JP2017218678A - フッ素生成用プラント - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、F2がKF/HF組成物の電気分解により製造されるフッ素ガス製造プラントに関する。【解決手段】このプラントは:FIF保管、電解セル、製造されたF2粗ガスの保管および精製、単一の緩衝剤タンクまたは複数の保管ユニットを含むフッ素ガスの輸送、精製された廃ガスをもたらすスクラバー、冷却水循環路の提供、分析、電気整流器、変圧器および非常用電源を有する変電所、ならびに、実験室および要員用休憩室を有する制御室を含むユーティリティのためのスキッドモジュールを備えている。スキッドの利点は、製作所において個別に製造され、テストされ、施設に輸送され、および、そこで組み立てられ得ることである。大きな利点は安全面であり、高純度F2の毎日24時間のF2の確実な生成である。【選択図】図1

Description

2010年9月15日に出願の米国仮特許出願第61/383204号明細書および2010年9月16日に出願の米国仮特許出願第61/383533号明細書(これらの特許出願の内容は、すべての目的について本明細書において参照により援用される)に基づく優先権の利益を主張する本発明は、組み立てスキッド形のフッ素生成用プラント、および、そこで利用されるプロセスに関する。
半導体、光起電力電池、薄膜トランジスタ(TFT)液晶ディスプレイおよび微小電気機械システム(MEMS)の製造中においては、材料の堆積ステップおよび個々の部品のエッチングステップが好適なチャンバ中で連続的に実施されることが多く;これらのプロセスでは、プラズマが使用されることが多い。堆積ステップにおいて、堆積物は、部品の上だけではなく、チャンバの壁部および他の内部にも形成されることが多い。元素フッ素が、不要な堆積物を除去するためのエッチングおよびチャンバのクリーニングの両方についてきわめて効果的な薬剤であることが観察された。この種のプロセスは、例えば、(特許文献1)(フッ素および一定の混合物のエッチング剤およびチャンバクリーニング剤としての使用が記載されている)、(特許文献2)(MEMSの製造が記載されている)、(特許文献3)(太陽電池の製造が記載されている)、および、TFTの製造に関する未公開の(特許文献4)に記載されている。
米国特許出願には、製造施設内におけるフッ素の生成および分配が記載されている。フッ素をオンサイトで提供することにより、生成される施設から使用場所へのフッ素の輸送に関連するリスクが軽減される。
国際公開第2007/116033号 国際公開第2009/080615号 国際公開第2009/092453号 欧州特許出願第09174034.0号明細書
例えば、漏出した場合もしくは器具が破損した場合の大量の純粋なフッ素(F)およびHFの分解などの、オンサイト仕様で用いられる装置に関連して解決されるべき問題が未だある。
本発明は、特に半導体、光起電力電池、薄膜トランジスタ液晶ディスプレイおよび微小電気機械システムの製造においてエッチング剤およびチャンバクリーニング剤として用いられるフッ素のオンサイトでの生成に好適である向上したプラントをもたらす。
本発明のプラントは、フッ素ガスを反応体として用いてその中で化学反応を行うツールにフッ素ガスを供給し、この装置は、
−スキッド1と表される、HF用の少なくとも1つの保管タンクを備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド2と表される、Fを生成する少なくとも1つの電解セルを備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド3と表される、Fを精製するための精製手段を備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド4と表される、フッ素ガスを使用場所に吐出する手段を備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド5と表される、冷却水循環路を備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド6と表される、廃ガスを処理するための手段を備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド7と表される、Fを分析するための手段を備えるスキッド載置モジュール、および
−スキッド8と表される、電解セルを操作するための手段を備えるスキッド載置モジュール
からなる群から選択される少なくとも1つのスキッド載置モジュールを含むスキッド載置モジュールを備えている。
有用なスキッド構成を伴う本発明に基づくプラントの実施形態を示す。
本発明の好ましいプラントは、フッ素ガスを反応体としてその中で化学を行うツールにフッ素ガスを供給し、この装置は、
−スキッド1と表される、HF用の少なくとも1つの保管タンクを備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド2と表される、Fを生成する少なくとも1つの電解セルを備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド3と表される、Fを精製するための精製手段を備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド4と表される、フッ素ガスを使用場所に吐出する手段を備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド5と表される、冷却水循環路を備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド6と表される、廃ガスを処理するための手段を備えるスキッド載置モジュール、
−スキッド7と表される、Fを分析するための手段を備えるスキッド載置モジュール、および
−スキッド8と表される、電解セルを操作するための手段を備えるスキッド載置モジュール
を含むスキッド載置モジュールを備える。
プラントはまた、スキッドモジュール1〜8に近接して位置されていても、これらから離れていてもよいスキッドモジュール、すなわち、
−主に中電圧を低電圧に変圧する変電器であるスキッドモジュール9、および/または
−ユーティリティを収容するスキッドモジュール10(制御室、実験室、休憩室)
を備えていることが好ましい。
さらに、装置は、例えば、液体窒素および窒素ガスを供給する手段などの不活性ガスを供給する手段、圧縮空気および水を供給する手段、ならびに、付随施設および補助施設を備えていてもよい。少なくとも、スキッド1、2、3、4および7、好ましくはすべてのスキッドは、安全上の理由のために筐体を備えている。
本発明の文脈において、「フッ素ガス」という用語は、特に分子フッ素(F)、および、特に不活性ガスとのその混合物を示す。不活性ガスは、例えばアルゴン、窒素、酸素およびNOから選択されることが好ましい。好ましいフッ素ガスは、Fから構成されるか、Fから実質的に構成される。
図1に示されている好ましいプラントが以下に詳細に記載されている。
図1は、本発明に基づくプラントPを示す。サイズは39m×23mである。図1中の符号1は、HFの保管および蒸発を行うスキッド1を示す。符号2は、電解セルを備えている点線によって示されているスキッドを示し、これは、モジュール5および7の下方のプラントの下方階に位置されている。図の符号3は、生成されたFを精製する精製手段を備えているスキッド3を指す。図1の符号4は、フッ素ガスの保管手段を備えているスキッド4を示す。スキッド4はまた、一実施形態によれば、使用または最終的な保管用の精製されたFの最終分析用の単一セルFT−IRを備えていてもよい。図1の符号5は、冷却水手段を収容するスキッド5を示す。これはスキッド2の上方に位置されている。図1中の符号6Aは非常時対応用スクラバーERSを備えているスキッド6Aを指し、および、符号6Bは、FスクラバーおよびHスクラバーを有するスキッド6Bを示す。図1中の符号7は、Fを分析するための任意選択の手段を備えているスキッド7を示す(これは、例えば、FT−IRおよび/またはUV分光計を含み得る)。図1中の符号8は、スキッド8中の整流器キャビネットを指す。符号9Aおよび9Bは、中電圧電気サブスキッド9Aおよび低電圧電気サブスキッド9Bを指す。符号10Aは実験室および制御室を備えているスキッド10Aを示し、符号10Bは休憩室および更衣室のような補助施設を有するスキッド10Bを指す。符号11aおよび11bは、特にスキッド5および7などの上階にあるスキッドに移動して行くためのエスカレータおよびプラットホームを示す。符号12は、作業中のフォークリフトを示す。符号13は、KOH溶液および他の必要とされる薬品の保管場所を示し、ならびに、符号14は非常時のシャワーを指す。必要に応じて、プラントは、図1中の黒線によって示されているとおり柵で囲まれ得る。柵で囲まれているプラントは、F生成プラントの運転に関わらないと見込まれる作業員の進入を防ぎ、それ故、このような作業員のリスクが低減されるため、利点を有する。この場合、フッ素ガスプラントは、フッ素ガスを消費する半導体製造プラントのオンサイトに建設されて、柵を越えてフッ素ガスが輸送されてもよい。
複数のスキッドに組み立てられた構成部を備えているこのようなプラントは、多くの利点を有する。例えば、スキッドは工場で予め組み立てられてテストされ得る。それ故、これらは、一種の「既製」製品であり、オンサイトでの設置のみが必要とされる。これにより時間が節約される。維持管理、修理、または、性能が向上した同一機能の構成部あるいは出力がより小さいもしくは大きい構成部を備えているスキッドとの交換のために、特定のスキッドを取り外すことがかなり容易でもある。安全性もまた向上されている。すなわち、例えば、上記において説明されているとおり、スキッド2は少なくとも1個の電解セルを備えている。既にすべての電解セルに電解質が充填されており、次いで、サイトに輸送されてスキッド2に組み立てられることが好ましい。それ故、充填は、個々に安全性が考慮されて実施することができ、このような安全性に対する対策が採用されていないことのあるローカルサイトで実施されてはならない。プラントの能力はモジュールを追加することにより拡張することが可能である。スキッドは海上コンテナサイズを有し、それ故、モジュールを容易に輸送することができることが好ましい。大きな利点は、高純度Fを毎日24時間確実に生成することである。
ここで、スキッドを詳細に説明する。
セルは区画化されていると共に、例えば地震に対する保護として、移動を防止する構造に接続されていることが一般に好ましい。プラントは、地震を検知して制御室にシグナルを送る手段を備えていることも好ましく、この制御室はプラントを自動的に停止させるか、または、作業員に手動でプラントを停止させるものである。好ましくは、プラントは、プラントの振動加速度を検知可能であり、例えば0.5Gの一定のレベルに達した場合に、アラームおよび/またはプラントの自動停止を生起させる個々のシグナルを送る、例えば強震計(加速度計)などの少なくとも1個の地震計を備えている。
セルを接続しているパイプおよびセルに接続されているパイプのすべては、例えばフランジ間のスペーサ手段によって電気的に絶縁されていなければならない。床もまた電気的に絶縁されていなければならない。
すべてのプロセススキッド(スキッド1〜8)が閉鎖空間中に含まれていることが好ましい。
スキッド1:HF保管用のスキッドモジュール(スキッド1)は、HFを保管すると共にHFを電解セルに吐出する働きをする少なくとも1個のHF(フッ化水素)保管タンクを備えている。HF用の保管タンクは、一般に、任意選択で、車輪を設けることが可能であるか、または、例えばフォークリフトによる搬送が可能である中空体である。好ましくは、スキッドは、複数の保管タンク、より好ましくは、2、3、4、5または6個の保管タンクを備えている。HFは、液体形態でタンク中に保管されていることが好ましい。スキッド1は、加圧Nを含むタンクに接続可能である。液体HFは、Nで加圧されると共にエバポレータに送出されて蒸発される。得られる、HFを含有する気相が1個または複数の電解セルに送出される。必要に応じて、エバポレータを電解セルの各々に設置することが可能である。
エバポレータは、HF蒸気を発生させるために、加熱器、例えば電気加熱器、または、熱い冷却水の熱を用いる熱交換器を備えていることが好ましい。より好ましくは、HF保管コンテナは、閉塞隔離空間を有する二重隔離弁によりHF供給ラインから隔離可能である。この場合、スキッド1は、1つまたは複数の閉塞隔離空間に接続されている少なくとも1つの中間通気弁をさらに備えていることが好適である。中間通気弁は、一般に、任意選択で存在するフッ化水素を閉塞隔離空間から除去するよう作動される。除去は、例えば、減圧により実施され得る。他の態様において、除去は、例えば、不活性ガス、および/または、例えば乾燥空気もしくは好ましくは窒素などの加圧されたパージガスで閉塞隔離空間をフラッシュすることにより実施され得る。
一態様において、除去は連続的に実施される。
除去は、断続的に、特にHF保管コンテナが供給ラインに接続および/または切断される際に実施されることが好ましい。閉塞隔離空間から回収されたガスは、例えばスキッド6におけるスクラバーなどのHF分解ユニットに好適にはベントされる。
本発明に基づくプラントおいて、例えば、適切な場合には、ガスを充填および/または排出するための中空体、バルブおよびラインなどのガスに接触されることとなるその構成部は、分子フッ素に耐性の材料で形成されているか、または、被覆されていることが好適である。このような材料の例としては、モネル金属、ステンレス鋼、銅、および、好ましくはニッケルが挙げられる。
スキッド1の好ましい態様において、フッ化水素保管コンテナは、閉鎖空間からのフッ化水素保管コンテナの出し入れを可能とする少なくとも1つの閉鎖可能なゲートを有する閉鎖空間中に入れられている。この態様の一実施形態において、閉鎖空間は、フッ化水素保管コンテナおよびフッ化水素供給ラインへの接続部を備えている。他の実施形態において、閉鎖空間は、液体HFを蒸発させるエバポレータを追加的に備えている。この好ましい態様およびその実施形態において、閉鎖空間は、閉鎖空間と以下に記載のスクラバーとの結合を開始させることが可能であるHFセンサを備えていることが好適である。
スキッド1は、一般には、少なくとも液体ラインおよびガスラインを有している。この場合、液体ラインは、適切な場合には、例えばフランジ接続手段によってフッ化水素供給ラインに接続され得る。ガスラインは、追加的に、フッ化水素保管コンテナの加圧を可能とする不活性ガス(例えば乾燥空気、窒素等)供給ラインに接続され得る。
スキッド1において、各フッ化水素保管コンテナは、一般に、10〜5000リットル、度々500リットル〜4000リットル、好ましくは500〜3000リットルの容量を有している。フッ化水素保管コンテナの特定の例は、RID/ADR−IMDG−により認可されているUN T22または、好ましくはUN T20タイプのタンクである。このようなタンクは市販されている。
スキッド1における各HF保管コンテナは、マニホルドを介してフッ化水素供給ラインに好適に接続され得る。
スキッド1における各HF保管コンテナは、フッ化水素供給ラインから個別に隔離可能であることが好ましい。
スキッド1におけるHF保管コンテナは、一般に、好ましくは遠隔制御されるバルブである遠隔制御されるデバイスによりフッ化水素供給ラインから隔離され得る。より好ましくは、各保管コンテナは、コンテナをフッ化水素供給ラインから隔離させる好ましくは遠隔制御されるバルブである遠隔制御されるデバイスを備えている。
遠隔制御されるバルブが存在している場合、好適な手動バルブが追加的に設けられている。遠隔制御されるバルブにより、例えば、遠隔制御室からのHF−保管−コンテナの運転が可能である。
好ましい実施形態において、HF保管コンテナは自動HFレベルセンサを備えている。特にHF保管コンテナは計量はかり上に設置され得る。このような場合には、プロセス制御システム、特に自動プロセス制御システムは、第1の空のHFコンテナの遠隔制御されるバルブを閉じて他の第2のHF−含有フッ化水素保管コンテナの遠隔制御されるバルブを開くよう操作可能であることが好ましい。この実施形態は、手動によるHFバルブの扱いを回避すると共に、確実にHFを連続して供給するために特に効果的である。
好ましい態様において、バルブは、例えば、HF供給ラインに接続されたプロセス−器具におけるプロセスの中断などの異常な運転状態の場合に、自動的に閉じられるよう操作可能である。
他の好ましい態様において、バルブはスキッド1においてHFが漏出した場合に自動的に閉じられるよう操作可能である。このようなHF漏出は、例えばHF保管−コンテナ内部における任意選択的なフランジ−接続部の漏出によって生じる可能性があり、これらのバルブが遠隔制御により閉じられることが可能である。これにより、特に、この場合にはフッ化水素供給ユニットにアプローチする必要性が回避される。
スキッドはまた、HFおよび窒素の供給を遮断するためのバルブを備えている。好ましくは、スキッド1は、3〜10つのHFコンテナを備えており;特に好ましくは、4、5、6、7または8つのコンテナを備えている。4つのHFコンテナが、150トンF/年の生産能力に好適である。個別にバルブを介して閉鎖され得る場合には、特により小型サイズのタンクによりプラントの安全性が向上される。タンクは、耐HF性の材料で形成されているか、少なくとも内張りされていなければならない。壁は十分な厚さを有しているべきであり;好ましくは、10mm IMDG code(国際海上危険物規則(international maritime dangerous goods code))に等しい厚さを有している。
特定の実施形態において、スキッド1は、好ましくは常設的な少なくとも1つのHF非常用コンテナを備えている。このようなHF非常用コンテナは、好ましくはHF供給ラインに接続されている本明細書に記載の空のHF保管コンテナであることが好ましい。HF非常用コンテナは、一般に、HF保管コンテナから漏出するHFを収容するよう運用可能である。HF非常用コンテナは、好適には、不活性ガスによる加圧下に、または、減圧下で保持されている。
タンクは、トラックによる輸送が可能であるよう、および/または、フォークリフトによる取り扱いが可能であるよう可搬式であることが好ましい。
スキッド1は通気システムを備えており、周囲の空気が、特にHFおよびFを除去するためのERSスクラバー(以下に記載のとおり)などのスクラバーに常に通気されていることが好ましい。
スキッド2:1つまたは2つ以上の電解セル(スキッド2)を備えるスキッドをここで詳細に説明する。スキッドは少なくとも1つの電解セルを備えている。好ましくは、少なくとも2つの電解セルを備えている。より好ましくは、少なくとも6つの電解セルを備えている。8つの電解セルを備えているスキッド2がきわめて好適である。スキッドは、必要に応じて、フッ素ガスに対する需要が高まった場合に追加の電解セルを加えることが可能であるよう構成されていることが好ましい。これらのセルは、冷却水を循環させることが可能であるジャケットを備えている必要に応じて、スキッド2は、個別のサブスキッド2A、2B等の形態で提供され得る。これらのサブスキッドにおいては、一定の数の電解セルが集合されている。個別のサブスキッド2Aおよび2B(および、いずれかの他のサブスキッド)は一緒に結合されて1つのセル室を形成している。セル室は、4、6つまたはそれ以上のセル、例えば、8つ以上のセルを備えていることが多いであろう。複数の電解セルを設ける利点は、維持管理または修理のために1つ以上のセルを停止しても、他のセルの出力を上げることによりこれを相殺することが可能であることである。複数のサブスキッドを集合させることにより、通常の道路輸送に許容される最大寸法の範囲内に寸法を維持することが可能であるという利点がある。電解セルは、生成されるFおよびH用のコレクタに接続される。各セルは1個以上の陽極を備えていてもよいことに注目すべきである。典型的には、セルの各々は20〜30個の陽極を備えている。他の実施形態において、電解セルの各々における陽極の数は30個超であってもよく、各セルは、例えば、60個を超える陽極、70個以下、または、さらには80個以下の陽極を有していてもよい。1本のケーブルが、陽極の各々と整流器とを接続している。各セルの陰極は、1本の銅またはアルミニウム母線を介して整流器に接続されている。1個の整流器は、1個または複数のセルに対して給電することが可能である。1個の陽極に対して1個の整流器を使用することが好ましい。個別の陽極の各々における強度を特定の陽極特徴に応じて細かく調節することが可能であり、特定の陽極における異常な状況(例えば過電圧、短絡、または破損した陽極)を直ぐに検知することが可能であるため、異常陽極を自動的に停止させながらすべての他の陽極およびセルでは継続してFを生成させることが可能であるという利点がある。従って、スキッド2は、複数の陽極を有する少なくとも4個の電解セルを備えていることが好ましく、ここで、スキッド8における複数の整流器の各々が単一の陽極に割り当てられているか、または、スキッド8における複数の二重整流器の各々が2個の陽極に割り当てられている。
スキッド2は、冷却水をセルのジャケットに供給する冷却水循環路(スキッド5の冷却水循環路によって供給されているか、または、これに接続されている)を備えている。
スキッド2はまた沈降槽を備えており;好ましくは、F用の沈降槽およびH用の沈降槽がセルの各々に接続されている。沈降槽は、セルにおいて生成されるFおよびHのガス速度を低減させて、電解質の塵埃が運ばれることを防止する。沈降槽は、バイブレータ、および、分離された電解質の塵埃を溶融させて除去を容易にする加熱器を備えていることが好ましい。
生成されたFを回収するためのコレクタが、パイプによってスキッド3に接続されており、生成されたH用のコレクタは、パイプによってスキッド6BにおけるH用スクラバーに接続されている(これは以下において詳細に説明する)。好ましい実施形態において、スキッド2は、事故により放出されたFおよび/またはHを処理するための通気システムも備えている。
スキッド2の周囲の空気が、安全上の理由のためにスクラバー、特にERSスクラバーに通気されている(スクラバーは以下に説明されている)。
スキッド3:スキッド3は、生成されたFを精製するための手段を備えている。スキッド3はFが予冷却される冷却器を備えている。スキッド3はまた、予冷却されたFがきわめて低温に維持されたHFと接触させられるHF洗浄器を備えている。HF洗浄器は、クーラントが循環する冷却ジャケットを備えている。スキッド3は、緩衝剤タンク、コンプレッサ、例えばダイヤフラム圧縮機、低温で作動するHF凝縮器、および、HF用の吸収剤としてNaFを含有していることが好ましい少なくとも1つのHF吸収カラムをさらに備えている。好ましくは、少なくとも2つの吸収カラムがスキッド3に備えられている。必要に応じて、吸収カラムは、一方の組が吸収モードであり、他方の組が再生用となるよう冗長化されている。吸収カラムは加熱器を備えている。必要に応じて、さらなる組の吸収カラムがスキッド3または吸収剤の再充填サイトに存在していてもよい。HF凝縮器はパイプを介して電気分解スキッド2に接続されている。好ましくは、少なくとも1組のカラムが、車輪付きのトロリー上に設けられてスキッドから(再)移動可能なままとされている。
HF凝縮器は、HFが凝縮して液体、さらには固体を形成する温度に冷却され得る。凝縮された液体HFが形成されることが好ましい。トラップを−60℃〜−80℃、好ましくは約−70℃の温度に冷却することがきわめて好適である。冷却媒体としては、所望の低温で用いることが可能である周知の冷却液が好適である。液体Nと気体Nとを適切な量で混合することにより得たNガスを使用することが好ましい。この冷却法はきわめて信頼性が高い。それ故、スキッド3は、冷却媒体を吐出および引き出すためのラインを備えている。
スキッド3の周囲の空気が、安全上の理由のために、スクラバー、特にERSスクラバー(以下に説明されている)に通気されている。
スキッド4:このスキッドは、フッ素ガスの保管およびフッ素ガスの使用場所への輸送のためのものである。スキッド4は、いずれかの残留する混入した固形分を除去するためのフィルタを備えている。例えば、電解セルにおいて生成されたFは、通常は、KFおよびHFの付加物であるセルからの混入した固体電解質を含んでいる場合がある。フィルタは、耐HFおよびフッ素性の材料で構成されていることが好ましく;ステンレス鋼、銅、モネル金属、および、特にニッケルが特に好適である。半導体グレードFを提供するためナノメートル範囲の孔径を有するこれらの金属の焼結粒子製のフィルタであって、例えば、5nm以下の孔径、および、より好ましくは3nm以下の孔径を有するものがきわめて好適である。
必要に応じて、スキッド4は、1μm以下の孔径を有する粗大粒子をFから除去するためのプレフィルタを備えている。
スキッド4はまた、単一セルFT−IRを備えていてもよい。この単一セルFT−IRにおいて、保管用、または、使用場所への輸送用の精製されたFが分析され得る。この場合、UV分光計および/またはマルチセルFT−IRをスキッド7に設ける必要性はない。
スキッド4は、フッ素ガスの保管手段を備えていることが好ましい。これは、例えば、フッ素ガス用の緩衝剤タンクを備えているものでもよい。
緩衝剤タンクに追加して、好ましくはこれの代わりに、スキッド4は、Fを保管するための複数の中空体の形態の常設のまたは一時的なフッ素ガス保管ユニットを備えていてもよい。保管ユニットは他のスキッドに接続可能である。
「常設式フッ素ガス保管ユニット」は、特に、フッ素プラントに組み込まれたフッ素ガス保管ユニットを指していると理解される。例えば、フッ素ガス保管ユニットは、可搬式であることが可能であるか、フッ素プラントの運用を通じてスキッド4中に存在している固定ユニットであることが好ましい。好ましくは、常設式フッ素ガス保管ユニットは、プラントに保管されているフッ素ガスの総重量に対して、90重量%超、より好ましくは95重量%超、最も好ましくは約100重量%のフッ素ガスを含有するよう設計される。
スキッド4は、さらに、フッ素ガスをスキッド2から使用場所に運搬することが可能である。スキッド4の考えられ得るコンポーネントとしては、これらに限定されないが、供給ライン、コンプレッサ、ミキサーおよび緩衝剤タンクが挙げられる。
「接続可能」とは、特に、常設式フッ素ガス保管ユニットが、スキッド4のコンポーネントに接続され得るよう装備を有していることを示すと理解される。好ましくは、常設式フッ素ガス保管ユニットは、フッ素ガス供給ラインに接続され得るよう装備を有している。好ましい態様において、フッ素ガス保管ユニットは、スキッド4のコンポーネント、特にフッ素ガス供給ラインにフッ素ガスプラントの運用を通じて接続されている。さらに好ましい態様において、フッ素ガス保管ユニットはスキッド4のコンポーネントに直接接続されている。
スキッド4のコンポーネントに接続されるフッ素ガス保管ユニットを接続するために好適な器具としては、フッ素ガス保管ユニットの中空体の各々にラインを介して接続されていると共に、好ましくは各中空体を個別に隔離可能であるよう各ラインに閉止バルブを有しているマニホルドが挙げられ、前記マニホルドは、スキッド4のコンポーネントにさらに接続されている。
スキッド4は、4〜25個の中空体、より好ましくは5〜8個の中空体を備えていることが好ましい。中空体は、実質的に同等の形状および寸法のものであることが好ましい。円筒形状の中空体(チューブ)が好ましい。フッ素ガス保管部の中空体の各々が閉止バルブを備えていることが好ましい。
フッ素ガス保管ユニットの中空体は、適切なフレーム手段により好適に一緒に固定され得る。特定のフレーム形状としては、三角、正方形および長方形が挙げられる。
本発明に基づくフッ素ガスプラントにおいて、フッ素ガス保管手段は、一般に、少なくとも25psig(約1.72barg)の圧力でフッ素ガスを含有することが可能である。この圧力は、35psig(約2.4barg)以上、好ましくは40psig(約2.8barg)以上であることが多い。本発明に基づくプラントにおいて、フッ素ガス保管手段は、一般に、400psig(約27.6barg)以下、好ましくは、75psig(約5.2barg)以下の圧力でフッ素ガスを含有することが可能である。この圧力は、65psig(約4.5barg)以下、好ましくは60psig(約4.1barg)以下であることが多い。フッ素ガス保管ユニットの中空体は、一般に、前記圧力でフッ素ガスを含有することが可能であることが理解される。中空体が、前記圧力でフッ素ガスを含有していることが特に好ましい。
本発明に基づくフッ素ガスプラントにおいて、フッ素保管手段のF分子保管量対F分子の1日のフッ素ガスプラントの生産能の比は、一般に、0.1〜1、好ましくは0.1〜0.25である。
好ましくは、中空体の各々は個別にプラントから遮断され得;これにより安全性が向上する。スキッド4から出たフッ素は好ましくは二重壁パイプを介して使用場所まで輸送される。フッ素ガスは内側管中を輸送され;外側の二重包囲壁は窒素を含む。パイプは、外側二重包囲壁中の窒素圧を分析する圧力センサを備えている。パイプの壁は、通例ガスの輸送に用いられるものよりも厚いことが好ましく、すなわち、好ましくは、これらは、1mmより厚く、好ましくは4mmより厚く;5mm以上の壁厚が特に好ましい;「schedule 80」として分類されるパイプがきわめて好適である。これは安全性の向上に貢献する。X線検査された溶接パイプがきわめて好適である。
保管コンテナは車輪が設けられているか、または、フォークリフトによる搬送が可能であることが可能である。
以下に記載のとおり、スキッド4の周囲の空気が、スクラバー、特にERSスクラバーに通気されている(安全上の理由のために)。
本発明に基づくフッ素ガスプラントにおいて、使用場所は、例えば化学プラント、または、特に表面処理にフッ素ガスを用いるプラントなどのさらなる製造プラントに接続され得る。使用場所は、好ましくは光起電力デバイスまたはフラットパネルディスプレイの製造などの半導体製造プラントに接続されていることが多い。
本発明に基づくフッ素ガスプラントの好ましい実施形態において、フッ素ガス保管ユニットを備えているスキッド4は閉鎖空間である。閉鎖空間は、一般に、閉鎖空間のスキッド6への接続を開始させることが可能であるフッ素センサを備えている。この閉鎖空間は、スキッド4の閉鎖空間からスキッド6にガスを輸送するよう作動可能であるファンに接続された吸引ラインを介してスキッド6に接続されていることが好適である。
さらなる実施形態において、本発明に基づくフッ素ガスプラントは好ましくは静的ミキサであるミキサをさらに備えており、前記ミキサは、スキッド4からのフッ素、ならびに、不活性ガス供給ラインからの好ましくはアルゴンおよび/または窒素などの不活性ガスを受け取ることが可能であることが好ましい。
任意選択的な実施形態において、圧力制御ループは、一般に使用場所に供給されるフッ素ガスの圧力を所望の値に調節、一般に低減させる。
スキッド5は、プラントの一部の冷却または加熱を冷却水によって提供する。電気分解スキッド2またはサブスキッド2Aおよび2Bまたはいずれかの追加のサブスキッド2Xに近接して位置されていることが好ましく、より好ましくは、スキッドの上に位置されている。スキッド5は、電解セルを加熱して反応が開始される際に電解質塩を溶融させると共に、反応が進行している最中はセルを冷却する少なくとも1つの循環路を備えている。循環路は、水道水であっても蒸留水であってもよい冷却水で充填されている。循環路は、緩衝剤タンク、冗長化されていることが好ましいポンプ、および、可変速度で駆動されるファンを有する乾燥冷却器を備えている。運転中、冷却水は、セル中の電解質の固化を回避するために75〜95℃に維持されることが好ましい。
スキッド5に備えられている他の循環路は、装置の他の熱交換器を冷却するためのものである。これは、好ましくは水とエチレングリコールとの混合物、より好ましくは、40重量%のエチレングリコールを含む水である冷却液を含んでいる。また、この循環路は、緩衝剤、冗長性であることが好ましいポンプ、および、乾燥冷却器を備えている。冷却循環路は、冷却水の温度を計測するための検出器、例えば電気加熱器などの冷却水を加熱する手段、循環液体を冷却する熱交換器を備えている。任意選択で、プラントは、水蒸気またはクリーニング用熱水を供給するための水蒸気発生器を備えている。水蒸気発生器は可搬式のものであり得る。熱水蒸気は、例えば、必要の際に電解質塩が溶解し得る熱水を供給するために用いられ得る。従って、スキッド5は、少なくとも2つの冷却水循環路を備えていることが好ましい。
スキッド6は、FおよびHの各々について、少なくとも1つのスクラバーを備えている。好ましくは、スクラバーポンプ冗長性である。プラントのスキッド(特にスキッド1、2、3、4および7)は、スキッドエンクロージャの周囲の空気を常にスキッド6におけるスクラバーを介して通気する通気システムを備えている。
好ましくは、スキッド6は、安全上の理由のために、または、維持管理操作のために必要とされるいずれかのFまたはHFベントを破壊するためのFスクラバーを備えている。スキッドからの通風空気に由来するFおよびHFは、非常時対応用スクラバー(ERS)において処理される。スクラバーはジェットスクラバーであることが好ましく、吸引をもたらす。スクラバーは、例えば、少なくとも1つの非常時対応用スクラバー(ERS)を備えているサブスキッド6A、その中に混入したHFを除去するために生成されたHを洗浄するサブスキッド6Bなどのサブスキッド、ならびに、以下に説明されているとおり、スキッドからの周囲雰囲気の通気に由来する廃ガス中のHFおよび/またはFを除去するスクラバーに設置されていてもよい。
常用Fスクラバー(任意選択でサブスキッド6Bに設置されている)の容量は、通常の運転の最中に除去されるFの想定される量に少なくとも相当する。Fは、排除溶液との接触により除去される。このスクラバーは、排除溶液とFとの間の接触面積を大きくするためにジェットスクラバー、および、充填カラムを備えていることが好ましい。好ましくは、常用Fスクラバーを出るガスはERSスクラバーのバックアップスクラバーに通される。
ERSスクラバーは、通風空気からのFまたはHFの除去に用いられる常用Fスクラバーのバックアップとされ、ならびに、漏出後にHFおよび/またはFを含有する通風空気の非常時の処理用とされる。ERSスクラバー(任意選択でサブスキッド6Aに設置されている)の容量は、例えば、きわめて希なパイプ破損、フッ素を含有するまたはHF保管タンクにおける事故などの非常時に除去されるフッ素およびHFの量に少なくとも対応していることが好ましい。ERSスクラバーを最悪の事態に沿って選択することが賢明である;例えば、2mの容量を有するHFタンクおよび8kg Fの能力を有するF保管チューブが存在する場合、ERSは、HFおよびFのそれぞれの量、ならびに、プラント滞流量を軽減することが可能であるべきである。好ましくは、ERSスクラバーは、高い分解および除去効率を達成するために2つの洗浄用ユニットを備え;冗長化されたポンプは常用および非常用電源供給により給電されてる。これは、処理されるべきガスと排除溶液との間の良好な接触を達成するためにジェットスクラバーおよび充填カラムを備えていることが好ましい。非常時の処理に関与する他のユニットが充填カラムを備えていてもよいが、2つのジェットスクラバーを直列に備えていることが好ましい。F除去は、Fの除去に公知である薬剤で実施され得る。例えばチオ硫酸ナトリウムもしくはチオ硫酸カリウムなどのチオ硫酸アルカリ金属塩を任意選択で含むKOH溶液もしくはNaOHが排除溶液として用いられ、および、F用の分解試薬として、存在する場合には、1個または複数のスクラバーおよびカラムを通してポンプされることが好ましい。KOH溶液を冷却するための冷却器が想定されてもよい。当然、1つの非常時スクラバーがHFおよびFの処理に関与することがこの仕様の利点である。
ガス流のHF排除に係るスキッド6のスクラバーはサブスキッド6Bに設置されていてもよい。サブスキッド6Bは、HF水溶液を伴って運用されてH中のHF含有量を低減させるジェットスクラバーを備えていることが好ましい。HFの濃度は1〜10重量%の範囲内であり得る。スクラバーは、新たな水がカラムの頂部に供給されてHF含有量を低減させる充填カラムをさらに備えている。スキッド6Bはまた、スキッド3において冷却媒体として用いられた窒素によるHの希釈を可能とするラインを備えている。
スキッド6、または、スキッド6Aおよび6Bのそれぞれにおけるスクラバーの信頼性はきわめて重要である。それ故、スクラバーを通して排除溶液を循環させるファンまたはポンプの様な必須の部品は冗長化されていてもよい。時々に応じて、例えばトラックにより供給される、例えば、KOH溶液などの新たな排除剤、および/または、チオ硫酸塩もしくはその溶液が循環している排除溶液に加えられる。
スキッド6はまた、事故での漏出に備えた液体の貯留ピットを1つ以上備えていることが好ましい。
スキッド7は、生成されたFの分析に用いられる装置に関する。これはスキッド2Aおよび2Bの近くに設置されていることが好ましく;スキッド2Aおよび2Bの上に位置されていることがきわめて好ましい。スキッド7は、例えば、分析器のシェルタである。その周囲の雰囲気がERSに通気されていることが好ましい。分析器は、生成されたFの主な不純物の含有量を判定するために好適な分析手段を備えている。
一実施形態において、UV分光計(これはUVスペクトルを分析する)および多入力式、マルチセルFT−IR分光計(フーリエ変換赤外分光計)分析器がきわめて好適である。好ましくは、セルから得られる粗Fおよび精製されたFの両方が、単一セルFT−IRまたはマルチセルFT−IRに送られてもよい。マルチセルFT−IRにおいては、一時に1つの流路が分析される。HF、CF、CおよびCOFの量を、例えば、FT−IRによって計測することができ、その一方で、Fの含有量がUVにより分析される。UV分光法をフッ素に対する直接的な計測ツールとして用いることが可能であり、これは、陽極の焼損が生じるとフッ素濃度の急激な低下を示し、FT−IRでは同時にCFの非常に大きい増加が観察されることが見出された。従って、焼損は、不純物(主にCFおよびC)が形成される焼損の最中のF濃度の急激な低下により容易に検出が可能である。この焼損(生成されたFは、正常な作動時よりも多量のCF、C、COF、HFを含有する)は、不純物含有量の変化のみならず、本発明においては特にUV分光法である検出器システムにより監視されるフッ素含有量の急激な低下をももたらす。UV分光法を用いた計測の最中に、UVスペクトル全体を用いることが可能である。好ましくは、スペクトル全体ではなく、200〜400nm、より好ましくは250〜330nm、最も好ましくは270〜290nm、さらには約280nmの特にUV分光などの特定の波長での吸収のみがFによる略最大のUV吸収であるために計測に用いられる。FTIRおよびUV計測はまた、精製されるFの純度の制御にも用いられる。それ故、分析は、粗FをUVにより、および、CFをFT−IRにより計測することにより陽極の焼損を検知し、精製されたF純度を記録し制御するためのものである。
すべてのセルの粗Fおよび精製されたFは連続的にサンプルが採られると共に分析される。現行のFT−IRは9個以下のサンプルを受け入れることが可能である。それ故、精製されたFおよび8個以下の電解セルの粗Fを、電流発生装置の1個のマルチセルFTIRで分析することが可能である。
他の実施形態によれば、生成されるフッ素の分析は単一セルFT−IRのみで実施され、UV分光計は使用されない。単一セルFT−IRは精製されたFの分析(最終分析)に用いられる。
スキッド8は、整流器、BPCS(ベーシックプロセス制御システム)、ESD(非常停止システム)、火災アラームおよびガスアラームが記録されるF&G(火災およびガスシステム)パネル、小型モータスタータ、照明配線、ならびに、電気を供給する、および、プラントの電気手段を制御する他の手段を備えている。スキッド8はスキッド2Aおよび2Bの近くに設置され、好ましくは、これらの上方に位置される。各電解セルは、上述のとおり、通常、少なくとも1個であるが、しかしながら、例えば26個など複数の陽極を有することが多い。「複数の陽極」という用語は、2以上の数を示し得る。陽極の数は、実際上の条件によってのみ限定される。例えば(複数のセルから構成される)セルまたはセルユニットは過度に大型であってはならない。陽極の数は、80個以下であることが多く、好ましくは、70個以下である。1個の整流器が1個、2個以上の陽極に給電することが可能である。各陽極が1個の整流器によって給電されていることが好ましい。整流器は、複数の陽極に個別に給電することが可能であるものが市場において入手可能である。例えば、26個の陽極がセルに存在している場合、2個の陽極に個別に給電する26個の整流器または13個の二重整流器が設けられていることが好ましい。これらの整流器は、空調された筐体に設けられた整流器キャビネットに組み付けられることが好ましい。
ガスの侵入からの保護のために、このスキッド8をわずかに過圧としておくことが好ましい。すべてのケーブルおよび陰極母線は注意深くシールされているべきである。
整流器キャビネットは、地震に対する保護のために固定されたフレームにボルト留めされていることが好ましい。
スキッド8は、壁および天井を備えている。スキッド8はまた、火災検知システム、特にVESDA(超早期煙検知装置)、および、例えばHFC−227eaまたは不活性ガスの混合物(窒素、アルゴンおよび二酸化炭素)であるInergen(登録商標)を用いて作動する消火システムを備えていることが好ましい。
スキッド9は、コンクリート壁で予め構成された室であるか、または、金属製の遮蔽壁から形成されたコンテナに類似していることが好ましい。スキッド9は、電流を接続すると共に、中電圧から低電圧に変圧する手段を備えている。スキッド9は、「電気変電器」サブスキッド9Aおよび9Bを備えていることが好ましい。スキッド9Aは、入力電流および出力電流および廻込電流用のMV(中電圧)セル、ならびに、中電圧電流を低電圧電流に変圧する変圧器を備えていることが好ましい。ローカルネットワークに適応可能であり;例えば、変圧器は、例えば、380Vまたは400V(50Hz)または440V(60Hz)であり得る局所的な電圧に適合するよう選択される。スキッド9はまた、火災検知システム、特にVESDA(超早期煙検知装置)、および、例えばHFC−227eaまたは不活性ガスの混合物(窒素、アルゴンおよび二酸化炭素)であるInergen(登録商標)を用いて作動する消火システムを備えていることが好ましい。
スキッド9Bもまた、壁および天井を備えているコンクリート壁で予め構成された室であることが好ましい。この変電器は、低電圧開閉装置(LVCS)およびディーゼル発電機を収容している。例えばケーブル溝を介して低電圧電源供給を必要とするスキッドにケーブルによって相互接続されている。スキッド9Bはまた、火災検知システム、特にVESDA(超早期煙検知装置)、および、例えばHFC−227eaまたは不活性ガスの混合物(窒素、アルゴンおよび二酸化炭素)であるInergen(登録商標)を用いて作動する消火システムを備えていることが好ましい。
スキッド9Bはまた、フォークリフト用のバッテリー充電ステーションを備えていることが好ましい。
スキッド9Bは、特にスキッド8内に整流器を備えるプロセススキッドに相互接続されていなければならない。
スキッド10は、例えば、制御室、実験室および休憩室などの個人用ユーティリティを備えている。好ましくは、スキッド10は、サブスキッド10Aおよびサブスキッド10Bに分割されている。サブスキッド10Aは制御室および実験室を備えている。小型であり得る実験室は、例えば500m/h以下およびそれ以上で良好に通気され、フードが耐酸性材料で形成されていることが好ましくならびに分析滴定に用いられることが可能であるドラフト、試薬およびサンプル用安全キャビネット、好ましくは耐酸性材料製のドラム中に化学廃棄物を回収することが可能である洗面台および化学シンクを備えている。実験室は、外気取入口に設置されたガス検出器、および、ガスアラームの際に吸気を閉止する閉止機構を有していることが好ましい。ベントガスの侵入からの保護のために、サブスキッド10Aをわずかに過圧としておくことが好ましい。スキッド10Aは空調を備えていることが好ましい。
制御室の制御盤は、他の施設に位置していてもよい遠隔制御盤にラインで接続されていることが好ましい。これにより、単一の制御室から複数のフッ素ガス生成プラントを遠隔で操作することが可能である。
サブスキッド10Bは休憩室を備えている。サブスキッド10Bは、制御室要員に有用な設備を含む。サブスキッド10Bは、ロッカー、更衣室、手洗い、シャワー、および、化学用着衣(グローブ、ケープ他)のキャビネットを備えていることが好ましい。プラント安全シャワーは洗眼システムを含み、および、温かい飲用水が供給される必要があるのでサブスキッド10Bの外に近接して位置されていることが好ましい。スキッド10は通気および加熱手段を備えていることが好ましい。
プラントは、その運転に有用なさらなる器具を備えているであろう。
加圧フッ素ガスを提供するためにコンプレッサが必要とされる。これらはフッ素ガスに耐性でなければならない。原子力産業におけるフッ素ガスの取り扱いに用いられるコンプレッサがきわめて好適である。これらは、ダイヤフラムタイプコンプレッサであることが好ましい。このようなコンプレッサは、市場で入手可能である。ダイヤフラムは、モネル金属、ステンレス鋼、銅またはニッケルなどの耐F性の材料で形成されている。メンブランは3層メンブランとされており、従って、メンブランが破損した場合でも、この破損は圧力計測値によって検知されることとなり、Fがコンプレッサメンブランから外部領域に出てしまうことはない。
プラントはまた、運転用の機器およびバルブを必要とする。
例えば、ミキサが存在してFと、不活性ガスまたは他のガスとの混合物を供給している場合、ガスを混合するプロセスステップはFとこれと混合される1種または複数種のガス用の質量流量計を含み、例えば1種または複数種の不活性ガスなどのガスとFとの適切で安全な混合を保証する専用のプログラム式制御ループを伴う制御バルブおよびインターロックが設けられている。
このプラントは、上記のとおり、その運転に係る一定のパラメータ(例えば、フッ素ガスまたは不活性ガスの質量流量制御)を分析する手段を有している。この目的のために、質量流量コントローラが好ましく用いられる。このような質量流量コントローラでは、ラインを通過して、例えば、FTIRおよびUV分析器に運ばれるフッ素ガスの量を制御することが可能である。質量流量コントローラは、わずかな圧力低下しか生じさせない「低ΔPタイプ」コントローラであるべきである。分析器へのガスの搬送に用いられ、フッ素ガスの搬送に好適でなければならないこのような流量計、ならびに、チューブ、パイプおよび装具もまた市場において入手可能である。バルブは、蛇腹シールされた高耐久性バルブであるべきである。PLC(プログラム可能理論コントローラ)は、FTIR鏡の動きを管理し、機能不全アラームを収集し、および、結果をBPRS(ベーシックプロセス制御システム)に伝達する。純粋なFを分析するためにAgCl製の窓が使用され、例えば電解セルのサンプル採取ラインからの粗Fなどの粗Fの分析のために、Al窓を使用することが可能である。
上記の既述から、Fの分析に関して複数の代替形態を使用することが可能であることが明らかとなる。
第1の代替形態によれば、単一セルFT−IRがスキッド4に配置される。これは、Fの最終的な分析を実施するものである。
第2の代替形態によれば、マルチセルFT−IR、および、任意選択でUV分析器がスキッド7に配置される。
第3の代替形態によれば、単一セルFT−IRがスキッド4に配置されると共に、マルチセルFT−IR、および、任意選択でUV分析器がスキッド7に配置される。
第1の代替形態は最も安価な解決策である。第2の代替形態は第1の代替形態よりも高価であるが、1個または複数のセルにおけるF生成が妨げられた場合に迅速な反応が可能である。セルの作動異常を識別することもまた可能である。第3の代替形態は最も高価なものであり、同時に、迅速な反応および異常なセルの識別が可能となり、ならびに、最終的なFの純度の確認が可能となる。
これらの代替形態は、顧客の期待または需要、要員の経験、プラントの異常状態になる傾向等に応じて選択される。分析器をスキッド4および7に設けることも可能であるが、連続的にではなく、間欠的に一方または両方が作動されることとなる。
安全器具:特にFおよびHFは慎重な取り扱いが必要とされる化合物であることは周知である。当然Hは引火性である。従って、プラントは安全設備を備えている。例えば、プラントは、非常停止(ESD)用スイッチ、アラーム用スイッチ、および、オーバーライディング自動プロセス用スイッチを備えた安全パネルを備えている。
、HFおよび、適切な場合には、H用の検出器が、例えば、ERSスクラバーへの通気ダクトおよび排出箇所に設置されている。ガスアラームシグナルは安全機能のためにESDに送られる。プラントは、すなわちガスアラームシグナルがESDに送られた場合に作動される警告灯を備えている。アラームはまた、スキッド10の制御室において検知可能でなければならない。ガス計測値が制御室に、例えばppmの単位で報告されなければならない。プラントが火災&ガスパネルをスキッド10の制御室に備えており、すべての火災およびガスアラーム、ならびに、通気の不全が示されることがきわめて有利である。
上述のとおり、プラントは、煙検知器およびVESDA検出器を備えている。例えばスキッド1、2、3、4および7などの特にプロセススキッドは、例えば非常押ボタンにより手動でFの生成を停止させる手段、および/または、消火装置を起動させる手段を備えている。CCTV(閉回路テレビ)を用いてプラントを監視することが可能である。それを用いて、プラントへのアクセス、材料(例えばHF可搬式タンクまたはKOH溶液)の積み下ろしをモニタすることが可能である。
センサ、ESDシステムおよび安全アクチュエータを備える安全機器システム(SIS)がこのプラントに備えられている。SISは、安全度水準「2」が達成されるよう設計されている。特に、安全機器機能の構成部として電気モータまたは電気負荷が備えられている必要性がある場合、例えばモータ/電気負荷専用の接触器または循環路ブレーカが開かない場合に上流のブレーカを引き外すことにより、これらのモータ/負荷を引き外す代替的な独立した手段が考慮される。
外部電源供給が切断される場合に備え、好ましくは100kVAを供給するディーゼル発電機である非常用発電機がプラントに備えられていることが好ましい。
制御室が、単独で作業する操作者用の「デッドマン」検出器を備えていることもまた好ましい。
さらに、制御室が、風向および風速データを提供することが好ましい。
150t/年の生産能力を有するプラント用の組み立てられたプロセススキッドの設置面積は30m×9.2mである。ユーティリティ、個人用領域、ならびに、維持管理および点検用のアクセス空間用のスキッドでは、全体のサイズは約39m×23mである。スキッドの高さは、基準(基準高は64インチ)よりも高くてもよい。非常用スクラバーを備えているスキッド6Aは基準設置面積を有していないことが多いが、それぞれのプラントの特定の必要性に適応していなければならない。
スキッド構造は、すべての器具が固定されている塗装されたスチールフレームであることが多く、これらは、屋外設備用に設計されている。パネル、ドアおよび天井がスキッドの外部構造に固定されている場合には、外部スキッド寸法が標準的な海上コンテナ寸法を超えていることが示唆される。必要な場合には、このようなスキッドは予め構成されており、パネル、ドアおよび天井はそれぞれ、スキッドにオンサイトで組みつけられる。スキッドは、既存のコンクリートスラブに、または、特定の基礎により、もしくは、その上に留められる。
スキッドの利点は、例えば、これらは、工場試験の前に製造され、配管され、配線され、および、一緒に組み立てられることである。スキッド間の面と面の界面が最低限であると共に、それぞれのスキッドにおけるすべての構成部は維持管理、検査または修理のために可能な限りアクセスが容易であるよう構成されていることが好ましい。
スキッドの利点は安全面であり、高純度Fの毎日24時間のFの確実な生成である。
以下において、アセンブリ、および、スキッドにより構成されたプラントの運転が記載されている。
上記のスキッドは製作所で組み立てられ、一実施形態においては、スキッド2の電解セルは電解質塩が既に充填されて供給されている。これにより安全性が向上する。スキッドは製作所において事前にテストされており、次いで、これらにより生成されるFが必要とされる施設に輸送される。この施設において、その上にF生成プラントを建設することが可能であるコンクリートスラブを十分事前に打設しておくことが好ましい。
スキッドは組み立てられると共に接続されている。スキッド2は、1個のセル室を形成する6個の電解セルを備えている。電解セルの各々は、この場合、26個の陽極を備えており、必要に応じて、例えば80個以下の陽極、および、さらにそれ以上など他の数となるであろう。これらは接続の前後に、地震または荒天対策処置として地面にブロックされる。
スキッド13は、例えばチオ硫酸塩、水酸化物および/または電解質塩などの必要な薬品用の保管室の働きをする。
次いで、組み立てられた構成部が作動可能かどうかテストされることが好ましい。
プラントの運転をここで詳細に記載する。
6個のセルを有するプラントが設けられている。このプラントの公称生産能力は、毎日24時間運転された場合、純粋なF約100トン/年である(12kg/h、ピーク20kg/h)。この生産能力は、さらに2個の電解セルおよび整流器または整流器ラックを追加することにより拡張され得る。300t/年の生産能力までの拡張がスキッド(追加のセル室および整流器、追加の冷却スキッド、追加の分析器)をさらに追加することにより可能であろう。好ましくは1〜20mの内部容量、最も好ましくは1〜3mのサイズを有する、HFで満たされたタンクがスキッド1に組み立てられると共に、電解セルに接続される。粗組成物KF・2HFの電解質塩が、プラントの最終的なアセンブリの前に既にセルに充填されている。電解セルの内容物は、その中で溶融されるよう約80〜120℃に加熱される。スキッド1からのエバポレータからのHFが電解セルに供給される。スキッド9Aからは中電圧がスキッド9Bに供給され、8〜12Vの範囲内の電圧を有する低圧直流に変圧され、この電流が80〜120℃の温度範囲に保持されるHFの溶融組成物および溶融電解質塩に通電される。各セルに1個の整流器が割り当てられていてもよく、1個の整流器が陽極の各々に割り当てられていることが好ましい。二重整流器を使用することが特に好ましく、このような二重整流器は2個の陽極に対応し得る。26個の陽極が各セル中に存在している場合、13個の二重整流器が陽極への給電に使用されていてもよい。これらのセルは、雰囲気圧より高い圧力(例えば、7〜10mbarg)で作動される。元素フッ素(F)および元素水素(H)がスキッド2中のそれぞれの電極室において形成される。
HFは、それぞれのセルにおける電解質塩およびHFレベルが特定の上下レベルを超えないように供給されることが有利である。電解セルを備えているスキッドはまた、セル中の温度、セル中の液体レベル、圧力および圧力差、陽極電流および電圧、ならびに、ガス温度を測定するセンサを備えていることが好ましい。セルは、約75〜95℃、好ましくは75〜85℃の温度を有する冷却水で冷却される。
形成されるHはスキッド6Bに通されて、ジェットスクラバー中において水中に0〜約5重量%以下のHFを含む水溶液と接触させられる。スクラバーを出るガスは充填カラムの底部に通されて、その中でカラムの頂部で噴霧される新たな水と接触させられる。充填カラムを出るガスは窒素で希釈されて、大気中に放出される。
プラントは約415kg/日のFを生成する。
セルにおいて生成されたFは、先ず、粒子(主に、混入した再固化した電解質塩)を除去することにより予備精製される。次いで、粗F流は冷却され、これにより、混入したHFの一部が凝縮し除去可能となる。次いで、粗Fはダイヤフラム圧縮機で約3.5bargの圧力に圧縮される。冗長化されたNaFタワーの対がトロリーの上に設置されて、特にNaFペレットの完全な交換が必要な場合(これ以上のさらなる再生が不可能である場合)のためにその移動可能性が保持される。次いで、圧縮されたFはトラップに通され、蒸発された液体Nおよび気体Nによってその中で約−70℃に冷却される。残存するHFがこのトラップにおいて凝縮によって除去される。次いで、わずかに残留するHFはいずれも、NaFペレットを含有する2つの吸収タワーの2つのラインのうち一方のラインにFを通すことにより除去される。NaFタワーは、約350〜400℃に加熱され、これにNが通されて吸着されたHFが除去されてそれぞれのタワーが再生されることもあるために、これらのラインは冗長化されている。吸収モード中のNaFタワー中の圧力は約3.5bargである。2つのNaFタワーを出るFガス流は2つのフィルタに通されて特にNaFなどのいずれの固形分も除去される。これらのフィルタは、モネル金属製であることが好ましく、第2のフィルタは3nmの孔径を有する。第1のタワーの温度は約100℃であり、第2のタワーの温度は約30〜40℃である。精製されたFは連続的にサンプルされる。
一実施形態によれば、サンプルは上記のとおりマルチセルFT−IRおよびUV分析器に送られる。他の実施形態によれば、単一セルFT−IRが精製されたFの分析に選択的に使用される。分析データはオンラインでスキッド10Aにおける制御室中の制御盤に送られる。
半導体製造に有用であるには純度が低すぎる(例えば過剰量のCFまたはより高い同族体を含有している)Fが1個または複数のセルから生成されていることをサンプルの分析が示している場合、これはセルの破損を示し、電解セルによって生成されるサンプルおよびFのそれぞれは、チオ硫酸ナトリウムを含むKOH溶液による分解のために、スキッド5におけるFスクラバーおよび非常用スクラバーに通される。あるいは、低純度のFは、純度レベルを十分とするために回収されて使用され得る。生成されたFが所望される純度に対応していることがサンプルにより示される場合、サンプルはF生成ラインに戻される。次いで、Fは、各々が1.3mの内部容量を有する同一形状のコンテナを6個備えている保管手段に通される。各々のシリンダは、閉止バルブによって個々に開放されていることも閉じられていることも可能である。あるいは、生成されたFの圧力は圧力制御ループによって約1.5bargに減圧され、次いで、使用場所であるチャンバクリーニングにFを用いるフラットパネルディスプレイ製造プラントに移される。二重壁パイプが用いられ、ここで、内管と外管との間の空間には窒素が充填されており、Fはその内管を通される。
通常の運転において、閉止バルブは開放されており、F保管ユニットと使用場所との間の圧力差により緩衝されるため、使用場所での消費パターンが様々であっても、または、F発生ユニットの生成の中断中であっても、送られるフッ素ガス流の円滑な制御が可能とされている。
参照により本明細書において援用されている特許、特許出願および公報のいずれかの開示が用語を不明確とし得る程度に本出願の記載と矛盾する場合、本記載が優先されるべきである。

Claims (14)

  1. −スキッド1と表される、HF用の少なくとも1個の保管タンクを備えるスキッド載置モジュールと、
    −スキッド2と表される、Fを生成する少なくとも1個の電解セルを備えるスキッド載置モジュールと、
    −スキッド3と表される、粗F流を予冷却するための冷却器と、前記冷却器に接続されたコンプレッサと、−60℃から−80℃で操作されるHF凝縮器とを備えるスキッド載置モジュールであって、前記HF凝縮器は冷却媒体を備えており、前記冷却媒体は液体Nおよび気体Nを混合することにより得たNガスである、スキッド載置モジュールと、
    −スキッド4と表される、フッ素ガスを使用場所に吐出する手段を備えるスキッド載置モジュールと、
    −スキッド7と表される、Fを分析するための手段を備えるスキッド載置モジュールと、
    を備え、
    スキッド2が、複数の陽極を有する少なくとも4個の電解セルを備えており、ここで、複数の整流器の各々が単一の陽極に接続されているか、または、複数の二重整流器の各々が2個の陽極に接続されており、
    スキッド7が、マルチセルFT−IR分光計および任意選択でUV分光計を備えており、スキッド4が、前記フッ素の最終分析用の単一セルFT−IRを備えている、フッ素ガス生成用プラント。
  2. −スキッド5と表される、冷却水循環路を備えるスキッド載置モジュールと、
    −スキッド6と表される、廃ガスを処理するための手段を備えるスキッド載置モジュールと、
    −スキッド8と表される、電解セルを操作するための手段を備えるスキッド載置モジュールと、
    −スキッド10と表される、ユーティリティおよび補助施設を収容するスキッド載置モジュールと、
    からなる群から選択される少なくとも1個のスキッド載置モジュールをさらに備えている、請求項1に記載のプラント。
  3. スキッド1中のHF用の前記保管タンクが、1〜2mの内部容量を有する、請求項1に記載のプラント。
  4. スキッド3が、粗Fガスを液体HFと接触させるHF洗浄器、および、前記FからHFを吸収する少なくとも1つの吸収カラムを備えている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプラント。
  5. スキッド4が、フッ素ガス保管用の複数の中空体を備えている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプラント。
  6. 各中空体が個別に前記プラントから遮断され得る、請求項5に記載のプラント。
  7. スキッド5が、少なくとも2つの冷却水循環路、ならびに、前記冷却水のための加熱および冷却手段を備えている、請求項2〜6のいずれか一項に記載のプラント。
  8. スキッド6が、非常用スクラバーを備えているサブスキッド6A、ならびに、FおよびH用のスクラバーを備えているサブスキッド6Bを備えている、請求項2〜7のいずれか一項に記載のプラント。
  9. スキッド8が、複数の整流器を備えており、整流器の数は陽極の数に対応しているか、または、スキッド8が、複数の二重整流器を備えており、前記二重整流器の各々は2個の陽極に給電する、請求項2〜8のいずれか一項に記載のプラント。
  10. スキッド10が、実験室を含む制御室を収容するサブスキッド10A、および、休憩室を収容するサブスキッド10Bを備えている、請求項2〜9のいずれか一項に記載のプラント。
  11. 少なくとも1つの非常ボタンが各スキッドに存在している、請求項1〜10のいずれか一項に記載のプラント。
  12. 地震計を備えている、請求項1〜11のいずれか一項に記載のプラント。
  13. 前記地震計が強震計である、請求項12に記載のプラント。
  14. 前記地震計が制御盤に接続されており、前記プラントの停止を生起させる、請求項12または13に記載のプラント。
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