JP6573490B2 - 建物 - Google Patents

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Description

本発明の一側面は、建物に関する。
従来、低層の補強コンクリートブロック造、型枠コンクリートブロック等の組積造の建物がある。このような建物は、例えば非特許文献1に記載されているように、予め定められた材料を使用し、予め定められた構法によって構築されている。
「各種メーソンリー構造設計ノート 2009」(日本建築学会 構造委員会 壁式構造運営委員会)
上述した建物は、予め定められた材料を使用して予め定められた構法によって構築する必要があるため、組積体(壁体)を構成するブロックの素材や納まり等を新規なものとする場合には、予め定められた構法に当てはめることができず、汎用性が低い。
そこで、本発明の一側面は、使用する材料や構法に限定されること無く、簡易且つ精度の高い構造計算を行うことが可能な建物を提供することを目的とする。
本発明の一側面に係る建物は、少なくとも2以上の階層を有する建物であって、基礎と、基礎から立ち上がると共に平面視で室内空間を囲む壁体と、壁体の室内側の面に設けられ、最下階よりも上側に位置する上階の床の鉛直荷重を支持する支持部材と、を備え、壁体は、基礎側を固定端とし、上端側を自由端とする片持ち状の構造体であり、組積されたブロックと、ブロックに形成された縦孔に通された縦筋と、によって構成され、支持部材は、ブロック間の水平目地部に挿し込まれた板状の水平片から室内側に向かって延出しており、水平片は、縦筋に締結されている。
この建物では、壁体の基礎側を固定端とし、壁体の上端側を自由端とする片持ち状の構造体として構造安全性の確認(構造計算)を行うことができる。このようにして構造安全性の確認を行うことができるので、この建物は、使用する材料や構法に限定されること無く、簡易且つ精度の高い(安全性の度合いが明確な)構造計算を行うことができる。壁体は、共通な納まりで高さ(ブロックの段数)のみが異なる構成とすることができる。従って、高さのみが異なる壁体の構造計算を簡易に行うことができる。例えば、ブロックの高さ(段数)を変数とした構造計算用の式を予め作成しておくことにより、作成した式に高さ(段数)を当てはめるだけで容易に構造計算を行うことができる。支持部材を設ける高さ位置を変えるだけで、上階の床の高さ位置を容易に変更することができる。水平片をブロック間の水平目地部に挿し込む高さ位置を変えるだけで、上階の床の高さ位置を容易に変更することができる。また、水平片が縦筋に締結されているので、上階の床を壁体に強固に固定することができる。
壁体は、平面視で仮想的に複数に分割された分割領域ごとに、分割領域に作用する荷重に対抗可能な強度が確保されていてもよい。この場合、建物は、分割領域ごとに必要な強度を確保することができる。また、分割領域ごとに必要な強度を計算することができ、より精度の高い構造計算を行うことができる。
壁体には、横方向において隣り合うブロック同士を離隔させることによって形成された矩形状の壁開口部が設けられており、壁開口部の上部には、ブロックと同じ形状且つブロックよりも曲げ強度が大きなマグサ用ブロックからなるマグサが架け渡されていてもよい。この場合には、マグサ部分についても他の壁部と同様の仕上がりとすることができ、素材感を生かした建物とすることができる。
壁体の上端を含む面には天井面開口部が設けられ、記天井面開口部は、壁体の上端によって支持された屋根によって覆われており、壁体の上端面には、壁体の上端面の延在方向に沿って延びる溝が設けられ、溝には、屋根を支持する臥梁が配置され、臥梁は、溝の内部に設けられたレベル調整片によって水平に保たれた状態で溝内に充填されたグラウトによって壁体に固定されていてもよい。このように、壁体は片持ち状の構造体であるため、壁体の上端を含む面に天井面開口部を有していても、構造的安全性を保つことができる。また、高さが不揃いとなり易い壁体の上端面に臥梁を設けることで、屋根を精度良く構築することができる。また、臥梁は、同一面内の壁体の一体性を保つ機能も有する。
壁体の内部には、縦方向に連通する電気配線用の配線孔が設けられており、1階床の下端位置は、壁体の下端位置よりも高く、配線孔は、1階床の下端位置よりも下方の位置まで延びていてもよい。この場合、壁体の所望の高さ位置において配線孔に連通する横孔を設けることにより、配線孔内のケーブルを横孔から引き出すことができる。例えば、スイッチやコンセント用のケーブルの配線工事の際には、ケーブルを配線孔に挿入して下方にケーブルを送り、配線孔を通るケーブルを横孔から抜き出すことで配線が完了する。このように、配線孔の内周面がケーブルを送る際のガイドとなるので、配線工事を簡便且つ正確に行うことができる。また、所望の高さ位置に横孔を設けることができるので、スイッチやコンセントの高さを自由に設定できる。また、壁体の下端位置近傍に横孔を設けることで、1階の床下空間と配線孔とを連通させることができ、1階の床下空間をケーブルを横引きするための空間として利用できる。
本発明の一側面によれば、使用する材料や構法に限定されること無く、簡易且つ精度の高い構造計算を行うことができる。
実施形態に係る組積造建物の縦断面図である。 組積造建物の上面図である。 組積造建物の分解斜視図である。 図4(a)〜(c)は、組積ユニットのバリエーションを示す図である。 組積造建物の1階部分の壁体を示す図である。 図6(a)は組積ユニットの上面図である。図6(b)は組積ユニットの厚さ方向の側面図である。 図6(a)におけるVII−VII線に沿った断面図である。 組積ユニットの拡大斜視図である。 組積ユニットを組積する様子を示す図である。 組積ユニットの組積方法の流れを示すフローチャートである。 壁体の出隅部周りを示す斜視図である。 2階床梁を支持する支持部材周りの構成を示す分解斜視図である。 臥梁周りの構成を示す断面図である。 ケーブルを配線する構成を示す断面図である。 2階床梁を支持する他の構成を示す断面図である。 2階床梁を支持する更に他の構成を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1から図3に示すように、本実施形態に係る組積造建物1は、例えば二階建ての組積造の住宅である。組積造建物1は、鉄筋コンクリート造の基礎2の縁部に形成された立ち上がり部2a上に、壁体3が形成されている。組積造建物1は、使用される部材の多くが規格化、工業化された工業化住宅である。組積造建物1は平面モジュール(所定のモジュール)Mを有している。平面モジュールMは、例えば250mmに設定できる。組積造建物1の通り芯は、直交する二方向について平面モジュールMの整数倍の間隔で複数設定されており、壁体3の厚さ方向(室内から室外へ向かう方向)における中心線は、当該通り芯に一致している。
壁体3は、基礎2の立ち上がり部2aから立ち上がると共に、平面視で室内空間Sを囲んでいる。すなわち、壁体3によって組積造建物1の外部空間と内部空間とが区画されて、室内空間Sが形成されている。壁体3は、基礎2側を固定端とし、上端側を自由端とする片持ち状の構造体である。本実施形態では、図2に示すように、第一壁体3a、第二壁体3b、第三壁体3c、及び第四壁体3dによって壁体3が構成されている。壁体3は、本実施形態においては平面視で矩形の枠形状となっている。なお、壁体3を構成する壁体の数は、第一壁体3aから第四壁体3dのように4つに限定されず、室内空間Sを囲む形状であれば4つ以上の壁体によって構成されていてもよい。
壁体3は、平面視で仮想的に複数に分割された分割領域ごとに、分割領域に作用する荷重に対抗可能な強度が確保されている。分割領域とは、例えば、第一壁体3a、第二壁体3b、第三壁体3c、及び第四壁体3dであってもよく、これらの第一壁体3a等よりも更に小さく分割された領域であってもよい。組積造建物1は、これらの分割領域ごとに構造計算が行われている。
壁体3は、複数且つ複数種類の組積ユニット30を組積することによって形成されている。ここで、組積ユニット30の詳細について説明する。図4(a)に示すように組積ユニット30は、高さと厚さが共通で長さの異なる複数のブロック31を予め組み合わせることによって略矩形板状(略直方体形状)に形成されている。ブロック31は、略直方体形状を有している。ブロック31として、高さ及び厚さが共通で、長さの異なる複数のブロックが用いられている。ブロック31の材料は、例えば、ALC(軽量気泡コンクリート)、又は軽量コンクリートである。
組積ユニット30を構成するブロック31は、ブロック31の高さ方向、及びブロック31の長さ方向に複数組み合わされている。すなわち、ブロック31は、ブロック31の厚さ方向においては、組み合わされていない。
なお、ブロック31の厚さ方向とは、ブロック31によって組積ユニット30が形成されたときの組積ユニット30の厚さ方向である。すなわち、ブロック31の厚さ方向とは、組積ユニット30によって壁体3が形成されたときに、室内側から室外側へ向かう方向(図1における左右方向)である。また、ブロック31の長さ方向とは、ブロック31の高さ方向、及びブロック31の厚さ方向に直交する方向(図4(a)における左右方向)である。
また、組積ユニット30を構成するブロック31それぞれの厚さは、平面モジュールMに等しい。ブロック31それぞれの長さ方向の寸法は、平面モジュールMの整数倍に設定されている。組積ユニット30を構成するブロック31は、ブロック31の長さ方向に隣接するブロック間の縦目地が平面モジュールMの整数倍のズレとなるように千鳥状に配置されている。すなわち、ブロック31間の縦目地が上下方向において連続せず、ブロック31間の縦目地が横方向に平面モジュールMの整数倍ズレている。なお、横方向とは、水平方向である。
また、図4(a)から図4(c)に示すように、組積ユニット30は、ブロック31の長さ方向(図4(a)から図4(c)における左右方向)において長さの異なる複数のバリエーション(組積ユニット30Aから30C)を有している。図4(b)に示す組積ユニット30Bは、図4(a)に示す組積ユニット30Aよりも長さが長い。図4(c)に示す組積ユニット30Cは、図4(b)に示す組積ユニット30Bよりも長さが長い。なお、ブロック31を組み合わせる際に用いるブロック31の長さを異ならせたり、ブロック31の長さ方向に組み合わせるブロック31の数を変えたりすることによって、長さの異なる複数種類の組積ユニット30A,30B及び30Cを形成することができる。
ブロック31の長さが平面モジュールMの整数倍に設定されているため、ブロック31を組み合わせて形成される組積ユニット30A,30B及び30Cの長さも、平面モジュールMの整数倍となる。図4(a)から図4(c)では、長さの異なる組積ユニット30のバリエーションとして3種類を示したが、組積ユニット30のバリエーションの数は3種類に限定されない。また、組積ユニット30として、高さの異なる複数のバリエーションを有していてもよい。この場合、ブロック31を組み合わせる際に、高さ方向(縦方向)において組積されるブロック31の数を変えることによって、高さの異なる複数のバリエーションの組積ユニット30を得ることができる。
図5に示すように、壁体3は、上述した組積ユニット30A,30B及び30C等、長さの異なる複数種類の組積ユニット30を縦方向及び横方向に複数組積されて形成されている。また、横方向において隣接する組積ユニット30は、互いに高さを同じとする。なお図5は、組積造建物1の1階部分の壁体3のみを示している。壁体3を構成する組積ユニット30は、横方向に隣接する組積ユニット30間の縦目地が、平面モジュールMの整数倍のズレとなるように千鳥状に配置されている。すなわち、組積ユニット30間の縦目地が上下方向において連続せず、組積ユニット30間の縦目地が横方向に平面モジュールMの整数倍ズレている。
なお、組積ユニット30間の縦目地が、平面モジュールMの整数倍のズレとなるように千鳥状に配置されていることに限定されず、図5及び図11に示す組積ユニット30間の縦目地Bに示すように、縦目地が上下方向において連続していてもよい。
組積ユニット30の構造の詳細について、図6(a)、図6(b)、図7、図8を用いて説明する。以下では、ブロック31を高さ方向に3段積み重ねて形成された組積ユニット30を例に説明する。組積ユニット30は、ブロック31に加えて、縦筋32、高ナット33、座金34を有している。
組積ユニット30を構成するブロック31のそれぞれにおいて、ブロック31の下面には下方凹部31bが設けられている。下方凹部31bは、ブロック31の長さ方向に延在している。また、組積ユニット30を構成するブロック31のそれぞれにおいて、ブロック31の長さ方向の端面には側方凹部31cが形成されている。側方凹部31cは、ブロック31の高さ方向に沿って延在している。ブロック31をブロック31の長さ方向に並べたときに、隣り合うブロック31同士の側方凹部31cが対向する。対向する側方凹部31cによって、上下方向に連通する孔が形成される。
ブロック31には、縦方向に貫通する複数の縦孔31aが設けられている。ブロック31が縦方向及び横方向に複数組み合わされたときに、各ブロック31に設けられた縦孔31aは縦方向において連通する。縦方向に連通する複数の縦孔31aのうち、所定の縦孔31aには縦筋32が通されている。縦筋32の上端には雄ネジ32aが設けられている。縦筋32の下端には雄ネジ32bが設けられている。
上下方向において互いに隣接するブロック31間において、縦筋32が通される縦孔31aの位置には座金34が配置されている。本実施形態では、上から2段目のブロック31と上から3段目のブロック31との間に座金34が配置されている。また、座金34は、上から2段目の下方凹部31b内に配置されている。座金34には、縦筋32が通される縦筋挿通用孔34aが設けられている。また、座金34には、詳しくは後述するが、グラウトを通過させるための複数のグラウト孔34bが設けられている。なお、座金34の外径は、縦筋32が通される縦孔31aの径よりも大きい。
縦筋32の下端の雄ネジ32bには、高ナット33が螺合している。高ナット33の雌ネジ33aは、下方を向いている。高ナット33の外径は、座金34の縦筋挿通用孔34aの径よりも大きく、縦筋32が通される縦孔31aの径よりも小さい。
縦方向及び横方向において隣接するブロック31同士は、互いにグラウトG1によって固着されている。具体的には、ブロック31が縦方向及び横方向に複数組み合わされた状態で、最上段のブロック31の側方凹部31cによって形成される孔部分にグラウトG1を流し込むことによって、ブロック31同士が固着される。最上段のブロック31の側方凹部31cによって形成される孔部分に流し込まれたグラウトG1は、側方凹部31cによって形成される孔部分を通って下方に流れると共に、ブロック31の下方凹部31bを通って横方向に広がる。これにより、組積ユニット30を構成する全てのブロック31が互いに固着される。
縦孔31a内にはグラウトG1が充填されておらず、縦筋32は縦孔31a内で上下移動及び回転が可能である。また、縦筋32が設けられていない縦孔31aは、例えば、後述する電気配線用の配線孔3f等として利用することができる。
なお、縦孔31a内にグラウトG1が流れ込まないように、上下方向に隣接するブロック31間において縦孔31aが設けられた位置にはパッキン35が配置されている。パッキン35は、縦孔31a内にグラウトG1が流れ込むことを防止できる構成であれば、種々の形状を採用できる。また、座金34が設けられた部位にはストッパ36が設けられている。ストッパ36は、パッキン35と同様に、座金34が配置された縦孔31a内にグラウトG1が流れ込むことを防止している。ストッパ36は、座金34が配置された縦孔31a内にグラウトG1が流れ込むことを防止できる構成であれば、種々の形状を採用できる。
最下段のブロック31の上面には、最下段のブロック31の側方凹部31cによって形成される孔部分を覆うようにテープ37が貼り付けられている。これにより、グラウトG1を流し込んだときに最下段のブロック31同士の隙間を介して組積ユニット30の下端からグラウトG1が漏れ出ることが防止される。なお、図6(a)及び図6(b)では、設置位置を強調して示すためにパッキン35、ストッパ36及びテープ37を黒塗りで表しているが、実際には組積ユニット30の内部に配置されている。
組積ユニット30は、予め工場において形成することができる。また、予め複数種類のバリエーションの組積ユニット30が形成されている。
組積ユニット30を形成する方法について説明する。まず、座金34よりも下の段のブロック31を組積する。このとき、最下段のブロック31の側方凹部31cによって形成される孔部分を覆うようにテープ37を貼り付ける。また、座金34を設ける位置に、ストッパ36を設置すると共に、縦筋32を挿入しない縦孔31aの位置にパッキン35を設置する。次に、高ナット33が取り付けられた縦筋32を、所定の縦孔31aに挿入する。その後、座金34を縦筋32に通すと共に、組積されたブロック31の上面に座金34を載置する。座金34を載置した後、座金34よりも上のブロック31を組積する。このとき、縦孔31aの位置にパッキン35を設置する。ブロック31を最上段まで組積した後、最上段のブロック31の側方凹部31cによって形成される孔部分にグラウトG1を流し込み、ブロック31同士を固着させる。以上の工程によって、組積ユニット30を形成することができる。
図8及び図9に示すように、縦筋32の上端の雄ネジ32aには、アイナット(吊り上げ補助治具)38が螺合させてもよい。アイナット38は、組積ユニット30を吊り上げる際の治具として用いることができる。例えば、図9に示すように、アイナット38にワイヤを取り付け、ワイヤにクレーン5のフックを引っ掛けて組積ユニット30を吊り上げてもよい。縦筋32に取り付けられる吊り上げ補助治具は、アイナット38に限定されることなく、フック状など他の形状の治具であってもよい。
ここで、縦筋32によって組積ユニット30を吊り上げる構成について図7及び図8を用いて説明する。なお、図8において、左側の縦筋32は引き上げられる前の状態を示し、右側の縦筋32は引き上げられた後の状態を示している。上述したように、組積ユニット30が組積される前の段階において、縦筋32が通された縦孔31a内にはグラウトG1が充填されていない。このため、アイナット38等を用いて縦筋32を引き上げると、高ナット33が座金34に当接し、更に座金34の直上のブロック31の下面に座金34が当接する。この状態から更に縦筋32を引き上げることによって組積ユニット30を吊り上げることができる。
次に、組積ユニット30の組積方法について、図9及び図10を用いて説明する。まず、作業者は、縦筋32の上端に設けられた雄ネジ32aにアイナット38を螺合させる。そして、作業者は、クレーン5等を使用して、アイナット38を用いて組積ユニット30を吊り上げる(S101:吊り上げ工程)。作業者は、吊り上げた組積ユニット30の縦筋32の位置と、吊り上げた組積ユニット30が載置される下段の組積ユニット30(下段の構造体)の上面から突出する縦筋32の位置との位置合わせをしつつ、吊り上げた組積ユニット30を下段の組積ユニット30の上面に載置する。組積ユニット30を載置した後、作業者は、縦筋32からアイナット38を取り外す(S102:載置工程)。
ここで、組積ユニット30を吊り上げるために縦筋32を引き上げた状態において、高ナット33の下端から最下段のブロック31の下面までの寸法は、下段の組積ユニット30の上面から突出する縦筋32の突出寸法よりも大きい。これにより、吊り上げた組積ユニット30を下段の組積ユニット30の上面に載置するときに、載置した組積ユニット30の高ナット33の下端が、下段の組積ユニット30の縦筋32の上端に当接することが防止できる。
なお、吊り上げられた組積ユニット30は、基礎2の立ち上がり部2a(下段の構造体)上に載置されてもよい。この場合、立ち上がり部2aの上面から突出する縦筋32の位置と、吊り上げた組積ユニット30の縦筋32の位置との位置合わせをしつつ、立ち上がり部2a上に組積ユニット30を載置することができる。すなわち、組積ユニット30が載置される下段の構造体は、組積ユニット30に限定されることなく、立ち上がり部2a等の他の構造体であってもよい。
作業者は、載置した組積ユニット30の縦筋32を回転させて、回転させた縦筋32の下端に取り付けられた高ナット33の雌ネジ33aを、下段の組積ユニット30の上面から突出する縦筋32の雄ネジ32aに螺合させる(S103:螺合工程)。これにより、上下の組積ユニット30の縦筋32同士が高ナット33によって連結される。
上下の縦筋32が連結された後、作業者は、図9の右側部分に示すように、縦方向及び横方向に隣り合う組積ユニット30間の目地部、及び縦筋32が通された雄ネジ32aにグラウトを充填して組積ユニット30同士を固着させる(S104:固着工程)。なお、組積ユニット30間の目地部にグラウトを充填することとは、隣接する組積ユニット30の端部の側方凹部31cによって形成される孔部分にグラウトを充填することである。なお、図9では、グラウトが入れられた容器9を用いて、隣接する組積ユニット30の端部の側方凹部31cによって形成される孔部分、及び縦筋32が通された縦孔31aにグラウトを充填している。なお、座金34にグラウト孔34bが設けられているため、縦筋32が通された縦孔31aにグラウトを充填したときに、縦孔31aの下端までグラウトを容易に流すことができる。
隣接する組積ユニット30の端部の側方凹部31cによって形成される孔部分、及び縦筋32が通された縦孔31aに充填されたグラウトは、載置された組積ユニット30の下端まで到達した後、最下端のブロック31の下方凹部31b内を横方向に流れる。これにより、上下の組積ユニット30がグラウトによって固着される。
グラウトの充填後、作業者は、載置した組積ユニット30の上面から突出する縦筋32にワッシャ32dを通し、雄ネジ32aにナット32cを螺合させる。ナット32cを締め込むことにより、載置した組積ユニット30が下段の組積ユニット30側に付勢され、上下の組積ユニット30同士が強固に連結される。なお、図2に示すように、壁体3内には、縦筋32に加えて、横筋39が配置されている。横筋39は、組積ユニット30内に予め配置されていてもよく、組積ユニット30を組積する際に、上下の組積ユニット30間に配置されてもよい。
組積ユニット30の上面から突出する縦筋32にナット32cを螺合させた後、ナット32cを螺合させた組積ユニット30の更に上に、上述したように上段の組積ユニット30を載置する。この作業を、所望の高さ位置まで組積ユニット30が載置されるまで行う。
図11に示すように、例えば、壁体3の出隅部Aにおいて、出隅部Aを構成する第一壁体3a及び第三壁体3cのうち、第一壁体3a(一方の壁体)の端面は、第三壁体3c(他方の壁体)の厚さ方向に直交する側面に当接している。なお、第一壁体3aの端面とは、第一壁体3aを構成する組積ユニット30におけるブロック31の長さ方向の端面である。すなわち、出隅部を構成する一対の壁体のうち、一方が勝ち、一方が負けとなるように組積ユニット30が配置されている。なお、これに限定されず、出隅部において、一方の壁体の勝ち負けと、他方の壁体の勝ち負けとが組積ユニット30が載置されるごとに交互に切り替わるように組積ユニット30が組み合わさっていてもよい。また出隅部と同様に、入隅部についても、一方が勝ち、一方が負けとなるように組積ユニット30が配置されている。同様に、入隅部についても、一方の壁体の勝ち負けと、他方の壁体の勝ち負けとが組積ユニット30が載置されるごとに交互に切り替わるように組積ユニット30が組み合わさっていてもよい。
図5に示すように、壁体3には、窓等を取り付けるための矩形状の壁開口部3eが設けられている。壁開口部3eは、横方向(組積ユニット30を構成するブロック31の長さ方向)において隣り合う組積ユニット30間に設けられている。また、組積ユニット30は、横方向において隣り合う組積ユニット30同士を平面モジュールMの整数倍だけ離隔させることによって形成されている。離隔させる組積ユニット30の離隔長さ、及び離隔させる組積ユニット30の高さ位置を変更することで、所望の大きさの壁開口部3eを形成することができる(図5及び図11参照)。
壁開口部3eの上部には、離隔させた組積ユニット30を跨ぐように上段の組積ユニット30(図5の例では、組積ユニット30C)が組積されている。壁開口部3eの上部に配置された組積ユニット30はマグサとして機能する。また、マグサとして機能する組積ユニット30は、他の組積ユニット30を構成するブロック31と同じ形状かつ曲げ強度が大きなマグサ用ブロックによって形成されていてもよい。マグサ用ブロックとは、他の組積ユニット30を構成するブロック31に対して内部に配置される鉄筋量が多いブロックであってもよい。
なお、横方向において隣り合う組積ユニット30同士を離隔させることによって壁体3に壁開口部3eを設けたが、横方向において隣り合うブロック31同士を離隔させることによって壁開口部3eを形成してもよい。
図1に示すように、組積造建物1は、最下階の1階床7と、1階よりも上側に位置する2階(上階)の2階床6とを有している。2階床6は、壁体3の室内側の面に設けられた支持部材60によって支持されている。図12に示すように、支持部材60は、水平片61、及び連結片62によって壁体3に取り付けられている。水平片61は、板状に形成されている。水平片61は、上下のブロック31間の水平目地部に挿し込まれている。水平片61には孔61aが設けられている。水平片61の孔61aには縦筋32が通されている。水平片61は、縦筋32の雄ネジ32aにナット32cを螺合させることによって、縦筋32に締結されている。
連結片62は、水平片61における室内側の端部から下方に向かって延びている。連結片62は、壁体3の室内側の面に当接している。連結片62は、ビス62aによって組積ユニット30に固定されている。支持部材60は、連結片62の室内側の面から室内側に向かって水平方向に延出している。すなわち、支持部材60は、水平片61から連結片62を介して、室内側に向かって延出している。支持部材60は、板状に形成されている。支持部材60は、壁体3の室内側の面から垂直方向に起立すると共に、表裏面が水平方向を向くように連結片62に連結されている。支持部材60は、孔及び切欠きによって形成されたピン挿入部60aを複数有している。
2階床6は、2階床梁63を有している。2階床梁63の端部には、縦方向に延びるスリット63aが設けられている。2階床梁63のスリット63a内に支持部材60が差し込まれる。また、2階床梁63は、2階床梁63の端面と連結片62の室内側の面とが対向するように、配置されている。2階床梁63に設けられたピン孔63bと支持部材60のピン挿入部60aとの位置合わせが行われた状態で、ピン孔63b及びピン挿入部60aにピン60bが差し込まれている。ピン孔63b及びピン挿入部60aに挿し込まれたピン60bによって、2階床梁63と支持部材60とが連結される。2階床梁63の上面には、構造用合板64、及び床仕上げ材65が設置されている。
なお、支持部材60及び連結片62が取り付けられた水平片61は、2階床6を設置する高さ位置まで組積ユニット30が組積されたときに、組積ユニット30に設置される。水平片61等が設置された組積ユニット30の上には、他の組積ユニット30が組積される。水平片61等が設置された組積ユニット30の上に他の組積ユニット30を組積する際に、他の組積ユニット30の下面が水平片61と干渉する場合には、他の組積ユニット30の下面を切り欠く等の処理を行ってもよい。
図1に示すように、壁体3の上端を含む面には、天井面開口部Rが設けられている。
天井面開口部Rは、壁体3の上端によって支持された屋根4によって覆われている。
図1、図3及び図13に示すように、壁体3の上端面には、臥梁50が設けられている。ここで、壁体3の最も上端に位置するブロック31を、上端ブロック31Aという。上端ブロック31Aは、組積ユニット30を組積した後、最も上段に組積された組積ユニット30の上面に設置してもよい。或いは、上端ブロック31Aは、予め、最も上段に組積される組積ユニット30の最上段に設置されていてもよい。
図13に示すように、上端ブロック31Aの上端面には、壁体3の上端面の延在方向に沿って延びる溝31dが設けられている。臥梁50は、溝31d内に下部が埋設された状態で、溝31dの延在方向に沿って配置されている。より詳細には、溝31d内には、レベル調整片51(支い物)が配置されている。レベル調整片51は、臥梁50を水平に保つために用いられる。臥梁50は、レベル調整片51によって水平に保たれた状態で、溝31d内に充填されたグラウトG2によって上端ブロック31A(壁体3)に固定されている。また、臥梁50は、縦筋32に締結されている(図1参照)。臥梁50は、木製であってもよく、金属製であってもよい。
臥梁50には、屋根梁41の端部が接続されている。屋根梁41の上面には、天井面開口部Rを覆うように構造用合板42が設置されている。構造用合板42上には、屋根勾配を形成するための傾斜用部材、防水シート等が設置されている。このように、屋根4は、屋根梁41、構造用合板42、傾斜用部材、防水シート等によって構成されている。構造用合板42の下面には、断熱材が配置されていてもよい。
図1、図3及び図14に示すように、基礎2の底板部2b上には束71が設置されている。束71は、大引き72を支持している。大引き72上には、1階床7を構成する構造用合板73及び床仕上げ材74が設置されている。立ち上がり部2aの内側面近傍には、断熱材が配置されていてもよい。1階床7の下端位置(構造用合板73の下面の高さ位置)は、壁体3の下端位置よりも高い。
図14に示すように、壁体3の内部には、縦方向に連通する電気配線用の配線孔3fが設けられている。配線孔3fは、各ブロック31に設けられた縦方向に連通する複数の縦孔31aのうち、所定の縦孔31aによって構成されている。配線孔3f内には、電気配線用のケーブル55が通されている。配線孔3fを用いることにより、ケーブル55を縦方向に配線することができる。1階床7よりも上側の位置において、壁体3の室内側の面には配線孔3fに連通する横孔31eが設けられている。横孔31eは、配線孔3f内を通るケーブル55を室内側に引き出すことができる。横孔31eは、1階床7よりも上側の位置において所望の高さ位置に設けることができる。すなわち、ケーブル55を引き出したい所望の高さ位置に横孔31eを設けることができる。
配線孔3fは、1階床7の下端位置よりも下方の位置まで延びている。1階床7よりも下側の位置において、壁体3の室内側(1階床7の床下空間側)の面には、配線孔3fに連通する横孔31eが設けられている。本実施形態では、壁体3の最下段のブロック31に横孔31eが設けられている。これにより、1階床7の床下空間と配線孔3fとを横孔31eを介して連通させることができる。これにより、1階床7の床下空間を、配線孔3fを通るケーブル55を横引きするための空間として利用できる。
本実施形態は以上のように構成され、組積造建物1を構成する壁体3は、基礎2側が固定端、上端側が自由端となっている。これにより、壁体3の基礎2側を固定端とし、壁体3の上端側を自由端とする片持ち状の構造体として、組積造建物1の構造安全性の確認(構造計算)を行うことができる。このようにして構造安全性の確認を行うことができるので、この組積造建物1は、使用する材料や構法に限定されること無く、簡易且つ精度の高い(安全性の度合いが明確な)構造計算を行うことができる。
壁体3は、平面視で仮想的に複数に分割された分割領域ごとに、分割領域に作用する荷重に対抗可能な強度が確保されている。これにより、分割領域ごとに必要な強度を確保することができる。また、分割領域ごとに必要な強度を計算することができ、より精度の高い構造計算を行うことができる。
壁体3は、組積されたブロック31と、ブロック31の縦孔31aに通された縦筋32と、によって構成されていてもよい。この場合、壁体3は、共通な納まりで高さ(ブロック31の段数)のみが異なる構成とすることができる。従って、高さのみが異なる壁体3の構造計算を簡易に行うことができる。例えば、ブロック31の高さ(段数)を変数とした構造計算用の式を予め作成しておくことにより、作成した式に高さ(段数)を当てはめるだけで容易に構造計算を行うことができる。また、ブロック31の縦孔31a内に縦筋32が配置されているので、壁体3の強度を向上させることができる。
組積造建物1の2階床6は、壁体3の室内側の面に設けられた支持部材60によって支持されている。この場合、支持部材60を設ける高さ位置を変えるだけで、2階床6の高さ位置を容易に変更することができる。
支持部材60は、ブロック31間の水平目地部に挿し込まれた水平片61から連結片62を介して室内側に向かって延出している。この場合には、水平片61をブロック31間の水平目地部に挿し込む高さ位置を変えるだけで、2階床6の高さ位置を容易に変更することができる。また、水平片61が縦筋32に締結されているので、2階床6を壁体3に強固に固定することができる。
壁体3に設けられた壁開口部3eの上部には、マグサとして機能する組積ユニット30が架け渡されている。マグサとして機能する組積ユニット30は、ブロック31と同じ形状且つブロック31よりも曲げ強度が大きなマグサ用ブロックによって構成されていてもよい。この場合には、マグサ部分についても他の壁部と同様の仕上がりとすることができ、素材感を生かした組積造建物1とすることができる。
壁体3の上端を含む面に設けられた天井面開口部Rは、壁体3の上端によって支持された屋根4によって覆われている。壁体3は、基礎2側を固定端、上端側を自由端とする片持ち状の構造体である。このため、壁体3の上端を含む面に天井面開口部Rを有していても、構造的安全性を保つことができる。
壁体3の最上部に位置する上端ブロック31Aの上面には、壁体3の上端面の延在方向に沿って延びる溝31dが設けられている。溝31dには、臥梁50が配置されている。臥梁50は、レベル調整片51によって水平に保たれた状態で溝31d内に充填されたグラウトG2によって壁体3に固定されている。このように、高さが不揃いとなり易い壁体3の上端面に臥梁50を設けることで、屋根4を精度良く構築することができる。また、臥梁50は、同一面内の壁体3の一体性を保つ機能も有する。
壁体3の内部には、縦方向に連通する電気配線用の配線孔3fが設けられている。この場合、壁体3の所望の高さ位置において配線孔3fに連通する横孔31eを設けることにより、配線孔3f内のケーブル55を横孔31eから引き出すことができる。例えば、スイッチやコンセント用のケーブル55の配線工事の際には、ケーブル55を配線孔3fに挿入して下方にケーブルを送り、配線孔3fを通るケーブル55を横孔31eから抜き出すことで配線が完了する。このように、配線孔3fの内周面がケーブル55を送る際のガイドとなるので、配線工事を簡便且つ正確に行うことができる。また、所望の高さ位置に横孔31eを設けることができるので、スイッチやコンセントの高さを自由に設定できる。
1階床7の下端位置は、壁体3の下端位置よりも高く、配線孔3fは、1階床7の下端位置よりも下方の位置まで延びている。この場合、壁体3の下端位置近傍に横孔31eを設けることで、1階床7の床下空間と配線孔3fとを横孔31eを介して連通させることができ、1階床7の床下空間をケーブル55を横引きするための空間として利用できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、2階床6は、図12等に示す支持部材60を用いて支持される構成に限定されない。例えば、図15に示すように、幅広ブロック(支持部材)31Bによって2階床6の2階床梁63の端部を支持してもよい。幅広ブロック31Bは、幅広ブロック31Bの上側に積まれたブロック31よりも幅(厚さ)が広く、且つ上側に積まれたブロック31よりも室内側に突出した部位を有している。幅広ブロック31Bの室内側に突出した部位によって、2階床6の2階床梁63の端部が支持される。2階床梁63の上面には、上記実施形態と同様に、構造用合板64及び床仕上げ材65が設置される。幅広ブロック31Bは、ブロック31等と同じ材料を用いて形成されている。幅広ブロック31Bを用いて2階床6を支持することにより、幅広ブロック31Bを積む高さ位置を変えるだけで、2階床6の高さ位置を容易に変更することができる。更に、幅広ブロック31Bを用いることにより、幅広ブロック31Bが熱橋とならず、温熱的に優れた組積造建物1とすることができる。
また、図16に示す組積造建物1Aのように、基礎2の底板部2bに立設された柱8によって、2階床6の2階床梁63を支持してもよい。柱8は基礎2の底板部2bに立設されていることに限定されず、1階床7上に立設されていてもよい。これらの場合には、2階床6の高さ及び重量等が壁体3の構造計算に影響を与えない。
組積造建物1、1Aは、図1等に示すように屋根梁41と屋根梁41上に設置された構造用合板42等を用いて屋根4が形成されていることに限定されない。例えば、組積造建物1,1Aは、臥梁50が小屋組を支持する構成であってもよい。この場合、壁体3の上端よりも下側の空間(図1の例では2階の室内空間)と、小屋組内の空間とが連通していてもよい。これにより、室内空間を広く確保することができる。この小屋組は、傾斜屋根を形成するための小屋組であってもよく、略平坦な屋根を形成するための小屋組であってもよい。また、小屋組は、木製及び金属製のいずれであってもよい。
壁体3は、ブロック31を組積して形成されていることに限定されない。例えば、壁体3は、板等によって形成されていてもよい。板等によって形成された壁体3であっても、実施形態と同様に、壁体3の基礎2側を固定端とし、壁体3の上端側を自由端とする片持ち状の構造体として、建物の構造安全性の確認(構造計算)を行うことができる。また、板等によって形成された壁体3であっても、平面視で仮想的に複数に分割された分割領域ごとに、分割領域に作用する荷重に対抗可能な強度が確保しておくことができる。これにより、板等によって形成された壁体3であっても、実施形態と同様に、分割領域ごとに必要な強度を確保することができる。
1…組積造建物(建物)、2…基礎、3…壁体、3a…第一壁体(分割領域)、3b…第二壁体(分割領域)、3c…第三壁体(分割領域)、3d…第四壁体(分割領域)、3e…壁開口部、3f…配線孔、4…屋根、8…柱、31…ブロック、31a…縦孔、31d…溝、31B…幅広ブロック(支持部材)、32…縦筋、50…臥梁、51…レベル調整片、60…支持部材、61…水平片、G1,G2…グラウト、R…天井面開口部、S…室内空間。

Claims (5)

  1. 少なくとも2以上の階層を有する建物であって、
    基礎と、
    前記基礎から立ち上がると共に平面視で室内空間を囲む壁体と、
    前記壁体の室内側の面に設けられ、最下階よりも上側に位置する上階の床の鉛直荷重を支持する支持部材と、
    を備え、
    前記壁体は、前記基礎側を固定端とし、上端側を自由端とする片持ち状の構造体であり、組積されたブロックと、前記ブロックに形成された縦孔に通された縦筋と、によって構成され、
    前記支持部材は、前記ブロック間の水平目地部に挿し込まれた板状の水平片から室内側に向かって延出しており、
    前記水平片は、前記縦筋に締結されている、建物。
  2. 前記壁体は、平面視で仮想的に複数に分割された分割領域ごとに、前記分割領域に作用する荷重に対抗可能な強度が確保されている、請求項1に記載の建物。
  3. 前記壁体には、横方向において隣り合う前記ブロック同士を離隔させることによって形成された矩形状の壁開口部が設けられており、
    前記壁開口部の上部には、前記ブロックと同じ形状且つ前記ブロックよりも曲げ強度が大きなマグサ用ブロックからなるマグサが架け渡されている、請求項1又は2に記載の建物。
  4. 前記壁体の上端を含む面には天井面開口部が設けられ、
    前記天井面開口部は、前記壁体の上端によって支持された屋根によって覆われており、 前記壁体の上端面には、前記壁体の上端面の延在方向に沿って延びる溝が設けられ、
    前記溝には、前記屋根を支持する臥梁が配置され、
    前記臥梁は、前記溝の内部に設けられたレベル調整片によって水平に保たれた状態で前記溝内に充填されたグラウトによって前記壁体に固定されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の建物。
  5. 前記壁体の内部には、縦方向に連通する電気配線用の配線孔が設けられており、
    1階床の下端位置は、前記壁体の下端位置よりも高く、
    前記配線孔は、前記1階床の下端位置よりも下方の位置まで延びている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の建物。
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