JP2017219651A - 反射防止膜およびそれを有する光学素子、光学系、光学装置 - Google Patents

反射防止膜およびそれを有する光学素子、光学系、光学装置 Download PDF

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理絵 石松
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Abstract

【課題】残膜の膜厚がばらついても、400〜700nmの波長に対して、優れた反射防止特性を有する反射防止膜およびそれを有する光学素子、光学系、光学機器を提供することでる。【解決手段】上記目的を達成するために、本発明は、入射乃至射出する光線の表面反射を低減するための反射防止膜であって、d線に対する屈折率が1.68以上2.30以下の光学基板上に形成されており、400nm以下のピッチで規則的に配列された凹凸を持つ構造層と、該構造と該光学基板との間に形成された1層以上の中間層からなり、該構造層は、屈折率が膜厚方向に変化するグレーデッド部と該グレーデッド部の下部に一体で形成され、膜厚方向に屈折率が変化しない残膜部からなり、該残膜部の物理膜厚が63nm以上であることを満たす構成とした。【選択図】図1

Description

本発明は、光学素子の入出射面に設けられる反射防止膜に関し、特に深さ方向に屈折率が連続的に変化する構造を有する反射防止膜およびそれを有する光学素子、光学系、光学装置に関する。
従来、光学素子の表面には、入射光の光量損失を低減させるために、反射防止構造が形成されており、近年では使用波長より小さなピッチで配列した微細構造を利用した反射防止膜が知られている。この反射防止膜は、光入射側から膜厚方向に対して実質的に屈折率が連続的に変化するため、屈折率の異なる多層膜から構成される従来の反射防止膜より入射角度特性が少ない。このような微細凹凸構造を利用した反射防止膜の形成法として、特許文献1には、微細凹凸構造を持つ原盤を作製し、この原盤を型として微細構造を転写する方式が開示されている。
特許文献1には、作成した型を用いて光学素子表面に直接微細凹凸構造を転写する方法や、基板表面に樹脂等の材料でコーティングし、そこに構造を転写(ナノインプリント)することで微細構造を形成する方法が開示されている。
しかしながら、上記の方法で直接微細凹凸構造を光学素子表面に作成するためには、光学素子の材料が転写に必要な条件(ガラス転移温度や粘度、離型性)を満たす、ごく一部に限定されてしまう。また、ナノインプリントを用いて構造を転写する場合、微細凹凸構造と基板の界面における反射を抑制するために、基板と微細凹凸構造の界面の屈折率差をできるだけ小さくすることが必要となる。
しかし、現実的には利用できる材料が限られるため、実現可能な屈折率範囲が制限されてしまう。特に、高い屈折率を実現することは難しく、例えば屈折率が2.0の光学材料に上記の方法を適用することは難しい。
そこで、特許文献2では、微細構造と基板との間に基板よりも低い屈折率を持つ層(中間層)を1層設ける方法を提案している。中間層を1層追加することで、基板と微細構造との屈折率差を小さくし、かつ中間層の膜厚を最適化することにより、基板の屈折率が1.80に対して平均反射率0.1%以下の反射防止性能を得ることができる、としている。
特開2006−130841号公報 国際公開第2008/102882号公報
しかしながら、ナノインプリントで微細凹凸構造を形成する際には、コーティング層全体に構造を転写することは現実的には不可能で、構造が転写されない部分(残膜部)が構造層の下部に残存してしまう。そのため、特許文献2のように中間層を使用する場合、残存部を中間層として利用するか、残存部をドライエッチング等の処理で取り除く処理が必要なる。しかし、残存部の膜厚を均一に制御することが困難であるため、残存部の膜厚がばらつくことにより反射率特性が低下してしまう。また、残存部を取り除く場合には、製造のスループットが低下し、コストが上がるという問題点がある。
そこで、本発明の目的は、残膜部の膜厚敏感度を低減し、400〜700nmの波長に対して、優れた反射防止特性を有する反射防止膜およびそれを有する光学素子、光学系、光学機器を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明に係る反射防止膜は、
入射乃至射出する光線の表面反射を低減するための反射防止膜であってd線に対する屈折率が1.68以上2.30以下の光学基板上に形成されており、400nm以下のピッチで規則的に配列された凹凸を持つ構造層と該構造と該光学基板との間に形成された1層以上の中間層からなり、該構造層は、屈折率が膜厚方向に変化するグレーデッド部と該グレーデッド部の下部に一体で形成され、膜厚方向に屈折率が変化しない残膜部からなり、該残膜部の物理膜厚が63nm以上であることを特徴とする。
本発明によれば、残膜の膜厚がばらついても、400〜700nmの波長に対して、優れた反射防止特性を有する反射防止膜およびそれを有する光学素子、光学系、光学機器を提供することができる。
本発明の反射防止膜概略図 実施例1の反射防止膜の厚さに対する屈折率の関係 実施例1の反射防止膜の反射率特性 実施例1の反射防止膜において残膜部の膜厚バラつき(3σ=20nm)に対する反射率特性バラつき |na−ng|とRMS 実施例2の反射防止膜の厚さに対する屈折率の関係 実施例2の反射防止膜の反射率特性 実施例2の反射防止膜において残膜部の膜厚バラつき(3σ=20nm)に対する反射率特性バラつき 実施例3の反射防止膜の厚さに対する屈折率の関係 実施例3の反射防止膜の反射率特性 実施例3の反射防止膜において残膜部の膜厚バラつき(3σ=20nm)に対する反射率特性バラつき 実施例4の反射防止膜の厚さに対する屈折率の関係 実施例4の反射防止膜の反射率特性 実施例4の反射防止膜において残膜部の膜厚バラつき(3σ=20nm)に対する反射率特性バラつき 実施例5の反射防止膜の厚さに対する屈折率の関係 実施例5の反射防止膜の反射率特性 実施例5の反射防止膜において残膜部の膜厚バラつき(3σ=20nm)に対する反射率特性バラつき 実施例6の反射防止膜の厚さに対する屈折率の関係 実施例6の反射防止膜の反射率特性 実施例6の反射防止膜において残膜部の膜厚バラつき(3σ=20nm)に対する反射率特性バラつき 実施例7の反射防止膜の厚さに対する屈折率の関係 実施例7の反射防止膜の反射率特性 実施例7の反射防止膜において残膜部の膜厚バラつき(3σ=20nm)に対する反射率特性バラつき 実施例8の光学機器の概略図 比較例1の反射防止膜の厚さに対する屈折率の関係 比較例1の反射防止膜の反射率特性 比較例1の反射防止膜において残膜部の膜厚バラつき(3σ=20nm)に対する反射率特性バラつき
以下に、本発明の実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。なお、説明中の屈折率の値はすべて波長550nmでの値である。
図1は本発明の反射防止膜の概略図(断面図)であり、光学基板10の表面付近を拡大して示している。
光学基板10は屈折率が1.68〜2.30の光学ガラスもしくは光学プラスチックからなり、その表面に本発明の反射防止膜100が形成されている。反射防止膜100は、微細凹凸構造を持つ構造層30と、光学基板10と微細凹凸構造30との間に設けられた中間層20と、を有する。
さらに構造層30は、微細凹凸構造を持ち、かつ空間充填率が膜厚方向に変化する(すなわち、実質的な屈折率が膜厚方向に変化する)グレーデッド部2と、グレーデッド部2と一体で形成された、膜厚方向に屈折率の変化しない残膜部1からなる。波長が400nm以上700nm以下の入射光に対して、回折を防ぐためには、微細凹凸構造のピッチは400nm以下であることが好ましく、広い入射角度に対してその効果を得るためには、ピッチが200nm以下であることがさらに好ましい。
構造層30は、ナノインプリント法によって形成される。ナノインプリントは、製造方法により熱ナノインプリント、光ナノインプリント、室温ナノインプリントに大別されるが、本発明ではどの方法を用いてもよい。ただし、残膜部の膜厚が厚い場合は、膜厚方向に均一に成型するために熱ナノインプリントを用いることがより好ましい。また残存部1の物理膜厚が150nm以下の場合には、成形時間が短縮可能な光ナノインプリントや室温ナノインプリントが好ましい。構造層30に用いられる材料は特に限定しないが、例えば、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂、低融点ガラス等を用いることができる。
また、室温ナノインプリントではスピンオングラス(SOG)や水素シルセスキオキサンポリマー(HSQ)等のゾル・ゲル系の材料を用いてもよい。さらに、成形性や波長が400〜700nmの光に対する透過率を考慮すると、構造層30の材料の屈折率naは1.38以上1.60以下が好ましい。グレーデッド部2は光入射側から基板側に向かって充填率が連続的に増加する構造を持つ。グレーデッド部の実質的な屈折率neffは、充填率(FF)を用いて下記の式(1)で求められる。
これにより充填率が連続的に増加する構造は、実質的な屈折率neffが光入射側から基板側に向かって連続的に増加する構造となる。高い反射防止効果を得るためには、グレーデッド部2の物理膜厚は、130nm以上250nm以下であることが好ましい。膜厚が130nm未満になると、高い反射防止効果が得られる波長帯域が狭くなり、特に30度以上の入射角の光に対する性能が低下する。一方、膜厚が250nm以上になると、構造のアスペクト比が増大し製造が困難になるとともに、構造の不良等に起因した散乱により透過率が低下する。
また、残膜部の膜厚がばらつきを考慮した際にも所望の反射防止性能を得るためには、式(1)から求められるグ、レーデッド部2の最も基板側の実質的な屈折率ngと構造層30の材料の屈折率na(すなわち、前記残膜部1の屈折率na)が|na−ng|≦0.25を満たすことが好ましく、|na−ng|≦0.15を満たすことがさらに好ましい。ここで、前記のように|na−ng|≦0.15を満たすためには、na=1.50では、最も基板側の充填率が0.69以上であることが必要となる。
また、中間層を形成する膜のうち、最も光入射側の層の屈折率をniとすると、下記の式(2)および(3)を満たすことが好ましい。
ここで、daは残膜部の物理膜厚(nm)、mは正の整数、λは使用波長域内の任意の波長(nm)とする。この式を満たす時、グレーデッド部と残膜の界面から発生した反射波と残膜と中間層の界面から発生した反射波が打ち消しあうため、残膜部における膜厚ばらつきに対する反射率の変動(もしくは低下)を低減、すなわち残膜部の膜厚敏感度を低減できる。ここで、本発明の光学素子は400〜700nmの波長で使用され、naは上記の条件を満たすため、残膜部の物理膜厚daは63nm以上127nm以下であることが好ましい。
成型性や構造の強度を考慮すると、グレーデッド部2の形状は先端が尖った円錐や多角錐のような形状より、先端がなまった円錐台や多角錐台が好ましい。なお、グレーデッド部2の形状が円錐台や多角錐台のとき、構造の下端(すなわちグレーデッド部と残膜部との境界)から高さ距離d(nm)における充填率は下記の式から求められる。
ここで、D(nn)はグレーデッド部の膜厚、FF(MAX)とFF(min)はそれぞれ充填率の最大値および最小値である。なお、グレーデッド部2において最も光入射側の充填率がFF(min)、最も基板側の充填率がFF(MAX)である。
また、円錐台や多角錐台の上面の断面幅は、下面の断面幅の1/10以上であることが好ましい。たとえば、最も基板側のFFが1.0の場合、下面の断面幅はピッチと同等のため、上面はピッチの1/10以上であることが好ましい。この条件から、例えば円錐台形状の場合には、最も光入射側のFFは0.04以上であることが好ましい。ただし、グレーデッド部2の形状は、円錐台や多角錐台である必要はなく、円錐台や台形錐台、多角錐台をベースとして、先端や角等が丸みを帯びた形状であってもよい。
一方、中間層20は、光学基板1上に形成された単層構造もしくは2層以上の異なる層を積層した構造を持つ。中間層20の製法は特に限定されず、液相法や真空蒸着法、スパッタ法などの任意のプロセスを選定することができる。ただし、より緻密な膜を形成するためには、ドライプロセスのほうが好ましく、スパッタ法がより好ましい。さらに、反射防止膜100がより良好は性能を得るためには、中間層20は所定の屈折率と光学膜厚を有する第1層から第3層の薄膜を積層した構造を持つことが好ましい。
すなわち、光学基板10上に形成され、屈折率が1.60〜1.70、光学膜厚が40〜60nmの第1層、第1層上に形成され、屈折率が1.95〜2.20、光学膜厚が10〜50nmの第2層、第2層上に形成され、屈折率が1.60〜1.70、光学膜厚が195〜230nmの第3層からなることが好ましい。
中間層20の各層の材料は、例えば、SiOやMgO、Al、SiON、ZrO、HfO,Ta、TiOなどの金属酸化物、LaF,CeF,MgF,NdF,CaFなどの金属フッ化物の単体やそれらの化合物を用いることができる。光学基板10の材質によっては、大気に晒されることで表面に成分が溶出して曇りや着色(「ヤケ」と呼ばれる)が生じる場合があるため、これを防止するため、基板上に形成される層は、AlやSiONを用いることが好ましい。
反射防止膜100を形成する光学素子は、例えば、レンズ、プリズム、フライアイインテグレータ等を含む。また、この光学素子を有する光学系は、例えば、撮像光学系、走査光学系、投射光学系を含み、カメラ、ビデオカメラ、双眼鏡、複写機、プリンター、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイ、天体望遠鏡、顕微鏡等の光学機器に使用することができる。
このような光学機器において、本発明の反射防止膜を形成された光学系が十分な透過率、およびゴースト・フレア抑制効果を得るためには、残膜部1の膜厚が3σ=20nmの公差範囲内で、垂直入射時に450〜700nmで反射率のRMSが0.2%以下であることが好ましく、0.1%以下であればさらに好ましい。光学基板10の屈折率は、構成自体からの制約は特に受けない。ただし、より高い効果を発揮するためには、1.68以上2.20以下であることが好ましく、1.75以上2.05以下であることがより好ましい。
以下、具体的な計算例をもとに、本発明の反射防止膜について説明する。なお、以下の計算例では、構造部の屈折率は上記(1)から得られる屈折率を持つ膜として扱うものとする。
[実施例1]
実施例1の反射防止膜は、屈折率が1.808の光学基板10上に、3層の多層膜から形成された中間層20、その上に円錐台形状が規則的に配列した構造層30を持つ。構造層30はPMMAから形成されており、残膜部2の屈折率は1.493、グレーデッド部の屈折率は最も基板側の1.392から最も光入射側の1.045まで充填率の変化に従って連続的に変化している。中間層20は、基板側から屈折率が1.621、光学膜厚が51nmの第1層、屈折率が2.127、光学膜厚が19nmの第2層、屈折率が1.621、光学膜厚が207nmの第3層から形成されている。表1に実施例1の反射防止膜の構成を示す。
また、図2に実施例1の反射防止膜の膜厚方向(物理膜厚/nm)に対する屈折率を示す。さらに、図3に波長400〜700nmの波長に対する反射率特性を示す。なお、図3中の0deg、30deg・・・は、入射角度を表す。
図3より、本実施例の反射防止膜は、入射角度が0度のとき、400〜700nm全域で反射率0.1%以下、入射角が45度のとき、1.0%以下の優れた特性を示すことが分かる。なお、400〜700nmでの平均反射率は、0度のとき0.02%、45度のとき0.25%、60度のとき1.7%であった。
次に、図4に残膜部の膜厚を設計値に対して正規分布(3σ=20nm)に基づきばらつかせて100回計算した場合の反射率変動を示す。なお、図4(a)が入射角度0度の場合、図4(b)が入射角度45度の場合である。
図4より、このように残膜部の膜厚がばらついても、0度入射では、450〜700nmで0.1%以下、45度入射では1.0%以下と反射率への影響がきわめて小さいことが分かる。
次に図5に|na−ng|と残膜敏感度との関係を示す。
図5は横軸が|na−ng|で、縦軸は図4と同様に残膜の公差3σ=20nmとし反射率を100回計算した際の、最大反射率および最小反射率の二乗平均平方根(RMS)を示す。なお、この計算においては、波長帯域を450〜700nmとしている。また、基板や中間層は上記と同等であるが、naを変化させる際には、ngと各膜の膜厚はそれぞれ最適化している。また、図5中には参考として、下記比較例1のときのRMS値(0.545)を直線で示してある。
図5より、|na−ng|の増加に伴って、RMSが増加する、つまり残膜の膜厚敏感度が高くなることが分かる。光学素子の反射防止として十分な性能を発揮するには、少なくともRMSが0.25以下であることが好ましく、0.1以下であることがより好ましい。図5より、|na−ng|≦0.25のときRMS≦0.2%、|na−ng|≦0.15のときRMS≦0.1%を満たす。
[実施例2]
実施例2の反射防止膜は、屈折率が2.011の光学基板10上に、3層の多層膜から形成された中間層20、その上に円錐台形状が規則的に配列した構造層30を持つ。構造層30はポリカーボネイトから形成されており、残膜部2の屈折率は1.588、グレーデッド部の屈折率は最も基板側の1.466から最も光入射側の1.052まで充填率の変化に従って連続的に変化している。中間層20は、基板側から屈折率が1.694、光学膜厚が50nmの第1層、屈折率が2.127、光学膜厚が30nmの第2層、屈折率が1.694、光学膜厚が224nmの第3層から形成されている。表2に実施例2の反射防止膜の構成を示す。
また、図6に実施例2の反射防止膜の膜厚方向に対する屈折率を示す。さらに、図7に波長400〜700nmの波長に対する反射率特性を示す。
図7より、本実施例の反射防止膜は、入射角度が0度のとき、450〜700nm全域で反射率0.2%以下、入射角が45度のとき、1.0%以下の優れた特性を示すことが分かる。なお、400〜700nmでの平均反射率は、0度のとき0.06%、45度のとき0.27%、60度のとき1.9%であった。
次に、図8に実施例1と同様、残膜部をばらつかせたときの反射率変動を示す。
図8より、このように残膜部の膜厚がばらついても、0度入射では、450〜700nmで0.4%以下、45度入射では1.3%以下と反射率への影響がきわめて小さいことが分かる。
[実施例3]
実施例4の反射防止膜は、屈折率が2.116の光学基板10上に、3層の多層膜から形成された中間層20、その上に円錐台形状が規則的に配列した構造層30を持つ。構造層30はポリスチレンから形成されており、残膜部2の屈折率は1.596、グレーデッド部の屈折率は最も基板側の1.473から最も光入射側の1.053まで充填率の変化に従って連続的に変化している。中間層20は、基板側から屈折率が1.694、光学膜厚が44nmの第1層、屈折率が2.127、光学膜厚が40nmの第2層、屈折率が1.694、光学膜厚が219nmの第3層から形成されている。表4に実施例3の反射防止膜の構成を示す。
また、図9に実施例3の反射防止膜の膜厚方向に対する屈折率を示す。さらに、図10に波長400〜700nmの波長に対する反射率特性を示す。
図10より、本実施例の反射防止膜は、入射角度が0度のとき、450〜700nm全域で反射率0.2%以下、入射角が45度のとき、1.2%以下の優れた特性を示すことが分かる。なお、400〜700nmでの平均反射率は、0度のとき0.07%、45度のとき0.30%、60度のとき1.9%であった。
次に、図11に実施例1と同様、残膜部をばらつかせたときの反射率変動を示す。
図11より、このように残膜部の膜厚がばらついても、0度入射では、450〜700nmで0.4%以下、45度入射では1.5%以下と反射率への影響がきわめて小さいことが分かる。
[実施例4]
実施例4の反射防止膜は、屈折率が1.8876の光学基板10上に、3層の多層膜から形成された中間層20、その上に円錐台形状が規則的に配列した構造層30を持つ。構造層30はPMMAから形成されており、残膜部2の屈折率は1.493、グレーデッド部の屈折率は最も基板側の1.392から最も光入射側の1.045まで充填率の変化に従って連続的に変化している。中間層20は、基板側から屈折率が1.621、光学膜厚が45nmの第1層、屈折率が2.038、光学膜厚が31nmの第2層、屈折率が1.621、光学膜厚が198nmの第3層から形成されている。表4に実施例4の反射防止膜の構成を示す。また、図12に実施例4の反射防止膜の膜厚方向に対する屈折率を示す。
さらに、図13に波長400〜700nmの波長に対する反射率特性を示す。
図13より、本実施例の反射防止膜は、入射角度が0度のとき、450〜700nm全域で反射率0.1%以下、入射角が45度のとき、1.0%以下の優れた特性を示すことが分かる。なお、400〜700nmでの平均反射率は、0度のとき0.02%、45度のとき0.27%、60度のとき1.8%であった。
次に、図14に実施例1と同様、残膜部をばらつかせたときの反射率変動を示す。
図14より、このように残膜部の膜厚がばらついても、0度入射では、450〜700nmで0.2%以下、45度入射では1.2%以下と反射率への影響がきわめて小さいことが分かる。
[実施例5]
実施例5の反射防止膜は、屈折率が1.776の光学基板10上に、3層の多層膜から形成された中間層20、その上に円錐台形状が規則的に配列した構造層30を持つ。構造層30はPMMAから形成されており、残膜部2の屈折率は1.493、グレーデッド部の屈折率は最も基板側の1.392から最も光入射側の1.045まで充填率の変化に従って連続的に変化している。中間層20は、基板側から屈折率が1.621、光学膜厚が53nmの第1層、屈折率が2.127、光学膜厚が16nmの第2層、屈折率が1.621、光学膜厚が210nmの第3層から形成されている。表5に実施例5の反射防止膜の構成を示す。
また、図15に実施例5の反射防止膜の膜厚方向に対する屈折率を示す。さらに、図16に波長400〜700nmの波長に対する反射率特性を示す。
図16より、本実施例の反射防止膜は、入射角度が0度のとき、400〜700nm全域で反射率0.1%以下、入射角が45度のとき、0.8%以下の優れた特性を示すことが分かる。なお、400〜700nmでの平均反射率は、0度のとき0.02%、45度のとき0.25%、60度のとき1.7%であった。
次に、図17に実施例1と同様、残膜部をばらつかせたときの反射率変動を示す。
図17より、このように残膜部の膜厚がばらついても、0度入射では、450〜700nmで0.3%以下、45度入射では1.2%以下と反射率への影響がきわめて小さいことが分かる。
[実施例6]
実施例6の反射防止膜は、屈折率が1.621の光学基板10上に、3層の多層膜から形成された中間層20、その上に円錐台形状が規則的に配列した構造層30を持つ。構造層30はPMMAから形成されており、残膜部2の屈折率は1.493、グレーデッド部の屈折率は最も基板側の1.392から最も光入射側の1.045まで充填率の変化に従って連続的に変化している。中間層20は、基板側から屈折率が1.621、光学膜厚が59nmの第1層、屈折率が2.038、光学膜厚が12nmの第2層、屈折率が1.621、光学膜厚が215nmの第3層から形成されている。表6に実施例6の反射防止膜の構成を示す。
また、図18に実施例6の反射防止膜の膜厚方向に対する屈折率を示す。さらに、図19に波長400〜700nmの波長に対する反射率特性を示す。
図19より、本実施例の反射防止膜は、入射角度が0度のとき、400〜700nm全域で反射率0.1%以下、入射角が45度のとき、0.6%以下の優れた特性を示すことが分かる。なお、400〜700nmでの平均反射率は、0度のとき0.02%、45度のとき0.23%、60度のとき1.6%であった。
次に、図20に実施例1と同様、残膜部をばらつかせたときの反射率変動を示す。
図20より、このように残膜部の膜厚がばらついても、0度入射では、450〜700nmで0.2%以下、45度入射では0.8%以下と反射率への影響がきわめて小さいことが分かる。
[実施例7]
実施例7の反射防止膜は、屈折率が1.888の光学基板10上に、2層の多層膜から形成された中間層20、その上に円錐台形状が規則的に配列した構造層30を持つ。構造層30はPMMAから形成されており、残膜部2の屈折率は1.493、グレーデッド部の屈折率は最も基板側の1.392から最も光入射側の1.045まで充填率の変化に従って連続的に変化している。中間層20は、基板側から屈折率が1.621、光学膜厚が57nmの第1層、屈折率が2.038、光学膜厚が29nmの第2層から形成されている。表7に実施例7の反射防止膜の構成を示す。
また、図21に実施例7の反射防止膜の膜厚方向に対する屈折率を示す。さらに、図22に波長400〜700nmの波長に対する反射率特性を示す。
図22より、本実施例の反射防止膜は、入射角度が0度のとき、400〜700nm全域で反射率0.2%以下、入射角が45度のとき、0.4%以下の優れた特性を示すことが分かる。なお、400〜700nmでの平均反射率は、0度のとき0.06%、45度のとき0.21%、60度のとき1.1%であった。
次に、図23に実施例1と同様、残膜部をばらつかせたときの反射率変動を示す。
図23より、このように残膜部の膜厚がばらついても、0度入射では、450〜700nmで0.3%以下、45度入射では0.6%以下と反射率への影響がきわめて小さいことが分かる。
[実施例8]
図24は実施例7の光学機器の概略図である。
図24において、101はデジタルカメラ、102は本発明の反射防止膜が形成された光学素子を用いて構成された撮像光学系である。撮像光学系102は、複数のレンズから構成されており、これらのレンズ面のうち少なくとも1面に本発明の反射防止膜が形成されている。
本実施例では、光学機器の1例としてデジタルカメラを取り上げたが、本発明はこれに限定されるものではなく、双眼鏡や画像投射装置等その他の光学機器に用いてもよい。
以上、本発明の好ましい実施携帯について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
[比較例1]
比較例1として、特許文献2の数値実施例2に記載の反射防止膜について述べる。なお、本比較例では、特許文献2の数値実施例2で開示されている膜構成のうち、最も高い反射防止性能が得られる構成についてのみ示す。
本比較例は、屈折率が1.800の光学基板上に、本発明で言うところの構造層30が形成されている。構造層30は屈折率が1.620の材料から形成されており、残膜部2の屈折率は1.620、グレーデッド部の屈折率は最も基板側の1.620から最も光入射側の1.113まで充填率に従って連続的に変化している。
なお、数値実施例2では、グレーデッド部に関する具体的な屈折率の開示はないが、充填率が最も基板側で1.0、最も光入射側では0.22から0.50の間の値を持つ円錐台との記載があるため、これに基づいて式(1)に基づいて算出した。なお、最も光入射側については、この計算において最も反射率特性が良好となる値を使用した。表8に比較例1の反射防止膜の構成を示す。
また、図24に比較例1の反射防止膜の膜厚方向に対する屈折率を示す。さらに、図25に波長400〜700nmの波長に対する反射率特性を示す。
図25より、本比較例の反射防止膜では、0度反射においても反射率が450nm付近で1.0%を超えてしまう。また、400〜700nmでの平均反射率は、0度のとき0.47%、45度のとき0.74、60度のとき2.4%であった。
次に、図26に残膜部の膜厚を実施例1と同様にばらつかせたときの反射率変動を示す。図26と図4を比較すると、同じ交差で膜厚がばらついた場合にも本実施例では反射率の最小値と最大値の差は、最大で0.3%程度であったのに対して、本比較例では最大1.0%程度変動してしまうことが分かる。これより、本発明の反射防止膜が残膜の膜厚がばらついても優れた覇者防止効果を得られることが分かる。
1 残存部、2 グレーデッド部、10 光学基板、20 中間層、30 構造層、
100 本発明の反射防止膜、101 本発明の光学機器(デジタルカメラ)、
102 本発明の光学系

Claims (11)

  1. 入射乃至射出する光線の表面反射を低減するための反射防止膜であって
    d線に対する屈折率が1.68以上2.30以下の光学基板上に形成されており、
    400nm以下のピッチで規則的に配列された凹凸を持つ構造層と
    該構造と該光学基板との間に形成された1層以上の中間層からなり、
    該構造層は、屈折率が膜厚方向に変化するグレーデッド部と
    該グレーデッド部の下部に一体で形成され、膜厚方向に屈折率が変化しない残膜部からなり、
    該残膜部の物理膜厚が63nm以上であることを特徴とする反射防止膜。
  2. 前記残膜部の物理膜厚が127nm以下を満たすことを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜。
  3. 前記グレーデッド部の最も基板側の屈折率ngと前記残膜部およびグレーデッド部を形成する材料の屈折率naが、
    |na―ng|≦0.25
    を満たすことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の反射防止膜。
  4. 前記中間層は、前記基板上に形成され、屈折率がn1、物理膜厚がd1(nm)の値を有する第1層と
    前記第1層の上に形成され、屈折率がn2、物理膜厚がd2(nm)の値を有する第2層と
    前記第2層の上に形成され、屈折率がn3、物理膜厚がd3(nm)の値を有する第3層からなり、
    下記の関係式を満たすことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の反射防止膜。
    1.60≦n1≦1.70
    1.95≦n2≦2.30
    1.60≦n3≦1.70
    40≦n1d1≦60
    10≦n2d2≦50
    195≦n3d3≦230
  5. 前記グレーデッド部は、円錐台、台形錐台または多角錐台からなることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の反射防止膜。
  6. 前記グレーデッド部の物理膜厚が150nm以上300nm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の反射防止膜。
  7. 前記屈折率naは1.38以上1.60以下を満たすことをこと特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の反射防止膜。
  8. 前記残膜部および前記グレーデッド部を形成する材料は、樹脂からなることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の反射防止膜。
  9. 請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の反射防止膜を有することを特徴とする光学素子。
  10. 請求項9に記載の光学素子を少なくとも1つ以上用いたことを特徴とする光学系。
  11. 請求項10に記載の光学系を用いたことを特徴とする光学装置。
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