JP2017220333A - 加速器及び粒子線照射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エネルギー可変かつ連続的にビームが出力可能かつビームの利用効率の高い加速器を提供する。従来のサイクロトロンでは取り出しビームのエネルギー変更は困難であり、シンクロトロンでは連続的にビームを出力することが難しかった。【解決手段】等時性磁場中を周回するイオンビームを高周波電圧で加速する加速器において、加速器の半径方向の複数の位置で、前記加速されたイオンビームをビーム周回軌道から離脱させるビーム離脱装置と、加速器の半径方向の複数の位置で、前記イオンビームを外部に取り出すビーム出射経路を備えることを特徴とする加速器。【選択図】 図2

Description

本発明は、加速器及び粒子線照射装置、特に、がんの治療に適用するのに好適な加速器及び粒子線照射装置に関する。
粒子線治療や物理学実験などに用いられる高エネルギーの荷電粒子ビームは、加速器により生成される。核子あたり200MeV前後のエネルギーを持つ荷電粒子ビームは、例えば、特許文献1や特許文献2に記載のサイクロトロンや特許文献3に記載のシンクロトロンを用いて得られる。シンクロトロンでは、ビームは時間変化する高周波電場の電圧及び周波数によって加速され、時間変化する電磁石の磁場によって、加速された後も一定の軌道を周回し続ける。そのため一定の出射経路を通じて、設計の範囲内において、任意のエネルギーのビーム出射制御が可能である。サイクロトロンでは、高周波電場で加速されたビームは、静磁場中を周回する。そのためビームの軌道半径は加速されるごとに大きくなる。その後、最外周に達した最大エネルギーのビームが取り出される。またサイクロトロンにおいて、設計範囲内の任意のエネルギーのビーム出射を可能とする手段が特許文献4に記載されている。
特開2014−020800 特開2014−186939 特開2014−160613 特開平01−289100
シンクロトロンを用いた粒子線照射装置は、シンクロトロンから異なるエネルギーをもつ例えばイオンビームのような荷電粒子ビームを出射することができる。一方で、シンクロトロンは、複数の偏向電磁石および複数の四重極電磁石が必要であるため、その小型化には限界がある。また、シンクロトロンから取り出されるイオンビームは間欠的であり、電流ピーク値の等しい連続的なイオンビームを取り出せる他のタイプの加速器に対して、単位時間当たりに取り出せるイオンビームの量が少なくなる。
これに対し、シンクロトロンよりも小型化可能なサイクロトロンを用いた粒子線照射装置は連続的なイオンビームを取り出すことが出来るため、電流ピーク値の等しい間欠的なビームを出射するシンクロトロンに対して、単位時間当たりに取り出せるイオンビームの量が多くなる。しかし、サイクロトロンから取り出されるイオンビームのエネルギーは固定となり、最大エネルギーよりも低いエネルギーのイオンビームを取り出すことはできない。従って、イオンビームのエネルギーを変更するためには、加速器からイオンビームを取り出した後、ビーム輸送系に設けられたデグレーダを通過させ、イオンビームのエネルギーを減衰させる必要がある。エネルギー変更可能になることで、たとえば粒子線治療装置への適用が可能となる。一方、デグレーダを用いたエネルギー変更手段には、イオンビームのビームサイズの増加、イオンビーム電流低下による取り出し効率の低下、粒子線照射装置の放射化という課題がある。
このため、エネルギーの異なるイオンビームを連続的に取り出し、イオンビームの取り出し効率を向上できる粒子線照射装置が望まれている。
特許文献4に記載の手段では、軌道半径方向に沿って移動自在のビーム取り出し用デフレクタと、デフレクタの後方に設置され軌道半径に沿って移動自在の超伝導体からなるビームガイドがビーム軌道位置まで移動することで、エネルギー毎に軌道が分離したサイクロトロン中の任意のエネルギーのイオンビームが出射される。この手段を用いて、例えば陽子線治療に必要な70MeVから235MeV程度の幅広いエネルギーのイオンビームを出射するためには、軌道半径方向に長い移動距離が必要になる。ビームガイドの移動距離が長くなると、移動機構の大型化や移動時間の増大につながる。
本発明の目的は、サイクロトロンのようなイオンビームの軌道がエネルギーごとに分離し、周回するイオンビームの周回時間が一定の円形加速器において、取り出すイオンビームのエネルギー変更を容易にすることである。
上記の目的を達成するために、代表的な本発明の加速器の一つは、等時性磁場中を周回するイオンビームを高周波電圧で加速する加速器において、加速器の半径方向の複数の位置で、前記加速されたイオンビームをビーム周回軌道から離脱させるビーム離脱装置と、加速器の半径方向の複数の位置で、前記イオンビームを外部に取り出すビーム出射経路を備えることにより達成される。
本発明によれば、加速器から、エネルギーが異なる各イオンビームを効率良く出射することができる。
本発明の実施例1の加速器1の全体概形。 図1に示す加速器1の内部構造。 図2に示す加速器1の内部構造の軸Aに沿った断面図。 図2に示す加速器1の内部構造の軸Bに沿った断面図。 図2に示す加速器1のマスレスセプタム17の軸Bに沿った断面図。 図1に示す加速器1の設計ビーム軌道。 図1に示す加速器1のビーム軌道に沿った磁場分布。 図1に示す加速器1の軌道面内の磁場分布。 図1に示す加速器1のチューンのビームエネルギー依存性。 図1に示す加速器1のマスレスセプタム17が励磁する磁場分布。 図2に示すビーム出射経路上流部21及びビーム出射経路下流部22の構造。 図2に示すビーム出射経路上流部21のビーム20入射方向から見た構造。 図11に示すセプタム電磁石211の軌道半径方向軸に沿った断面図。 図11に示すセプタム電磁石211が励磁すべき磁場強度。 図11に示すビーム出射経路上流部21の駆動機構215の駆動距離。 図1に示す加速器を粒子線治療システムに適用した際の概略図。
以下、実施例を図面を用いて説明する。
以下、本発明の実施例である実施例1の加速器を図1〜図15に沿って説明する。
ここで等時性のある円盤状の加速器をサイクロトロン型加速器と呼ぶ。
本実施例1の加速器1について図1に示す。加速器1は、エネルギー可変かつ連続的にビーム出射可能なエネルギー可変連続波加速器である。加速器1は、静磁場中を一定の周波数で周回する、すなわち等時性が確保された、荷電粒子ビームを高周波電場で加速する円形加速器である。加速器1は上下に分割可能な磁石11によって外殻を成し、その内部は真空に保たれている。磁石11は複数の貫通口を備え、磁石11側面には内部に設置されたコイルの引き出し口111や高周波電源入力用貫通口112、加速されたビームを取り出すビーム出射用貫通口113を備える。また、磁石11の上部にはイオン源114が設置され、ビーム入射用貫通口115を通じてビームが加速器1内部に入射される。なお、全ての貫通口の接続先は真空に保たれている。
加速器1の内部構造について図2を用いて説明する。加速器1の内部には、円筒形の空洞12が設けられる。空洞12内には、磁石11内部の磁極を励磁する環状コイル13が設置されている。環状コイル13に電流を流すことで、環状コイル13の内側に設置した磁極121、122、123、124の形状に応じた分布をもつ磁場が形成される。加速器1は、環状コイル13の外側に、円筒形のリターンヨーク14を備える。磁極121、122、123、124によって、例えばビーム軌道32のような環状のビーム軌道に沿った4組の凹凸が空洞12中に形成され、ビームに作用する磁場は凹部で磁場強度が小さく、凸部で磁場強度が大きくなる。この磁場の強弱に加え、軌道に沿った磁場の平均値をビームのローレンツ因子に比例させることで、周回ビームの周回時間をエネルギーに依らず一定としつつ、ビームを軌道面及び軌道垂直方向について安定にベータトロン振動させる。このとき例えば、ビームの取り出しエネルギーは最小70MeVから最大235MeVである。空洞12内中央部に設置されイオン源114から発生したイオンビームが入射するビーム入射点103から入射されたイオンビームは、磁極121と122、及び123と124の間にそれぞれ設置された高周波空胴141、142によって励起される高周波電場が印加された間隙を通過するごとに加速され、磁石11によって形成された磁場中を周回する。
図3は、図2に示した加速器1内部構造の軸Aでの断面図である。加速器1において、ビームの軌道中心は加速されるごとに軌道面18内を一方向に移動するように定めている。したがって、中心面において磁場の面方向成分が0になるよう、環状コイル13を構成する1対の環状コイル13a及び13bが、軌道面18に対して対称に設置される。磁極121a、121b、124a、124bには、それぞれ磁場補正用のトリムコイル118a、118b、119a、119bを設置してあり、運転前にコイルに流す電流を調整することで、等時性及びベータトロン振動の安定性が確保されるように磁場を微調整する。ここでは図示していないが、磁極122と軌道面18を挟んだ向いにある磁極及び、磁極123と軌道面18を挟んで向いにある磁極も、それぞれ1対のトリムコイルを備える。また、磁場分布を軸Bに対して左右対称の分布とした結果、磁極121と124、122と123の形状は左右対称となっている。磁極凹部には、高周波空胴141、142、ビーム出射経路上流部21、ビーム取出し時にビームを蹴り出すキッカー電磁石であるマスレスセプタム17が設置される。セプタム電磁石211はマスレスセプタム17の対面の磁極凹部に位置する。
図4に、図2に示した加速器1内部構造の軸Bでの断面図を示す。マスレスセプタム17は、図4に示す軌道面18に対して対称に設置されたマスレスコイル172a、172b中の特定のコイルに電流を流すことで、特定の位置にのみ磁場を印加する。取り出しエネルギーである70MeVから235MeVのエネルギーのビームは、周回ごとにマスレスセプタム17の鉄心171及びマスレスコイル172a、172bに挟まれた間隙173を通過する。ビーム出射経路上流部21中のセプタム電磁石211は、環状コイル13の半径方向に駆動し、マスレスセプタム17によって蹴り出されたビームを、ビーム出射経路上流部21のビーム進行方向下流に位置し、ビーム出射用貫通口113を通じて加速器1外部へと延びたビーム出射経路下流部22へと入射させる。
次に、加速器1の特徴であるビーム軌道について説明する。図6に、加速器1中を周回するビームの各エネルギーにおける軌道を示す。ビームの周回軌道は、最大エネルギーである235MeVから磁気剛性率0.04Tmおきに50種のエネルギーについて実線で示してある。点線は、各エネルギー軌道における同位相の点を結んだ等時性線と呼ばれる線をπ/18ごとに描画している。高周波空胴141、142の加速間隙は等時性線に沿って設置される。50MeV以下の低エネルギー領域ではサイクロトロンと同様にビーム入射点103近傍を中心とする軌道となる。50MeVよりも大きなエネルギーの軌道はセプタム電磁石211付近で集約しており、マスレスセプタム17が設置されている凹部では各軌道間の距離は離れている。前者の領域を軌道集約領域、後者の領域を軌道離散領域と呼称することとする。軌道離散領域の軌道面18上の幅1mの領域に70MeVから235MeVまでの各エネルギーの軌道が並んでおり、マスレスセプタム17において磁場を印加する領域を適当に定めることで、その位置に対応するエネルギーのビームが蹴り出される。この蹴り出しによって平衡軌道から逸脱したビームは、半周先の軌道集約領域に設置されたビーム出射経路に入射する。ビーム出射経路は上流部161と下流部22から成る。ビーム出射経路上流部21中のセプタム電磁石211は、環状コイル13の半径方向に駆動することで、マスレスセプタム17によって蹴り出されたビームを自身に入射させ、その後ビーム出射経路下流部22へ入射させる。このときセプタム電磁石211は、磁場を励起しビームを出射経路下流部22中の設計軌道に乗せるために必要な偏向をビームに対して与える。ビーム出射経路下流部22は、ビーム出射用貫通口113を通じてビームを加速器1外部へ取り出す。
上に述べた設計軌道の構成と設計軌道周辺で安定なベータトロン振動を生じさせるために、本実施例の加速器1においては、ビーム軌道に沿って磁場強度の極大と極小が1周当たり4回現れる磁場分布を採用している。
図7に、図6のビーム軌道を実現するために必要なビーム軌道に沿った磁場強度分布を示す。図7にはエネルギー235MeV、200MeV、150MeV、70MeV、7.5MeVの軌道に沿った磁場分布を縦軸として、軌道集約領域を0とし半周先の軌道離散領域を1とする軌道方向の距離を横軸として示してある。エネルギーの増大に対して軌道方向の平均的な磁場を増加させつつ、ベータトロン振動の振幅を適切に定めることで、加速器1のような偏心した軌道構成においても、等時性を持ち、かつ安定にベータトロン振動する磁場分布を実現できる。
軌道面18上の磁場分布を最大磁場2.5T、最小磁場0.3Tの間を16段階に分けた等磁場線図を図8に示す。図2中の円32は及び、図6、図8中の破線で示した半径1508mmの円でありこの内部に全エネルギーの軌道が内包される。
以上の条件のもとで、評価した加速器1中を周回するビームの軌道面内及び軌道垂直方向のベータトロン振動の振動数であるチューンをそれぞれ図9に示す。各エネルギーでのチューンは、その前後のエネルギーの軌道上の磁場から得られる磁場勾配を元に計算した。軌道面18に垂直な方向のチューンは低エネルギーでほぼ0であり、全エネルギー範囲で0以上0.5未満の領域に存在する。軌道面18内に平行な方向のチューンは低エネルギーでほぼ1であり、ビームが加速されるに従い増加する。
図2のマスレスセプタム17として、図5に示すように、銅線で形成された電流経路であるマスレスコイル172を設置している。マスレスコイル172は、ビーム軌道に対してほぼ平行な方向に設置される複数の電流経路から構成される。この中の特定の位置の電流経路に対して電流を流すことで図10に示すように、ビームの進行方向に対して半径方向外側の磁場強度を大きくもしくは小さくすることができる。このように、磁場の印加領域を局在化することで、特定のエネルギーの軌道のビームを、設計軌道から逸脱させ、半周先のビーム出射経路上流部21に到達させることができる。
図11を用いて、ビーム出射経路上流部21及びビーム出射経路下流部22の構成を説明する。ビーム出射経路上流部21はセプタム電磁石211、駆動装置314、支持架台315、駆動制御装置316で構成される。ビーム出射経路下流部22は、磁石11を貫通し、ビーム出射用貫通口113まで延びる。セプタム電磁石211は、セプタムコイル311、リターンコイル312、ヨーク313から構成される。ビーム出射経路下流部22も同様に、セプタムコイル321、リターンコイル322、ヨーク323から構成される。セプタム電磁石211は、駆動制御装置316により制御される駆動装置314により半径方向に移動する。支持架台315は、例えば図12に示すように磁極凹部に設置され、セプタム電磁石211及び駆動装置314を支持し、ビーム20がセプタム電磁石211に入射するために適当な高さを保つ。
図13に、軌道半径方向軸に沿ったセプタム電磁石211の断面図を示す。セプタムコイル403、リターンコイル404に電流を流し、ヨーク405空隙に磁場406を発生させる。この空隙をビーム20が通過する。外部磁場の影響を抑えるため、ヨーク405開放部401を覆うように磁気シールド402を設置する。ビーム出射経路下流部22も同様の構造を持つ。
セプタム電磁石211およびビーム出射経路下流部22の曲率半径を1.5mと設定した際の、セプタム電磁石211に入射した各エネルギーのビームを加速器1外に出射するために励磁すべき磁場強度を図14に示す。加速器1外に出射するビームのエネルギーが高くなるに従い、セプタム電磁石211に入射させるビームのエネルギーも高くなり、セプタム電磁石211に励磁する磁場強度も大きくなる。加速器1から出射するビームのエネルギーが最大のとき、セプタム電磁石211に設定する磁場強度も最大となる。
マスレスセプタム17に蹴り出されたビーム20は、半周先の軌道集約領域に達する。マスレスセプタム17により蹴りだされたビームは、蹴りだされなかった場合にそのエネルギーのビームが通る軌道とは、軌道集約領域において軌道半径方向に離れた位置を通過する。このとき、セプタム電磁石211は、駆動制御装置316及び駆動装置314により、蹴り出された対象のエネルギーのビームが半周先の軌道集約領域で通過する軌道半径方向の位置まで移動する。これにより、ビーム20はセプタム電磁石211に入射する。
図15に、マスレスセプタム17で蹴られた70MeVから235MeVのビームを加速器1から出射するために必要なセプタム電磁石211の初期位置からの移動量を示す。初期位置とは、ビーム周回軌道から軌道半径の外側方向に、ある一定距離離れた位置であり、適宜設定される。
マスレスコイル172が生じる磁場強度を大きくすれば、ビームを軌道半径方向により離れた位置に蹴りだすことが出来るが、加速器のスペースには限りがあり、大きな磁場を発生するコイルを設置することは困難である。図15は、このときマスレスコイル172中の各電流経路が励起する磁場強度の最大値をある制限値とした場合のグラフである。制限値は例えば0.005〜0.1Tとすることができ、更に0.01〜0.02Tの値にするとセプタム電磁石211の移動量とのバランスの観点からより望ましい。セプタム電磁石211の移動量は取り出すビームのエネルギーが低くなるにつれて増大する。、しかし、最大エネルギーである235MeVのビームを取り出すときのセプタム電磁石211の位置から、70MeV以下の低エネルギーを取り出す際のセプタム電磁石211の移動量は50mm以下となる。
各エネルギーのビーム軌道に沿った磁場の平均値が加速器1と等しいサイクロトロンにマスレスセプタムと移動可能なセプタム電磁石を適用した場合、出射経路を半径方向に移動させることで70MeVから235MeVのイオンを出射するために必要な出射経路の最大移動距離は566mmとなる。サイクロトロンであってもマスレスセプタムと移動可能なセプタム電磁石を設置することで様々なエネルギーのビームを取り出すように出来ることは考えられるが、軌道集約領域を有する加速器に本実施例のマスレスセプタムと移動可能なセプタム電磁石を適用した場合は、セプタム電磁石の移動距離を10分の1程度の大きさにできる。
図16は本実施例の加速器を粒子線治療システムに適用した場合の図である。イオンビームを加速する加速器システム1000と、加速したイオンビームを輸送する輸送システム1001と、輸送されたイオンビームを照射対象に照射する照射システム1002を有し、加速器システム1000と輸送システム1001と照射システム1002を制御する制御システム1003を備える。制御システムが事前に作成された治療計画及び照射計画に基づき、加速器システムに要求したエネルギーのビームを出射するために、加速器システムの制御器が電磁石等を制御する。加速器システムから出射された適切なエネルギーのビームが照射対象に照射される。幅広いエネルギーのビームを容易に効率的に連続的に取出すことが出来ることで、治療のスループットを向上させることが出来る。
以上により本実施例の構成の加速器1を用いれば、広い範囲のエネルギーのビームを高効率で取り出すことが可能になる。また、ビーム出射経路に導くセプタム電磁石を移動させることが出来ることで、より小型で励磁量の小さいビーム軌道脱離用の装置を採用しても出射効率を維持することが出来るようになる。
本実施例においては、取り出しのための軌道離脱手段としてマスレスセプタムを用いたが、軌道の離脱に十分な蹴り量が得られれば力の発生源を電場に変えてもよく、蹴り出しの方向も垂直に変えてもよい。また、本実施例では磁極形状とトリムコイル電流によって所定の磁場分布に従った励磁を実現しているが、どちらか一方にて磁場の励磁を実現しても良い。マスレスセプタムによって蹴り出されたビームが入射される先は、ビームを十分偏向させられるのであればセプタム電磁石の代わりに静電デフレクタであってもよい。
1 加速器
11 磁石
12 内部空洞
13 コイル
14 リターンヨーク
17 マスレスセプタム
21 ビーム出射経路上流部
22 ビーム出射経路下流部
103 ビーム入射点
111 コイル引き出し口
112 高周波電源入力用貫通口
113 ビーム出射用貫通口
114 イオン源
115 ビーム入射用貫通口
121〜124 磁極凸部
141〜142 高周波空胴
151〜152 高周波電源入力経路
211 セプタム電磁石

Claims (10)

  1. 等時性磁場中を周回するイオンビームを高周波電圧で加速する加速器において、
    前記加速器の半径方向の複数の位置で、前記加速されたイオンビームをビーム周回軌道から離脱させるビーム離脱装置と、
    前記加速器の半径方向の複数の位置で、前記イオンビームを外部に取り出すビーム出射経路を備えることを特徴とする加速器。
  2. 前記ビーム出射経路は、
    前記環状コイルの半径方向の複数の位置で、前記ビーム離脱装置により前記ビーム周回軌道から離脱した前記イオンビームを外部に取り出す、セプタム電磁石により形成される出射経路である請求項1に記載の加速器。
  3. 前記ビーム出射経路は、
    前記環状コイルの半径方向の複数の位置で、前記ビーム離脱装置により前記ビーム周回軌道から離脱した前記イオンビームを外部に取り出す、静電デフレクタにより形成される出射経路である請求項1に記載の加速器。
  4. 前記出射経路を移動させる駆動装置を有する請求項2に記載の加速器。
  5. 軌道集約領域を有する請求項1に記載の加速器。
  6. 加速器で出射するビームのエネルギーを高くする場合に、前記セプタム電磁石の磁場強度も大きくするように制御する制御装置を有する請求項2に記載の加速器。
  7. 加速器から取り出すビームのエネルギーが低くなるにつれて、前記セプタム電磁石の移動量を増大させるように制御する制御装置を有する請求項4に記載の加速器。
  8. サイクロトロン型加速器において、
    前記加速器の半径方向の複数の位置で、前記加速されたイオンビームをビーム周回軌道から離脱させるビーム離脱装置と、
    前記加速器の半径方向の複数の位置から、前記脱離されたイオンビームを外部に取り出すビーム出射経路に導く装置と、
    を備えることを特徴とする加速器。
  9. 軌道集約領域を更に有し、
    前記ビーム出射経路に導く装置は前記軌道集約領域に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の加速器。
  10. イオンビームを加速する加速器と、
    前記加速されたイオンビームを輸送する輸送システムと、
    前記輸送されたイオンビームを照射対象に照射する照射システムを有し、
    前記加速器は、サイクロトロン型加速器であって、
    前記加速器の半径方向の複数の位置で、前記加速されたイオンビームをビーム周回軌道から離脱させるビーム離脱装置と、
    前記加速器の半径方向の複数の位置から、前記イオンビームを外部に取り出すビーム出射経路に導く装置を備えることを特徴とする粒子線治療システム。
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