JP2017222792A - 有機無機複合粒子及びそのラテックス - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、樹脂改質剤の材料として用いられる粒子状のポリオルガノシロキサンゴムであって、これを耐衝撃性改質剤として用いたときに、ポリオルガノシロキサンゴムの屈折率が低いことに起因する、他の耐衝撃性改質剤に比較して発色性の著しい低下のない、有機無機複合粒子を提供することにある。【解決手段】無機微粒子が、ジオルガノシロキサンに由来するオルガノシロキサン単位を含むポリオルガノシロキサン中に分散された、有機無機複合粒子。また、前記有機無機複合粒子を含む、有機無機複合粒子ラテックス。【選択図】 なし

Description

本発明は、有機無機複合粒子及びそのラテックスに関する。
自動車分野や電気・電子機器をはじめとする種々の分野において、熱可塑性樹脂からなる成形体が広く用いられており、それらの熱可塑性樹脂には、高い耐衝撃性、発色性、耐候性、流動性等が要求される。これらの物性向上のために、樹脂改質剤を添加する方法が一般的である。
例えば、特許文献1では、ポリオルガノシロキサンゴムとポリアルキル(メタ)アクリレートゴムとからなる複合ゴムにビニル系単量体をグラフト重合させた複合ゴム系グラフト共重合体を、樹脂改質剤として用いることが提案されている。
一方、有機無機複合材料は、無機微粒子を有機樹脂からなるマトリックスに微分散させることにより、マトリックスの機械的強度や光学物性、熱物性等の物性向上が期待されるため注目されている。特許文献2では、マトリックス中に高い屈折率を持つ無機微粒子を微分散させることで、複合材料全体の屈折率を向上させる技術が提案されており、ポリオルガノシロキサンをマトリックスとした有機無機複合材料についても提案されている。
特開昭63−69859号公報 特開2007−302799号公報
特許文献1で提案の方法では、ポリオルガノシロキサンゴムの屈折率が低いため、他の耐衝撃性改質剤に比較して発色性が著しく低下するという課題がある。また、特許文献1では、屈折率を向上させる方策については何ら議論されていない。
また、特許文献2で提案の方法では、反応性官能基を持ったシロキサン化合物を架橋することによってポリオルガノシロキサンを製造しており、反応性官能基をもたないオルガノシロキサンを用いたポリオルガノシロキサンは製造できていない。また、樹脂改質剤の材料として用いられる粒子状のポリオルガノシロキサンについても製造できていない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、無機微粒子を含有することにより屈折率の向上した有機無機複合粒子を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行なった結果、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下の[1]〜[6]の特徴を有する。
[1] 無機微粒子が、下記一般式(1)に示すオルガノシロキサン単位を含むポリオルガノシロキサン中に分散された、有機無機複合粒子。
(式(1)中、Rはそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基である。)
[2] 前記[1]に記載の有機無機複合粒子を含む、有機無機複合粒子ラテックス。
[3] ポリオルガノシロキサンがオルガノシロキサンを重合させて得られるものであり、
オルガノシロキサンが下記一般式(2)に示す環状のジオルガノシロキサン、及び、下記一般式(3)に示す鎖状のジオルガノシロキサンから構成される群から選ばれる1種以上である、前記[2]に記載の有機無機複合粒子ラテックス。
(式(2)中、Rはそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基である。nは2〜10の自然数である。)
(式(3)中、Rはそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基である。nは2〜10の自然数である。)
[4] 無機微粒子のオルガノシロキサン分散液、乳化剤、酸触媒及び水からなる混合物を予備攪拌した乳化液を、加熱して重合させる、有機無機複合粒子ラテックスの製造方法であって、
無機微粒子のオルガノシロキサン分散液が、上記一般式(2)に示す環状のジオルガノシロキサン、及び、上記一般式(3)に示す鎖状のジオルガノシロキサンから構成される群から選ばれる1種以上のオルガノシロキサン中に無機微粒子が分散されたものである、前記[2]又は[3]に記載の有機無機複合粒子ラテックスの製造方法。
[5] 酸触媒の添加量が、無機微粒子の質量に対して0.25倍量以上である、前記[4]に記載の有機無機複合粒子ラテックスの製造方法。
[6] 水中に無機微粒子が分散された水分散液に、炭素数4以上のカルボン酸を混合した後に、水を除去して無機微粒子を疎水化処理し、
疎水化処理された無機微粒子をオルガノシロキサン中に分散させて、無機微粒子のオルガノシロキサン分散液を得る、前記[4]又は[5]に記載の有機無機複合粒子ラテックスの製造方法。
本発明により、屈折率の向上した無機微粒子複合粒子ラテックスを得ることができる。
<無機微粒子>
本発明の無機微粒子は、酸化物、水酸化物、炭酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩、窒化物、金属、炭素類、それらの複合物等から形成された無機微粒子である。
酸化物としては、例えば、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化スズ、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化アンチモン、酸化カルシウム、フェライトが挙げられる。
水酸化物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムが挙げられる。
炭酸塩としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、ハイドロタルサイト、ドーソナイトが挙げられる。
ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、ガラスビーズが挙げられる。
硫酸塩としては、例えば、硫酸バリウム、硫酸カルシウムが挙げられる。
窒化物としては、例えば、窒化アルミ、窒化ケイ素、窒化ホウ素が挙げられる。
金属としては、例えば、金、銀、白金、銅が挙げられる。
炭素類としては、例えば、カーボンブラック、グラファイトが挙げられる。
これらの無機微粒子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
無機微粒子は、透明で高屈折率であるという点から無機酸化物が好ましく、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化チタン(TiO)、酸化ケイ素(SiO)、酸化スズ(SnO)がより好ましく、その透明性と屈折率の高さから酸化ジルコニウムが更に好ましい。
無機微粒子の粒子径は、透明性の高い有機無機複合粒子とする点で、動的光散乱(DLS)により得られる平均粒子径100nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましく、20nm以下が更に好ましい。また、無機微粒子のオルガノシロキサンへの分散し易さの点から、DLSにより得られる平均粒子径0.5nm以上が好ましく、1nm以上がより好ましく、5nm以上が更に好ましい。
<疎水化処理>
無機微粒子をオルガノシロキサン中に分散させるために、無機微粒子には、必要に応じて、公知の各種の疎水化処理を行なってもよい。疎水化処理とは、親水性を有している無機微粒子の表面を、所定の疎水化処理剤により処理することで疎水化して、有機溶媒や樹脂等の有機物との親和性を向上するものである。
このような疎水化処理に用いることのできる化合物としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルシリルクロライド、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等の有機シランカップリング剤;ブタン酸、イソブタン酸、メタクリル酸、ヘキサン酸、オクタン酸、オレイン酸、リノール酸、ラウリン酸等のカルボン酸;アクリロイルイソシアナート、メタクリロイルイソシアナート、アクリル酸2−イソシアナートエチル、メタクリル酸2−イソシアナートエチル等のアクリル基を有するイソシアネート化合物が挙げられる。
なかでも、疎水化処理剤の量が少量に抑えられる点でカルボン酸を用いる方法が好ましい。疎水化処理に用いられるカルボン酸としては、無機微粒子の分散性の点から、炭素数4以上のカルボン酸、カルボン酸のカルボキシル基を構成する酸素原子を硫黄原子で置換した炭素数4以上のチオカルボン酸、炭素数4以上のジチオカルボン酸を用いることがより好ましい。入手しやすさの点からカルボン酸としては、炭素数4〜18の飽和又は不飽和のカルボン酸が更に好ましい。
例えば、ブタン酸、イソブタン酸、メタクリル酸、ヘキサン酸、オクタン酸、オレイン酸、リノール酸、ラウリン酸等の一価の脂肪族カルボン酸が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
特に、疎水化処理後の無機微粒子を樹脂に分散して用いる場合には、当該樹脂の種類等に応じて、当該樹脂との親和性を向上しやすいカルボン酸を適宜選択して用いることが好ましい。
疎水化処理方法として、以下の工程を行なうことで疎水化した無機微粒子を得ることができる。
(1)水又は有機溶媒中に親水性の無機微粒子が分散した透明の無機微粒子分散液中に、疎水化処理剤として適量のカルボン酸及び所定量の非水溶性有機溶媒と両溶性有機溶媒とを混合し、攪拌する工程。
(2)その後に主に水と両溶性有機溶媒とを共沸により除去することで、非水溶性有機溶媒に疎水化された無機微粒子が透明に均一分散した分散液を得る工程。
(3)上記で得られた非水溶性有機溶媒に無機微粒子が透明に均一分散した分散液から更に非水溶性有機溶媒を蒸発除去して無機微粒子を分離取得する工程。
上記において、両溶性有機溶媒とは、水溶性であるとともに、非水溶性有機溶媒との相溶性をも有していることを意味している。このような両溶性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール;アセトンが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
使用される両溶性有機溶媒は、主に水と非水溶性有機溶媒とを含む均一な液相を生成するため、水と共沸することにより液相から水分を除去する目的で使用される。このため、少量で水と非水溶性有機溶媒とを含む均一な液相を生じること、及び、比較的低い沸点を有するものが好ましく、使用する非水溶性有機溶媒の種類等に応じて実験的に決定することが好ましい。一般的には、水との相溶性の高い炭素数が3以下の比較的分子量の小さなアルコールやアセトンが好ましく用いられる。
また、非水溶性有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
非水溶性有機溶媒は、疎水化された無機微粒子を分散保持するためのものであり、水の除去の際に過剰な蒸発を生じない低蒸気圧のものが好ましい。また、その後に目的とする樹脂化合物との相溶性が高いものを選択して用いることが好ましい。
疎水化処理に用いる疎水化処理剤量は、用いる無機微粒子の種類、粒子径によって異なるが、無機微粒子の分散性向上の点から疎水化処理される無機微粒子の質量に対して0.05倍量以上であることが好ましく、0.1倍量以上がより好ましく、0.2倍量以上が更に好ましい。また、樹脂の高屈折率化を主目的とする場合には、疎水化処理剤量を少なくすることで高屈折率化できるという点で、無機微粒子の質量に対して10倍量以下が好ましく、5倍量以下がより好ましく、1倍量以下が更に好ましい。
<ポリオルガノシロキサン>
本発明のポリオルガノシロキサンとしては、下記一般式(1)に示すオルガノシロキサン単位を含むポリオルガノシロキサンを用いることができる。
一般式(1)において、Rはそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基である。
アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられる。シクロアルキル基の具体例としては、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基が挙げられる。アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。複素環基の具体例としては、γ−ラクトン基、ε−カプロラクトン基等のラクトン環が挙げられる。
<オルガノシロキサン>
ポリオルガノシロキサンの製造に用いるオルガノシロキサンとしては、下記一般式(2)に示す環状のジオルガノシロキサン及び下記一般式(3)に示す鎖状のジオルガノシロキサンのいずれか単独、または2種以上の混合物を用いることができる。
一般式(2)において、Rはそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基である。nは2〜10の自然数である。
一般式(3)において、Rはそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基である。nは2〜10の自然数である。
ジオルガノシロキサンとしては、その入手の容易さから、ジメチルシロキサンが好ましい。
ジメチルシロキサンとしては、3員環以上の環状ジメチルシロキサンが挙げられ、3〜7員環のものが好ましい。例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサンが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
粒子径分布の制御の容易さを考えると、主成分としてオクタメチルシクロテトラシロキサンを用いることが好ましい。
本発明では、上記オルガノシロキサンにビニル重合性官能基含有シロキサンを添加してもよい。ビニル重合性官能基含有シロキサンを添加することにより、ポリオルガノシロキサン中に重合性官能基を持たせることができる。
ビニル重合性官能基含有シロキサンは、ビニル重合性官能基を含有し、且つ、ジメチルシロキサンとシロキサン結合を介して結合し得る単量体と、前記単量体とを共重合したものである。
ジメチルシロキサンとの反応性を考慮すると、ビニル重合性官能基を含有する各種アルコキシシラン化合物を用いることが好ましい。
例えば、β−メタクリロイルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルジエトキシエチルシラン、δ−メタクリロイルオキシブチルジエトキシメチルシラン等のメタクリロイルオキシシラン;テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等のビニルシロキサン;p−ビニルフェニルジメトキシメチルシラン等のビニルフェニルシラン;γ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシロキサンが挙げられる。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ビニル重合性官能基含有シロキサンの添加量としては、オルガノシロキサンの柔軟な特性を損なわないという点で、オルガノシロキサンの質量に対して0.05倍量以下が好ましく、0.02倍量以下がより好ましく、0.01倍量以下が更に好ましい。
本発明では上記オルガノシロキサンにシロキサン系架橋剤を添加しても良い。シロキサン系架橋剤を添加することにより、ポリオルガノシロキサン中に架橋部位を作ることができる。シロキサン系架橋剤としては、3官能性または4官能性のシラン系架橋剤、例えばトリメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン等が用いられる。
シロキサン系架橋剤の添加量に特に制限はないが、オルガノシロキサンの柔軟な特性を損なわないという点で、オルガノシロキサンの質量に対して0.05倍量以下が好ましく、0.02倍量以下がより好ましく、0.01倍量以下が更に好ましい。
<無機微粒子のオルガノシロキサン分散液>
無機微粒子は、オルガノシロキサン中に均一に再分散させ、沈殿を生じない透明なオルガノシロキサン分散液とすることが可能である。無機微粒子のオルガノシロキサン分散液の製法としては、無機微粒子及びオルガノシロキサンを、撹拌機を備えた反応容器等の中で撹拌することが挙げられる。
無機微粒子のオルガノシロキサン分散液中の無機微粒子の比率は、屈折率向上の点から5質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましく、40質量%以上が更に好ましい。また、オルガノシロキサン中での無機微粒子の分散性を良くする点から、無機微粒子のオルガノシロキサン分散液中の無機微粒子の比率は90質量%以下が好ましく、80質量%以下がより好ましく、70質量%以下が更に好ましい。
<乳化剤>
ポリオルガノシロキサンの製造の際に用いる乳化剤としては、アニオン系乳化剤が好ましく、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム等の中から選ばれた乳化剤が使用される。
入手の容易さから、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムが好ましい。
乳化剤量は重合時の分散安定性の点から、無機微粒子のオルガノシロキサン分散液の質量に対して0.1倍量以上が好ましく、0.2倍量以上がより好ましく、0.5倍量以上が更に好ましい。また、乳化剤量を少なくすることで高屈折率化できるという点から、乳化剤量は10倍量以下が好ましく、5倍量以下がより好ましく、2倍量以下が更に好ましい。
<酸触媒>
ポリオルガノシロキサンの重合に用いる酸触媒としては、例えば、脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族置換ナフタレンスルホン酸等のスルホン酸類;硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸類が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
用いる酸触媒の量としては、重合の際の収率向上の点から、無機微粒子の質量に対して0.1倍量以上が好ましく、0.25倍量以上がより好ましく、0.5倍量以上が更に好ましい。また、酸触媒の量を少なくすることで高屈折率化できるという点から、無機微粒子の質量に対して10倍量以下が好ましく、5倍量以下がより好ましく、1倍量以下が更に好ましい。
<重合>
上記ポリオルガノシロキサンの製法としては、無機微粒子のオルガノシロキサン分散液と乳化剤、酸触媒及び水からなる混合物を予備攪拌した乳化液を加熱して重合させ、次いでアルカリ性物質により酸を中和する方法が挙げられる。
予備攪拌の方法としては、高速回転による剪断力で微粒子化するホモミキサーや、高圧発生機による噴出力で微粒子化するホモジナイザー等を使用して微粒子化する方法が挙げられる。その中でも、ホモジナイザーを使用した方法は、ポリオルガノシロキサンラテックスの粒子径の分布が狭くなる点から好ましい。
重合の温度は、50℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましい。また重合の時間は、は2時間以上が好ましく、5時間以上がより好ましい。
重合の停止は、反応液を冷却、更にラテックスを苛性ソーダ、苛性カリ、炭酸ナトリウム等のアルカリ性物質で中和することによって行なうことができる。
以下、本発明を実施例により説明する。但し、本発明は以下の例によって限定されるものではない。尚、以下において、「部」は「質量部」を示す。また、平均粒子径及び屈折率は以下の方法により評価した。
(1)平均粒子径
動的光散乱光度計(大塚電子社製、商品名:ELS−800)を用いて25℃において測定し、キュムラント法により解析して求めた平均粒子径を用いた。
(2)屈折率
粒子を含有するラテックス約1mLをPETフィルム上に滴下し、40℃の乾燥機中で24時間乾燥させてフィルムを得た。このフィルムの屈折率をプリズムカプラー屈折率計(メトリコン社製、商品名:2010/Mプリズムカプラー)を用いて測定した。
[製造例1]酸化ジルコニウム微粒子の疎水化処理
スターラーチップをセットしたナスフラスコに、処理される酸化ジルコニウム微粒子に対して30質量%となるように疎水化処理剤であるラウリン酸(和光純薬製)を30部秤量した。非水溶性有機溶媒としてのトルエン(和光純薬製)750部、両溶性有機溶媒であるメタノール(和光純薬製)83部を加えたものに、酸化ジルコニウム微粒子メタノール分散液(堺化学工業製、製品名:SZR−M、酸化ジルコニウム含有量:30質量%、平均粒径:13.2nm)333部を加えて混合した。
上記で得られた混合液を1時間室温で攪拌した後、ロータリーエバポレーターにより分散媒を蒸発除去した。分散媒の蒸発除去は、混合液を室温に保ちつつ、液相内での突沸が生じない程度の圧力に雰囲気を減圧することにより行なった。
初回の分散媒の蒸発除去後にナスフラスコに残留した混合液に、更にトルエンを100部程度加えて再びエバポレーションをする操作を行なった。当該操作を概ね2〜3回繰り返すことにより、分散液を白濁した状態から無色透明へと変化させ、残留する液相が単相となった。これにより、酸化ジルコニウム微粒子のトルエン分散液を得た。
エバポレーションによりトルエンを蒸発除去させた後、室温で8時間真空乾燥させて、酸化ジルコニウム微粒子からなる粉末を得た。上記の疎水化処理を行なった酸化ジルコニウム微粒子はオルガノシロキサンに再分散可能であった。
[実施例1]微粒子含有ポリオルガノシロキサンラテックス(L−1)
製造例1で疎水化処理をした酸化ジルコニウム微粒子30部を、オクタメチルシクロテトラシロキサン69.6部に対して分散させて、透明な酸化ジルコニウム微粒子のオルガノシロキサン分散液を得た。上記分散液に対してγ−メタクリロイルオキシプロピルジメトキシメチルシラン0.4部を混合して、シロキサン系混合物100部を得た。これにドデシルベンゼンスルホン酸15部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1部を溶解した蒸留水200部を添加し、超音波ホモジナイザーを15分間使用することにより、安定な予備混合オルガノシロキサンエマルションを得た。冷却コンデンサーを備えた三つ口フラスコに、上記エマルションを入れ、80℃に加熱した状態で、5時間温度を維持して重合させ、冷却した。次いでこの反応物を室温で48時間保持した後、苛性ソ−ダ水溶液で中和した。
このようにして得られたラテックスを180℃で30分間乾燥して固形分を求めたところ、27.3質量%であった。また、ラテックスの平均粒径は138nmであった。また、上記ラテックスを乾燥させたフィルムについて屈折率を測定したところ、1.46となり、酸化ジルコニウム微粒子を含有することにより、下記に示す酸化ジルコニウム微粒子を含まないポリオルガノシロキサンに比べて屈折率が向上した。
[実施例2]微粒子含有ポリオルガノシロキサンラテックス(L−2)
表1に示す組成に変更したこと以外は実施例1と同様にして、微粒子含有ポリオルガノシロキサンラテックス(L−2)を得た。
ラテックスを180℃で30分間乾燥して固形分を求めたところ25.9質量%であり、平均粒子径は180nmであった。また、屈折率は1.52となり、酸化ジルコニウム微粒子を含有することにより、下記に示す酸化ジルコニウム微粒子を含まないポリオルガノシロキサンに比べて屈折率が向上した。
[比較例1]ポリオルガノシロキサンラテックス(L−3)
表1に示す組成に変更したこと以外は実施例1と同様にして、ポリオルガノシロキサンラテックス(L−3)を得た。
ラテックスの固形分を求めたところ25.8質量%であり、平均粒子径は247nmであった。また、屈折率は1.40となり、酸化ジルコニウム微粒子を含有するポリオルガノシロキサンに比べて屈折率が低位であった。

Claims (6)

  1. 無機微粒子が、下記一般式(1)に示すオルガノシロキサン単位を含むポリオルガノシロキサン中に分散された、有機無機複合粒子。
    (式(1)中、Rはそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基である。)
  2. 請求項1に記載の有機無機複合粒子を含む、有機無機複合粒子ラテックス。
  3. ポリオルガノシロキサンがオルガノシロキサンを重合させて得られるものであり、
    オルガノシロキサンが下記一般式(2)に示す環状のジオルガノシロキサン、及び、下記一般式(3)に示す鎖状のジオルガノシロキサンから構成される群から選ばれる1種以上である、請求項2に記載の有機無機複合粒子ラテックス。
    (式(2)中、Rはそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基である。nは2〜10の自然数である。)
    (式(3)中、Rはそれぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は複素環基である。nは2〜10の自然数である。)
  4. 無機微粒子のオルガノシロキサン分散液、乳化剤、酸触媒及び水からなる混合物を予備攪拌した乳化液を、加熱して重合させる、有機無機複合粒子ラテックスの製造方法であって、
    無機微粒子のオルガノシロキサン分散液が、上記一般式(2)に示す環状のジオルガノシロキサン、及び、上記一般式(3)に示す鎖状のジオルガノシロキサンから構成される群から選ばれる1種以上のオルガノシロキサン中に無機微粒子が分散されたものである、請求項2又は3に記載の有機無機複合粒子ラテックスの製造方法。
  5. 酸触媒の添加量が、無機微粒子の質量に対して0.25倍量以上である、請求項4に記載の有機無機複合粒子ラテックスの製造方法。
  6. 水中に無機微粒子が分散された水分散液に、炭素数4以上のカルボン酸を混合した後に、水を除去して無機微粒子を疎水化処理し、
    疎水化処理された無機微粒子をオルガノシロキサン中に分散させて、無機微粒子のオルガノシロキサン分散液を得る、請求項4又は5に記載の有機無機複合粒子ラテックスの製造方法。
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