JP2017223244A - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

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純 本杉
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大城 岩佐
山村 吉典
Yoshinori Yamamura
吉典 山村
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Abstract

【課題】油圧制御弁の耐久性を確保しつつ、運転者に違和感を与える油振ジャダーを防止すること。【解決手段】ベルト式無段変速機CVTは、ベルト3が掛け渡されたプライマリプーリ1とセカンダリプーリ2へのプーリ油圧を制御する油圧制御弁5,6,7を備える。プライマリプーリ1とセカンダリプーリ2へのプーリ油圧指令値に基づいて、油圧制御弁5,6,7のソレノイド5a,6a,7aへ出力するベース電流指令値を設定するCVTコントローラ8を備える。このベルト式無段変速機CVTの制御装置において、CVTコントローラ8は、プーリ油圧が脈動する油振を抑える所定の必要条件が成立する運転シーンと判定されたとき、ソレノイド5a,6a,7aへ出力するベース電流指令値に対してディザ電流を付加するディザ作動を実行する。【選択図】図3

Description

本発明は、ベルトが掛け渡されたプライマリプーリとセカンダリプーリへのプーリ油圧を制御する油圧制御弁を備える無段変速機の制御装置に関する。
従来、ベルト式無段変速機の制御装置として、油圧脈動の振幅と周期を検出し、周期中の最大振幅に基づいて油圧補正量を求め、この油圧補正量により目標供給油圧を増加するよう補正することが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−219947号公報
しかしながら、従来装置にあっては、油圧の低下によるベルトスリップは抑制できるものの、油振そのものを低減することができず、油振ジャダーの発生により運転者に違和感を与えてしまう場合がある、という問題があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、油圧制御弁の耐久性を確保しつつ、運転者に違和感を与える油振ジャダーを防止する無段変速機の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、ベルトが掛け渡されたプライマリプーリとセカンダリプーリへのプーリ油圧を制御する油圧制御弁と、油圧制御弁のソレノイドへ出力するベース電流指令値を設定するコントローラと、を備える。
この無段変速機の制御装置において、コントローラは、プーリ油圧が脈動する油振を抑える所定の必要条件が成立する運転シーンと判定されたとき、ソレノイドへ出力するベース電流指令値に対してディザ電流を付加するディザ作動を実行する。
この結果、ディザ作動範囲を所定の必要条件が成立する運転シーンに制限することで、油圧制御弁の耐久性を確保しつつ、ディザ作動により油圧系の応答性を上げることで、運転者に違和感を与える油振ジャダーを防止することができる。
実施例1の制御装置が適用されたベルト式無段変速機を示す全体システム図である。 実施例1のCVTコントローラ及び油圧制御弁に有する油振対策によるソレノイド電流制御系構成を示すブロック図である。 実施例1のCVTコントローラにて実行される油圧制御弁への油振対策によるソレノイド電流制御処理の流れを示すフローチャートである。 ソレノイド電流制御処理においてディザ用油振判定を示すブロック図である。 ソレノイド電流制御処理においてディザ用油振判定を示すタイミングチャートである。 ソレノイド電流制御処理において運転シーンによるディザ作動領域判定を示すブロック図である。 ソレノイド電流制御処理においてディザ作動でソレノイドへ印加する電流波形の一例を示す電流波形図である。 ソレノイド電流制御処理においてディザ振幅の調整が必要な領域を示すディザ振幅調整領域図である。 ソレノイド電流制御処理においてディザ振幅の調整マップを示すディザ振幅調整マップ図である。 ソレノイド電流制御処理においてセカンダリ圧積分FB制御での下げ側積分量を停止する領域を示す下げ側積分量停止領域図である。 油振が発生するシーン(低バッテリ電圧で高油温での低開度オートアップ)においてディザ作動させない比較例での実験結果を示すタイミングチャートである。 油振が発生するシーン(低バッテリ電圧で高油温での低開度オートアップ)においてディザ作動させた実施例1での実験結果を示すタイミングチャートである。
以下、本発明の無段変速機の制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
実施例1における無段変速機の制御装置は、変速機をベルト式無段変速機とするエンジン車やハイブリッド車等のエンジン搭載車に適用したものである。以下、実施例1のベルト式無段変速機の制御装置の構成を、「全体システム構成」、「油振対策によるソレノイド電流制御系構成」、「油振対策によるソレノイド電流制御処理構成」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施例1の制御装置が適用されたベルト式無段変速機を示す。以下、図1に基づき、ベルト式無段変速機CVTの全体システム構成を説明する。
ベルト式無段変速機CVTは、図1に示すように、プライマリプーリ1と、セカンダリプーリ2と、ベルト3と、を備えている。
前記プライマリプーリ1は、シーブ面11aを有する固定プーリ11と、シーブ面12aを有する駆動プーリ12と、の組み合わせにより構成され、図外の原動機(エンジンやモータ等)からの駆動トルクが入力される。前記駆動プーリ12には、固定プーリ11に対して駆動プーリ12を軸方向に油圧駆動するプライマリ圧室13が形成されている。
前記セカンダリプーリ2は、シーブ面21aを有する固定プーリ21と、シーブ面22aを有する駆動プーリ22と、の組み合わせにより構成され、終減速機等を介して駆動輪に駆動トルクを出力する。前記駆動プーリ22には、固定プーリ21に対して駆動プーリ22を軸方向に油圧駆動するセカンダリ圧室23が形成されている。
前記ベルト3は、プライマリプーリ1のシーブ面11a,12aとセカンダリプーリ2のシーブ面21a,22aに掛け渡され、シーブ面11a,12aの対向間隔とシーブ面21a,22aの対向間隔を変化させることで無段階に変速する。このベルト3は、例えば、円弧の面を持ったピン2本を背中合わせに重ね、多数のリンクで繋ぎ合わせた引っ張りによりトルクを伝達するチェーンベルトにより構成される。そして、ベルト3は、最ハイ変速比のとき、プライマリプーリ1に対する接触半径が最大半径で、セカンダリプーリ2に対する接触半径が最小半径となる。また、最ロー変速比のとき、図1に示すように、プライマリプーリ1に対する接触半径が最小半径で、セカンダリプーリ2に対する接触半径が最大半径となる。
ベルト式無段変速機CVTの油圧制御系としては、図1に示すように、オイルポンプ4と、プレッシャレギュレータ弁5(油圧制御弁)と、プライマリ圧変速弁6(油圧制御弁)と、セカンダリ圧変速弁7(油圧制御弁)と、を備えている。これらの弁(以下、「油圧制御弁5,6,7」という。)は、いずれもソレノイド5a,6a,7aへ印加されるソレノイド電流により可動するスプール等によるソレノイド可動部を有する。なお、油圧制御弁5,6,7は、指示電流が最小で出力される制御圧が最大になり、指示電流が最大で出力される制御圧が最小になる形態である。
前記プレッシャレギュレータ弁5は、オイルポンプ4からのポンプ吐出圧に基づき、変速圧として最も高い油圧であるライン圧PLを調圧する。
前記プライマリ圧変速弁6は、ライン圧PLを元圧とし、プライマリ圧室13へ導くプライマリ圧Ppriを調圧する。例えば、最ハイ変速比のとき、プライマリ圧Ppriは、ライン圧PLとされ、ロー変速比側へ移行するほど低圧の変速圧とされる。
前記セカンダリ圧変速弁7は、ライン圧PLを元圧とし、セカンダリ圧室23へ導くセカンダリ圧Psecを調圧する。例えば、最ロー変速比のとき、セカンダリ圧Psecは、ライン圧PLとされ、ハイ変速比側へ移行するほど低圧の変速圧とされる。
ベルト式無段変速機CVTの電子制御系としては、図1に示すように、ベルト式無段変速機CVTの変速比制御等を行うCVTコントローラ8(コントローラ)を備えている。CVTコントローラ8への入力センサとして、車速センサ81、アクセル開度センサ82、CVT入力回転数センサ83、CVT出力回転数センサ84、プライマリ圧センサ85、セカンダリ圧センサ86、油温センサ87、インヒビタースイッチ88等を備えている。さらに、CVTコントローラ8へは、他の車載コントローラ90からCAN通信線91を介して、エンジン回転数情報やバッテリ電源電圧情報等の制御に必要な情報がもたらされる。
前記CVTコントローラ8で実行される変速比制御は、センサ81,82により検出された車速VSPとアクセル開度APOにより特定される変速スケジュール上での運転点により目標プライマリ回転数を決め、目標プライマリ回転数を油圧指令値に変換する。そして、油圧指令値をPWM制御によるリップル電流によるベース電流指令値に変換し、PWM周波数同期型の2自由度制御(FF+PID)によってプライマリ圧Ppriとセカンダリ圧Psecを制御することで行われる。なお、「PWM制御」とは、所定の周波数によるパルス幅変調制御のこといい、「PWM」は「Pulse Width Modulation」の略である。「FF」はフィードフォワード制御のことであり、「PID」は比例(P)・積分(I)・微分(D)によるフィードバック制御(FB制御)のことである。
[油振対策によるソレノイド電流制御系構成]
図2は、実施例1のCVTコントローラ8及び油圧制御弁5,6,7に有する油振対策によるソレノイド電流制御系構成を示すブロック図である。以下、図2に基づいて、PWM周波数同期型の2自由度制御(FF+PID)にディザ(Dither)を加えた構成による油振対策によるソレノイド電流制御系構成を説明する。
前記CVTコントローラ8には、図2に示すように、油圧/電流変換部18と、電子キャリブ補正部28と、ソレノイド電流制御部38と、SOL駆動IC51,61,71と、IF/制御切替部48と、を備えている。なお、「制御周期」としては、ディザによるうねり現象防止のため、PWMの偶数分周でディザ周波数を設定できるようにPWM周波数同期の関数を設けている。
前記ソレノイド電流制御部38は、FF補償器38aと、ディザ指令部38bと、第1加算器38cと、位相合わせ部38dと、減算器38eと、PD補償部38fと、第2加算器38gと、電圧変動補正部38hと、第3加算器38iと、を有する。
FF補償器38aは、電流応答性を確保する。ディザ指令部38bは、動摩擦領域で使用することで、ソレノイド弁のメカニカルなヒステリシスを低減する。ディザ指令は、パラメータ(ベース電流指令値,電源電圧,ENG回転,PL圧指令値,油温)により振幅をスケジュールとして記憶している。第1加算器38cは、振幅指令値のみでディザ振幅を調整するディザ別体型としている。位相合わせ部38dは、プラントダイナミクスと、IC-マイコン間の通信ディレイと、電流平均処理分の位相合わせを行う。なお、位相合わせ部38dには、ゲインスケジュール(FF,位相合わせ,PD補償)を有する。PD補償部38fは、減算器38eからの電流偏差に対してPD補償をし、減衰特性を改善する。電圧変動補正部38hは、電源電圧変動時に指示電流を補正して外乱抑制性を確保する。
SOL駆動IC51,61,71は、PWM制御の指令値をソレノイド本体に送信する。ここで、SOL駆動IC51,61,71は、実電流を検出する電流検出回路51a,61a,71aとFB制御器(フィードバック制御器)51b,61b,71bを有する。
[油振対策によるソレノイド電流制御処理構成]
図3は、実施例1のCVTコントローラ8にて実行される油振対策によるソレノイド電流制御処理流れを示すフローチャートである。以下、油振対策によるソレノイド電流制御処理構成をあらわす図3の各ステップについて説明する。なお、この制御処理は、所定の制御周期(例えば、10msec)で繰り返し実行される。
ステップS1では、運転シーンを判別し、ステップS2へ進む。
ここで、「運転シーン」としては、ディザ作動させたいシーンを判別するため「運転シーン」と、ディザ作動させたくないシーンを判別するための「運転シーン」を含む。
ステップS2では、ステップS1での運転シーンの判別に続き、油振現象を判定し、ステップS3へ進む。
ここで、「油振現象の判定」は、プライマリ圧センサ85とセカンダリ圧センサ86からのセンサ信号に基づき、プライマリ圧Ppriとセカンダリ圧Psecの最大ピーク圧と最初ピーク圧の差圧PRIPRS_AMP,SECPRS_AMPを監視することで行う。
ステップS3では、ステップS2での油振現象の判定に続き、プライマリ圧Ppriとセカンダリ圧Psecの油振を検知し、かつ、ディザをONにしたい運転シーンであるか否かを判断する。YES(油振検知条件とディザ要求運転シーン条件が共に成立)の場合はステップS4へ進み、NO(油振検知条件とディザ要求運転シーン条件の少なくとも一方が不成立)の場合はステップS5へ進む。
ここで、「油振検知条件の成立」は、図4に示すように、プライマリ圧Ppriの差圧PRIPRS_AMP、又は、セカンダリ圧Psecの差圧SECPRS_AMPが、所定値以上である状態が所定時間継続することで、ディザ用油振判定フラグを立てる。つまり、図5のタイミングチャートに示すように、差圧PRIPRS_AMP又は差圧SECPRS_AMPがタイマ演算開始閾値以上の時刻t1になるとタイマ起動を開始する。そして、時刻t1からタイマ演算終了閾値に到達せずに所定の継続時間を経過する時刻t2になるとディザ用油振判定フラグが立てられる。そして、差圧PRIPRS_AMP又は差圧SECPRS_AMPがタイマ演算終了閾値以下の時刻t3になると、タイマをクリアする。さらに、油振判定クリア閾値以下の時刻t4になると、ディザ用油振判定フラグを降ろす。なお、差圧の各閾値の関係は、タイマ演算開始閾値>タイマ演算終了閾値>油振判定クリア閾値という関係にあり、判定タイミングが早くなるように閾値が設定されている。油振判定におけるタイマ演算開始閾値としては、例えば、0.5MPa程度に設定され、油振を判定する継続時間(t1〜t2)としては、例えば、0.6sec程度に設定される。
又、「ディザ要求運転シーン条件の成立」は、図6の“作動させたいシーン”に示すように、
・Dレンジ低開度オートアップ走行中
・Dレンジコースト走行中又はDレンジブレーキON中
・ドライバー操作による減速要求中(Lレンジ、Mレンジ、OD/OFF)
・停車中
による4つの運転パターンの何れかのパターンに該当するとき、ディザ要求運転シーン条件の成立と判断する。条件の成立は、各種センサ等からの情報に基づいて判断される。
ステップS4では、ステップS3での油振検知条件とディザ要求運転シーン条件が共に成立であるとの判断に続き、ディザをONにしてはいけない運転シーンであるか否かを判断する。YES(ディザONがNGの運転シーン)の場合はステップS5へ進み、NO(ディザONがOKの運転シーン)の場合はステップS6へ進む。
ここで、「ディザをONにしてはいけない運転シーン」とは、図6の“作動させたくないシーン”に示すように、
・無段変速機CVTのメカLow&メカHigh
・エンジン高回転数域
・バッテリ電圧が低電圧、かつ、変速機作動油温が高油温
による3つの運転パターンのうち、何れか一つのパターンに該当するとき、ディザをONにしてはいけない運転シーンと判断する。この判断も、各種センサ等からの情報に基づいて行われる。
ステップS5では、ステップS3での油振検知条件とディザ要求運転シーン条件の少なくとも一方が不成立であるとの判断、或いは、ステップS4でのディザONがNGの運転シーンであるとの判断に続き、ディザをOFFにし、エンドへ進む。
ここで、「ディザをOFFにする」とは、各油圧制御弁5,6,7のソレノイド5a,6a,7aに対して印加するベース電流指令値による電流波形を、図7の最上部に示すように、PWM制御によるリップル電流波形にすることをいう。
ステップS6では、ステップS4でのディザONがOKの運転シーンであるとの判断に続き、ディザをONにし、ステップS7へ進む。
ここで、「ディザをONにする」とは、各油圧制御弁5,6,7のソレノイド5a,6a,7aに対して印加するベース電流指令値による電流波形を、図7に示すように、PWM制御によるリップル電流波形に、ディザ電流波形を重畳することで形成されるディザ作動波形にすることをいう。
なお、「ディザ電流波形」とは、リップル電流(例えば、数百Hz)よりも低周波数(例えば、数十Hz)の矩形電流波形をいう。なお、ステップS4でディザONがOKの運転シーンであると判断されても、フェールフラグが立っている場合はディザをOFFにする。
ステップS7では、ステップS6でのディザONに続き、バッテリ電源電圧を読み込み、ステップS8へ進む。
ステップS8では、ステップS7でのバッテリ電源電圧の読み込みに続き、油圧指令値から算出されるベース電流指令値を決定し、ステップS9へ進む。
ステップS9では、ステップS8でのベース電流指令値の決定に続き、バッテリ電源電圧が電圧閾値batt_vol1(以下、電圧閾値V1という。)未満であり、かつ、ベース電流指令値が電流閾値i_base_cmd1(以下、電流閾値A9という。)を超えているか否かを判断する。YES(バッテリ電源電圧<電圧閾値、かつ、ベース電流指令値>電流閾値)の場合はステップS10へ進み、NO(バッテリ電源電圧≧電圧閾値、又は、ベース電流指令値≦電流閾値)の場合はエンドへ進む。
ここで、「電圧閾値」とは、バッテリ電源電圧が低電圧であることを判定する閾値であり、例えば、定格電圧が16Vであるとき、電圧閾値V1=10Vに設定される。「電流閾値」は、ベース電流指令値が高電流であることを判定する閾値であり、例えば、電流閾値A9=1000mAに設定される。
「バッテリ電源電圧<電圧閾値、かつ、ベース電流指令値>電流閾値」の領域とは、バッテリ電源電圧が電圧閾値V1未満で、かつ、ベース電流指令値が電流閾値A9を超える図8のハッチングにて示す領域をいう。なお、図8のハッチング領域以外の領域は、ディザ振幅として最大振幅(100%)を設定できる部分である。
ステップS10では、ステップS9でのバッテリ電源電圧<電圧閾値、かつ、ベース電流指令値>電流閾値であるとの判断に続き、ディザ振幅をマップにて調整し、ステップS11へ進む。
ここで、ディザ振幅の「マップ」とは、図9に示すように、ベース電流指令値と電源電圧の二次元座標において、電圧閾値V1と電流閾値A9を結ぶ線Lよりベース電流指令値が高く電源電圧が低い領域に、線Lから離れるほど振幅比率を99%〜95%へと低く設定したものをいう。なお、線Lよりベース電流指令値が低く電源電圧が高い領域は、振幅比率が100%とされ、初期ディザ振幅のままとされる。
ステップS11では、ステップS10でのディザ振幅のマップ調整に続き、変速機作動油のATF油温を油温センサ87により読み込み、ステップS12へ進む。
ステップS12では、ステップS11での油温読み込みに続き、油温が油温閾値を超え、かつ、バッテリ電源電圧が電圧閾値batt_vol2未満であり、かつ、ベース電流指令値が電流閾値i_base_cmd2を超えているか否かを判断する。YES(油温>油温閾値、かつ、バッテリ電源電圧<電圧閾値、かつ、ベース電流指令値>電流閾値)の場合はステップS13へ進み、NO(油温≦油温閾値、又は、バッテリ電源電圧≧電圧閾値、又は、ベース電流指令値≦電流閾値)の場合はエンドへ進む。
ここで、電圧閾値batt_vol2は、例えば、ステップS9での電圧閾値batt_vol1と同じ値に設定され、電流閾値i_base_cmd2は、ステップS9での電流閾値i_base_cmd1と同じ値に設定される。つまり、ベース電流指令値が電流閾値i_base_cmd2を超えている高電流領域内のとき、図10に示すように、バッテリ電源電圧が電圧閾値batt_vol2未満で、かつ、油温が油温閾値を超える領域であると、次の積分下げ側の停止制御を実行する。
ステップS13では、ステップS12での油温>油温閾値、かつ、バッテリ電源電圧<電圧閾値、かつ、ベース電流指令値>電流閾値であるとの判断に続き、セカンダリ圧Psecの積分FB制御の下げ側積分量を停止し、エンドへ進む。
ここで、セカンダリ圧Psecの積分FB制御の下げ側積分量を停止するとは、セカンダリ圧Psecの積分FB制御における積分操作量の下げ側出力を「0(ゼロ)」に規制することをいう。
次に、作用を説明する。
実施例1のベルト式無段変速機の制御装置における作用を、「油振対策によるソレノイド電流制御処理作用」、「油振対策によるソレノイド電流制御作用」、「油振対策によるソレノイド電流制御の特徴作用」に分けて説明する。
[油振対策によるソレノイド電流制御処理作用]
以下、図3のフローチャートに基づき、油振対策によるソレノイド電流制御処理作用を説明する。
プライマリ圧Ppri又はセカンダリ圧Psecの油振が検知されないときは、図3のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS5→エンドへと進む。そして、ステップS5では、ディザOFFにし、各油圧制御弁5,6,7のソレノイド5a,6a,7aに対して印加するベース電流指令値による電流波形が、PWM制御によるリップル電流波形にされる。
ディザをONにしたい運転シーンでないときは、図3のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS5→エンドへと進む。そして、ステップS5では、ディザOFFにし、各油圧制御弁5,6,7のソレノイド5a,6a,7aに対して印加するベース電流指令値による電流波形が、PWM制御によるリップル電流波形にされる。
プライマリ圧Ppri又はセカンダリ圧Psecの油振が検知され、かつ、ディザをONにしたい運転シーンであるが、ディザをONにしてはいけない運転シーンであるときは、図3のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS5→エンドへと進む。そして、ステップS5では、ディザOFFにし、各油圧制御弁5,6,7のソレノイド5a,6a,7aに対して印加するベース電流指令値による電流波形が、PWM制御によるリップル電流波形にされる。
一方、プライマリ圧Ppri又はセカンダリ圧Psecの油振が検知され、かつ、ディザをONにしたい運転シーンであり、かつ、ディザをONにしてもよい運転シーンであるときは、図3のフローチャートにおいて、ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS4→ステップS6へと進む。そして、ステップS6では、ディザをONにし、各油圧制御弁5,6,7のソレノイド5a,6a,7aに対して印加するベース電流指令値による電流波形が、PWM制御によるリップル電流波形に、ディザ電流波形を重畳することで形成されるディザ作動波形にされる。
そして、各油圧制御弁5,6,7のソレノイド5a,6a,7aに対して印加するベース電流指令値がディザ作動波形であるディザON中においては、ステップS6からステップS7→ステップS8→ステップS9へと進む。ステップS9において、バッテリ電源電圧≧電圧閾値、又は、ベース電流指令値≦電流閾値であると判断された場合は、ステップS9からエンドへ進む。一方、ステップS9において、バッテリ電源電圧<電圧閾値、かつ、ベース電流指令値>電流閾値であると判断された場合は、ステップS9からステップS10へ進む。ステップS10では、ディザ振幅がマップにより調整される。
ステップS10にてディザ振幅のマップ調整があると、ステップS10からステップS11→ステップS12へと進む。ステップS12において、油温≦油温閾値、又は、バッテリ電源電圧≧電圧閾値、又は、ベース電流指令値≦電流閾値と判断された場合は、ステップS12からエンドへ進む。ステップS12において、油温>油温閾値、かつ、バッテリ電源電圧<電圧閾値、かつ、ベース電流指令値>電流閾値と判断された場合は、ステップS12からステップS13→エンドへと進む。ステップS13では、セカンダリ圧Psecの積分FB制御の下げ側積分量が停止される。
[油振対策によるソレノイド電流制御作用]
上記のように、油振検知条件と、ディザ要求運転シーン条件と、ディザOK運転シーン条件とが共に成立する場合に限り、ディザをONにし、各油圧制御弁5,6,7のソレノイド5a,6a,7aに対してディザ作動波形を印加する油振対策が実行される。
即ち、油振検知条件が不成立であると、ディザ要求運転シーン条件とディザOK運転シーン条件が共に成立であっても、ディザOFFにされる。
ここで、「油振検知条件が不成立である」とは、プライマリ圧Ppriの差圧PRIPRS_AMP、及び、セカンダリ圧Psecの差圧SECPRS_AMPが、所定値未満であるとき、若しくは、差圧PRIPRS_AMP、又は、差圧SECPRS_AMPが、所定値以上であるが所定時間継続していないときをいう。
また、ディザ要求運転シーン条件が不成立であると、油振検知条件とディザOK運転シーン条件が共に成立であっても、ディザOFFにされる。
ここで、「ディザ要求運転シーン条件が不成立である」とは、
・Dレンジ低開度オートアップ走行中
・Dレンジコースト走行中又はDレンジブレーキON中
・ドライバー操作による減速要求中(Lレンジ、Mレンジ、OD/OFF)
・停車中
による4つの運転パターンの何れのパターンにも該当しないときをいう。これらのパターンに該当するか否かの判断は、各種センサ等からの情報に基づいて行われる。
さらに、ディザOK運転シーン条件が不成立であると、油振検知条件とディザ要求運転シーン条件が共に成立であっても、ディザOFFにされる。
ここで、「ディザOK運転シーン条件が不成立である」とは、
・無段変速機CVTのメカLow&メカHigh
・エンジン高回転数域
・バッテリ電圧が低電圧、かつ、変速機作動油温が高油温
による3つの運転パターンの何れかのパターンに該当するときをいう。これらのパターンに該当するか否かの判断は、各種センサ等からの情報に基づいて行われる。
加えて、油振検知条件、ディザ要求運転シーン条件、ディザOK運転シーン条件のうち、2つの条件が不成立、若しくは、3つの条件が不成立であると、1つの条件が不成立である場合と同様に、ディザOFFにされる。
次に、油振対策によるソレノイド電流制御による効果を確認するための実験結果について説明する。
図11は、油振が発生する低バッテリ電圧で高油温での低開度オートアップのシーンにおいてディザ作動させない比較例での実験結果を示すタイミングチャートである。
この比較例の場合は、ディザOFFにし、各油圧制御弁5,6,7に印加するソレノイド電流(PL,PRI,SEC)の電流波形を、PWM制御によるリップル電流波形としている。
比較例の実験結果によると、ドライブシャフトトルク(=ドラシャトルク)による油振ジャダーとして、領域Aにおいて、0.1G超えの油振LUジャダーが発生し、領域Bにおいて、0.06G前後の油振ジャダーが発生した。さらに、各油圧(PL圧,PRI圧,SEC圧)の油振として、領域Cにおいて、振幅P-Pで1.5MPa級の油振が発生し、特に、PL圧はさらに大きな油振が発生した。
図12は、油振が発生する低バッテリ電圧で高油温での低開度オートアップのシーンにおいてディザ作動させた実施例1での実験結果を示すタイミングチャートである。
この実施例1の場合は、ディザONにし、各油圧制御弁5,6,7に印加するソレノイド電流(PL,PRI,SEC)の電流波形を、PWM制御によるリップル電流波形にディザ電流を重畳したディザ作動波形としている。
実施例1の実験結果によると、ドライブシャフトトルク(=ドラシャトルク)による油振ジャダーとして、領域Dにおいて、油振LUジャダーや油振ジャダーが消えた。さらに、各油圧(PL圧,PRI圧,SEC圧)の油振として、領域Eにおいて、油振が消えた。
つまり、油振の原因は、ソレノイド応答不良による油圧制御弁の位相遅れFB調圧にある。これに対し、PWM制御によるリップル電流波形に低周波ディザを入れることで、各油圧制御弁5,6,7のソレノイド可動部を、静摩擦領域を超えて動摩擦領域で動かすことになる。この結果、各油圧制御弁5,6,7のソレノイド可動部において摺動抵抗が無くなり油圧系の応答性が上がるというディザ効果が実験によって確認された。
[油振対策によるソレノイド電流制御の特徴作用]
実施例1では、ベルト式無段変速機CVTの制御装置において、CVTコントローラ8は、プーリ油圧が脈動する油振を抑える所定の必要条件が成立する運転シーンであると判定されたとき、ソレノイド5a,6a,7aへ出力するベース電流指令値に対してディザ電流を付加するディザ作動を実行する。
例えば、ディザ作動範囲が広すぎると、ディザ作動時間が長くなって油圧制御弁の耐久性低下やディザ作動による副作用のリスクが増す。これに対し、ディザ作動範囲を必要条件が成立する運転シーンに制限することで、ディザ作動時間やディザ作動頻度が低減し、油圧制御弁5,6,7の耐久性が確保されるし、ディザ作動による副作用のリスクも低減される。そして、ディザ作動時は、油圧制御弁5,6,7のソレノイド5a,6a,7aへ出力するベース電流指令値に対してディザ電流を付加するディザ作動により、ソレノイド可動部において摺動抵抗が無くなり油圧系の応答性が上げられ、油振が抑制される。このため、運転者に違和感を与える油振ジャダーが防止される。この結果、油圧制御弁5,6,7の耐久性を確保しつつ、運転者に違和感を与える油振ジャダーが防止される。
実施例1では、CVTコントローラ8は、油振の発生を検知すると、所定の必要条件が成立する運転シーンと判定する。
即ち、油振の発生が検知されたときは、ディザ作動による油振抑制にとって必要最小限のディザ作動範囲である。従って、ディザ作動を油振の発生が検知された運転シーンに限定することで、油圧制御弁5,6,7の耐久性が向上すると共に、油振が発生していない運転シーンでのディザ作動による副作用のリスクが低減される。
実施例1では、CVTコントローラ8は、プライマリ圧Ppriとセカンダリ圧Psecのうち、少なくとも一方のプーリ圧の最大ピーク圧と最小ピーク圧との差圧が所定値以上である状態が所定時間継続すると、油振が発生したと検知する。
即ち、油振の発生を、プーリ圧の最大ピーク圧と最小ピーク圧との差圧が所定値以上である状態が所定時間継続することで判定することで、油振判定精度を高くすることができる。そして、差圧閾値や継続時間の設定により、油振判定タイミングを早期化することも可能である。従って、油振判定タイミングの設定自由度を持ちながら、油振判定精度が高く保持される。
実施例1では、CVTコントローラ8は、油振の発生が予測される運転シーンであると判断すると、所定の必要条件が成立する運転シーンと判定する。
即ち、油振の発生が予測される運転シーンであると判断されたときは、ディザ作動による油振抑制の要求が高いディザ作動範囲ということができる。そして、油振の発生が予測される運転シーンでディザ作動を実行することで、油振の発生が未然に抑えられる。従って、油振の発生を未然に抑えることで、運転者に違和感を与える油振ジャダーが確実に防止される。
実施例1では、CVTコントローラ8は、ディザ作動をさせたい複数の運転シーンを判別すると共に、ディザ作動をさせたくない複数の運転シーンを判別する。ディザ作動をさせたい複数の運転シーンのうち少なくとも一つのシーンであり、かつ、ディザ作動をさせたくない複数の運転シーンの何れでもないとき、油振の発生が予測される運転シーンであると判断する。
例えば、ディザ作動をさせたい複数の運転シーンのうち少なくとも一つのシーンであるときにディザ作動を実行すると、ディザ作動範囲が拡大してしまうおそれがある。これに対し、ディザ作動をさせたくない複数の運転シーンの何れでもないという制限条件を加えている。従って、ディザ作動をさせたい運転シーンに制限を加えることで、適正なディザ作動範囲にてディザ作動が確保される。
実施例1では、CVTコントローラ8は、油振の発生を検知し、かつ、油振の発生が予測される運転シーンであると判断すると、所定の必要条件が成立する運転シーンと判定する。
即ち、油振検知条件の成立をディザ作動範囲とすると、ソレノイド応答不良による油圧制御弁の位相遅れFB調圧以外の原因による油振発生時にディザ作動してしまう。一方、油振発生予測条件をディザ作動範囲とすると、油振の発生が無い時間帯のときにもディザ作動してしまう。さらに、油振の発生検知を、油振の発生が予測される運転シーンで行うことで、油振が発生したとの判定タイミングを早期化しても、油振の発生判定精度が確保される。従って、ディザ作動範囲を必要最小限の適切な範囲に限定することで、油圧制御弁5,6,7の耐久性向上が達成されると共に、油振が発生していない運転シーンでのディザ作動による副作用のリスクが回避される。
実施例1では、CVTコントローラ8は、油圧制御弁5,6,7のソレノイド5a,6a,7aへのベース電流指令値を、PWM制御によるリップル電流波形とする。ディザ電流を、リップル電流よりも低周波数の矩形電流によるディザ電流波形とする。そして、リップル電流波形にディザ電流波形を重畳したディザ作動波形を、ディザ作動によりソレノイド5a,6a,7aへ印加する電流波形とする。
即ち、ディザ作動でソレノイド5a,6a,7aへ印加する電流波形が、リップル電流波形にディザ電流波形を重畳したディザ作動波形とされる。このため、ディザ電流波形の重畳により、各油圧制御弁5,6,7のソレノイド可動部を、静摩擦領域を超えて動摩擦領域で動かす作用を示す。このため、ディザ作動時に各油圧制御弁5,6,7のソレノイド可動部において摺動抵抗が無くなって油圧系の応答性が上がり、油振を有効に抑えるディザ効果が得られる。
次に、効果を説明する。
実施例1におけるベルト式無段変速機CVTの制御装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
(1) 無段変速機(ベルト式無段変速機CVT)は、ベルト3が掛け渡されたプライマリプーリ1とセカンダリプーリ2へのプーリ油圧を制御する油圧制御弁5,6,7を備える。
制御装置は、プライマリプーリ1とセカンダリプーリ2へのプーリ油圧指令値に基づいて、油圧制御弁5,6,7のソレノイド5a,6a,7aへ出力するベース電流指令値を設定するコントローラ(CVTコントローラ8)を備える。
この無段変速機(ベルト式無段変速機CVT)の制御装置において、コントローラ(CVTコントローラ8)は、プーリ油圧が脈動する油振を抑える所定の必要条件が成立する運転シーンと判定されたとき、ソレノイド5a,6a,7aへ出力するベース電流指令値に対してディザ電流を付加するディザ作動を実行する(図3)。
このため、油圧制御弁5,6,7の耐久性を確保しつつ、運転者に違和感を与える油振ジャダーを防止することができる。
(2) コントローラ(CVTコントローラ8)は、油振の発生を検知すると、所定の必要条件が成立する運転シーンと判定する(図3)。
このため、(1)の効果に加え、油圧制御弁5,6,7の耐久性を向上させることができると共に、油振が発生していない運転シーンでのディザ作動による副作用のリスクを低減することができる。
(3) コントローラ(CVTコントローラ8)は、プライマリ圧Ppriとセカンダリ圧Psecのうち、少なくとも一方のプーリ圧の最大ピーク圧と最小ピーク圧との差圧が所定値以上である状態が所定時間継続すると、油振が発生したと検知する(図4,図5)。
このため、(2)の効果に加え、油振判定タイミングの設定自由度を持ちながら、高い油振判定精度を保持することができる。
(4) コントローラ(CVTコントローラ8)は、油振の発生が予測される運転シーンであると判断すると、所定の必要条件が成立する運転シーンと判定する(図3)。
このため、(1)の効果に加え、油振の発生を未然に抑えることで、運転者に違和感を与える油振ジャダーを確実に防止することができる。
(5) コントローラ(CVTコントローラ8)は、ディザ作動をさせたい複数の運転シーンを判別すると共に、ディザ作動をさせたくない複数の運転シーンを判別する。
ディザ作動をさせたい複数の運転シーンのうち少なくとも一つのシーンであり、かつ、ディザ作動をさせたくない複数の運転シーンの何れでもないとき、油振の発生が予測される運転シーンであると判断する(図6)。
このため、(4)の効果に加え、ディザ作動をさせたい運転シーンに対し制限を加えることで、適正なディザ作動範囲にてディザ作動を確保することができる。
(6) コントローラ(CVTコントローラ8)は、油振の発生を検知し、かつ、油振の発生が予測される運転シーンであると判断すると、所定の必要条件が成立する運転シーンと判定する(図3)。
このため、(1)の効果に加え、ディザ作動範囲を必要最小限の適切な範囲に限定することで、油圧制御弁5,6,7の耐久性向上を達成できると共に、油振が発生していない運転シーンでのディザ作動による副作用のリスクを回避することができる。
(7) コントローラ(CVTコントローラ8)は、油圧制御弁5,6,7のソレノイド5a,6a,7aへのベース電流指令値を、パルス幅変調制御(PWM制御)によるリップル電流波形とする。ディザ電流を、リップル電流よりも低周波数の矩形電流によるディザ電流波形とする。そして、リップル電流波形にディザ電流波形を重畳したディザ作動波形を、ディザ作動によりソレノイド5a,6a,7aへ印加する電流波形とする(図7)。
このため、(1)〜(6)の効果に加え、ディザ作動時に各油圧制御弁5,6,7のソレノイド可動部において摺動抵抗が無くなって油圧系の応答性が上がり、油振を有効に抑えるディザ効果を得ることができる。
以上、本発明の無段変速機の制御装置を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、油振の発生を検知し、かつ、油振の発生が予測される運転シーンであると判断すると、所定の必要条件が成立する運転シーンと判定し、ディザ作動を実行する例を示した。しかし、油振の発生を検知するだけで、所定の必要条件が成立する運転シーンと判定し、ディザ作動を実行する例としても良い。又、油振の発生が予測される運転シーンであると判断するだけで、所定の必要条件が成立する運転シーンと判定し、ディザ作動を実行する例としても良い。
実施例1では、ディザ作動をさせたい複数の運転シーンのうち少なくとも一つのシーンであり、かつ、ディザ作動をさせたくない複数の運転シーンの何れでもないとき、油振の発生が予測される運転シーンであると判断する例を示した。しかし、ディザ作動をさせたい複数の運転シーンのうち少なくとも一つのシーンであるとき、油振の発生が予測される運転シーンであると判断する例としても良い。
実施例1では、本発明の無段変速機の制御装置を、エンジン車やハイブリッド車等のエンジン搭載車に適用する例を示した。しかし、本発明の無段変速機の制御装置は、油圧制御による無段変速機を搭載する車両であれば、電気自動車や燃料電池車等に対しても適用することができる。
CVT ベルト式無段変速機
1 プライマリプーリ
2 セカンダリプーリ
3 ベルト
4 オイルポンプ
5 プレッシャレギュレータ弁(油圧制御弁)
5a ソレノイド
6 プライマリ圧変速弁(油圧制御弁)
6a ソレノイド
7 セカンダリ圧変速弁(油圧制御弁)
7a ソレノイド
8 CVTコントローラ(コントローラ)

Claims (7)

  1. ベルトが掛け渡されたプライマリプーリとセカンダリプーリへのプーリ油圧を制御する油圧制御弁と、
    前記プライマリプーリと前記セカンダリプーリへのプーリ油圧指令値に基づいて、前記油圧制御弁のソレノイドへ出力するベース電流指令値を設定するコントローラと、
    を備える無段変速機の制御装置において、
    前記コントローラは、前記プーリ油圧が脈動する油振を抑える所定の必要条件が成立する運転シーンと判定されたとき、前記ソレノイドへ出力するベース電流指令値に対してディザ電流を付加するディザ作動を実行する
    ことを特徴とする無段変速機の制御装置。
  2. 請求項1に記載された無段変速機の制御装置において、
    前記コントローラは、前記油振の発生を検知すると、前記所定の必要条件が成立する運転シーンと判定する
    ことを特徴とする無段変速機の制御装置。
  3. 請求項2に記載された無段変速機の制御装置において、
    前記コントローラは、プライマリ圧とセカンダリ圧のうち、少なくとも一方のプーリ圧の最大ピーク圧と最小ピーク圧との差圧が所定値以上である状態が所定時間継続すると、前記油振が発生したと検知する
    ことを特徴とする無段変速機の制御装置。
  4. 請求項1に記載された無段変速機の制御装置において、
    前記コントローラは、前記油振の発生が予測される運転シーンであると判断すると、前記所定の必要条件が成立する運転シーンと判定する
    ことを特徴とする無段変速機の制御装置。
  5. 請求項4に記載された無段変速機の制御装置において、
    前記コントローラは、前記ディザ作動をさせたい複数の運転シーンを判別すると共に、前記ディザ作動をさせたくない複数の運転シーンを判別し、
    前記ディザ作動をさせたい複数の運転シーンのうち少なくとも一つのシーンであり、かつ、前記ディザ作動をさせたくない複数の運転シーンの何れでもないとき、前記油振の発生が予測される運転シーンであると判断する
    ことを特徴とする無段変速機の制御装置。
  6. 請求項1に記載された無段変速機の制御装置において、
    前記コントローラは、前記油振の発生を検知し、かつ、前記油振の発生が予測される運転シーンであると判断すると、前記所定の必要条件が成立する運転シーンと判定する
    ことを特徴とする無段変速機の制御装置。
  7. 請求項1から請求項6までの何れか一項に記載された無段変速機の制御装置において、
    前記コントローラは、前記油圧制御弁のソレノイドへのベース電流指令値を、パルス幅変調制御によるリップル電流波形とし、前記ディザ電流を、前記リップル電流よりも低周波数の矩形電流によるディザ電流波形とし、前記リップル電流波形に前記ディザ電流波形を重畳したディザ作動波形を、前記ディザ作動によりソレノイドへ印加する電流波形とする
    ことを特徴とする無段変速機の制御装置。
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