JP2017221440A - 空気吸引用キャップ - Google Patents

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Abstract

【課題】作業者が被曝することなく、オス部材の流路に外界の空気を流入させる。
【解決手段】キャップ1は、内腔10aを有するハウジング10と、オス部材を接続可能な第1孔21であって、第1孔21にオス部材を接続したときオス部材と内腔10aとが連通するように構成された第1孔21と、内腔10aと外界とを連通させることができるように構成された第2孔22と、外界から第2孔22及び内腔10aを通って第1孔21へつながる経路上に設けられた一方向弁23とを備える。一方向弁23は、上記の経路に沿って外界から第1孔21に向かって流体が流れることを許可し、これとは逆向きに流体が流れることを阻止するように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、オス部材を備えるコネクタに装着して、オス部材の流路に空気を導入することを可能にする空気吸引用キャップに関する。
密閉されたバイアル瓶内に貯留された薬液を患者に投与する場合、バイアル瓶内の薬液を薬液バッグに移送して薬液を調製する必要がある。バイアル瓶から薬液バッグへ薬液を移送する方法として、鋭利な先端を備えた金属針が取り付けられたシリンジを用いた「陰圧調整法」と呼ばれる方法が知られている。この方法は、概略以下のとおりである。
最初に、空のシリンジのプランジャを引いて、採取しようとする薬液の量と略同量の空気をシリンジ内に吸引する。次いで、バイアル瓶のゴム栓にシリンジの金属針を穿刺する。バイアル瓶内には薬液が貯留されている。プランジャを引いて、バイアル瓶内の薬液をシリンジ内に吸引する。バイアル瓶内はわずかに陰圧となる。バイアル瓶をシリンジよりも上方に持ち上げて、プランジャから手を離す。バイアル瓶内の陰圧によってプランジャがシリンジの外筒内に引き込まれ、同時にシリンジ内の空気がバイアル瓶に移動する。バイアル瓶内は常圧に戻る。かくして、バイアル瓶内の薬液の一部がシリンジ内に移動し、その代わりに、シリンジ内の空気がバイアル瓶内に移動する。必要に応じてこの操作を何回か繰り返して、所定量(または全量)の薬液をバイアル瓶からシリンジへ移動させる。次いで、このシリンジの金属針を、バイアル瓶のゴム栓から引き抜いて、薬液バッグのポートのゴム栓に穿刺する。そして、プランジャを押し込んで、シリンジ内の薬液を薬液バッグ内に移送する。
複数のバイアル瓶内の薬液を薬液バッグに移送する必要がある場合には、上記のシリンジを用いて同様の操作を各バイアル瓶に対して行う。
バイアル瓶内の薬液が、一部の抗がん剤のように劇薬に指定された危険な薬剤を含む場合がある。このような薬液が漏れ出して作業者の指に付着したり、その蒸気を作業者が吸引したりする事態は回避されることが望まれる。
上記の陰圧調整法では、バイアル瓶のゴム栓から金属針を引き抜いた後、金属針を薬液バッグのゴム栓に穿刺するまでの間に、金属針の先端から薬液が漏れ出る可能性がある。
特許文献1には、鋭利な先端を有する樹脂製の瓶針(穿刺針と呼ばれることもある)をカバーで覆ったカバー付き瓶針が記載されている。瓶針は、バイアル瓶のゴム栓に穿刺可能である。瓶針内には薬液が流れる液体流路が設けられており、液体流路は瓶針の先端近傍の外周面に開口した横孔に連通している。カバーは、瓶針の長手方向に弾性的に圧縮変形可能である。初期状態では、カバーの先端の頭部が瓶針の先端を覆い、瓶針の横孔を塞ぐ。瓶針をバイアル瓶のゴム栓に穿刺する際には、瓶針がカバーの頭部及びゴム栓を順に貫通し、瓶針の横孔がバイアル瓶内に露出される。このとき、カバーは圧縮変形される。液体流路を介してバイアル瓶内の薬液を取り出す。その後、瓶針をゴム栓から引き抜くと、カバーは直ちに初期状態に復帰し、瓶針の横孔を塞ぐ。このため、瓶針をゴム栓から引き抜いた後に、瓶針の横孔から薬液が漏れ出るのが防止される。
国際公開第2013/141137号パンフレット 国際公開第2013/154050号パンフレット 特開2013−165830号公報 特開平11−197254号公報 特開2013−252165号公報 特開2014−079355号公報 特開2004−000483号公報 国際公開第2010/061742号パンフレット 国際公開第2010/061743号パンフレット 特開2013−226281号公報
特許文献1の瓶針には、液体流路とは別に気体流路が設けられている。気体流路は、薬液が液体流路を通ってバイアル瓶から流出するのと同時に、空気が気体流路を通ってバイアル瓶内に流入することを可能にし、バイアル瓶内が陰圧になるのを防止して、バイアル瓶から薬液の取り出しを容易にするために設けられている。
上述した陰圧調整法では、薬液をバイアル瓶から流出させた後に、薬液が流れた流路と同じ流路を介して空気をバイアル瓶内に流入させるので、気体流路は不要である。
従って、金属針に代えて、気体流路が省略された特許文献1のカバー付き瓶針を、陰圧調整法で使用するシリンジの先端に取り付けることにより、薬液が外界に漏れ出るのを防ぐことができると考えられる。
ところが、上記のカバー付き瓶針をシリンジに取り付けた場合には陰圧調整法を行うことができないという課題がある。その理由は以下のとおりである。
上述した陰圧調整法では、シリンジの針をバイアル瓶のゴム栓に穿刺する前に、シリンジ内に所定量の空気を吸引する。これは、上記のように、バイアル瓶内の薬液をシリンジに移動させるのと引き替えに、シリンジ内の空気をバイアル瓶に移動させるためである。予めシリンジ内に空気を吸引しておかないと、たとえプランジャを引いて薬液をシリンジ内に吸引することができたとしても、バイアル瓶内に発生した陰圧によって、プランジャから手を離すとプランジャは外筒内に引き込まれ、薬液はバイアル瓶に戻ってしまう。
特許文献1に記載されたカバー付き瓶針では、瓶針がゴム栓を穿刺していない初期状態では、瓶針の横孔がカバーで塞がれる。このため、プランジャを引いて、シリンジ内に空気を吸引することができない。従って、陰圧調整法を行うことができない。特に、複数のバイアル瓶内の薬液を同じシリンジを用いて薬液バッグに移送する場合、最初のバイアル瓶内の薬液を薬液バッグに移送し終えた時点でプランジャはシリンジの外筒内に最も深くまで押し込まれているので、この状態のままでは次のバイアル瓶内の薬液をこのシリンジ内に移動させることはできない。瓶針をシリンジから取り外せば、プランジャを引いて空気をシリンジ内に吸引することは可能であるが、瓶針を取り外す作業時に作業者が薬剤被曝をする可能性がある。
本発明の目的は、作業者が被曝する可能性を低減しながら、オス部材の流路に外界の空気を流入させることを可能にすることにある。
本発明の空気吸引用キャップは、内腔を有するハウジングと、オス部材を接続可能な第1孔であって、前記第1孔に前記オス部材を接続したとき前記オス部材と前記内腔とが連通するように構成された第1孔と、前記内腔と外界とを連通させることができるように構成された第2孔と、外界から前記第2孔及び前記内腔を通って前記第1孔へつながる経路上に設けられた一方向弁とを備える。前記一方向弁は、前記経路に沿って外界から前記第1孔に向かって流体が流れることを許可し、これとは逆向きに流体が流れることを阻止するように構成されている。
本発明のキャップをオス部材に接続すると、外界の空気を、第2孔及びハウジングの内腔を通ってオス部材に流入させることができる。キャップは一方向弁を備えるので、流体が、オス部材からキャップを通って外界に漏出するのが防止される。このため、オス部材にキャップを装着しても、流体が漏出することによって作業者が被曝する可能性は低い。
図1Aは、本発明の一実施形態にかかる空気吸引用キャップの下方から見た斜視図である。図1Bは、当該キャップの下方から見た断面斜視図である。 図2Aは、本発明の一実施形態にかかる空気吸引用キャップの上方から見た斜視図である。図2Bは、当該キャップの上方から見た断面斜視図である。 図3は、シリンジに装着されたオスコネクタを、バイアル瓶に装着された第1アダプタに接続する直前の状態を示した正面図である。 図4Aは、オスコネクタとシリンジの先端部分とを示した分解斜視図である。 図4Bは、図4Aの断面図である。 図5は、バイアル瓶に装着される直前の第1アダプタを示した斜視図である。 図6は、バイアル瓶内の薬液をシリンジに吸引する工程を示した正面図である。 図7は、第2アダプタが装着された薬液バッグの斜視図である。 図8は、シリンジ内の薬液を薬液バッグに注入する工程を示した正面図である。 図9は、シリンジに装着されたオスコネクタに、本発明の一実施形態にかかる空気吸引用キャップを装着する直前の状態を示した正面図である。 図10は、オスコネクタに装着された、本発明の一実施形態にかかる空気吸引用キャップの断面図である。 図11Aは、本発明の別の実施形態にかかる空気吸引用キャップの下方から見た斜視図である。図11Bは、当該キャップの下方から見た断面斜視図である。
上記の本発明の空気吸引用キャップにおいて、前記オス部材を備えたオスコネクタは、前記オス部材が前記第1孔に接続されていないときに前記オス部材の開口から流体が漏出するのを防止するカバーを備えていてもよい。前記カバーは、前記開口が前記カバー外に露出されるように前記オス部材の長手方向に沿って圧縮変形可能であってもよい。この場合、前記オス部材が前記第1孔に接続されたとき、前記オス部材の前記開口と前記内腔とが連通されてもよい。これは、オス部材の流路の開口から流体が流出するのを防止するために当該開口がカバーで覆われた閉鎖系コネクタの当該流路に、外界の空気を流入させるのに有利である。
前記キャップは、前記第1孔と前記オス部材とを接続したとき前記第1孔の端縁と前記カバーとの間にシールが形成されるように構成されていてもよい。これは、流体が第1孔の端縁とカバーとの間を通って外界に漏れ出るのを防止できるので、作業者が被曝する可能性を低減するのに有利である。
前記キャップが、前記第1孔を取り囲むように前記ハウジングに設けられた環状のリブを更に備えてもよい。この場合、前記キャップは、前記第1孔と前記オス部材とを接続したとき前記リブの先端と前記カバーとの間にシールが形成されるように構成されていてもよい。これは、形成されるシールの液密性及び気密性を向上させるので、作業者が被曝する可能性を低減するのに有利である。
前記キャップが、前記オス部材を備えたオスコネクタに設けられたロック爪が係合可能な係合構造を更に備えてもよい。これは、キャップがオスコネクタから意図せずに脱落するのを防止できるので、作業者が被曝する可能性を低減するのに有利である。
前記キャップが、前記経路上に設けられた通気フィルタを更に備えてもよい。これは、外界の空気中に含まれる異物(例えば塵等の固形物や細菌)がオス部材の流路に流入するのを防止するのに有利である。
前記第1孔は、前記第1孔から前記オス部材を分離すると直ちに閉じられるように構成されていてもよい。これは、オス部材を第1孔から分離した後に、内腔内に存在するかも知れない危険な流体が第1孔を通ってキャップ外に漏れ出る可能性を低減するのに有利である。
前記キャップが、前記第2孔を塞ぐためのシール材を更に備えてもよい。第2孔をシール材で封止することによって、内腔内に存在するかも知れない危険な流体がキャップ外に漏れ出る可能性を低減することができる。
以下に、本発明を好適な実施形態を示しながら詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。以下の説明において参照する各図は、説明の便宜上、本発明の実施形態を構成する主要部材を簡略化して示したものである。従って、本発明は以下の各図に示されていない任意の部材を備え得る。また、本発明の範囲内において、以下の各図に示された各部材を変更または省略し得る。以下に示す図において、同一の部材には同一の符号をしており、それらについての重複する説明を省略する。
1.空気吸引用キャップの構成
図1Aは、本発明の一実施形態にかかる空気吸引用キャップ(以下、単に「キャップ」という)1の下方から見た斜視図、図1Bはキャップ1の下方から見た断面斜視図である。図2Aはキャップ1の上方から見た斜視図、図2Bはキャップ1の上方から見た断面斜視図である。
図1B及び図2Bに最もよく示されているように、キャップ1は、全体として中空の円筒形状を有するハウジング10を備える。ハウジング10に、ハウジング10内の空間である内腔10aとハウジング10の外界とを連通させる第1孔21及び第2孔22が設けられている。第1孔21及び第2孔22は、内腔10aを挟むように、ハウジング10の両端に、ハウジング10と同軸に対向して配されている。キャップ1を説明する際の便宜のため、第1孔21が設けられた側を「下」側といい、第2孔22が設けられた側を「上」側という。第1孔21と第2孔22とを結ぶ方向を「上下方向」といい、上下方向に垂直な平面に沿った方向を「水平方向」という。これらの表現はキャップ1を説明するためのものであって、キャップ1の実際の使用時の向きとは無関係である。
図1Bに示されているように、第1孔21の内周面は、円筒面である。第1孔21の端縁に沿って第1孔21を取り囲む環状のリブ21aが、外向き(即ち、下方に向かって)に突出している。なお、第1孔21の内周面の形状は、円筒面に限定されず、例えば、内腔10aに近づくにしたがって内径が小さくなるテーパ面(いわゆるメステーパ面)であってもよい。
第1孔21と第2孔22との間(即ち、内腔10a内)に、一方向弁23及び通気フィルタ24が設けられている。
一方向弁23は、ハウジング10の外界から第2孔22及び内腔10aを通って第1孔21へ流体(本実施形態では空気)が流れるのを許可するが、これとは逆に、第1孔21から内腔10a及び第2孔22を通ってハウジング10の外界へ流体(本実施形態では薬液及び気体)が流れるのを阻止する。このように一方向にのみ流体の流れを許容し、逆流を防止する弁は、逆止弁、またはチェックバルブなどとも呼ばれる。一方向弁23の構成は、このような機能を有する限り制限はない。本実施形態では、一方向弁23としてダックビル型の一方向弁を用いている。
通気フィルタ24は、気体が通過可能であって、気体が通過する際に気体に含まれる異物(例えば塵等の固形物や細菌)を捕捉する。本実施形態では、通気フィルタ24は、内腔10aと略同一径の円形のシート状部材である。通気フィルタ24は、第2孔22を塞ぐように、第2孔22が設けられた円形の底板12a上に固定されている。通気フィルタ24は、一方向弁23に対して第2孔22側に配されている。
ハウジング10の外周面は、略円筒面である。但し、第1孔21の側に、相対的に大きな外径を有する径大部15が設けられている。この結果、径大部15と、径大部15よりも上側(第2孔22側)の部分との間に、両者の外径差に起因する段差が形成されている。
図2A及び図2Bに示されているように、キャップ1は、更に、略円柱形状の突起であるシール材25を備える。シール材25は、ハウジング10の上側の外周端縁から延びたベルト26上に設けられている。図示を省略するが、ベルト26を屈曲させて、シール材25を第2孔22に嵌入させることができる。第2孔22は、シール材25によって気密に封止される。
図1B及び図2Bに示されているように、本実施形態では、ハウジング10は、第1孔21が設けられた第1部品11と、第2孔22及びシール材25が設けられた第2部品12との2部品で構成されている。第1部品11の上部が第2部品12内に嵌入され、第1部品11と第2部品12とが係合されている。一方向弁23の外周端縁部と通気フィルタ24の外周端縁部とが、第1部品11の上端と第2部品12の底板12aとの間に挟持されている。これにより、一方向弁23及び通気フィルタ24はハウジング10内にしっかりと固定される。一方向弁23及び通気フィルタ24が、第1部品11と第2部品12との間に、これらに上下方向に挟持されて固定されているので、第2孔22を通って内腔10aへ流れる空気流や、第1孔21側から内腔10a内に加えられるかも知れない陽圧に抗して一方向弁23及び通気フィルタ24を所定位置に安定的に保持させることができる。
一方向弁23及び通気フィルタ24の固定方法は、上記に限定されない。例えば、接着剤を用いた接着法やヒートシール法を、第1部品11と第2部品12とで挟持して固定する方法に代えて、またはこれと併用して、用いることができる。
ハウジング10の材料は、制限はないが、硬質の材料が好ましく、例えばポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)、ポリアミド、硬質ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の樹脂材料を用いることができる。内腔10a内をハウジング10を介して透視できるように、ハウジング10は透明性を有していてもよい。
第1部品11及び第2部品12の材料は同じであってもよいし、異なっていてもよい。第2部品12は、屈曲可能なベルト26を備えることを考慮すると、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂を用いることができる。第1及び第2部品11,12のそれぞれは、上記の樹脂材料を射出成形することにより一部品として一体的に製造されることが好ましい。
本実施形態では、第1部品11は、内腔10aを規定する内管と、径大部15が設けられた外管とを備えた二重管構造を有しているが、本発明はこれに限定されず、単純な一重管構造であってもよい。第1部品11と第2部品12との分割位置は、本実施形態に限定されない。ハウジング10を構成する部品数は、2つに限定されず、1つ又は3つ以上であってもよい。ハウジング10が複数の部品で構成される場合、第1及び第2孔21,22を除いて密閉された内腔10aが形成されるように、複数の部品は液密及び気密に接続される。
2.空気吸引用キャップの使用方法
キャップ1はオス部材の流路に空気を流入させるために使用することができる。以下に、バイアル瓶内の薬液を薬液バッグに陰圧調整法により移送する場合を例に、キャップ1の使用方法を説明する。
図3は、シリンジ800に装着されたオスコネクタ830を、バイアル瓶900に装着されたアダプタ(以下「第1アダプタ」という)910に接続する直前の状態を示した正面図である。
シリンジ800は、一般的なシリンジと同様に、中空の円筒形状を有する外筒801と、外筒801内に挿抜可能に挿入されたプランジャ805とを備える。外筒801の先端に、閉鎖系デバイスとしてのオスコネクタ830が装着されている。
図4Aはオスコネクタ830の斜視図、図4Bはその断面図である。図4A及び図4Bでは、オスコネクタ830が装着されるシリンジ800の外筒801の先端部分も併せて示している。
図4Bに示されているように、オスコネクタ830は、コネクタ本体840と、カバー860と、固定部材835とを備える。
コネクタ本体840は、特許文献2に記載されたオスコネクタと概略同じ構成を有し、オス部材として棒状のオスルアー841を備える。オスルアー841内には、その長手方向に沿って流路842が形成されている。オスルアー841の先端の近傍で、横孔843がオスルアー841を径方向に貫通している。横孔843は流路842と連通している。
円形の基板849が、オスルアー841の基端部から外向きにフランジ状に突出している。基板949の外周端縁に、フード847が設けられている。フード847は、オスルアー841と同軸の中空の円筒形状を有し、オスルアー841を取り囲む。フード847の内周面(オスルアー841に対向する面)の内径は、キャップ1の径大部15(図1A参照)の外径とほぼ同じかこれよりわずかに大きい。
図4Aに示されているように、フード847に、切り欠き(開口)848が設けられている。切り欠き848は、フード847を半径方向に貫通する穴である。切り欠き848内にロックレバー850が設けられている。ロックレバー850は、オスルアー841に対向し、オスルアー841と略平行に延びている。ロックレバー850は、基板849に片持ち支持されている。ロックレバー850の先端(自由端)から、オスルアー841に向かってロック爪851が突出している(図4B参照)。ロックレバー850のオスルアー841とは反対側の面に、操作アーム855が設けられている。操作アーム855は、基板849を越えて上方(筒状部845の側)に延びている。操作アーム855の先端は操作部856である。操作部856を半径方向内向きに押すと、ロックレバー850は弾性的に曲げ変形し、ロック爪851がオスルアー841から離れるように変位する。
基板849のオスルアー841とは反対側に、筒状部845が設けられている。筒状部845の外周面には、螺状突起(雄ネジ)846が設けられている。図4Bに示されているように、筒状部845は、中空の略円筒形状を有し、その内周面845aは、筒状部845の先端に近づくにしたがって内径が大きくなるテーパ面(いわゆるメステーパ面)である。筒状部845は、オスルアー841の流路842と連通している。
カバー860は、特許文献3に記載されたカバーと概略同じであり、図4Bに示されているように、略筒形状を有する外周壁861と、外周壁861の一端に設けられた頭部865と、外周壁861の他端に外方向に突出するように設けられた基部869とを備える。カバー860は可撓性(ゴム弾性)を有する材料(例えばイソプレンゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム等のゴム材料や、熱可塑性エラストマー等)で一体的に作成されている。カバー860に上下方向(オスルアー841の長手方向)の圧縮力が印加されると、外周壁861が、その上下方向寸法が短縮するように弾性的に圧縮変形する。
頭部865には、外周壁861の内部空間と連通したキャビティ866が形成されている。キャビティ866内に、オスルアー841の先端が挿入されている。キャビティ866の内周面は、オスルアー841の外周面に密着し、オスルアー841に設けられた横孔843を液密及び気密に封止している。キャビティ866の最深部には頭部865を上下方向に貫通するスリット867が形成されている。図4Aに示されているように、スリット867は、「−」(マイナス)字状の平面視形状を有する直線状の切り込みである。外周壁861が圧縮変形していない初期状態では、スリット867が液密及び気密に封止されるように、スリット867を形成する互いに対向する端縁は接触している。
頭部865の外表面の先端には、ドーム状に突出した凸部868が設けられている。スリット867は、凸部868の最も突出した部分(頂部)を横切るように設けられている。
固定部材835は、円形の環状部材である。固定部材835は、カバー860をコネクタ本体840に固定するために用いられる。即ち、図4Bに示されているように、オスルアー841を覆うようにカバー860をコネクタ本体840のフード847内に挿入する。次いで、固定部材835をフード847内に挿入する。カバー860は固定部材835内に挿入される。フード847の内周面の基板849近傍の位置に、オスルアー841に向かって複数の突起(図示せず)が突出している。固定部材835をこの突起に係合させる。カバー860の基部869は、固定部材835と基板849との間に挟持される。
図4A及び図4Bに示されているように、シリンジ800の外筒801の先端には、中空の内管811と、内管811を取り囲む外管813とが、同軸に設けられている。内管811の外周面811aは、先端に近づくにしたがって外径が小さくなるテーパ面(いわゆるオステーパ面)である。内管811には、その長手方向に沿ってオス部材921を貫通する流路812が形成されている。流路812は、プランジャ805が挿抜される外筒801の内腔802に連通されている。外管813の内管811に対向する内周面には雌ネジ814が形成されている。
コネクタ本体840の筒状部845に外筒801の内管811を挿入し、且つ、螺状突起846と雌ネジ814とを螺合させることにより、オスコネクタ830はシリンジ800の先端に装着される(図3参照)。筒状部845の内周面845aと内管811の外周面811aとは、径及びテーパ角度が一致するテーパ面であるから、両者は、液密及び気密なシールを形成して面接触をする。互いに螺合する螺状突起846及び雌ネジ814は、オスコネクタ830と外筒801との接続状態を維持するするためのロック機構として機能する。オスコネクタ830はシリンジ800に何度でも繰り返し着脱可能である。
図3に戻り、バイアル瓶900には、第1アダプタ910が装着されている。バイアル900瓶及び第1アダプタ910について説明する。
図5は、バイアル瓶900に装着される直前の第1アダプタ910を示した斜視図である。
バイアル瓶900は、瓶本体901とゴム栓906とを備える。瓶本体901は、ガラス等の実質的に変形しない硬質材料からなる。瓶本体901の上端には、上方に向かって開口した口(図示せず)が設けられている。瓶本体901の口に、ゴム栓906が嵌入されている。瓶本体901内には、薬液(図示せず)が収容されている。ゴム栓906は瓶本体901の口を気密及び液密に封止する。
口を取り囲むように、瓶本体901の外周面の上端に、拡径したフランジ(図5ではキャップ908で覆われているので見えない)が設けられている。ゴム栓906が瓶本体901の口から脱落するのを防止するために、キャップ908がゴム栓906及びフランジを覆っている。キャップ908は、金属(例えばアルミニウム)または樹脂等のシートからなる。キャップ908は、ゴム栓906の上面にまで延びている。ゴム栓906の上面の中央の領域は、キャップ908に設けられた円形の開口908aを介して外界に露出している。
バイアル瓶900のキャップ908が装着された部分は、そのすぐ下の部分(くびれ部分)904よりも大きな外径を有する拡径部902を構成する。拡径部902とくびれ部分904との間には、両者の外径差に基づく段差が形成されている。
なお、バイアル瓶900はキャップ908を備えていなくてもよい。その場合には、拡径部902は、瓶本体901の上端に設けられた拡径したフランジによって構成される。
第1アダプタ910は、一端に鋭利な先端を備えた穿刺針911を備え、他端にポート920を備える。穿刺針911の外周面には、開口912が設けられている。穿刺針911内には、その長手方向に沿って流路(図示せず)が設けられている。穿刺針911内の流路を介して、開口912とポート920とが連通している。
ポート920は、自閉式の弁体921を備えたメスコネクタである。弁体921は、ゴム弾性を有する軟質の材料(例えば、イソプレンゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム等のゴム材料や、熱可塑性エラストマー等)からなる円形の薄板状物であり、その中央に、弁体921を厚さ方向に貫通するスリット922が形成されている。弁体921は、シール冠923で覆われている。シール冠923の天板の中央には円形の開口(貫通孔)923aが設けられており、当該開口923aを介して、スリット922を含む弁体921の中央の領域が外界に露出されている。鋭利な先端を有しない筒状のオスルアー(例えばオスコネクタ830のオスルアー841)を弁体921のスリット922に向かって押し込むと、オスルアーは弁体921を変形させて、スリット922を貫通することができる。これにより、ポート920とオスルアーとが連通する。その後、オスルアーを弁体921から引き抜くと、弁体921は直ちに初期状態に弾性復帰し、スリット922は閉じられる。オスルアーがスリット922を貫通していないとき、スリット922は液密及び気密に閉じられる。オスルアーは、弁体921に、何度でも繰り返し挿抜することができる。このようなリシール性を有するメスコネクタは「セプタム」とも呼ばれ、一般に公知である(例えば特許文献4,5参照)。
第1アダプタ910の、穿刺針911とポート920との間の部分から、2本のアーム930が延びている。アーム930は、半径方向(穿刺針911及びポート920を通る第1アダプタ910の中心軸に直交する方向)に沿って延び、続いて穿刺針911の側に屈曲している。アーム930の先端には、穿刺針911に向かって突出した爪931が設けられている。アーム930は、爪931が穿刺針911から離れるように弾性的に変形可能である。
図5の状態から、第1アダプタ910をバイアル瓶900に向かって押し込む。穿刺針911は、バイアル瓶900のキャップ908の開口908a内に露出したゴム栓906に穿刺される。爪931は、バイアル瓶900の拡径部902に係合する。図3に示されているように、第1アダプタ910は、バイアル瓶900に装着される。穿刺針911に設けられた開口912(図5参照)は、ゴム栓906よりも下に位置している。従って、バイアル瓶900とポート920とが連通する。上述したように、ポート920の弁体921のスリット922は閉じられているので、バイアル瓶900内の薬液がスリット922から外界に漏れ出ることはない。
最初に、シリンジ800にオスコネクタ830を装着していない状態でプランジャ805を引き、シリンジ800内に、バイアル瓶900から採取しようとする薬液の量と略同量の空気を吸引する。次いで、シリンジ800の先端にオスコネクタ830を装着する。
次いで、図3に示されているように、バイアル瓶900に装着された第1アダプタ910に、シリンジ800に装着されたオスコネクタ830を対向させる。オスコネクタ830のフード847内に第1アダプタ910のポート920を挿入し、更に第1アダプタ910をオスコネクタ830に押し込む。オスコネクタ830のオスルアー841は、カバー860の頭部865に設けられたスリット867を貫通し(図4B参照)、更に、第1アダプタ910の弁体921のスリット922(図5参照)を貫通する。オスコネクタ830に設けられたカバー860(図4A及び図4B参照)は、オスルアー841の長手方向に圧縮変形される。かくして、バイアル瓶900、第1アダプタ910、オスコネクタ830、シリンジ800が順に連通される。オスコネクタ830のロック爪851(図4B参照)はポート920の外周面の下端928(図5参照)に係合する。
次いで、図6に示すように、シリンジ800に対してバイアル瓶900を上方に持ち上げる。そして、プランジャ805を引いてバイアル瓶900内の薬液を、シリンジ800内に吸引する。通常、オスルアー841に設けられた横孔843(図5参照)は、ゴム栓906の近傍に位置しているから、図6のようにバイアル瓶900を上下逆転させると、薬液を横孔843から吸引しやすい。バイアル瓶900から薬液が流出すると、バイアル瓶900内はわずかに陰圧となる。その後、プランジャ805から手を離す。バイアル瓶900内の陰圧によってプランジャ805がシリンジ800の外筒801内に引き込まれ、同時にシリンジ800内の空気がバイアル瓶900に移動する。バイアル瓶900内は常圧に戻る。かくして、バイアル瓶900内の薬液の一部がシリンジ800内に移動し、その代わりに、シリンジ800内の空気がバイアル瓶900内に移動する。必要に応じてこの操作を何回か繰り返して、所定量(または全量)の薬液をバイアル瓶900からシリンジ800へ移動させる。
その後、オスコネクタ830を第1アダプタ910から分離する。即ち、オスコネクタ830の操作部856を押してロックレバー850(図4A及び図4B参照)を曲げ変形させてロック爪851とポート920との係合を解除する。この状態で、オスコネクタ830と第1アダプタ910とを互いに離れる向きに引っ張る。オスコネクタ830が第1アダプタ910から分離されると、オスコネクタ830のカバー860(図4A及び図4B参照)は初期状態に直ちに弾性復帰し、スリット867は閉じられる。カバー860(特にその頭部865)は、オスルアー841の横孔843を液密及び気密に封止する。このため、シリンジ800に、プランジャ805を外筒801内に押し込むような外力が誤って加えられても、シリンジ800内の薬液やその蒸気が外界に漏れ出ることはない。また、第1アダプタ910の弁体921のスリット922(図5参照)も閉じられる。
次いで、シリンジ800内の薬液を薬液バッグに移送する。図7は薬液バッグ950の斜視図である。薬液バッグ950は、2枚の柔軟なシートを、その外周端縁部分で貼り合わせてなる袋状物である。薬液バッグ950は、薬液バッグ950に対して薬液等の液体を出し入れするためのポート951を備える。ポート951の開口はゴム栓(図7では見えない)で封止されている。薬液バッグ950には、薬液とともに患者に投与される液体(輸液)が予め貯留されていてもよい。
ポート951に、アダプタ(以下「第2アダプタ」という)960が装着されている。
第2アダプタ960は、特許文献6に記載されたアダプタと概略同じ構成を有し、一端に鋭利な先端を備えた穿刺針(図7では見えない)を備え、他端にポート970を備える。穿刺針はポート951のゴム栓に穿刺されている。第2アダプタ960は、穿刺針とポート970との間の部分から延びた、略「U」字状の4つアーム980を更に備える。各アームには、穿刺針に向かって突出した爪981が設けられている。爪981は、ポート951に係合している。第2アダプタ960は、アーム980及び爪981を除いて、第1アダプタ910(図5参照)と実質的に同じ構成を有している。ポート970は、第1アダプタ910のポート920と同様に、自閉式の弁体971を備えたメスコネクタである。弁体971の中央には、弁体971を厚さ方向に貫通するスリットが形成されている。
図8に示すように、薬液バッグ950に装着された第2アダプタ960に、シリンジ800に装着されたオスコネクタ830を接続する。第2アダプタ960とオスコネクタ830との接続は、第1アダプタ910とオスコネクタ830との接続(図3参照)と同様に行うことができる。薬液バッグ950、第2アダプタ960、オスコネクタ830、シリンジ800が順に連通される。オスコネクタ830のロック爪851(図4B参照)はポート970に係合する。この状態で、外筒801内にプランジャ805を押し込んで、シリンジ800内の薬液を薬液バッグ950へ注入する。シリンジ800内の薬液を全て薬液バッグ950内に移送するために、プランジャ805を外筒801内に最も深くまで押し込む。
その後、オスコネクタ830を第2アダプタ960から分離する。オスコネクタ830と第2アダプタ960との分離は、オスコネクタ830と第1アダプタ910との分離(図7参照)と同様である。オスコネクタ830が第2アダプタ960から分離されると、オスコネクタ830のカバー860(図4A及び図4B参照)は初期状態に直ちに弾性復帰し、スリット867は閉じられる。オスルアー841の横孔843は、カバー860(特にその頭部865)で液密及び気密に封止される。
次いで、シリンジ800に装着されたオスコネクタ830に、キャップ1を装着する。即ち、図9に示すように、オスコネクタ830にキャップ1の第1孔21(図1A参照)側の端面を対向させる。そして、キャップ1の径大部15を、オスコネクタ830のフード847に挿入する。キャップ1の第2孔22(図2A参照)は、シール材25で塞がれておらず、開放されている。シリンジ800のプランジャ805は外筒801内に最も深くまで押し込まれている。
図10は、オスコネクタ830に装着されたキャップ1の断面図である。オスコネクタ830のロック爪851が、キャップ1の径大部15に係合している。ロック爪851と径大部15との係合が解除されない限り、キャップ1に引張り力を加えても、キャップ1をオスコネクタ830から分離することはできない。
キャップ1のリブ21aがカバー860の先端の凸部868に当接することによってカバー860は上下方向の圧縮力を受け、特にその外周壁861が上下方向寸法が縮小するように変形している。オスルアー841が、カバー860の頭部865に設けられたスリット867(図4A参照)を貫通し、キャップ1の第1孔21内に挿入されている。オスルアー841に設けられた横孔843は、キャップ1の内腔10a内に露出されている。このため、オスルアー841の流路842とキャップ1の内腔10aとが連通される。
圧縮されたカバー860が初期状態に復帰しようとする弾性力によって、カバー860の凸部868がキャップ1の環状のリブ21aの先端に押し付けられ、カバー860とリブ21aとの間に液密及び気密なシールが形成される。本実施形態のように、非常に狭い面積を有するリブ21aの先端にカバー860を当接させることは、両者間に形成されるシールの液密性及び気密性の向上に有利である。
図10の状態で、シリンジ800のプランジャ805を引く。外界の空気が、第2孔22、通気フィルタ24、一方向弁23、内腔10a、横孔843、流路842、筒状部845を順に通過して、外筒801内に流入する。次の新しいバイアル瓶からシリンジ800内に採取しようとする薬液の量と略同量の空気を、シリンジ800内に吸引する。
外界の空気が通気フィルタ24を通過する際に、通気フィルタ24は、空気に含まれる異物(例えば塵等の固形物や細菌)を捕捉する。このため、シリンジ800内に流入する異物が低減される。従って、その後、次の新しいバイアル瓶からシリンジ800内に採取する薬液に異物が混入する可能性が低減される。
キャップ1のリブ21aとカバー860の凸部868との間に液密及び気密なシールが形成されている。また、第1孔21(またはオスルアー841)と第2孔22との間に一方向弁23が設けられている。このため、シリンジ800内に空気を吸引した後、シリンジ800に、プランジャ805を外筒801内に押し込むような外力が誤って加えられても、シリンジ800内の空気が外界に漏れ出ることはない。シリンジ800内には、バイアル瓶800から吸引した薬液がわずかに残存しているかも知れない。そのようなシリンジ800内に一旦吸引された空気が外界に漏れ出ると、薬液やその蒸気が空気とともに外界に漏れ出て、作業者が薬剤被曝をする可能性がある。キャップ1は、そのような可能性を低減するので、安全性の向上に有利である。
次いで、キャップ1をオスコネクタ830から分離する。キャップ1の分離は、オスコネクタ830の操作部856を筒状部845に向かって押してロック爪851と径大部15との係合を解除することにより可能である。
キャップ1がフード847から抜け出ると、カバー860の外周壁861は、その弾性回復力によって直ちに初期状態(図4B参照)に伸張する。オスルアー841はカバー860内に収納され、オスルアー841の横孔843は頭部865のキャビティ866の内周面で液密に封止される。このため、シリンジ800に、プランジャ805を外筒801内に押し込むような外力が誤って加えられても、シリンジ800内の空気が外界に漏れ出ることはない。従って、シリンジ800内に残存しているかも知れない薬液やその蒸気が外界に漏れ出て、作業者が薬剤被曝する可能性が低減される。
使用済みのキャップ1は廃棄される。第2孔22をシール材25で封止した状態で廃棄すると、内腔10a内に存在するかも知れない薬液やその蒸気がキャップ1外に漏れ出る可能性が低減する。好ましくは、キャップ1をオスコネクタ830から分離する前に、第2孔22をシール材25で封止する。
所定量の空気を吸い込んだシリンジ800を用いて、次の新しいバイアル瓶に対して上記と同様の陰圧調整法(図3〜図10参照)を行い、バイアル瓶から薬液バッグ950へ薬液を移送することができる。複数のバイアル瓶内の薬液を薬液バッグ950に移送する必要がある場合には、同じシリンジ800を用いて同様の操作を各バイアル瓶に対して行う。
3.作用
上述したように、薬液が危険な薬剤を含む場合、薬液やその蒸気が外界に漏れ出るのを防止するために、閉鎖系デバイスが用いられることが多い。閉鎖系デバイスとして、オスコネクタ830のように、その相手方のコネクタ(上記の実施形態では第1アダプタ910のポート920及び第2アダプタ960のポート970)と接続されていない状態ではオス部材の流路の開口が封止されるように構成された閉鎖系コネクタがある。このような閉鎖系コネクタ(オスコネクタ830)をシリンジ800に装着した状態では、陰圧調整法で必須である、外界の空気をシリンジ800内に吸引する操作を行うことができない。
本発明によれば、キャップ1をオスコネクタ830に装着するだけで、シリンジ800内に空気を吸引することができる。このため、同一のシリンジ800を用いて、陰圧調整法により、複数のバイアル瓶内の薬液を薬液バッグに移送することができる。
従来から一般的に使用されている閉鎖系デバイス(オスコネクタ830、第1アダプタ91、及び第2アダプタ960)の構成を変更することなく、簡単な構成を有するキャップ1を使用するだけで、従来から行われている陰圧調整法と実質的に同じ手順で、バイアル瓶内の薬液を薬液バッグに移送することができる。
キャップ1は、一方向弁23を備えているので、誤ってプランジャ805が押し込まれたとしても、薬液やその蒸気がキャップ1の第2孔22を通って外界に漏れ出ることはない。従って、作業者が薬剤被曝をする可能性は、キャップ1をオスコネクタ830に装着することによって高くなることはない。
第1孔21は、オスルアー841と接続可能なように常時開放された開放孔である。これにより、第1孔21を備えるキャップ1の構成が簡単になり、キャップ1を構成する部品数を少なくすることができ、更にキャップ1の製造が容易になる。また、第1孔21とオスルアー841との接続の信頼性が向上する。
4.各種の変更
上記の実施形態は例示に過ぎない。本発明は、上記の実施形態に限定されず、適宜変更することができる。
一方向弁23及び通気フィルタ24の位置は、上記の実施形態に限定されず、外界から第2孔22及び内腔10aを通って第1孔21へつながる経路上の任意の位置に配置することができる。例えば、一方向弁23及び/又は通気フィルタ24を、内腔10a内の第1孔21の近傍の位置に配置してもよいし、第2孔22内に配置してもよいし、第2孔22の外界に露出した端縁22a(図2B参照)に配置してもよい。第1孔21に接続されるオス部材と緩衝しない限り、一方向弁23及び/又は通気フィルタ24を第1孔21内に配置してもよい。通気フィルタ24を、一方向弁23に対して第1孔21側に配置してもよい。
本発明では、通気フィルタ24を省略してもよい。
ハウジング10の構成も上記の実施形態に限定されない。例えば、第1孔21及び第2孔22の各内径が内腔10aの内径より小さいことは必須ではない。第2孔22の内径が内腔10aの内径と同一であってもよく、あるいはこれより大きくてもよい。第1孔21、内腔10a、第2孔22が、同一の内径を有していてもよい。第1孔21、内腔10a、第2孔22が同軸に配置されている必要はなく、これらのうちのいずれかが他に対して偏心していてもよい。第2孔22から内腔10aを通って第1孔21へつながる経路が一直線に沿っている必要はなく、湾曲又は屈曲していてもよい。
シール材25の構成は、上記の実施形態に限定されない。シール材25は、第2孔22を塞ぐことができるように構成されていればよい。従って、上記の実施形態のようにシール材25が第2孔22に嵌入することは必須ではない。特に、一方向弁23及び通気フィルタ24の位置によっては(例えば、上述したように通気フィルタ24を第2孔22の端縁22aに設けた場合)、シール材の構成もこれに対応して変更する必要が生じうる。例えば、シール材が、第2孔22を取り囲み且つ外界に突出した円筒状の部材22b(図2B参照)を覆ってこれに嵌着できるように、または、ハウジング10の第2孔22側の端部全体を覆ってこれに嵌着できるように、構成されていてもよい。あるいは、シール材は、第2孔22の中心軸に対して直交する方向にスライドすることによって、第2孔22を開閉することができるように構成されていてもよい。あるいは、シール材の表面に粘着剤層を設け、第2孔22を塞ぐようにシール材が粘着剤層を介してハウジング10に貼着できるように構成されていてもよい。シール材とハウジング10とがベルト26で連結されている必要はない。シール材が、ハウジング10から分離された別個の部品であってもよい。
シール材25は、第2孔22を繰り返し開閉できるように構成されていてもよいが、一旦、シール材で第2孔22を塞いだ後は、再度第2孔22を開放することができないように、シール材は第2孔22を不可逆的に塞ぐことができるように構成されていてもよい。これは、使用済みのキャップ1を誤って再利用してしまう可能性を低減するのに有利である。
本発明では、シール材25を省略してもよい。
第1孔21の端縁から突出したリブ21aを省略してもよい。リブ21aが省略されても、キャップ1をオスコネクタ830に装着したとき、カバー860の凸部868をハウジング10の第1孔21の周囲部分に当接させて、両者間に液密なシールを形成させることは可能である。
本発明では、キャップ1をオスコネクタ830に装着したとき、ハウジング10の内腔10aとオスルアー841の流路842とが連通されるように、第1孔21とオスルアー841とが接続される。このとき、好ましくは、キャップ1とオスコネクタ830との間に液密及び気密なシールが形成される。これを実現するための構成は、上記の実施形態に限定されず、種々のものが考えられる。
例えば、オスルアー841が第1孔21に挿入されたとき(図10参照)、オスルアー841の外周面と第1孔21の内周面とが互いに嵌合し合い、これにより両者間に液密及び気密なシールが形成されてもよい。
あるいは、オスルアー841の流路842がオスルアー841の長手方向に沿ってオスルアー841を貫通していてもよい。即ち、横孔843を省略し、これに代えて、オスルアー841の先端に流路842が開口していてもよい。この場合、キャップ1をオスコネクタ830に装着したとき、オスルアー841が第1孔21に挿入されず、オスルアー841の先端が第1孔21の周囲部分に突き合わされ、これにより、両者間に液密及び気密なシールが形成されてもよい。
上記のようにオスルアー841と第1孔21の内周面又はその周囲部分との間にシールが形成される場合には、カバー860の凸部868と第1孔21の周囲部分との間に上記の実施形態のような液密及び気密なシールが形成されなくてもよい。
オスコネクタ830のロック爪851が係合可能な係合構造の構成は、径大部15に限定されない。例えば、係合構造が、ハウジング10の外周面に設けられた凹部(例えば、周方向に連続する環状の溝)であってもよい。この場合、ロック爪851が当該凹部に嵌入することによって、キャップ1はロック爪851に係合される。本発明では、ロック爪851が係合可能な係合構造を省略してもよい。
上記の実施形態では、第1孔21は常時開放された開放孔であったが、本発明では、第1孔は、第1孔からオス部材を分離すると自動的に直ちに閉じられるように構成されていてもよい。図11Aは、このように構成された、本発明の別の実施形態にかかる空気吸引用キャップ2の下方から見た斜視図、図11Bは当該キャップ2の下方から見た断面斜視図である。キャップ2は、その下端に、ポート920(図5参照)及びポート970(図7参照)と同様に構成された、自閉式の弁体222を有するメスコネクタ220を備える。弁体222は、ゴム弾性を有する軟質の材料(例えば、イソプレンゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム等のゴム材料や、熱可塑性エラストマー等)からなる円形の薄板状物である。弁体222の中央に、弁体222を厚さ方向に貫通するスリット221が形成されている。略円筒形状の第1部品11の下方を向いた開口が弁体222で塞がれ、更に、弁体222にシール冠223が被せられている。シール冠223は、円形の天板224と、天板224の外周端縁から延びた円筒形状の周壁225とを備える。天板224の中央には円形の開口(貫通孔)223aが設けられており、当該開口223aを介して、スリット221を含む弁体222の中央の領域が外界に露出されている。周壁225に、半径方向に周壁225を貫通する孔226が形成されている。孔226に、第1部品11の外周面から突出した爪216が嵌入することにより、シール冠223は第1部品11に固定されている。第1部品11の外周面から、周方向に連続する環状突起215が突出している。環状突起215の外周面とシール冠223の周壁225とは連続して共通の円筒面を構成する。シール冠223の材料は、制限はないが、外筒10の材料として前記した硬質の樹脂材料を用いることができる。
ポート920(図5参照)及びポート970(図7参照)の場合と同様に、オスコネクタ830にメスコネクタ220を着脱することができる。オスルアー841は弁体222を変形させて、スリット221を貫通する。これにより、オスルアー841とキャップ2の内腔10aとが連通する。その後、オスルアー841を弁体222から引き抜くと、弁体222は直ちに初期状態に弾性復帰し、スリット221は閉じられる。オスルアー841がスリット221を貫通していないとき、スリット221は液密及び気密に閉じられる。オスルアー841は、弁体222に、何度でも繰り返し挿抜することができる。メスコネクタ220は、「セプタム」と呼ばれる閉鎖系のデバイス(例えば特許文献4,5参照)である。オスコネクタ830のロック爪851は環状突起215に係合する。
弁体222のスリット221は、本発明の第1孔として機能する。キャップ2の第1孔(スリット)221は、オスルアー841(オス部材)を第1孔221に挿入した場合には、オスルアー841の流路842と内腔10aとが連通するように構成されている。このため、キャップ1をオスコネクタ830に装着した場合(図10参照)と同様に、キャップ2をオスコネクタ830に装着すると、キャップ2を介してシリンジ800内に空気を吸引することができる。従って、同一のシリンジ800を用いて、陰圧調整法により、複数のバイアル瓶内の薬液を薬液バッグに移送することができる。
キャップ1の第1孔21と異なり、キャップ2をオスコネクタ830から分離すると、第1孔221は直ちに液密及び気密に封止される。このため、オスコネクタ830を分離後に、内腔10a内に存在するかも知れない薬液やその蒸気が第1孔221を通ってキャップ2外に漏れ出る可能性は低い。キャップ2は、キャップ1に比べて、同一のキャップ2を用いて複数のバイアル瓶内の薬液を薬液バッグ950に陰圧調整法により順次移送する場合や、使用済みのキャップ2を廃棄する場合に、内腔10a内に残存しているかも知れない危険な薬液やその蒸気が外界に漏れ出て作業者が薬剤被曝する可能性を更に低減するのに有利である。
図示を省略するが、キャップ2をオスコネクタ830に装着したとき、オスコネクタ830のカバー860はオスルアー841の長手方向に圧縮変形される。圧縮されたカバー860の弾性復元力によって、カバー860の先端の凸部868(図4A参照)はシール冠223の天板224または弁体222に押し付けられ、カバー860とメスコネクタ220との間に液密及び気密なシールが形成される。これに加えて、スリット221の端縁は、スリット221に挿入されているオスルアー841の外周面に密着し、両者間に液密及び気密なシールが形成される。このため、シリンジ800内に空気を吸引した後、シリンジ800に、プランジャ805を外筒801内に押し込むような外力が誤って加えられた場合に、シリンジ800内の空気が外界に漏れ出る可能性を、キャップ2は、キャップ1を用いた場合と同等かそれ以下に低減することが可能である。従って、キャップ2は、シリンジ800内に残存しているかも知れない危険な薬液やその蒸気が上記の誤操作によって外界に漏れ出て作業者が薬剤被曝する可能性を低減するのに有利である。
図11A及び図11Bでは、自閉式の弁体が、オス部材(オスルアー841)の挿抜に応じて開閉するスリット221を備えていたが、自閉式の弁体の構成はこれに限定されない。本発明のキャップは、第1孔とオス部材との接続/分離に連動して第1孔が開閉するように構成された任意の弁体を備えていてもよい。弁体にスリット221が形成されていなくてもよい。例えば、第1孔の開口端縁は実質的に変形せず、当該第1孔に対するオス部材の挿抜に連動して第1孔内で弁体が移動することにより、第1孔が開閉するように構成されていてもよい。オスコネクタが接続されていないときにメスコネクタから流体が漏出するのを防止するように構成された任意の閉鎖系メスコネクタの構成を、本発明のキャップの第1孔に適用することができる。
キャップ2は、上記を除いてキャップ1と同じである。キャップ1に関する説明が、キャップ2に適宜適用されうる。
本発明のキャップが装着されるコネクタは、上記の実施形態のオスコネクタ830に限定されない。
例えば、コネクタが、特許文献7〜9に記載されているように、2つのロックレバーを有し、各ロックレバーが本発明のキャップに係合するロック爪を備えていてもよい。
本発明のキャップの第1孔に接続されるオス部材が、バイアル瓶900のゴム栓906に穿刺可能なように鋭利な先端を有する穿刺針(瓶針とも呼ばれる)であってもよい。
更に、本発明のキャップは、陰圧調整法以外の場面でも使用することができる。例えば、特許文献8〜10に記載されているような、バイアル瓶と薬液バッグとの間に接続されるコネクタに、本発明のキャップを使用することができる。このコネクタは、バイアル瓶のゴム栓に穿刺される、鋭利な先端を有する樹脂製の穿刺針を備える。穿刺針には、液体が流れる液体流路と、空気が流れる気体流路とが互いに独立して設けられている。液体流路の開口から薬液が漏れ出るのを防ぐために、穿刺針の先端を覆うカバーが設けられることがある(例えば、特許文献1参照)。コネクタに設けられたコックを操作してコネクタ内の流路を切り替えるとともに、バイアル瓶と薬液バッグとの上下方向位置を変えながら、バイアル瓶と薬液バッグとの間で液体を移送して、薬液調製をする。操作を誤ると液体が流路を塞いで薬液調製作業を継続できない場合が起こりうる。そのような場合に、穿刺針に本発明のキャップの第1孔を接続し、外界の空気をキャップを介して流路に導入することにより、薬液調製作業を再開することが可能になる。
本発明は、医療分野、更には輸液療法で患者に投与する薬液(または輸液)を調製する場合に好ましく利用することができる。特に、曝露事故が起こりうる抗がん剤などの危険な薬剤を含む薬液を調製する場合に好ましく利用することができる。本発明のキャップは、オス部材を備えるコネクタに装着することができる。好ましくは、当該コネクタは、オス部材の流路の開口を塞ぐカバーが設けられた閉鎖系コネクタである。
1,2 空気吸引用キャップ
10 ハウジング
10a ハウジングの内腔
15 径大部(係合構造)
21 第1孔
21a リブ
22 第2孔
23 一方向弁
24 通気フィルタ
25 シール材
215 環状突起(係合構造)
221 スリット(第1孔)
830 オスコネクタ
841 オスルアー(オス部材)
843 横孔(オス部材の開口)
851 ロック爪
860 カバー

Claims (8)

  1. 内腔を有するハウジングと、
    オス部材を接続可能な第1孔であって、前記第1孔に前記オス部材を接続したとき前記オス部材と前記内腔とが連通するように構成された第1孔と、
    前記内腔と外界とを連通させることができるように構成された第2孔と、
    外界から前記第2孔及び前記内腔を通って前記第1孔へつながる経路上に設けられた一方向弁とを備え、
    前記一方向弁は、前記経路に沿って外界から前記第1孔に向かって流体が流れることを許可し、これとは逆向きに流体が流れることを阻止するように構成されていることを特徴とする空気吸引用キャップ。
  2. 前記オス部材を備えたオスコネクタは、前記オス部材が前記第1孔に接続されていないときに前記オス部材の開口から流体が漏出するのを防止するカバーを備え、
    前記カバーは、前記開口が前記カバー外に露出されるように前記オス部材の長手方向に沿って圧縮変形可能であり、
    前記オス部材が前記第1孔に接続されたとき、前記オス部材の前記開口と前記内腔とが連通される請求項1に記載の空気吸引用キャップ。
  3. 前記第1孔と前記オス部材とを接続したとき前記第1孔の端縁と前記カバーとの間にシールが形成されるように構成されている請求項2に記載の空気吸引用キャップ。
  4. 前記第1孔を取り囲むように前記ハウジングに設けられた環状のリブを更に備え、
    前記第1孔と前記オス部材とを接続したとき前記リブの先端と前記カバーとの間にシールが形成されるように構成されている請求項2又は3に記載の空気吸引用キャップ。
  5. 前記オス部材を備えたオスコネクタに設けられたロック爪が係合可能な係合構造を更に備える請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気吸引用キャップ。
  6. 前記経路上に設けられた通気フィルタを更に備える請求項1〜5のいずれか一項に記載の空気吸引用キャップ。
  7. 前記第1孔は、前記第1孔から前記オス部材を分離すると直ちに閉じられるように構成されている請求項1〜6のいずれかに記載の空気吸引用キャップ。
  8. 前記第2孔を塞ぐためのシール材を更に備える請求項1〜7のいずれか一項に記載の空気吸引用キャップ。
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