JP2017222577A - 皮膚外用剤の製造方法並びに該製造方法により製造した皮膚外用剤 - Google Patents

皮膚外用剤の製造方法並びに該製造方法により製造した皮膚外用剤 Download PDF

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Abstract

【課題】アトピー性皮膚炎等の皮膚機能を改善する皮膚外用剤の提供を図る。【解決手段】皮膚外用剤10の製造方法であって、夫々所定分量の枇杷葉乾燥物11と忍冬乾燥物12と金銀花乾燥物13と続断乾燥物14と甘草乾燥物15とを各々所定分量の溶媒液16に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後にろ過して各種成分抽出液(枇杷葉成分抽出液11a、忍冬成分抽出液12a、金銀花成分抽出液13a、続断成分抽出液14a、甘草成分抽出液15a)を生成し、生成された各種成分抽出液を各々所定分量にて混合して混合液17を得て、得られた混合液17を冷暗所にて所定期間寝かせた後にその上澄み液を分離抽出して生成される。【選択図】図1

Description

本発明は、皮膚外用剤に関し、詳しくは、アトピー性皮膚炎等の皮膚機能を改善する皮膚外用剤並びにその製造方法に関するものである。
従来のアトピー性皮膚炎等の皮膚機能を改善する皮膚外用剤は、自然由来成分の他に化学工業製剤を含有するもので、使用する人によっては、該化学工業製剤が起因することによってアネルギー症状や合併症などの副作用が発症する可能性があった。
従来より、アトピー性皮膚炎等の皮膚機能を改善する皮膚外用剤が開発されている。例えば、抗痒み効果に優れ、アトピー性皮膚炎,老人性乾皮症,人工透析患者等における皮膚の強い掻痒感及び皮膚炎症の緩和に有効で、さらに連用しても副作用がなく、安全性にも優れる皮膚外用剤並びに食品を得ることができる「抗痒み効果に優れる皮膚外用剤並びに食品」(特許文献1参照)が提案され、公知技術となっている。
しかしながら、上記における抗痒み効果に優れる皮膚外用剤並びに食品に関する提案は、ケミカルメディエイター遊離抑制剤の1種又は2種以上と、黄色ブドウ球菌エンテロトキシン産生抑制剤の1種又は2種以上と、抗炎症剤の1種又は2種以上とを含有して製造される皮膚外用剤並びに食品の提案であって、本発明のような自然由来の漢方成分ならびにアルコール水溶液(ホワイトリカー)を使用して製造されるアトピー性皮膚炎剤ではなかった。
また、アトピー性皮膚炎、敏感肌等に伴う肌荒れを予防又は改善することができる「化粧料」(特許文献2参照)が提案され、公知技術となっている。
しかしながら、上記における化粧料に関する提案は、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、ニコチニックアルコール、ニコチニックアルコール塩からなる群より選択される1種又は2種以上と、炎症抑制効果を有する植物の圧搾物又は抽出物とを含有して製造される化粧料の提案であることから、上記同様、本発明のような自然由来の漢方成分ならびにアルコール水溶液(ホワイトリカー)を使用して製造されるアトピー性皮膚炎剤ではなかった。
また、ビワの乾燥葉をアルコール−水混液に浸漬して有効成分を抽出した後、この混液からビワの葉および葉の表面の葉毛を除去し、次いで混液を濃縮した後、軟膏基剤を加えて均一に攪拌することによりアトピー性皮膚炎の治療に用いて有効な「ビワの葉抽出軟膏基剤の製造方法およびそれにより得られたビワの葉抽出軟膏基剤」(特許文献3参照)が提案され、公知技術となっている。
上記におけるビワの葉抽出軟膏基剤の製造方法およびそれにより得られたビワの葉抽出軟膏基剤に関する提案は、下記の工程(a)〜(c)を有することを特徴とするビワの葉抽出軟膏製剤の製造方法である。すなわち、(a) 乾燥したビワの葉を30〜40%程度のアルコールを含む水−アルコール混液に浸漬し、室温で1ヶ月以上放置する工程と、(b)前記混液からビワの葉を除去すると共に、混液中に残留するビワの葉の表面の葉毛を除去する工程と、(c)前記混液を濃縮した後、軟膏基剤を加えて均一に攪拌する工程と、から製造されるビワの葉抽出軟膏基剤の提案である。したがって、主にビワの葉による効能効果(化痰)にのみ傾倒するものであり、本発明のような忍冬や金銀花、続断、甘草などの幅広い効能効果を有するものではなかった。
本出願人は、以上のような従来から提案されているアトピー性皮膚炎等の皮膚機能を改善する皮膚外用剤の製造方法において、漢方薬等の自然由来成分における薬効効果に着目し、アトピー性皮膚炎等の皮膚機能を改善する皮膚外用剤の製造方法とその製造方法から製造される皮膚外用剤を開発し、本発明における「皮膚外用剤の製造方法並びに該製造方法により製造した皮膚外用剤」の提案に至るものである。
特開2003−89658号公報 特開2003−12495号公報 特開平7−69909号公報
本発明は、上記問題点に鑑み、アトピー性皮膚炎等の皮膚機能を改善する皮膚外用剤とその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は、皮膚外用剤の製造方法であって、夫々所定分量の枇杷葉乾燥物と、忍冬乾燥物と、金銀花乾燥物と、続断乾燥物と、甘草乾燥物と、を各々所定分量の溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後にろ過して各種成分抽出液(枇杷葉成分抽出液,忍冬成分抽出液,金銀花成分抽出液,続断成分抽出液,甘草成分抽出液)を生成し、生成された各種成分抽出液を各々所定分量にて混合して混合液を得て、得られた混合液を冷暗所にて所定期間寝かせた後にその上澄み液を分離抽出して生成される手段を採る。
また、本発明は、前記皮膚外用剤の製造方法において、前記溶媒液の分量1リットルに対し、前記枇杷葉乾燥物の分量が50〜100g、前記忍冬乾燥物の分量が50〜100g、前記金銀花乾燥物の分量が50〜100g、前記続断乾燥物の分量が120〜160g、前記甘草乾燥物の分量が120〜160gである手段を採用する。
さらに、本発明は、前記皮膚外用剤の製造方法において、前記混合液における各種成分抽出液の混合割合が、枇杷葉成分抽出液42〜50%(v/v)、忍冬成分抽出液4〜12%(v/v)、金銀花成分抽出液14〜22%(v/v)、続断成分抽出液2〜8%(v/v)、甘草成分抽出液16〜24%(v/v)である手段を採る。
またさらに、本発明は、前記皮膚外用剤の製造方法において、前記溶媒液がアルコール水溶液から成る手段を採用する。
そしてまた、本発明は、皮膚外用剤であって、枇杷葉乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた枇杷葉成分抽出液と、忍冬乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた忍冬成分抽出液と、金銀花乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた金銀花成分抽出液と、続断乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた続断成分抽出液と、甘草乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた甘草成分抽出液と、を各々所定分量にて混合して得られた混合液を冷暗所にて所定期間寝かせた後にその上澄み液を分離抽出して成る構成となっている。
さらにまた、本発明は、皮膚外用剤であって、枇杷葉乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた枇杷葉成分抽出液と、忍冬乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた忍冬成分抽出液と、金銀花乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた金銀花成分抽出液と、続断乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた続断成分抽出液と、甘草乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた甘草成分抽出液と、を各々所定分量にて混合して得られた混合液を冷暗所にて所定期間寝かせた後にその上澄み液を分離抽出して生成される原液を希釈液で希釈して成る構成となっている。
またさらに、本発明は、前記皮膚外用剤において、前記溶媒液の分量1リットルに対し、前記枇杷葉乾燥物の分量が50〜100g、前記忍冬乾燥物の分量が50〜100g、前記金銀花乾燥物の分量が50〜100g、前記続断乾燥物の分量が120〜160g、前記甘草乾燥物の分量が120〜160gである構成を採用し得る。
そしてまた、本発明は、前記皮膚外用剤において、前記混合液が、枇杷葉成分抽出液42〜50%(v/v)、忍冬成分抽出液4〜12%(v/v)、金銀花成分抽出液14〜22%(v/v)、続断成分抽出液2〜8%(v/v)、甘草成分抽出液16〜24%(v/v)の混合割合から成る構成を採用し得る。
さらにまた、本発明は、前記皮膚外用剤において、前記溶媒液がアルコール水溶液から成る構成を採用することができる。
本発明にかかる皮膚外用剤の製造方法並びに該製造方法により製造した皮膚外用剤によれば、漢方薬である枇杷葉乾燥物と、忍冬乾燥物と、金銀花乾燥物と、続断乾燥物と、甘草乾燥物を使用しているため、かゆみ止めやシミ予防、美白、虫刺され炎症、アトピー症状、清熱解毒、五臓寒熱、抗炎症、抗酸化作用、活性酸素消去作用、抗菌作用、など多くの作用効果を備え、また、薬剤による副作用がない、といった優れた効果を奏するものである。
また、本発明にかかる皮膚外用剤の製造方法並びに該製造方法により製造した皮膚外用剤によれば、原材料の全てが自然由来成分で生成されているため、アレルギー症状が発生し難い、といった優れた効果を奏するものである。
さらに、本発明にかかる皮膚外用剤の製造方法並びに該製造方法により製造した皮膚外用剤によれば、アトピー性皮膚炎等の内在的原因といわれる体内の冷え性の改善をはじめ、代謝不足により蓄積された老廃物や汚れた血液や化痰の排除、体表に向かう炎症の元の排除などに優れた効果を発揮するものである。
またさらに、本発明にかかる皮膚外用剤の製造方法並びに該製造方法により製造した皮膚外用剤によれば、スプレー剤や軟膏剤などに応用し、患部に直接塗り込むことで迅速な薬効に資する、といった優れた効果を奏する。
さらにまた、本発明にかかる皮膚外用剤の製造方法並びに該製造方法により製造した皮膚外用剤によれば、漢方の概念(気の流れ)と美の黄金比(1:1.618)を組み合わせたものとして、優れた薬効を得ることができる。
本発明にかかる皮膚外用剤の製造方法を示すチャート図である。 本発明にかかる皮膚外用剤の製造方法における分量表である。 本発明にかかる皮膚外用剤の製造方法における分量比率を示す算出表である。 本発明にかかる皮膚外用剤の五臓別寒熱数表である。 本発明にかかる皮膚外用剤の実験例を示す効果表である。
本発明は、皮膚外用剤10並びにその製造方法であって、夫々所定分量の枇杷葉乾燥物11と、忍冬乾燥物12と、金銀花乾燥物13と、続断乾燥物14と、甘草乾燥物15と、を各々所定分量の溶媒液16に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後にろ過して各種成分抽出液(枇杷葉成分抽出液11a、忍冬成分抽出液12a、金銀花成分抽出液13a、続断成分抽出液14a、甘草成分抽出液15a)を生成し、生成された各種成分抽出液を各々所定分量にて混合して混合液17を得て、得られた混合液17を冷暗所にて所定期間寝かせた後にその上澄み液を分離抽出して生成されることを最大の特徴とする。
以下、本発明にかかる皮膚外用剤10の製造方法並びに該製造方法により製造した皮膚外用剤10の実施形態を、図面に基づいて説明する。
尚、本発明は、以下に述べる実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状や寸法、分量等の範囲内で、適宜変更することができる。
図1は、本発明にかかる皮膚外用剤10の製造方法を示すチャート図である。すなわち、本発明は、皮膚外用剤10の製造方法であって、その概要は、枇杷葉乾燥物11と忍冬乾燥物12と金銀花乾燥物13と続断乾燥物14と甘草乾燥物15とを夫々溶媒液16に漬け込んで抽出した各種成分抽出液(枇杷葉成分抽出液11a、忍冬成分抽出液12a、金銀花成分抽出液13a、続断成分抽出液14a、甘草成分抽出液15a)を混合することで生成される。
各乾燥物(枇杷葉乾燥物11,忍冬乾燥物12,金銀花乾燥物13,続断乾燥物14,甘草乾燥物15)を溶媒液16に浸漬する際の分量割合の具体的な例としては、溶媒液16の分量が1リットルに対し、枇杷葉乾燥物11の分量が50〜100g、忍冬乾燥物12の分量が50〜100g、金銀花乾燥物13の分量が50〜100g、続断乾燥物14の分量が120〜160g、甘草乾燥物15の分量が120〜160gとする。
各乾燥物(枇杷葉乾燥物11,忍冬乾燥物12,金銀花乾燥物13,続断乾燥物14,甘草乾燥物15)の溶媒液16への浸漬期間については、乾燥物の種類によって成分抽出速度が異なるため、一概に決定し得るものではないが、各乾燥物(枇杷葉乾燥物11,忍冬乾燥物12,金銀花乾燥物13,続断乾燥物14,甘草乾燥物15)の成分が抽出されるのに充分な期間であって、概ね2週〜3ヶ月の任意の期間とする。
このとき、溶媒液16において抽出成分に成分変化が生じないよう、各乾燥物(枇杷葉乾燥物11,忍冬乾燥物12,金銀花乾燥物13,続断乾燥物14,甘草乾燥物15)が浸漬された溶媒液16は、冷暗所にて保管しつつ成分抽出が為される。
ところで、本発明で用いられる溶媒液16は、乾燥物の成分を抽出し得るものであれば、その具体的種類・成分等について特に限定するものではないが、例えばアルコール水溶液(ホワイトリカー)が用いられる。アルコール水溶液(ホワイトリカー)は、製糖残渣の廃糖蜜を発酵させ、連続式蒸留器で得たエタノールに加水して醸造されるもので、アルコール純度36%未満とした日本の酒税法における甲類焼酎に属し、無色透明で香りやクセも無いものである。
各乾燥物(枇杷葉乾燥物11,忍冬乾燥物12,金銀花乾燥物13,続断乾燥物14,甘草乾燥物15)を溶媒液16に浸漬して所定期間経過後、成分が充分に抽出された溶媒液16は、浸漬された乾燥物を取り除くべくろ過されることで、各種成分抽出液(枇杷葉成分抽出液11a、忍冬成分抽出液12a、金銀花成分抽出液13a、続断成分抽出液14a、甘草成分抽出液15a)が生成される。
生成された各種成分抽出液(枇杷葉成分抽出液11a、忍冬成分抽出液12a、金銀花成分抽出液13a、続断成分抽出液14a、甘草成分抽出液15a)は、各々所定分量にて混合することで、混合液17が生成される。
各種成分抽出液(枇杷葉成分抽出液11a、忍冬成分抽出液12a、金銀花成分抽出液13a、続断成分抽出液14a、甘草成分抽出液15a)を混合して混合液17を得る際の混合割合の具体的な例としては、枇杷葉成分抽出液42〜50%(v/v)、忍冬成分抽出液4〜12%(v/v)、金銀花成分抽出液14〜22%(v/v)、続断成分抽出液2〜8%(v/v)、甘草成分抽出液16〜24%(v/v)とする。
生成された混合液17は、冷暗所にて所定期間寝かせられる。混合液17を寝かせる理由は、第一に液中の不純物を沈殿させるためであり、第二にオリ(滓)を発生させて取り除くためである。したがって、混合液17を寝かせる期間については、不純物沈殿並びにオリ(滓)発生に充分な期間であって、概ね2日〜1週の任意の期間とする。このとき、混合液17の成分変化が生じないよう、冷暗所にて保管しつつ寝かせられる。
所定期間寝かせられた混合液17は、沈殿物やオリ(滓)の混入を避けるべく、その上澄み液を分離抽出する。この分離抽出された上澄み液が、本発明にかかる皮膚外用剤10となる。
ところで、上記上澄み液をそのまま皮膚外用剤10とするのではなく、該上澄み液を原液とし、該原液を希釈液で希釈して、本発明にかかる皮膚外用剤10とする態様も可能である。すなわち、肌にとって最も効果的な成分濃度に希釈した状態で皮膚外用剤10とする態様である。
尚、希釈に用いられる希釈水について特に限定はないが、例えば水(蒸留水)やエタノール、アルコール水溶液(ホワイトリカー)、ホホバオイルなどが考え得る。
このとき、希釈倍率については特に限定するものではなく、例えばアルコール水溶液(ホワイトリカー)で希釈する場合は概ね2〜4倍程度に希釈したり、あるいは、ホホバオイルで希釈する場合は25%程度の希釈(原液:ホホバオイル=8:2)とするなど、希釈水の種類や肌に効果のある成分濃度を考慮して適宜決定すれば足りる。
ここで、アトピー性皮膚炎等の発症要因について説明する。
身体には、皮膚機能や体表部の調節の働きをする衛陽という陽気が司っており、清熱解毒薬に補益薬を加えると正気が守られていることから、皮膚機能低下は陽虚で陽気から衛陽不足になることで生じ、それがアトピー性皮膚炎等の発症要因として考え得る。アトピー性皮膚炎等の皮膚機能を改善するには、体内の冷え性の改善、代謝不足により蓄積された老廃物や汚れた血液や化痰の排除、体表に向かう炎症の元の排除(化痰)が必要となるものである。
尚、上記説明中の用語の意味は以下の通りである。
「化痰」・・・漢方における「痰」は気道だけではなく体液中に蓄積される不要産物の総称を指すものであり、化痰とは痰を無と化すという意味合いを示し、枇杷葉の効能によって達成される。
「衛陽」・・・衛気とも言われ、陽気の一部で腎の陽気よりも化生するもので皮膚を保護する役割を果たす続断の効能によって達成される。
「衛気」・・・腎陽から生まれる脈外を流れる気のことで、臓腑を温め、皮毛の開閉を促して皮膚を保護して外邪の侵入を防ぐもので、続断の効能によって達成される。
「清熱解毒薬」・・・抗炎症作用、抗酸化作用、活性酸素消去作用、抗菌・抗ウイルス作用があるとされ、金銀花ならびに忍冬の効能によって達成される。
「補益薬」・・・人体の気を補助する補気薬(甘草)ならびに人体の陽気を補助する助陽薬(続断)で構成される。
「活路」・・・経路の流れを活発にする作用がある。
本発明にかかる皮膚外用剤10並びにその製造方法においては、以上の各成分の相乗効果が発揮されるように配合して成るもので、具体的には、忍冬で活路して(忍冬は通路の力が強いとされている)、枇杷葉で化痰し、金銀花で炎症を抑え、補気薬の甘草と助陽薬の続断で腎径に陽気を送り、温補することで衛陽不足を解消して皮膚を活性化させて保護するものである。
図2は、本発明にかかる皮膚外用剤10並びにその製造方法における各乾燥物(枇杷葉乾燥物11,忍冬乾燥物12,金銀花乾燥物13,続断乾燥物14,甘草乾燥物15)と溶媒液16及び各種成分抽出液(枇杷葉成分抽出液11a、忍冬成分抽出液12a、金銀花成分抽出液13a、続断成分抽出液14a、甘草成分抽出液15a)の分量、並びに各種成分抽出液の混合量と混合液17中の成分量を示す表である。
尚、図2の表に示す各分量(混合量)は、本発明を実施する際の一例であって、本発明が当該分量(混合量)によって限定されるものではない。
枇杷葉(びわよう)乾燥物11には、ブドウ糖、蔗糖、果糖などの成分が含まれ、その中のアミグダリンという物質が化痰止咳平喘薬…痰・咳・喘息に薬効がある成分されている。近年では、該アミグダリンがビタミンB17に変化して、体温と共に暖められると体内の細胞の中にまで浸透していくことで、炎症やガン細胞の治療に効果があるとされている。
本発明にかかる皮膚外用剤10の製造方法において、枇杷葉乾燥物11=250gを溶媒液16=3600mlに浸漬して約2ヶ月間冷暗所に保存し、定期的に撹拌し二重のクッキングペーパーで濾すことによって、枇杷葉成分抽出液11a=3000mlが得られる。このとき、溶媒液16が3600mlに対し枇杷葉成分抽出液11aが3000mlと約600ml減量するのは、約2ヶ月間の保管中に自然蒸発すると共に枇杷葉乾燥物11に吸収されるためである。そして他の成分抽出液と混合して混合液17を得る際に、本発明の混合割合に則して枇杷葉成分抽出液11aを45ml用いた場合の成分量(枇杷葉成分量)は、3.748gとなる。
尚、本発明では、かかる枇杷葉成分を君薬として用いる。君薬とは、薬方を作成する際の個々の薬物の役割を説明するもので、配合薬の薬能を代表する最重要薬を意味する。
忍冬(にんどう)乾燥物12は、スイカズラの秋から冬の間の茎葉を使用した生薬で、抗菌作用や解熱作用が得られる。
本発明にかかる皮膚外用剤10の製造方法において、忍冬乾燥物12=250gを溶媒液16=3600mlに浸漬して約2ヶ月間冷暗所に保存し、定期的に撹拌し二重のクッキングペーパーで濾すことによって、忍冬成分抽出液12a=3000mlが得られる。このとき、溶媒液16が3600mlに対し忍冬成分抽出液12aが3000mlと約600ml減量するのは、約2ヶ月間の保管中に自然蒸発すると共に忍冬乾燥物12に吸収されるためである。そして他の成分抽出液と混合して混合液17を得る際に、本発明の混合割合に則して忍冬成分抽出液12aを8ml用いた場合の成分量(忍冬成分量)は、0.666gとなる。
尚、本発明では、かかる忍冬成分を臣薬として用いる。臣薬とは、君薬を助けてその効果を増し,効果の発現を早くするなどの働きをする。
金銀花(きんぎんか)乾燥物13は、スイカズラの花を乾燥した生薬で、解熱、解毒、殺菌作用などがある。化膿症、炎症などに効く托裏消毒飲(たくりしょうどくいん)や、かつて梅毒などの解毒剤に用いられる。
本発明にかかる皮膚外用剤の製造方法において、金銀花乾燥物13=250gを溶媒液16=3600mlに浸漬して約2ヶ月間冷暗所に保存し、定期的に撹拌し二重のクッキングペーパーで濾すことによって、金銀花成分抽出液13a=3000mlが得られる。このとき、溶媒液16が3600mlに対し金銀花成分抽出液13aが3000mlと約600ml減量するのは、約2ヶ月間の保管中に自然蒸発すると共に金銀花乾燥物13に吸収されるためである。そして他の成分抽出液と混合して混合液17を得る際に、本発明の混合割合に則して金銀花成分抽出液13aを18ml用いた場合の成分量(金銀花成分量)は、1.5gとなる。
尚、本発明では、かかる金銀花成分を臣薬として用いる。
続断(ぞくだん)乾燥物14は、マツムシソウ科の根を使用して助陽薬として利用されるもので、腰や下肢の筋力低下や疼痛、打撲、ねんざなどの腫脹、疼痛や、冷え性、頻尿、不正性器出血、胎動不安、乳汁分泌に効果が得られる。
本発明にかかる皮膚外用剤10の製造方法において、続断乾燥物14=500gを溶媒液16=3600mlに浸漬して約1ヶ月間冷暗所に保存し、定期的に撹拌し二重のクッキングペーパーで濾すことによって、続断成分抽出液14a=3000mlが得られる。このとき、溶媒液16が3600mlに対し続断成分抽出液13aが3000mlと約600ml減量するのは、約1ヶ月間の保管中に自然蒸発すると共に続断乾燥物14に吸収されるためである。そして他の成分抽出液と混合して混合液17を得る際に、本発明の混合割合に則して続断成分抽出液14aを5ml用いた場合の成分量(続断成分量)は、0.83gとなる。
尚、本発明では、かかる続断成分を佐薬として用いる。佐薬とは、副作用を防止すべく作用する。
甘草(かんぞう)乾燥物15は、マメ科の多年草で、根(一部の種類は根茎を含む)を乾燥させたものである。また甘草は、そのまま若しくはエキスや粉末が甘味料として用いられ、甘味成分としては、グリチルリチン、ブドウ糖、ショ糖などが含まれる。醤油の甘味料として使われるが、独特の薬臭い香気があるため使い方に注意する必要があり、欧米ではリコリス菓子やルートビアと呼ばれるソフトドリンク、リキュールの原料として盛んに利用されている。とりわけグリチルリチンの甘味成分は砂糖の50倍もあり低カロリーであるため、欧米では健康的な食品添加物と認識されている。また、甘草の健康効果としては、活性酸素を除去する、肝機能を高める、アレルギーを抑制する、ストレスを和らげる、免疫力を高める、ホルモンバランスを整える、ダイエット効果などの効能があげられる。また、生薬として、漢方では緩和作用、止渇作用があるとされ、各種の生薬を緩和・調和する目的で多数の漢方方剤に配合されている。このため、漢方ではもっとも基本的な薬草の一つと考えられており、「国老」とも称され、安中散や四君子湯、十全大補湯、人参湯など多数の漢方方剤に使われている。さらに、甘草だけで甘草湯という処方もあり(漢方で生薬を単独で使うのはまれ)、喉の痛みや、咳を鎮める効果があるとされる。とりわけ、グリチルリチンは肝機能障害、アレルギーに有効であるとされ、内服薬あるいは輸液に製剤化されている。 グリチルリチンを加水分解して得たグリチルレチンは、その消炎作用から目薬としてや美白の効果が得られる。
本発明にかかる皮膚外用剤10の製造方法において、甘草乾燥物15=500gを溶媒液16=3600mlに浸漬して約1ヶ月間冷暗所に保存し、定期的に撹拌し二重のクッキングペーパーで濾すことによって、甘草成分抽出液15a=3280mlが得られる。このとき、溶媒液16が3600mlに対し甘草成分抽出液13aが3280mlと約320ml減量するのは、約1ヶ月間の保管中に自然蒸発すると共に甘草乾燥物15に吸収されるためである。そして他の成分抽出液と混合して混合液17を得る際に、本発明の混合割合に則して甘草成分抽出液14aを20ml用いた場合の成分量(甘草成分量)は、3.048gとなる。
尚、本発明では、かかる甘草成分を使薬として用いる。使薬とは、製剤化を容易にしたり、服用し易くするものである。
総じて、混合液17=96ml中の各種成分抽出液の混合量は、本発明の混合割合に則して、概ね枇杷葉成分抽出液11a=45ml、忍冬成分抽出液12a=8ml、金銀花成分抽出液13a=18ml、続断成分抽出液14a=5ml、甘草成分抽出液14a=20mlであり、各種成分量は、枇杷葉成分量3.748g、忍冬成分量0.666g、金銀花成分量1.5g、続断成分量0.83g、甘草成分量3.048gとなる。
尚、ここでいう成分量とは、各種成分抽出液量と原料(乾燥物)の重量との割合(比率)から混合液17中の成分量を重量比として算出したものであり、実際の重量とは異なるものである。
図3は、本発明にかかる皮膚外用剤10の製造方法における分量比率を示す算出表である。
(1)甘草成分量3.048gは、金銀花成分量1.5gと忍冬成分量0.666gを足したものに黄金比率(1.618)を乗じた数と略同量となる。したがって、清熱解毒薬・巨薬(金銀花+忍冬):補気薬・使薬(甘草)の比率が、1:1.618(黄金比率)で調合されていることとなる。
(2)枇杷葉成分量3.748gは、続断成分量0.83gと金銀花成分量1.5gを足したものに黄金比率(1.618)を乗じた数と略同量となる。したがって、佐薬(続断)+巨薬(金銀花):君薬(枇杷葉)の比率が、1:1.618(黄金比率)で調合されていることとなる。
(3)金銀花成分量1.5gは、続断成分量0.83gに黄金比率(1.618)を乗じた数と略同量となる。したがって、佐薬(続断):巨薬(金銀花)の比率が、1:1.618(黄金比率)で調合されていることとなる。
このように、本発明にかかる皮膚外用剤10並びにその製造方法は、漢方の概念(気の流れ)に基づき調合され、且つ、各種成分の調合割合は、随所に美の黄金比率(1.618)が用いられているものである。
図4は、本発明にかかる皮膚外用剤10の五臓別寒熱数表であり、体内の五臓(心、肺、肝、脾、腎(胃を含む))における寒熱数を表にしたものである。
五臓別寒熱数とは、(成分量×寒熱数)÷(帰経数)の算出式で求められるもので、寒熱数はその生薬の力価を示す数値であり、帰経とは生薬が作用する部位(五臓六腑)を示すもので、その作用する部位の数が帰経数となる。また、表中の入経生薬数とは、各帰経ごとの作用する生薬数のことである。
尚、図4に示す五臓別寒熱数表において、各成分量については、図2に示す混合液中の成分量を基に、小数点二位以下を四捨五入して得られた数値を成分量とした場合について示している。
忍冬は、成分量0.7gであって寒熱数が−1、帰経数は心・肺・脾・胃の4であるため、その五臓別寒熱数は(0.7×−1)÷4=−0.175となる。
同様に、金銀花の五臓別寒熱数は(1.5×−1)÷4=−0.375、枇杷葉の五臓別寒熱数は(3.7×−1)÷2=−1.85、続断の五臓別寒熱数は(0.8×0.5)÷2=0.2、甘草の五臓別寒熱数は(3.0×0)÷6=0となる。
表によれば、各帰経ごとの寒熱数の合計は、順に心が−0.55、肺が−2.4、肝が0.2、脾が−0.55、腎が0.2、胃が−2.4となり、これら寒熱数の総計(寒熱総数)は−5.5となる。したがって、本発明にかかる皮膚外用剤10は、患部に対し寒側に作用することとなる。
一般に、アトピー性皮膚炎等の皮膚疾患は、熱証であって熱を伴うもので、患部を冷却することで症状緩和に資することとなる。そこで本発明の皮膚外用剤10によれば、寒熱総数が−5.5であって寒側に作用することから、当該寒熱数の観点においても、アトピー性皮膚炎等の皮膚機能の改善に優れた効果を発揮するものである。
ここで、本発明にかかる皮膚外用剤10の製造方法により製造した皮膚外用剤10を実際に使用して、人体(皮膚)への効果実験を行った症例について検証する。図5は、人体実験による効果を示す表である。当該実験は、症例としてアトピー性皮膚炎と診断された人(5名)に検体となってもらい、本発明にかかる皮膚外用剤10を患部に一日数回噴霧することにより行った。また、本実験で用いた皮膚外用剤10は、図2に示す混合割合により製造されたものを用いた。
図5に示される表で明らかなように、本発明にかかる皮膚外用剤10によれば、アトピー性皮膚炎に対する抗炎作用は極めて顕著である。すなわち、使用を開始して直ぐに全ての人において痒み症状が治まっており、2〜4ヶ月程度で紅斑や丘疹が治まり、乾燥性の病変(皮膚が白くカサカサした状態)にも改善が診られ、4〜6ヶ月もすると患部に潤いが戻り始め、そして10ヶ月〜1年もすれば、ほとんどの人がアトピー性皮膚炎を気にならなくなり、患部が何処か見分けがつかない程度になって、1年後にはほぼ完治に等しい程度にまで達する人がいる。このように、実験では、全ての人に症状改善が診られるという、予想以上の実験結果を得ることができた。
尚、完治に等しい程度にまで症状が改善された以後については、再発防止の為、しばらくの間(数ヶ月程度)は皮膚外用剤10を継続して噴霧し続けることが好ましいが、一旦使用をストップし、少し痒み症状が出た際など必要に応じて噴霧する程度であっても構わない。
総じて、本発明にかかる皮膚外用剤10の製造方法並びに該製造方法により製造した皮膚外用剤10によれば、漢方薬である枇杷葉乾燥物11と、忍冬乾燥物12と、金銀花乾燥物13と、続断乾燥物14と、甘草乾燥物15といった原材料の全てに自然由来成分を使用しているため、かゆみ止めやシミ予防、美白、虫刺され炎症、アトピー症状、清熱解毒、五臓寒熱、抗炎症、抗酸化作用、活性酸素消去作用、抗菌作用、など多くの作用効果を備え、特にアトピー性皮膚炎等の内在的原因といわれる体内の冷え性の改善をはじめ、代謝不足により蓄積された老廃物や汚れた血液や化痰の排除、体表に向かう炎症の元の排除などに優れた効果を奏し、また、薬剤による副作用がなく、アレルギー症状も発生し難く、さらには、漢方の概念(気の流れ)に基づき調合され、アトピー性皮膚炎等の皮膚に対する抗炎症作用に優れた薬効を発揮すると共に、各種成分の調合割合は各所に美の黄金比率(1.618)が用いられているため、肌の美容・健康にも優れた効果を発揮し得るものである。
尚、アトピー性皮膚炎をはじめとする皮膚疾患の場合、乾燥肌を伴う症例が多く見受けられる。本発明にかかる皮膚外用剤10は、かかる乾燥肌を改善する作用も持ち合わせているが、より肌の保湿を希望する場合には、本発明にかかる皮膚外用剤10を患部に噴霧後、ホホバオイル等の肌に良いとされる自然由来のオイルを当該患部に塗る使用態様も効果的である。このとき、皮膚外用剤10の噴霧とオイルの塗布という2回の動作が面倒であれば、希釈水としてオイル(ホホバオイル)を用いて原液を希釈して皮膚外用剤10とする態様も効果的である。
本発明にかかる皮膚外用剤10の製造方法は、一般的に安価且つ手軽に入手できる漢方乾燥物を使用して製造することができ、また、その製造手段も大掛かりな製造設備を必要とするといった煩雑でなく容易に製造可能であって、さらに、完成した皮膚外用剤10の効能は、既述した通り、従来にない優れた作用効果を発揮し得ることから、本発明の産業上の利用可能性は極めて大きいものと解する。
10 皮膚外用剤
11 枇杷葉乾燥物
11a 枇杷葉成分抽出液
12 忍冬乾燥物
12a 忍冬成分抽出液
13 金銀花乾燥物
13a 金銀花成分抽出液
14 続断乾燥物
14a 続断成分抽出液
15 甘草乾燥物
15a 甘草成分抽出液
16 溶媒液
17 混合液
従来のアトピー性皮膚炎等の皮膚機能を改善する皮膚外用剤は、自然由来成分の他に化学工業製剤を含有するもので、使用する人によっては、該化学工業製剤が起因することによってアレルギー症状や合併症などの副作用が発症する可能性があった。
図3は、本発明にかかる皮膚外用剤10の製造方法における分量比率を示す算出表である。
(1)甘草成分量3.048gは、金銀花成分量1.5gと忍冬成分量0.666gを足したものに黄金比率(1.618)を乗じた数と略同量となる。したがって、清熱解毒薬・臣薬(金銀花+忍冬):補気薬・使薬(甘草)の比率が、1:1.618(黄金比率)で調合されていることとなる。
(2)枇杷葉成分量3.748gは、続断成分量0.83gと金銀花成分量1.5gを足したものに黄金比率(1.618)を乗じた数と略同量となる。したがって、佐薬(続断)+臣薬(金銀花):君薬(枇杷葉)の比率が、1:1.618(黄金比率)で調合されていることとなる。
(3)金銀花成分量1.5gは、続断成分量0.83gに黄金比率(1.618)を乗じた数と略同量となる。したがって、佐薬(続断):臣薬(金銀花)の比率が、1:1.618(黄金比率)で調合されていることとなる。
上記課題を解決するため、本発明は、皮膚外用剤の製造方法であって、夫々所定分量の枇杷葉乾燥物と、忍冬乾燥物と、金銀花乾燥物と、続断乾燥物と、甘草乾燥物と、を各々所定分量の溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後にろ過して各種成分抽出液(枇杷葉成分抽出液,忍冬成分抽出液,金銀花成分抽出液,続断成分抽出液,甘草成分抽出液)を生成し、生成された各種成分抽出液を各々所定分量にて混合して混合液を得て、得られた混合液を冷暗所にて所定期間寝かせた後にその上澄み液を分離抽出して原液を生成し、生成された原液をアルコール水溶液(ホワイトリカー)またはホホバオイルで希釈して成る手段を採る。
さらにまた、本発明は、皮膚外用剤の製造方法であって、枇杷葉乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた枇杷葉成分抽出液と、忍冬乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた忍冬成分抽出液と、金銀花乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた金銀花成分抽出液と、続断乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた続断成分抽出液と、甘草乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた甘草成分抽出液と、を各々所定分量にて混合して得られた混合液を冷暗所にて所定期間寝かせた後にその上澄み液を分離抽出して生成される原液をアルコール水溶液(ホワイトリカー)またはホホバオイルで希釈して成る構成となっている。
またさらに、本発明は、前記皮膚外用剤の製造方法において、前記溶媒液の分量1リットルに対し、前記枇杷葉乾燥物の分量が50〜100g、前記忍冬乾燥物の分量が50〜100g、前記金銀花乾燥物の分量が50〜100g、前記続断乾燥物の分量が120〜160g、前記甘草乾燥物の分量が120〜160gである構成を採用し得る。
そしてまた、本発明は、前記皮膚外用剤の製造方法において、前記混合液が、枇杷葉成分抽出液42〜50%(v/v)、忍冬成分抽出液4〜12%(v/v)、金銀花成分抽出液14〜22%(v/v)、続断成分抽出液2〜8%(v/v)、甘草成分抽出液16〜24%(v/v)の混合割合から成る構成を採用し得る。
さらにまた、本発明は、前記皮膚外用剤の製造方法において、前記溶媒液がアルコール水溶液から成る構成を採用することができる。
本発明は、皮膚外用剤10並びにその製造方法であって、夫々所定分量の枇杷葉乾燥物11と、忍冬乾燥物12と、金銀花乾燥物13と、続断乾燥物14と、甘草乾燥物15と、を各々所定分量の溶媒液16に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後にろ過して各種成分抽出液(枇杷葉成分抽出液11a、忍冬成分抽出液12a、金銀花成分抽出液13a、続断成分抽出液14a、甘草成分抽出液15a)を生成し、生成された各種成分抽出液を各々所定分量にて混合して混合液17を得て、得られた混合液17を冷暗所にて所定期間寝かせた後にその上澄み液を分離抽出して原液を生成し、生成された原液をアルコール水溶液(ホワイトリカー)またはホホバオイルで希釈して成ることを最大の特徴とする。
以下、本発明にかかる皮膚外用剤10の製造方法並びに該製造方法により製造した皮膚外用剤10の実施形態を、図面に基づいて説明する。
所定期間寝かせられた混合液17は、沈殿物やオリ(滓)の混入を避けるべく、その上澄み液を分離抽出する。この分離抽出された上澄み液が、本発明にかかる皮膚外用剤10の原液となる。
ところで、上記上澄み液をそのまま皮膚外用剤10とするのではなく、該上澄み液を原液とし、該原液を希釈液18で希釈して、本発明にかかる皮膚外用剤10とする。すなわち、肌にとって最も効果的な成分濃度に希釈した状態で皮膚外用剤10とする態様である。
尚、希釈に用いられる希釈液18については、アルコール水溶液(ホワイトリカー)またはホホバオイルを使用する
このとき、希釈倍率については特に限定するものではなく、例えばアルコール水溶液(ホワイトリカー)で希釈する場合は概ね2〜4倍程度に希釈したり、あるいは、ホホバオイルで希釈する場合は25%程度の希釈(原液:ホホバオイル=8:2)とするなど、希釈液18の種類や肌に効果のある成分濃度を考慮して適宜決定すれば足りる。
尚、アトピー性皮膚炎をはじめとする皮膚疾患の場合、乾燥肌を伴う症例が多く見受けられる。本発明にかかる皮膚外用剤10は、かかる乾燥肌を改善する作用も持ち合わせているが、より肌の保湿を希望する場合には、本発明にかかる皮膚外用剤10を患部に噴霧後、ホホバオイル等の肌に良いとされる自然由来のオイルを当該患部に塗る使用態様も効果的である。このとき、皮膚外用剤10の噴霧とオイルの塗布という2回の動作が面倒であれば、希釈液18としてオイル(ホホバオイル)を用いて原液を希釈して皮膚外用剤10とする態様を採用すればよい

Claims (9)

  1. 皮膚外用剤の製造方法であって、
    夫々所定分量の枇杷葉乾燥物と、忍冬乾燥物と、金銀花乾燥物と、続断乾燥物と、甘草乾燥物と、を各々所定分量の溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後にろ過して各種成分抽出液(枇杷葉成分抽出液,忍冬成分抽出液,金銀花成分抽出液,続断成分抽出液,甘草成分抽出液)を生成し、
    生成された各種成分抽出液を各々所定分量にて混合して混合液を得て、
    得られた混合液を冷暗所にて所定期間寝かせた後にその上澄み液を分離抽出して生成されることを特徴とする皮膚外用剤の製造方法。
  2. 前記溶媒液の分量1リットルに対し、前記枇杷葉乾燥物の分量が50〜100g、前記忍冬乾燥物の分量が50〜100g、前記金銀花乾燥物の分量が50〜100g、前記続断乾燥物の分量が120〜160g、前記甘草乾燥物の分量が120〜160gであることを特徴とする請求項1に記載の皮膚外用剤の製造方法。
  3. 前記混合液における各種成分抽出液の混合割合が、枇杷葉成分抽出液42〜50%(v/v)、忍冬成分抽出液4〜12%(v/v)、金銀花成分抽出液14〜22%(v/v)、続断成分抽出液2〜8%(v/v)、甘草成分抽出液16〜24%(v/v)であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の皮膚外用剤の製造方法。
  4. 前記溶媒液がアルコール水溶液から成ることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の皮膚外用剤の製造方法。
  5. 枇杷葉乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた枇杷葉成分抽出液と、忍冬乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた忍冬成分抽出液と、金銀花乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた金銀花成分抽出液と、続断乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた続断成分抽出液と、甘草乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた甘草成分抽出液と、を各々所定分量にて混合して得られた混合液を冷暗所にて所定期間寝かせた後にその上澄み液を分離抽出して成ることを特徴とする皮膚外用剤。
  6. 枇杷葉乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた枇杷葉成分抽出液と、忍冬乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた忍冬成分抽出液と、金銀花乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた金銀花成分抽出液と、続断乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた続断成分抽出液と、甘草乾燥物を溶媒液に漬け込んで冷暗所にて所定期間浸漬した後ろ過してできた甘草成分抽出液と、を各々所定分量にて混合して得られた混合液を冷暗所にて所定期間寝かせた後にその上澄み液を分離抽出して生成される原液を希釈液で希釈して成ることを特徴とする皮膚外用剤。
  7. 前記溶媒液の分量1リットルに対し、前記枇杷葉乾燥物の分量が50〜100g、前記忍冬乾燥物の分量が50〜100g、前記金銀花乾燥物の分量が50〜100g、前記続断乾燥物の分量が120〜160g、前記甘草乾燥物の分量が120〜160gであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の皮膚外用剤。
  8. 前記混合液が、枇杷葉成分抽出液42〜50%(v/v)、忍冬成分抽出液4〜12%(v/v)、金銀花成分抽出液14〜22%(v/v)、続断成分抽出液2〜8%(v/v)、甘草成分抽出液16〜24%(v/v)の混合割合から成ることを特徴とする請求項5から請求項7の何れかに記載の皮膚外用剤。
  9. 前記溶媒液がアルコール水溶液から成ることを特徴とする請求項5から請求項8の何れかに記載の皮膚外用剤。
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