDi−j は時刻tにおけるi番目の需要家施設11に備えられるj番目の系統の熱需要量[KJ]である。時刻tにおけるi番目の需要家施設11に備えられるj番目の系統の熱需要量は、系統別熱需要予測部123により算出された各系統の熱需要量の予測値である。
系統別熱需要抑制量決定部125は、熱需要削減率ri−jを系統ごとに決定する。決定された熱需要削減率ri−jと当該系統の熱需要量HDi−j とを乗算することにより、時刻tにおけるi番目の需要家施設11に備えられるj番目の系統の熱需要抑制量が算出される。系統別熱需要抑制量決定部125は、各需要家施設11の系統ごとに前述の乗算を行うことにより、各系統の熱需要抑制量を算出する。熱需要削減率ri−jの決定は、熱需要抑制装置101が熱需要削減率ri−jを決定する時点が、熱需要抑制の実施前であるか実施中であるかで異なる。
系統別熱需要抑制量決定部125は、決定した各需要家施設11の系統それぞれに対する熱需要削減率ri−jに基づく抑制情報を生成する。系統別熱需要抑制量決定部125は、監視制御装置2及び情報通信ネットワーク9を介して、各需要家施設11に備えられた通信端末3へ抑制情報を送信する。
図12は、熱需要抑制装置101が行う抑制量決定処理を示すフローチャートである。熱需要抑制装置101において抑制量決定処理が開始されると、データ取得部120は、プラント供給可能熱量の計画値と、各需要家施設11の各系統における熱需要量の実績値と、熱需要予測に用いる各種情報とを取得する(ステップS101)。設定情報取得部122は、設定情報記憶部121に記憶されている各上限削減率を読み出して取得する(ステップS102)。
系統別熱需要予測部123は、ステップS101においてデータ取得部120により取得されたプラント供給可能熱量の計画値と、各需要家施設11における各系統の熱需要量の実績値と、熱需要予測に用いる各種情報とに基づいて、各需要家施設11の熱需要量を系統ごとに予測する(ステップS103)。需要家別熱需要抑制必要量決定部124は、系統別熱需要予測部123により予測された各需要家施設11の各系統の熱需要量と、プラント供給可能熱量の計画値とに基づいて、熱需要抑制の必要があるか否かを判定する(ステップS104)。
熱需要抑制が不要である場合(ステップS104:NO)、需要家別熱需要抑制必要量決定部124は、各需要家施設11の各系統において熱需要抑制が不要であることを示す抑制情報を生成し(ステップS105)、処理をステップS111に進める。
熱需要抑制が必要である場合(ステップS104:YES)、需要家別熱需要抑制必要量決定部124は、系統別熱需要予測部123により予測された各需要家施設11の各系統の熱需要量と、各需要家施設11に対する上限削減率とに基づいて、各需要家施設11に対する熱需要抑制量を決定する(ステップS106)。
系統別熱需要抑制量決定部125は、熱需要抑制が実施されるまであるか否かを判定する(ステップS107)。熱需要抑制が実施される前である場合(ステップS107:YES)、系統別熱需要抑制量決定部125は、熱需要抑制の実施前における各系統の熱需要抑制量を決定する(ステップS108)。熱需要抑制が実施されている場合(ステップS107:NO)、系統別熱需要抑制量決定部125は、熱需要抑制の実施中における各系統の熱需要抑制量を決定する(ステップS109)。熱需要抑制の実施前及び実施中における各系統の熱需要抑制量を決定する処理の詳細は後述する。
系統別熱需要抑制量決定部125は、ステップS108又はステップS109において決定した各需要家施設11の系統それぞれに対する熱需要抑制量及び抑制が必要となる期間を示す抑制情報を生成する(ステップS110)。系統別熱需要抑制量決定部125は、ステップS105又はステップS110において生成した抑制情報を各需要家施設11の通信端末3へ送信し(ステップS111)、抑制量決定処理を終了する。
図13は、図12におけるステップS108の熱需要抑制量を決定する処理を示すフローチャートである。図13に示すフローチャートは、熱需要抑制が実施される前に系統別熱需要抑制量決定部125が各系統の熱需要削減率を決定する動作を示す。各系統の熱需要削減率が決定されることにより、各系統における熱需要抑制量と、需要家施設11における熱需要抑制量とが決定される。図13に示される熱需要抑制量を決定する処理は、需要家施設11ごとに行われる。
各系統の熱需要抑制量を決定する処理が開始されると、系統別熱需要抑制量決定部125は、系統ごとの熱需要削減率ri−j(j=1,2,…,m)それぞれを微小増加させ、式(2)を用いてi番目の需要家施設11における熱需要抑制量DRを算出する(ステップS121)。熱需要削減率ri−jそれぞれの初期値として例えば0が設定される。熱需要削減率ri−jそれぞれの初期値には、各系統に対して定められた上限削減率を超えない値が設定されてもよい。微小量には第1の実施形態と同様の値が用いられる。
系統別熱需要抑制量決定部125は、増加させた熱需要削減率ri−jがi番目の需要家施設11に備えられたj番目の系統に対する上限削減率を超える場合には、熱需要削減率ri−jの値を上限削減率に変更する。すなわち、系統別熱需要抑制量決定部125は、熱需要削減率ri−jが上限削減率に達している場合には当該系統に対する熱需要削減率ri−jを増加させず、熱需要削減率ri−jが上限削減率に達していない場合に当該系統に対する熱需要削減率ri−jを増加させる。
系統別熱需要抑制量決定部125は、ステップS121において算出された熱需要抑制量DRが、対象となっている需要家施設11に対する熱需要抑制必要量に達しているか否かを判定する(ステップS122)。熱需要抑制量DRが熱需要抑制必要量に達している場合(ステップS122:YES)、系統別熱需要抑制量決定部125は、熱需要抑制量を決定する処理を終了する。熱需要抑制量DRが熱需要抑制必要量に達していない場合(ステップS122:NO)、系統別熱需要抑制量決定部125は、処理をステップS121へ戻す。
系統別熱需要抑制量決定部125は、図13に示す処理を行うことにより、熱需要抑制量DRが熱需要抑制必要量に達するまで、各系統に対する熱需要削減率ri−jを増加させる。この処理により、系統ごとに定められた上限削減率の範囲内において、系統間で公平な熱需要抑制が実現される。
図14は、図12におけるステップS109の熱需要抑制量を決定する処理を示すフローチャートである。図14に示すフローチャートは、熱需要抑制が実施されているときに系統別熱需要抑制量決定部125が熱需要削減率を決定する動作を示す。各系統の熱需要削減率が決定されることにより、各系統における熱需要抑制量と、需要家施設11における熱需要抑制量とが決定される。図14に示される熱需要抑制量を決定する処理は、需要家施設11ごとに行われる。
各系統の熱需要抑制量を決定する処理が開始されると、系統別熱需要抑制量決定部125は、対象となる系統の熱需要削減率ri−jを微小増加させ、式(2)を用いてi番目の需要家施設11における熱需要抑制量DRを算出する(ステップS131)。熱需要削減率ri−jそれぞれの初期値として、各系統における削減率の実績値が設定される。対象となる系統は、削減率の実績値が削減率の計画値以上である系統である。すなわち、系統別熱需要抑制量決定部125は、(削減率の実績値)≧(削減率の計画値)を満たしている系統に対する熱需要削減率ri−jを微小増加させる。
系統別熱需要抑制量決定部125は、ステップS131において算出した熱需要抑制量DRがi番目の需要家施設11に対する熱需要抑制必要量に達しているか否かを判定する(ステップS132)。熱需要抑制量DRiが熱需要抑制必要量に達している場合(ステップS132:YES)、系統別熱需要抑制量決定部125は、熱需要抑制量を決定する処理を終了する。熱需要抑制量DRが熱需要抑制必要量に達していない場合(ステップS132:NO)、系統別熱需要抑制量決定部125は、処理をステップS131へ戻す。
系統別熱需要抑制量決定部125は、図14に示す処理を行うことにより、熱需要抑制量DRが熱需要抑制必要量に達するまで、削減率の計画値を超えて熱需要の削減を行っている系統に対する熱需要削減率ri−jを増加させる。この処理により、熱需要の削減に対して余裕がある可能性の高い系統に対する追加の熱需要抑制を依頼して、需要家施設11の熱需要抑制必要量を満足させる可能性を高めることができる。
図12に示した抑制量決定処理を熱需要抑制装置101が行い、各需要家施設11の通信端末3が抑制情報を受信し、各需要家施設11の各系統において熱需要量の削減が行われることにより、プラント供給可能熱量の計画値に基づいた安定した熱量の供給を実現することができる。
図15は、需要家施設11の通信端末3における抑制情報の表示例を示す図である。同図の表示例には、需要家施設11の系統別の熱需要量、抑制量及び削減率が時系列に表示されている。このような表示が通信端末3において行われることにより、需要家施設11の管理者又は運用者は、いつ、どの系統に対してどれだけ需要抑制をすればよいかを把握することができる。図15に示した表示例では表形式の表示例を示したが、同様の情報を表示できるトレンドグラフを用いた表示が行われてもよい。通信端末3における表示は、熱需要抑制装置101に備えられた表示装置で行われてもよい。
第2の実施形態における熱需要抑制装置101によれば、熱供給プラント10のプラント供給可能熱量と各需要家施設11の熱需要量とに基づいて、各需要家施設11の各系統に対する熱需要抑制量を決定し、熱エネルギーの需給において需要抑制に有効な通知を行うことができる。また、熱需要抑制装置101によれば、各需要家施設11における各系統の熱需要抑制量を共有することにより、地域全体における独立した熱供給ネットワークにおける熱需要抑制を実現することができる。また、系統別の熱需要抑制量が得られるため、各需要家施設11では自身に割り当てられた熱需要抑制必要量を満たすように系統別に熱需要抑制量を分配する手間を省くことができる。
[第3の実施形態]
図16は、第3の実施形態における熱需要抑制装置201の構成例を示すブロック図である。熱需要抑制装置201は、図1に示した熱供給ネットワークにおける熱需要抑制装置1に代えて用いられる。熱需要抑制装置201は、データ取得部220と、設定情報記憶部221と、設定情報取得部222と、熱需要抑制必要量算出部223と、熱需要抑制量決定部224とを備える。
データ取得部220は、プラント供給可能熱量の実績値と、各需要家施設11の熱需要量の実績値と、熱媒体送出温度の実績値と、熱媒体送出設定温度の実績値とを外部の装置又は操作者による入力から取得する。熱媒体送出温度は、熱供給プラント10から各需要家施設11へ送出される熱媒体の温度であって熱供給プラント10において測定された温度である。熱媒体送出設定温度は、熱供給プラント10から送出される熱媒体の温度に対して設定された目標値である。熱供給プラント10では、送出する熱媒体の温度が熱媒体送出設定温度を維持するように、監視制御装置2が熱源システム4を制御する。
設定情報記憶部221には、削減率テーブル21Aと、抑制実行条件とが記憶されている。削減率テーブル21Aは、第1の実施形態における削減率テーブル21Aと同じである。抑制実行条件は、熱需要抑制の要否を判定する際に用いられる情報であり、閾値温度と閾値時間とのいずれか一方又は両方を含む情報である。
設定情報取得部222は、設定情報記憶部221に記憶されている、各需要家施設11に対する上限削減率と、抑制実行条件とを読み出す。設定情報取得部222は、読み出した抑制実行条件を熱需要抑制必要量算出部223へ出力し、読み出した上限削減率を熱需要抑制量決定部224へ出力する。
熱需要抑制必要量算出部223は、データ取得部220により取得された熱媒体送出温度及び熱媒体送出設定温度の実績値に基づいて、熱需要抑制の要否を判定する。熱需要抑制必要量算出部223は、熱需要抑制が必要と判定した場合、熱供給ネットワークにおいて削減すべき熱需要量を算出する。熱需要抑制必要量算出部223は、データ取得部220により取得されたプラント供給可能熱量及び熱需要量それぞれの実績値と熱媒体送出温度の実績値と熱媒体送出設定温度の実績値とに基づいて、熱供給ネットワークにおいて削減すべき熱需要量を算出する。熱需要抑制必要量算出部223は、算出した熱需要量を熱需要抑制必要量として熱需要抑制量決定部224へ出力する。
熱需要抑制量決定部224は、データ取得部220により取得された各需要家施設11における熱需要量の実績値と、熱需要抑制必要量算出部223により算出された熱需要抑制必要量と、設定情報取得部222により取得された上限削減率とに基づいて、各需要家施設11における熱需要抑制量を決定する。熱需要抑制量決定部224は、第1の実施形態における熱需要抑制量決定部24と同様の手法を用いて、各需要家施設11における熱需要抑制量を決定する。熱需要抑制量決定部224は、図13又は図14に示した手法のいずれを用いてもよい。熱需要抑制量決定部224は、熱需要抑制量決定部24と同様に、抑制情報を生成するとともに、監視制御装置2及び情報通信ネットワーク9を介して、各需要家施設11に備えられた通信端末3へ抑制情報を送信する。
以下、熱需要抑制必要量算出部223が行う熱需要抑制の要否判定と熱需要抑制必要量の算出についてより詳細に説明する。図17は、熱需要抑制必要量算出部223が判定で用いる熱媒体送出温度、熱媒体送出設定温度、抑制実行条件に含まれる閾値温度を表すグラフの一例である。同図において、横軸は時間を示し、縦軸は熱媒体送出温度を示している。同図に示すグラフでは、熱供給プラント10が冷却用熱媒体を各需要家施設11へ供給している場合の熱媒体送出温度の変化が示されている。抑制実行条件が閾値温度を用いて定められている場合、熱需要抑制必要量算出部223は、熱媒体送出設定温度203と熱媒体送出温度204との差を算出する。熱需要抑制必要量算出部223は、算出した差が閾値温度205未満であるとき、熱需要抑制が不要であると判定し、差が閾値温度205以上であるとき、熱需要抑制が必要であると判定する。なお、熱供給プラント10が加熱用熱媒体を各需要家施設11へ供給している場合、熱媒体送出温度が熱媒体送出設定温度以下になり、熱媒体送出温度と熱媒体送出設定温度との差が閾値温度以上になったときに、熱需要抑制が必要と判定される。
熱需要抑制必要量算出部223は、熱需要抑制が必要であると判定すると、熱需要抑制必要量を算出する。熱需要抑制必要量は、熱需要抑制が必要と判定された時点における熱供給プラント10のプラント供給熱量の実績値と、各需要家施設11の熱需要量の実績値の総和との差分である。熱需要抑制必要量算出部223は、熱需要抑制が必要である場合、算出した熱需要抑制必要量を熱需要抑制量決定部224へ出力する。
図18は、熱需要抑制必要量算出部223が判定で用いる熱媒体送出温度、熱媒体送出設定温度、抑制実行条件に含まれる閾値時間を表すグラフの一例である。同図において、横軸は時間を示し、縦軸は熱媒体送出温度を示している。同図に示すグラフでは、図17と同様に、熱供給プラント10が冷却用熱媒体を各需要家施設11へ供給している場合の熱媒体送出温度の変化が示されている。抑制実行条件が閾値温度を用いて定められている場合、熱需要抑制必要量算出部223は、熱媒体送出温度204が熱媒体送出設定温度203を超えてから経過した時間を計測する。熱需要抑制必要量算出部223は、経過した時間が閾値時間206未満であるとき、熱需要抑制が不要であると判定し、経過した時間が閾値時間206以上であるとき、熱需要抑制が必要であると判定する。すなわち、熱媒体送出温度が熱媒体送出設定温度を超えた状態が閾値時間に亘り継続した場合に、熱需要抑制必要量算出部223は、熱需要抑制が必要であると判定する。
熱需要抑制必要量算出部223は、熱需要抑制が必要であると判定すると、抑制実行条件が閾値温度を用いて定められている場合と同様に、熱需要抑制必要量を算出する。もしくは、熱媒体送出温度204が熱媒体送出設定温度203を超過したときから閾値時間206が経過したときまでの期間における、プラント供給熱量の実績値の平均値と各需要家施設11の熱需要量の実績値の総和の平均値との差分を、熱需要抑制必要量としてもよい。あるいは、熱需要抑制必要量算出部223は、熱媒体送出温度204が熱媒体送出設定温度203以上である状態が閾値時間206以上継続したときにおける送出温度差207を用いて、熱需要抑制必要量を算出してもよい。
送出温度差が用いられる場合には、式(3)により、地域全体における熱需要抑制必要量ARRを算出してもよい。
Figure 2017223394
式(3)において、Δtは送出温度差[℃]である。Fは熱供給プラント10から送出される熱媒体の単位時間あたりの送出量[kg/sec]である。Cは熱媒体の比熱容量[KJ/(kg・℃)]である。timeは閾値時間[sec]である。
熱媒体送出量Fには、熱媒体送出温度が熱媒体送出設定温度を超えてから閾値時間が経過した時点における熱媒体送出量の実績値、又は、熱媒体送出温度が熱媒体送出設定温度を超えてから閾値時間が経過するまでの期間における熱媒体送出量の実績値の平均値が用いられる。
熱需要抑制必要量算出部223は、前述の2つの手法のいずれかを用いて、熱需要抑制の要否と、熱需要抑制必要量の算出とを行う。なお、抑制実行条件は、閾値温度と閾値時間との組み合わせで定められてもよい。閾値温度と閾値時間との組み合わせが用いられる場合、熱需要抑制必要量算出部223は、熱媒体送出温度と熱媒体送出設定温度との差が閾値温度以上である状態が閾値時間以上継続したときに熱需要抑制が必要であると判定してもよい。また、熱需要抑制必要量算出部223は、図17及び図18に示したいずれか一方の抑制実行条件が満たされたときに熱需要抑制が必要であると判定してもよい。
図19は、熱需要抑制装置201が行う抑制量決定処理を示すフローチャートである。熱需要抑制装置201において抑制量決定処理が開始されると、データ取得部220は、プラント供給可能熱量の実績値と、各需要家施設11の熱需要量の実績値と、熱媒体送出温度の実績値と、熱媒体送出設定温度の実績値とを取得する(ステップS201)。設定情報取得部222は、設定情報記憶部221に記憶されている各上限削減率と抑制実行条件とを読み出して取得する(ステップS202)。熱需要抑制必要量算出部223は、熱媒体送出温度及び熱媒体送出設定温度の実績値に基づいて、熱需要抑制の必要があるか否かを判定する(ステップS203)。
熱需要抑制が不要である場合(ステップS203:NO)、熱需要抑制必要量算出部223は、熱需要抑制が不要であることを熱需要抑制量決定部224へ通知する。熱需要抑制量決定部224は、この通知に応じて、各需要家施設11において熱需要抑制が不要であることを示す抑制情報を生成し(ステップS204)、処理をステップS208へ進める。
熱需要抑制が必要である場合(ステップS203:YES)、熱需要抑制必要量算出部223は、プラント供給可能熱量及び熱需要量それぞれの実績値と熱媒体送出温度の実績値と熱媒体送出設定温度の実績値とに基づいて、熱需要抑制必要量を算出する(ステップS205)。熱需要抑制量決定部224は、熱需要抑制必要量算出部223により算出された熱需要抑制必要量と、設定情報取得部222により取得された上限削減率とに基づいて、各需要家施設11における熱需要抑制量を決定する(ステップS206)。熱需要抑制量決定部224は、ステップS206において決定した各需要家施設11における熱需要抑制量を示す抑制情報を生成する(ステップS207)。
熱需要抑制量決定部224は、ステップS204又はステップS207において生成した抑制情報を各需要家施設11の通信端末へ送信し(ステップS208)、抑制量決定処理を終了する。抑制情報を受信した各需要家施設11における動作は、第1の実施形態と同様である。
第3の実施形態における熱需要抑制装置201によれば、熱需要量の予測を行うことなく熱需要抑制の要否を判定し、熱需要抑制が必要な場合には各需要家施設11に対する熱需要抑制量を決定し、プラント供給可能熱量や各種の予測値に依らず熱エネルギーの需給において需要抑制に有効な通知を行うことができ、熱量に特化した需要抑制を実現することができる。また、熱需要抑制装置201によれば、各需要家施設11における熱需要抑制量を共有することにより、地域全体における独立した熱供給ネットワークにおける熱需要抑制を実現することができる。
なお、熱需要抑制装置201において、第2の実施形態における熱需要抑制装置101と同様に、各需要家施設11に備えられる系統それぞれに対する熱需要削減量を決定し、各需要家施設11へ通知してもよい。系統それぞれに対する熱需要削減量を決定する場合、設定情報記憶部221は、さらに系統別削減率テーブルを備え、熱需要抑制量決定部224は、需要家施設11ごとに決定した熱需要削減量を満たすように各系統の熱需要削減量を決定してもよい。
[第4の実施形態]
第4の実施形態における熱需要抑制装置は、各需要家施設11における今後の熱需要量を予測し、熱需要抑制が必要と予測される場合に各需要家施設11へガイダンス情報を送信する。ガイダンス情報は、プラント供給熱量が不足することが予測されるため、プラント供給熱量に余裕があるうちに、熱利用機器5を過剰に稼動させることを要求する情報である。各需要家施設11の熱利用機器5を過剰に稼動させることで、需要家施設11における蓄熱効果を利用して、プラント供給熱量が不足すると予測される期間における熱需要量の削減を図る。
さらに、熱需要抑制装置は、熱需要抑制が必要になると予測された時刻、すなわち、各需要家施設11の熱需要量の予測値の合計がプラント供給熱量の計画値を超過すると予測された時刻になったときに、熱需要抑制装置は、再度、熱需要抑制の要否を判定し、熱需要抑制が必要であれば、各需要家施設11に対する熱需要抑制量を決定して通知する。
図20は、第4の実施形態における熱需要抑制装置301の構成例を示すブロック図である。熱需要抑制装置301は、図1に示した熱供給ネットワークにおける熱需要抑制装置1に代えて用いられる。熱需要抑制装置301は、データ取得部320と、設定情報記憶部221と、設定情報取得部222と、熱需要予測部23と、熱需要抑制量決定部24と、熱需要抑制必要量算出部223と、熱需要抑制量決定部224とを備える。第1又は第3の実施形態において説明した構成と同一の構成に対しては同じ符号を付して重複する説明を省略する。
データ取得部320は、プラント供給可能熱量の実績値及び計画値と、各需要家施設11の熱需要量の実績値と、各需要家施設11における熱需要の予測値を得るために必要な各種情報と、熱媒体送出温度の実績値と、熱媒体送出設定温度の実績値とを外部の装置又は操作者による入力から取得する。データ取得部320は、取得したデータを、熱需要予測部23、熱需要抑制量決定部24、熱需要抑制必要量算出部223及び熱需要抑制量決定部224それぞれへ出力する。
図21は、熱需要抑制装置301が行う抑制量決定処理を示すフローチャートである。熱需要抑制装置301において抑制量決定処理が開始されると、データ取得部320は、プラント供給可能熱量の実績値及び計画値と、各需要家施設11の熱需要量の実績値と、各種情報と、熱媒体送出温度及び熱媒体送出設定温度の実績値とを取得する(ステップS301)。設定情報取得部222は、設定情報記憶部221に記憶されている各上限削減率と抑制実行条件とを読み出して取得する(ステップS302)。
熱需要予測部23は、ステップS301においてデータ取得部320により取得されたプラント供給可能熱量の計画値と、各需要家施設11における熱需要量の実績値と、熱需要予測に用いる各種情報とに基づいて、各需要家施設11の熱需要量を予測する(ステップS303)。熱需要抑制量決定部24は、熱需要予測部23により予測された熱需要量と、プラント供給可能熱量の計画値とに基づいて、熱需要抑制の必要があるか否かを判定する(ステップS304)。
熱需要抑制が不要である場合(ステップS304:NO)、熱需要抑制量決定部24は、各需要家施設11において熱需要抑制が不要であることを示す抑制情報を生成し(ステップS305)、処理をステップS310へ進める。
熱需要抑制が必要である場合(ステップS304:YES)、熱需要抑制量決定部24は、熱需要抑制の実施前における熱需要抑制量を決定する(ステップS306)。熱需要抑制量決定部24は、ステップS306において決定した各需要家施設11における熱需要抑制量及び抑制が必要となる期間と、当該期間の前に熱利用機器5を過剰に稼動させる要求とを示すガイダンス情報を生成する。熱需要抑制量決定部24は、各需要家施設11の通信端末3へガイダンス情報を送信する(ステップS307)。
熱需要抑制必要量算出部223は、熱需要抑制量決定部24により予測されたプラント供給可能熱量の不足する時刻まで待機し(ステップS308)、当該時刻になると熱媒体送出温度及び熱媒体送出設定温度の実績値に基づいて、熱需要抑制の必要があるか否かを判定する(ステップS309)。
熱需要抑制が不要である場合(ステップS309:NO)、熱需要抑制必要量算出部223は、熱需要抑制が不要であることを熱需要抑制量決定部224へ通知する。熱需要抑制量決定部224は、この通知に応じて、各需要家施設11において熱需要抑制が不要であることを示す抑制情報を生成し(ステップS305)、処理をステップS313へ進める。
熱需要抑制が必要である場合(ステップS309:YES)、熱需要抑制必要量算出部223は、プラント供給可能熱量及び熱需要量それぞれの実績値と熱媒体送出温度の実績値と熱媒体送出設定温度の実績値とに基づいて、熱需要抑制必要量を算出する(ステップS310)。熱需要抑制量決定部224は、熱需要抑制必要量算出部223により算出された熱需要抑制必要量と、設定情報取得部222により取得された上限削減率とに基づいて、各需要家施設11における熱需要抑制量を決定する(ステップS311)。熱需要抑制量決定部224は、ステップS311において決定した各需要家施設11における熱需要抑制量を示す抑制情報を生成する(ステップS312)。
熱需要抑制量決定部224は、ステップS305又はステップS312において生成した抑制情報を各需要家施設11の通信端末へ送信し(ステップS313)、抑制量決定処理を終了する。抑制情報を受信した各需要家施設11における動作は、第1の実施形態と同様である。
第4の実施形態における熱需要抑制装置301によれば、事前に熱需要抑制の要否を判定し、熱需要抑制が必要な場合には各需要家施設11に対する熱需要抑制量と抑制が必要な期間と、熱利用機器5を過剰に稼動させることを示すガイダンス情報を各需要家施設11へ通知することで、熱エネルギーの需給の安定化を図ることができる。また、熱需要抑制装置301によれば、現時点における熱需要抑制の要否を判定し、熱需要抑制が必要な場合には各需要家施設11に対する熱需要抑制量を決定し、熱エネルギーの需給において需要抑制に有効な通知を行うことができる。また、熱需要抑制装置201によれば、各需要家施設11における熱需要抑制量を共有することにより、地域全体における独立した熱供給ネットワークにおける熱需要抑制を実現することができる。
以上の各実施形態では、熱需要抑制装置が熱供給プラント10に備えられる構成を説明した。しかし、熱供給プラント10の外部や、需要家施設11のいずれかに熱需要抑制装置が備えられていてもよい。熱供給プラント10の外部に熱需要抑制装置が備えられる場合、熱需要抑制装置は、情報通信ネットワーク9を介して、熱供給プラント10及び各需要家施設11との通信を行うことで、抑制量決定処理において必要となる情報やデータの送受信を行う。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、熱需要抑制の要否を判定して熱需要抑制量を決定する熱需要抑制量決定部を備えることにより、熱エネルギーの需給において需要抑制に有効な通知を各需要家施設11に行うことができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1,101,201,301…熱需要抑制装置、2…監視制御装置、3…通信端末、4…熱源システム、5…熱利用機器、6,7…バルブ、8…熱配管、9…情報通信ネットワーク、10…熱供給プラント、11需要家施設、20,120,220,320…データ取得部、21,121,221…設定情報記憶部、21A…削減率テーブル、22,122,222…設定情報取得部、23…熱需要予測部、24,224…熱需要抑制量決定部、121B…系統別削減率テーブル、123…系統別熱需要予測部、124…需要家別熱需要抑制必要量決定部、125…系統別熱需要抑制量決定部、221B…抑制実行条件、223…熱需要抑制必要量算出部

Claims (16)

  1. 複数の需要家施設と前記複数の需要家施設へ熱を供給する熱供給プラントとを備える熱供給ネットワークにおいて利用される熱需要抑制装置であって、
    前記複数の需要家施設における熱需要量の実績値に基づいて、前記複数の需要家施設における今後の熱需要量を予測する熱需要予測部と、
    前記熱需要予測部により予測された熱需要量と前記熱供給プラントから供給される熱量とから前記需要家施設における熱需要抑制量を決定する熱需要抑制量決定部と、
    を備える熱需要抑制装置。
  2. 前記需要家施設それぞれに対して定められた熱需要の削減率の上限値を記憶する設定情報記憶部を備え、
    前記熱需要抑制量決定部は、前記需要家施設それぞれに対して定められた上限値を超えない熱需要抑制量を決定する、
    請求項1に記載の熱需要抑制装置。
  3. 前記熱需要予測部は、前記需要家施設それぞれに設けられる系統ごとに今後の熱需要量を予測し、
    前記熱需要抑制量決定部は、前記需要家施設それぞれの前記系統ごとに熱需要抑制量を決定する、
    請求項1に記載の熱需要抑制装置。
  4. 前記需要家施設及び前記需要家施設の前記系統それぞれに対して定められた上限値を記憶する設定情報記憶部を備え、
    前記熱需要抑制量決定部は、前記需要家施設及び前記系統それぞれに対して定められた上限値を超えない熱需要抑制量を決定する、
    請求項3に記載の熱需要抑制装置。
  5. 複数の需要家施設と前記複数の需要家施設へ熱を供給する熱供給プラントとを備える熱供給ネットワークにおいて利用される熱需要抑制装置であって、
    前記複数の需要家施設における熱需要量、前記熱供給プラントから供給される熱量、前記需要家施設へ前記熱供給プラントから送出される熱媒体の温度と、熱媒体の温度に対して予め定められた設定温度とに基づいて、前記熱供給ネットワークにおいて必要とされる熱需要削減量を算出する熱需要抑制必要量算出部と、
    前記熱需要抑制必要量算出部により算出された前記熱需要削減量に基づいて、前記需要家施設における熱需要抑制量を決定する熱需要抑制量決定部と、
    を備える熱需要抑制装置。
  6. 前記需要家施設それぞれに対して定められた熱需要の削減率の上限値を記憶する設定情報記憶部を備え、
    前記熱需要抑制量決定部は、前記需要家施設それぞれに対して定められた上限値を超えない熱需要抑制量を決定する、
    請求項5に記載の熱需要抑制装置。
  7. 前記熱需要抑制必要量算出部は、前記熱媒体の温度と前記設定温度との差が閾値温度を超えた場合に、前記熱需要削減量を算出する、
    請求項5に記載の熱需要抑制装置。
  8. 前記熱需要抑制必要量算出部は、前記熱媒体の温度が前記設定温度を超過した状態が閾値時間に亘り継続した場合に、前記閾値時間に亘り継続した時点における前記熱供給プラントから供給される熱量と前記需要家施設における熱需要量とから前記熱需要削減量を算出する、
    請求項5に記載の熱需要抑制装置。
  9. 前記熱需要抑制必要量算出部は、前記熱媒体の温度が前記設定温度を超過した状態が閾値時間に亘り継続した場合に、前記閾値時間における前記熱供給プラントから供給される熱量の平均値と前記需要家施設における熱需要量の平均値とから前記熱需要削減量を算出する、
    請求項5に記載の熱需要抑制装置。
  10. 前記熱需要抑制必要量算出部は、前記熱媒体の温度が前記設定温度を超過した状態が閾値時間に亘り継続した場合に、前記熱媒体の温度と前記設定温度との差と、前記熱供給プラントから供給される前記熱媒体の送出量と、前記閾値時間とから前記熱需要削減量を算出する、
    請求項5に記載の熱需要抑制装置。
  11. 前記熱需要抑制必要量算出部は、前記熱媒体の温度が前記設定温度を超過した状態が閾値時間に亘り継続した場合に、前記閾値時間における前記熱供給プラントから供給される熱量の平均値と前記需要家施設における熱需要量の平均値と、前記熱媒体の温度と前記設定温度との差とから前記熱需要削減量を算出する、
    請求項5に記載の熱需要抑制装置。
  12. 前記熱需要抑制量決定部は、前記需要家施設それぞれに備えられる系統ごとに熱需要抑制量を決定する、
    請求項6から請求項11のいずれか一項に記載の熱需要抑制装置。
  13. 前記需要家施設及び前記需要家施設の前記系統それぞれに対して定められた上限値を記憶する設定情報記憶部を備え、
    前記熱需要抑制量決定部は、前記需要家施設及び前記系統に対して定められた上限値を超えない熱需要抑制量を決定する、
    請求項12に記載の熱需要抑制装置。
  14. 複数の需要家施設と前記複数の需要家施設へ熱を供給する熱供給プラントとを備える熱供給ネットワークにおける熱需要抑制方法であって、
    前記複数の需要家施設における熱需要量の実績値に基づいて、前記複数の需要家施設における今後の熱需要量を予測する熱需要予測ステップと、
    前記熱需要予測ステップにおいて予測された熱需要量と前記熱供給プラントから供給される熱量とから前記需要家施設における熱需要抑制量を決定する熱需要抑制量決定ステップと、
    を有する熱需要抑制方法。
  15. 複数の需要家施設と前記複数の需要家施設へ熱を供給する熱供給プラントとを備える熱供給ネットワークにおける熱需要抑制方法であって、
    前記複数の需要家施設における熱需要量、前記熱供給プラントから供給される熱量、前記需要家施設へ前記熱供給プラントから送出される熱媒体の温度と、熱媒体の温度に対して予め定められた設定温度とに基づいて、前記熱供給ネットワークにおいて必要とされる熱需要削減量を算出する熱需要抑制必要量算出ステップと、
    前記熱需要抑制必要量算出ステップにおいて算出された前記熱需要削減量に基づいて、前記需要家施設における熱需要抑制量を決定する熱需要抑制量決定ステップと、
    を有する熱需要抑制方法。
  16. 請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の熱需要抑制装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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