JP2017219458A - 太陽電池検査装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フォトルミネッセンス(PL)を利用した太陽電池検査装置100であって、フォーカス用の赤外光Iを発振する第一光源11と、マーカー用の可視光Vを発振する第二光源12と、太陽電池Mに励起光Lを照射するLED光源20と、太陽電池Mを撮影する撮影部30と、を備え、第一光源11及び第二光源12は、赤外光I及び可視光Vが同一の検査対象の太陽電池Mに到達するように構成されている。
【選択図】図1
Description
フォトルミネッセンス(PL)を利用した太陽電池検査装置であって、
フォーカス用の赤外光を発振する第一光源と、
マーカー用の可視光を発振する第二光源と、
太陽電池に励起光を照射するLED光源と、
前記太陽電池を撮影する撮影部と、
を備え、
前記第一光源及び前記第二光源は、前記赤外光及び前記可視光が同一の検査対象の太陽電池に到達するように構成されていることにある。
この点、本構成の太陽電池検査装置では、フォーカス用の赤外光及びマーカー用の可視光が同一の検査対象の太陽電池に到達するように構成されている。太陽電池検査装置の移動に伴い、太陽電池検査装置から発振される赤外光及び可視光が太陽電池に到達するポイントも共に移動する。これにより、ピンボケが抑えられたPL発光画像が得られ、太陽電池の欠陥位置を正確に検出することが可能となる。従って、太陽電池の欠陥や品質不良の検出精度を向上することができる。
前記第一光源から発振される前記赤外光の光軸と、前記第二光源から発振される前記可視光の光軸とが同一となるように、前記第一光源及び前記第二光源が同一直線上に配置されていることが好ましい。
前記第二光源は、前記第一光源から発振される赤外光の一部を第二高調波に変換する波長変換フィルタであることが好ましい。
前記第一光源及び前記第二光源が夫々別体として構成され、前記赤外光及び前記可視光が前記太陽電池に到達する前に両者を合流させるビーム合流器が、前記第一光源又は前記第二光源から前記太陽電池までの光路上に配置されていることが好ましい。
前記赤外光の波長は1000〜1100nmであり、前記可視光の波長は500〜550nmであることが好ましい。
前記励起光の波長は700〜900nmであることが好ましい。
前記太陽電池は、太陽電池セルが複数接続された太陽電池モジュールであることが好ましい。
図1は、本発明に係る太陽電池検査装置(以下、単に「検査装置」と称する。)100の説明図である。図1(a)は、太陽電池Mに励起光Lを照射した場合におけるPL発光の様子を示している。図1(b)は、太陽電池Mに向けて赤外光I及び可視光Vを発振している様子を示している。図1(a)に示すように、検査装置100は、レーザー光源10と、励起光Lを照射するLED光源20と、太陽電池Mの検査面Cを撮影する撮影部であるカメラ30とを備える。レーザー光源10及びLED光源20は、カメラ30の周辺に隣接するように構成されており、カメラ30の移動に伴ってレーザー光源10及びLED光源20も同様に移動する。なお、レーザー光源10及びLED光源20がカメラ30自体の匡体内部に収まるように検査装置100は一体として構成されていてもよい。検査装置100は、さらに任意の構成として、不図示の画像処理部、判定部、及び表示部等を備えていてもよい。図1(b)に示すように、レーザー光源10は、太陽電池Mの検査対象となる検査面Cにフォーカス用の赤外光Iを発振する第一光源と、マーカー用の可視光Vを発振する第二光源とを備える。第一光源及び第二光源は、赤外光I及び可視光Vが同一の検査対象の太陽電池M、すなわち同一のセル1に到達するように構成されている。第一光源及び第二光源については、後述の第一実施形態及び第二実施形態において詳細に説明する。
<レーザー光源(第一光源及び第二光源)>
図2は、第一実施形態に係る検査装置100が備えるレーザー光源10A(10)の説明図である。レーザー光源10Aは、第一光源11及び第二光源12を備える。第一光源11及び第二光源12は、第一光源11から発振された光が第二光源12を通過するように、レーザー光源10A内部で同一直線上に配置されている。第一光源11はフォーカス用の赤外光Iを発振するレーザー発振器である。第二光源12は波長変換フィルタであり、第一光源11から発振された赤外光Iの一部を第二高調波に変換するものである。第二光源12としては、例えば、LiB3O5結晶、β−BaB2O結晶、及びKTiOPO4結晶等の非線形結晶が挙げられる。第一光源11から発振された赤外光Iは、第二光源12を通過する際に、その一部が第二高調波である赤外光Iの1/2波長の可視光Vに変換される。第二光源12が赤外光Iを第二高調波に変換する割合(変換効率)は、第二光源12を構成する結晶の純度等に依存する。従って、第二光源12を構成する結晶を適宜選択することにより、レーザー光源10Aから発振される赤外光Iと可視光Vとの割合を適切に設定することが可能となる。
従来の太陽電池のPL検査装置では、励起光としてレーザー光を使用するものが知られている。レーザー光はエネルギー強度が大きく、コヒーレント性に優れている等の利点がある。ところが、レーザー光は照射面積を大きくすることが難しいため、検査対象のセルの面積が広範囲になると、検査に長時間を要したり、装置が大規模になるといった問題があった。そこで、本発明の検査装置100では、励起光LとしてLEDを採用し、広い範囲に亘って光を照射可能な面光源を使用している。PL発光を発生させるための照射光の波長は、太陽電池半導体の種類によって固有のものである。例えば、本発明の検査装置が対象とする単結晶シリコン型太陽電池、多結晶シリコン型太陽電池、又はCIGS系化合物太陽電池等であれば、700〜900nmの波長領域の光を照射光(励起光L)として使用することが好ましい。励起光Lの波長領域は、LED光源から発振された光のうち不要な領域をフィルタによりカットして調整することができる。
図1(a)に示すように、撮影部であるカメラ30は、PL発光している検査面Cを撮影し、PL発光画像を取得する。このPL発光画像を予め撮影しておいた正常なセルのPL発光画像と比較し、セル1に含まれる欠陥を検出することができる。PL発光画像は、後に説明する画像処理部で処理されるため、例えば、ハードディスク等にデータとして記憶される。カメラ30は、検査面C全体を確実に撮影できるように、最適な位置に移動することができる。一つセル1の検査面Cの撮影が完了したら、カメラ30は、LED光源20とともに、次の検査対象となるセル1に応じた所定の位置に移動する。そして、この移動を繰り返して太陽電池Mの全体の走査が行われる。カメラ30の最適な位置への移動は、撮影者が手動で行ってもよいし、コンピューター制御で自動で行ってもよい。カメラ30を移動することにより、複数のセル1が接続された太陽電池モジュール全体としてのPL発光画像を得ることができるため、太陽電池Mを設置部2から取り外すことなく欠陥検査の実施が可能となる。
画像処理部は、カメラ30又は不図示の外部コンピューターに内蔵されており、例えば、カメラ30にて撮影された画像から検査装置100固有のノイズを含むバックグラウンド画像を差し引くことにより、ノイズが低減されたPL発光画像へと加工することができる。このように、撮影された画像に対して適切な処理を施すことによって、検査面Cの欠陥の判定に利用可能な鮮明な処理画像を得ることができる。なお、カメラ30による撮影画像が鮮明である場合は、撮影画像の画像処理は不要である。従って、画像処理部は、必要に応じて設ければよい。
表示部は、カメラ30で撮影された撮影画像、又は画像処理部で作成された処理画像を表示する。表示部は、カメラ30に内蔵されているディスプレイであってもよいし、外部接続されるモニタであってもよい。カメラ30で撮影された撮影画像、又は画像処理部によって得られた処理画像が表示部に表示されることにより、検査面Cの半導体不良に起因する欠陥箇所を容易に特定することができる。このように、表示部を設けることにより、太陽電池Mの欠陥原因に応じた対応が容易なものとなり、太陽電池Mの品質向上に大きく寄与することができる。
検査面Cの欠陥の有無や欠陥箇所の特定は、カメラ30で撮影された撮影画像、又は画像処理部から取得した処理画像(PL発光画像)を表示部に表示させることにより目視で行うことができる。しかし、目視による確認は検査員の目に依るため、微小な欠陥を見落としてしまう虞がある。そこで、検査装置100には、太陽電池Mの欠陥をより確実に検出できるように判定部を設けることができる。判定部は、カメラ30で撮影された撮影画像、又は画像処理部によって作成された処理画像から太陽電池Mの状態を判定する。例えば、サンプルとして欠陥の無い良品の太陽電池にPL検査を行ったときのPL発光画像(サンプル画像とする。)を予め撮影し、ハードディスク等に記憶させておく。判定部は、このサンプル画像と、カメラ30で撮影された撮影画像、又は画像処理部で得られた処理画像(PL発光画像)とを比較し、両者の差異から欠陥の有無を判定する。このとき、表示部に判定部の判定結果を表示することが好ましい。この場合、表示部には、カメラ30で撮影された撮影画像、又は画像処理部による処理画像(PL発光画像)とともに、判定部による欠陥判定結果が同時に表示され、検査面Cの欠陥の有無や欠陥の程度を容易に判断することが可能となる。その結果、太陽電池Mの欠陥検出の精度、及び検査の信頼性が向上する。
<レーザー光源(第一光源及び第二光源)>
第二実施形態は、レーザー光源の構成が第一実施形態とは異なる。従って、第二実施形態の説明においては、レーザー光源についてのみ説明する。図3は、第二実施形態に係る検査装置100が備えるレーザー光源10B(10)の説明図である。レーザー光源10Bは、第一光源11、第二光源13、及びビーム合流器14を備える。第一光源11及び第二光源13は、夫々別体として構成されている。ビーム合流器14は、第一光源11から太陽電池Mのセル1までの光路上に配置され、かつ第二光源13から太陽電池Mのセル1までの光路上に配置されている。ビーム合流器14は、進行方向が異なる二つの光を合流させて一定の方向へ導くように機能する。ビーム合流器14としては、例えば、入射光を特定の方向に屈折させるレンズやプリズム等が挙げられる。
本発明に係る太陽電池検査装置を用いた検査方法について説明する。ここでは、代表的に第一実施形態に係る検査装置100を用いた太陽電池検査方法について説明する。図4は、太陽電池検査方法のフローチャートである。太陽電池検査方法は、主な工程として、照射工程(S1)、撮影工程(S2)、画像処理工程(S3)、欠陥判定工程(S4)、及び表示工程(S5)を包含する。
本発明の太陽電池検査方法を開始すると(S0)、初めに照射工程(S1)が実行される。太陽電池検査方法においては、図1(a)に示すように、初めに、検査装置100の撮影部であるカメラ30を太陽電池Mと対向するように配置する。検査装置100が検査対象とする太陽電池Mは、複数の同一形状の太陽電池セル1が直接に接続された太陽電池モジュールとして構成されている。太陽電池Mは、単結晶シリコン型太陽電池、多結晶シリコン型太陽電池、又はCIGS系化合物太陽電池である。太陽電池Mを構成するセル1のうち、検査対象となるセル1を選択し、当該セル1を検査面Cとする。検査面Cを特定するにあたり、レーザー光源10Aの第一光源11から1000〜1100nmの波長の赤外光Iが発振される。第一光源11から発振された赤外光Iは、波長変換フィルタである第二光源12において、一部が赤外光Iの第二高調波である500〜550nmの波長の可視光Vに変換される。これにより、検査装置100の第二光源12からマーカー用の可視光Vが発振される。検査面Cに照射されたマーカー用の可視光Vは視認可能であるため、どの検査面Cが選択されているかを特定することができる。次に、励起光Lを検査面Cに面照射するように、LED光源20の位置をセットする。励起光Lの波長領域は、太陽電池の種類によって固有の波長領域がある。例えば、上掲の太陽電池であれば、700〜900nmの波長領域の励起光を使用する。このとき、太陽電池Mは電流が流れない状況としておく。励起光Lを検査面Cに面照射すると、太陽電池Mには電流が流れることができないため、検査面Cのセル1にはキャリアが生成され、蓄積し、キャリアの再結合によってPL発光(L1)が起こる。
ステップ2では、PL発光時の検査面Cの様子をカメラ30で撮影する。このとき、検査面Cのセル1全体を確実に撮影できるように、カメラ30を適切な位置にセットする。ここで、検査面Cに照射されているマーカー用の可視光Vは、第一光源11から発振されたフォーカス用の赤外光Iの一部が波長変換フィルタである第二光源12によって変換されたものであるため、可視光Vは赤外光Iの光軸と同一の光軸に沿ってセル1に到達する。これにより、赤外光I及び可視光Vは、太陽電池Mにおける同一のセル1へ照射され、可視光Vによってマークされたセル1にカメラ30の照準が自動的に合わされる。その結果、検査対象のセル1をピンボケすることなく確実にカメラ30で撮影することができる。撮影された画像は、次のステップ3の画像処理工程、又はステップ4の欠陥判定工程で使用されるため、例えば、カメラ30に内蔵されたハードディスク等にデータとして記憶される。
ステップ3の画像処理工程は、必要に応じて実施される任意の工程である。ステップ3では、ステップ2で撮影され、データとして記憶されているPL発光画像から予め撮影された検査装置100特有のノイズを含むバックグラウンド画像を差し引くことにより、ノイズが低減された処理画像に加工することが可能である。
ステップ4では、カメラ30で撮影された撮影画像、又はステップ3で取得した処理画像(PL発光画像)を目視で確認することにより、欠陥の有無の判定、及び欠陥箇所の確認をすることができる。上述したように、より正確な欠陥検査を行うためには、個人差がある作業者の目に頼らず、判定部による欠陥判定工程を行うことが好ましい。ステップ4ではカメラ30で撮影された撮影画像、又はステップ3で得られた処理画像から、検査面Cの欠陥の有無を判定部によって判定する。例えば、サンプルとして欠陥の無い良品の太陽電池のPL発光画像を予め取得しておき、撮影画像又は処理画像と比較することにより、欠陥の有無の判定を行う。検査面Cに半導体不良に起因する欠陥がある場合、当該欠陥がある箇所はサンプル画像とは異なって見える。これにより、太陽電池Mの欠陥箇所を発見することができる。
ステップ5では、カメラ30で撮影された撮影画像、又はステップ3の画像処理工程で取得したPL発光画像とともに、ステップ4の欠陥判定工程で判定部が行った欠陥判定の結果をディスプレイに表示する。これにより、カメラ30で撮影された撮影画像、又はステップ3において作成された検査面CのPL発光画像(処理画像)と併せて、検査面Cの不良箇所を容易に視認することができる。なお、PL発光画像や欠陥判定の結果をディスプレイに表示する場合、カメラ30に内蔵されているディスプレイに限定されず、無線又は有線で外部接続されるモニタに表示してもよい。
ステップ6では、検査面Cについて照射工程(ステップ1)ないし表示工程(ステップ5)の一連の検査工程が終了すると、他のセル1についても欠陥検査を続行するか判断する。太陽電池(太陽電池モジュール)Mを構成するセル1の検査が全て終了した、あるいは、他のセル1の検査を行わない場合(S6;NO)は、欠陥検査を終了する(ステップ8)。他のセル1について検査をする場合(S6;YES)は、ステップ7のセルの移動の工程へと進む。
ステップ7では、ステップ6において欠陥検査続行と判断されたら(S6;YES)、次の検査対象となるセル1に対してPL検査を行うために最適な位置へ検査装置100を移動する。検査装置100の移動に伴い、レーザー光源10A、LED光源20、及びカメラ30も移動するため、フォーカス用の赤外光I及びマーカー用の可視光Vが次の検査対象となる同一のセル1に同時に到達する状態が維持される。検査装置100の移動は、手動で、又はコンピューター制御によって行うことができる。検査装置100を所定の位置に移動させた後は、新たに検査対象となるセル1の検査面Cに対して照射工程(ステップ1)ないし表示工程(ステップ5)の各工程を実施する。このように、各工程を繰り返すことにより、太陽電池Mを構成する全てのセル1の欠陥検査を行うことができる。その結果、検査装置100の移動に伴い、赤外光I及び可視光Vが太陽電池Mに到達するポイントも共に移動する。従って、ピンボケが抑えられたPL発光画像が得られ、太陽電池Mの欠陥位置を正確に検出することが可能となる。
10(10A,10B) レーザー光源
11 第一光源
12,13 第二光源
14 ビーム合流器
20 LED光源
30 カメラ(撮影部)
100 太陽電池検査装置
C 検査面
I 赤外光
L 励起光
L1 PL発光
M 太陽電池
V 可視光
Claims (7)
- フォトルミネッセンス(PL)を利用した太陽電池検査装置であって、
フォーカス用の赤外光を発振する第一光源と、
マーカー用の可視光を発振する第二光源と、
太陽電池に励起光を照射するLED光源と、
前記太陽電池を撮影する撮影部と、
を備え、
前記第一光源及び前記第二光源は、前記赤外光及び前記可視光が同一の検査対象の太陽電池に到達するように構成されている太陽電池検査装置。 - 前記第一光源から発振される前記赤外光の光軸と、前記第二光源から発振される前記可視光の光軸とが同一となるように、前記第一光源及び前記第二光源が同一直線上に配置されている請求項1に記載の太陽電池検査装置。
- 前記第二光源は、前記第一光源から発振される赤外光の一部を第二高調波に変換する波長変換フィルタである請求項1又は2に記載の太陽電池検査装置。
- 前記第一光源及び前記第二光源が夫々別体として構成され、前記赤外光及び前記可視光が前記太陽電池に到達する前に両者を合流させるビーム合流器が、前記第一光源又は前記第二光源から前記太陽電池までの光路上に配置されている請求項1に記載の太陽電池検査装置。
- 前記赤外光の波長は1000〜1100nmであり、前記可視光の波長は500〜550nmである請求項1〜4の何れか一項に記載の太陽電池検査装置。
- 前記励起光の波長は700〜900nmである請求項1〜5の何れか一項に記載の太陽電池検査装置。
- 前記太陽電池は、太陽電池セルが複数接続された太陽電池モジュールである請求項1〜6の何れか一項に記載の太陽電池検査装置。
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