JP2017221078A - ホルダ構造の製造方法及びホルダ構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁性を有するプレート22が軸方向に積層された筒状のステータコア11を、筒状のホルダ12に嵌合する嵌合工程を有し、ホルダ12の小径筒部52のうち、高剛性部でのステータコア11との締め代を低剛性部でのステータコア11との締め代に比べて小さくする。
【選択図】図7
Description
また、ホルダの嵌合部分と積層体との接触面積を低減できるので、嵌合後の残留応力が軽減され易くなり、磁気特性への影響を抑えることができる。
さらに、凸部の膨出量を変更することで、積層体とホルダとの間の締め代を高剛性部と低剛性部とで変更できるので、締め代の調整が容易になる。
<第1実施形態>
図1は、ステータ1の分解斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のステータ1は、電気自動車やハイブリッド車両等の車両駆動や回生発電に用いられる回転電機に搭載される。回転電機は、ステータ1の内側に図示しないロータが回転可能に配置されて構成されている。ロータは減速機構等を介して車両の車軸に動力伝達可能に連結されている。
ステータ1は、筒状のステータコア(積層体)11と、ステータコア11が圧入されたホルダ(ホルダ構造)12と、を備えている。なお、以下の説明では、ステータコア11の軸線Oに沿う方向を単に軸方向といい、軸線Oに直交する方向を径方向といい、軸線O周りの方向を周方向という場合がある。
上述したステータコア11は、複数の分割コア21が周方向に配列されることで形成されている。分割コア21は、プレス加工等により打ち抜かれた磁性を有するプレート22(図3参照)が軸方向に積層されて構成されている。本実施形態において、各プレート22は、それぞれ同形同大に形成されている。
図1、図2に示すように、分割コア21は、軸方向から見た平面視でT字状に形成されている。具体的に、各分割コア21は、バックヨーク片24と、バックヨーク片24から径方向の内側に突設された上述したティース部14と、を有している。なお、各分割コア21は、それぞれ同等の構成により形成されている。
周方向で隣り合う分割コア21同士は、バックヨーク片24における周方向で対向する端面同士を突き合わせた状態で配列されている。なお、図2に示すように、バックヨーク片24には、軸方向で隣り合うプレート22同士を連結するためのカシメ部33が形成されている。カシメ部33の形状や位置、数等は、適宜変更が可能である。但し、カシメ部33は、分割コア21のうち、磁束の通過量の少ない部分(磁気回路影響が少ない部分)に形成することが好ましい。また、軸方向で隣り合うプレート22同士の連結方法は、適宜変更が可能であり、例えば接着剤等を用いて連結しても構わない。
図3に示すように、ホルダ12は、ステータコア11と同軸上に配置された筒部41と、筒部41の外周面に形成されたフランジ部42と、を備えている。
筒部41は、ステータコア11を径方向の外側から取り囲んでいる。筒部41は、軸方向の第1端側に位置するものほど大径に形成された多段筒状に形成されている。具体的に、筒部41は、筒部41のうち軸方向の第1端部に位置する大径筒部51と、軸方向の第2端部に位置する小径筒部52と、大径筒部51及び小径筒部52間を接続する接続筒部53と、を有している。なお、図3の例において、筒部41における軸方向の長さは、ステータコア11の軸方向の長さよりも短くなっている。但し、筒部41やステータコア11の軸方向の長さは、適宜変更が可能である。
接続筒部53は、軸方向の第2端側に向かうに従い漸次内径が縮小している。
小径筒部52は、ステータコア11に外嵌されている。ステータコア11は、外周面の一部が小径筒部52の内周面に接触した状態で、小径筒部52内に圧入されている。図3の例において、ステータコア11は、軸方向の第1端部をホルダ12から突出させた状態で、小径筒部52内に圧入されている。なお、小径筒部52の詳細な説明は、後述する。
図4に示すように、小径筒部52の内周面には、径方向の内側に向けて膨出する凸部55が形成されている。凸部55は、周方向から見た側面視で、径方向の内側に向けて凸の円弧状に形成されている。凸部55の表面は、全体に亘って緩やかに湾曲している。凸部55は、小径筒部52の内周面において、周方向の全体に亘って連続的に形成されている。なお、凸部55は、表面の全体が緩やかに湾曲していれば、曲率半径が一様な円弧で形成されていても、曲率半径の異なる複数の円弧が連なって形成されていても構わない。
次に、上述したステータ1の製造方法について説明する。
本実施形態のステータ1の製造方法は、ステータコア形成工程と、ホルダ形成工程と、圧入工程と、を主に有している。
ステータコア形成工程では、複数の分割コア21を周方向に配列し、筒状のステータコア11とする。このとき、周方向で隣り合う分割コア21同士は、バックヨーク片24における周方向で対向する端面同士を突き合わせた状態で配列する。
図5に示すように、外形形成工程では、ホルダ12の母材に対してプレス加工を施し、ホルダ12の外形(筒部41及びフランジ部42)を成形する。
内周面加工工程では、筒部41の内周面に対して加工チップ80を押し当て、筒部41の内周面を切削する。これにより、筒部41の内周面に凸部55が形成される。
以上により、ホルダ形成工程が終了する。
図6に示すように、圧入工程では、まずステータコア形成工程で形成されたステータコア11をステージ71上にセットする。この状態で、ホルダ形成工程で形成されたホルダ12内にステータコア11を圧入する。具体的には、ホルダ12のフランジ部42をステータコア11に軸方向で対向させた状態で、ホルダ12及びステータコア11を軸方向に接近移動させる。すると、ステータコア11は、ホルダ12の大径筒部51から筒部41内に進入する。その後、ステータコア11は、ホルダ12の接続筒部53に案内されながら、小径筒部52内に圧入される。
図7に示すように、上述した圧入工程において、ステータコア11とホルダ12とが軸方向に接近移動する際、小径筒部52の内周面には、凸部55の表面の法線方向に向けて圧入荷重Fがステータコア11から作用する。上述した圧入荷重Fの分力のうち、軸方向(圧入方向)に沿う成分は、凸部55への衝突力F1(せん断力)として作用する。一方、圧入荷重の分力のうち、径方向に沿う成分は、ホルダ12を押し広げる力F2として作用する。したがって、ステータコア11は、凸部55を介してホルダ12を押し広げながら、小径筒部52内に圧入される。
以上により、ステータ1が完成する。
この構成によれば、ステータコア11が圧入された状態において、小径筒部52のうち、圧入工程時の変形量が多い低剛性部の最小内径部(凸部55bにおける径方向の内端)と、変形量が少ない高剛性部の最小内径部(凸部55aにおける径方向の内端)と、を同等にすることができる。これにより、高剛性部及びステータコア11間に作用する荷重と、低剛性部及びステータコア11間に作用する荷重と、を同等にすることができる。そのため、小径筒部52とステータコア11との間に作用する荷重を、ステータコア11と小径筒部52との圧入部分の全体に亘って均一化できる。その結果、ステータコア11のプレート22のうち、圧入工程時に変形量の少ない高剛性部に接触しているプレート22が、低剛性部に接触しているプレート22に対して径方向に位置ずれするのを抑制できる。したがって、ロータとステータコア11との径方向のクリアランスを軸方向の全体に亘って均一にすることができ、メンテナンス頻度の低下を図ることができるとともに、高性能な回転電機を提供できる。
この構成によれば、ホルダ12の内周面とステータコア11の外周面との全体が接触した状態で圧入される場合に比べて、ホルダ12の内周面のうち、ステータコア11の外周面との接触面積を低減できる。これにより、ステータコア11の外周面とホルダ12の内周面との間に作用する面圧を増加させ、ホルダ12内にステータコア11を強固に保持できる。
また、ホルダ12の内周面のうち、ステータコア11の外周面との接触面積を低減できるので、圧入後の残留応力が軽減され易くなり、磁気特性への影響を抑えることができる。
さらに、凸部55の膨出量を変更することで、ステータコア11と小径筒部52との間の締め代を高剛性部と低剛性部とで変更できるので、締め代の調整が容易になる。
上述した実施形態では、凸部55が全周に亘って形成された場合について説明したが、これに限らず、周方向に断続的に形成したり、螺旋状に形成したりしても構わない。
さらに、フランジ部42の位置は、適宜変更が可能である。
次に、第2実施形態について説明する。図8は、第2実施形態に係るステータ1の断面図である。なお、以下の説明では、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、筒部41における軸方向の両端部にフランジ部101,102が形成されている点で上述した実施形態と相違している。
図8に示すホルダ100において、筒部41における軸方向の両端部には、径方向の外側に突出するフランジ部101,102が筒部41の全周に亘って形成されている。そのため、筒部41のうち、軸方向の両端部(フランジ部101,102)に近接する部分は、軸方向の中央部に比べて剛性が高い高剛性部となっている。なお、各フランジ部101,102には、ホルダ100をステータハウジングに取り付けるための貫通孔103,104がそれぞれ形成されている。
次に、第3実施形態について説明する。図9は、第3実施形態に係るロータ200の断面図である。本実施形態では、本発明のホルダ構造をロータ200に採用した点で上述した実施形態と相違している。
図9に示すように、本実施形態のロータ200は、ロータシャフト(ホルダの一種でありホルダ構造)201と、ロータシャフト201に外嵌されたロータコア(積層体)202と、を有している。
接続フランジ部212は、内側筒部210における軸方向の第1端部から径方向の外側に突設されている。
外側筒部211は、内側筒部210と同軸上に配置されている。外側筒部211は、軸方向の長さが内側筒部210よりも長くなっている。外側筒部211における軸方向の中央部には、接続フランジ部212における径方向の外側端部が接続されている。したがって、外側筒部211のうち、軸方向の中央部(接続フランジ部212との接続部分を含む領域)は、軸方向の両端部(低剛性部)に比べて剛性が高い高剛性部になっている。
12…ホルダ(ホルダ構造)
41…筒部
42…フランジ部(突出部)
52…小径筒部(嵌合部分)
55,55a,55b,255,255a,255b…凸部
202…ロータコア(積層体)
201…ロータシャフト(ホルダ構造)
211…外側筒部(嵌合部分)
212…接続フランジ部(突出部)
Claims (4)
- 磁性を有するプレートが軸方向に積層された筒状の積層体を、筒状のホルダに嵌合する嵌合工程を有し、
前記ホルダにおける前記積層体との嵌合部分のうち、高剛性部での前記積層体との締め代を低剛性部での前記積層体との締め代に比べて小さくすることを特徴とするホルダ構造の製造方法。 - 磁性を有するプレートが軸方向に積層された筒状の積層体が嵌合され、前記積層体に同軸上に配置された筒状のホルダを備え、
前記ホルダにおける前記積層体との嵌合部分のうち、高剛性部での前記積層体との締め代は、低剛性部での前記積層体との締め代に比べて小さくなっていることを特徴とするホルダ構造。 - 前記ホルダは、
前記積層体が嵌合された筒部と、
前記筒部から径方向に突設された突出部と、を有し、
前記高剛性部は、前記筒部のうち、前記突出部との接続部分及び前記接続部分の周辺部分であることを特徴とする請求項2に記載のホルダ構造。 - 前記ホルダには、径方向で前記積層体に向けて膨出するとともに、前記積層体に接触する凸部が前記軸方向に間隔をあけて形成され、
前記凸部のうち、前記高剛性部に形成された凸部の前記径方向での膨出量は、前記低剛性部に形成された凸部の前記径方向での膨出量に比べて低くなっていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のホルダ構造。
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