JP2017223245A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents
無段変速機の制御装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2017223245A JP2017223245A JP2016117185A JP2016117185A JP2017223245A JP 2017223245 A JP2017223245 A JP 2017223245A JP 2016117185 A JP2016117185 A JP 2016117185A JP 2016117185 A JP2016117185 A JP 2016117185A JP 2017223245 A JP2017223245 A JP 2017223245A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- dither
- current
- command value
- control
- variable transmission
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Control Of Transmission Device (AREA)
Abstract
【解決手段】ベルト式無段変速機CVTは、ベルト3が掛け渡されたプライマリプーリ1とセカンダリプーリ2へのプーリ油圧を制御する油圧制御弁5,6,7と、油圧制御弁を制御するCVTコントローラ8とを備える。このベルト式無段変速機CVTの制御装置において、CVTコントローラは、セカンダリプーリへのセカンダリ圧Psecの制御を、油圧偏差に積分ゲインを掛け合わせた積分操作量により補償する積分FB制御とする。ソレノイド5a,6a,7aへ出力するベース電流指令値に対してディザ電流を付加するディザ作動の実行中、ディザ電流の実電流中央値がベース電流指令値より低いとき、積分FB制御での積分操作量の下げ側出力を停止する。
【選択図】図1
Description
この無段変速機の制御装置において、コントローラは、セカンダリプーリへのセカンダリ圧の制御を、油圧偏差に積分ゲインを掛け合わせた積分操作量により補償する積分フィードバック制御とする。
ソレノイドへ出力するベース電流指令値に対してディザ電流を付加するディザ作動の実行中、ディザ電流の実電流中央値がベース電流指令値より低いとき、積分フィードバック制御での積分操作量の下げ側出力を停止する。
実施例1における無段変速機の制御装置は、変速機をベルト式無段変速機とするエンジン車やハイブリッド車等のエンジン搭載車に適用したものである。以下、実施例1のベルト式無段変速機の制御装置の構成を、「全体システム構成」、「油振対策によるソレノイド電流制御系構成」、「油振対策によるソレノイド電流制御処理構成」に分けて説明する。
図1は、実施例1の制御装置が適用されたベルト式無段変速機を示す。以下、図1に基づき、ベルト式無段変速機CVTの全体システム構成を説明する。
図2は、実施例1のCVTコントローラ8及び油圧制御弁5,6,7に有する油振対策によるソレノイド電流制御系構成を示すブロック図である。以下、図2に基づいて、PWM周波数同期型の2自由度制御(FF+PID)にディザ(Dither)を加えた構成による油振対策によるソレノイド電流制御系構成を説明する。
図3は、実施例1のCVTコントローラ8にて実行される油振対策によるソレノイド電流制御処理流れを示すフローチャートである。以下、油振対策によるソレノイド電流制御処理構成をあらわす図3の各ステップについて説明する。なお、この制御処理は、所定の制御周期(例えば、10msec)で繰り返し実行される。
ここで、「運転シーン」としては、ディザ作動させたいシーンを判別するため「運転シーン」と、ディザ作動させたくないシーンを判別するための「運転シーン」を含む。
ここで、「油振現象の判定」は、プライマリ圧センサ85とセカンダリ圧センサ86からのセンサ信号に基づき、プライマリ圧Ppriとセカンダリ圧Psecの最大ピーク圧と最初ピーク圧の差圧PRIPRS_AMP,SECPRS_AMPを監視することで行う。
・Dレンジ低開度オートアップ走行中
・Dレンジコースト走行中又はDレンジブレーキON中
・ドライバー操作による減速要求中(Lレンジ、Mレンジ、OD/OFF)
・停車中
による4つの運転パターンの何れかのパターンに該当するとき、ディザ要求運転シーン条件の成立と判断する。条件の成立は、各種センサ等からの情報に基づいて判断される。
・無段変速機CVTのメカLow&メカHigh
・エンジン高回転数域
・バッテリ電圧が低電圧、かつ、変速機作動油温が高油温
による3つの運転パターンのうち、何れか一つのパターンに該当するとき、ディザをONにしてはいけない運転シーンと判断する。この判断も、各種センサ等からの情報に基づいて行われる。
ここで、「ディザをOFFにする」とは、各油圧制御弁5,6,7のソレノイド5a,6a,7aに対して印加するベース電流指令値による電流波形を、図7の最上部に示すように、PWM制御によるリップル電流波形にすることをいう。
ここで、「ディザをONにする」とは、各油圧制御弁5,6,7のソレノイド5a,6a,7aに対して印加するベース電流指令値による電流波形を、図7に示すように、PWM制御によるリップル電流波形に、ディザ電流波形を重畳することで形成されるディザ作動波形にすることをいう。
なお、「ディザ電流波形」とは、リップル電流(例えば、数百Hz)よりも低周波数(例えば、数十Hz)の矩形電流波形をいう。なお、ステップS4でディザONがOKの運転シーンであると判断されても、フェールフラグが立っている場合はディザをOFFにする。
実施例1のベルト式無段変速機の制御装置における作用を、「油振対策によるソレノイド電流制御処理作用」、「油振対策によるソレノイド電流制御作用」、「セカンダリ圧の積分FB制御作用」、「セカンダリ圧の積分FB制御の特徴作用」に分けて説明する。
以下、図3のフローチャートに基づき、油振対策によるソレノイド電流制御処理作用を説明する。
上記のように、油振検知条件と、ディザ要求運転シーン条件と、ディザOK運転シーン条件とが共に成立する場合に限り、ディザをONにし、各油圧制御弁5,6,7のソレノイド5a,6a,7aに対してディザ作動波形を印加する油振対策が実行される。
ここで、「油振検知条件が不成立である」とは、プライマリ圧Ppriの差圧PRIPRS_AMP、及び、セカンダリ圧Psecの差圧SECPRS_AMPが、所定値未満であるとき、若しくは、差圧PRIPRS_AMP、又は、差圧SECPRS_AMPが、所定値以上であるが所定時間継続していないときをいう。
ここで、「ディザ要求運転シーン条件が不成立である」とは、
・Dレンジ低開度オートアップ走行中
・Dレンジコースト走行中又はDレンジブレーキON中
・ドライバー操作による減速要求中(Lレンジ、Mレンジ、OD/OFF)
・停車中
による4つの運転パターンの何れのパターンにも該当しないときをいう。これらのパターンに該当するか否かの判断は、各種センサ等からの情報に基づいて行われる。
ここで、「ディザOK運転シーン条件が不成立である」とは、
・無段変速機CVTのメカLow&メカHigh
・エンジン高回転数域
・バッテリ電圧が低電圧、かつ、変速機作動油温が高油温
による3つの運転パターンの何れかのパターンに該当するときをいう。これらのパターンに該当するか否かの判断は、各種センサ等からの情報に基づいて行われる。
この比較例の場合は、ディザOFFにし、各油圧制御弁5,6,7に印加するソレノイド電流(PL,PRI,SEC)の電流波形を、PWM制御によるリップル電流波形としている。
比較例の実験結果によると、ドライブシャフトトルク(=ドラシャトルク)による油振ジャダーとして、領域Aにおいて、0.1G超えの油振LUジャダーが発生し、領域Bにおいて、0.06G前後の油振ジャダーが発生した。さらに、各油圧(PL圧,PRI圧,SEC圧)の油振として、領域Cにおいて、振幅P-Pで1.5MPa級の油振が発生し、特に、PL圧はさらに大きな油振が発生した。
この実施例1の場合は、ディザONにし、各油圧制御弁5,6,7に印加するソレノイド電流(PL,PRI,SEC)の電流波形を、PWM制御によるリップル電流波形にディザ電流を重畳したディザ作動波形としている。
実施例1の実験結果によると、ドライブシャフトトルク(=ドラシャトルク)による油振ジャダーとして、領域Dにおいて、油振LUジャダーや油振ジャダーが消えた。さらに、各油圧(PL圧,PRI圧,SEC圧)の油振として、領域Eにおいて、油振が消えた。
上記のように、ディザON中、ステップS12において、油温>閾値、かつ、バッテリ電源電圧<電圧閾値、かつ、ベース電流指令値>電流閾値であると判断された場合は、ステップS12からステップS13へと進む。そして、ステップS13では、セカンダリ圧Psecの積分FB制御における下げ側の積分操作量が停止される。以下、図13〜図17に基づいて、セカンダリ圧Psecの積分FB制御作用を説明する。
(a)低電圧のとき、ディザ指令の上側はデューティ比が100%を超える領域になる。
(b)高油温のとき、ソレノイドコイルの抵抗が大きくなるため、同じ電源電圧値だと上限の実電流値が小さくなる。
このため、ディザ実電流波形が、図15の矢印Jに示すライン以上となる上端側の実電流が出せず、その結果として、実電流中央値がベース電流指令値より下側にオフセットすることが判明した。
このため、図16の矢印Sに示す領域が、セカンダリ圧Psecの実油圧が、ベース油圧指令値に対して不足する領域になり、矢印Sに示す領域において、ベルトクランプ力が不足してベルト滑りを生じる可能性がある。
このため、図16の矢印Sに示すベルトクランプ力が不足する領域が解消され、ベルト滑りが発生するのが防止される。
実施例1では、ベルト式無段変速機CVTの制御装置において、CVTコントローラ8は、セカンダリプーリ2へのセカンダリ圧Psecの制御を、油圧偏差に積分ゲインを掛け合わせた積分操作量により補償する積分FB制御とする。そして、ソレノイド5a,6a,7aへ出力するベース電流指令値に対してディザ電流を付加するディザ作動の実行中、ディザ電流の実電流中央値がベース電流指令値より低いとき、積分FB制御での積分操作量の下げ側出力を停止する。
実施例1におけるベルト式無段変速機CVTの制御装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
制御装置は、プライマリプーリ1とセカンダリプーリ2へのプーリ油圧指令値に基づいて、油圧制御弁5,6,7のソレノイド5a,6a,7aへ出力するベース電流指令値を設定するコントローラ(CVTコントローラ8)を備える。
この無段変速機(ベルト式無段変速機CVT)の制御装置において、コントローラ(CVTコントローラ8)は、セカンダリプーリへのセカンダリ圧の制御を、油圧偏差に積分ゲインを掛け合わせた積分操作量により補償する積分FB制御とする。
ソレノイド5a,6a,7aへ出力するベース電流指令値に対してディザ電流を付加するディザ作動の実行中、ディザ電流の実電流中央値がベース電流指令値より低いとき、積分FB制御での積分操作量の下げ側出力を停止する(図2)。
このため、ディザ作動中であってディザ電流の実電流中央値がベース電流指令値より低いとき、油振を低減しつつ、アクセル踏み込み操作の介入によるベルト滑りを防止することができる。
このため、(1)の効果に加え、変速機作動油の油温が高いとき、セカンダリ圧Psecの積分FB制御における積分操作量の下げ側出力を停止することができる。
このため、(1)又は(2)の効果に加え、電源電圧(バッテリ電源電圧)が低いとき、セカンダリ圧Psecの積分FB制御における積分操作量の下げ側出力を停止することができる。
このため、(1)〜(3)の効果に加え、ベース電流指令値が高いとき、セカンダリ圧Psecの積分FB制御における積分操作量の下げ側出力を停止することができる。
このため、(1)〜(4)の効果に加え、ディザ作動時に各油圧制御弁5,6,7のソレノイド可動部において摺動抵抗が無くなって油圧系の応答性が上がり、油振を有効に抑えるディザ効果を得ることができる。
1 プライマリプーリ
2 セカンダリプーリ
3 ベルト
4 オイルポンプ
5 プレッシャレギュレータ弁(油圧制御弁)
5a ソレノイド
6 プライマリ圧変速弁(油圧制御弁)
6a ソレノイド
7 セカンダリ圧変速弁(油圧制御弁)
7a ソレノイド
8 CVTコントローラ(コントローラ)
Claims (5)
- ベルトが掛け渡されたプライマリプーリとセカンダリプーリへのプーリ油圧を制御する油圧制御弁と、
前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリへのプーリ油圧指令値に基づいて、前記油圧制御弁のソレノイドへ出力するベース電流指令値を設定するコントローラと、
を備える無段変速機の制御装置において、
前記コントローラは、前記セカンダリプーリへのセカンダリ圧の制御を、油圧偏差に積分ゲインを掛け合わせた積分操作量により補償する積分フィードバック制御とし、
前記ソレノイドへ出力するベース電流指令値に対してディザ電流を付加するディザ作動の実行中、前記ディザ電流の実電流中央値がベース電流指令値より低いとき、前記積分フィードバック制御での積分操作量の下げ側出力を停止する
ことを特徴とする無段変速機の制御装置。 - 請求項1に記載された無段変速機の制御装置において、
前記コントローラは、前記無段変速機の変速機作動油の油温が閾値より高いとき、前記ディザ電流の実電流中央値がベース電流指令値より低いときと判断する
ことを特徴とする無段変速機の制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載された無段変速機の制御装置において、
前記コントローラは、電源電圧が閾値より低いとき、前記ディザ電流の実電流中央値がベース電流指令値より低いときと判断する
ことを特徴とする無段変速機の制御装置。 - 請求項1から請求項3までの何れか一項に記載された無段変速機の制御装置において、
前記コントローラは、前記ベース電流指令値が閾値より高いとき、前記ディザ電流の実電流中央値がベース電流指令値より低いときと判断する
ことを特徴とする無段変速機の制御装置。 - 請求項1から請求項4までの何れか一項に記載された無段変速機の制御装置において、
前記コントローラは、前記油圧制御弁のソレノイドへのベース電流指令値を、パルス幅変調制御によるリップル電流波形とし、前記ディザ電流を、前記リップル電流よりも低周波数の矩形電流によるディザ電流波形とし、前記リップル電流波形に前記ディザ電流波形を重畳したディザ作動波形を、前記ディザ作動によりソレノイドへ印加する電流波形とする
ことを特徴とする無段変速機の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016117185A JP6585008B2 (ja) | 2016-06-13 | 2016-06-13 | 無段変速機の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016117185A JP6585008B2 (ja) | 2016-06-13 | 2016-06-13 | 無段変速機の制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2017223245A true JP2017223245A (ja) | 2017-12-21 |
JP6585008B2 JP6585008B2 (ja) | 2019-10-02 |
Family
ID=60687827
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016117185A Active JP6585008B2 (ja) | 2016-06-13 | 2016-06-13 | 無段変速機の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6585008B2 (ja) |
-
2016
- 2016-06-13 JP JP2016117185A patent/JP6585008B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6585008B2 (ja) | 2019-10-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4799129B2 (ja) | 自動車用無段変速機の制御装置 | |
KR101362103B1 (ko) | 무단 변속기의 제어 장치 | |
KR100568045B1 (ko) | V 벨트식 무단 변속기의 슬립 방지 장치 | |
KR20080052384A (ko) | 무단 변속기의 제어 장치 | |
EP2833027A1 (en) | Continuously variable transmission and hydraulic pressure control method therefor | |
KR102126191B1 (ko) | 무단 변속기의 제어 장치 | |
JP6628691B2 (ja) | 無段変速機の制御装置 | |
JP2006090403A (ja) | 無段変速機の変速制御装置 | |
JP6720421B2 (ja) | 無段変速機の制御装置および制御方法 | |
JP6585008B2 (ja) | 無段変速機の制御装置 | |
JP2017223244A (ja) | 無段変速機の制御装置 | |
JP7039129B2 (ja) | 無段変速機の制御装置 | |
EP3273105A1 (en) | Transmission control device and transmission control method | |
JP2005291395A (ja) | 車両用ベルト式無段変速機の油圧制御装置 | |
EP3176045B1 (en) | Control device and control method for vehicle | |
JP4293768B2 (ja) | 無段変速機の変速制御装置 | |
JP5783123B2 (ja) | 無段変速機の制御装置 | |
WO2020129511A1 (ja) | ベルト式無段変速機 | |
JP4699970B2 (ja) | ベルト式無段変速機のライン圧制御装置 | |
JP4660450B2 (ja) | ベルト式無段変速機のライン圧制御装置 | |
JP2015148312A (ja) | 無段変速機の制御装置 | |
JP2020026816A (ja) | 無段変速機及び無段変速機の制御方法 | |
JP2018071561A (ja) | 無段変速機の制御方法及び無段変速機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20181005 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20190903 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20190830 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20190904 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6585008 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |