JP2017217577A - 撹拌装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属の磨耗滓の発生を抑制することを可能とする撹拌装置及び撹拌子を提供する。【解決手段】材料を投入して撹拌処理するための金属製の撹拌容器3と、撹拌容器3の内周面3aに縁部が接して掻き取りながら摺動する樹脂製の掻取子23とを備えた撹拌装置であって、掻取子23は、撹拌容器3の内周面3aに摺動して発生するときの樹脂の磨耗滓の大きさが樹脂をフッ素樹脂としたときよりも小さくなる樹脂で形成され、金属製の撹拌容器3の内周面の傷付きによる金属滓の発生を抑制したことを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、食材、医薬品、漢方薬等の被撹拌物を撹拌処理するために供される撹拌装置及び掻取子に関する。
従来の攪拌装置として、食材に関しては、例えば特許文献1の掻取押し付け式加熱撹拌釜が知られている。この加熱撹拌装置は、攪拌容器である加熱釜内に回転駆動される撹拌部を備えている。撹拌部は、先端に耐熱、耐摩耗性の樹脂製の掻取羽根を有し、掻取羽根が加熱釜の内周面に接し、掻き取り摺動する。
したがって、加熱釜内に食材等の被撹拌物を投入し、加熱釜を加熱しながら撹拌部を回転駆動して加熱釜内の被撹拌物を加熱撹拌することができる。この加熱撹拌では、回転する撹拌部が、加熱された被撹拌物を加熱釜の内周面から掻き取り、且つ回転撹拌することで被撹拌物全体を混合する。
この撹拌処理では、掻取羽根により加熱釜内を掻き取ることで、加熱釜内周面へ食材の焦げ付きを防止するようにしている。
またこの掻取りは、粘度の高い物質を金属壁から加熱する場合、器壁に接触する物質を周期的に掻取る事で入れ替え、加熱を加速できる効果もある。
そして、かかる従来の加熱撹拌釜では、掻取羽根の材料として主にフッ素樹脂の一種であるPTFE、例えばポリテトラフロロエチレン(PTFE)が使用されている。この耐熱性、耐摩耗性の掻取羽根の使用による焦げ付き防止と伝熱促進は効果的であった。
しかし、調理後の加熱釜内周面を見たとき、金属面に多くの傷の発生が見られ、調理釜の耐久性低下及び、金属面の傷付き時等に発生した金属磨耗滓が食材へ混入することが懸念された。
ここで、一般には、金属よりかなり軟らかいPTFE等で金属面が傷つくということは考え難いところ、実際には金属の磨耗滓が発生していることが判明した。
特に加熱撹拌釜の内容物が、潤滑性が低い水だけの場合に掻取すると金属の磨耗滓が顕著に出た。(問題点1)
金属の磨耗滓が出ると掻取羽根の樹脂の摺動面に金属の磨耗滓が食い込み、摺動面の磨耗滓が加熱撹拌釜の表面に接触して傷が深くなる問題があった。(問題点2)
金属面の傷は、金属壁の磨耗による釜の耐用年数の減少と、傷部分に食品が付着して微量残存するため、洗浄を入念に行う必要が生じる。
また、この金属の磨耗滓は、被攪拌物である食材等に混入することになる。(問題点3)
このような金属の磨耗滓は、ごく僅かであり、人体に影響は無いものの、食材の品質向上のためには金属の磨耗滓の発生をできるだけ減少させることが肝要となる。
かかる金属磨耗の抑制は、食材の加熱撹拌釜のみならず、医薬、漢方薬等の経口物質、塗り薬、化粧品等を撹拌処理する場合にも加熱、非加熱に係わらず課題となる。
特許第4226630号公報
解決しようとする問題点は、樹脂の掻取子と金属の表面との摺動にも係わらず金属面に傷がつき、金属の磨耗滓が発生していた点である。
本発明は、金属の磨耗滓の発生を抑制することを可能とするため、材料を投入して撹拌処理するための金属製の撹拌容器と、前記撹拌容器の内周面に縁部が接して掻き取りながら摺動する樹脂製の掻取子と、を備えた撹拌装置であって、前記掻取子は、前記撹拌容器の内周面に摺動して発生するときの樹脂の磨耗滓の大きさを前記樹脂がフッ素樹脂単体であるときよりも小さくなる樹脂で形成され、前記金属製の撹拌容器の内周面の傷付きによる金属滓の発生を抑制したことを特徴とする。
本発明の調理装置は、上記構成であるから、撹拌容器の内周面に摺動して発生するときの樹脂の磨耗滓の大きさの制御により、撹拌処理における金属の磨耗滓及び壁面金属に磨耗傷の発生を抑制することができる。
加熱撹拌釜を、一部を断面にして示す正面図である。(実施例1) 撹拌部の要部を示す断面図である。(実施例1) 磨耗滓の発生状況を示す比較試験結果の図表である。(実施例1) 磨耗滓の発生状況の結果を総合的に示す図表である。(実施例1) (A)は、PTFE製の掻取羽根の磨耗滓の低倍率の写真、(B)は、同高倍率の写真、(C)は、PTFE製の掻取羽根の接触面の低倍率の写真、(D)は、同高倍率の写真である。(実施例1) (A)は、全芳香族ポリエステル製の掻取羽根の磨耗滓の低倍率の写真、(B)は、同高倍率の写真、(C)は、全芳香族ポリエステル製の掻取羽根の接触面の低倍率の写真、(D)は、同高倍率の写真、(E)は、全芳香族ポリエステル製の掻取羽根の磨耗滓を濾紙で採集した低倍率の写真、(F)は、同高倍率の写真である。(実施例1) (A)は、PBN製の掻取羽根の接触面の低倍率の写真、(B)は、同高倍率の写真、(C)は、PBN製の掻取羽根の磨耗滓を濾紙で採集した低倍率の写真、(D)は、同高倍率の写真である。(実施例1) (A)は、PPS製の掻取羽根の羽接触面(羽根面)の低倍率の写真、(B)は、同高倍率の写真、(C)は、PPS製の掻取羽根の磨耗滓を濾紙で採集した低倍率の写真、(D)は、同高倍率の写真である。(実施例1) (A)は、SUSTAPEEK製の掻取羽根の羽接触面(羽根面)の低倍率の写真、(B)は、同高倍率の写真、(C)は、SUSTAPEEK製の掻取羽根の磨耗滓を濾紙で採集した低倍率の写真、(D)は、同高倍率の写真である。(実施例1) PTFE製の掻取羽根の場合の磨耗滓を捕集した濾紙の写真である。(実施例1) (A)は、1mmスケールの低倍率、(B)は1mmスケールの高倍率である。 水中の磨耗滓の発生状況を示し、(A)は、PTFE製の掻取羽根による結果、(B)は、PBN製の掻取羽根による結果、(C)は、PPS製の掻取羽根による結果の各加熱釜内周面、(D)は、SUSTAPEEK製の掻取羽根による結果、(E)は、S300製の掻取羽根による結果である。(実施例1) 掻取羽根の磨耗状況を示し、(A)は、PTFE製の掻取羽根の状況、(B)は、PBN製の掻取羽根の状況、(C)は、PPS製の掻取羽根の状況、(D)は、SUSTAPEEK製の掻取羽根の状況、(E)は、S-300製の掻取羽根の状況を示す写真である。(実施例1) PBN磨耗滓を観察試料として分離回収し拡大鏡で観察した結果の写真である。(実施例1) PBN磨耗滓のレーザー法による粒度分布測定結果のグラフである。(実施例1) 画像解析式粒度分布測定装置の画像測定結果を示す写真である。(実施例1) 粒度分布測定結果中のサンプルを拡大したものであり、(A)は、100倍、(B)、(C)は、400倍である。(実施例1) (A)は、接着で起こる磨耗の状況の説明図、(B)は、アブレシブ磨耗(アブレージョン=ざらつき磨耗)の状況の説明図、(C)は、表面疲れ磨耗(疲労磨耗)の状況の説明図である。(実施例1)
金属の磨耗滓の発生を抑制することを可能にするという目的を、材料を投入して撹拌処理するための金属製の撹拌容器と、前記撹拌容器の内周面に縁部が接して掻き取りながら摺動する樹脂製の掻取子と、を備えた撹拌装置であって、前記掻取子は、前記撹拌容器の内周面に摺動して発生するときの樹脂の磨耗滓の大きさが前記樹脂をフッ素樹脂としたときよりも小さくなる樹脂で形成され、前記金属製の撹拌容器の内周面の傷付きによる金属滓の発生を抑制したことで実現した。
前記攪拌容器は、ステンレス製であり、前記耐摩耗性樹脂は、ポリブチルナフタレート(PBN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(SUSTAPEEK)の何れかであってもよい。
前記攪拌容器は、ステンレス製であり、前記耐摩耗性樹脂は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)とフッ素樹脂(PTFE)の複合材であってもよい。
前記樹脂の磨耗滓の粒子の大きさは、平均粒子径が0.1mmを下回るのがよい。
前記撹拌装置に用いる掻取子であって、前記撹拌容器の内周面に摺動して発生するときの樹脂の磨耗滓の大きさが前記樹脂をフッ素樹脂としたときよりも小さくなる樹脂で形成されたことで実現した。
[全体概要構成]
図1は、本発明の実施例1に係る撹拌装置として掻取押し付け式の加熱撹拌釜を示し一部を断面にした正面図である。
[材質の表記]
本明細書では、記述の都合上、以下のように、樹脂材料名を、略称を用いて表記する。
PTFE:テフロン(登録商標)(ポリテトラフロロエチレン単成分)
PBN :ポリブチレンナフタレート樹脂
S300:スミカスーパーS300(登録商標)(芳香族ポリエステルとPTFEのブレンド樹脂)
PPS :テクトロンHPV(登録商標)(ポリフェニレンサルファイト樹脂)
SUSTAPEEK:SUSTAPEEKGLD140FG(登録商標)(PEEK(ポリエチルエーテルエーテルケトン)とPTFEのブレンド品)
なお、後ろ側の括弧は、前側の登録商標と同格の物質を示す。他の項における材質の表記も同様である。
本実施例の掻取押し付け式の加熱撹拌釜1は、加熱釜3と撹拌部5とを備えている。
加熱釜3は、材料を投入して撹拌処理するための金属製の撹拌容器であり、例えばステンレスで形成されている。加熱釜3の内表面3aが鏡面仕上げであり、後述する掻取羽根が摺動する。加熱釜3は、金属製であれば銅などの材質を適用することもできる。
加熱釜3は、横置きの円筒部7上にホッパー部9を設けたものである。円筒部7の軸心部には、回転軸11が回転自在に支持されている。回転軸11は、駆動モータ12によって回転駆動されるようになっている。回転軸11には、所定間隔で撹拌部5が取り付けられ、回転駆動によって加熱釜3内の被撹拌物を撹拌可能としている。
加熱釜3に投入される被撹拌物は、流動性のある食材とした。流動性は、良くても悪くても良い。流動性の悪い食材としては、例えば含水粉体や餡等の粉体や固体又は粘性の高い物質或いは塑性流動する物質等を対象とし、加熱撹拌する。
[撹拌部]
図2は、撹拌部の要部を示す断面図である。
各撹拌部5は、図1、図2のように、アーム13と、該アーム13の先端に設けられた掻取羽根15と、アーム13と掻取羽根15との間に設けられた付勢部材としてのコイルばね17とを備えている。
アーム13は、基端側が回転軸11に対して支持されている。アーム13の先端には、掻取羽根15取付用のブラケット部19が設けられている。ブラケット部19は、回転軸11の軸心に対し平面から見てθの角度を持って設定されている。
掻取羽根15は、加熱釜3の内表面3aに対して正転時の回転方向(矢印a方向)に対し後方(矢印b方向)へ後傾となるように傾斜配置されている。掻取羽根15は、アーム13のブラケット部19に回転軸20により結合された結合部21に撹拌子として羽根部23が支持された構成である。
コイルばね17は、ブラケット部19の基部に対して取り付けられている。コイルばね17と掻取羽根15との間には、円筒形状のシリンダ25が設けられている。
すなわち、コイルばね17は、正転時及び静止時にシリンダ25を介して掻取羽根15を結合部21の回転を介して加熱釜3の内表面3a側へ押し付け付勢している。
また、シリンダ25は、掻取羽根15が反転すると、結合部21の回転によって押し上げられ、コイルばね17の付勢力に抗して移動する。従って、掻取羽根15は、コイルばね17の付勢力に抗して回転軸20周りに揺動可能となっている。
羽根部23は、加熱釜3の内表面3aに縁部23aが接して内周面23sを掻き取りながら摺動する構成であり、耐摩耗性樹脂で先端の断面が図2のように鋭角に形成されている。この耐摩耗性樹脂の羽根部23は、金属の内表面3aに摺動するときの樹脂の磨耗滓の発生量が「PTFE」より少なく、その平均粒径が100μm以下で、且つ、大きな粒子の大きさが最大でも、概ね1mm以下の粒径となるような樹脂である。
耐摩耗性樹脂の具体例は、「PBN」、「PPS」、「SUSTAPEEK」、PBN製、PPS製、又は、PEEKとPTFEの複合材製は、PTFE製に比較して樹脂の磨耗滓が小さく、且つ少ない性状である。
そして、加熱釜3に材料を投入し、撹拌部5を所定の周期毎に正転及び反転させる。例えば、あん煉りの場合、正転を3回転行わせた後、反転を3回転行わせ、水分蒸発により材料が目的重量となるまでこれを繰り返す。
正転及び反転を所定周期毎に繰り返すと、逆方向の回転力によって材料が撹拌部5と供回りするのを抑制又は解消することができ、材料を流動させることができる。
そして、正転時には、撹拌部5の掻取羽根15によって材料の掻き取りを行うことができる。すなわち、掻取羽根15は、回転方向後方側へ後傾しているため、加熱釜3の内表面3aに対する掻き取り作用のための角度が鋭角をなしながら摺動回転する。このため、掻取羽根15は、材料を加熱釜3の内表面3aから離反するように案内流動させる。従って、材料は、加熱釜3の内表面3aで加熱された部分とその内側の加熱されていない部分とが混合されて全体として加熱撹拌が行われる。
また、正転時には、コイルばね17の付勢力と共に材料の抵抗によって掻取羽根15が加熱釜3の内表面3aに押し付けられるため、確実に掻き取りを行わせることができる。
一方、反転時には、撹拌部5の掻取羽根15によって材料の押し付けを行うことができる。すなわち、掻取羽根15は、正転時の回転方向後方側へ後傾しているため、反転時の加熱釜3の内表面3aに対する掻き取り作用のための角度が鈍角をなしながら回転する。このため、掻取羽根15は、内側の非加熱の材料を加熱釜3の内表面3a側に向けて案内流動させる。
かかる掻取羽根15による撹拌動作において、羽根部23は、加熱釜3の内表面3aに対する掻き取り作用のための角度が鋭角をなしながら摺動回転するも、調理後に内表面3aの傷は殆ど見られず、磨耗滓も少なく微粉であった。
ここで、本発明実施例に関する概要を述べる。
背景技術に述べた問題の中で、問題点3は、耐摩耗性の樹脂を採用すれば、樹脂磨耗滓量が減少すると予想されるが、金属磨耗滓量については予測できない。問題点1は、金属よりかなり軟らかいPTFE等の樹脂で金属面が傷つくというコンセプトは通常では予測できない。問題点2も、その現象が金属磨耗滓の形状と掻取羽根の物性等により影響されると思われるが、どのような機構・原因で進行するか、明確ではなく、予測が困難である。
即ち、これ等の性能を総合的に保持する掻取材料の特定は、単に物性値を比較するのみでは困難であり、発明者は試行錯誤の結果、食品機械の加熱壁面を焦げ付き防止のため或いは、伝熱促進のため掻取る時に、金属表面を磨耗させない性能が樹脂の磨耗滓の粒子の大きさに関係することを見出した。
具体的には、掻取摺動により発生する樹脂の磨耗滓の粒子の大きさが0.1mm以下である場合に、金属表面を磨耗させない性能を発揮する。
このような、機能を発揮させることのできる樹脂は、特に限定されないが、発明者の試験によれば、フッ素樹脂単成分の樹脂より優れた樹脂として、PBN、HPV、SUSTAPEEK等がある。
後述する試験の範囲で、前記粒子の大きさに関係することは明らかであるが、この関係が磨耗理論からも妥当であることを説明する。
磨耗の種類は 凝着磨耗、アブレシブ磨耗、疲労磨耗、トライボ化学磨耗に分けられる。
金属面と樹脂面が摺動摩擦する場合、硬度の大きい金属は磨耗せず、硬度の小さい樹脂が磨耗する。
しかしながら、加熱攪拌機において、現実に金属面の磨耗、損傷が生じているのは、以下のような機構によると考えられる。
金属面も樹脂面との摺動により応力を受け、この応力により、金属面に疲労磨耗が起こり、金属面が極少量磨耗し、金属の磨耗滓が生成する。
次に、発生した金属磨耗滓の一部が樹脂面に埋め込まれ、この金属磨耗滓と金属面とが摺動し、金属面のアブレシブ磨耗が発生し、金属磨耗滓の発生量が増加する。増加した金属磨耗滓の一部が更に樹脂面に埋め込まれ、金属磨耗滓量の増大による金属面とのアブレシブ磨耗が加速される。
即ち、金属磨耗滓が掻取羽根の掻取樹脂面に埋め込まれる程度が金属面の磨耗に大きな影響を与える。
そこで、どのようにして金属磨耗滓が掻取り樹脂面に埋め込まれるかを考察する。
後に説明するが、金属磨耗滓が掻取樹脂面に埋め込まれる頻度は、樹脂側の磨耗滓の大きさが影響すると思われるので、その理論(磨耗滓が大きくなる機構)を先ず解説する。
文献(トライポロジスト、52、10(2007)735)によれば、電子顕微鏡で摩擦過程を観察すると、磨耗面の間で磨耗滓が生成する機構は、いきなり磨耗滓となる切り子が生成するのではなく、摩擦面の間で移着粒子と呼ばれる摩耗滓のもとが次第に摩擦界面に蓄えられていく。この過程を移着粒子の成長過程という。
その後,掛かっている剪断力に耐えられなくなり、移着粒子は界面からもぎ取られ摩擦滓として摩擦面外に出て行く。発生した小さい粒子が大きくなってから系外に出て行くことは消しゴム滓の生成過程の観察でも確認されている。
まとめると、磨耗滓の粒子の大きさが大きい場合は、摩擦面における移着粒子の蓄積量が多いという事になる。
PTFEの磨耗滓は、後述の写真に示すように、膜状の樹脂が絡み合って円柱状の形状となっており、消しゴムの磨耗滓の形状に酷似しており、掻取樹脂の磨耗滓の粒子の大きさはこの機構にて決まる。
掻取樹脂磨耗滓の大きさと金属磨耗滓が樹脂に食い込むことの因果関係は次の通りである。
金属磨耗滓が摩擦樹脂表面に食い込む過程は、先ず摩擦面で金属面の疲労磨耗等により微量の金属磨耗滓が生成する。この金属磨耗滓の一部が摩擦面の樹脂移着粒子に取り込まれる。移着粒子中の金属磨耗滓が摩擦に伴う応力により摩擦界面の樹脂本体に食い込む。
樹脂本体摩擦面に金属磨耗滓が食い込むと摩擦面で金属同志(金属磨耗滓と金属壁面)の磨耗が起こり、更に金属磨耗滓が発生する。この金属磨耗滓の一部が前述の機構で摩擦面の樹脂に取り込まれ金属壁の磨耗が加速する。(トライボ化学磨耗の理論によると、金属磨耗滓は酸化反応等により金属面より硬くなるので磨耗滓が磨耗せず金属面側の磨耗がより進行する。)
従って、生成した金属磨耗滓を極力、摩擦面の掻取樹脂面に食い込ませないことが、金属面の磨耗を抑制するポイントである。
先に説明したように、大きな樹脂磨耗滓が生成する場合は摩擦界面(樹脂表面側)に多量の移着粒子(樹脂磨耗物質)が蓄積され、移着粒子が大きくなってから樹脂表面から離れて行く。
摩擦で、微量生成した金属磨耗滓がこの移着粒子(樹脂磨耗物質)と接触する場合、移着粒子の量が多いほど、金属磨耗滓が移着粒子(樹脂磨耗物質)に取り込まれる確率が増加する。
結局、移着粒子が多ければ、摩擦面に留まる金属磨耗滓が多くなると考えられる。すると、金属磨耗滓が摩擦面の樹脂に食い込む量も多くなる。(羽根上の樹脂磨耗滓に含有された金属磨耗滓が摩擦運動により圧迫され、磨耗してない羽根本体の樹脂部分に移動させられる機構)
即ち、樹脂磨耗滓の大きさが大きい場合、移着粒子(樹脂磨耗物質)が大きく、取り込まれた金属磨耗滓量が増大し、掻取羽根の摩擦面に埋め込まれる金属磨耗滓の量が増大するので、摩擦金属面の磨耗が進行する。
以上をまとめると、樹脂磨耗滓の大きさが大きくなると、掻取羽根の磨耗滓生成部分の保有移着粒子(樹脂磨耗物質)量が多いので、この摩擦部分に金属磨耗滓が取り込まれる可能性が高くなり、掻取樹脂本体に金属磨耗滓が打ち込まれる可能性が高まるというメカニズムである。
掻取樹脂磨耗滓が小粒子の場合は樹脂磨耗滓生成部分の保有樹脂量が少なく、ここに金属磨耗滓を含む可能性が小さくなり、金属壁面を傷つけない。
後述の試験結果を予め整理すると樹脂磨耗滓粒子サイズと金属面の磨耗は、図3の図表のようになった。
図3のように、樹脂磨耗滓の形状が大きい、PTFE、スミカスーパーS300(以下単に「S300」と称する。)は、金属磨耗滓の発生量が多く、樹脂磨耗滓の形状が微細なPBN、PPS、SUSTAPEEKは金属磨耗滓の発生が少ない結果となっている。PTFE、S300は、樹脂の掻取羽根の金属壁接触部表面に金属磨耗滓の付着が認められる。
整理すると、以下のように、発生する金属磨耗滓量と樹脂磨耗滓の粒子の大きさとは相関性を持つ。
・樹脂磨耗滓の大きさ
PTFE>S300>>PBN、PPS、SUSTAPEEK
・金属磨耗滓量
PTFE>S300>>PBN、PPS>SUSTAPEEK
従って、磨耗滓の大きさが微細となる樹脂を掻取材として採用すれば、本条件(食品調理での焦げ付き防止等)での金属壁の掻取において、金属磨耗滓の発生を抑制し、金属壁面の傷を抑制することができる。
なお、S300は、PPS、PBNと比較すると、樹脂磨耗滓の量で見る場合に、磨耗量に大差なく、類似している。しかし、その磨耗樹脂滓の粒径で見ると、S300の粒径は、PPS、PBNの粒径よりも大きく、金属磨耗滓の発生も多くなった。
[比較試験]
発明者等は実施例の加熱釜3を用い、内容積300Lとして羽根部23に関する比較試験を行った。
実施例品と同様な梶原工業株式会社製(東京都台東区松が谷2−13−13)の加熱撹拌機(KH−3)の300L型で比較試験を行った。本機は複数の掻取羽根15を備えるが、その内の1本、3番目の羽根のみをセットした。なお、3番羽根というのは図1の右から3番目の羽根を意味している。
この掻取羽根15の材質をPTFE製の羽根部と、4種の樹脂、PBN製、PPS製、S300、SUSTAPEEKの羽根部とについて、比較試験を3回ずつ行った。
(試験方法)
比較試験方法は、加熱撹拌機(KH−3)に3番羽根のみをセットし、市水150kg投入、撹拌18r/mn(正転)、製品温調90℃で蒸気加熱を継続し、5時間で終了した。
蒸気加熱の水運転5時間後、水中に浮遊する磨耗滓、羽根及び内缶接触面の状況を確認した。水を全量濾過後濾紙に通し紙上の滓を回収、重量を測定した。羽根部23と加熱釜3の内表面3a及び濾紙を観察した。羽根部23の変化、滓の発生状況は拡大鏡による撮影を行った。ステンレス磨耗滓は、水中沈殿物と濾紙残渣の目視、羽根部23の内表面3aの目視で判断した。
(比較結果)
結果は、図4〜図10の通りとなった。図4は、磨耗滓の発生状況の結果を総合的に示す図表である。図5(A)は、PTFE製の掻取羽根の磨耗滓の低倍率の写真、(B)は、同高倍率の写真、(C)は、PTFE製の掻取羽根の接触面の低倍率の写真、(D)は、同高倍率の写真である。図6(A)は、全芳香族ポリエステル製の掻取羽根の磨耗滓の低倍率の写真、(B)は、同高倍率の写真、(C)は、全芳香族ポリエステル製の掻取羽根の接触面の低倍率の写真、(D)は、同高倍率の写真、(E)は、全芳香族ポリエステル製の掻取羽根の磨耗滓を濾紙で採集した低倍率の写真、(F)は、同高倍率の写真である。図7(A)は、PBN製の掻取羽根の接触面の低倍率の写真、(B)は、同高倍率の写真、(C)は、PBN製の掻取羽根の磨耗滓を濾紙で採集した低倍率の写真、(D)は、同高倍率の写真である。図8(A)は、PPS製の掻取羽根の接触面の低倍率の写真、(B)は、同高倍率の写真、(C)は、PPS製の掻取羽根の磨耗滓を濾紙で採集した低倍率の写真、(D)は、同高倍率の写真である。図9(A)は、SUSTAPEEK製の掻取羽根の羽接触面(羽根面)の低倍率の写真、(B)は、同高倍率の写真、(C)は、SUSTAPEEK製の掻取羽根の磨耗滓を濾紙で採集した低倍率の写真、(D)は、同高倍率の写真である。図10は、PTFE製の掻取羽根の場合の磨耗滓を捕集した濾紙の写真である。
なお、図4〜図9において低倍率、高倍率の程度は、同条件で撮影した1mmスケールの拡大写真で代用表示する。図11(A)は、1mmスケールの低倍率、(B)は1mmスケールの高倍率である。図11(A)の低倍率が、図4〜図9における低倍率を表し、図11(B)の高倍率が、図4〜図9における高倍率を表わす。
図5〜図9は、図4における写真の拡大写真であり、例えば図4中の各写真における左上段の写真は、PTFE製の掻取羽根の磨耗滓の低倍率の写真であり、これを図5(A)に示している。他の写真も同様である。掻取羽根の接触面は、加熱釜に対する接触面である。
図10のように、PTFE製の掻取羽根の磨耗滓は、大きいもので数mmのケシゴムの屑状の磨耗滓がかなりの量あるのが視認できる。
図4〜図10のように、比較試験を行った4種の樹脂による掻取羽根、PPS製、PBN製、SUSTAPEEK製、S300製はPTFE製と比較し、かなり磨耗滓量が少なく、耐摩耗性に優れている。また、磨耗滓の大きさも小さくなっており、PPS製、PBN製、SUSTAPEEKG製は、磨耗滓が微量で且つ形状がPTFE製と異なり微粒子で、目立ちにくい利点もある。
S300製は、PTFE製と比較し、かなり磨耗滓量が少なく、耐摩耗性に優れているが、滓の形状がPTFE製より小さいが類似形状である。
一方、SUSTAPEEK製はS300製と同様、PTFEを構成物に含むが磨耗滓量は大幅に少なく、形状も、より微粒である。
(比較試験時の羽根の目視の状況)
(フッ素樹脂羽根)
フッ素樹脂製の掻取羽根は、加熱釜との接触面に金属磨耗滓が付着し、黒く汚れて、羽根先端がめくれ上がっていた。樹脂の膜状の磨耗滓が消しゴム屑状に絡み合って大粒子を形成していた。加熱釜の内表面の磨耗痕も時間と共に増大した。
(PPS、PBN、SUSTAPEEK羽根)
発生した摩耗滓は非常に微細で量、大きさ共にフッ素樹脂をはるかに下回った。羽根先端がめくれる傾向も見受けられなかった。加熱釜の内表面の磨耗痕は殆どなく、目視の判定は困難であった。
(S300羽根)
羽根は、接触面に少量の金属磨耗滓が付着し、樹脂の磨耗滓は量的には多くないが、膜状で消しゴム屑状に絡み合ってフッ素樹脂の場合と類似し、フッ素樹脂よりも一回り小さい、中粒子を形成していた。加熱釜の内表面にも若干の傷が生じていた。
図12は、水中の磨耗滓の発生状況を示し、(A)は、PTFE製の掻取羽根による結果、(B)は、PBN製の掻取羽根による結果、(C)は、PPS製の掻取羽根による結果、(D)は、SUSTAPEEK製の掻取羽根による結果、(E)は、S300製の掻取羽根による結果である。
図12(A)のように、PTFE製は、磨耗滓が多量に見えた。図12(B)、(C)、(D)のように、PBN製、PPS製、SUSTAPEEK製は、磨耗滓が見えなかった。S300製は、磨耗滓がごく少量見えた。
図13は、掻取羽根の磨耗状況を示し、(A)は、PTFE製の掻取羽根の状況、(B)は、PBN製の掻取羽根の状況、(C)は、PPS製の掻取羽根の状況、(D)は、SUSTAPEEK製の掻取羽根の状況、(E)は、S300製の掻取羽根の状況を示す写真である。
図13(A)のように、PTFE製の羽根部は加熱釜の内表面への接触面が黒く汚れて、羽根先端がめくれ上がっていた。始めは小さな粒状の摩耗粉が発生するが、時間とともに薄皮状に伸び広がっていた。
図13(B)、(C)のように、PBN製、PPS製の羽根部は、発生した摩耗粉も目視で明らかにPTFE製より少なかった。羽根部先端がめくれる傾向も見受けられなかった。
図13(D)のように、SUSTAPEEK製の羽根部は、発生した摩耗粉も目視で殆ど認められず少なかった。羽根部23先端がめくれる傾向も見受けられなかった。
図13(E)のように、S300製の羽根部23は加熱釜の内表面への接触面が薄く黒く汚れていた。羽根部23先端がめくれる傾向があり、薄皮状の磨耗物が見受けられる。
この辺の状況は図4の拡大鏡の写真を見ると、良く判る。
拡大したので、一部しか見えないが、
(A)PTFEの場合、白い樹脂に金属磨耗滓が食い込んでいるのが見える。
(B)PBNでは樹脂のみでステンレス粉は見えない
(C)PPSでは極少量であるが、ステンレス粉が樹脂に食い込んでいるのが見える。
(D)SUSTAPEEKでは樹脂表面に白い傷状の磨耗痕があるが、ステンレス粉は見えない。
(E)S300では磨耗物がフイルム状に付着し、筋上にステンレス粉が食い込んでいるのが見える。
[PTFE製掻取羽根の問題点]
ここで、以上より、再度PTFE製の羽根部の問題点を挙げる。
1)磨耗滓が発生する。水を攪拌すると磨耗滓が水面に浮いてくる。
2)加熱釜3の内表面3aに傷が付く。特に、何も入れない時、或いは水を入れて加熱釜3を掻き取ると内表面3aに傷が急速に付く。
3)使用中、PTFE製掻取羽根の掻取面に金属屑が食い込み、更に使用を続けると、食い込んだ金属屑と内表面3aの金属同士が接触し、壁面の傷が更に深くなった。
4)PTFEの磨耗滓は数mmの大粒子が多く発生し、磨耗して発生した金属磨耗滓を含有していた。
[磨耗試験結果]
ステンレスの加熱釜3の内表面3aへの傷のつけ具合はPBN製、PPS製、PEEK製ともごく少なく殆どなく、PTFE製からの改善は非常に大きかった。S300製は、加熱釜の内表面に傷が少量発生したが、PTFE製からの改善はかなりあった。
羽根部23の樹脂摺動面に対する磨耗した金属磨耗滓の食い込みは、PEEK製、PBN製は殆ど見られず、PPS製は極少量の食い込みが見られるものの、PTFE製からの改善はかなり大きかった。
金属磨耗量は、PEEK製、PBN製、PPS製、S300は少なく、PTFE製からの改善も大きかった。
[PBNの大規模磨耗試験]
(樹脂磨耗滓)
金属磨耗が少ない樹脂製掻取羽根の磨耗機構を検討するため、PBN製羽根を用い、大規模磨耗試験を行い、磨耗滓を回収し磨耗滓の形状を調査した。
実施例1の装置において、加熱撹拌機(KH-3)に6本の掻取羽根全てにPBN樹脂製の掻取羽根をセットし、市水150kgを投入し、撹拌18r/min(正転)、製品温調90℃で蒸気加熱を継続し、5時間で終了した。
生成したPBN磨耗滓中に目視で粒子が確認できる大粒子が若干(数個)あったので観察試料として分離回収した。
これを拡大鏡で観察した結果を図14(A)〜図14(J)に示す。図14(A)〜(J)は、粒子径の各大きさの拡大写真を示している。図14の粒子中の直線で示すように、粒子径の測定は、最大寸法で行った。
粒子の大きさは0.2〜1mm(大きいもので1mm弱、おおよそが0.2mm〜0.7mmの範囲)で白色の薄い皮状で金属磨耗滓は含有されていない。
処理液中に微粒子が浮遊していたので、静置し、透明な上澄みを分離し濃縮し、最終的に微粒子の希薄スラリーを少量得た。
これを、光学顕微鏡観察、レーザー法粒度分布測定、画像法粒度分布測定の試料とした。用いた測定器は、マスターサイザー3000 (マルバーン社製)である。
レーザー法による粒度分布測定結果は、図15に示す。図15のように平均粒径約50μm程度であった。小さい粒子から粒子重量を積算し、積算重量が全体の50%になった時点での粒子径を平均粒径としている。平均粒径の取り方については特に限定されず、種々の手法を用いることができる。
図16は、画像解析式粒度分布測定装置の画像測定結果を示す写真である。この装置は、フロー式粒子像分析装置FPIA3000と呼ばれる分析計であり、希薄試料液をセルの中に通し、粒子一個ずつを連続撮影する。その測定写真の一例が図16である。
図16のように、PBNの粒子も薄皮状であることがわかった。
更に、光学顕微鏡でこの試料を観察した。
図17は、粒度分布測定結果中のサンプルを拡大したものであり、(A)は、100倍、(B)、(C)は、400倍である。観察の結果、図17のように、PBNの粒子も数十ミクロン程度の大きさで薄い皮状の粒子であった。
[磨耗の考察]
金属壁を掻取りした時、金属に傷をつけ難い樹脂を試行錯誤の結果見出す事ができたが、どのような樹脂が問題を解決できるか、考察する。
(磨耗理論)
磨耗理論によると、2材料間の滑りで磨耗が発生するメカニズムは、4種類がある。
図18(A)は、接着で起こる磨耗の状況の説明図、図18(B)は、アブレシブ磨耗(アブレージョン=ざらつき磨耗)の状況の説明図、図18(C)は、表面疲れ磨耗(疲労磨耗)の状況の説明図である。
(接着で起こる磨耗:凝着磨耗)
図18(A)のように、ミクロに見た場合、面は平坦ではなく凹凸があり、接触点は極一部である。
面同士の滑り運動により接触点は変形し、接触面は大きくなる。この時生じた応力により面の一部に破断が発生し、磨耗が生じる。接着点で摩耗粒子になる確率を「摩耗係数(wear coefficient)」と呼び「k」で表す。 滑りあう金属で接着摩耗係数は異なり、荷重がある大きさになると突然増えたりする。ステンレス鋼−ステンレス鋼 k=21/1000
(摩耗粉の大きさ)
金属などは単結晶から構成されているが、摩耗が2固体間で起き摩耗粉となる金属では摩耗素子(15ナノメートル前後から50ナノメートル前後)の素となる粒子が起因して大きな摩耗粉を作り上げていると考えられている。これを摩耗素子と呼んでいる。粉砕法では製造出来ない大きさで、原子や分子やクラスターなどからビルトアップ法で作られるサイズと考えられている。
(アブレシブ摩耗:アブレージョン=ざらつき磨耗)
図18(B)のように、すべりあう物体の表面に凸凹があり、界面で凸凹がかみ合って抵抗し、摩擦・摩耗粉を生じる。これを「掘り起こし(plowing)摩耗」と呼ぶ。アブレシブ摩耗係数=kabrで表される。掘り起こし方は2つ考えられる。
a.硬い物が柔らかい物を削る。
b.すべり面に硬い物がはさまれ、片方の面に埋め込まれて、反対側の面を削る。
固い摩耗粉が柔らかい相手金属(樹脂・その他の場合もある)に埋まり、 膜厚が薄くなった場合や圧力がかかった時、相手金属と摺動してしまうことで、固い金属同士の摩耗が起こる。
(表面疲れ磨耗:疲労磨耗)
図18(C)のように、垂直荷重と摩擦力がくり返し作用することによる疲労によって摩耗が起こる。通常は金属表面層にクラックを生じ、それが内部に進行し、クラックから金属粒子が摩耗粒子と言うかたちで 切り離されることをさす。一般的に「金属疲労」と呼ばれるものの微視的な状態を指すこともできる。
潤滑液の粘度は影響が大きく、低粘度になるにつれ疲労寿命は短くなる傾向にある。
添加剤に含まれる分子など(P−リンやS−イオウ)の摺動面への吸着力が強いか弱いかで疲労寿命は変わる。添加剤が表面金属を硬くするように作用することは耐摩耗性に有効と思われる。
最も影響が大きいと思われるのが凝着力に起因する疲労を低下させるように働く成分になると思われるが周囲の環境(温度・金属成分など)にも大きく影響を受ける。
(トライボ化学摩耗)
摩擦する固体表面での化学反応に環境が影響を及ぼし、摩耗を早めたり、押さえたりする。
機械の運動条件により上記摩耗機構と同時的に発生する場合が多く、このような反応を「トライボ化学反応」といい、オイルや添加剤の研究分野となっている。
基本的には、表面凸部が熱的、機械的に活性化されると、異なる表面層の形成が起こる場合がある。表面層は一般的に脆性破壊し易くなると言える。
(磨耗滓が大きくなる機構)
大きな摩耗粉が生じるのは,摩擦面の間で摩耗粉のもとが次第に成長していくからである。文献(トライポロジスト、52、10(2007)735)によると、電子顕微鏡で摩擦過程を観察すると、摩耗粉のもと(移着粒子)が、摩擦界面に蓄えられ、かかっている剪断力に耐えられなくなると、移着粒子は界面からもぎとられ大きな摩耗粉として摩擦面外に出る。発生した小さい粒子が大きくなってから系外に出ていくことは消しゴム滓生成過程の観察でも確認されている。
以上の理論から、問題とするステンレスの内表面3aを樹脂製の羽根部23で掻き取る時に発生する磨耗のメカニズムを考察する。
樹脂製の羽根部23の磨耗は、凝着磨耗、ざらつき磨耗、疲労磨耗である。樹脂は、金属に対し強度が弱いのでこのような磨耗機構が起こる可能性がある。
ステンレスの内表面3aの磨耗は、ざらつき磨耗、疲労磨耗である。初期は疲労磨耗のみである。
内表面3aの磨耗で見ると、金属の材料強度が樹脂に比べ非常に高いので、凝着磨耗の場合、変形は主に樹脂側である羽根部23で発生し、金属側である内表面3aでは磨耗が起こる可能性は極めて低いと考えられる。
ざらつき磨耗の場合、金属磨耗滓が樹脂の羽根部23及び磨耗滓に食い込んで固定された場合に発生する。但し、初期は金属磨耗滓がないので、ある程度金属磨耗滓が発生し蓄積した段階で発生すると思われる。
疲労磨耗の場合、金属の内表面3aの凸部の一部に応力が集中し、疲労が起きる可能性が考えられる。実際に内表面3a側の磨耗が発生している点を考慮すると、疲労磨耗で微量の金属磨耗滓が生成し、次いでざらつき磨耗により金属製の内表面3aの磨耗が進行すると考えられる。
PTFE製の掻取羽根15の場合は、図5(C)、(D)の写真にあるように、羽根部23表面に金属磨耗滓が付着しており、ざらつき磨耗で金属製内表面3aの磨耗が進行すると考えられる。
S300製の羽根部23の場合は、PTFEに比べ金属磨耗滓の生成量は少ないが、図13(E)の写真にあるように、羽根部23の表面に金属磨耗滓が付着しておりざらつき磨耗で金属性内表面3aの磨耗が進行すると考えられる。
PPS、PBN、PEEKの樹脂については、金属磨耗滓の付着はなく、内表面3aの磨耗は僅少に留まっていた。
これをPTFE製の羽根部23で考えると、疲労磨耗で発生した金属粉が羽根部23に付着している。
掻取樹脂に金属磨耗粉が付着するかどうかが、内表面3aの磨耗に大きな影響を与える。
(金属製内表面の疲労摩耗)
掻取の目的は付着物を内表面3aから引き離すのが目的であり、付着物に対し鋭角に羽根部23を当て、付着物と内表面3aとの間に羽根部23を入れ込む動きをさせる。
これは羽根部23を内表面3a側に押付ける力となるが、この方向には羽根部23は移動できないので大きな抗力が発生し、内表面3aに大きな圧縮力が作用し、摩擦力が更に高まる作用をもたらす。
付着物のない、内表面3aと羽根部23との接触でも、この関係は同様の作用をもたらすと思われる。
即ち、内表面3aも拡大すれば凹凸があり、表面に凹凸のある羽根部23と摺動することになるので、羽根部23に生じる応力は羽根部23の進行方向の反対方向となる。
羽根部23は、コイルばね17により内表面3aに追従するよう動き得る。しかし、羽根の進行方向及び反対方向には動かないので、羽根部23の支持機構から抗力を受け、この応力を解消する。しかしながら、この抗力には構造上、内表面3aを圧縮する成分があり、摩擦により発生する応力は増大する。
このため、金属面に疲労に起因する磨耗が発生すると考えられる。
[焦げ付き防止]
あん煉り、食品加工に実際に使用し、掻取による焦げ付き防止効果を比較したが、PTFE製と同等の防止効果であった。
焦げ付き防止は、加熱される加熱釜3の金属製の内表面3aと掻取羽根15とが密着しながら掻き取ることで行われる。
金属製の内表面3aは厳密に言えば凹凸があり、真円からも外れているので、掻取羽根15と金属面は完全には接触せず、一部には隙間が生じる。
羽根部23を上記実施例のようにスプリング等の力により内表面3aに押付け変形させる事で密着度を上げる事が焦げ付き防止の効果を得るには重要である。即ち、羽根部23の素材の弾性率は低い方が好ましい。
曲げ弾性率は、PTFE:550MPaに比較してPBN:1920MPa、PPS:3900 MPaと弾性率が大きく、押付け力による変形が少ないので、掻取不良による焦げ付きが懸念されたが、実用上、差が見られなかった。
[滓の形状と磨耗金属が樹脂に食い込むことの因果関係の説明]
先に説明したように、大きな滓が生成する場合は磨耗界面(即ち樹脂表面)に多量の磨耗物質が蓄積されて、粒子が大きくなってから樹脂表面から離れて行く。
生成した微量の金属磨耗滓がこの樹脂磨耗物質と接触することになり、金属滓が磨耗面に留まり、樹脂に食い込む可能性が高まると思われる。
試験結果を見ると、樹脂磨耗滓の形状が大きい、PTFE、S300は、金属磨耗滓の発生量が多く、樹脂磨耗滓が微細なPBN、PPS、SUSTAPEEKGLD140FGは金属磨耗滓の発生が少ない結果となっている。樹脂の接触部表面にPTFE、S300は、金属磨耗滓の付着が認められる。
[掻取材料としての適性]
PBN、PPS、SUSTAPEEKは、旧厚生省の食品容器の基準(昭和34年厚生省告示第370号)は何れも満たしている。更に、既存物質、MSDS等の既存情報ではPBN、PPS、SUSTAPEEKに問題はない。
[色]
清潔感から白色が望ましいとされている。PBN製は白で最適、PPS製は青であるが、磨耗滓が混入した場合、目視判別できるので好ましい場合がある。
[その他]
なお、本実施例の加熱撹拌釜1は、材料として食材の加熱撹拌処理を行なう撹拌装置として構成したが、医薬、漢方薬等の経口物質、塗り薬、医薬品、化粧品等を加熱、非加熱に係わらず撹拌処理する撹拌装置として構成することもできる。
また、加熱撹拌釜1は、回転軸が横方向に配置された横型であるが、回転軸が縦方向に配置された縦型として構成することもできる。回転軸が縦方向に配置される構成では、回転軸を傾斜させて配置することもできる。この場合、撹拌容器としては、底部が半球状に形成され、この底部に円筒状の胴部が結合された形状となる。
1 掻取り押し付け式の加熱撹拌釜(撹拌装置)
3 加熱釜(撹拌容器)
3a 内表面
23 羽根部(掻取子)
23a 縁部
本発明は、食材、医薬品、漢方薬等の被撹拌物を撹拌処理するために供される撹拌装置に関する。
本発明は、金属の磨耗滓の発生を抑制することを可能とするため、材料を投入して撹拌処理するための金属製の撹拌容器と、前記撹拌容器の内周面に縁部が接して掻き取りながら摺動する樹脂製の掻取子と、を備えた撹拌装置であって、前記掻取子は、前記撹拌容器の内周面に摺動して発生するときの樹脂の磨耗滓の大きさが前記樹脂をフッ素樹脂(PTFE)単成分としたときよりも小さくなる樹脂で形成され、前記攪拌容器は、ステンレス製であり、前記樹脂は、ポリブチルナフタレート(PBN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)とフッ素樹脂(PTFE)の複合材の何れかであり、前記金属製の撹拌容器の内周面の疲労磨耗により生成する金属磨耗滓が前記樹脂の磨耗滓を介して前記掻取子の摩擦界面の樹脂本体に食い込むのを抑制し、前記金属製の撹拌容器の内周面の傷付きによる金属滓の発生を抑制したことを特徴とする。

Claims (5)

  1. 材料を投入して撹拌処理するための金属製の撹拌容器と、
    前記撹拌容器の内周面に縁部が接して掻き取りながら摺動する樹脂製の掻取子と、を備えた撹拌装置であって、
    前記掻取子は、前記撹拌容器の内周面に摺動して発生するときの樹脂の磨耗滓の大きさが前記樹脂をフッ素樹脂単成分としたときよりも小さくなる樹脂で形成され、前記金属製の撹拌容器の内周面の傷付きによる金属滓の発生を抑制した、
    ことを特徴とする撹拌装置。
  2. 請求項1記載の撹拌装置であって、
    前記攪拌容器は、ステンレス製であり、
    前記耐摩耗性樹脂は、ポリブチルナフタレート(PBN)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(SUSTAPEEK)の何れかである、
    ことを特徴とする撹拌装置。
  3. 請求項1記載の撹拌装置であって、
    前記攪拌容器は、ステンレス製であり、
    前記耐摩耗性樹脂は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)とフッ素樹脂(PTFE)の複合材である、
    ことを特徴とする撹拌装置。
  4. 請求項1又は2記載の撹拌装置であって、
    前記樹脂の磨耗滓の粒子の大きさは、平均粒子径が0.1mmを下回る、
    ことを特徴とする撹拌装置。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の撹拌装置に用いる掻取子であって、
    前記撹拌容器の内周面に摺動して発生するときの樹脂の磨耗滓の大きさが前記樹脂をフッ素樹脂としたときよりも小さくなる樹脂で形成された、
    ことを特徴とする掻取子。
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