JP2017016812A - 非水電解質二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】正極芯体と負極との接触による低抵抗な内部短絡をより高度に抑制することができる非水電解質二次電池を提供することである。【解決手段】正極20と、負極30とがセパレータ40を介して積層されてなる電極体14を備える非水電解質二次電池10であって、正極20は、少なくとも一部が負極30と対向する位置から突出した正極リード部23を有する正極芯体21と、正極芯体21上に形成された正極活物質層22と、を含み、正極活物質層22は、正極リード部23において負極30と対向する範囲を超えて形成されることを特徴とする。【選択図】図3
Description
本開示は、非水電解質二次電池に関する。
従来、正極リード部が形成された正極芯体を有する正極と、負極とが、セパレータを介して積層されてなる電極体を備えた非水電解質二次電池が知られている。正極芯体は、負極と対向する部分に正極活物質層が形成されている。しかしながら、正極リード部では正極活物質層が形成されず、正極芯体が露出している。そのため、セパレータが破断すると正極芯体と負極とが接触して低抵抗な内部短絡が発生する場合がある。
正極芯体と負極が接触して低抵抗な内部短絡が発生すると、大電流が流れて電池温度が上昇するおそれがある。そこで、かかる低抵抗な内部短絡を防止することを目的として、特許文献1には正極リード部の負極と対向する部分に短絡防止層として絶縁層を設けた非水電解質二次電池が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示される技術では、セパレータと共に絶縁層が破断すると、正極芯体と負極とが接触して低抵抗な内部短絡が発生する場合がある。
本開示の目的は、正極芯体と負極との接触による低抵抗な内部短絡をより高度に抑制することである。
正極と、負極とがセパレータを介して積層されてなる電極体を備える非水電解質二次電池であって、正極は、少なくとも一部が負極と対向する位置から突出した正極リード部を有する正極芯体と、正極芯体上に形成された正極活物質層と、を含み、正極活物質層は、正極リード部において負極と対向する範囲を超えて形成されることを特徴とする。
本開示に係る非水電解質二次電池によれば、正極芯体と負極との接触による低抵抗な内部短絡をより高度に抑制することができる。
本発明者らは、上述の課題を解決すべく鋭意検討した結果、正極芯体において正極タブと接続するため突出した正極リード部に正極活物質層を設けることによって、正極芯体と負極との接触による低抵抗な短絡がより高度に制御可能であることを見出したのである。
本開示の一態様である非水電解質二次電池によれば、正極リード部および負極に対面する位置でセパレータが破断した場合、正極芯体と負極との間に介在する正極活物質層が、正極芯体と負極との接触を妨げる。つまり、本開示の一態様である非水電解質二次電池では、正極活物質層を利用して正極芯体と負極との接触による低抵抗な短絡の防止を図っているのである。この場合、正極活物質層と負極の接触による内部短絡が発生し得るが、かかる短絡では正極活物質層の抵抗により大電流が流れ難く、電池の大きな温度上昇を引き起こす可能性が低い。
従来の非水電解質二次電池においても正極芯体と負極との接触を防ぐため、正極リード部に、絶縁層を設けることがある。しかしながら、例えば、絶縁テープ等を用いて構成される絶縁層と比べて、正極活物質層は剛性が高く耐久性に優れる。即ち、本開示の正極リード部に設けられた正極活物質層は、従来の絶縁層と比較して破断し難く、正極芯体と負極との接触をより高度に防止可能なのである。例えば、絶縁層は混入異物が刺さると破断するが、正極活物質層は破断し難い。このような正極活物質層を利用した短絡防止は、従来にはない全く新しい技術思想である。
また、本開示の非水電解質二次電池では、正極リード部において正極活物質層と負極とが対向していれば低抵抗な短絡を防止できるが、電極体の製造工程上、若干の極板ズレが生じる得ることも考慮して、非対向領域を設けて、より確実に低抵抗な短絡を防止している。
なお、本開示の正極リード部に設けられた正極活物質層は、電池反応が起こる面積に比べて小面積であるが、例えば、本開示の一態様である非水電解質二次電池をリチウムイオン電池とした場合、この小面積においてリチウムが析出する可能性がある。かかるリチウム析出を防止すべく反応阻害処理を施すことが好適である。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態の一例について詳細に説明する。実施形態において参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された構成要素の寸法比率などは、現物と異なる場合がある。具体的な寸法比率等は、以下の説明を参酌して判断されるべきである。以下では、全ての図面において対応する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
以下で説明する非水電解質二次電池10は、実施の形態の一例である。実施形態としては、ラミネート電池を例示するが、本開示の構成は、これに限定されず、例えば、扁平形状の角型電池、或いは円筒電池等、種々の電池形態に適用できる。特に、本開示の構成は、積層型の電極体を有する扁平形状のラミネート電池、角型電池に好適である。
図1は、非水電解質二次電池10の外観を示す図である。非水電解質二次電池10は、正極20及び負極30がセパレータ40を介して積層された電極体14と、電解質とが外装体11に収容された構成を有する。
図1に示すように、非水電解質二次電池10は、2枚のラミネートフィルム11a,11bから構成された外装体11を備える。発電要素(電極体14及び電解質)は、ラミネートフィルム11a,11bの間に形成された収容部12の内部空間に収容されている。外装体11にはラミネートフィルム11a,11b同士を接合して封止部13が形成され、これにより発電要素が収容された内部空間が密閉されている。
非水電解質二次電池10の形状、即ち外装体11の形状は特に限定されず、例えば、図1に示すように平面視略矩形形状とすることができる。ここで、「平面視」とは、ラミネートフィルム11a,11bの主面(面積が最も大きな面)に対して垂直な方向から見た状態を意味する。封止部13は、外装体11の端縁に沿って略同じ幅で枠状に形成することができる。封止部13に囲まれた平面視略矩形状の部分が収容部12である。
非水電解質二次電池10では、電極体14の正極20に接続された正極タブ15、及び負極30に接続された負極タブ16が、収容部12の内部空間から引き出されている。各タブ15,16は、外装体11の同じ端辺から互いに略平行となるように引き出されることが好適である。
図2は、非水電解質二次電池10を構成する電極体14の外観を示す図である。図2に示すように、電極体14は、正極20と負極30がセパレータ40を介して積層された積層型構造を有する。以下、電極体14において、各タブ15,16と接続される後述する各リード部23,33が突出する方向を「縦方向」という。電極体14は、扁平形状であり、「縦方向」に垂直で電極体14の扁平面に沿った方向を「横方向」といい、「縦方向」及び「横方向」に垂直で扁平面に垂直な方向を「積層方向」という。
本実施形態では、積層方向において、セパレータ40、正極20、セパレータ40、負極30、及びセパレータ40を順に積層して電極体14が形成されている。なお、電極体14を作製するときには、正極20を2枚のセパレータ40の間に挟み、セパレータ40の周囲を熱溶着し、セパレータ40を袋状とする(後述の図5参照)。そのため、収容部12に収容するときには、セパレータ40が電極体14の最も外側に位置するのが好適であるが、説明の便宜上、図2においては、正極20を最上面に配置した。
また、電極体14において、正極20は、正極タブ15と接続される複数の正極リード部23が互いに積み重なるようにして配置される。また、正極20と同様に、負極30は、負極タブ16と接続される複数の負極リード部33が互いに積み重なるようにして配置される。このとき、積層された正極リード部23は、電極体14の横方向一端側に位置させる。また、積層された負極リード部33は、積層された正極リード部23に接触しないように正極リード部23とは逆の横方向他端側に位置させる。
正極20は、正極芯体21と、正極芯体21上に形成された正極活物質層22とを有する。正極芯体21には、正極板の一端側から突出した正極リード部23が形成されている。
正極芯体21は、正極集電体としての機能を有し、シート形状であって、その両面に正極活物質層22が形成されている。正極芯体21には、導電性を有する薄膜シート、特にアルミニウムなどの正極20の電位範囲で安定な金属箔や合金箔、アルミニウムなどの金属表層を有するフィルム等を用いることができる。正極芯体21の厚さは、集電性や機械的強度等の観点から、5μm〜40μm程度が好ましく、10μm〜20μm程度がより好ましい。
正極活物質層22は、正極活物質の他に、導電剤及び結着剤を含むことが好ましい。正極活物質層22は、例えば、正極活物質と、導電剤と、結着剤とを、適当な溶媒で混合し、正極芯体21に塗布し、乾燥し、圧延することにより得られる層である。正極活物質層22の厚さは、正極芯体21の片面に塗布される厚さとして、例えば、50μm〜60μm程度が好ましい。
正極活物質としては、Co、Mn、Ni等の遷移金属元素を含有するリチウム含有遷移金属酸化物が例示できる。リチウム含有遷移金属酸化物は、例えばLixCoO2、LixNiO2、LixMnO2、LixCoyNi1−yO2、LixCoyM1−yOz、LixNi1−yMyOz、LixMn2O4、LixMn2−yMyO4、LiMPO4、Li2MPO4F(M;Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、Sb、Bのうち少なくとも1種)である。ここで、0<x≦1.2(活物質作製直後の値であり、充放電により増減する)、0<y≦0.9、2.0≦z≦2.3である。
導電剤は、導電性を有する粉体または粒子などであり、正極活物質層22の電子伝導性を高めるために用いられる。導電剤には、導電性を有する炭素材料、金属粉末、有機材料等が用いられる。具体的には、炭素材料としてアセチレンブラック、ケッチェンブラック、及び黒鉛等、金属粉末としてアルミニウム等、金属酸化物としてチタン酸カリウム、酸化チタン等、及び有機材料としてフェニレン誘導体等が挙げられる。
結着剤は、粒子形状あるいは網目構造を有する高分子であり、粒子形状の正極活物質及び粉体または粒子形状の導電剤間の良好な接触状態を維持し、かつ正極芯体21表面に対する正極活物質等の結着性を高めるために用いられる。結着剤には、フッ素系高分子、ゴム系高分子等を用いることができる。具体的には、フッ素系高分子としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、またはこれらの変性体等、ゴム系高分子としてエチレン−プロピレン−イソプレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブタジエン共重合体等が挙げられる。結着剤は、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレンオキシド(PEO)等の増粘剤と併用されてもよい。
負極30は、負極芯体31と、負極芯体31上に形成された負極活物質層32とを有する。負極芯体31は、負極板の一端側から突出した負極リード部33が形成されている。
負極芯体31は、負極集電体としての機能を有し、シート形状であって、その両面に負極活物質層32が形成されている。負極芯体31には、導電性を有する薄膜シート、特に銅などの負極30の電位範囲で安定な金属箔や合金箔、銅などの金属表層を有するフィルム等を用いることができる。負極芯体31の厚さは、正極芯体21と同様に、5μm〜40μm程度が好ましく、10μm〜20μm程度がより好ましい。
負極活物質層32は、例えば、リチウムイオンを吸蔵・脱離可能な負極活物質の他に、結着剤を含んでもよい。負極活物質層32は、例えば、負極活物質と、結着剤とを、水あるいは適当な溶媒で混合し、負極芯体31に塗布し、乾燥し、圧延することにより得られる層である。負極活物質としては、天然黒鉛、人造黒鉛、リチウム、珪素、炭素、錫、ゲルマニウム、アルミニウム、鉛、インジウム、ガリウム、チタン酸リチウム及びこれらの合金並びに混合物が例示できる。負極活物質層32の厚さは、負極芯体31の片面に塗布される厚さとして、例えば、50μm〜60μm程度が好ましい。
結着剤としては、正極20の場合と同様にフッ素系高分子、ゴム系高分子等を用いることができるが、ゴム系高分子であるスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、またはこの変性体等を用いることが好適である。結着剤は、カルボキシメチルセルロース(CMC)等の増粘剤と併用されてもよい。
セパレータ40には、イオン透過性及び絶縁性を有する多孔性シートが用いられる。多孔性シートの具体例としては、微多孔薄膜、織布、不織布、等が挙げられる。セパレータ40の材質としては、セルロースまたはポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂が好適である。セパレータ40の厚さは、例えば、5〜40μm程度が好ましい。
電解質は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解する電解質塩とを含む。電解質は、液体電解質である非水電解液に限定されず、固体電解質であってもよい。電解質塩は、非水電解質二次電池10において支持塩として一般に使用されているリチウム塩を用いることができる。リチウム塩としては、LiPF6、LiBF4、LiClO4等を用いることができる。
図3は、電極体14において、正極20と負極30とが対向する様子を示す平面図である。本来、正極20と負極30との間にはセパレータ40が存在するが、正極20と負極30との位置関係を説明する便宜上、セパレータ40を図示せず正極20及び負極30を示した。図4は、図3中のX−X線の断面図である。以下、図3及び図4を参照しながら、電極体14についてさらに詳説する。
正極20において正極芯体21は、正極タブ15と接続するために、少なくとも一部が負極30と対向する位置から突出した正極リード部23を有する。正極リード部23は、正極芯体21の一部が縦方向に突出して形成されている。正極リード部23は、図3に示すように、正極20と負極30とを対向させた場合、正極リード部23と負極リード部33とが接触しないようにする。
正極リード部23は、正極タブ15と接続するため正極芯体21が露出している。その一方で、本実施形態では、正極リード部23の根元部分では、正極活物質層22が形成されている。換言すれば、正極20において、正極活物質層22は、正極リード部23に形成された活物質塗布部24を含む。即ち、正極リード部23は、正極活物質層22が形成された活物質塗布部24と、正極タブ15と接続されるため芯体が露出した芯体露出部25とを有する。
活物質塗布部24は、正極リード部23において負極30と対向する範囲を超えて配置される。つまり、活物質塗布部24は、正極20と負極30とが対向する部位から正極20と負極30とが対向しない部位に及んで配置される。活物質塗布部24は、負極30と対向する範囲である対向領域24aと、活物質塗布部24のうち負極30と対向しない範囲である非対向領域24bとを有する。
対向領域24aは、正極リード部23における正極活物質層22と負極活物質層32とが対向する範囲である。対向領域24aでは、正極活物質層22から脱離するリチウムが負極活物質層32に挿入されるよう、正極20を負極30より小さく設計するために、正極リード部23に形成される正極活物質層22が負極活物質層32と対向する。
非対向領域24bは、正極リード部23における活物質塗布部24のうち負極30と対向しない範囲である。非対向領域24bは、正極芯体21と負極30との接触による低抵抗な短絡をより高度に抑制する機能を有する。正極活物質層22と負極30との接触による内部短絡は、正極活物質層22が正極芯体21より抵抗が高いことにより大電流が流れ難く、電池の大きな温度上昇を引き起こす可能性が低いためである。
非対向領域24bの積層方向における厚さは、正極20の作製の観点から、正極活物質層22の他の部分の厚さと略同等である。但し、例えば座屈等、電池内でのあらゆる状況においても破断することなく、正極芯体21と負極活物質との接触を抑制できるように厚くしてもよい。
本開示の実施形態では、電池反応の過程において、活物質塗布部24の非対向領域24bから脱離したリチウムイオンが活物質塗布部24の対向領域24aと対向する負極30上に移動し、リチウムが析出する可能性がある。かかるLi析出を招くような電池反応を阻害するために、活物質塗布部24のうち負極30と対向しない範囲である非対向領域24b、及びセパレータ40のうち非対向領域24bと対面する領域の少なくとも一方には、反応阻害処理を施すことが好適である。場合によっては、少なくとも非対向領域24bを含む活物質塗布部24に反応阻害処理が施されてもよい。反応阻害処理は、絶縁層としての反応阻害層50を形成する処理とすることができる。
反応阻害処理としては、少なくとも非対向領域24bを含む活物質塗布部24に、樹脂を塗布する方法、樹脂製のテープを接着剤により貼りつける方法等がある。樹脂としては、例えば、紫外線硬化型の樹脂(UVインク、以下UVインクと記載)を用いることができる。反応阻害層50に樹脂を用いる場合、図4に示すように、正極活物質層22の隙間を埋める樹脂が充填される。樹脂は、正極活物質層22の表層に塗布し、正極活物質層22内に含浸させることが好ましい。また、活物質塗布部24の正極活物質を充放電反応が起きない組成にレーザによって変質させる方法でもよい。
図5は、反応阻害処理の変形例を示す図である。図5は、袋状のセパレータ40中に正極20が収容された様子を示す図である。図5に示すように、活物質塗布部24と対面するセパレータ40の領域を、例えば、100℃程度に加熱し、リチウムイオンの移動ができないよう目詰めする方法でもよい。特に、セパレータ40のうち、非対向領域24bと対面する領域を、少なくとも目詰めしていることが好ましい。このようなセパレータ40の目詰めは、2枚のセパレータ40の間に正極20を挟み込み、セパレータ40を袋状とすべく熱溶着するときに行うことができる。具体的には、活物質塗布部24と対面するセパレータ40の領域も熱溶着部41と同時に加熱することで目詰め部42として反応阻害処理してもよい。この目詰め部42は、正極リード部23の活物質塗布部24における反応阻害処理との代替としてもよく、また場合によってはこれら両方が行われてもよい。
図6は、本開示の実施形態における非水電解質二次電池10の正極作製方法の一例について説明する図である。
まず、正極20は、次のようにして作製する。図6(a)及び図6(b)は、正極芯体21に正極活物質層22を塗布し、正極リード部23を形成する様子を示す図である。図6(a)は、正極芯体21に正極活物質層22を塗布した図であり、図6(b)は、正極リード部23が形成された正極20である。
図6(a)に示すように、まず、正極活物質、導電剤、及び結着剤等を混合し調整されたスラリーを厚さ15μmのアルミニウム製の正極芯体21の両面にドクターブレード法により塗布する。スラリーを塗布した極板は、その後、乾燥及び圧延を行い、その後点線枠内を打ち抜く。
図6(b)に示すように、図6(a)における点線枠内を打ち抜き、正極リード部23を形成する。このとき、正極リード部23は、正極芯体21と正極活物質層22との境界よりも正極活物質層22側で打ち抜き、正極リード部23の突出する根元において、縦方向に対して、例えば、3mm正極活物質層22が存在するようにする。活物質塗布部24は、この正極リード部23の突出する根元に正極活物質層22が形成された部位のことである。
従来の正極作製においても塗布表裏ズレや芯体見えを防ぐため、正極芯体21と正極活物質層22との境界よりも正極活物質層22側で打ち抜く。そのため、正極リード部23の突出する根元において、縦方向に対して、例えば、2mm正極活物質層22が存在する。しかしながら、本実施形態では、打ち抜き位置を調節し、より正極活物質層22側で打ち抜くことで正極リード部23において、従来より大きい面積の正極活物質層22が形成される。
次に、この正極リード部23における活物質塗布部24に反応阻害処理としてUVインクを塗布する。UVインクは、正極活物質を被覆しかつ、正極20の厚さを増大させないものであることが好ましい。UVインクは、セパレータ40に対面する正極活物質層22の表層を覆い、且つ正極活物質層22内部にも含浸させる。このようにして得られたUVインクの層を反応阻害層50とすることができる。
反応阻害層50が形成された正極20を2枚のセパレータ40の間に挟む。セパレータ40の周囲は、例えば、100℃の熱溶着によって袋状とする。このようにして得られた袋状のセパレータ40に収容された正極20を、負極30と対向させ、積層する。
負極30は、セパレータ40と同じサイズとすることができる。そのため、負極30とセパレータ40とが重なり合うよう積層する。正極リード部23と対向する負極活物質層32の側端は、活物質塗布部24に対向領域24aと非対向領域24bとが形成されるように配置される。袋状のセパレータ40に収容された正極20と負極30とを積層し、電極体14とする。この電極体14を電解質と共に外装体11に収容することで本実施形態の非水電解質二次電池10を得ることができる。
なお、従来正極リード部23の根元には、正極芯体21と負極30との接触を防ぐため半導電性の正極保護層を設けることがある。半導電性の場合、正極保護層は負極30と対向する必要があり、正極リード部23を有する正極20の一側端と対向する負極30において負極サイズを十分に確保する。しかしながら、本実施形態では、反応阻害層50は絶縁層であるため、負極30と対向しておく必要がない。本実施形態の非水電解質二次電池は、負極サイズを十分に確保する必要がなく、従来より負極サイズをコンパクト化でき、材料のコストダウンも図れる。
本開示では、非対向領域24bに絶縁性の反応阻害層50を設けることが好適である。しかしながら、正極作製行程において、対向領域24a及び非対向領域24bに跨って反応阻害処理することが、正極厚さの制御や、Li析出をより確実に抑制する等の観点からも好適である。
上述するように、本開示の実施形態によれば、正極芯体21と負極30との接触による低抵抗な内部短絡をより高度に抑制することができる。
10 非水電解質二次電池、11 外装体、11a,11b ラミネートフィルム、12 収容部、13 封止部、14 電極体、15 正極タブ、16 負極タブ、20 正極、21 正極芯体、22 正極活物質層、23 正極リード部、24 活物質塗布部、24a 対向領域、24b 非対向領域、25 芯体露出部、30 負極、31 負極芯体、32 負極活物質層、33 負極リード部、40 セパレータ、41 熱溶着部、42 目詰め部、50 反応阻害層。
Claims (4)
- 正極と、負極とがセパレータを介して積層されてなる電極体を備える非水電解質二次電池であって、
前記正極は、
少なくとも一部が前記負極と対向する位置から突出した正極リード部を有する正極芯体と、
該正極芯体上に形成された正極活物質層と、
を含み、
該正極活物質層は、前記正極リード部において前記負極と対向する範囲を超えて形成されることを特徴とする非水電解質二次電池。 - 請求項1に記載の非水電解質二次電池において、
前記正極活物質層は、前記正極リード部に形成された活物質塗布部を含み、
該活物質塗布部のうち前記負極と対向しない範囲である非対向領域、及び前記セパレータのうち前記非対向領域と対面する領域の少なくとも一方には、前記非対向領域における電池反応を阻害するための反応阻害処理が施されていることを特徴とする非水電解質二次電池。 - 請求項2に記載の非水電解質二次電池において、
前記活物質塗布部には、前記正極活物質層の隙間を埋める樹脂が充填されることを特徴とする非水電解質二次電池。 - 請求項2に記載の非水電解質二次電池において、
前記セパレータのうち、前記非対向領域と対面する領域を、少なくとも目詰めしていることを特徴とする非水電解質二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015130625A JP2017016812A (ja) | 2015-06-30 | 2015-06-30 | 非水電解質二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (4)
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---|---|---|---|---|
WO2018042942A1 (ja) * | 2016-09-01 | 2018-03-08 | 株式会社日立製作所 | 積層型電池用電極及び積層型電池 |
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JP2023066921A (ja) * | 2021-10-29 | 2023-05-16 | プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社 | 電池 |
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2015
- 2015-06-30 JP JP2015130625A patent/JP2017016812A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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