JP2017216966A - 分離液状調味組成物 - Google Patents

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仁雄 宮崎
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Abstract

【課題】油相部と水相部とが分離した状態の分離液状調味組成物であって、喫食時又は使用時に振とう等の弱い撹拌を行うことにより油相部と水相部とが乳化して一定の油滴粒子径となってクリーミーな風味を有し、その乳化状態が喫食時又は使用時の間保持して分離することがない分離液状調味組成物を提供すること。【解決手段】油相部にジグリセリン脂肪酸エステルを含み、水相部にポリグリセリン脂肪酸エステル及び増粘多糖類を含むことを特徴とする分離液状調味組成物。【選択図】 なし

Description

本発明は、油相部と水相部とが分離した状態の分離液状調味組成物に関する。
従来、油相部と水相部とが分離した状態の分離液状調味組成物(例えば、野菜等にかける分離液状ドレッシング、肉やパスタ等にかける分離液状ソース等)は、喫食時又は使用時に振とう等の弱い撹拌を行って油相部と水相部とを混合して用いられることが多い。通常の分離液状調味組成物は、喫食時又は使用時に撹拌しても油相部と水相部が一時的に混合されるものの、すぐに分離してしまうという問題点がある。
そこで、油相部と水相部とが分離した状態の分離液状調味組成物でありながら、振とう等の弱い撹拌を行うことにより油相部と水相部とが乳化して一定の油滴粒子径となり、その乳化状態が喫食時又は使用時の間保持して分離することがない分離液状調味組成物が求められている。
上記のような問題点を解決するための従来技術としては、特定量の水相部の上に、特定量の油相部が積載された容器入り分離型液状調味料であって、使用開始時、当該容器の全内容積の83〜88容量%の分離型液状調味料が充填されていることを特徴とする容器入り分離型液状調味料(特許文献1)、特定量の食用油脂を配合した容器詰め分離液状ソースであって、農産物の細断物、溶融したチーズ、食塩およびエタノールを特定量配合したことを特徴とする容器詰め分離液状ソース(特許文献2)、モノオレイン酸ジグリセリンを特定量配合した分離液状ドレッシング用油脂組成物を含む、分離液状ドレッシング(特許文献3)等が開示されている。
しかし、これらの技術には一長一短があり、更に優れた分離液状調味組成物が求められている。
特開2002‐136269号公報 特開2010‐17120号公報 特開2016‐13071号公報
本発明の目的は、油相部と水相部とが分離した状態の分離液状調味組成物であって、喫食時又は使用時に振とう等の弱い撹拌を行うことにより油相部と水相部とが乳化して一定の油滴粒子径となってクリーミーな風味を有し、その乳化状態が喫食時又は使用時の間保持して分離することがない分離液状調味組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決する為に鋭意研究を重ねた結果、油相部にジグリセリン脂肪酸エステルを含み、水相部にポリグリセリン脂肪酸エステル及びキサンタンガムを含有させることにより、上記課題を解決することを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の構成からからなっている。
[1]油相部にジグリセリン脂肪酸エステルを含み、水相部にポリグリセリン脂肪酸エステル及び増粘多糖類を含むことを特徴とする分離液状調味組成物。
本発明の分離液状調味組成物は、工業的な機械による強力な撹拌とは異なる、容器等に入った分離液状調味組成物を振とうする等して弱い撹拌を行うことにより、油相部と水相部とが乳化して、弱い撹拌の直後及び一定時間経過した後も油滴粒子径が20〜100μmと乳化状態が十分に保持され、目視による外観確認に於いても油相部と水相部とが分離することなく乳化状態が良好に保持するという効果を奏する。そして、一定時間乳化状態を保持し、クリーミーな風味を呈するという効果を奏する。
本発明で用いられる油相部は、食用可能な油脂(以下、単に「油脂」ともいう。)にジグリセリン脂肪酸エステルを含めば特に制限はない。
本発明で用いられる油脂部に含まれる食用可能な油脂としては、例えば、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ヒマワリ油、胡麻油、米糠油、コーン油、椰子油、パーム油、パーム核油、落花生油、オリーブ油、ハイオレイック菜種油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックコーン油又はハイオレイックヒマワリ油等の植物油脂や、牛脂、ラード、魚油又は乳脂等の動物油脂、更にこれら動植物油脂を分別、水素添加又はエステル交換したもの、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)、これら油脂に風味を付与した香味油等が挙げられ、好ましくは、常温(15〜25℃)で液状の植物油脂である。これら油脂は、1種類で用いられても良いし、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられる油脂部に含まれるジグリセリン脂肪酸エステルは、ジグリセリンと脂肪酸とのエステル化反応生成物であり、エステル化反応等自体公知の方法で製造される。
ジグリセリン脂肪酸エステルの原料として用いられるジグリセリンとしては、通常グリセリンに少量の酸(例えば、濃硫酸、p−トルエンスルホン酸等)又はアルカリ(例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等)を触媒として添加し、窒素又は二酸化炭素等の任意の不活性ガス雰囲気下で、例えば約180℃以上の温度で加熱し、重縮合反応させて得られるグリセリンの平均重合度が約1.5〜2.4、好ましくは平均重合度が約2.0のジグリセリン混合物が挙げられる。また、ジグリセリンはグリシドール又はエピクロルヒドリン等を原料として得られるものであっても良い。反応終了後、所望により中和、脱塩、脱色等の処理を行ってよい。
本発明においては、上記ジグリセリン混合物を、例えば蒸留又はカラムクロマトグラフィー等自体公知の方法を用いて精製し、グリセリン2分子からなるジグリセリンを約50%以上、好ましくは約85%以上に高濃度化した高純度ジグリセリンが好ましく用いられる。
ジグリセリン脂肪酸エステルの原料として用いられる脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば、炭素数6〜24の直鎖の飽和脂肪酸(例えば、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等)又は不飽和脂肪酸(例えば、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、γ−リノレン酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、リシノール酸、縮合リシノール酸等)等が挙げられる。とりわけオレイン酸を約70%以上、より好ましくは約90%以上含有する不飽和脂肪酸を用いるのが好ましい。これら脂肪酸は、1種類で用いられても良いし、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられる油脂部に含まれるジグリセリン脂肪酸エステルの好ましい例としては、モノエステル体の含有量が約50%以上、好ましくは約70%以上であるジグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。
その製法の概略は以下の通りである。即ち、上記高純度のジグリセリンと脂肪酸を、例えば高純度のオレイン酸を、例えば等モルで、エステル化反応させることにより、未反応のジグリセリン、ジグリセリンモノオレイン酸エステル、ジグリセリンジオレイン酸エステル、ジグリセリントリオレイン酸エステル又はジグリセリンテトラオレイン酸エステル等を含む混合物が得られる。次に、該混合物から自体公知の方法、例えば低真空度での蒸留等で未反応のジグリセリン等を除き、さらに、例えば流下薄膜式分子蒸留装置又は遠心式分子蒸留装置等を用いて該混合物を分子蒸留することにより、留分として、例えばジグリセリンモノオレイン酸エステルを70質量%以上含むジグリセリン脂肪酸エステルが得られる。
本発明において、ジグリセリン脂肪酸エステルは、単体で、又は食用可能な油脂に分散又は溶解した形態のジグリセリン脂肪酸エステル含有製剤を使用することもできる。ジグリセリン脂肪酸エステル含有製剤に用いられる食用可能な油脂としては特に制限はなく、例えば、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ヒマワリ油、胡麻油、米糠油、コーン油、椰子油、パーム油、パーム核油、落花生油、オリーブ油、ハイオレイック菜種油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックコーン油又はハイオレイックヒマワリ油等の植物油脂や牛脂、ラード、魚油又は乳脂等の動物油脂、更にこれら動植物油脂を分別、水素添加又はエステル交換したもの、中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)等が挙げられる。好ましくは菜種油である。
上記ジグリセリン脂肪酸エステル含有製剤は、ジグリセリン脂肪酸エステル1〜50質量%、食用可能な油脂50〜99質量%の比率で含有するものが好ましい。
本発明で用いられる油相部には、本発明の効果を阻害しない範囲で通常分離液状調味組成物に配合される油溶性のその他の成分を含むことが可能であり、例えば、油溶性香料、油溶性香味抽出物、ジグリセリン脂肪酸エステル以外の乳化剤、トコフェロール等の油溶性の酸化防止剤、ステロール等が挙げられる。
油相部中、ジグリセリン脂肪酸エステルが好ましくは0.1〜5.0質量%、より好ましくは0.5%〜2.0質量%であり、残余は食用可能な油脂又は食用可能な油脂と油溶性のその他の成分である。
油相部の製造方法としては特に制限はなく、食用可能な油脂及びジグリセリン脂肪酸エステルを含む油相部が均一になるように、公知の方法で混合、撹拌すればよい。
本発明で用いられる水相部は、ポリグリセリン脂肪酸エステル及び増粘多糖類を含めば特に制限はない。
本発明で用いられる水相部に含まれるポリグリセリン脂肪酸エステルは、ポリグリセリンと脂肪酸とのエステル化生成物であり、エステル化反応等自体公知の方法で製造される。
上記ポリグリセリンは、通常グリセリン又はグリシドールあるいはエピクロルヒドリン等を加熱し、重縮合反応させて得られる重合度の異なるポリグリセリンの混合物である。該ポリグリセリンとしては、グリセリンの平均重合度が5〜20、好ましくは6〜15のポリグリセリン組成物が挙げられ、それらは例えば、ヘキサグリセリン(平均重合度約6)、オクタグリセリン(平均重合度約8)又はデカグリセリン(平均重合度約10)等である。なお、ポリグリセリン組成物中にジグリセリン、トリグリセリン及びテトラグリセリンが微量〜少量含まれていても、ポリグリセリン組成物としての平均重合度が上記に示す値であれば、そのものは、ここでいうポリグリセリン組成物に含まれる。
上記脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば、炭素数6〜24の直鎖の飽和又は不飽和脂肪酸が挙げられ、好ましくは、炭素数16〜18の直鎖の飽和脂肪酸、即ちパルミチン酸又はステアリン酸等を、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上含有する脂肪酸又は脂肪酸混合物が挙げられる。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルの製法の概略は以下の通りである。即ち、ポリグリセリンと脂肪酸を、例えば等モルでエステル化反応させ、反応終了後、反応液を例えば約100℃で保持しながら約15分間静置することによって反応液を二層分離し、未反応のポリグリセリンを含む層を除去することにより、ポリグリセリン脂肪酸エステルが得られる。好ましいポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えばデカグリセリンステアリン酸エステル、デカグリセリンオレイン酸エステル等が挙げられる。
本発明で用いられる水相部に含まれる増粘多糖類は、水に分散して増粘安定剤として使用することが可能なものであれば特に制限はないが、例えば、キサンタンガム、カラギーナン、トラガントガム、ジェランガム、グァーガム、グルコマンナン、タラガム、ローカストビーンガム、ペクチン、タマリンドシードガム、アルギン酸ナトリウム、寒天、大豆多糖類、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる、好ましくはキサンタンガム、カラギーナン、ジェランガム、ペクチン、大豆多糖類、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。これら増粘多糖類は、1種類で用いても良いし、2種類以上を任意に組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられる水相部には、本発明の効果を阻害しない範囲で通常分離液状調味組成物に配合されるその他の成分を含むことが可能であり、例えば、食塩、糖類(ショ糖、果糖ブドウ糖液等、コーンシロップ等)、調味料(L‐グルタミン酸ナトリウム、核酸系調味料等)、各種エキス類(畜肉エキス、酵母エキス、たん白加水分解物等)、発酵調味料(醤油、味噌、酒、味醂、酢、豆板醤等)、香辛料(胡椒、唐辛子等)、野菜類(タマネギ、長ネギ、生姜、ニンニク、大根、青ジソ等)、果汁(リンゴ、柑橘類等)等が挙げられる。
水相部の製造方法としては特に制限はなく、ポリグリセリン脂肪酸エステル及び増粘多糖類を含む水相部が均一になるように、公知の方法で混合、撹拌すればよい。尚、水相部の製造方法において、調理感を出すため、或いは微生物を低減するために、加熱する工程を含んでいてもよい。
水相部中のポリグリセリン脂肪酸エステルの配合量としては、水相部中に好ましくは0.05〜3.0質量%、より好ましくは0.1〜2.0質量%、更により好ましくは0.5〜1.0質量%である。
水相部中の増粘多糖類の配合量としては、水相部中に好ましくは0.01〜5.0質量%、より好ましくは0.05〜2.0質量%、更により好ましくは0.1〜1.0質量%である。
本発明の分離液状調味組成物は、上記油相部が上層、上記水相部が下層に分離し、2層からなるものである。分離液状調味組成物の油相部と水相部の配合比率(質量比率)としては、油相部:水相部が、好ましくは5〜70:95〜30、より好ましくは15〜50:85〜50である。
分離液状調味組成物は、容器に収容して密閉することが好ましい。上記容器に特に制限はないが、例えば、ガラス容器、プラスチック容器(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリ乳酸等の容器)、紙容器、金属容器、パウチ容器等が挙げられる。
かくして得られた分離液状調味組成物は、弱い撹拌により油相部と水相部とが乳化して一定の油滴粒子径、具体的には油滴のメジアン径が20〜100μmの乳化物となって、クリーミーな風味を有し、その乳化状態が喫食時又は使用時の間保持して分離することがないという効果を奏する。
ここで弱い撹拌とは、工業的な機械による強力な撹拌(例えば、乳化機を用いた乳化等)とは異なり、容器等に入った分離液状調味組成物を人の手による振とう等の弱い撹拌を意味する。
本発明の分離液状調味組成物は、上述の様に弱い撹拌により油滴のメジアン径が20〜100μmとなって、クリーミーな風味を有する乳化物となる。一方、工業的な機械による強力な撹拌により油相部と水相部とが乳化した場合、油滴のメジアン径が、例えば1〜20μm未満と非常に細かい乳化物となって、クリーミーな風味を有するものの、弱い撹拌によって得られた乳化物では感じられる油脂特有のコク味及び香りがなく、もの足りないものとなる。
以下に本発明を実施例で説明するが、これは本発明を単に説明するだけのものであって、本発明を限定するものではない。
≪分離液状調味組成物の作製≫
(1)原材料
[油相部]
菜種サラダ油(商品名;ナタネサラダ油;ボーソー油脂社製)
ジグリセリン脂肪酸エステル(商品名:ポエムDO‐100V;理研ビタミン社製 モノエステル体含量約80質量%)
[水相部]
ポリグリセリン脂肪酸エステル(商品名:ポエムJ‐0081HV;理研ビタミン製 デカグリセリンステアリン酸エステル)
HMペクチン(商品名:UNIPECTINE AYD5090MB:カーギル社製)
キサンタンガム(商品名:K−OB:DSP五協フード&ケミカル社製)
果糖ぶどう糖液糖(商品名:フジフラクトH−100;日本食品化工社製)
食塩(商品名:ナイカイ食塩;ナイカイ塩業社製)
グルタミン酸ナトリウム(商品名:グルタミン酸ソーダS(V);キリン協和フーズ社製)
醸造酢(商品名:高酸度酢HA−150:マルカン酢社製、酸度15.0)
卵黄(商品名:凍結10%加塩卵黄:イセ食品社製)
(2)原材料配合
上記原材料を用いた分離液状調味組成物(試作品)に用いる油相部及び水相部の配合量を表1、2に示す。ここで、分離液状調味組成物(試作品)に用いる油相部1〜5と水相部1〜5とをそれぞれ組み合わせた試作品1〜5が実施例であり、油相部6〜9と水相部6〜9とをそれぞれ組み合わせた試作品6〜9が比較例である。尚、油相部と水相部の組み合わせ比率は、油相部:水相部が40質量部:60質量部である。
Figure 2017216966
Figure 2017216966
(3)分離液状調味組成物の作製方法
表1の等倍量の原材料を200mLビーカーに加え、スパチュラを用いて撹拌しながら加温し、約70℃で加熱を停止し常温で室温(約25℃)まで放冷して油相部を作製した。
表2の2倍量の原材料を500mLステンレス製ジョッキに加え、ホモミキサー(型式MARK II2.5型;プライミクス社製)を用いて5000rpmで5分間混合した後、スパチュラで撹拌しながら90℃まで加熱した後、水槽中で室温(約25℃)まで冷却して水相部を作製した。
得られた油相部及び水相部を、200mLのビーカーに油相部を40g、水相部を60g注ぎ入れて分離液状調味組成物1〜9を得た。
≪分離液状調味組成物の評価≫
(1)弱い撹拌による乳化方法
得られた分離液状調味組成物を、スリーワンモータ(型式:BLh600;新東科学社製)に取り付けた撹拌翼(型式:プロペラR;新東科学社製)を分離液状調味組成物の中間層に位置させ、600rpmで10秒間撹拌して分離液状調味組成物の弱い撹拌による乳化物を得た。
(2)油滴粒子径測定による乳化状態の評価
弱い撹拌による乳化物が得られた直後、レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置(型式:LA960:HORIBA製)を用いて乳化した油滴粒子のメジアン径を測定した。また喫食又は使用時の終了時を想定し、弱い撹拌による乳化物が得られてから30分後にも同様に乳化した油滴粒子のメジアン径を測定した。測定結果は、以下の基準に従って記号化した。
また、弱い撹拌による乳化物が得られてから30分後であっても乳化状態であり、メジアン径が20〜100μmである場合、乳化状態が十分に保持されていると判断した。結果を表4に示す。
[記号化]
〇:乳化状態であり、メジアン径が20〜100μm。
×:乳化状態であり、メジアン径が100μmを超える。
−:油相部と水相部が分離し乳化が壊れている状態。測定できず。
(3)目視による乳化状態の評価
弱い撹拌による乳化物が得られた直後、及び30分後の乳化状態について、油相部と水相部の分離度合を下記評価基準にて目視にて評価した。結果を表4に示す。
[評価基準]
〇:油相部と水相部が、全く分離しなかった。
△:油相部及び水相部が、僅かに分離した。
×:油相部及び水相部が、完全に分離した。
(4)乳化物のクリーミー感の評価
弱い撹拌による乳化物が得られた直後、喫食してクリーミー感の官能評価を行った。官能評価は、表3に示す評価基準に従い、10名のパネラーで評価した。結果は10名の評価点の平均値として求め、以下の基準に従って記号化した。また喫食又は使用時の終了時を想定し、弱い撹拌による乳化物が得られてから30分後にも同様に官能評価を行った。結果を表4に示す。
[記号]
◎:平均値3.5以上
○:平均値2.5以上3.5未満
△:平均値1.5以上2.5未満
×:平均値1.5未満
Figure 2017216966
Figure 2017216966
結果より、実施例である試作品1〜5は、弱い撹拌直後及び弱い撹拌30分後であっても乳化状態(油滴粒子径、目視)が良好であった。また、乳化物のクリーミー感は、弱い撹拌直後及び弱い撹拌30分後のいずれも良好は評価であった。
一方、比較例6、7及び9は、弱い撹拌直後の乳化状態(油滴粒子径)は、乳化状態が保持されたが、弱い撹拌30分後は油相部及び水相部が完全に分離した。更に、乳化状況(目視)は、弱い撹拌直後は良好であるが、弱い撹拌30分後は油相部及び水相部が完全に分離した。そして、乳化物のクリーミー感は、弱い撹拌直後及び弱い撹拌30分後のいずれも悪い評価或いは非常に悪い評価であった。
また、比較例である試作品8は、弱い撹拌直後の乳化状態(油滴粒子径)は、油滴粒径が100μmを超えて乳化状態が十分に保持されなかった。更に乳化状況(目視)は、弱い撹拌直後は良好であるが、弱い撹拌30分後は油相部及び水相部が完全に分離した。そして、乳化物のクリーミー感は、弱い撹拌直後及び弱い撹拌30分後のいずれも非常に悪い評価であった。
≪容器詰分離液状調味組成物の作製及び評価≫
(1)容器詰分離液状調味組成物の作製
表1及び2の試作品1、2、5、6、8、9に記載の油相部の等倍量及び水相部の等倍量をそれぞれ作製し、100mLPETボトル(型式:ヤマト100ミニチュア;ヤマトマテリアル社製)に水相部60g、油相部40gを注ぎ入れた後、栓をして密封し容器詰分離液状調味組成物10〜15を得た。
(2)容器詰分離液状調味組成物の評価
得られた容器詰分離液状調味組成物10〜15のいずれかを下記方法で弱い撹拌(手による振とう)を行った。即ち、容器詰分離液状調味組成物10〜15のいずれかの胴部分を手で掴み、上下に振る動作を15回/5秒の速さで5秒間、約10cmのふり幅で振とうをおこなって、分離液状調味組成物の弱い撹拌による乳化物を得た。
その後、「油滴粒子径測定による乳化状態の評価」「目視による乳化状態の評価」「乳化物のクリーミー感の評価」と同様に評価を行った。結果を表5に示す。
Figure 2017216966
結果より、実施例である試作品10〜12は、弱い撹拌直後及び弱い撹拌30分後であっても乳化状態(油滴粒子径、目視)が良好であった。また、乳化物のクリーミー感は、弱い撹拌直後及び弱い撹拌30分後のいずれも非常に良好な評価であった。
一方、比較例13及び15は、弱い撹拌直後の乳化状態(油滴粒子径)は、乳化状態が保持されたが、弱い撹拌30分後は油相部及び水相部が完全に分離した。更に、乳化状況(目視)は、弱い撹拌直後は良好であるが、弱い撹拌30分後は油相部及び水相部が完全に分離した。そして、乳化物のクリーミー感は、弱い撹拌直後及び弱い撹拌30分後では悪い評価或いは非常に悪い評価であった。
また、比較例である試作品14は、弱い撹拌直後の乳化状態(油滴粒子径)は、油滴粒径が100μmを超えて乳化状態が十分に保持されなかった。更に乳化状況(目視)は、弱い撹拌直後は良好であるが、弱い撹拌30分後は油相部及び水相部が完全に分離した。そして、乳化物のクリーミー感は、弱い撹拌直後及び弱い撹拌30分後のいずれも非常に悪い評価であった。

Claims (1)

  1. 油相部にジグリセリン脂肪酸エステルを含み、水相部にポリグリセリン脂肪酸エステル及び増粘多糖類を含むことを特徴とする分離液状調味組成物。
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