JP2017222730A - 水混合燃料及び水混合燃料生成装置 - Google Patents

水混合燃料及び水混合燃料生成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】乳化剤を用いることなく、水粒径の微細化や水混合燃料の安定性向上化を図ることができる水混合燃料、及び、この水混合燃料を生成する水混合燃料生成装置を提供すること。【解決手段】粘度の比較的低い主燃料油と、粘度の比較的高い副燃料油とを混合することで混合燃料油となし、この混合燃料油と水を混合して、乳化剤を用いることなく生成した。ここで、主燃料油としては、軽油やA重油を使用する一方、副燃料油としては、C重油や石炭油を使用した。【選択図】図1

Description

本発明は、混合燃料油と水を混合・撹拌して、乳化剤を用いることなく生成した水混合燃料、及び、この水混合燃料を生成する水混合燃料生成装置に関する。ここで、水混合燃料とは,エマルジョン燃料のように乳化剤を用いた乳化燃料ではなく、乳化剤を不要とし、水と燃料を均一に混合させた燃料を指し,エマルジョン燃料と区別したものである。
従来、水混合燃料の一形態として、特許文献1に開示されたものがある。すなわち、特許文献1には、燃料油に、水及び有機塩基油を混合して、粘度が著しく低下した水混合燃料を生成する技術、つまり、高粘度の燃料油に対して優れた粘度低下効果を発揮する技術が開示されている。そして、特許文献1には、乳化剤の添加は、それによって水粒径が小さくなり、水混合燃料(水エマルジョン)の安定性が向上するので好ましいものである、と記載されている。
特開昭58−59287
しかしながら、水粒の微細化や水混合燃料の安定性向上化を目的として乳化剤を添加すると、添加する乳化剤が高額であるため、その分、水混合燃料の製造コストが著しく上昇するという不具合や、その乳化剤が水混合燃料の燃焼に悪影響を及ぼしてしまうという問題や、その乳化剤が燃焼することによって、大気汚染の原因となる物質が生成されるという問題がある。
そこで、本発明は、乳化剤を用いることなく、水粒径の微細化や水混合燃料の安定性向上化を図ることができる水混合燃料、及び、この水混合燃料を生成する水混合燃料生成装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、
粘度の比較的低い主燃料油と、粘度の比較的高い副燃料油とを混合することで混合燃料油となし、
この混合燃料油と水を混合して、乳化剤を用いることなく生成したことを特徴とする。
請求項1記載の発明では、粘度の比較的低い主燃料油と、粘度の比較的高い副燃料油とを混合することで、主燃料油よりも粘度が増大した混合燃料油となすことができて、この混合燃料油と、それに混合する水との粘度差を増大させることができる。そのため、混合燃料油と水を混合した際には、混合燃料油が水に作用するせん断応力が増加されて、水の微細化が促進される。したがって、流体混合器により混合燃料油と水を混合・撹拌することで、油水分離を防ぐことが可能である。さらに、ナノレベル化(水粒径が1μm以下)された水粒を含む水混合燃料を堅実に生成することも可能である。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明であって、
副燃料油は、主燃料油の重量の30%以下の重量割合となしたことを特徴とする。
請求項2記載の発明では、混合割合として、副燃料油の重量が、主燃料油の重量の30%以下となるようにしているため、粘度の比較的低い燃料を主とする内燃機関および外燃機関において水混合燃料油が使用できる。また、粘度が高い副燃料油は硫黄分濃度が高い傾向があるが、主燃料油を硫黄分濃度が低い燃料と組み合わせることで硫黄分濃度を抑制することができる。そのため、混合する主・副燃料油が含有する硫黄分の合計が0.1%以下となるように容易に設定することができて、混合燃料油中の硫黄分濃度が0.1%以下となるようにする規制に適応する水混合燃料を生成することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明であって、
主燃料油としては、軽油やA重油を使用する一方、副燃料油としては、C重油や石炭油を使用することを特徴とする。
請求項3記載の発明では、主燃料油として軽油やA重油を使用する一方、副燃料油としてC重油や石炭油を使用することで、水との粘度差が堅実に確保された混合燃料油となすことができて、このような混合燃料油と水を混合・撹拌装置により混合・撹拌することで、ナノレベルに微細化された水粒を含む水混合燃料を堅実に生成することができる。
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項記載の発明であって、
水は、その積算重量の80%の水粒径が1μm以下となるように微細化したことを特徴とする。
請求項4記載の発明では、水を、その積算重量の80%の水粒径が1μm以下となるように微細化することで、NOx濃度が低減されるとともに、燃費が改善される。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項記載の発明であって、
水は、その平均水粒径が500nm〜1μmとなるように微細化したことを特徴とする。
請求項5記載の発明では、水を、その平均水粒径が500nm〜1μmとなるように微細化することで、NOx濃度の低減率と燃費の改善を良好に実現することができる。ここで、平均水粒径が1μm以下においては、NOx濃度の低減率が悪化する一方、燃費は向上する。つまり、NOx濃度の低減率と燃費は、トレードオフの関係にあると言えるが、平均水粒径が500nm以上においては、NOx濃度の適度な低減率と燃費の改善を実現することができる。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項記載の発明であって、
混合燃料油と水の重量比は、70:30となしたことを特徴とする。
請求項6記載の発明では、混合燃料油と水の重量比を、70:30となすことで、燃費を大幅に改善することができる。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項記載の発明であって、
水としては、排ガス処理に使用するスクラバ装置において、スクラバ処理後に生成される廃水を使用したことを特徴とする。
請求項7記載の発明では、スクラバ処理後に生成される廃水を廃棄処理することなく、混合燃料油と混合・撹拌することで、廃水混合燃料を生成することができる。その結果、廃水を廃棄処理する手間や費用を削減することができるとともに、廃水を有効利用することができる。この際、スクラバの溶媒として水道水を使用した場合、スクラバ処理後に生成される廃水には、排ガス中に含まれる有機物及び無機物が混入される。そのため、生成された廃水混合燃料を燃焼させると、さらに硫酸が発生することや、廃水混合燃料の硫黄分濃度が高くなることが予測される。その場合には、廃水と燃料油との混合・撹拌時に硫酸を発生(脱硫)させることで、廃水混合燃料中の硫黄分濃度を低減することができる。また、スクラバの溶媒として水酸化ナトリウム水を使用することで、廃水のpH値を上昇させることが可能であり、また、スクラバの溶媒として石灰水を使用することで、窒素酸化物や硫黄酸化物が混入した石膏として捕集することが可能である。これらより、船舶燃料に関し2015年より施行予定の混合燃料油中の硫黄分濃度を0.1%以下にするという規制に適応させることができる。
請求項8記載の発明は、
粘度の比較的低い主燃料油を供給する主燃料供給部と、粘度の比較的高い副燃料油を供給する副燃料供給部と、主燃料油と副燃料油を一定の割合で混合して混合燃料油となす第1流体混合部と、添加水を供給する添加水供給部と、混合燃料油と添加水を一定の割合で混合して水混合燃料となす第2流体混合部と、を具備していることを特徴とする。
請求項8記載の発明では、第1流体混合部により主燃料油と副燃料油を一定の割合で均一に混合して、添加水との粘度差が堅実に確保された混合燃料油となしている。その後に、第2流体混合部により分散媒としての混合燃料油と、分散質としての添加水とを一定の割合で混合することで、相互の粘度差により分散質としての添加水には堅実にせん断力が作用して、添加水を微細化(例えば、添加水の80%以上を10μm以下の粒径まで微細化)して微小な水粒となすことができるとともに、分散媒としての混合燃料油に均一化させることができて、乳化剤を用いることなく水混合燃料を生成することができる。
本発明によれば、乳化剤を用いることなく、水粒径の微細化や水混合燃料の安定性向上化を図ることができる水混合燃料、及び、この水混合燃料を生成する水混合燃料生成装置を提供することができる。
本実施形態としての水混合燃料生成装置の概念図。 制御ブロック図。 他本実施形態としての廃水混合燃料生成・供給システムの概念図。 エンジンの諸元の一覧表。 燃料の性状の一覧表。 水混合燃料の顕微鏡撮影結果 a)A重油の実験結果と、b)C重油の実験結果。 燃費の一覧表。 水混合燃料の実験結果。 燃料消費量の一覧表。
以下に、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。すなわち、本実施形態に係る水混合燃料は、図1に示す後述の水混合燃料生成装置(以下、「生成装置」と略称することもある。)Aにより生成されるものであり、生成装置Aでは、生成した水混合燃料を燃焼装置としてのエンジンやボイラ等の機器(本実施形態ではエンジンE)の燃焼室に供給するようにしている。
[水混合燃料についての説明]
水混合燃料は、粘度の比較的低い主燃料油と、粘度の比較的高い副燃料油とを混合することで混合燃料油となし、この混合燃料油と水(例えば、水道水や純水)を混合・撹拌して、乳化剤を用いることなく生成したものである。
主燃料油と副燃料油とは、相対的に粘度差の大きいものを採択して混合燃料油となすことで、混合燃料油と水との粘度差を確保するのが望ましい。ここで、主燃料油としては、例えば、軽油やA重油やバイオ燃料を使用する一方、副燃料油としては、例えば、C重油やクレオソート油等の石炭油を使用することができる。そうすることで、混合燃料油と水を混合・撹拌した際に、分散相を形成する水にせん断力が堅実に作用して、ナノレベル(1μm以下)の微細な水粒径の水滴を含有する分散相となすことができる。本実施形態では、後述する生成装置Aが具備する第2流体混合器M2により、水の積算重量の80%の水粒径が10μm以下、望ましくは、1μm以下となるように微細化することができ、より望ましくは、平均水粒径が500nm〜1μmとなるように微細化する。
主燃料油と副燃料油の重量比は、例えば、50〜98:50〜2に設定し、望ましくは、80:20に設定ことができる。つまり、主燃料油と副燃料油の重量比は、相互の粘度差を考慮したそれらの種類の組み合わせにより、適宜、50:50〜98:2の範囲で設定することができる。好ましくは、副燃料油は、主燃料油の重量の30%以下の重量割合をとなすことができる。混合燃料油と水の重量比は、例えば、60〜80:40〜20に設定し、望ましくは、70:30に設定ことができる。
これらの混合する重量割合をより具体的に例示すると、主燃料油としての軽油55%(硫黄分0%)と、副燃料油としての石炭油15%(硫黄分0.5%)と、水30%の組み合わせに設定することができる。また、主燃料油としてのローサルファA重油65%(硫黄分0.07%)と、副燃料油としての石炭油5%(硫黄分0.5%)と、水30%の組み合わせに設定することができる。このような組み合わせに設定することで、硫黄分が0.1%以下の水混合燃料を生成することができる。
このように構成した水混合燃料では、粘度の比較的低い主燃料油と、粘度の比較的高い副燃料油とを混合することで、主燃料油よりも粘度が増大した混合燃料油となすことができて、この混合燃料油と、それに混合する水との粘度差を増大させることができる。そのため、混合燃料油と水を混合・撹拌した際には、混合燃料油が水に作用するせん断応力が増加されて、水の微細化が促進される。したがって、第2流体混合器M2により混合燃料油と水を混合・撹拌することで、ナノレベル化(水粒径が1μm以下)された水粒を含む水混合燃料を堅実に生成することができる。
ここでの主・副燃料油の混合割合としては、副燃料油の重量が、主燃料油の重量の30%以下となるようにしているため、粘度が高い副燃料油は硫黄分濃度が高い傾向があるが、主燃料油を硫黄分濃度が低い燃料と組み合わせることで硫黄分濃度を抑制することができる。そのため、混合する主・副燃料油が含有する硫黄分の合計が0.1%以下となるように容易に設定することができて、混合燃料油中の硫黄分濃度が0.1%以下となるようにする規制に適応する水混合燃料を生成することができる。さらに、粘度の比較的低い燃料を主とする内燃機関および外燃機関において加温なしで使用できる。
そして、主燃料油としては、軽油やA重油を使用する一方、副燃料油としては、C重油や石炭油を使用することで、水との粘度差が堅実に確保された混合燃料油となすことができて、このような混合燃料油と水を第2流体混合器M2により混合・撹拌することで、ナノレベルに微細化された水粒を含む水混合燃料を堅実に生成することができる。
しかも、水を、その積算重量の80%の水粒径が10μm以下となるように微細化することで、NOx濃度が低減されるとともに、燃費が改善される。
さらには、水を、その平均水粒径が500nm〜1μmとなるように微細化することで、NOx濃度の低減率と燃費の改善を良好に実現することができる。ここで、平均水粒径が1μm以下においては、NOx濃度の低減率が悪化する一方、燃費は向上する。つまり、NOx濃度の低減率と燃費は、トレードオフの関係にあると言えるが、平均水粒径が500nm以上においては、NOx濃度の適度な低減率と燃費の改善を実現することができる。また、混合燃料油と水の重量比は、70:30となすことで、燃費を大幅に改善することができる。
[生成装置についての説明]
前記した水混合燃料を生成する生成装置Aの構成について、具体的に説明する。すなわち、生成装置Aは、図1に示すように、粘度の比較的低い主燃料油を供給する主燃料供給部としての主燃料油タンクT1と、粘度の比較的高い副燃料油を供給する副燃料供給部としての副燃料油タンクT2と、主燃料油と副燃料油を一定の割合(例えば、副燃料油の重量を主燃料油の重量の30%以下に設定した重量割合)で混合して混合燃料油となす第1流体混合部としての第1流体混合器M1と、添加水(例えば、水道水や純水等の水、又は、廃水)を供給する添加水供給部としての水タンクT3と、混合燃料油と添加水を一定の割合(例えば、70:30の重量比割合)で混合して水混合燃料となす第2流体混合部としての第2流体混合器M2と、を具備している。
このように構成した生成装置Aでは、第1流体混合器M1により主燃料油と副燃料油を一定の割合で均一に混合して、添加水との粘度差が堅実に確保された混合燃料油となしている。その後に、第2流体混合器M2により分散媒としての混合燃料油と、分散質としての添加水とを一定の割合で混合することで、相互の粘度差により分散質としての添加水には堅実にせん断力が作用して、添加水の80%以上を10μm以下の粒径まで微細化して微小な水粒となすことができるとともに、分散媒としての混合燃料油に均一化させることができる。その結果、乳化剤を用いることなく、前記した水混合燃料を生成することができる。
より具体的に説明すると、生成装置Aは、図1に示すように、主燃料油を収容した主燃料油タンクT1の底部に、主燃料油流出パイプ1の基端部を接続し、主燃料油流出パイプ1の中途部には、第1電動流量調整弁V1と第1流量計R1をこの順番で直列的に配設している。また、副燃料油を収容した副燃料油タンクT2の底部に、副燃料油流出パイプ2の基端部を接続し、副燃料油流出パイプ2の中途部には、第2電動流量調整弁V2と第2流量計R2をこの順番で直列的に配設している。そして、主燃料油流出パイプ1の先端部と副燃料油流出パイプ2の先端部を接続して、この接続部に混合燃料導入パイプ3の基端部を接続するとともに、混合燃料導入パイプ3の先端部を第1流体混合器M1の導入口に接続している。
また、水を収容した水タンクT3の底部に、水流出パイプ4の基端部を接続している。水流出パイプ4の中途部には、第3電動流量調整弁V3と第3流量計R3をこの順番で直列的に配設している。そして、水流出パイプ4の先端部と、第1流体混合器M1の導出口に基端部を接続した混合燃料流出パイプ5の先端部とを接続して、この接続部に水混合燃料導入パイプ6の基端部を接続するとともに、水混合燃料導入パイプ6の先端部を第2流体混合器M2の導入口に接続し、水混合燃料導入パイプ6の中途部には、電動ポンプPを配設している。混合燃料流出パイプ5の中途部には、第4電動流量調整弁V4を配設し、また、水混合燃料導入パイプ6の基端部には、第5電動流量調整弁V5を配設している。ここで、第1・第2電動流量調整弁V1,V2の開口量(開度)により、主・副燃料油の混合割合が調整される。また、第3・第4電動流量調整弁V3,V4の開口量(開度)により、水と混合燃料油との混合割合が調整される。
電動ポンプPは、水混合燃料導入パイプ6中の混合燃料油と水との合流流体を吸入するとともに、第2流体混合器M2に向けて吐出(圧送)して、第2流体混合器M2に合流流体が導入されるようにしている。第2流体混合器M2の導出口には、水混合燃料導出パイプ7の基端部を接続し、水混合燃料導出パイプ7の先端部は、エンジンEの燃料室の給入口に接続している。
水混合燃料導出パイプ7における第2流体混合器M2の導出口近傍に位置する部分には、水混合燃料循環パイプ8の基端部を接続する一方、水混合燃料導入パイプ6における電動ポンプPの上流側に位置する部分には、水混合燃料循環パイプ8の先端部を接続して、循環流路Jを形成している。水混合燃料導出パイプ7の分岐部分の下流側には、第6電動流量調整弁V6を配設し、水混合燃料循環パイプ8の中途部には、圧力調整弁V7を配設している。R5は、第6電動流量調整弁V6の下流側に位置する水混合燃料導出パイプ7の部分に配設した第5流量計である。
第1流体混合器M1としては、主燃料油と副燃料油を均一に混合・撹拌することができるものであればよい。例えば、特許第3623044(図1〜図6)に開示されている「撹拌装置」を採用することができる。この「撹拌装置」は、撹拌槽内の液中に、回転駆動源としての電動モータMoに連結した回転軸に取り付けられる混合回転体を配設するものであって、混合回転体は、上下2枚の円板を一組みとして重ね合わせ、上方の円板の中央には流入口を形成するとともに、互いに対向する前面には、前方開口する筒状の小室を多数配列させて形成し、上方の円板の小室と、下方の円板の小室とは互いの小室が対向する他の小室に連通する様に位置を違えて配列させて、複数の異なる流体を混合・撹拌することができる装置である。本実施形態では、複数の異なる流体として、主・副燃料油タンクから供給された主・副燃料油を採用している。
第2流体混合器M2としては、導入した分散質としての水を微細化するとともに、導入した分散媒としての混合燃料油に均一化させることができるものであればよい。望ましくは、本実施形態の第2流体混合器M2のように、導入した分散質としての水の80%以上を1μm以下の粒径まで微細化して微小な水粒となすとともに、導入した分散媒としての混合燃料油に均一化させることができるもの、例えば、特許第3884095号(図15〜図23)に開示されている「流体混合装置」を採用することができる。この「流体混合装置」は、駆動部を持たない静止型流体混合装置であって、ユニット内部にハニカム構造のエレメントを直列的に配置して、複数の異なる流体(本実施形態では水と混合燃料油)を加圧通過させてせん断力を作用させることにより、超微粒化かつ均一化混合を短時間で実現する装置である。
上記のように構成した生成装置Aには、図2に示すようなコントローラCを設けており、コントローラCは、内部バスにより相互に接続されたCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)等を備えたコンピュータ装置である。CPUは、タイマを内蔵しており、ROMに格納された制御プログラムをRAMに読み込み、この制御プログラムにしたがって、主・副燃料油や水の添加割合等の演算を実行する。
コントローラCには、図2に示すように、操作部Opと第1〜第5流量計R1〜R5からの各出力情報が入力インターフェースを介して入力される一方、コントローラCは、これらの出力情報に基づいて制御情報を生成し、第1〜第6電動流量調整弁V1〜V6と、圧力調整弁V7と、第1流体混合器M1を駆動する電動モータMoと、電動ポンプPと、電動三方弁Vcに出力インターフェースを介して制御情報を出力する。
上記のように構成した生成装置Aでは、操作部Opを手動操作して、主燃料油と副燃料油との所望の混合重量割合を設定することで、所望の主・副燃料油量[kg]がそれぞれ算出されて、それに適応した第1・第2電動流量調整弁V1,V2の各開口量が決定されるとともに、決定された各開口量に第1・第2電動流量調整弁V1,V2が開口動作する。そして、第1・第2電動流量調整弁V1,V2をそれぞれ通して流動する各主・副燃料油の各流量が第1・第2流量計R1,R2によりそれぞれ検出されて、各検出情報がコントローラCに入力される。設定された主・副燃料油の所望の混合割合が得られるまで第1・第2電動流量調整弁V1,V2の各開口量がフィードバック制御される。つまり、主・副燃料油の各流量が設定量となるまで制御される。そして、第1流体混合器M1により主・副燃料油が混合・撹拌されて混合燃料油が生成される。
続いて、操作部Opを手動操作して、水と、第1流体混合器M1により生成された混合燃料油との所望の混合重量割合を設定することで、所望の水の添加量[kg]と混合燃料油量[kg]が算出されて、それに適応した第3・第4電動流量調整弁V3,V4の各開口量が決定されるとともに、決定された各開口量に第3・第4電動流量調整弁V3,V4が開口動作する。そして、第3・第4電動流量調整弁V3,V4をそれぞれ通して流動する各流体(水と混合燃料油)の各流量が第3・第4流量計R3,R4によりそれぞれ検出されて、各検出情報がコントローラCに入力される。設定された所望の水と混合燃料油との混合割合が得られるまで第3・第4電動流量調整弁V3,V4の各開口量がフィードバック制御される。つまり、水と混合燃料油の各流量が設定量となるまで制御される。
所望の水の添加割合が得られるようになった混合流体は、第5電動流量調整弁V5を開口させることで、電動ポンプPにより水混合燃料導入パイプ6を通して第2流体混合器M2内に導入されて、第2流体混合器M2内で分散質の水の平均水粒径が500nm〜1μmに微細化された微小な水粒となるとともに、分散媒としての混合燃料油中に均一化されて水混合燃料が生成される。生成された水混合燃料は、第6電動流量調整弁V6が適度に開口されることで、エンジンEの燃焼室に供給される。また、第6電動流量調整弁V6が閉口され、かつ、圧力調整弁V7が開口されるとともに、電動三方弁Vcが流路切替動作されると、循環流路Jが第2流体混合器M2と連通される。この場合、水混合燃料は、循環流路J内で循環されて、複数回にわたって第2流体混合器M2で混合・撹拌されて、分散質である水滴の一層の微細化が図られる。
[他実施形態についての説明]
他実施形態として、水に代えて廃水を適用することで廃水混合燃料を生成することもできる。すなわち、廃水混合燃料は、排ガス処理に使用するスクラバ装置(洗浄集塵装置)において、スクラバ処理(洗浄集塵処理)後に生成される廃水を水として使用している。スクラバ装置は、図3に示す後述の廃水混合燃料生成・供給システム(以下、「生成・供給システム」と略称することもある。)Sに備えられている。
生成・供給システムSでは、スクラバ処理後に生成される廃水Wwを廃棄処理することなく、混合燃料油と混合・撹拌することで、廃水混合燃料を生成することができる。その結果、廃水Wwを廃棄処理する手間や費用を削減することができるとともに、廃水Wwを有効利用することができる。この際、スクラバ処理の溶媒として水道水を使用した場合、スクラバ処理後に生成される廃水Wwには、排ガス中に含まれる有機物及び無機物が混入される。そのため、生成された廃水混合燃料を燃焼させると、さらに硫酸が発生することや、廃水混合燃料の硫黄分濃度が高くなることが予測される。その場合には、廃水Wwと燃料油との混合・撹拌時に硫酸を発生(脱硫)させることで、廃水混合燃料中の硫黄分濃度を低減することができる。また、スクラバ処理の溶媒として水酸化ナトリウム水を使用することで、廃水WwのpH値を上昇させることが可能であり、また、スクラバ処理の溶媒として石灰水を使用することで、窒素酸化物や硫黄酸化物が混入した石膏として捕集することが可能である。これらより、混合燃料油中の硫黄分濃度を0.1%以下となるように設定することで、廃水混合燃料硫酸の発生もしくは硫黄分濃度を大幅に削減することができる。
より具体的に生成・供給システムSの構成を説明すると、生成・供給システムSは、図3に示すように、燃焼装置としての内燃機関であるエンジンEに設けた排気口に排気流路9の基端部を接続し、排気流路9の中途部に電動三方調整弁Vc1を介して排ガス再循環流路Jrの基端部を接続して、エンジンEから排気流路9を通して排出された排気(排ガス)の一部を電動三方調整弁Vc1により排ガス再循環流路Jrに流入させている。一方、エンジンEに設けた吸気口に吸気流路10の先端部を接続して、吸気流路10の中途部に排ガス再循環流路Jrの先端部を接続している。Paは、排ガス再循環流路Jrに設けた排ガス再循環ポンプであり、排ガス再循環ポンプPaにより排ガス再循環流路Jrを通してエンジンEから排出された排気(排ガス)の一部を、エンジンEに吸入させて再循環させるようにしている。
このように構成して、生成・供給システムSには、排気再循環システム(Exhaust Gas Recirculation:EGR)を形成しており、排気(排ガス)の一部を吸気に戻すことで、エンジンEの燃焼室内部の酸素濃度を低減させている。これにより燃焼温度を下げることができるため、NO(窒素酸化物)の生成量を抑制(低減)することができる。
しかも、排ガス再循環流路Jrの中途部には、湿式排ガス浄化手段としてのスクラバ装置Skを設けている。スクラバ装置Skは、排ガス再循環流路Jr内を流動する排気(排ガス)を処理水に気液接触させることで、浄化処理した浄化処理済ガスを生成して、浄化処理済ガスと吸気とを混合し、混合気体を吸気流路の下流側部を通してエンジンEの吸気口に送気するとともに、排気(排ガス)中のダストを捕捉した処理済液を廃水Wwとなしている。
スクラバ装置Skは、生成装置Aの水タンクT3に代えて、生成装置Aに接続している。すなわち、スクラバ装置Skは、廃水供給流路としての廃水流出パイプ4aを介して混合燃料流出パイプ5の先端部と接続して、廃水流出パイプ4aと混合燃料流出パイプ5をそれぞれ通して第2流体混合器M2内に廃水Wwと混合燃料油を供給し、供給した廃水Wwと混合燃料油とを、第2流体混合器M2により混合・撹拌して廃水混合燃料を生成し、生成した廃水混合燃料をエンジンEの燃焼室に供給するようにしている。
廃水Wwと混合する混合燃料油は、粘度の比較的小さい主燃料油と、粘度の比較的大きい副燃料油とを混合したものである。主・副燃料油の混合重量割合は、水混合燃料の場合と同様である。つまり、副燃料油は、主燃料油の重量の30%以下の重量割合となし、例えば、主燃料油としては、軽油やA重油やバイオ燃料を使用する一方、副燃料油としては、C重油や石炭油(例えば、名称がJAOやJBO等)を使用することができる。
廃水Wwの積算体積の80%の水粒径は、第2流体混合器M2により10μm以下、望ましくは、1μm以下となるように微細化している。より望ましくは、平均水粒径が500nm〜1μmとなるように微細化している。混合燃料油と廃水Wwの体積比は、水混合燃料の場合と同様に、70:30となすのが望ましい。
生成・供給システムSでは、スクラバ装置Skにおいて生成された廃水Wwと、燃料油供給部としての主・副燃料油タンクT1,T2から供給された主・副燃料油とを、第2流体混合器M2により混合・撹拌して廃水混合燃料を生成し、生成した廃水混合燃料をエンジンEの燃焼室に供給するようにしているため、廃水Wwを廃水混合燃料の一部として有効利用することができる。そのため、廃水Wwを廃棄処理する廃棄処理装置を不要として、その分、システムの構築コストを低減させることができる。
そして、粘度の比較的小さい主燃料油に、粘度の比較的大きい副燃料油を添加して混合することで、主燃料油よりも粘度が増大した混合燃料油となすことができて、この混合燃料油と、それに混合する廃水Wwとの粘度差を増大させることができる。そのため、混合燃料油と廃水Wwを混合・撹拌した際には、混合燃料油が廃水Wwに作用するせん断応力が増加されて、廃水Wwの微細化が促進される。したがって、第2流体混合器M2により混合燃料油と廃水Wwを混合・撹拌することで、ナノレベル化(水粒径が1μm以下)された水粒を含む廃水混合燃料を堅実に生成することができる。
ここでの主・副燃料油の混合割合としては、副燃料油の重量が、主燃料油の重量の30%以下となるようにしているため、粘度が高い副燃料油は硫黄分濃度が高い傾向があるが、主燃料油を硫黄分濃度が低い燃料と組み合わせることで硫黄分濃度を抑制することができる。そのため、混合する主・副燃料油が含有する硫黄分の合計が0.1%以下となるようにする規制に適応する廃水混合燃料を生成することができる。さらに、このような廃水混合燃料は、粘度の比較的低い燃料を主とする内燃機関および外燃機関において加温なしで使用できる。
しかも、主燃料油としては、軽油やA重油を使用する一方、副燃料油としては、C重油や石炭油を使用することで、廃水Wwとの粘度差が堅実に確保された混合燃料油となすことができて、このような混合燃料油と廃水Wwを混合・撹拌装置により混合・撹拌することで、ナノレベルに微細化された水粒を含む廃水混合燃料を堅実に生成することができる。
さらには、廃水Wwを、その積算体積の80%の水粒径が1μm以下となるように微細化することで、NOx濃度が低減されるとともに、燃費が改善される。
また、廃水Wwを、その平均水粒径が500nm〜1μmとなるように微細化することで、NOx濃度の低減率と燃費の改善を良好に実現することができる。ここで、平均水粒径が1μm以下においては、NOx濃度の低減率が悪化する一方、燃費は向上する。つまり、NOx濃度の低減率と燃費は、トレードオフの関係にあると言えるが、平均水粒径が500nm以上においては、NOx濃度の適度な低減率と燃費の改善を実現することができる。また、混合燃料油と廃水Wwの体積比は、70:30となすことで、燃費を大幅に改善することができる。
水混合燃料は,式(1)に示すように,水性ガス反応と呼ばれる吸熱反応を伴い、水のミクロ爆発から燃焼温度を低下できる。さらに、燃料と空気の接触面積が飛躍的に増加することから、式(2)および式(3)に示すように、燃焼性が改善され全体の熱量が増加し、水添加による燃焼性が改善されるものである。これらは、拡散燃焼もしくは蒸発燃焼の燃焼形態が水の効果を左右させるものと推測される。
次に、本実施形態に係る生成装置Aにより水混合燃料を生成する実験を行った結果と、その実験結果の考察を述べる。
[実験装置]
(1)第1流体混合器M1
第1流体混合器M1としては、特許第3623044(図1〜図6)に開示されている「撹拌装置」である(株)ナノクス製の「ラモンドスターラー」(商品名)を採用した。
(2)第2流体混合器M2
第2流体混合器M2としては、特許第3884095号(図15〜図23)に開示されている「流体混合装置」である(株)ナノクス製の「ラモンドナノミキサー」(商品名)を採用した。この「ラモンドナノミキサー」は、均一混合が難しいとされる高粘度液・異相分散系でより力を発揮できるものである。
(3)排ガス分析器
排ガスの分析は、テスト製testo 350を用いた。計測は、NO、NO、SO、CO(ppmv)、CO、O(%)である。排ガスの一部(約0.9L/min)を吸引させた。
(4)ディーゼルエンジン
エンジンの諸元を図4に一覧表にして示す。クボタ製EA14-NBを用いた。EA14-NBは、直接噴射式1気筒4サイクルディーゼルエンジンであり,ボアが94mm,ストローク90mm、すなわち、624cc,定格出力が2600rpm時に11.5PSである。
[実験方法]
界面活性剤(乳化剤)を用いない生成装置Aによる生成手法は、A重油とC重油を第1流体混合器M1により混合して混合燃料となし、その後に、混合燃料に水(水道水)を第2流体混合器M2により混合して生成した。エンジン負荷は25%、50%、75%の3パターンで,回転数は2600回転で固定とした。
[燃料の性状]
燃料の性状について、図5に一覧表にして示す。動粘度は、A重油が約2.587mm2/sに対し、C重油は約154mm2/sと非常に高いことが分かる。A重油66.5%に対しC重油を3.5%、すなわち、重油燃料比5%混合、すなわち、動粘度が約10.2mm2/s(50℃)と推測できる。さらに、水が混合することで、粘度が約20mm2/s(50℃)まで上昇することが考えられるが、A重油専用、すなわちボア180mm以下のディーゼル機関に対応できるものと考えられる。
[実験結果および考察]
図6に、水混合燃料の顕微鏡撮影結果を示す。a)が界面活性剤2%混入させたA重油エマルジョン燃料、b)が界面活性剤を不要としたC重油水混合燃料、c)がC重油を添加したA重油水混合燃料である。
平均水粒径は、a)が2μm,b)が100nm,c)が1μmである。a)とc)を比べると、C重油を添加することで水粒径が安定したと言える。これは、b)でみられるように、水と重油の粘度差が混合性に大きく関係していると予測されることから、C重油の添加により粘度が上昇したことで界面活性剤を不要となったと言える。
[エンジンの基本性能]
実験結果を図7に示す。a)がA重油の実験結果、b)がC重油の実験結果である。
A重油は、NO濃度が5.8〜6.72g/kWhと多少の増減が確認でき、CO、COおよびSO濃度が負荷の増加で減少する傾向にあった。2000rpm以上のディーゼルエンジンはIMO2次規制の排出量が7.7g/kWh以下であることからIMO2次規制に対応したエンジンと言える。次に、C重油は、NO濃度が4.98〜5.75g/kWhとA重油に比べて低い値となった。また、難燃油であることから、CO、CO濃度が非常に多く、さらに硫黄分濃度がA重油に比べ約3倍となったことから、濃度も2倍〜3倍増加した。これは、燃料油中の硫黄分の一部がPM(particulate matter)になることが要因である。
図8に燃費の一覧表を示す。燃料消費量は、A重油は負荷25%が0.950kg/h、すなわち、449.2g/kWh、負荷50%が1.290kg/h、すなわち、305.1g/kWh、負荷75%が1.809kg/h、すなわち、285.2g/kWhであった。C重油は負荷25%が1.224kg/h、すなわち、579.1g/kWh、負荷50%が1.622kg/h、すなわち、383.4g/kWh、負荷75%が2.250kg/h、すなわち、354.7g/kWhであった。
[水混合燃料の実験結果]
A重油66.5%、C重油3.5%、水30%の水混合燃料の実験結果を、図9に示す。この燃料を混合油水混合燃料と呼ぶこととする。NOにおいて負荷25%では約40%の低減であったものの、負荷が増加することで60%以上の低減が見られた。SOが40%程度増加しているが、C重油添加による影響であり、さらに、CO濃度が顕著に増加している。これらから、水添加による排出がなされていることが言える。
図10に燃料消費量を一覧表にして示す。図8と比べると、混合油水混合燃料は、10%以上燃費が改善できている。また、低負荷時においても燃費改善が見られ、水粒径が小さくなったことが大きな要因であると言える。
[考察]
A重油にC重油を5%添加することで粘度が向上し、界面活性剤(乳化剤)を不要とした燃料が開発できた。しかしながら、硫黄分濃度が増加し、SOの増加が懸念される。この点、石炭油は、硫黄分濃度が0.5%と低く、C重油と同様に非常に粘度が高いことから、石炭油の活用が期待できる。
[結言]
本実験は、以下の実験成果を得た。
1.A重油にC重油を5%添加することで粘度が向上し、界面活性剤を不要とした燃料が開発できた。
2.混合油水混合燃料は約70%低減されており、IMO3次規制レベルまで排ガス低減でき、さらに燃費が約10%程度低減できた。
A 生成装置
M1 第1流体混合器
M2 第2流体混合器
1 主燃料油流出パイプ
2 副燃料油流出パイプ
3 混合燃料導入パイプ
4 水流出パイプ
5 混合燃料流出パイプ
6 水混合燃料導入パイプ
7 水混合燃料導出パイプ
8 水混合燃料循環パイプ

Claims (8)

  1. 粘度の比較的低い主燃料油と、粘度の比較的高い副燃料油とを混合することで混合燃料油となし、
    この混合燃料油と水を混合して、乳化剤を用いることなく生成したことを特徴とする水混合燃料。
  2. 副燃料油は、主燃料油の重量の30%以下の重量割合となしたことを特徴とする請求項1記載の水混合燃料。
  3. 主燃料油としては、軽油やA重油を使用する一方、副燃料油としては、C重油や石炭油を使用することを特徴とする請求項1又は2記載の水混合燃料。
  4. 水は、その積算体積の80%の水粒径が1μm以下となるように微細化したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の水混合燃料。
  5. 水は、その平均水粒径が500nm〜1μmとなるように微細化したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の水混合燃料。
  6. 混合燃料油と水の重量比は、70:30となしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の水混合燃料。
  7. 水としては、排ガス処理に使用するスクラバ装置において、スクラバ処理後に生成される廃水を使用したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の廃水混合燃料。
  8. 粘度の比較的低い主燃料油を供給する主燃料供給部と、粘度の比較的高い副燃料油を供給する副燃料供給部と、主燃料油と副燃料油を一定の割合で混合して混合燃料油となす第1流体混合部と、添加水を供給する添加水供給部と、混合燃料油と添加水を一定の割合で混合して水混合燃料となす第2流体混合部と、を具備していることを特徴とする水混合燃料生成装置。
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