JP2017223083A - 建物の断熱式構造体及びこれに使用する連結具 - Google Patents

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Abstract

【課題】発泡樹脂製の断熱パネルを残存型枠として使用したコンクリート構造体において、連結具(セパレータ)が外側に露出せず、しかも、断熱パネルの支持強度に優れた技術を提供する。
【解決手段】連結具12は、板状のジョイント部13と板状のストッパー14によって平面視H形に形成されている。前後のT型の部分が嵌合部15になっており、断熱パネル1には、嵌合部15が嵌まるT形のスリット16,17が形成されている。連結具12は板状であるため、断熱パネル1との接触面積が大きい。従って、コンクリート打設時の圧力に対する高い抵抗を発揮する。かつ、ジョイント部13の下面部に巣が発生することもない。嵌合部15は、上下の断熱パネル1のスリット16,17に跨がって嵌まるため、上下の断熱パネル1の位置決めも正確に行われる。
【選択図】図2

Description

本願発明は、住宅等の建物において、コンクリート層を表裏から断熱パネルで挟んで成る基礎や壁のような構造体、及び、これに使用する連結具に関するものである。更に述べると、木造住宅又はプレハブ住宅の縦基礎、地下室又は半地下室の壁、1階建てや2階建てのような低い高さの鉄筋コンクリート建物の壁などを対象にしている。
木造住宅やプレハブ式住宅では、コンクリート製の縦基礎を地面に施工してから、縦基礎の上に建物の上部分を構築している。縦基礎のような鉛直姿勢のコンクリート層の施工には型枠が不可欠であり、この型枠としては、一般に、合板製又は鋼板製のものが多用されており、内外の型枠を、セパレータで間隔を保持しつつ、パイプ材等で起立姿勢に保持し、内外の型枠で形成された空間に鉄筋や土台固定用アンカーボルトを配置し、次いでコンクリートを打設し、コンクリートが固まってから型枠を取り外している。
このように、一般的なコンクリート基礎工事では、型枠の組み立て作業と解体の作業とがセットになっているため、施工に多大の手間がかかるという問題があった。そこで、建物において断熱のために発泡樹脂製の断熱パネルが使用されている点に着目して、断熱パネルを残存型枠として利用することにより、施工の手間を大幅に省くことが提案されている。
断熱パネルを型枠に兼用するに際しても、並列配置された断熱パネルの対を所定間隔で起立姿勢に保持する連結具(セパレータ)が必要であり、この連結具に関して種々の提案が成されている。その例として特許文献1には、断熱パネルは上下に積み重ねられることが多く、上下の断熱パネルも前後方向(厚さ方向)にずれないように保持する必要がある点に着目して、対向した断熱パネルの連結(間隔の保持)と、上下に重ねた断熱パネルの連結とを行えるようにした連結具が開示されている。
すなわち、特許文献1の連結具は棒材から成るもので、断熱パネルの対向方向を前後方向とした状態で、コンクリート層を横切る前後長手部と、前後長手の両端に一体に設けた左右長手部と、左右長手部の左右両端に一体に設けた上下長手部を有する形態として、左右長手部を上下に重なった断熱パネルの重合部に配置して、上下長手部が下方の断熱パネルと上方の断熱パネルとに嵌合するように構成している。従って、特許文献1では、断熱パネルの上面と下面とには、連結具の上下長手部が嵌まる穴と、連結具の左右長手部が嵌まる溝とが形成されており、両者は連通している。
また、特許文献1の連結具は左右に隣り合った断熱パネルに跨がって配置できるようになっており、左右の上下長手部が左右に隣り合った断熱パネルに嵌まることにより、1つの連結具で左右の断熱パネルの連結も行っている。
特開平09−310493号公報
さて、発泡スチロールのような発泡樹脂製の断熱パネルを残存型枠に利用する場合、連結具に対して幾つかの要請が存在する。例えば、発泡樹脂は合板や鋼板に比べると強度が著しく劣るため、コンクリートの打設時の圧力で断熱パネルが破損しないように、連結具もその形状を工夫する必要がある。また、断熱パネルの外面にはモルタルを塗ることが多いので、連結具はモルタルの邪魔にならないように、連結具が外側に露出しないことが要請される。
そこで特許文献1を見ると、特許文献1の連結具は、断熱パネルの外側には露出しないため、モルタルの塗工の障害にはならないが、全体が丸棒材製であるため、断熱パネルとの接触面積は僅かでしかなく、このため、断熱パネルがコンクリート打設時の圧力に耐えきれずに破損してしまうことが懸念される。
本願発明はこのような現状を改善すべく成されたものであり、発泡樹脂製の断熱パネルを残存型枠(捨て型枠)として使用する断熱式基礎構造体に関し、強度に優れて作業も容易な技術を提供せんとするものである。
本願発明は、建物の断熱式構造体と、これに使用する連結具とを含んでいる。請求項1の発明は構造体に関するもので、構造体は、まず、「鉛直姿勢のコンクリート層を挟んで並列配置された発泡樹脂製断熱パネルの対と、水平方向に飛び飛びで配置された連結具の群と備えており、前記各連結具により、相対向した断熱パネルの連結が行われている」、
という基本構成になっている。
そして、上記基本構成の下、
「前記断熱パネルの対が対向している方向を前後方向とした状態で、前記連結具は、前記コンクリート層を横切って前後方向に長く延びる板状のジョイント部と、前記連結具の前後両端に一体に設けられた平面視左右横長の板状のストッパー部とを有していて、前部と後部とが、前記断熱パネルに嵌入する平面視T形の嵌合部になっている一方、
前記各断熱パネルには、前記連結具の嵌合部が上から嵌まる上向き開口の平面視T形の上部スリットと、前記連結具の嵌合部が下から嵌まる平面視T形で下向き開口の下部スリットとのうち、いずれか一方又は両方が、前記連結具に対応して左右方向に飛び飛びで複数形成されている」、
という特徴を有している。
なお、本願発明において、「連結具の嵌合部が上から嵌まる」や「連結具の嵌合部が下から嵌まる」とは、連結具を動かして断熱パネルのスリットに嵌め込む場合と、断熱パネルを動かしてそのスリットを連結具の嵌合部に嵌め込む場合との両方を含んでいる。
請求項2の発明は、請求項1において、
「前記断熱パネルの対は上下に重なった複数段を有しており、前記連結具の嵌合部が上下に重なった断熱パネルのスリットに跨がった状態で嵌合している」、
という構成になっている。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、
「前記連結具のジョイント部のうち前記コンクリート層に埋設される部分には、前記嵌合部よりも上下巾を小さくする切欠きが形成されている」、
という構成になっている。この請求項3の構成に代えて又は加えて、連結具のジョイント部にコンクリートが通過する穴を設けたり、横筋を保持する凹部を設けたりすることも可能である。
請求項4の発明は、連結具自体の発明である。すなわち、この発明は、
「鉛直姿勢のコンクリート層を挟んで相対向する姿勢に配置された断熱パネルの間隔を保持する連結具において、
前記断熱パネルの対の対向方向を前後方向とした状態で、前記コンクリート層を横切って前後方向に長く延びる板状のジョイント部と、前記連結具の前後両端に一体に設けられた平面視左右横長の板状のストッパー部とを有していて、前部と後部とが、前記断熱パネルに嵌入する平面視T形の嵌合部になっており、全体として平面視H形になっている」、
という構成になっている。
本願発明の連結具は、相対向した断熱パネルに嵌まる(係合する)平面視T型の嵌合部が一体に繋がって平面視H形の形態を成しているが、ジョイント部とストッパー部とはそれぞれ板状であるため、断熱パネルとの接触面積を大きく取ることができる。このため、コンクリート打設時に断熱パネルの狭い部位に外力が集中的に作用することを防止して、断熱パネルの破損を防止できる。
また、ジョイント部は、平面視では細い状態になっているため、コンクリートの打設時にジョイント部は生コンクリートの内部に完全に埋まった状態になり、ジョイント部の箇所に空洞が発生することはない。従って、施工後のコンクリート層に巣が発生することを防止して、高い施工品質を確保できる。
請求項2の構成を採用すると、1つの連結具の嵌合部が上下の断熱パネルに跨がって嵌合しているため、1つの(水平方向に並んだ一群の)連結具によって、上下に隣り合った断熱パネルの対の間隔の保持を行うことができる。このため、工事の作業能率を向上できる。
請求項3の構成を採用すると、ジョイント部の上下巾をできるだけ小さくできるため、コンクリート層の強度低下を防止できる。ジョイント部に透かし穴を空けておくと、更に有効である。また、コンクリート層には縦筋と横筋とからなる鉄筋が配置されているのが普通であるが、請求項3の構成を採用すると、横筋が嵌合部の高さに位置しても、切欠きにより、横筋がジョイント部に当たることを防止できる。このため、横筋の配置の自由性も向上できる。
実施形態を示す図で、(A)は施工後の概断面図、(B)は分離斜視図である。 施工途中の斜視図である。 施工手順を示す図である。 施工手順を示す図である。 施工手順を示す図である。 最上部の例を示す断面図である。 (A)〜(C)とも他の実施形態を示す図である。
(1).概要
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1,2に示すように、構造体は、相対向して配置された一対の断熱パネル1を有している。断熱パネル1の対の間には空間2が空いており、空間2にコンクリートを打設してコンクリート層3が形成され、これにより、コンクリート層3を断熱パネル1で表裏から挟んだ複層構造の構造体が形成されている。コンクリート層3の内部には、縦筋4の群と横筋5の群とが埋設されている。
断熱パネル1は、上下方向にも重なっている。従って、表裏の断熱層は、複数段の断熱パネル1で構成されている。なお、1枚の断熱パネル1の大きさは一定しておらず、用途によって異なっていることが多い。左右巾は2m又は1.8m程度が多いが、高さは250mm、300mm、500mm、600mm、1000mmなどと、まちまちである。現場に対応して寸法を設定する場合も多い。
本願発明では、方向を特定するため前後方向・左右方向の文言を使用するが、図1,2に明示するように、前後方向は断熱パネル1の対の対向方向として定義し、左右方向は、前後方向と直交した水平方向として定義している。
上記のとおり、本願発明では複数段の断熱パネル1が使用されているが、最上段のものを除いた断熱パネル1の上面には、図1,2に示すように、長手中心線の個所に位置したセンターリブ6と、これと交叉した多数の横リブ7とが形成されている。両リブ6,7の交叉部には上向きの突起を形成していることが多いが、図では省略している。
最下段の断熱パネルを除いた断熱パネル1の下面には、図2に部分的に示すように、センター溝8と多数の横溝9とが形成されており、上下に重なった断熱パネル1のリブ6,7と溝8,9とが嵌まり合って、上下の断熱パネル1は前後方向及び左右方向にずれ不能に位置決めされる。最上段の断熱パネル1の上面、及び、最下段の断熱パネル1の下面はフラットになっている。
各断熱パネル1の一側面には、その全高に亙って蟻溝10が形成されて、他方の側面には、その全高に亙って蟻ほぞ11が形成されている。このため、左右に隣り合った断熱パネル1は、蟻溝10と蟻ほぞ11とが嵌合することにより、同一面を成した状態で前後方向にずれないように位置決めされている。なお、各断熱パネル1の表裏両面には、セメントとの接合性を高めるために、浅い細巾の縦長スリットを左右に多数形成する場合もある。
(2).連結具
図1,2に明瞭に示すように、相対向した断熱パネル1は、左右方向に適宜間隔で配置した多数の連結具12によって前後間隔が一定保持されている。連結具12は樹脂製であり(金属板製でもよい)、コンクリート層3(或いは空間2)を横切って前後方向に長く延びる板状のジョイント部13と、ジョイント部13の前後両端に一体に設けた平面視左右横長で板状のストッパー14とにより、平面視H形になっている。そして、ジョイント部13の前後端部とストッパー14とで構成される平面視T形の部分が、断熱パネル1に嵌まる嵌合部15になっている。
他方、断熱パネル1には、連結具12の嵌合部15が下方から嵌まる下向き開口の下部スリット16と、嵌合部15が上方から嵌まる上向き開口の上部スリット17とが左右方向に飛び飛びで多数形成されている。当然ながら、上下のスリット16,17は、ジョイント部13の端部が嵌まる部分18とストッパー14が嵌まる部分19とを有して平面視(或いは底面視)でT形になっており、コンクリート層3(空間2)に向けても開口している。
ストッパー14は、断熱パネル1のうち、厚さの中間点を挟んでコンクリート層3(空間2)と反対の外側に寄って配置されている。このため、スリット16,17のうちストッパー14が嵌まる部分19も、断熱パネル1の外側に寄せて形成されている。これは、ストッパー14よりも内側の部分の厚さをできるだけ大きくして、コンクリート打設時の圧力に対する強度を高めるための措置である。
図1,2に示す連結具12は、上下に重なった断熱パネル1に跨がって嵌合するダブル連結タイプになっている。最上段の断熱パネル1の上端部の連結、及び、最下段の断熱パネル1の下端部の連結には、図1に一点鎖線で示すように、ダブル連結タイプのものを上下真半分に切断したシングル連結タイプが使用される。
更に、連結具12において、嵌合部15は全体が同じ高さになっているが、ジョイント部13のうちコンクリート層3に埋設される部分(空間2に露出する部分)は、台形状の切欠き20を形成することによって上下巾を小さくしている。ダブル連結タイプでは、切欠き20は上下対称に形成されて、シングル連結タイプでは、切欠き20は片側だけに形成されている。
切欠き20を長方形に形成して、ジョイント部13のうち露出部の全体を等しい上下巾に設定することも可能である。或いは、切欠き20は側面視で湾曲した形状に形成することも可能である。
シングル連結タイプの連結具12は、嵌合部15の上下高さがスリット16,17の深さとは同じになっているが、ダブル連結タイプの連結具12は、嵌合部15の高さがスリット16,17の深さの2倍の寸法になっている。このため、上下に隣り合った断熱パネル1の対が、1つの(或いは一列の)連結具12によって前後間隔が保持されている。
なお、ストッパー14の4つのコーナー部を面取り状にカットすると、嵌合部15とスリット16,17との嵌まり合いが容易になる。図示していないが、ジョイント部13及びストッパー14に、強度を損なわない範囲で透かし穴(逃がし穴)を設けることも可能である。更に、前後のストッパー14を左右複数枚のジョイント部13で連結することも可能であり、このような形態も請求項に記載した「平面視H形」に含まれる。なお、複数枚のジョイント部13を設ける場合は、隣り合ったジョイント部13の間隔は、生コンクリートが容易に流れ込む程度の寸法に設定しておく必要がある。
(3).施工手順
次に、図3〜6に基づいて、施工手順を説明する。まず、図3(A)に示すように、基準面Gに、最下段の断熱パネル1が嵌まる2列の地レール(下枠)21をピン等で固定する。基準面Gは、ベタ基礎の場合はコンクリート面であり、布基礎の場合は地面になる。地レール21は、上向きに開口したコ字形の長尺部材であり、樹脂製又は金属製である。
次いで、図3(B)に示すように、一方の地レール21に断熱パネル1を嵌め込んでから、縦筋4を立設していく。現場の状況によっては、先に縦筋4を配置して、それから一方の地レール21に断熱パネル1を嵌め込むことも可能である。最下段の断熱パネル1の対を下部においても連結したい場合は、一点鎖線に示すように、片方の断熱パネル1の下部に、シングルタイプの連結具12を嵌め込み装着しておく。
なお、最下段の断熱パネル1の下部は地レール21に嵌まっているのに対して、連結具12は地レール21の上に載るので、シングルタイプの連結具12を使用する場合は、最下段の断熱パネル1における下部のスリット16は、地レール21の高さ寸法分だけ深さを深くしておく必要がある。最下段の断熱パネル1の下部を連結しない場合は、最下段の断熱パネル1の下部に下スリット16を形成する必要はない。
片方の断熱パネル1を配置した後に(或いはその前に)、最下段の断熱パネル1の箇所に横筋5を配置して、これを線材等で縦筋4に固定する。次いで、図3(C)に示すように、他方の側の最下段の断熱パネル1を、他方の地レール21に嵌め込む。下部に連結具12を配置している場合は、他方の断熱パネル1は、連結具12に対しても嵌め込まれる。次いで、図3(D)に示すように、最下段の断熱パネル1の対に、ダブルタイプの連結具12の群を嵌め込んでいく。
この場合、連結具12のジョイント部13に切欠き20が形成されているため、横筋5を断熱パネル1の上部寄りに配置しても、ジョイント部13が横筋5に当たることを防止できる。従って、横筋5を、上下間隔がなるべく均一になるように配置しつつ、連結具12で断熱パネル1を連結できる。従って、横筋5の配置位置の選択の自由性を向上できる。
次いで、図4(A)に示すように、一方の側の2段目の断熱パネル1を連結具12に嵌め込みセットし、次いで、2段目の断熱パネル1の箇所の横筋5を縦筋4に固定し、それから、図4(B)に示すように、他方の側の2段目の断熱パネル1を連結具12に嵌め込みセットする。
このようにして、順次、断熱パネル1を積み上げていくが、空間2の高さ(深さ)が高くなり過ぎると、コンクリート打設時の圧力が過剰になって断熱パネル1が破断したり膨れ変形したりするので、構造体の高さがある程度以上に高い場合は、図5に矢印で示すように、何段階かに分けてコンクリートを打設する。
コンクリートの打設工程では、バイブレータを生コンクリート内に挿入して、コンクリートを空間の隅々まで行き亘らせるが、バイブレータが連結具12のジョイント部13に当たることがあっても、連結具12は断熱パネル1にしっかりと係合しているので、連結具12がずれ動くことはなくて、前後の断熱パネル1の間隔をしっかりと保持できる。
また、ジョイント部13は、その広幅面を鉛直姿勢にした板状であるため、コンクリートにまんべんなく包み込まれる。従って、ジョイント部13の下面箇所に巣が発生することは皆無であり、コンクリート層3を高い強度に施工できる。更に、ジョイント部13に切欠き20を形成しているため、コンクリート層3の分断量をできるだけ少なくして、コンクリート層3を高い強度に維持できる。また、連結具12に使用する材料を抑制してコスト低減にも貢献する。
図6に示すように、最上段の断熱パネル1の上端部は、シングルタイプの連結具12で連結される。最上段の断熱パネル1の対をシングルタイプの連結具12によって連結してから、最後のコンクリートの打設を行い、これにより、構造体の施工が終了する。最上段に配置されたシングルタイプの連結具12は、(A)に示すように切欠き20を下に位置させてもよいし、(B)に示すように、切欠き20を上にしてもよい。コンクリート層3の強度の点からは、(B)のように、切欠き20を上向きにして配置するのが好ましいとは云える。
構造体が木造建物の縦基礎である場合は、構造体の上面にはスペーサを介して土台(角材)が載置されるが、この場合は、土台を固定するためのアンカーボルトがコンクリート層3に埋設されている。従って、施工の工程中に、アンカーボルトの配置工程が追加される。連結具12を使用してアンカーボルトを起立姿勢に保持することも可能である。
(4).他の実施形態
図7では、連結具12の実施形態を横筋5の位置決めに使用した例を提示している。このうち(A)に示すのは、既に述べた第1実施形態の連結具12を基本として、ジョイント部13に横筋5が嵌まる凹溝22を上下対称に形成している。横筋5は連結具12によって姿勢が保持されているため、縦筋4への連結に際して一々横筋を手で持って高さを保持しておく必要はない。このため、横筋5の連結作業の手間を軽減できる。また、連結具12は断熱パネル1によって位置と姿勢がしっかりと保持されているため、縦筋4の位置と姿勢も安定性に優れており、結果として、縦筋4の姿勢安定性にも優れている。
(B)に示す例では、一対の断熱パネル1の間に2列の縦筋4が配置されている。そこで、連結具12のジョイント部13には、2列の横筋5を保持するための2箇所の凹溝22が上下対称に形成されている。
図7(C)に示す例では、ジョイント部13には、切欠きに代えて、角形の大きな透かし穴23を形成している(なお、透かし穴23は、切欠きの一態様と見ることも可能である。)。そして、ジョイント部13の上部と下部とに、横筋5を安定的に指示する凹溝22を形成している。下部の凹溝22は、下向きにフック部24を形成している。従前の例の連結具12は上下対称形状であるため上下・前後の方向性は無かったが、(C)の例では上下と前後の方向性がある。
以上、本願発明の例を図示して説明したが、本願発明は、図示したもの以外にも様々に具体化できる。
本願発明は、壁や基礎等のコンクリート製構造体に具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 断熱パネル
2 コンクリート打設用の空間
3 コンクリート層
4 縦筋
5 横筋
12 連結具
13 ジョイント部
14 ストッパー
15 嵌合部
16,17 スリット
20 切欠き
21 地レール
23 透かし穴(逃がし穴)

Claims (4)

  1. 鉛直姿勢のコンクリート層を挟んで並列配置された発泡樹脂製断熱パネルの対と、水平方向に飛び飛びで配置された連結具の群と備えており、前記各連結具により、相対向した断熱パネルの連結が行われている構成であって、
    前記断熱パネルの対が対向している方向を前後方向とした状態で、前記連結具は、前記コンクリート層を横切って前後方向に長く延びる板状のジョイント部と、前記連結具の前後両端に一体に設けられた平面視左右横長の板状のストッパー部とを有していて、前部と後部とが、前記断熱パネルに嵌入する平面視T形の嵌合部になっている一方、
    前記各断熱パネルには、前記連結具の嵌合部が上から嵌まる上向き開口の平面視T形の上部スリットと、前記連結具の嵌合部が下から嵌まる平面視T形で下向き開口の下部スリットとのうち、いずれか一方又は両方が、前記連結具に対応して左右方向に飛び飛びで複数形成されている、
    建物の断熱式構造体。
  2. 前記断熱パネルの対は上下に重なった複数段を有しており、前記連結具の嵌合部が上下に重なった断熱パネルのスリットに跨がった状態で嵌合している、
    請求項1に記載した建物の断熱式構造体。
  3. 前記連結具のジョイント部のうち前記コンクリート層に埋設される部分には、前記嵌合部よりも上下巾を小さくする切欠きが形成されている、
    請求項1又は2に記載した建物の断熱式構造体。
  4. 鉛直姿勢のコンクリート層を挟んで相対向する姿勢に配置された断熱パネルの間隔を保持する連結具であって、
    前記断熱パネルの対の対向方向を前後方向とした状態で、前記コンクリート層を横切って前後方向に長く延びる板状のジョイント部と、前記連結具の前後両端に一体に設けられた平面視左右横長の板状のストッパー部とを有していて、前部と後部とが、前記断熱パネルに嵌入する平面視T形の嵌合部になっており、全体として平面視H形になっている、
    建物の断熱式構造体に使用する連結具。
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