JP2017216160A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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一洋 吉井
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Abstract

【課題】非水電解質二次電池において、正極リードの端部を正極保護テープにより保護しながらも、正極保護テープ上に混入した金属粉を検知する。【解決手段】非水電解質二次電池は、正極と、負極と、セパレータと、正極に接続された正極リードと、正極の一部を覆う正極保護テープと、を有する電極群を備える。正極は、正極集電体と正極活物質層とを備え、正極集電体に正極活物質層が担持されていない露出部を有する。正極リードは、露出部に接続され、露出部と重なる重複部を有する。露出部の少なくとも一部は、重複部の少なくとも一部とともに、正極保護テープで覆われている。正極保護テープは、露出部および重複部と接触する導電性粘着層と、導電性粘着層を覆う導電性樹脂層と、を含み、導電性樹脂層は、導電性粘着層を介して正極集電体と電気的に接続されている。正極保護テープの厚み方向の抵抗は、5×10-1〜1×105Ω・cm2である。【選択図】図2

Description

本発明は、正極リードの端部を保護する正極保護テープを備える非水電解質二次電池に関する。
非水電解質二次電池において、正極は、正極集電体と、正極集電体に担持された正極活物質層とを備えている。正極には、正極活物質層を有さない正極集電体の露出部が形成され、露出部には正極リードの長さ方向の一端部が接続される。正極リードの他端部は、電池の正極端子に接続される。これにより、正極リードは、正極と正極端子とを電気的に接続している。電極群の構成要素には大きな圧力が加わるため、内部短絡を抑制する観点から、正極リードの一端部は、絶縁性の保護テープで覆われている(特許文献1)。
特許文献2では、高率充放電特性を高める観点から、電極タブと、集電体との接合部を、絶縁性の基材に導電性の粘着剤層を形成したシート、金属箔、または導電性樹脂で被覆することにより、電気的な接続抵抗を低減することを提案している。
特開2003−132875号公報 特開2009−076301号公報
電池の製造過程で、電極間に鉄や銅などの金属粉が混入することがある。混入した金属粉は、充電時に溶解して負極上に析出し、内部短絡を引き起こす。そのため、充電状態の電池を開回路で放置したときの電圧低下量により、金属粉の混入を判定している。
しかし、特許文献1のような絶縁性の保護テープを用いると、保護テープ上に異物が存在する場合には、金属粉には電気が流れず、充電時に溶解することもない。そのため、電圧低下が起こらず、金属粉の混入を検知できない。
特許文献2では、集電体とリードの接合部を、導電性シートで被覆している。しかしながら、特許文献2の導電性シートは、絶縁性の基材上に導電性粘着剤層を形成した導電性シート、導電性樹脂層に非導電性粘着層を形成した導電性シート、金属箔、金属箔に導電性粘着層を形成した導電性シート、または導電性樹脂を接合部に直接塗布したものである。
特許文献2のように、絶縁性の基材や非導電性粘着層を用いた導電性シートで集電体とリードの接合部を被覆すると、混入した金属粉が導電性シート上に存在しても、金属粉には電気が流れず、金属粉の混入を検知することができない。また、金属箔や金属箔に導電性粘着層を形成した導電性シートで接合部を被覆すると、金属箔自体に存在するバリや、リード端部のバリによる金属箔自体の変形によって、セパレータが破断して内部短絡が起こる。さらに、基材を用いずに、導電性樹脂を接合部に直接塗布して被覆しても、リードの端部のバリの保護が不十分となり、内部短絡を防ぐことができない。
本発明の一局面は、電極群と非水電解質とを備え、
前記電極群は、正極と、負極と、前記正極および前記負極の間に介在するセパレータと、前記正極に電気的に接続された正極リードと、前記正極の一部を覆う正極保護テープと、を備え、
前記正極は、正極集電体と、前記正極集電体に担持された正極活物質層と、を備え、かつ前記正極集電体に前記正極活物質層が担持されていない露出部を有し、
前記正極リードは、前記露出部に接続されており、前記露出部から突出する引き出し部と、前記露出部と重なる重複部と、を有し、
前記露出部の少なくとも一部が、前記重複部の少なくとも一部とともに、前記正極保護テープで覆われており、
前記正極保護テープは、前記露出部および前記重複部と接触する導電性粘着層と、前記導電性粘着層を覆う導電性樹脂層と、を含み、
前記導電性樹脂層は、前記導電性粘着層を介して前記正極集電体と電気的に接続され、
前記正極保護テープの厚み方向の抵抗は、5×10-1〜1×105Ω・cm2である、非水電解質二次電池に関する。
本発明に係る非水電解質二次電池によれば、正極集電体の露出部に接続した正極リードの端部を正極保護テープにより保護することができ、かつ混入した金属粉が正極保護テープ上に配置される場合でも、金属粉の混入を検知することができる。
本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池に用いられる帯状の正極の要部の平面図である。 図1の正極を負極と重ねた状態のII−II線による矢示断面図である。 本発明の一実施形態に係る円筒型の非水電解質二次電池の概略縦断面図である。
[非水電解質二次電池]
本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池は、電極群と非水電解質とを備える。電極群は、正極と、負極と、正極および負極の間に介在するセパレータと、正極に電気的に接続された正極リードと、正極の一部を覆う正極保護テープと、を備える。正極は、正極集電体と、正極集電体に担持された正極活物質層と、を備え、かつ正極集電体に正極活物質層が担持されていない露出部を有する。正極リードは、露出部に接続されており、露出部から突出する引き出し部と、露出部と重なる重複部と、を有する。露出部の少なくとも一部は、重複部の少なくとも一部とともに、正極保護テープで覆われている。正極保護テープは、露出部および重複部と接触する導電性粘着層と、導電性粘着層を覆う導電性樹脂層と、を含む。導電性樹脂層は、導電性粘着層を介して正極集電体と電気的に接続されている。正極保護テープの厚み方向の抵抗は、5×10-1〜1×105Ω・cm2である。
リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池では、電気を取り出すために、電極群の正極に正極リードが接続され、負極に負極リードが接続され、電池の正極端子および負極端子にそれぞれ接続されている。これらのリードは、電極に活物質層が担持されておらず、集電体が露出した露出部に接続される。リードにはバリが形成されていることがあるため、露出部に接続された部分(重複部)では、従来、絶縁性の保護テープでリードを保護し、内部短絡の発生を防止している。
電池の製造過程で電極群内に鉄や銅などの金属粉が混入することがある。混入した金属粉が活物質層上に存在すると、充電時に溶解して負極上に析出し内部短絡を引き起こす。そのため、充電状態の電池を開回路で放置したときの電圧低下量を調べることにより、金属粉の混入を検知することができる。しかし、絶縁性の保護テープ上に金属粉が存在する場合には、金属粉に電気が流れないため、充電時に溶解することもなく、電圧低下も起こらない。そのため、異物の混入を検知することができない。このような金属粉が混入した状態では、金属粉の周辺では電極に加わる圧力が高くなり、液回りが悪くなるため放電性能が低下する。
本実施形態では、導電性粘着層と導電性粘着層を覆う導電性樹脂層とを含む正極保護テープで、正極集電体の露出部の少なくとも一部と、露出部と重なる正極リードの重複部の少なくとも一部とを覆う。導電性粘着層は、正極集電体の露出部および重複部と接触しており、導電性樹脂層は、導電性粘着層を介して正極集電体と電気的に接続している。正極保護テープは、適度な厚み方向の抵抗(つまり、適度な導電性)を有している。従って、このような正極保護テープ上に金属粉が存在しても、充電時に溶解して、負極上に析出し、電圧低下を引き起こすため、金属粉の混入を検知することができる。また、正極保護テープにより、正極リードのバリを効果的に保護することができ、金属箔と異なり、正極保護テープの変形が抑制され、セパレータの破断を抑制することができる。よって、内部短絡を抑制することができる。
一方、電池の製造過程では、正極と負極との間にセパレータを介在させて、大電圧(例えば、400Vの電圧)を印加し、抵抗値の違いなどに基づいて、セパレータの破れなどの有無を確認する場合がある。正極保護テープの導電性が、正極活物質層が存在する領域の導電性よりも極端に高いと、その領域に電流が集中し、正極活物質層が存在する領域に電流が流れ難くなり、セパレータの破れなどを検知し難くなる。正極保護テープの厚み方向の抵抗が5×10-1〜1×105Ω・cm2の範囲であれば、電池の製造過程においてセパレータの破れなどの検知が容易になる。
導電性樹脂層は、樹脂と、樹脂中に分散された導電性フィラー(第1導電性フィラー)とを含むことが好ましい。樹脂で正極保護テープの弾性や柔軟性を確保しながらも、第1導電性フィラーにより導電性を付与することで、正極保護テープの導電性の調節が容易になる。
導電性粘着層は、粘着剤と、粘着剤中に分散された導電性フィラー(第2導電性フィラー)とを含むことが好ましい。粘着剤で正極保護テープの正極集電体や正極リードに対する粘着性を確保しながらも、正極保護テープの導電性の調節が容易になる。
露出部に貼り付けられた正極保護テープの上面と、これと対向する負極の表面との距離は、正極リードや正極合剤層の上面と負極の表面との距離に比べて大きくなり易い。そのため、正極保護テープの正極集電体の露出部上に位置する領域では、他の領域に比べて金属の析出による内部短絡が起こり難い。そこで、正極保護テープの正極集電体の露出部上に位置する領域においても、異物混入に伴う電圧低下をより高感度で検知する観点からは、正極リードの厚みを、例えば、150μm以下にすることが好ましい。正極リードの厚みがこのように小さくなると、正極表面と負極表面との距離の差のばらつきを低減することができるため、電圧低下を検知する感度を高めやすくなる。
以下、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池について、リチウムイオン二次電池を例に挙げ、適宜図面を参照しながら更に詳細に説明する。
非水電解質二次電池が備える電極群は、巻回式電極群および積層式電極群のいずれであってもよい。巻回式電極群では、正極と負極とが、セパレータを介して巻回されている。また積層電極群では、正極と負極とが、セパレータを介して積層された積層体を一つ以上有している。電池の形状は特に制限されず、円筒形電池であってもよく、角形電池や偏平型電池であってもよい。また、電池ケースは、ラミネートフィルムで形成してもよい。
(正極)
正極は、正極集電体と、正極集電体に担持された正極活物質層と、を有する。ただし、正極集電体には、正極活物質層を有さない露出部が設けられる。露出部は、正極集電体の両面に正極活物質層を有さない両面露出部でもよく、正極集電体の片面に正極活物質層を有さない(すなわち他方の面には正極活物質層を有する)片面露出部でもよい。露出部の形状は、特に限定されないが、帯状電極の場合、正極集電体の長さ方向に対して80〜100度の角度で交わる幅の狭いスリット状であることが望ましい。スリット状の露出部の幅は、例えば、3mm〜20mmである。
正極集電体としては、シート状の導電性材料が使用され、なかでも金属箔が好ましい。金属箔を形成する金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、チタン、チタン合金などが好ましい。正極集電体の厚みは、例えば、1〜100μmであり、10〜50μmが好ましい。
正極活物質層は、正極活物質、導電剤、結着剤などを含む。正極活物質は、リチウムイオンをドープおよび脱ドープ可能な材料であり、例えばリチウム含有複合酸化物が好ましく用いられる。リチウム含有複合酸化物は、酸化還元により価数が変化する遷移金属を含む。遷移金属としては、バナジウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、チタンなどが挙げられる。より具体的には、LiCoO2、LiMn24、LiNiO2、LiNix1Mny1Co1-(x1+y1)2、LiNix2Coy21-(x2+y2)2、αLiFeO2、LiVO2などが例示できる。ここで、x1およびy1は、0.25≦x1≦0.6、0.25≦y1≦0.5であり、x2およびy2は、0.75≦x2≦0.99、0.01≦y2≦0.25であり、Mは、Na、Mg、Sc、Y、Ti、V、Cr、Fe、Cu、Ag、Zn、Al、Ga、In、Sn、PbおよびSbの群から選ばれる少なくとも1つの元素である。
正極活物質層に含ませる導電剤には、カーボンブラック、黒鉛、炭素繊維などが用いられる。導電剤の量は、正極活物質100質量部あたり、例えば0〜20質量部である。正極活物質層に含ませる結着剤には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂、アクリル樹脂、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)などのゴム(ゴム粒子)などが用いられる。結着剤の量は、正極活物質100質量部あたり、例えば0.5〜15質量部である。
正極活物質層は、正極活物質、結着剤、導電剤などを含む正極合剤を、分散媒とともに混練して、正極ペーストを調製し、正極ペーストを正極集電体の表面の所定領域に塗布し、乾燥し、圧延することにより形成される。分散媒としては、有機溶媒、水などが用いられる。有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)が好ましく用いられるが、特に限定されない。正極ペーストの塗布は、様々なコーターを用いて行うことができる。塗布後の乾燥は、自然乾燥でもよく、加熱下で行ってもよい。正極活物質層の厚みは、例えば50μm〜200μmであり、60μm〜150μmが好ましい。
例えば、帯状の正極の場合、正極集電体の露出部は、正極ペーストを正極集電体に間欠的に塗工することにより形成される。露出部は、正極の長さ方向における端部に形成してもよいが、端部以外の領域(例えば両方の端部から正極の長さの20%以上の距離を離れた位置)に形成することが多い。露出部は、帯状の正極集電体の幅方向の一端部から他端部までが露出するスリット状の露出部であることが望ましい。なお、露出部は、正極から正極活物質層の一部を剥離して形成してもよい。
露出部には、例えばストリップ状(短冊状)の正極リードが電気的に接続されている。例えば、正極リードの露出部と重なる部分(重複部)の少なくとも一部が、露出部に、溶接により接合される。その後、正極集電体の露出部の少なくとも一部(好ましくは露出部の面積の50%以上)と、正極リードの重複部の少なくとも一部(好ましくは重複部の面積の90%以上)とが、共に正極保護テープで覆われる。
正極リードの材料としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、鉄、ステンレス鋼などが用いられる。
正極リードの厚みは、例えば、10μm〜200μmの範囲から選択できる。金属粉の混入が検知し易くなる観点からは、160μm以下または150μm以下であることが好ましく、100〜150μmであってもよい。特に正極合剤層の厚みが正極リードの厚みよりも小さい場合に、正極リードの厚みを160μm以下や150μm以下にすることが好ましい。正極リードのサイズは、特に限定されないが、例えば、幅2mm〜8mm、長さ20mm〜80mmのストリップ状である。
図1は、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池に用いられる帯状の正極の要部の平面図である。図2は、図1の正極を負極と重ねた状態のII−II線による矢示断面図である。帯状の正極10は、正極集電体10aの一部を除く両面に正極活物質層10cを有する。正極集電体10aの片面には、正極集電体10aの幅方向の一端部から他端部までが露出するスリット状の露出部10bが設けられている。
露出部10bの幅Wは、電池のサイズに依存するが、通常、正極リード13の幅より大きく、例えば3mm〜20mmであり、5mm〜16mmであることが望ましい。露出部10bには、ストリップ状の正極リード13の重複部13aの一部が溶接されている。重複部の長さD(重複部13aと引き出し部13bとの境界と、境界から最も離れた重複部13aの位置までの距離)は、電池のサイズに依存する。長さDは、例えば10mm〜60mmであり、正極集電体10aの幅L(短手方向の長さ)の5%〜100%であり、20%〜95%であることが好ましい。
バリによる内部短絡を防止する効果を最大限に高める観点から、正極保護テープ14は、正極リード13の重複部13aの全面と、重複部13aの周辺の露出部10bとを覆っている。また、引き出し部13bの部分における内部短絡を抑制する観点から、引き出し部13bの重複部13a側の端部は、絶縁テープ11で覆われている。絶縁テープ11は、引き出し部13bの端部において正極リード13の両面を覆うように配置することが好ましい。絶縁テープ11は、必ずしも用いる必要はないが、絶縁テープ11を引き出し部13bに用いることで、正極リード13が電池ケースなどに接触して短絡することを抑制できる。
図2に示されるように、正極保護テープ14は、基材である導電性樹脂層14aとこの表面に形成された導電性粘着層14bとを含む。そして、正極保護テープ14は、導電性粘着層14bが正極リード13およびとその周辺の露出部10bに接着されている。正極10は、正極活物質層10cが、セパレータ30を介して、負極20の負極集電体20aに担持された負極活物質層20bに対向するように、負極20と重ねられている。
(正極保護テープ)
正極保護テープ14は、基材となる導電性樹脂層と、露出部および正極リードに付着させるための導電性粘着層とを有する。
導電性樹脂層は、導電性樹脂で構成してもよい。導電性樹脂としては、例えば、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリチオフェンおよびポリアニリンなどが挙げられる。
入手が容易で低コストである観点からは、導電性樹脂層は、樹脂と第1導電性フィラーとの混合物で構成することが好ましい。樹脂としては、適度な弾性や柔軟性を有し、正極リードのバリを保護することができる限り、特に制限されない。樹脂としては、例えば、ポリイミド、ポリアミド(芳香族ポリアミドなど)、ポリアミドイミド、ポリオレフィン(ポリプロピレン(PP)など)、ポリエステル(ポリエチレンナフタレートなど)、ポリフェニルスルホン(PPS)、ポリフェニレンスルフィドなどが好ましい。これらの樹脂は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。PPSやポリイミドを少なくとも含む樹脂を用いることが好ましい。
第1導電性フィラーとしては、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどカーボンブラックや黒鉛等の炭素材料、金属、導電性の金属化合物などを用いることができる。金属としては、銀、銅、ニッケル、チタン、および/またはアルミニウムなどが例示できる。金属化合物としては、これらの金属を含む酸化物、水酸化物、無機酸塩、ハライドなどが例示できる。第1導電性フィラーは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。正極における安定性に優れる観点からは、チタンやアルミニウムが好ましく、これらの元素を含む合金や金属化合物を用いてもよい。第1導電性フィラーは、繊維状であってもよいが、粒子状が好ましい。粒子状のフィラーは、特に制限されず、球状、鱗片状、ウィスカー状などのいずれであってもよい。
粒子状の第1導電性フィラーの平均粒子径は、導電性樹脂層の厚みに応じて適宜設計すればよい。第1導電性フィラーの平均粒子径(体積基準の粒度分布におけるメディアン径)は、例えば2μm以下が望ましく、1μm以下がより望ましい。分散性を考慮すると、第1導電性フィラーの粒子の平均粒子径は、50nm以上が望ましい。
第1導電性フィラーの量は、所望する正極保護テープの導電性に応じて調節でき、導電性樹脂層の、例えば、1〜40質量%であることが好ましい。
導電性粘着層は、例えば、粘着剤と、第2導電性フィラーとを含む。粘着剤としては、様々な樹脂材料を用いることができる。例えば、アクリル樹脂、天然ゴム、合成ゴム(ブチルゴムなど)、シリコーン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。粘着剤は、必要に応じて、粘着付与剤、架橋剤、老化防止剤、着色剤、酸化防止剤、連鎖移動剤、可塑剤、軟化剤、界面活性剤、帯電防止剤などの添加剤や、微量の溶剤を含んでいてもよい。
第2導電性フィラーとしては、第1導電性フィラーについて例示したものから適宜選択できる。第2導電性フィラーの形状や粒子状の第2導電性フィラーの平均粒子径は、第1導電性フィラーについて記載したものから適宜選択できる。
第2導電性フィラーの量は、所望する正極保護テープの導電性に応じて調節でき、導電性粘着層の、例えば、1〜40質量%であることが好ましい。
高い粘着性を確保し易く、テープ設計が容易である観点から、導電性粘着層の厚みは、例えば5μm〜30μmもしくは10μm〜25μmであることが望ましい。
正極保護テープの厚みは、20〜80μmであることが好ましく、30〜70μmであることがより好ましい。
正極保護テープの厚み方向の抵抗は、5×10-1〜1×105Ω・cm2であることが好ましく、異物混入に伴う電圧低下を検知しやすい観点からは、5×10-1〜1×103Ω・cm2であることが好ましい。
電池の製造過程において、セパレータの破れなどの有無を確認し易い観点からは、正極保護テープの導電性と正極活物質層の導電性とはできるだけ近い方が好ましい。正極保護テープの厚み方向の抵抗と正極活物質層の厚み方向の抵抗の比(正極保護テープの抵抗/正極活物質層の抵抗)は、例えば、0.1〜10であることが好ましく、0.5〜5であることがさらに好ましい。
なお、正極保護テープは、必要に応じて、露出部の全面を覆っていてもよい。また、正極保護テープは、必要に応じて、正極の幅方向における両端部からはみ出していてもよい。この場合、正極からのはみ出し幅は、各端部において、それぞれ0.5〜20mmとしてもよい。同様に、正極保護テープは、露出部の幅方向における両端部から正極活物質層上にまで、はみ出していてもよい。正極活物質層上へのはみ出し幅は、各端部において、それぞれ0.5〜5mmとしてもよい。
(負極)
負極は、負極集電体と、負極集電体に担持された負極活物質層と、を有する。通常、負極集電体にも、負極活物質層を有さない露出部が設けられる。露出部には、例えばストリップ状の負極リードが接続される。
負極集電体としては、シート状の導電性材料が使用され、なかでも金属箔が好ましい。金属箔を形成する金属としては、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、ステンレス鋼などが好ましい。負極集電体の厚みは、例えば、1〜100μmであり、2〜50μmが好ましい。
負極活物質層は、負極活物質、結着剤などを含む。負極活物質は、リチウムイオンをドープおよび脱ドープ可能な材料であり、炭素材料(天然黒鉛、人造黒鉛などの各種黒鉛、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボンなど)、正極よりも低電位でリチウムイオンのドープおよび脱ドープを行う遷移金属化合物、合金系材料などを用いることができる。合金系材料としては、ケイ素、ケイ素酸化物などのケイ素化合物、ケイ素合金、スズ、スズ酸化物、スズ合金などが挙げられる。これらの負極活物質は、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて用いてもよい。
負極活物質層に含ませる結着剤には、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ゴム(ゴム粒子)、セルロース樹脂(例えばカルボキシメチルセルロース(CMC))などが用いられる。結着剤の量は、活物質100質量部あたり、例えば0.5〜15質量部である。
負極活物質層は、負極活物質、結着剤などを含む負極合剤を、分散媒とともに混練して、負極ペーストを調製し、負極ペーストを負極集電体の表面の所定領域に塗布し、乾燥し、圧延することにより形成される。分散媒としては、正極ペーストと同様、有機溶媒、水などが用いられる。負極ペーストの塗布は、正極と同様に行うことができる。負極活物質層の厚みは、例えば70μm〜250μmであり、100μm〜200μmが好ましい。
(非水電解質)
非水電解質は、非水溶媒にリチウム塩を溶解することにより調製される。非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状カーボネート;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート;γ−ブチロラクトンなどのラクトン;ギ酸メチル、酢酸メチルなどの鎖状カルボン酸エステル;1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化アルカン;1,2−ジメトキシエタンなどのアルコキシアルカン;4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン;ペンタフルオロプロピルメチルエーテルなどの鎖状エーテル;1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル;アセトニトリルなどのニトリル;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド;3−メチル−2−オキサゾリドンなどのカーバメート;スルホキシド(スルホラン、ジメチルスルホキシドなど)、1,3−プロパンサルトンなどの含硫黄化合物;もしくはこれらの溶媒の水素原子をフッ素原子などのハロゲン原子で置換したハロゲン置換体などが例示できる。非水溶媒は、単独または二種以上を組み合わせて使用できる。
リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiSbF6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、LiN(CF3SO2)(C49SO2)、LiC(CF3SO23、LiClO4、LiAlCl4、Li210Cl10などが使用できる。リチウム塩は、単独または二種以上を組み合わせて使用できる。非水電解質中のリチウム塩の濃度は、例えば、0.5〜1.7mol/L、好ましくは0.7〜1.5mol/Lである。
(セパレータ)
セパレータとしては、樹脂製の微多孔フィルム、耐熱層が表面に塗布された樹脂製の微多孔フィルム、不織布などが使用できる。微多孔フィルムの樹脂としては、ポリオレフィン系材料を用いることが好ましい。ポリオレフィン系材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが例示できる。耐熱層は、例えば、耐熱性樹脂を含み、耐熱性樹脂と無機粒子とを含んでもよい。耐熱層は、多孔質であることが好ましい。耐熱性樹脂としては、アラミド、ポリイミド、ポリアミドイミド等が例示される。無機粒子としては、アルミナ、チタニア等が挙げられる。
セパレータの厚みは、例えば5〜50μmである。
図3は、本発明の一実施形態に係る円筒型の非水電解質二次電池の一例の縦断面図である。
非水電解質二次電池100は、巻回式電極群と、図示しない非水電解質とを含む巻回型電池である。電極群は、帯状の正極10、帯状の負極20およびセパレータ30を含み、正極には正極リード13が接続され、負極には負極リード23が接続されている。なお、正極リード13は、引き出し部13bのみ図示され、重複部および絶縁テープの図示は省略されている。
正極リード13は、長さ方向の一端部が正極10の露出部に接続されており、他端部が封口板90に接続されている。封口板90は、正極端子15を備えている。負極リード23は、一端が負極20に接続され、他端が負極端子になる電池ケース70の底部に接続されている。電池ケース70は、有底円筒型の電池缶であり、長手方向の一端が開口し、他端の底部が負極端子となる。電池ケース(電池缶)70は、金属製であり、例えば鉄で形成されている。鉄製の電池ケース70の内面には、通常、ニッケルめっきが施されている。電極群の上下には、それぞれ樹脂製の上部絶縁リング80および下部絶縁リング60が電極群を挟持するように配置されている。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
(1)正極の作製
コバルト酸リチウム(正極活物質)100質量部と、アセチレンブラック(導電剤)3質量部と、PTFE(結着剤)4質量部と、適量のNMPとを混合して、正極ペーストを調製した。正極ペーストを、厚み20μmのアルミニウム箔(正極集電体)の両面に、連続して間欠的に塗布し、乾燥させ、250℃で10時間熱処理を行なうことにより、厚み290μmの正極を得た。このとき、正極には、正極集電体の幅方向の一端部から他端部までが露出する露出部を設けた。さらに、線圧1×103kgf/cm(≒9.8×103N)で圧延することにより正極の厚みを160μmにした。
正極集電体の露出部に、アルミニウム製の正極リード(長さ60.0mm、幅3.5mm、厚み0.2mm)の長さ方向の一端部を重ね、重複部を超音波溶接した。次いで、重複部全体を覆うとともに、少なくとも重複部周辺の露出部を覆うように、正極保護テープを貼り付けた。このとき、導電性粘着層が重複部および露出部に接触させた。
なお、正極保護テープは、以下の手順で作製した。
導電性フィラーとしてケッチェンブラックを25質量%含むPPS樹脂を用いて、厚み30μmのフィルムを作製した。得られたフィルムを導電性樹脂層として用い、この導電性樹脂層の一方の表面にケッチェンブラックを25質量%含むアクリル系粘着剤を塗布し、厚み8μmの導電性粘着層を形成することにより、正極保護テープを得た。
(2)負極の作製
鱗片状の人造黒鉛(負極活物質、平均粒子径約20μm)100質量部と、SBR(結着剤)4質量部、CMC(増粘剤)0.8質量部と、水とを混合して、負極ペーストを調製した。なお、SBRは水性分散液の状態で用いた。得られた負極ペーストを、厚み14μmの帯状の銅箔(負極集電体)の両面に、連続して間欠的に塗布し、乾燥させ、110℃で10時間熱処理を行なうことにより、厚み300μmの負極を得た。負極集電体の長さ方向の一端部の両面に、負極集電体の幅方向の一端部から他端部までが露出する露出部を設けた。さらに、線圧110kgf/cm(≒1.08×103N)で圧延することにより負極の厚みを200μmにした。
負極集電体の露出部に、ニッケル製の負極リード(長さ60mm、幅3.5mm、厚み0.2mm)を重ね、露出部と重複する部分を、超音波溶接した。次いで、負極リード板の露出部と重複する部分全体を覆うとともに、少なくともこの部分の周辺の露出部を覆うように、ポリプロピレン製の基材を含む絶縁性の保護テープを貼り付けた。
(3)巻回式電極群の作製
正極と負極とを、セパレータ(ポリエチレン製の微多孔膜、厚み16μm)を介して巻回することにより巻回式電極群を作製し、巻き終わり端部を絶縁性の粘着テープで固定した。巻回に先立って、正極の正極保護テープ上には、4mgの微小な鉄屑を配置した。また、正極および負極は、正極リードが接続された露出部が、巻回式電極群の内周側に位置し、負極リードが接続された露出部が、巻回式電極群の巻き終わり端部に位置するように重ねて巻回した。
(4)非水電解質の調製
エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとを2:8の質量比で含む混合溶媒に、LiPF6を1.3mol/Lの濃度となるように溶解させることにより非水電解質を調製した。
(5)電池の作製
内面にニッケルメッキを施した鉄製の電池缶(直径18mm、高さ65mm)に、下部絶縁リングと上部絶縁リングで挟まれた電極群を収納した。このとき、負極リードを下部絶縁リングと電池缶の底部との間に介在させた。また、正極リードに、上部絶縁リングの中心の貫通孔を通過させた。次に、電極群の中心の中空部と下部絶縁リングの中心の貫通孔に電極棒を通して、負極リードの長さ方向の他端部を電池缶の内底面に溶接した。また、上部絶縁リングの貫通孔から引き出された正極リードの長さ方向の他端部を、周縁部にポリプロピレン製の絶縁ガスケットを具備する封口板の内面に溶接した。その後、電池缶の開口付近に溝入れを行い、電池缶に非水電解質を注液し、電極群に含浸させた。次に、封口板で電池缶の開口を塞ぎ、電池缶の開口端部を、ガスケットを介して封口板の周縁部に加締め、円筒型の非水電解質二次電池(電池容量2500mAh)を完成させた。
(6)評価
(a)正極保護テープの厚み方向の抵抗
正極保護テープを1cm×1cmのサイズにカットし、2枚のアルミニウム板の間に挟んで10N/cm2(=0.10MPa)の荷重を加えた。この状態で、正極保護テープの厚み方向の抵抗を、市販の抵抗測定器を用いて4端子法により測定した。なお、アルミニウム板の正極保護テープとの対向面の面積は、1cm2とした。
(b)電池作製直後の電圧検査
作製した電池を、電流値500mAで、充電終止電圧4.2Vまで定電流充電し、4.2Vで60分間、定電圧充電を行なった。電池を開回路状態にて、45℃で3日間放置し、電池電圧を測定し、4.2Vからの電圧低下を算出した。
実施例2〜9
導電性樹脂層および導電性粘着層中のケッチェンブラックの含有量を、正極保護テープの厚み方向の抵抗が表1の値となるように調節した。これ以外は、実施例1と同様に、正極保護テープおよび非水電解質二次電池を作製し、評価を行った。
比較例1
正極保護テープとして、負極保護テープと同じ絶縁性のものを用いた。また、正極保護テープ上には鉄屑を配置しなかった。これら以外は、実施例1と同様に、正極保護テープおよび非水電解質二次電池を作製し、評価を行った。
比較例2
正極保護テープとして、負極保護テープと同じ絶縁性のものを用いた。これ以外は、実施例1と同様に、正極保護テープおよび非水電解質二次電池を作製し、評価を行った。
実施例1〜9および比較例1〜2の結果を表1に示す。表1には、正極保護テープの厚み方向の抵抗値も合わせて示した。実施例1〜9はA1〜A9であり、比較例1〜2はB1〜B2である。
Figure 2017216160
比較例1では、5mVの電圧低下が観測されたが、絶縁性の正極保護テープを用い、鉄屑を配置しなかったため、この電圧低下は、不可避的に発生する自己放電によるものと考えられる。比較例2では、正極保護テープ上に鉄屑を配置したにもかかわらず、比較例1と同じ電圧低下量であり、鉄屑の混入を検知できなかった。これに対し、実施例では、比較例よりも大きな電圧低下が確認された。これは、正極保護テープに電流が流れることで、充電時に鉄屑が溶解して負極上に析出し、この析出物により内部短絡が起こるためと考えられる。このように、実施例では、鉄屑の混入を、電圧低下により検知することができる。
なお、導電性樹脂層に代えて、ポリプロピレン製の基材を用いる以外は、実施例1と同様にして作製した正極保護テープを用いた場合には、比較例2と同様の結果であった。
実施例10〜12
正極リードの厚みを、表2に示すように変更した。これ以外は、実施例5と同様に非水電解質二次電池を作製し、電圧低下の評価を行った。
実施例10〜12の結果を表2に示す。表2には、正極リードの厚みとともに、実施例5の結果も合わせて示した。正極保護テープの厚み方向の抵抗値も合わせて示す。実施例10〜12はA10〜A12である。
Figure 2017216160
表2に示されるように、正極リードの厚みが小さくなると、電圧低下量が増加し、鉄屑の混入を検知する感度が向上した。これは、厚みが小さくなることで、正極リードと負極との間の距離が小さくなり、短絡抵抗が減少することによるものと考えられる。
実施例13
正極保護テープ上には鉄屑を配置しなかった。これら以外は、実施例5と同様に、正極保護テープおよび非水電解質二次電池を作製した。実施例1と同様に、正極保護テープの厚み方向の抵抗を測定するとともに、下記の手順で充放電サイクル後の電圧検査(c)を行なった。
(c)充放電サイクル後の電圧検査
作製した電池を、電流値200mAで、放電終止電圧3.0Vまで定電流放電した。次いで、電流値500mAで、充電終止電圧4.2Vまで定電流充電し、4.2Vで60分間、定電圧充電を行なった。これを放電および充電の1サイクルとして、400サイクル放電および充電を行った後、電池を開回路状態にて、45℃で3日間放置し、電池電圧を測定し、4.2Vからの電圧低下を算出した。
比較例3
正極保護テープの導電性樹脂層に代えて、厚み30μmのアルミニウム箔を用いた。これ以外は、実施例13と同様に、正極保護テープおよび非水電解質二次電池を作製し、評価を行った。
実施例13および比較例3の結果を表3に示す。表3には、正極保護テープの厚み方向の抵抗値も合わせて示す。実施例13はA13であり、比較例3はB3である。
Figure 2017216160
比較例3に示されるように、導電性樹脂層に変えてアルミニウム箔を用いると、鉄屑を配置していない電池でも、充放電サイクル後に顕著な電圧低下が見られた。これはアルミニウム箔のような金属箔を用いると、金属箔自体に存在するバリや、リードの端部やバリにより金属箔自体が変形することで、セパレータが破断し、内部短絡を起こしたためと考えられる。これに対し、実施例13では樹脂基材によりリードの端部やバリを保護できるため、充放電サイクル後でも不可避的に発生する自己放電による電圧低下しか見られなかった。
なお、導電性樹脂層に代えて、実施例1の導電性樹脂層を構成する材料を溶剤で適宜希釈して、重複部全体を覆うとともに、少なくとも重複部周辺の露出部を覆うように、塗布し、乾燥させた場合には、比較例3と同様の結果であった。
本発明に係る非水電解質二次電池では、異物混入の可能性が低減される。よって、ノートパソコン、携帯電話などの電子機器の駆動源、高出力が要求される電力貯蔵装置、電気自動車、ハイブリッド自動車、電動工具などの電源として好適に用いられる。
10:正極、10a:正極集電体、10b:露出部、10c:正極活物質層、11:絶縁テープ、13:正極リード、13a:重複部、13b:引き出し部、14:正極保護テープ、14a:導電性樹脂層、14b:導電性粘着層、W:露出部の幅、D:重複部の長さ、L:正極集電体の幅、15:正極端子、20:負極、20a:負極集電体、20b:負極活物質層、23:負極リード、30:セパレータ、60:下部絶縁リング、70:電池ケース、80:上部絶縁リング、90:封口板、100:非水電解質二次電池

Claims (4)

  1. 電極群と非水電解質とを備え、
    前記電極群は、正極と、負極と、前記正極および前記負極の間に介在するセパレータと、前記正極に電気的に接続された正極リードと、前記正極の一部を覆う正極保護テープと、を備え、
    前記正極は、正極集電体と、前記正極集電体に担持された正極活物質層と、を備え、かつ前記正極集電体に前記正極活物質層が担持されていない露出部を有し、
    前記正極リードは、前記露出部に接続されており、前記露出部から突出する引き出し部と、前記露出部と重なる重複部と、を有し、
    前記露出部の少なくとも一部が、前記重複部の少なくとも一部とともに、前記正極保護テープで覆われており、
    前記正極保護テープは、前記露出部および前記重複部と接触する導電性粘着層と、前記導電性粘着層を覆う導電性樹脂層と、を含み、
    前記導電性樹脂層は、前記導電性粘着層を介して前記正極集電体と電気的に接続され、
    前記正極保護テープの厚み方向の抵抗は、5×10-1〜1×105Ω・cm2である、非水電解質二次電池。
  2. 前記導電性樹脂層は、樹脂と第1導電性フィラーとを含む、請求項1に記載の非水電解質二次電池。
  3. 前記導電性粘着層は、粘着剤と第2導電性フィラーとを含む、請求項1または2に記載の非水電解質二次電池。
  4. 前記正極リードの厚みは、150μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解質二次電池。
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