JP2017218685A - 繊維用吸水柔軟付与剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維への吸着性の低下を起さず、繊維の黄変のない十分な吸水柔軟特性を発揮し、洗剤と柔軟剤を混合させた処方においても洗濯特性を低下させないシリコーンを提供する。【解決手段】両親媒性シリコーン組成物を用いた繊維用吸水柔軟付与剤であって、両親媒性シリコーンは下記式(1)で表され、水中で自己乳化可能であり、5個以下のケイ素原子を有するシクロシロキサンを実質的に含まず、w、x、yおよびzの総モルを100モルとしたときに、前記両親媒性シリコーンの分枝部位を形成するRSiO3/2基およびSiO4/2基5モル未満を含有してよく、HLBが16以下である繊維用吸水柔軟付与剤によりなる両親媒性シリコーン組成物。R3SiO(R12SiO)w(R1JSiO)x(R1KSiO)y(R1LSiO)zSiR3(1)【選択図】なし

Description

本発明は、従来使用してきた繊維用吸水柔軟付与剤としてのポリエーテル変性シリコーンにおける、繊維への吸着性が不十分である問題を起さず、ポリエーテル変性シリコーン本来の特性に悪影響を与えず、さらに、洗剤をも含有させた柔軟剤の処方を組んだ場合に透明な処方液を与え、繊維に残香性を与える両親媒性シリコーンを含む繊維用吸水柔軟付与剤に関する。
繊維を柔軟化させるにはシリコーンが有効であることが知られている。繊維への吸着性を上げるためにアミノ基を導入したアミノ変性シリコーンを用いる技術が実用化されているが、黄変を起す問題があった。
そのため、特許文献1では、ポリエーテル変性シリコーンを用い、黄変の問題を解決することが提案されている。しかしながら、ポリエーテル変性シリコーンは、布への吸着性が低く、しかも水溶性であるため洗い流されてしまうため、柔軟性の確保が困難であり、柔軟効果の付与が不十分という問題があった。
一方、シリコーン以外の一般的な繊維用柔軟剤は、4級カチオンを使用して柔軟効果を発現する設計となっているが、4級カチオンが繊維に吸着すると、繊維が疎水化することにより、繊維に必要な吸水性、例えば水分をよく拭えること、が十分でないという問題があった。
そのため、特許文献2では、ポリエーテル変性シリコーンを併用することで吸水性を確保することが提案されている。しかしながら、ポリエーテル変性シリコーンは、繊維への吸着性が低いので、結果として十分な吸水性を得ることが難しかった。
また、繊維用柔軟剤と洗剤を混合物からなる剤を用いて洗濯と繊維処置の工程を同時に行う方法が要望されている。
ポリエーテル変性シリコーンは自己乳化性があるので、洗浄液の中では安定に存在することと、繊維を親水化させるために、脱水が容易に行える、すなわちいわゆる水抜けがよい、という利点が考えられる。
そのため、特許文献3では、ポリエーテル変性シリコーンと4級カチオンの混合物を使用することにより濯ぎ後の速乾を行うことが提案されている。
しかしポリエーテル変性シリコーンの繊維への吸着は十分でないので、濯ぎによりポリエーテル変性シリコーンが流されてしまうので、得られた繊維の吸水柔軟効果は十分でないという問題があった。
またさらに、洗剤が透明であることが要望されている。繊維用柔軟剤と洗剤を混合物からなる剤を用いて洗濯と繊維処置の工程を同時に行う方法においては、ポリエーテル変性シリコーンの自己乳化性あるいは水溶性を活用すれば、洗剤が透明になることは可能である。特許文献3では透明化についても提案されている。
しかしポリエーテル変性シリコーンの繊維への吸着は十分でないので、濯ぎによりポリエーテル変性シリコーンが流されてしまうので、得られた繊維の吸水柔軟効果は十分でないという問題があった。
また、ポリエーテル変性シリコーンは、香料成分等との相溶化の点において優れており、洗剤や柔軟剤の成分として用いられている。しかしその効果は相溶化にとどまり、香料等の成分を繊維へ吸着せる効果は得難かった。よって、繊維への残香性等の付与が十分ではないという問題があった。
特開2000−154476号公報 特開2003−96667号公報 WO2004/025017号公報
よって、ポリエーテル変性シリコーンは繊維へ、黄変することなく柔軟性、吸水性を付与し、4級カチオンからなる柔軟剤との相溶性に優れるので、吸水柔軟付与剤として本来的には有効と考えられるが、従来技術のいかなるものも、繊維への吸着性を低下させずに本来的な効果を現す具体的な方法を開示していなかった。
なた、ポリエーテル変性シリコーンは洗剤と相溶することにより、洗剤の透明性、繊維の脱水性が優れるので、洗剤と柔軟剤を混合させた処方においても吸水柔軟付与剤として有効と考えられるが、従来技術のいかなるものも、繊維への吸着性を低下させずに本来的な効果を現す具体的な方法を開示していなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、即ち、繊維への吸着性の問題を起さない繊維用吸水柔軟剤を提供する。また、洗剤と柔軟剤を混合させた処方において透明性を与え、繊維に残香性を与える繊維用吸水柔軟付与剤を提供する。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、分子鎖に芳香族基を含有する基、アルキル基および酸素含有親水性基を有し、特定のHLB以下のシリコーン組成物を用いることにより、繊維への吸着性を上げることができた。このことにより、吸水柔軟付与剤としての問題点を一気に解決できた。
また、このシリコーン組成物を用いることにより、洗剤と柔軟剤を混合させる処方において透明性を得、十分な吸水柔軟特性および残香性を得た。
すなわち、本発明は、両親媒性シリコーンを含む両親媒性シリコーン組成物を用いた繊維用吸水柔軟付与剤であって、
両親媒性シリコーンは下記式(1)で表され、水中で自己乳化可能であり、5個以下のケイ素原子を有するシクロシロキサンを実質的に含まず、
SiO(R SiO)(RJSiO)(RKSiO)(RLSiO)SiR (1)
(式中、Rは、基Lまたは炭素数1〜30の炭化水素基であり、RSiO−または−SiR基の1つのRが、場合によってヒドロキシル基であり、RSiO−または−SiR基の1つまたは複数のRが場合によって炭素数1〜8のアルコキシ基であり;
は、水素または炭素数1〜30の炭化水素基であり;
Jは、炭素数6〜20の芳香族基を含有する炭素数8〜30の基であり;
Kは、炭素数6〜45のアルキル基であり;
Lは、100より大きい分子量を有する、酸素含有親水性基であり;
wは、0〜200であり;
xは、1〜100であり;
yは、1〜50であり;
zは、1〜50である)
前記両親媒性シリコーン組成物は、w、x、yおよびzの総モルを100モルとしたときに、前記両親媒性シリコーンの分枝部位を形成するRSiO3/2基およびSiO4/2基5モル未満を含有してよく、HLBが16以下であることを特徴とする繊維用吸水柔軟付与剤によりなる。
本発明の両親媒性シリコーン組成物は、繊維に対する高い吸着性が発現するため、ポリエーテル変性シリコーンの本来有する吸水柔軟効果を十分高めることができる。
また、4級アンモニウム系の界面活性剤等による一般的な柔軟剤における柔軟効果の向上のみならず、吸水性の向上効果を得ることも可能となる。
また、洗浄成分を含有する繊維用吸水柔軟剤への添加においては、洗剤を透明にする効果があり、また、香料の繊維への吸着効果を付与する。
本発明の繊維用吸水柔軟付与剤は、両親媒性シリコーン組成物を用いたものである。ここで、両親媒性シリコーン組成物を用いたとは、繊維用吸水柔軟付与剤が、両親媒性シリコーン組成物を含むことを意味する。なお、繊維用吸水柔軟付与剤は、両親媒性シリコーン組成
物からなるものであってもよい。また、本発明の両親媒性シリコーン組成物は、両親媒性シリコーンを含むものである。ここで、両親媒性シリコーン組成物が両親媒性シリコーンを含むとは、両親媒性シリコーン組成物が、両親媒性シリコーンを少なくとも含み、必要により両親媒性シリコーンに加えてその他のシリコーン化合物を含むことを意味する。
本発明で用いられる両親媒性シリコーンは、一般に、構造式(I):
SiO(R SiO)(RJSiO)(RKSiO)(RLSiO)
SiR (I)
で表される。式中、各Rは、互いに独立に、炭素数1〜30の炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜30の飽和、及び/又は、不飽和結合を有する炭化水素基であり、官能基中には、酸素、硫黄、窒素およびリンの群から選択されるヘテロ原子も含有することができ、又はRは、ヒドロシリル化反応において実質的に非反応性であるまたはヒドロシリル化を阻害しない、別の有機基または無機基(例えば、ヒドロキシル基、アシロキシ基、もしくはアルコキシ基)、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基のアルコール部分、最も好ましくはメトキシまたはエトキシ基であってよく、又はRは、L基である。Rは、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、フェニル、フェニルエチル、2−フェニルプロピルまたはナフチルエチル基、最も好ましくは安価であるため、メチル基である。
は、それぞれ独立に炭素数1〜30の飽和、及び/又は、不飽和結合を有する炭化水素基であって、ヘテロ原子を含有してよく、経済的理由から、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、フェニル基またはオキシアルキル基を含有するのがよく、さらに汎用性および安定性の観点からは、最も好ましくはメチル基を含有するのがよい。Rは、H−シロキサン反応物質中の過剰なSi−H結合水素の結果として、または不完全反応の結果として、水素でもよい。
基Jは、炭素数6〜20の芳香族基を含有する炭素数8〜30の基であり、より好ましくは炭素数6〜10の芳香族基を含有する炭素数9〜13の基である。芳香族基は何でもよく限定されない。フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基等のアリール基が限定さて、好ましくは炭素数6〜10の基である。
基Jはこれらの芳香族基を含有している基ならばなんでもよく限定されないが、経済的理由と安定性の理由で、好ましくは、ヒドロシリル化反応によるオルガノポリシロキサン骨格に結合できる化合物に由来するアリールアルキル基である。Jは、好ましくはフェニルエチル、2−フェニルプロピル、3−フェニルブチルまたはナフチルエチルである。最も好ましくは、Jは、2−フェニルプロピルである。RJSiOシロキシ単位中のR部分は、メチルまたはフェニルであり、好ましいポリマーでは、RJSiOシロキシ基で、Rは、フェニルまたは炭素数1〜4のアルキルであり、好ましくはメチルである。
基Jは基Kと共に、嵩高い基であるので、シリコーン組成物が繊維へ吸着しやすくなる役割を担う。また洗剤と柔軟剤を混合して処方する液剤においては、ミクロエマルジョンを形成する役割を担う。また、基Jの存在はシリコーン組成物のHLBを下げる効果がある。
Kは、炭素数少なくとも6、好ましくは炭素数少なくとも8、好ましくは炭素数45以下、より好ましくは炭素数30以下を有する長鎖アルキル基である。Kは、好ましくは炭素数8〜20のアルキル基であり、より好ましくは炭素数8〜18のアルキル基である。K基は、1−オクテン、1−ドデセン、1−オクタデセンなどの適切なアルケンのヒドロシリル化から誘導される。RJSiOシロキシ単位の場合と同様に、RKSiOシロキシ単位では、Rは、メチルまたはフェニルであることが好ましい。
基Kは基Jと共に、嵩高い基であるので、シリコーン組成物が繊維へ吸着しやすくなる役割を担う。また洗剤と柔軟剤を混合して処方する液剤においては、ミクロエマルジョンを形成する役割を担う。また、基Kの存在はシリコーン組成物のHLBを下げる効果がある。
基Jと基Kが同一分子鎖上に存在することはさらにこれらの効果を相乗させる。
基Kの炭素数が45を超えると嵩高さが大きくなり過ぎるので、シリコーン組成物のもつ本来の柔軟付与効果が十分でなくなる。
基Lは、両親媒性特性、特に易乳化特性及び/又は自己乳化特性を与える親水性種である。即ち、ポリエーテル変性シリコーンとしての本来の吸水柔軟付与の作用を現す部分である。基Lと基J、基Kが分子鎖上に共存することにより、ポリエーテル変性シリコーンの問題点である繊維への吸着性を改善することができる。
基Lは、分子鎖上のケイ素原子にSi−C結合を介して結合しても、あるいはSi−O結合を介して結合しても、いずれでも構わない。一般的にはSi−C結合を介して結合している方が加水分解耐性に強いので、好ましい。
両親媒性シリコーンにおいて、Lは、式(II)
−R−O−(RO)−X (II)
(式中、RはSi−C結合しているアルキレンまたはアルケニレン基であり、Rは二
価の炭化水素基であり、Xはヒドロシリル化を妨げない末端基であり、cはポリオキシア
ルキレンポリエーテルが300〜6000の分子量を有するように存在する。300未満だと親水性が十分でなく、6000を超えると結晶性が高まり過ぎて柔軟付与剤としての機能が減少する。)を有する
Si−C結合ポリオキシアルキレンポリエーテル;
式(III)
−R−O−(グリセリルまたはポリグリセリル) (III)
のポリヒドロキシ化合物;
式(IV)
−R−O−(モノサッカリドまたはポリサッカリド) (IV)
のサッカリジル基;
および式(V)
−R−(ポリビニルアルコールホモまたはコポリマー) (V)
のポリビニルアルコールホモポリマーまたはコポリマーから独立に選択されてよい。
基Lは、互いに独立に、複数のヒドロキシル基を含有するもしくはポリエーテル基であ
る親水基であり、またはそれらの混合物である。Lは、L基の親水性部分に結合したア
ルケニルまたはアルキニル基のヒドロシリル化から誘導されるアルキレンまたはアルキレ
ニル基を介して結合しており、ヒドロシリル化反応可能な基、好ましくはビニルまたはア
リル基を一方の末端とし、不飽和、及び/又は、飽和炭化水素基、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシ、もしくは硫酸エステル、リン酸エステルなどの他の基またはヒドロシリル化反応を妨げない他の末端基を他方の末端とするポリオキシアルキレンポリエーテルから好ましくは選択される。Lは、例えば、グリセリルもしくはポリグリセリル基、モノサッカリジルもしくはポリサッカリジル基またはポリビニルアルコール基も含み得る。基Lは、親水性部分を含有する不飽和化合物のヒドロシリル化から誘導される基である。
例えば、好ましくは、L基は、アルキルポリエーテル部分−R−O(CHCHO)
−(CO)(Cn+2O)−Rであってよく、式中、Rは、炭素数2〜20の二価の炭化水素基であり、nは、4〜10であり、Rは、好ましくは炭素数1〜20の炭化水素基であり、より好ましくは不飽和、及び/又は、飽和炭化水素基、またはヒドロキシルもしくはアシル基、最も好ましくはヒドロキシル、メチル、ブチルまたはアセチル基である。親水性であるために、pおよびq基が、優勢でなければならず、好ましくはp基が、優勢でなければならない。変数pおよびqは、0〜30、好ましくは0〜20の範囲の値を有するが、少なくとも1つのp、qまたはr基は、存在しなければならない。最も好ましくは、rは、4未満であり、好ましくは0であり、qは、平均で約20以下である。p+q+rの合計は、約6以上が好ましい。
Lの分子量は、100以上が好ましい。100未満だと十分な親水性が発現できない。好ましくは約300〜約6000の範囲にある。p、qおよびr単位は、ホモポリマーブロックとして、ヘテリック(heteric)ブロックとして、または任意の望ましい分布でランダムに分布して存在し得る。ホモポリマー性オキシプロピレンまたはオキシ(より高度なアルキレン)ブロックが使用される場合、このようなブロックは、親水性、または親水性と親油性の組み合わせではなく疎水性を与えるほど長くはない。例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどの低分子量類似物は、非常に親水性であるが、400〜500より大きい分子量を有するポリオキシプロピレンホモポリマーポリエーテルは、油性で疎水性であることが比較的よく知られている。ポリブチレングリコール、例えば、ポリテトラメチレングリコールなどのより高度なポリオキシアルキレンの場合、酸素に対する炭素の比が高いほど、さらにより低い分子量でそのようなオリゴエーテルおよびポリエーテルを疎水性にする。したがって、ホモポリオキシエチレングリコールおよびコポリ(オキシエチレン/オキシプロピレン)グリコール、コポリ(オキシエチレン/オキシブチレン)グリコールまたはターポリ(オキシエチレン/オキシ−プロピレン/オキシブチレン)グリコールが好ましい。さらに、非常に重要なのは、生成物の易分散性である。この分散性は、次に示されるように、容易に評価される。エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドから誘導されるブロックコポリエーテルまたはブロック/ヘテリックコポリエーテルの使用は、これらの基が、親水性であるだけでなく、乳化(すなわち表面活性な)特性を提供することも知られており、特に有用である可能性がある。
Lは、ペンタエリトリトールの誘導体、ポリグリセリン、サッカリドまたはポリサッカリド等などのグリセリルまたは他の高度ヒドロキシル基含有種も含み得る。グリコシル種が、特に好ましい。グリセリン、ポリグリコール、ポリグリセロール、オリゴおよびポリサッカリドやポリビニルアルコールなどの種、すべての親水性種は、少なくとも1つの、好ましくは実質的にただ1つのエチレン性(またはエチリン性)不飽和の、ヒドロシリル化反応可能な基を有する誘導体を生成するために、有機化学における従来の技法により誘導体化することができる。したがって、例えば、ビニル基、アリル基、アクリラートまたはメタアクリラート基は、これらの誘導体中に存在することができる。ポリエーテルの場合、ポリエーテルは、アリルアルコールまたは別の不飽和アルコールのオキシアルキル化により合成することができる。グリセリル、ポリグリセリル、サッカリジル、ポリビニルアルコールなどのヒドロキシル官能性親水性基の場合、必要なエチレン性またはエチリン性不飽和を導入するために、ベース物質は、不飽和基でエーテル化もしくはエステル化することができ、または、不飽和イソシアネート等と反応することができる。
ポリビニルアルコール親水性部分は、ホモポリマーまたはコポリマーであってもよい。ポリビニルアルコールは、一般に、ポリビニルエステル、主にポリ酢酸ビニル、ポリプロピオン酸ビニルおよび混合型のポリビニル(酢酸/プロピオン酸)の加水分解により調製される。加水分解は、実質的に完全、すなわち95〜99モル%以上の完全または部分的であり得る。残留エステル基の含有量が多いほど、生じるポリマーの親水性は低い。ポリビニルアルコールは、完全に加水分解しているかどうかにかかわらず、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドまたはブチルアルデヒドなどのアルデヒドとのアセタール化により変性されていてもよい。アセタール化の度合いが高いほど、コポリマーの親水性は低い。さらに、コポリマーポリビニルアルコールは、エチレンと酢酸ビニルのコポリマーなどの混合型ポリビニルエステルポリマーを加水分解することにより調製することができる。エチレン単位が多く存在するほど、加水分解後のコポリマーの親水性は低い。ヒドロシリル化反応を妨げない基を生じる他のモノマーも存在することができる。特定の基がヒドロシリル化を妨げるかどうかは、この一成分をSi−H官能性オルガノポリシロキサンでヒドロシリル化する試験において、前に述べたように不飽和炭素−炭素結合を有するコポリマーをヒドロシリル化することにより日常的に決定することができる。適切なコモノマー、誘導体化(アセタール化によるなど)の選択により、およびビニルエステル基の加水分解の度合いを調整することにより、広範囲の親水性を得ることができる。
本発明の両親媒性シリコーンは、ケイ素−炭素結合炭化水素基または親水性基を含有する、鎖延長基および架橋または分枝基も含有し得る。鎖延長基は、例えば、SiH官能性末端基含有H−シロキサンと2つのヒドロシリル化反応可能な不飽和基を有する化合物との反応により、調製することができる。このような化合物の例には、ジビニルベンゼン、α,ω−ジエンおよびα,ω−アリル末端を有するポリオキシアルキレンポリエーテルがある。本質的に、これらのビス不飽和基は、前に論じられたR、R、J、KおよびL基に対応するが、炭素−炭素不飽和の少なくとも2つの部位を含む。
したがって、好ましい鎖延長基は、次式のものに対応し、
[O1/2 Si−R’−SiR 1/2
(VI)
式中、tは、0〜100であり、好ましくは0〜50であり、より好ましくは0〜20であり、さらにより好ましくは0〜5であり、最も好ましくは0〜3である。100を超えるとシリコーン組成物としての所望の特性を得にくくなるためである。好ましくは、反応性成分中の不純物から形成される不可避の連結を除き、鎖延長基は存在しない。R’は、鎖延長基の両方のケイ素原子にSiC結合する炭素数4〜30の炭化水素基または、炭素数2〜20の炭化水素連結、好ましくは炭素数2〜4の炭化水素連結を介して両方のケイ素原子にSiC結合する親水性基である。R’単位は、上述の分枝構造のR’基でもあり得るように、J’、K’およびL’基と定義することもでき、これらのJ’、K’およびL’基は、J、KおよびL基の定義に対応するが、ヒドロシリル化反応可能な不飽和の追加の部位を持つ。
分枝または架橋基は、好ましくは式(VII)のものであり、
Figure 2017218685
(VII)
式中、uは、0〜100であり、好ましくは0〜50であり、より好ましくは0〜20であり、さらにより好ましくは0〜5であり、最も好ましくは0〜3である。100を超えるとシリコーン組成物としての所望の特性を得にくくなるためである。分枝基では、R’は、この点でオルガノポリシロキサン中の分枝を形成するように、少なくとも1つの他のシロキシ基とR’を介して分枝単位を結合する二価の分枝部分である。少なくとも1つの他のシロキシ基は、オルガノポリシロキサン鎖の末端であってよく、またはオルガノポリシロキサン鎖内のシロキシ基であり得る。したがって、分枝および架橋ポリマーのようなデンドリマーまたはラダーが形成され得る。
鎖延長は、分子量を制御するために使用され得るが、また分枝および架橋の量を増やさずにそうすることは困難である。鎖延長の量が大きいほど、分子量および粘度は大きい。架橋はシリコーンを膨潤させるが、油相に不溶にする可能性がある一方で、分枝の増加は、一般に高粘度化ももたらす。したがって、鎖延長と分枝/架橋はどちらもポリマー特性を調整するのに使用することができる。
鎖延長および分枝/架橋基のR’基を最終的に形成するビスヒドロシリル化反応可能な化合物は、本発明の両親媒性シリコーンの調製時にいつでも添加することができる。しかし、ごく少量添加するのでなければ、分枝および架橋が、ヒドロシリル化の容易さを妨げる可能性があり、または溶解の問題を引き起こし得るので、合成の終期近くで添加するのが望ましい。R’基前駆体は、反応の初期と終期近くの両方で添加することができる。分枝基または鎖延長基が存在する場合は、R’基は、ビス(アルケニルまたはアルキニル)親水性部分から誘導されることが好ましい。1つのそのような好ましい部分は、両親媒性シリコーンのL基に対して前に記載したように、α,ω−ビス(アリル)末端を有するポリオキシアルキレンポリエーテルである。
本発明の両親媒性シリコーン組成物は、w、x、yおよびzの総モルを100モルとしたときに、分枝部位を形成するRSiO3/2基およびSiO4/2基5モル未満を含有してよい。分岐部分は存在しなくてもよいし、目的に応じてシリコーン組成物の物性も制御できる。しかし、5モル以上になると所望の特性が発現しにくくなる。また、必要によりその他のシリコーン化合物を含有してよい。例えば、ポリジメチルシロキサン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーンなどである。
親水性基およびヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素多重不飽和を含有するそのようなヒドロシリル化反応可能な誘導体の調製は、従来の有機化学で知られており、当業者に周知されている。好ましくは、Lは、酸素含有で、100以上の分子量を有するSi−C結合親水性基である。好ましい実施形態では、本発明の両親媒性シリコーンは、基J、KおよびLを供給するヒドロシリル化反応可能な化合物を、内部繰り返し単位が、実質的にジメチルシロキシ、メチル水素シロキシ、場合によって好ましくはないが、二水素シロキシ単位であるポリシロキサンと反応させることにより調製可能であるものである。なお、H−シロキサンは、その末端単位にSi−H結合水素を含有していてもいなくてもよい。今述べた基に加え、またはその代わりに、メチルフェニルシロキシ、ジフェニルシロキシおよびフェニル水素シロキシ基を含有するポリシロキサンも、好ましい。末端基は、好ましくはトリメチルシリル基であるが、ヒドロシリル化を妨げない適切な任意の末端基、例えば、ジメチルフェニルシロキシ、水素ジメチルシロキシ、ヒドロキシルジメチルシロキシなども使用することができる。そのようなSi−H含有シロキサンは、「H−シロキサン」と呼ばれることもあるが、市販品として容易に入手でき、または、有機ケイ素化学においてよく知られた方法により合成することができる。経済的理由から、H−シロキサンは、好ましくはトリメチルシリルを末端とするポリ(メチル水素シロキシ/ジメチルシロキシ)シリコーン、例えば、次式のものであり、
A−[OSiMe[OSiHMe]O−A
式中、Aは、独立にHMeSiまたはMeSiであり、eは、好ましくはx、yおよびzの合計に等しく、dとeの合計は、望ましい分子量および/または鎖長が得られるようなものである。言い換えれば、好ましくは、基J、KおよびLの実質的にすべてが、H−シロキサンを用いるヒドロシリル化により両親媒性シリコーンに結合している。しかし、H−シロキサンが、基J、KおよびLのいくつかをすでにR基として、すなわち、ヒドロシリル化の前に含有し得ることも可能である。経済的理由から、これは好ましくない。
本発明の両親媒性シリコーンは、J、KおよびL前駆体、ヒドロシリル化反応可能な炭素−炭素多重結合を含むこれらの前駆体のヒドロシリル化を介して調製される。ヒドロシリル化は、反応物質の添加について、協奏的でも、見掛け上協奏的でも、または完全に段階的でもよいが、好ましくは段階的である。ヒドロシリル化の順番は重要ではないが、アリールアルケンが最初に反応し、次いでアルケンが反応し、最後にアルケニル官能性親水性種が反応するのが好ましい。アルケンが最後に反応する場合、かなりの異性化が起こり、より多量のアルケンが必要になり得ることが分かった。
ヒドロシリル化触媒は、任意の有用なヒドロシリル化触媒であり得る。たいていのヒドロシリル化触媒は、貴金属(例えば、ロジウム、イリジウム、パラジウムまたは白金)または貴金属の化合物もしくは錯体であるが、白金化合物が、その概してより高い活性のため、一般に好ましい。
例えば、ヒドロシリル化触媒として、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム、イリジウム(好ましくは白金およびロジウム)などの金属およびそれらの化合物を使用することが可能である。金属は、場合によって活性炭などの微粉担体材料、酸化アルミニウムや二酸化ケイ素などの金属酸化物に固定することができる。白金および白金化合物を使用することが好ましい。ポリオルガノシロキサンに可溶性であるこれらの白金化合物が特に好ましい。使用することができる可溶性白金化合物には、例えば、式(PtCl・オレフィン)およびH(PtCl・オレフィン)の白金−オレフィン錯体が含まれ、この状況で、エチレン、プロピレン、ブテンおよびオクテンの異性体などの炭素原子2から8個を有するアルケンまたはシクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテンなどの炭素原子5から7個を有するシクロアルケンの使用が好ましい。他の可溶性白金触媒は、ヘキサクロロ白金酸とアルコール、エーテルおよびアルデヒドもしくはそれらの混合物との反応生成物または重炭酸ナトリウムのエタノール溶液の存在下でのヘキサクロロ白金酸とメチルビニルシクロテトラシロキサンとの反応生成物である。リン、硫黄およびアミン配位子を有する白金触媒、例えば(PhP)PtClも使用することができる。特に好ましいのは、対称ジビニルテトラメチルジシロキサンなどのビニルシロキサンを有する白金錯体である。他のヒドロシリル化触媒は、特許および非特許の文献で知られている。
ヒドロシリル化触媒は、反応開始時にすべて最初から存在していてもよく、最初は一部が存在し、追加の触媒を計り入れてもよく、または増加的に添加してもよく、好ましくは種々の反応物質の添加段階に対応して増加的に添加してよい。触媒の量は、従来通りで、例えば、最終生成物重量について、貴金属元素を基準にして、1〜5000ppmであり、より好ましくは10〜500ppmであり、最も好ましくは約50〜250ppmである。その量は、例えば、反応速度を観察することにより、または未反応の出発材料を測定することにより、当業者により容易に調整される。触媒の適切な量の選択は、当業の技術の範囲内にある。
ヒドロシリル化反応は、希釈なし、または有機溶媒中で行うことができる。希釈なしの調製が好ましい。温度は従来通りであり、例えば、20〜200℃、好ましくは50〜180℃の範囲とすることができる。反応に続き、真空下もしくは窒素などの不活性ガスを用いて除去することにより、または従来の処理を使用することにより、例えば、流下膜式蒸発器もしくは拭き取り膜式蒸発器を使用することにより、生成物から、残留溶媒および他の揮発性物質を除去することができる。
本発明の生成物を調製する簡便なワンポットの合成法は、好ましくは不飽和基質としてアラールケン、アルケン、および通常はポリアルキレンオキシドおよび/または他のポリヒドロキシ化合物のモノアリルエーテルを用いるポリ(メチルシロキサン)またはポリ(メチルシロキサンcoジメチルシロキサン)との継続的ヒドロシリル化反応を含む。好ましいヒドロシリル化触媒は、Speier’s触媒もしくはKarstedt’s触媒またはこれらの改質型などの白金化合物または錯体である。
式Iのw:x:y:z比は、ヒドロシリル化のために使用されるヒドロシロキサンに依存して、ゲル状および未加工材料に対して液体または固体の生成物を製造することに関して重要であり得る。当業者にとって、より望ましい液体生成物またはソフトな固体は、日常の実験によって確保され得る。両親媒性シリコーンにおいて、wは、0〜200であり、好ましくは0〜100であり、より好ましくは0〜50であり;xは、1〜100であり、好ましくは1〜50であり、より好ましくは1〜25であり;yは、1〜50であり、好ましくは1〜25であり、より好ましくは1〜10であり;zは、1〜50であり、好ましくは1〜25であり、より好ましくは1〜10である。これらの好ましい範囲を逸脱した場合は、望ましい液体生成物またはソフトな固体を得にくくなる。
よって、本発明のシリコーン組成物は分子鎖に芳香族基を含有する基、アルキル基および酸素含有親水性基を特定の割合で有するので、繊維への吸着性が十分高く発現できることにより、ポリエーテル変性シリコーン本来の持つ柔軟性、吸水性を十分に確保できる。
また、高い繊維吸着性によって、4級カチオンをベースとした柔軟剤組成物においても、柔軟剤を高めるのみならず、高い吸水性を付与することを可能にする。
水中シリコーン型(Si/W)エマルションは、本発明の組成物を用いて容易に調製することができる。特に、シリコーン内相粒子サイズ30〜55nmのSi/Wミクロエマルションは、一般的で市販の界面活性剤および界面活性剤の混合物を使用して得ることができた。これらのエマルションのシリコーン含有量は、約15重量%以上であり得る。
さらにより驚くべきことに、当業者による通常の実験により決定することができる、w:x:y:z比ならびに長鎖ヒドロカルビルおよび極性ポリオキシアルキレンまたはポリヒドロキシ置換基の性質に依存して、本発明の組成物は、15重量%以上の水中で自己乳化性であった。
このことにより、本発明のシリコーン組成物は、洗剤と柔軟剤の混合物としての処方においても使用できる。そのため、洗剤による繊維の洗濯効果を損ねることなく、脱水効果を高め、かつ繊維への吸着性を高められるので、吸水柔軟剤としての高い効果を得られる。
本発明のシリコーン組成物のHLB値を特定の範囲に設定することにより、組成物の繊維への吸着性を高めることができ、結果として優れた吸水柔軟効果を与えることができる。
HLBとは分子内の親水基の割合を示す指標であり、式(1)により計算で求められる。
HLB=100×(1/5)×(親水基の式量/分子量) (1)
シリコーン組成物の好ましいHLB値の範囲は16以下である。16を超えると親水性が高まり繊維から洗い流され易くなり、十分な吸水柔軟性が確保できない。さらに好ましいHLB値の範囲は10以下である。
シリコーン組成物のHLB値を16以下に設定することにより、市販の製剤に濁りを全く生じることなしに、本発明の両親媒性シリコーンを1〜10重量%の濃度で直接、市販の透明洗剤に添加することができたことできる。このことは、嵩高い炭化水素基、並びにアリールアルキル基を有するため、洗濯液、又は濯ぎ液中で、シリコーン組成物が完全可溶しているのではなく、部分可溶の状態でマイクロエマルジョンができているものと推定できる。マイクロエマルジョンとして分散された状態となり、繊維に対する高い吸着効果が得られる。
この効果はHLB値を10以下に設定することでさらに顕著である。
したがって、本発明の組成物は、以前は入手が困難であった、繊維への吸水柔軟付与効果が高く、かつ透明性が高い洗剤と柔軟剤の混合処方製剤を提供することを可能にする。
また、高い繊維吸着性によって、4級カチオンをベースとした柔軟剤組成物においても、柔軟剤を高めるのみならず、高い吸水性を付与することを可能にする。
さらには、香料を含有する繊維処理剤において、香料の繊維への吸着効果を高めることができる。
本発明の両親媒性シリコーンおよびこれらの調製方法の利点は、それらが低分子量シクロシロキサンを実質的に含まず、実際、低分子量シクロシロキサンを一般に検出不能であることである。さらなる利点は、シリコーンを調製するためのヒドロシリル化の使用にもかかわらず、生成物が、スチレンまたはα−メチルスチレンなどのアリールアルカンの強い臭気を有さないことである。「環式物を含まないは、揮発性環式物の含有量が、両親媒性シリコーンの総重量を基準にして、0.5重量%未満であることを意味する。より好ましくは、環式物の含有量は、0.1重量%未満であり、さらにより好ましくは0.05重量%未満である。最も好ましくは、揮発性シクロシロキサンは、H−NMRまたは29Si−NMRにより何も検出されない。「低分子量」は、25〜37℃でかなりの蒸気圧を有するシクロシロキサン、特に、シクロトリシロキサン、シクロテトラシロキサン、シクロペンタシロキサンなどの5個以下のケイ素原子を有するシクロシロキサンを意味する。4個以下のケイ素原子を含有するオリゴシロキサンなどの低分子量直鎖種も、好ましくは存在しないか、非常に低濃度である。
繊維用吸水柔軟剤の処方では、繊維への柔軟効果付与成分として、炭素数10〜24の炭化水素基を分子内に1以上有する3級アミン及びそれらの中和物、もしくはそれらの4級化物を含有してもよいが、これらの柔軟効果付与成分中の炭化水素基としては、鎖中にエステル基、アミド基、エーテル基等を有していてもよい。なお、これらの炭化水素基は、通常工業的に使用される牛脂、豚脂、パーム油、大豆油、パーム核油、オリーブ油などの天然油脂由来の脂肪酸やメタノール、エタノールなどとの脂肪酸アルキルエステル、また部分水添または完全水添して得られるそれらの脂肪酸や脂肪酸アルキルエステル、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの飽和脂肪酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸等の不飽和高級脂肪酸またはそれらのアルキルエステルあるいはそれらの混合物などを使用することにより導入することができる。
また、その他の柔軟付与成分として、4級化されたアミノ基を有する高分子量体を用いてもよく、それらの例としては、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性デンプン誘導体、カチオン性グアーガム誘導体、塩化ジメチルジアリルアンモニウムとアクリルアミドの共重合体などが挙げられる。
洗浄効果を目的とした繊維用吸水柔軟剤の処方では、界面活性剤として、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド等のノニオン界面活性剤や、カルボキシレート基、スルフェート基またはホスフェート基などの水可溶化アニオン性基と、炭素数12〜18のアルコキシ基、アシル基、又はこれらのポリオキシエチレンエーテル、などの親油性基からなり、水可溶化アニオン性基はアルカリ金属、アンモニウムまたはアルカノールアンモニウムの塩となっているアニオン界面活性剤等を使用することができる。
繊維用吸水柔軟剤は、更に、例えば、1 9 6 9 年化学工業日報社刊印藤元一著「合成香料化学と商品知識」、1 9 6 9 年MONTCLAIR,N,J.刊、STEFFEN ARCTANDER著‘Perfume and Flavor Chemicals’等に記載の香料成分が使用出来る。
次に本発明を実施例によって説明する。なお、本発明はこれによって限定されるものではない。
実施例および比較例における繊維用吸水柔軟付与剤の作製は以下のようにして行った。得られた繊維用吸水柔軟付与剤を用いて、以下に示す処方により、柔軟剤評価および洗剤評価のための試料を作製した。柔軟剤としての評価として柔軟性、吸水性の試験を行い、洗剤としての評価は、相溶性および、洗濯処理性として、柔軟性、残香性の評価を行った。各試験方法を下記に示す。各実施例、比較例の吸水柔軟処理付与剤の量両親媒性シリコーンの構造、HLBを表1に、柔軟剤評価および洗剤評価の結果を表2に示す。表1におけるEO、POに付記されている数字はそれぞれのモル数を示す。
<柔軟剤評価試験試料作製方法>
プロペラミキサー、ステンレスベッセル、ホットプレートを用いて100rpmで撹拌下、水79.6質量%を50℃に加温した後、エステルクオタニウム(STEPANTEXⓇ VK 90;Stepan Company 社製)20質量%を添加し、均一になるまで撹拌し、その後35℃まで撹拌下冷却した後、塩化カルシウム0.4質量%添加以下してさらに室温まで撹拌下冷却することにより得られる柔軟剤組成物100質量部に対し、各実施例、比較例で得られた吸水柔軟付与剤シリコーンを2%添加し、100rpmの回転数にて3分撹拌して、柔軟剤組成物を得た。
5Lベッセルに水道水を入れ、実施例および比較例記載の方法で作製した柔軟剤5gを添加し軽く撹拌し、そこに、綿100%ハンドタオル(350×350mm、約50g)2枚を入れ、3分間撹拌した後、洗濯機で3分間脱水し、恒温恒湿室(23℃、湿度50%)で1晩室内干しにて乾燥させた。
<洗濯処理性試験(洗剤評価)試料作製方法>
プロペラミキサー、ステンレスベッセルを用いて100rpmで撹拌下、市販の濃縮型透明液体洗剤(洗浄成分構成;ポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステル、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、香料成分含有)に本発明のシリコーン各実施例、比較例で得られた吸水柔軟付与剤シリコーン2%を添加し、洗剤組成物を得た。
縦型全自動洗濯機(NA−F50B6;パナソニック株式会社製)を用いて、水量を30Lに設定し、実施例、並びに比較例記載の方法で作製した洗剤10mL、を添加し、綿100%ハンドタオル(350×350mm、約50g)5枚を洗浄(10分)、注水すすぎ(5分、2回)、脱水(3分)1サイクルにて洗濯処理し、恒温恒湿室(23℃、湿度50%)で1晩乾燥した。
<柔軟性評価試験方法>
3名のパネルにて、作製した処理タオル(柔軟剤評価試験試料または洗濯処理性試験試料)の柔軟性を一対比較法により評価し、各タオルに対する評価点数の合計を比較した。一対比較法の評価にあたっては、より柔軟性の優れる方へ1点、柔軟性の劣る方へは0点を付与し、同点の場合はともに0.5点を付与した。
3名の評価点数を各サンプルについて合計した点数について、以下のように評価した。
評価基準 ◎;15点以上、〇;10.5〜14.5点、△;5.5〜10.0点、×;05.5点未満
<吸水性試験方法>
タオルをシャーレの上に置き、イオン交換水(無色透明)をマイクロピペットにて70μL布の上に滴下し、ストップウォッチで吸液に要する計秒数を計測した。タオルの真ん中、両端の計3ヶ所にてそれぞれ4点計測を行い、これを更に3回繰り返し、合計12点の計測データについて、平均値を求めた。秒数が短いほど、高い吸水性が得られたことを示す。
吸水時間について、以下の基準にて評価した。
評価基準 〇;1分未満、△;1以上〜2分未満、×;2分以上
<相溶性試験方法>
実施例、比較例によって得られた洗剤について、それぞれ30gをガラス製スクリュー管に入れ、室温、40℃、50℃で2週間保存後の外観を目視で観察した。
評価基準;〇透明、分離無し、△分離傾向がみられる、微濁、×分離、濁り有り
<残香性試験方法>
処理、乾燥したタオルについて、直後、更に1月室温保管した後のそれぞれの段階において、1対比較法で香りの強さを評価した。一対比較法の評価にあたっては、より柔軟性の優れる方へ1点、柔軟性の劣る方へは0点を付与し、同点の場合はともに0.5点を付与した。
評価基準 ◎;15点以上、〇;10.5〜14.5点、△;5.5〜10.0点、×;5.5点未満
<実施例1>
反応フラスコにポリ(メチルシロキサンcoジメチルシロキサン)[300g、H含有量0.642重量%]を入れた。フラスコを80℃に加熱し、α−メチルスチレン(AM
S、112.6g)を滴下漏斗に入れ、フラスコ内容物の温度を約120〜125℃に上げながらAMSの約3分の1量をフラスコに添加した。125℃で、クロロ白金酸のシク
ロヘキサノール中溶液(シクロヘキサノール溶液中1重量%Pt、120μL)を、フラスコ中の撹拌(200〜250rpm)している混合物にシリンジを介して速やかに添加
した。急速な発熱が起こり、漏斗からのAMS添加を続けて、反応熱からの温度を140〜160℃の範囲に保った。AMS添加の完了直後に、Pt触媒のさらなる分量(120
μL)を添加し、混合物を145℃で30分間加熱した。次いで温度を125〜130℃に下げ、1−オクテン(54.5g)を滴下漏斗からゆっくり添加して、温度を約140
℃未満に維持した。混合物を140℃で30分間加熱した。次いで温度を150℃に設定し、ポリ(エチレンオキシド)モノアリルエーテル、10molEO、(249.5g)
添加を開始した。ポリエーテル添加の開始後、触媒のさらなる分量(120μL)を添加し、添加の途中で温度を155℃に上げ、温度を約150℃未満に低下させることなく、
ポリエーテル添加を完了した。触媒の4分の1量(120μL)を添加し、混合物を1時間加熱し、触媒の半分量(60μL)を添加し、混合物をさらに1時間加熱して、2時間
の混合の間、温度を好ましくは150〜155℃の範囲に維持した。次いで、反応混合物を約155℃で減圧下(10〜15mmHg)でストリッピングして、残りの揮発性オレ
フィンもすべて除去した。40℃に冷却後、次いでオフホワイトから淡黄色の生成物を濾過して、ほぼ無色で透明な液体(生成物)を得た。得られた生成物を「吸水柔軟付与剤シリコーン1」という。この生成物をH−NMR分析したところ、設計構造通りの表1に示す分子構造を有することがわかった。
表1において「親水基」とは、下記一般式(1):
SiO(R SiO)(RJSiO)(RKSiO)(RLSiO)SiR (1)
中のLを示す。また、「アルキル基」とは一般式(1)中のKを示す。さらに「芳香族基含有基」とは一般式(1)中のJを示す。
また、上記生成物をGC MS分析したところ、残留AMS含有量が100ppm未満であることが分かった。さらに上記生成物は、25℃での粘度が268mPa・s、屈折率が1.4615、揮発性物質が0.03重量%であった。なお、吸水柔軟付与剤シリコーン1には、表1に示す分子構造の枝部位を形成するRSiO3/2基およびSiO4/2基は検出されなかった。
HLBは6.4であった。
吸水柔軟付与剤シリコーン1を用いて柔軟剤評価および洗剤評価を行った。
表2の<柔軟剤評価結果>に示すように、「吸水柔軟付与剤シリコーン1」を用いた柔軟剤評価においては、処理タオルの柔軟性、吸水性は良好な結果を示した。よって、目的の吸水柔軟剤付与シリコーンが得られたことが分かった。また、この処理タオルは黄変も示さず、本来ポリエーテル変性シリコーンがもつ特性も維持していることがわかった。
さらに、<洗剤評価結果>に示すように、相溶性は良好であり、かつ処理タオルの柔軟性および直後、1ヶ月後の残香性も良好な結果を示した。よって、洗剤と混合して用いる処方において透明性を付与でき、処理繊維に残香性を与える吸水柔軟剤付与シリコーンが得られたことが分かった。また、洗剤評価試験の過程で、処理タオルの脱水性が良好であったこともわかった。
<実施例2>
実施例1の手順に非常に類似した手順を使用して、ポリ(メチルシロキサン−co−ジメチルシロキサン)[58.5g、H含有量0.64重量%]は、AMS(21.8g)
、1−オクタデセン(24.4g)およびアリル末端を有するポリエチレンオキシド、10molEO(48.8g)と、その添加の順番で反応させた。オクタデセン添加のため
の添加温度は、145℃であり、使用したPt触媒は、プロピレングリコール中のヘキサクロロ白金酸(0.5重量%Pt、総触媒量216μL)であった。粗生成物を20mm
Hgおよび160℃で減圧除去し、濾過して、透き通ったほぼ無色の液体(生成物)を得た。得られた生成物を「吸水柔軟付与剤シリコーン2」という。この生成物をH−NMR分析したところ、設計構造通りの表1に示す分子構造を有することがわかった。
また、上記生成物は、25℃での粘度が290mPa・s、屈折率が1.4603であった。なお、吸水柔軟付与剤シリコーン2には、揮発物物質および表1に示す分子構造の枝部位を形成するRSiO3/2基およびSiO4/2基は検出されなかった。
HLBは5.8であった。
吸水柔軟付与剤シリコーン2を用いて柔軟剤評価および洗剤評価を行った。
表2の<柔軟剤評価結果>に示すように、「吸水柔軟付与剤シリコーン1」を用いた柔軟剤評価においては、処理タオルの柔軟性、吸水性は良好な結果を示した。よって、目的の吸水柔軟剤付与シリコーンが得られたことが分かった。また、この処理タオルは黄変も示さず、本来ポリエーテル変性シリコーンがもつ特性も維持していることがわかった。
さらに、<洗剤評価結果>に示すように、相溶性は良好であり、かつ処理タオルの柔軟性および直後、1ヶ月後の残香性も良好な結果を示した。よって、洗剤と混合して用いる処方において透明性を付与でき、処理繊維に残香性を与える吸水柔軟剤付与シリコーンが得られたことが分かった。また、洗剤評価試験の過程で、処理タオルの脱水性が良好であったこともわかった。
<実施例3>
実施例1の手順に非常に類似した手順を使用して、ポリ(メチルシロキサン−co−ジメチルシロキサン)[83g、H含有量0.64重量%]は、AMS(15.6g)、1
−オクテン(15.1g)およびモノアリル末端を有するポリエチレンオキシド、10molEO(137.4g)とその添加の順番で反応させた。オクテン添加のための出発温
度は、130℃であり、使用したPt触媒は、プロピレングリコール中のヘキサクロロ白金酸(0.5重量%Pt、総触媒溶液体積276μL)であった。粗生成物を18mmH
gおよび160−166℃で減圧除去し、濾過して、透き通ったほぼ無色の液体(生成物)を得た。得られた生成物を「吸水柔軟付与剤シリコーン3」という。この生成物をH−NMR分析したところ、設計構造通りの表1に示す分子構造を有することがわかった。
また、上記生成物は、25℃での粘度が757mPa・s、屈折率が1.4572であった。なお、吸水柔軟付与剤シリコーン3には、揮発物物質および表1に示す分子構造の枝部位を形成するRSiO3/2基およびSiO4/2基は検出されなかった。
HLBは10であった。
吸水柔軟付与剤シリコーン3を用いて柔軟剤評価および洗剤評価を行った。
表2の<柔軟剤評価結果>に示すように、「吸水柔軟付与剤シリコーン1」を用いた柔軟剤評価においては、処理タオルの柔軟性、吸水性は良好な結果を示した。よって、目的の吸水柔軟剤付与シリコーンが得られたことが分かった。また、この処理タオルは黄変も示さず、本来ポリエーテル変性シリコーンがもつ特性も維持していることがわかった。
さらに、<洗剤評価結果>に示すように、相溶性は良好であり、かつ処理タオルの柔軟性および直後、1ヶ月後の残香性も良好な結果を示した。よって、洗剤と混合して用いる処方において透明性を付与でき、処理繊維に残香性を与える吸水柔軟剤付与シリコーンが得られたことが分かった。また、洗剤評価試験の過程で、処理タオルの脱水性が良好であったこともわかった。
<実施例4>
実施例1の手順に非常に類似した手順を使用して、ポリ(メチルシロキサン−co−ジメチルシロキサン)[105g、H含有量0.656重量%]は、AMS(40.2g)
、1−オクテン(19.5g)およびモノアリル末端を有するポリ(エチレンオキシドcoプロピレンオキシド)、20molEO−20molPO(316.6g)とその添加
の順番で反応させた。オクテン添加のための出発温度は、130℃であり、使用したPt触媒は、シクロヘキサノール中のクロロ白金酸(1重量%Pt、総触媒量194μL)で
あった。ポリエーテルの添加を155℃で開始し、半分はこの温度で添加し、半分は160℃で添加した。実施例1〜3のように、ポリエーテル添加の完了後、混合物を2時間撹
拌した(この実施例では160℃で)。粗生成物を20mmHgおよび160℃で減圧除去し、濾過(0.8μmナイロンメンブランフィルター)して、透き通った無色の液体(生成物)を得た。得られた生成物を「吸水柔軟付与剤シリコーン4」という。この生成物をH−NMR分析したところ、設計構造通りの表1に示す分子構造を有することがわかった。
また、上記生成物は、25℃での粘度が410mPa・s、屈折率が1.4580、揮発性物質が0.03重量%であった。なお、吸水柔軟付与剤シリコーン4には、表1に示す分子構造の枝部位を形成するRSiO3/2基およびSiO4/2基は検出されなかった。
HLB9.1であった。
吸水柔軟付与剤シリコーン4を用いて柔軟剤評価および洗剤評価を行った。
表2の<柔軟剤評価結果>に示すように、「吸水柔軟付与剤シリコーン1」を用いた柔軟剤評価においては、処理タオルの柔軟性は特に良好で、吸水性は良好な結果を示した。よって、目的の吸水柔軟剤付与シリコーンが得られたことが分かった。また、この処理タオルは黄変も示さず、本来ポリエーテル変性シリコーンがもつ特性も維持していることがわかった。
さらに、<洗剤評価結果>に示すように、相溶性は良好であり、かつ処理タオルの柔軟性および直後、1ヶ月後の残香性は特に良好な結果を示した。よって、洗剤と混合して用いる処方において透明性を付与でき、処理繊維に残香性を与える吸水柔軟剤付与シリコーンが得られたことが分かった。また、洗剤評価試験の過程で、処理タオルの脱水性が良好であったこともわかった。
<実施例5>
実施例1の手順に非常に類似した手順を使用して、ポリ(メチルシロキサン)[34.6g、H含有量1.6w/w]は、AMS(11.6g)、1−ドデセン(58.3g)
およびモノアリル末端を有するポリエチレンオキシド、10molEO、(58.8g)とその添加の順番で反応させた。ドデセン添加のための出発温度は、145℃であり、使
用したPt触媒は、AMSで50%v/vに希釈した改質型Karstedt’s触媒(0.5重量%Pt、総触媒量365μL)であった。粗生成物を18mmHgおよび16
0−168℃で減圧除去し、濾過して、微濁でほぼ無色の液体(生成物)を得た。得られた生成物を「吸水柔軟付与剤シリコーン5」という。この生成物をH−NMR分析したところ、設計構造通りの表1に示す分子構造を有することがわかった。
また、上記生成物は、25℃での粘度が4100Pa・s、屈折率が1.4629であった。なお、吸水柔軟付与剤シリコーン5には、揮発物物質および表1に示す分子構造の枝部位を形成するRSiO3/2基およびSiO4/2基は検出されなかった。
HLB6.6であった。
吸水柔軟付与剤シリコーン5を用いて柔軟剤評価および洗剤評価を行った。
表2の<柔軟剤評価結果>に示すように、「吸水柔軟付与剤シリコーン1」を用いた柔軟剤評価においては、処理タオルの柔軟性、吸水性は良好な結果を示した。よって、目的の吸水柔軟剤付与シリコーンが得られたことが分かった。また、この処理タオルは黄変も示さず、本来ポリエーテル変性シリコーンがもつ特性も維持していることがわかった。
さらに、<洗剤評価結果>に示すように、相溶性は良好であり、かつ処理タオルの柔軟性および直後、1ヶ月後の残香性も良好な結果を示した。よって、洗剤と混合して用いる処方において透明性を付与でき、処理繊維に残香性を与える吸水柔軟剤付与シリコーンが得られたことが分かった。また、洗剤評価試験の過程で、処理タオルの脱水性が良好であったこともわかった。
<比較例1>
吸水柔軟付与剤シリコーンとして、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン変性ジメチルポリシロキサン(製品名;OW1500、旭化成ワッカーシリコーン株式会社製)を用いた。
HLBは11だった。
これを「吸水柔軟付与剤シリコーン6」とする。これを用いて柔軟剤評価および洗剤評価を行った。
<比較例2>
シリコーン成分を添加せずに柔軟剤および洗剤を処方し、柔軟剤評価、洗剤評価を行った。
Figure 2017218685
Figure 2017218685
本発明の繊維用吸水柔軟付与剤は、非アミノ変性シリコーンであるため黄変の懸念が少なく、かつ従来のポリエーテル変性シリコーンに比べ繊維への吸着性が高いため、吸水柔軟効果の付与に優れ、また、界面活性剤や、香料との相溶性に優れるため、これまで難しかった透明液体洗剤での柔軟性の付与や、残香性の向上を可能にする。

Claims (6)

  1. 両親媒性シリコーンを含む両親媒性シリコーン組成物を用いた繊維用吸水柔軟付与剤であって、
    両親媒性シリコーンは下記式(1)で表され、水中で自己乳化可能であり、5個以下のケイ素原子を有するシクロシロキサンを実質的に含まず、
    SiO(R SiO)(RJSiO)(RKSiO)(RLSiO)SiR (1)
    (式中、Rは、基Lまたは炭素数1〜30の炭化水素基であり、RSiO−または−SiR基の1つのRが、場合によってヒドロキシル基であり、RSiO−または−SiR基の1つまたは複数のRが場合によって炭素数1〜8のアルコキシ基であり;
    は、水素または炭素数1〜30の炭化水素基であり;
    Jは、炭素数6〜20の芳香族基を含有する炭素数8〜30の基であり;
    Kは、炭素数6〜45のアルキル基であり;
    Lは、100より大きい分子量を有する、酸素含有親水性基であり;
    wは、0〜200であり;
    xは、1〜100であり;
    yは、1〜50であり;
    zは、1〜50である)
    前記両親媒性シリコーン組成物は、w、x、yおよびzの総モルを100モルとしたときに、前記両親媒性シリコーンの分枝部位を形成するRSiO3/2基およびSiO4/2基5モル未満を含有してよく、HLBが16以下であることを特徴とする繊維用吸水柔軟付与剤。
  2. 両親媒性シリコーン組成物のHLBが10以下であることを特徴とする請求項1に記載の繊維用吸水柔軟付与剤。
  3. 請求項1または2に記載の繊維用吸水柔軟付与剤を含有し、アミド基、エステル基及び/又はエーテル基を鎖中に含有していてもよい炭素数10〜24の炭化水素鎖を分子内に1以上有する3級アミン及びそれらの中和物、もしくはそれらの4級化物を含有することを特徴とする繊維用吸水柔軟剤。
  4. 請求項1または2に記載の繊維用吸水柔軟付与剤を含有し、洗浄成分としての界面活性剤を含有することを特徴とする繊維用吸水柔軟剤。
  5. 透明であることを特徴とする請求項4に記載の繊維用吸水柔軟剤。
  6. 香料を含有することを特徴とする請求項3、4または5に記載の繊維用吸水柔軟剤。
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