JP2003036888A - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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JP2003036888A
JP2003036888A JP2001222875A JP2001222875A JP2003036888A JP 2003036888 A JP2003036888 A JP 2003036888A JP 2001222875 A JP2001222875 A JP 2001222875A JP 2001222875 A JP2001222875 A JP 2001222875A JP 2003036888 A JP2003036888 A JP 2003036888A
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Masanobu Kito
賢信 鬼頭
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過充電状態等を始めとする電池内部の温度上
昇に際して、更なる安全性の向上がなされた構造的特徴
を有するリチウム二次電池を提供する。 【解決手段】 電池ケース9内に、セパレータを介した
正極及び負極が巻芯7の外周壁を囲繞するように捲回し
てなる内部電極体1を備え、非水電解液を用いたリチウ
ム二次電池である。リチウム二次電池の内部温度が予め
設定された設定温度以上に上昇すると、自動的に所定の
迂回電流路を通じて電流が流れる迂回機構を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、過充電状態等の
異常時においても、極めて安全性に優れたリチウム二次
電池に関する。
【0002】
【従来の技術】 リチウム二次電池は、近年、急速に小
型化が進んでいる携帯型の通信機器やノート型パーソナ
ルコンピュータ等の電子機器の電源を担う、小型でエネ
ルギー密度の大きな二次電池として実用化されている。
また、国際的な地球環境の保護を背景として省資源化や
省エネルギー化に対する関心が高まる中、リチウム二次
電池は、自動車業界においては、電気自動車やハイブリ
ッド電気自動車用のモータ駆動用バッテリーとして開発
が進められている。更に、電力業界においては、リチウ
ム二次電池は、電力の有効利用手段を図るための夜間電
力貯蔵装置としても期待されており、このような用途に
適する大容量リチウム二次電池の早期実用化に注目が集
まっている。
【0003】 リチウム二次電池は、リチウム遷移金属
複合酸化物等を正極活物質として用い、一方、負極活物
質にはハードカーボンや黒鉛といった炭素質材料を用い
て、充電時には正極活物質中のリチウムイオンが、有機
溶媒にリチウムイオン電解質を溶解してなる電解液を介
して負極活物質に移動して捕捉され、放電時には逆の電
池反応が起こるものである。
【0004】 このように、リチウム二次電池は充放電
の可能な二次電池であるが、従来の鉛蓄電池等の二次電
池よりも電圧が高く、しかもエネルギー密度が大きいと
いう特性を有するために、充放電時の事故を回避する種
々の安全機構が電池内に組み込まれる。例えば、充電装
置の故障による急速充電、若しくは過剰充電、又は使用
者の誤使用による逆接続電位の印加等が行われた場合で
あっても、充分な安全性を確保するための機構が必要と
される。
【0005】 例えば、過充電に伴う電池の温度上昇に
対する安全性を確保するための機構として、マイクロポ
アを有するLiイオン透過性のポリエチレンフィルム
(PEフィルム)を、多孔性のLiイオン透過性のポリ
プロピレンフィルム(PPフィルム)で挟んだ三層構造
としたセパレータが用いられる。これは、電池内部の温
度が上昇した場合に、PEフィルムが約130℃で軟化
してマイクロポアが潰れ、Liイオンの移動即ち電池反
応を抑制(以下、「シャットダウン」と記す。)する安
全機構を兼ねたものである。そして、このPEフィルム
をより軟化温度の高いPPフィルムで挟持することによ
って、PEフィルムが軟化した場合においても、PPフ
ィルムが形状を保持して正極と負極の接触・短絡を防止
することにより、電池反応を制御するとともに安全性を
確保しようとしている。
【0006】 なお、発明者らは25Ahの容量を有す
るリチウム二次電池について過充電試験を行ったときの
電池の温度変化を調べた結果を、Journal of Power Sou
rces 81−82(1999)887−890において
公表しており、過充電に伴う電池の表面温度は、100
℃前後まで達することを確認している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】 過充電等に起因した
電池内部の温度上昇によってセパレータがシャットダウ
ンすることにより、それ以降の温度上昇に伴う危険性は
回避される。しかしながら、電池は過充電状態を維持し
ているため、更なる高電圧が印加された場合には危険な
場合も想定され得る。特に、大電流の放電を特徴とする
電池、例えば車載用電池等については、更なる安全性が
求められる場合もある。
【0008】 また、例えば単電池が直列に接続されて
いる組電池としての使用を想定すると、組電池を構成す
る単電池の1個がセパレータのシャットダウンにより使
用不能、即ち高抵抗体となると、組電池全体から電気を
取り出すことが不可能になるといった不具合が生ずる場
合が考えられる。
【0009】 本発明は、このような従来技術の有する
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、過充電状態等を始めとする電池内部の温度上昇
に際して、更なる安全性の向上がなされた構造的特徴を
有するリチウム二次電池を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】 即ち、本発明によれ
ば、電池ケース内に、セパレータを介した正極及び負極
が巻芯の外周壁を囲繞するように捲回してなる内部電極
体を備え、非水電解液を用いたリチウム二次電池であっ
て、該リチウム二次電池の内部温度が予め設定された設
定温度以上に上昇すると、自動的に所定の迂回電流路を
通じて電流が流れる迂回機構を備えることを特徴とする
リチウム二次電池が提供される。
【0011】 本発明においては、セパレータが、多数
の微細孔を備え、シャットダウン機能を有するセパレー
タであることが好ましく、設定温度がセパレータの微細
孔の閉塞温度であることが好ましい。
【0012】 また、本発明においては、セパレータ
が、シャットダウン機能を有しないセパレータであるこ
とも同様に好ましい。本発明においては、設定温度が8
0℃以上であることが好ましい。
【0013】 本発明においては、迂回電流路が電池ケ
ース、及び/又は、巻芯であることが好ましく、迂回電
流路を通じて電流が流れて以降の内部抵抗値が、迂回電
流路を通じて電流が流れる前の内部抵抗値以上の値であ
ることが好ましい。
【0014】 本発明のリチウム二次電池は、電池容量
が2Ah以上の大型電池に好適に採用され、また、大電
流の放電が頻繁に行われる電気自動車又はハイブリッド
電気自動車のモータ駆動用電源等として好適に用いられ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態につ
いて説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当
業者の通常の知識に基づいて、適宜、設計の変更、改良
等が加えられることが理解されるべきである。
【0016】 本発明は、電池ケース内に、セパレータ
を介した正極及び負極が巻芯の外周壁を囲繞するように
捲回してなる内部電極体を備え、非水電解液を用いたリ
チウム二次電池であり、リチウム二次電池の内部温度が
予め設定された設定温度以上に上昇すると、自動的に所
定の迂回電流路を通じて電流が流れる迂回機構を備える
ことを特徴とするものである。以下、その詳細について
説明する。
【0017】 本発明にいう「迂回電流路」とは、通常
の電池反応によって流れる電流路とは別の経路のことで
あり、また、電池が正常に作動しているときには電流の
流れが生じない経路のことである。本発明のリチウム二
次電池は、過充電等の不具合に起因した電池内部の温度
上昇を検知し、迂回電流路側に自動的に電流が流れる迂
回機構を備えている。従って、本発明のリチウム二次電
池は、不具合が生じた以降は更なる高電圧が内部電極体
に印加されることはなく、極めて安全性が高い。
【0018】 更に、本発明においては、正極と負極の
間に介在するセパレータが、多数の微細孔を備え、シャ
ットダウン機能を有するセパレータであることが好まし
く、このことにより、異常な温度上昇に伴う危険性を回
避することができる。更に、本発明においては迂回電流
路を通じて電流が流れるための設定温度が、セパレータ
の微細孔の閉塞温度であることが好ましい。即ち、セパ
レータのシャットダウンと、実質的に同時に迂回電流路
へと電流が流れることとなるため、電池が高抵抗体にな
ることはない。従って、例えば複数個の単電池を直列に
組み合わせてなる組電池として使用している状況下にお
いて、一の単電池のセパレータがシャットダウンした場
合であっても、電流が全く流れなくなるといった不具合
が生ずることはない。
【0019】 なお、本発明にいう「シャットダウン」
とは、セパレータを構成する材料が熱により溶融し、そ
の微細孔が閉塞して実質的に無孔性になることをであ
り、「実質的に無孔性になる」とは、セパレータを通じ
てLiイオンの移動が起こらない生成物に不可逆的に変
成することである。
【0020】 一方、本発明においては、正極と負極の
間に介在するセパレータが、シャットダウン機能を有し
ないセパレータであることも好ましい。即ち、迂回機構
を備えているために、異常な温度上昇を検知した場合に
は自動的に迂回電流路を通じて電流が流れることとな
り、シャットダウン機能を有しなくとも安全性が確保さ
れる。
【0021】 なお、リチウム二次電池を構成する部材
のうち、シャットダウン機能を有するセパレータは高価
な部材の1つである。従って、このような高価な部材を
用いなくともよい点から、本発明のリチウム二次電池は
安全性に優れるとともに、極めて製造コストが低減され
ている。
【0022】 また、本発明においては前述の設定温度
が80℃以上であることも同様に好ましく、より危険性
が回避され、安全性の高いリチウム二次電池が提供され
る。なお、より一層の安全性を求めるといった観点から
は、迂回機構が働くための設定温度は100℃以上であ
ることが更に好ましく、セパレータの微細孔の閉塞温度
である130℃前後であることが特に好ましい。また、
本発明においては前記数値の上限値に関して特に限定さ
れるものではないが、実質的な安全性確保、及び製造容
易性等の観点からは、150℃以下であればよい。
【0023】 次に、本発明のリチウム二次電池の具体
的な実施態様について説明する。図1は、本発明のリチ
ウム二次電池の一実施態様を示す部分断面図であり、導
電性を有する金属製の巻芯7が、絶縁フィルム20を介
して集電タブ5と接触するように構成されている。この
とき絶縁フィルム20の材質として、加熱状況下、即
ち、温度を検知して軟化・溶融する材質、例えばポリエ
チレンを始めとするポリオレフィン類を使用する。過充
電状態等により内部の温度が上昇した際には、適当な温
度で絶縁フィルム20が軟化・溶融し、集電タブ5と巻
芯7が接触することとなる。正極側と負極側で同様の構
成としておくことにより、内部温度上昇時には巻芯7を
迂回電流路とすることができる。
【0024】 また、絶縁フィルムをセパレータの構成
材質と同一の、又は、別の材質であっても実質的に同一
の温度で溶融する材質を絶縁フィルムとして用いること
により、セパレータのシャットダウンと実質的に同時に
迂回電流路へと電流が流れる機構とすることが可能であ
る。なお、図1においては集電タブ5が絶縁フィルム2
0を介して巻芯7に接触している状態を示しているが、
本発明においてはこのような実施態様に限定されること
はなく、例えば、絶縁フィルムを介した状態で集電タブ
を巻芯に捲回してもよく、このような場合であっても本
発明の効果が発揮されることはいうまでもない。
【0025】 図2は、本発明のリチウム二次電池の別
の実施態様を示す部分断面図であり、導電性を有する金
属製の電池ケース9が、絶縁フィルム20を介して集電
タブ5と接触するように構成されている。図1の場合と
同様に絶縁フィルム20を温度を検知して軟化・溶融す
る材質、例えばポリエチレンを始めとするポリオレフィ
ン類を使用して作製し、正極側と負極側を同様の構成に
すれば、内部温度上昇時には電池ケース9を迂回電流路
とすることができる。
【0026】 図1、2においては巻芯7、電池ケース
9のどちらか一方を迂回電流路とする実施態様について
説明したが、これらを組み合わせた構成とすることも好
ましい。また、図1、2においては巻芯7、電池ケース
9の表面上に絶縁フィルム20を設けた状態を示してい
るが、温度を検知して軟化・溶融する材質によって集電
タブ5を被覆等してもよい。
【0027】 図3は、本発明のリチウム二次電池の更
に別の実施態様を示す断面図であり、正極蓋10と巻芯
7が直接的に接合された接合部18を有するタイプの電
池8である。ここで、電池8は正極蓋10・負極蓋11
と巻芯7との間で電気的に絶縁される必要があり、巻芯
7の中央部に電気絶縁性部材である巻芯継部材15を用
いることにより絶縁されている。本発明においては、巻
芯継部材15の材質として、加熱状況下、即ち、温度を
検知して軟化・溶融する材質を使用し、迂回電流路とし
て巻芯7を利用することが好ましい。
【0028】 図4は、本発明のリチウム二次電池の更
に別の実施態様を示す断面図であり、巻芯7が正極蓋1
0と一体的に形成されたタイプのリチウム二次電池であ
り、負極蓋11と巻芯7は、巻芯7端部にて絶縁されて
いる。即ち、図3に示す場合と同じく、巻芯継部材15
の材質として、加熱状況下、即ち、温度を検知して軟化
・溶融する材質を使用すればよい。
【0029】 また、正極と負極とが電気的に絶縁され
るように、巻芯と電極蓋との間に電気絶縁性部材を挟ん
で形成してもよい。図5に示す電池8は、図4の電池8
とほぼ同様の構成であるが、電気絶縁性部材に巻芯継部
材ではなくシート状部材16を挟んでいる。シート状部
材16は巻芯継部材に比して成形し易く形状の自由度も
大きいので、製造が簡易になる。このシート状部材16
の材質として、加熱状況下、即ち、温度を検知して軟化
・溶融する材質を使用すればよい。
【0030】 以上、図面に基づいて説明してきたよう
に、本発明においては通常の電池に使用される部材であ
る巻芯、及び/又は、電池ケースを迂回電流路として利
用することが好ましく、このことにより迂回電流路とな
る特別の部材を新たに組み込む必要性がないため、設計
及び製造コスト面においても配慮がなされている。
【0031】 また、本発明においては、迂回電流路を
通じて電流が流れて以降の内部抵抗値が、迂回電流路を
通じて電流が流れる前の内部抵抗値以上の値であること
が好ましい。このことにより、例えば充電器等から更な
る電圧が印加された場合であっても、セパレータがシャ
ットダウンして高抵抗体となった内部電極体側に電流が
流れることはなく、迂回電流路側に電流が流れることと
なる。従って、電池反応による自己発熱は回避されるた
め、極めて安全性の高い電池である。以下、具体的な場
面を想定し、本発明に係るリチウム二次電池の安全性の
詳細について説明する。
【0032】 まず、セパレータがシャットダウンせず
に迂回機構が作動した場合を想定する。なお、ここでい
う「セパレータがシャットダウンせず」とは、セパレー
タがシャットダウン機能を発揮するための微細孔を有し
ていない場合と、シャットダウン機能を発揮するための
微細孔を有していても、シャットダウン機能が作動して
いない場合の両方の場合を想定している。
【0033】 例えば、急激な温度上昇等の異常発生時
に電池が充電状態であれば、電流は優先的に迂回電流路
を流れるとともに、電池に蓄えられたエネルギーも迂回
電流路を通じて放出される。この際、正常状態における
電池の内部抵抗より迂回電流路の抵抗が小さいと、電池
反応が急激に起こり易くなるため、それに伴い発熱する
ことも想定される。従って、本発明のリチウム二次電池
は、迂回電流路を通じて電流が流れて以降の内部抵抗
値、即ち、迂回電流路の抵抗が、迂回電流路を通じて電
流が流れる前の内部抵抗値以上の値であるため、電池反
応が抑制され、急激な発熱が抑制され得るという効果を
示す。
【0034】 なお、蓄積されたエネルギーが放出され
た後は、迂回電流路のみを電流が流れることとなるた
め、電池は見かけ上、単なる抵抗体となる。即ち、迂回
機構を有することにより、シャットダウン機能を有さな
い、比較的安価なセパレータを用いても充分に電池の安
全性が確保されるため、本発明のリチウム二次電池は製
造コストも低減されている。
【0035】 次に、セパレータのシャットダウンと、
実質的に同時に迂回機構が作動した場合を想定する。例
えば、急激な温度上昇等の異常発生時に電池が充電状態
であれば、電流は迂回電流路のみを流れるが、セパレー
タがシャットダウンしているため、電池反応は阻害され
ている。即ち、電極は充電状態を維持しているが、蓄積
したエネルギーが放出されることがない。従って、本発
明のリチウム二次電池は、セパレータがシャットダウン
と実質的に同時に迂回機構が作動した場合には、蓄積し
たエネルギー放出による急激な温度上昇が起こり難いと
いう効果を示す。
【0036】 本発明のリチウム二次電池は、前述のよ
うな所定の迂回機構を備えることを特徴とするものであ
る。従って、その他の材料や電池構造には何ら制限はな
い。以下、リチウム二次電池を構成する主要部材及び構
造、並びに製造方法について、一例を挙げながら説明す
る。
【0037】 図6は、捲回型電極体の構造を示す斜視
図である。正極板2は集電基板の両面に正極活物質を塗
工することによって作製される。集電基板としては、ア
ルミニウム箔やチタン箔等の正極電気化学反応に対する
耐蝕性が良好である金属箔が用いられるが、箔以外にパ
ンチングメタル或いはメッシュ(網)を用いることもで
きる。また、正極活物質としては、マンガン酸リチウム
(LiMn 24)やコバルト酸リチウム(LiCo
2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)等のリチウ
ム遷移金属複合酸化物が好適に用いられる。
【0038】 なお、前述の正極活物質には、アセチレ
ンブラック等の炭素微粉末を導電助剤として添加するこ
とが好ましく、2〜10質量%の範囲で任意に添加すれ
ばよい。
【0039】 正極活物質として、LiとMnを主成分
とした立方晶スピネル構造を有するマンガン酸リチウム
(以下、単に「マンガン酸リチウム」と記す。)を用い
ると、他の正極活物質を用いた場合と比較して、内部電
極体の抵抗を小さくすることができるために好ましい。
【0040】 マンガン酸リチウムの化学量論組成はL
iMn24で表されるが、本発明においては、このよう
な化学量論組成のものに限られず、遷移元素Mnの一部
を、Tiを含み、その他に、Li、Fe、Ni、Mg、
Zn、B、Al、Co、Cr、Si、Ti、Sn、P、
V、Sb、Nb、Ta、Mo及びWからなる群から選ば
れる1種類以上の元素からなる、2種類以上の元素で置
換してなるLiMZMn2-z4(但し、Mは置換元素
で、Zは置換量を示す。)も好適に用いられる。
【0041】 前記のような元素置換を行った場合に
は、そのLi/Mn比(モル比)は、MnをLiで置換
したLi過剰の場合には(1+Z)/(2−Z)とな
り、またLi以外の置換元素Mで置換した場合には1/
(2−Z)となるので、いずれの場合であっても常にL
i/Mn比>0.5となる。
【0042】 本発明においては、上述の如くLi/M
n比が0.5超であるマンガン酸リチウムを用いること
が好ましい。このことにより、化学量論組成のものを用
いた場合と比較して結晶構造が更に安定化されるため、
サイクル特性に優れる電池を得ることができる。
【0043】 なお、置換元素Mにあっては、理論上、
Liは+1価、Fe、Mn、Ni、Mg、Znは+2
価、B、Al、Co、Crは+3価、Si、Ti、Sn
は+4価、P、V、Sb、Nb、Taは+5価、Mo、
Wは+6価のイオンとなり、LiMn24中に固溶する
元素であるが、Co、Snについては+2価の場合、F
e、Sb及びTiについては+3価の場合、Mnについ
ては+3価、+4価の場合、Crについては+4価、+
6価の場合もあり得る。従って、各種の置換元素Mは混
合原子価を有する状態で存在する場合があり、また、酸
素の量については、必ずしも理論化学組成で表されるよ
うに4であることを必要とせず、結晶構造を維持するた
めの範囲内で欠損して、或いは過剰に存在していても構
わない。
【0044】 正極活物質の塗工は、正極活物質粉末に
溶剤や結着剤等を添加して作製したスラリー或いはペー
ストを、ロールコータ法等を用いて、集電基板に塗布・
乾燥することで行われ、その後に必要に応じてプレス処
理等が施される。
【0045】 負極板3は、正極板2と同様にして作製
することができる。負極板3の集電基板としては、銅箔
若しくはニッケル箔等の負極電気化学反応に対する耐蝕
性が良好な金属箔が好適に用いられる。負極活物質とし
ては、ソフトカーボンやハードカーボンといったアモル
ファス系炭素質材料や人造黒鉛や天然黒鉛等の高黒鉛化
炭素材料が、更には、前記高黒鉛化炭素材料としては繊
維状のものが好適に用いられる。
【0046】 次に、本発明のリチウム二次電池に好適
に用いられるセパレータについて説明する。セパレータ
4としては、多数の微細孔を備え、シャットダウン機能
を有するセパレータと、シャットダウン機能を有しない
セパレータのいずれをも用いることができる。
【0047】 シャットダウン機能を有するセパレータ
としては、マイクロポアを有するLi+透過性のポリエ
チレンフィルム(PEフィルム)を、Li+透過性のポ
リプロピレンフィルム(PPフィルム)で挟んだ三層構
造としたものが好適に用いられる。これは、電池内部の
温度が上昇した場合に、PEフィルムが約130℃で軟
化してマイクロポアが潰れ、Li+の移動即ち電池反応
を抑制する安全機構を兼ねたものである。そして、この
PEフィルムをより軟化温度の高いPPフィルムで挟持
することによって、PEフィルムが軟化した場合におい
ても、PPフィルムが形状を保持して正極板2と負極板
3の接触・短絡を防止し、電池反応の確実な抑制と安全
性の確保が可能となる。
【0048】 一方、シャットダウン機能を有しないセ
パレータとしては、Li +透過性を備えるとともに、そ
の軟化温度が、迂回機構が作動する温度以上である材質
からなるフィルムが好適に用いられる。具体的には、L
+透過性のポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエ
チレン等)フィルム、不織布、紙等を挙げることができ
る。
【0049】 電極板2・3とセパレータ4の捲回作業
時に、電極板2・3において電極活物質の塗工されてい
ない集電基板が露出した部分に、集電タブ5・6がそれ
ぞれ取り付けられる。集電タブ5・6としては、それぞ
れの電極板2・3の集電基板と同じ材質からなる箔状の
ものが好適に用いられる。集電タブ5・6の電極板2・
3への取り付けは、超音波溶接やスポット溶接等を用い
て行うことができる。
【0050】 次に、非水電解液について説明する。溶
媒としては、エチレンカーボネート(EC)、ジエチル
カーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DM
C)、プロピレンカーボネート(PC)といった炭酸エ
ステル系のものや、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロ
フラン、アセトニトリル等の単独溶媒若しくは混合溶媒
が好適に用いられる。本発明においては、特に電解質で
あるリチウム化合物の溶解性や、電池の使用温度範囲等
の観点から、環状カーボネートと鎖状カーボネートを任
意の割合で混合した混合溶媒を好適に用いることができ
る。
【0051】 電解質としては、六フッ化リン酸リチウ
ム(LiPF6)やホウフッ化リチウム(LiBF4)等
のリチウム錯体フッ素化合物、或いは過塩素酸リチウム
(LiClO4)といったリチウムハロゲン化物が挙げ
られ、1種類若しくは2種類以上を上述した有機溶媒
(混合溶媒)に溶解して用いる。特に、酸化分解が起こ
り難く非水電解液の導電性の高いLiPF6を用いるこ
とが好ましい。
【0052】 リチウム二次電池の組立に当たっては、
既述の如く図1〜5を始めとする構造となるよう、電流
を外部に取り出すための端子と集電タブ5・6との導通
を確保しつつ捲回型電極体1を電池ケースに挿入し、非
水電解液を含浸及び電池ケースを封止して、本発明に係
るリチウム二次電池を作製することができる。なお、本
発明のリチウム二次電池は図1〜5に示す実施態様に限
定されないことはいうまでもない。
【0053】 以上、本発明に係るリチウム二次電池に
ついて、その実施形態を示しながら説明してきたが、本
発明が上記の実施形態に限定されるものでないことはい
うまでもない。また、本発明に係るリチウム二次電池
は、特に、電池容量が2Ah以上である大型の電池に好
適に採用されるが、このような容量以下の電池に適用す
ることを妨げるものではない。また、本発明のリチウム
二次電池は、大容量、低コスト、高信頼性という特徴を
生かし車載用電池として、さらには、電気自動車又はハ
イブリッド電気自動車に用いることが好ましいととも
に、高電圧を必要とされるエンジン起動用としても特に
好適に用いることができる。
【0054】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明のリチウ
ム二次電池は、自動的に所定の迂回電流路を通じて電流
が流れる迂回機構を備えているため、過充電状態等の異
常時には電池内部の温度上昇を検知し、内部電極体への
電圧印加を回避することができる。このため、更なる安
全性の向上がなされており、特に大容量の電池として好
適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のリチウム二次電池の一実施態様を示
す部分断面図である。
【図2】 本発明のリチウム二次電池の別の実施態様を
示す部分断面図である。
【図3】 本発明のリチウム二次電池の更に別の実施態
様を示す断面図である。
【図4】 本発明のリチウム二次電池の更に別の実施態
様を示す断面図である。
【図5】 本発明のリチウム二次電池の更に別の実施態
様を示す断面図である。
【図6】 捲回型電極体の構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…捲回型電極体、2…正極板、3…負極板、4…セパ
レータ、5…集電タブ、6…集電タブ、7…巻芯、8…
電池、9…電池ケース、10…正極蓋、11…負極蓋、
12…放圧孔、15…巻芯継部材、16…シート状部
材、17…正極外部端子、18…接合部、20…絶縁フ
ィルム、21…パッキン、22…くびれ部、23…正極
内部端子。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電池ケース内に、セパレータを介した正
    極及び負極が巻芯の外周壁を囲繞するように捲回してな
    る内部電極体を備え、非水電解液を用いたリチウム二次
    電池であって、 該リチウム二次電池の内部温度が予め設定された設定温
    度以上に上昇すると、自動的に所定の迂回電流路を通じ
    て電流が流れる迂回機構を備えることを特徴とするリチ
    ウム二次電池。
  2. 【請求項2】 前記セパレータが、多数の微細孔を備
    え、シャットダウン機能を有するセパレータである請求
    項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 前記設定温度が、セパレータの微細孔の
    閉塞温度である請求項1又は2に記載のリチウム二次電
    池。
  4. 【請求項4】 前記セパレータが、シャットダウン機能
    を有しないセパレータである請求項1に記載のリチウム
    二次電池。
  5. 【請求項5】 前記設定温度が80℃以上である請求項
    1〜4のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  6. 【請求項6】 前記迂回電流路が電池ケース、及び/又
    は、巻芯である請求項1〜5のいずれか一項に記載のリ
    チウム二次電池。
  7. 【請求項7】 迂回電流路を通じて電流が流れて以降の
    内部抵抗値が、 迂回電流路を通じて電流が流れる前の内部抵抗値以上の
    値である請求項1〜6のいずれか一項に記載のリチウム
    二次電池。
  8. 【請求項8】 電池容量が2Ah以上である請求項1〜
    7のいずれか一項に記載のリチウム二次電池。
  9. 【請求項9】 車載用電池である請求項1〜8のいずれ
    か一項に記載のリチウム二次電池。
  10. 【請求項10】 電気自動車又はハイブリッド電気自動
    車に用いられる請求項9に記載のリチウム二次電池。
  11. 【請求項11】 エンジン起動用に用いられる請求項9
    又は10に記載のリチウム二次電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010092874A (ja) * 2005-03-30 2010-04-22 Samsung Sdi Co Ltd 円筒形リチウムイオン二次電池
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