JP2017219817A - 光学部品 - Google Patents
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Abstract
【課題】光の拡散性を重視しながらも、出射光の光束を向上することができる光学部品を提供する。【解決手段】光源18からの励起光20を波長変換して、励起光20とは異なった発光色を得る光学部品10であって、透光性と光拡散性を有するセラミック基板12と、セラミック基板12に設けられたダイクロイック膜14及び蛍光体層16とを少なくとも構成要因として有しており、これら構成要因に対して、光源18からの励起光20が必ずダイクロイック膜14から入射するように配置されている。【選択図】図1
Description
本発明は、光源からの励起光を波長変換して、前記励起光とは異なった発光色を得る光学部品に関する。
従来、例えば特許文献1には、光源の光の色(波長)を変換する光変換部材についての記載がある。この光変換部材は、セラミック板と、セラミック板の一主面に形成された蛍光体層とを有する。
ところで、セラミック板(透光性基板)と蛍光体層より構成される、いわゆるリモートフォスファー技術において、発光色、すなわち、出射光の光束を上げるには、光学部品の透過率(入射光の光束に対する透過光の光束の比)を上げるために、透光性基板の種類を変更したり、透光性基板の厚みを薄くしたり、透光性基板の表面を鏡面研磨する、透光性基板を構成する結晶粒子の粒子径を大きくすること等、種々の方策が考えられる。
しかし、透過率の向上は改良前に比較して、透光性基板の光拡散性が低下する傾向となる。すなわち、透過率を向上させると光の直進性が強くなり、光の拡がり、すなわち、拡散性が低下する傾向となる。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、光の拡散性を重視しながらも、出射光の光束を向上することができる光学部品を提供することを目的とする。
[1] 本発明に係る光学部品は、光源からの励起光を波長変換して、前記励起光とは異なった発光色を得る光学部品であって、透光性と光拡散性を有するセラミック基板と、前記セラミック基板に設けられたダイクロイック膜及び蛍光体層とを少なくとも構成要因として有しており、これらの構成要因に対して、前記光源からの前記励起光が必ず前記ダイクロイック膜から入射するように配置されていることを特徴とする。
[2] 本発明において、前記ダイクロイック膜、前記セラミック基板及び前記蛍光体層の順番で相互に接して積層されていることが好ましい。
[3] 本発明において、前記ダイクロイック膜、前記蛍光体層及び前記セラミック基板の順番で相互に接して積層されていることが好ましい。
[4] 本発明において、前記セラミック基板は、該セラミック基板を構成する結晶粒子の平均粒子径が10μm以下であることが好ましい。
[5] 本発明において、前記セラミック基板の厚みが2mm以下であることが好ましい。
[6] 本発明において、前記セラミック基板の表面が焼成面(As−Fired面)であることが好ましい。
本発明に係る光学部品によれば、光の拡散性を重視しながらも、出射光の光束を向上することができる。
以下、本発明に係る光学部品の実施の形態例を図1A〜図12Bを参照しながら説明する。なお、本明細書において、数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味として使用される。
本実施の形態に係る光学部品10は、図1A及び図1Bに示すように、透光性と光拡散性を有するセラミック基板12と、該セラミック基板12に設けられたダイクロイック膜14及び蛍光体層16とを有し、光源18からの励起光20を波長変換して、励起光20とは異なった発光色の出射光22を得る。特に、この光学部品10は、光源18からの励起光20がこの構成要因では必ずダイクロイック膜14から入射するように配置されている。
具体的には、第1光学部品10Aは、図1Aに示すように、光源18側からダイクロイック膜14、セラミック基板12及び蛍光体層16の順番で相互に接して積層されている。第2光学部品10Bは、光源18側からダイクロイック膜14、蛍光体層16及びセラミック基板12の順番で相互に接して積層されている。
セラミック基板12は、主成分が例えばアルミナである透光性基板であって、且つ、セラミック基板12を構成する結晶粒子の以下で定義される平均粒子径が10μm以下であり、さらに好ましくは5μm以下である。
セラミック基板12は、光源18側の面(一主面12a)と該一主面12aと対向する他主面12bとを有する平板形状を有することが好ましい。セラミック基板12の厚さは、例えば0.05〜2mmであり、面積は、四角相当の場合0.1mm×0.1mm以上程度であり、強度確保のため、面積が大きいほど厚さを大きくすることが好ましい。
なお、セラミック基板12は、平板形状を有するものに限定されるものではない。セラミック基板12は、例えば両主面、一主面12aあるいは他主面12bに三次元的な形状を有してもよい。このような形状として、例えば曲面形状(凹凸レンズ状)又はその集合体が用いられてもよい。また、放熱を目的に、セラミック基板12に、冷却フィンの形状が設けられたり、孔部又は突起部が設けられてもよい。
セラミック基板12は、直線透過率(試料を測定器である積分球の入射口から100mm離して配置して測定した透過率)が1%程度以上であることが好ましく、5%程度以上であることがより好ましい。また、前方透過率(試料を測定器である積分球の入射口に直接当てて測定した透過率)が10%程度以上であることが好ましい。ここで拡散性を、以下のように定義する。
拡散性=1−直線透過率/前方透過率
拡散性=1−直線透過率/前方透過率
拡散性として0.05以上であることが好ましい。拡散性をアップすることにより、セラミック基板12からの透過光径が入射光径よりも広がるので広範囲に照射される効果が得られる、また、セラミック基板12を通過した励起光20(=透過光)を蛍光体層16に照射する場合、透過光が蛍光体層16中の蛍光体粒子に効率よく照射されるので出射光22の光束がアップする効果が得られる。
セラミック基板12は、内部にごく少量、例えば体積で1〜1000ppmの気孔を含有することが好ましい。気孔は、光の透光性に対して悪影響があるが、少量の気孔は、セラミック基板12内での光の拡散性を向上させる。透光性セラミック材料の種類は、特に限定されず、例えば、アルミナ、窒化アルミニウム、スピネル、PLZT(チタン酸ジルコン酸ランタン鉛)、YAG、Si3N4、石英、サファイア、AlON、硬質ガラス(例えばパイレックス(登録商標))等が挙げられるが、このうち主成分としてアルミナを含有する透光性アルミナが好ましい。具体的には、アルミナを90%以上含有することが好ましく、99%以上含有することがより好ましい。この場合、セラミック基板12の屈折率は、例えば1.73以上1.77以下程度、熱膨張係数は、例えば7×10-6/K程度である。透光性アルミナの結晶の平均粒子径は10μm以下であり、さらに好ましくは5μm以下が好ましい。平均粒子径の測定は、例えば次のように行われる。試料の任意の箇所が光学顕微鏡によって200倍の倍率で観察される。観察された像において、0.7mmの線分上に位置する結晶数Nが数えられる。この場合、平均粒子径は、
0.7×(4/π)/N
によって算出され得る。
0.7×(4/π)/N
によって算出され得る。
ダイクロイック膜14は、特定の波長の光(例えば励起光20)を透過(通過)し、その他の波長の光(例えば波長変換後の光や混色光)を反射する鏡の一種で、通常は誘電体の多層膜等の薄膜をコーティングさせて形成する。
すなわち、ダイクロイック膜14は、高屈折率層と低屈折率層とが交互に積層された構造を有する。高屈折率層の材質としては、TiO2(屈折率=2.2〜2.5)やTa2O3(屈折率=2.0〜2.3)等が挙げられ、低屈折率層の材質としては、SiO2(屈折率=1.45〜1.47)やMgF2(屈折率=1.38)等が挙げられる。また、ダイクロイック膜14の層数は、高屈折率層と低屈折率層とでそれぞれ5〜100層であり、膜厚は、1層につき、50〜500nmである。このようにすることで、透過波長領域と反射波長領域とを任意に設計することが可能となる。
ここで、4つの実験例(第1実験例〜第4実験例)を示す。
<第1実験例>
第1実験例は、サンプル1〜4について、それぞれ透過率を確認した実験である。
<第1実験例>
第1実験例は、サンプル1〜4について、それぞれ透過率を確認した実験である。
サンプル1は、図2Aに示すように、セラミック基板12の光源18側の面(一主面12a)にダイクロイック膜14を形成した。サンプル2は、図2Bに示すように、セラミック基板12の他主面12bにダイクロイック膜14を形成した。サンプル1及び2は、セラミック基板12を構成する結晶粒子の平均粒子径が20μmである。ダイクロイック膜14の透過波長領域の主たる波長範囲は350〜525nmである。なお、蛍光体層16は形成していない。
サンプル3は、サンプル1と同様に、セラミック基板12の光源18側の面(一主面12a)にダイクロイック膜14を形成した。サンプル4は、サンプル2と同様に、セラミック基板12の他主面12bにダイクロイック膜14を形成した。サンプル3及び4は、サンプル1及び2とは異なり、セラミック基板12を構成する結晶粒子の平均粒子径が3μmである。
そして、サンプル1〜4について、それぞれ光源18から入射光26を照射し、サンプル1〜4からの透過光28を積分球に入射して、入射光26の波長に対する透過率を測定した。その結果を図3及び図4に示す。図3において、サンプル1の測定結果を実線L1、サンプル2の測定結果を破線L2で示す。同様に、図4において、サンプル3の測定結果を実線L3、サンプル4の測定結果を破線L4で示す。
この第1実験例の結果から、平均粒子径が20μmのサンプル1及び2は、透過率(ピーク値)が共に80%で、両者の透過率曲線はほとんど変わらなかった。一方、平均粒子径が3μmのサンプル4は、透過率(ピーク)が45%、サンプル3では、55%となり、配置の順序が光源18/ダイクロイック膜14/セラミック基板12の場合と、配置の順序が光源18/セラミック基板12/ダイクロイック膜14の場合とで異なる透過率曲線となった。
<第2実験例>
第2実験例は、ダイクロイック膜14の透過特性を確認した。図5に示すように、ダイクロイック膜14の一主面14a側の第1媒質24aの屈折率を1.75、ダイクロイック膜14の他主面14b側の第2媒質24bの屈折率を1.52とした。そして、ダイクロイック膜14の一主面14aに対して入射光26を入射させ、ダイクロイック膜14に対する入射光26の入射角を0度、10度、20度及び30度としたときの透過光28の透過率を計算した。その結果を図6A及び図6Bに示す。図6Aにおいて、0度の結果を実線T0、10度の結果を破線T10で示す。同様に、図6Bにおいて、20度の結果を実線T20、30度の結果を破線T30で示す。
第2実験例は、ダイクロイック膜14の透過特性を確認した。図5に示すように、ダイクロイック膜14の一主面14a側の第1媒質24aの屈折率を1.75、ダイクロイック膜14の他主面14b側の第2媒質24bの屈折率を1.52とした。そして、ダイクロイック膜14の一主面14aに対して入射光26を入射させ、ダイクロイック膜14に対する入射光26の入射角を0度、10度、20度及び30度としたときの透過光28の透過率を計算した。その結果を図6A及び図6Bに示す。図6Aにおいて、0度の結果を実線T0、10度の結果を破線T10で示す。同様に、図6Bにおいて、20度の結果を実線T20、30度の結果を破線T30で示す。
この第2実験例の結果から、入射角が0度〜20度ではほとんど透過特性に変化はないが、入射角が30度において透過特性が劣化していることがわかる。
<第3実験例>
第3実験例は、ダイクロイック膜14の反射特性を確認した。図7に示すように、ダイクロイック膜14の一主面14a側の第1媒質24aの屈折率を1.75、ダイクロイック膜14の他主面14b側の第2媒質24bの屈折率を1.52とした。そして、ダイクロイック膜14の他主面14bに対して入射光26を入射させ、入射光26の入射角を0度、10度、20度、30度、40度及び50度としたときの反射光30の反射率を計算した。その結果を図8A〜図9に示す。図8Aにおいて、0度の結果を実線R0、10度の結果を破線R10で示す。同様に、図8Bにおいて、20度の結果を実線R20、30度の結果を破線R30で示す。図9において、40度の結果を実線R40、50度の結果を破線R50で示す。
第3実験例は、ダイクロイック膜14の反射特性を確認した。図7に示すように、ダイクロイック膜14の一主面14a側の第1媒質24aの屈折率を1.75、ダイクロイック膜14の他主面14b側の第2媒質24bの屈折率を1.52とした。そして、ダイクロイック膜14の他主面14bに対して入射光26を入射させ、入射光26の入射角を0度、10度、20度、30度、40度及び50度としたときの反射光30の反射率を計算した。その結果を図8A〜図9に示す。図8Aにおいて、0度の結果を実線R0、10度の結果を破線R10で示す。同様に、図8Bにおいて、20度の結果を実線R20、30度の結果を破線R30で示す。図9において、40度の結果を実線R40、50度の結果を破線R50で示す。
この第3実験例の結果から、入射角が0度〜40度ではほとんど反射特性に変化はないが、入射角が50度において反射特性が劣化していることがわかる。
<第4実験例>
第4実験例は、サンプル11〜14について、それぞれダイクロイック膜14の表面粗さ(セラミック基板12の表面粗さ)による前方透過率の影響を確認した。
第4実験例は、サンプル11〜14について、それぞれダイクロイック膜14の表面粗さ(セラミック基板12の表面粗さ)による前方透過率の影響を確認した。
サンプル11〜14は、図10に示すように、セラミック基板12の他主面12b(光源18側とは反対の面)にダイクロイック膜14を形成した。また、サンプル11〜14に使用する各セラミック基板12の表面粗さは、サンプル11が最も粗く、サンプル14が鏡面に近い状態である。つまり、表面粗さが粗い順に、サンプル11>サンプル12>サンプル13>サンプル14となっている。
そして、サンプル11〜14について、それぞれ光源18から入射光26を照射し、サンプル11〜14からの透過光28を積分球に入射して、入射光26の波長に対する前方透過率を測定した。その結果を図11に示す。図11において、サンプル11、12、13及び14の測定結果を実線L11、L12、L13及びL14で示す。なお、青色レーザの波長450nmを一点鎖線Kaで示し、青色レーザダイオードの波長460nmを二点鎖線Kbで示す。
この第4実験例の結果から、入射光26の透過波長領域Zaでは、ダイクロイック膜14が形成されるセラミック基板12の表面粗さによって前方透過率が大きく変化しているが、反射波長領域Zbでは、前方透過率は上述のセラミック基板12の表面粗さによってほとんど変化していないことがわかる。つまり、ダイクロイック膜14におけるセラミック基板12の表面粗さの影響は、透過波長領域Zaの方が、反射波長領域Zbよりも影響を受けやすいことがわかる。
<考察>
先ず、第1実験例から、セラミック基板12において光の拡散性を重視した場合、透過率が大きく低下することが判明した。これは、セラミック基板12を構成する結晶粒子の平均粒子径が小さくなる、すなわち、光の拡散性が大きくなると、セラミック基板12に垂直に入射した入射光26が結晶粒界において屈折し、その結果、ダイクロイック膜14に対する入射角度が大きくなり、透過率が低下したものと考えられる。特に、第2実験例からもわかるように、入射角が30度において透過特性が劣化しており、ダイクロイック膜14の透過率の変化は、入射角依存性が大きい。すなわち、平均粒子径が大きい場合は、ダイクロイック膜14とセラミック基板12の位置関係が光学特性に影響する度合いが小さい。しかし、平均粒子径が小さくなると、そのダイクロイック膜14とセラミック基板12の位置関係が光学特性に大きく影響し、セラミック基板12を通過することにより光の角度分布が広がることになる。その結果、平均粒子径の小さなセラミック基板12を通過した後の光は、ダイクロイック膜14を通過し難くなる。
先ず、第1実験例から、セラミック基板12において光の拡散性を重視した場合、透過率が大きく低下することが判明した。これは、セラミック基板12を構成する結晶粒子の平均粒子径が小さくなる、すなわち、光の拡散性が大きくなると、セラミック基板12に垂直に入射した入射光26が結晶粒界において屈折し、その結果、ダイクロイック膜14に対する入射角度が大きくなり、透過率が低下したものと考えられる。特に、第2実験例からもわかるように、入射角が30度において透過特性が劣化しており、ダイクロイック膜14の透過率の変化は、入射角依存性が大きい。すなわち、平均粒子径が大きい場合は、ダイクロイック膜14とセラミック基板12の位置関係が光学特性に影響する度合いが小さい。しかし、平均粒子径が小さくなると、そのダイクロイック膜14とセラミック基板12の位置関係が光学特性に大きく影響し、セラミック基板12を通過することにより光の角度分布が広がることになる。その結果、平均粒子径の小さなセラミック基板12を通過した後の光は、ダイクロイック膜14を通過し難くなる。
このことから、本実施の形態に係る光学部品10では、ダイクロイック膜14をセラミック基板12の光源18側の面(一主面12a)に形成するようにしたので、励起光20はダイクロイック膜14に対し、ほぼ垂直に入射し、ダイクロイック膜14による透過率の劣化を抑制し、且つ、セラミック基板12の平均粒子径が小さいことによる拡散性を大きくすることができる。これに対して、上述した第3実験例にも示すように、ダイクロイック膜14の反射率の変化は、入射角依存性が小さいことから、反射率の低下も抑えることができるので、平均粒子径の小さなセラミック基板12を通過した後の光であっても、ダイクロイック膜14によって効率よく反射されることになる。
なお、第4実験例の結果から、セラミック基板12の表面を焼成面(As−Fired面)にしても反射波長領域Zbでは実線L12、L13、L14と同様な結果が得られる。これにより、セラミック基板12の表面をさらに研磨加工を施す必要がなくなり、製造工程の簡略化、コストの低減化を図ることができる。上述の効果は、光源18、ダイクロイック膜14、セラミック基板12の位置関係がポイントであるので、図1Bに示す第2光学部品10Bについても同様な効果が得られる。
実施例1、2、比較例1及び参考例1について、蛍光体発光特性を確認した。
(実施例1)
特開2001−335371号公報記載のゲルキャスト法にて成形を行い、純度99.98%、平均結晶粒径3μm、外寸30×30mm、厚さ2.0mmの透光性アルミナ基板、すなわち、セラミック基板12を作製した。
特開2001−335371号公報記載のゲルキャスト法にて成形を行い、純度99.98%、平均結晶粒径3μm、外寸30×30mm、厚さ2.0mmの透光性アルミナ基板、すなわち、セラミック基板12を作製した。
そして、図1Aに示すように、セラミック基板12の一主面12a(光源18側の面)に、厚み3μmのダイクロイック膜14を形成し、セラミック基板12の一主面12aと反対側の面(他主面12b)に厚み50μmの蛍光体層16を形成した。
(実施例2)
図1Bに示すように、セラミック基板12の一主面12a(光源18側の面)に、厚み50μmの蛍光体層16を形成し、該蛍光体層16の光源18側の面に厚み3μmのダイクロイック膜14を形成した。
図1Bに示すように、セラミック基板12の一主面12a(光源18側の面)に、厚み50μmの蛍光体層16を形成し、該蛍光体層16の光源18側の面に厚み3μmのダイクロイック膜14を形成した。
(比較例1)
図12Aに示すように、セラミック基板12の他主面12bに、厚み3μmのダイクロイック膜14を形成し、該ダイクロイック膜14の他主面に厚み50μmの蛍光体層16を形成した。
図12Aに示すように、セラミック基板12の他主面12bに、厚み3μmのダイクロイック膜14を形成し、該ダイクロイック膜14の他主面に厚み50μmの蛍光体層16を形成した。
(参考例1)
図12Bに示すように、セラミック基板12の他主面12bに、厚み50μmの蛍光体層16を形成した。
図12Bに示すように、セラミック基板12の他主面12bに、厚み50μmの蛍光体層16を形成した。
<蛍光体発光特性の評価>
励起光波長440〜480nmに対する参考例1の蛍光体発光特性、すなわち、出射光の光束(出射光波長480〜780nm)を1として、実施例1、2及び比較例1を相対評価した。蛍光体発光特性の評価結果(出射光の光束比率)を、下記表1に示す。
励起光波長440〜480nmに対する参考例1の蛍光体発光特性、すなわち、出射光の光束(出射光波長480〜780nm)を1として、実施例1、2及び比較例1を相対評価した。蛍光体発光特性の評価結果(出射光の光束比率)を、下記表1に示す。
表1から、比較例1は、蛍光体発光特性が参考例1よりも低く、0.8であった。これは、<考察>の欄でも述べたように、セラミック基板12を構成する結晶粒子の平均粒子径を3μmに小さくして、光の拡散性を重視すると、セラミック基板12に垂直に入射した励起光20が結晶粒界において屈折し、その結果、ダイクロイック膜14に対する入射角度が大きくなり、透過率が低下したことにより、発光特性が小さくなったものと考えられる。
これに対して、実施例1及び2は、評価結果がいずれも2で、参考例1の約2倍で非常に高かった。これは、ダイクロイック膜14をセラミック基板12の光源18側の面(一主面12a)に形成するようにしたので、以下のような理由によるものと考えられる。
(1) 励起光20はほぼ垂直に入射し、ダイクロイック膜14による透過率の劣化を抑制し、光の拡散性を維持した上で、蛍光体層16への励起光20の量を参考例1と同程度にすることができたものと考えられる。
(2) 蛍光体層16からの反射光についても、入射角依存性が小さいことから、ダイクロイック膜14での反射率の低下が抑えられたものと考えられる。
(3) 参考例1では、蛍光体層16からセラミック基板12に向かう出射光がそのまま光源18側に散逸していたが、実施例1及び2では、蛍光体層16からセラミック基板12に向かう出射光がダイクロイック膜14にて反射し、この反射光が蛍光体層16からの出射光に重畳されたものと考えらえる。
(1) 励起光20はほぼ垂直に入射し、ダイクロイック膜14による透過率の劣化を抑制し、光の拡散性を維持した上で、蛍光体層16への励起光20の量を参考例1と同程度にすることができたものと考えられる。
(2) 蛍光体層16からの反射光についても、入射角依存性が小さいことから、ダイクロイック膜14での反射率の低下が抑えられたものと考えられる。
(3) 参考例1では、蛍光体層16からセラミック基板12に向かう出射光がそのまま光源18側に散逸していたが、実施例1及び2では、蛍光体層16からセラミック基板12に向かう出射光がダイクロイック膜14にて反射し、この反射光が蛍光体層16からの出射光に重畳されたものと考えらえる。
なお、本発明に係る光学部品は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
10…光学部品 10A…第1光学部品
10B…第2光学部品 12…セラミック基板
12a…一主面 12b…他主面
14…ダイクロイック膜 16…蛍光体層
18…光源 20…励起光
22…出射光 26…入射光
10B…第2光学部品 12…セラミック基板
12a…一主面 12b…他主面
14…ダイクロイック膜 16…蛍光体層
18…光源 20…励起光
22…出射光 26…入射光
Claims (6)
- 光源からの励起光を波長変換して、前記励起光とは異なった発光色を得る光学部品であって、
透光性と光拡散性を有するセラミック基板と、
前記セラミック基板に設けられたダイクロイック膜及び蛍光体層とを少なくとも構成要因として有しており、
これら構成要因に対して、前記光源からの前記励起光が必ず前記ダイクロイック膜から入射するように配置されていることを特徴とする光学部品。 - 請求項1記載の光学部品において、
前記ダイクロイック膜、前記セラミック基板及び前記蛍光体層の順番で相互に接して積層されていることを特徴とする光学部品。 - 請求項1記載の光学部品において、
前記ダイクロイック膜、前記蛍光体層及び前記セラミック基板の順番で相互に接して積層されていることを特徴とする光学部品。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学部品において、
前記セラミック基板は、該セラミック基板を構成する結晶粒子の平均粒子径が10μm以下であることを特徴とする光学部品。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学部品において、
前記セラミック基板の厚みが2mm以下であることを特徴とする光学部品。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学部品において、
前記セラミック基板の表面が焼成面(As−Fired面)であることを特徴とする光学部品。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|---|
CN109798457A (zh) * | 2019-01-23 | 2019-05-24 | 厦门大学 | 一种透射式蓝光激光照明组件 |
US10539862B2 (en) | 2017-06-07 | 2020-01-21 | Seiko Epson Corporation | Wavelength conversion element, wavelength converter, light source apparatus, and projector |
CN111699419A (zh) * | 2018-02-19 | 2020-09-22 | 日本碍子株式会社 | 光学部件及照明装置 |
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2016
- 2016-06-10 JP JP2016116619A patent/JP2017219817A/ja active Pending
Cited By (4)
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US10539862B2 (en) | 2017-06-07 | 2020-01-21 | Seiko Epson Corporation | Wavelength conversion element, wavelength converter, light source apparatus, and projector |
CN111699419A (zh) * | 2018-02-19 | 2020-09-22 | 日本碍子株式会社 | 光学部件及照明装置 |
CN111699419B (zh) * | 2018-02-19 | 2022-09-09 | 日本碍子株式会社 | 光学部件及照明装置 |
CN109798457A (zh) * | 2019-01-23 | 2019-05-24 | 厦门大学 | 一种透射式蓝光激光照明组件 |
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