JP2017216159A - 燃料電池 - Google Patents

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豪士 加藤
秀幸 猪谷
Hideyuki Itani
秀幸 猪谷
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Koichiro Asazawa
浩一郎 朝澤
葵 高野
Aoi Takano
葵 高野
英里子 西野
Eriko Nishino
英里子 西野
純子 山田
Junko Yamada
純子 山田
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Masakazu Hashimoto
征和 橋本
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Abstract

【課題】高い耐久性を有する電解質層を備えた燃料電池を提供すること。【解決手段】電解質層4と、電解質層4を挟んで対向配置され、液体燃料が供給される燃料側電極2、および、酸素が供給される酸素側電極3とを備える燃料電池1において、電解質層4は、イオン交換基を有さず、親水性高分子膜からなる。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池に関し、より詳しくは、固体高分子型燃料電池に関する。
現在まで、燃料電池としては、アルカリ型(AFC)、固体高分子型(PEFC)、リン酸型(PAFC)、溶融炭酸塩型(MCFC)、固体電解質型(SOFC)などの各種のものが知られている。なかでも、固体高分子型燃料電池は、比較的低温で運転できることから、例えば、自動車用途などの、各種用途での使用が検討されている。
このような固体高分子形燃料電池としては、例えば、アニオン交換膜からなる電解質層と、電解質層を挟んで対向配置される燃料側電極および酸素側電極とを備え、酸素側電極に、酸素が供給され、燃料側電極にヒドラジン類が供給される燃料電池が、提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、アニオン交換膜としては、4級アンモニウム基、ピリジニウム基などのアニオン交換基を有する固体高分子膜(アニオン交換樹脂)が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2006−244960号公報
一方、アニオン交換基は、燃料電池の発電に伴って、劣化する場合がある。これにより、アニオン交換基を有する固体高分子膜が、劣化するという不具合がある。
そこで、本発明の目的は、高い耐久性を有する電解質層を備えた燃料電池を提供することにある。
本発明(1)は、電解質層と、前記電解質層を挟んで対向配置され、液体燃料が供給される燃料側電極、および、酸素が供給される酸素側電極とを備える燃料電池において、前記電解質層は、イオン交換基を有さず、親水性高分子膜からなる燃料電池を含んでいる。
本発明の燃料電池によれば、電解質層が、イオン交換基を有さず、親水性高分子膜からなるので、電解質層は、高い耐久性を有する。
図1は、本発明の燃料電池の一実施形態を示す概略構成図である。 図2は、実施例1および比較例1の定格時出力の保持率の経時変化を示すグラフである。
本発明の燃料電池1は、アニオン交換型燃料電池またはカチオン交換型燃料電池として構成されている。以下において、燃料電池1が、アニオン交換型燃料電池として構成されている場合について、詳述する。
図1において、この燃料電池1は、燃料電池セルSを備えており、燃料電池セルSは、燃料側電極2、酸素側電極3および電解質層4を備え、燃料側電極2および酸素側電極3が、それらの間に電解質層4を挟んで、対向配置されている。換言すれば、燃料電池セルSは、電解質層4と、電解質層4を挟んで対向配置される燃料側電極2および酸素側電極3とを備えている。
燃料側電極2は、電解質層4の一方の面に対向接触されている。この燃料側電極2は、例えば、触媒を担持した触媒担体などの電極材料により、形成されている。また、触媒担体を用いずに、電極材料として触媒粒子を用い、その触媒粒子を、直接、燃料側電極2として形成してもよい。
触媒としては、特に制限されず、例えば、白金族元素(ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt))、鉄族元素(鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni))などの周期表(IUPAC Periodic Table of the Elements(version date 22 June 2007)に従う。以下同じ。)第8〜10(VIII)族元素や、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)などの周期表第11(IB)族元素、さらには亜鉛(Zn)などの金属単体や、それらの合金などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、鉄族元素が挙げられ、より好ましくは、ニッケルが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
触媒担体としては、例えば、カーボンなどの多孔質物質が挙げられる。
触媒を触媒担体に担持させる場合、触媒と触媒担体との総量に対して、触媒担体の担持割合は、例えば、20質量%以上、好ましくは、40質量%以上であり、また、例えば、80質量%以下、好ましくは、60質量%以下である。
燃料側電極2の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
また、燃料側電極2を形成するには、特に制限されないが、例えば、膜電極接合体を形成する。膜電極接合体は、公知の方法により形成することができる。具体的には、例えば、電解質層4の厚み方向一方側の面(以下、単に一方面とする。)の表面に、上記触媒と、イオン交換樹脂とを含む燃料側電極2を形成する。燃料側電極2を形成するには、例えば、まず、上記触媒とイオン交換樹脂とを混合し、必要によりアルコールやエーテルなどの適宜の溶媒を添加して粘度を調整することにより、上記触媒の分散液(燃料側電極インク)を調製する。次いで、その分散液を、電解質層4の一方面の表面に塗布および乾燥させる。これにより、電解質層4の一方面に燃料側電極2を形成することができる。
なお、この方法においては、燃料電池1が、アニオン交換型燃料電池として構成されている場合には、イオン交換樹脂として、好ましくは、アニオン交換樹脂が挙げられる。
また、燃料側電極2において、触媒の担持量は、例えば、0.05mg/cm以上、好ましくは、0.1mg/cm以上であり、例えば、10mg/cm以下、好ましくは、5mg/cm以下である。
この燃料側電極2では、後述するように、供給される液体燃料に含まれる、少なくとも水素を含有する化合物(以下、「燃料化合物」という。)と、電解質層4を通過した水酸化物イオン(OH)とを反応させて、電子(e)と窒素(N)と水(HO)とを生成させる。
酸素側電極3は、電解質層4の他方の面に対向接触されている。この酸素側電極3は、特に限定されないが、例えば、金属触媒が担持される多孔質電極として形成されている。
上記金属触媒は、遷移金属が含まれており、例えば、遷移金属と錯体形成有機化合物とが錯体を形成することにより、形成されているか、または、例えば、遷移金属が導電性高分子からなる担体に担持されることにより、形成されている。
遷移金属としては、例えば、スカンジウム(Sc)、チタン(Ti)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、イットリウム(Y)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、ランタン(La)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金(Pt)、金(Au)などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、鉄、銀、コバルトが挙げられ、より好ましくは、鉄が挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができ、これらの合金も使用することができる。
錯体形成有機化合物は、金属原子に配位することによって、当該金属原子と錯体を形成する有機化合物であって、例えば、ピロール、ポルフィリン、テトラメトキシフェニルポルフィリン、ジベンゾテトラアザアヌレン、フタロシアニン、コリン、クロリン、フェナントロリン、サルコミン、ナイカルバジン、アミノアンチピリン(AAPYr)などの錯体形成有機化合物またはこれらの重合体が挙げられる。これらのうち、好ましくは、ピロールの重合体であるポリピロール、フェナントロリン、サルコミン、ナイカルバジン、アミノアンチピリンが挙げられ、とりわけ好ましくは、ナイカルバジンが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
導電性高分子としては、上記した錯体形成有機化合物と重複する化合物もあるが、例えば、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリビニルカルバゾール、ポリトリフェニルアミン、ポリピリジン、ポリピリミジン、ポリキノキサリン、ポリフェニルキノキサリン、ポリイソチアナフテン、ポリピリジンジイル、ポリチエニレン、ポリパラフェニレン、ポリフルラン、ポリアセン、ポリフラン、ポリアズレン、ポリインドール、ポリジアミノアントラキノンなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは、ポリピロールが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
金属触媒を形成するには、特に制限されず、公知の方法を採用することができる。
酸素側電極3の厚みは、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、300μm以下、好ましくは、150μm以下である。
このような金属触媒から酸素側電極3を形成するには、特に制限されないが、上記した燃料側電極2と同様にして、例えば、電解質層4の厚み方向他方側の面(以下、単に他方面とする。)の表面に、上記金属触媒と、イオン交換樹脂とを含む酸素側電極3を形成する。酸素側電極3を形成するには、例えば、まず、上記金属触媒とイオン交換樹脂とを混合し、必要によりアルコールやエーテルなどの適宜の溶媒を添加して粘度を調整することにより、上記金属触媒の分散液(酸素側電極インク)を調製する。次いで、その分散液を、電解質層4の他方面の表面に塗布および乾燥させる。これにより、電解質層4の他方面に酸素側電極3を形成することができる。
なお、この方法においては、燃料電池1が、アニオン交換型燃料電池として構成されている場合には、イオン交換樹脂として、好ましくは、アニオン交換樹脂が挙げられる。
また、酸素側電極3において、金属触媒の担持量は、例えば、0.05mg/cm以上、好ましくは、0.1mg/cm以上であり、例えば、10mg/cm以下、好ましくは、5mg/cm以下である。
この酸素側電極3では、後述するように、供給される酸素(O)と、水(HO)と、外部回路13を通過した電子(e)とを反応させて、水酸化物イオン(OH)を生成させる。
電解質層4は、イオン交換基を有さず、親水性高分子膜からなる。
イオン交換基としては、例えば、カチオン交換基およびアニオン交換基が挙げられる。
カチオン交換基としては、例えば、カルボン酸基、イミノ二酢酸基、スルホン酸基、リン酸基、リン酸エステル基などが挙げられる。
アニオン交換基としては、例えば、トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基、トリブチルアンモニウム基、ジメチルヒドロキシエチルアンモニウム基、ジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム基、メチルジヒドロキシエチルアンモニウム基などの4級アンモニウム基、例えば、イミダゾリウム基、ホスホニウム基、ピリジニウム基などが挙げられる。
親水性高分子膜は、これらのイオン交換基を有しておらず、例えば、親水性ポリマーからなる膜、疎水性ポリマーからなる膜の親水処理物などが挙げられる。
親水性ポリマーからなる膜は、親水性ポリマーから、公知の方法により、形成される。
親水性ポリマーとしては、例えば、オレフィン−ビニルアルコール共重合体、セルロースなどが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
オレフィン−ビニルアルコール共重合体としては、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、プロピレン−ビニルアルコール共重合体などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、エチレン−ビニルアルコール共重合体が挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
また、オレフィン−ビニルアルコール共重合体のオレフィン(好ましくは、エチレン)含有率は、例えば、20mol%以上、好ましくは、25mol%以上、より好ましくは、30mol%以上であり、また、例えば、48mol%以下、好ましくは、44mol%以下である。
オレフィン−ビニルアルコール共重合体のオレフィン(好ましくは、エチレン)含有率が、上記の範囲内にあれば、オレフィン−ビニルアルコール共重合体は、耐久性を向上させつつ、優れた親水性を有し、後述する水酸化物イオン(OH)を、効率的に移動させることができる。
セルロースとしては、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシアルキルセルロースなどが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
これらの親水性ポリマーからなる膜のうち、好ましくは、オレフィン−ビニルアルコール共重合体からなる膜(オレフィン−ビニルアルコール共重合体フィルム)、セルロースからなる膜(セロハン(登録商標))が挙げられる。
また、親水性ポリマーからなる膜は、市販品を用いることができ、例えば、エバールEF−XL15(エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、クラレ社製)などが挙げられ、また、例えば、PT#300(セロハン(登録商標)、レンゴー社製)が挙げられる。
また、親水性ポリマーからなる膜は、必要により、公知の方法により、親水処理される。
疎水性ポリマーからなる膜は、疎水性ポリマーから、公知の方法により、形成される。
疎水性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ポリアミドなどが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
これらの疎水性ポリマーからなる膜のうち、好ましくは、ポリエステルからなる膜が挙げられる。
ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリ乳酸などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、ポリエチレンテレフタレートが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
そして、疎水性ポリマーからなる膜の親水処理物は、上記の疎水性ポリマーからなる膜を、公知の方法で、親水処理することにより得られる。
親水処理する方法としては、公知の方法が挙げられ、例えば、プラズマ処理などが挙げられる。
疎水性ポリマーからなる膜の親水処理物として、好ましくは、ポリエステルからなる膜の親水処理物(親水処理されたポリエステルフィルム)が挙げられる。
また、疎水性ポリマーからなる膜の親水処理物は、市販品を用いることができ、親水処理されたポリエステルフィルムとして、例えば、3M親水処理ポリエステルフィルム9901P(スリーエムカンパニー社製)(登録商標)などが挙げられる。
これらの親水性高分子膜は、好ましくは、オレフィン−ビニルアルコール共重合体フィルム、セロハン(登録商標)、親水処理されたポリエステルフィルムからなる群から選択される。親水性高分子膜として、より好ましくは、オレフィン−ビニルアルコール共重合体が挙げられ、さらに好ましくは、エチレン−ビニルアルコール共重合体が挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
電解質層4の厚みは、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上であり、例えば、50μm以下、好ましくは、35μm以下である。
燃料電池セルSは、さらに、燃料供給部材5および酸素供給部材6を備えている。燃料供給部材5は、ガス不透過性の導電性部材からなり、その一方の面が、燃料側電極2に対向接触されている。そして、この燃料供給部材5には、燃料側電極2の全体に液体燃料を接触させるための燃料側流路7が、一方の面から凹む葛折状の溝として形成されている。なお、この燃料側流路7は、その上流側端部および下流側端部に、燃料供給部材5を貫通する供給口9および排出口8がそれぞれ連続して形成されている。
また、酸素供給部材6も、燃料供給部材5と同様に、ガス不透過性の導電性部材からなり、その一方の面が、酸素側電極3に対向接触されている。そして、この酸素供給部材6にも、酸素側電極3の全体に酸素(空気)を接触させるための酸素側流路10が、一方の面から凹む葛折状の溝として形成されている。なお、この酸素側流路10にも、その上流側端部および下流側端部に、酸素供給部材6を貫通する供給口11および排出口12がそれぞれ連続して形成されている。
また、図示しないが、燃料電池1においては、必要に応じて、燃料供給部材5と燃料側電極2との間、および、酸素供給部材6と酸素側電極3との間に、公知のガス拡散層を積層することができる。
そして、この燃料電池1は、実際には、上記した燃料電池セルSが、複数積層されるスタック構造として形成される。そのため、燃料供給部材5および酸素供給部材6は、実際には、両面に燃料側流路7および酸素側流路10が形成されるセパレータとして構成される。
なお、図示しないが、この燃料電池1には、導電性材料によって形成される集電板が備えられており、集電板に備えられた端子から燃料電池1で発生した起電力を外部に取り出すことができるように構成されている。
また、試験的(モデル的)には、この燃料電池セルSの燃料供給部材5と酸素供給部材6とを外部回路13によって接続し、その外部回路13に電圧計14を介在させて、発生する電圧を計測することもできる。
そして、本発明においては、上記燃料化合物を含む液体燃料が、改質などを経由することなく、直接供給される。
燃料化合物としては、例えば、メタノール、エタノールなどのアルコール類、例えば、ジメチルエーテルなどのエーテル類、例えば、ヒドラジン(NHNH)、水加ヒドラジン(NHNH・HO)、炭酸ヒドラジン((NHNHCO)、硫酸ヒドラジン(NHNH・HSO)、モノメチルヒドラジン(CHNHNH)、ジメチルヒドラジン((CHNNH、CHNHNHCH)、カルボンヒドラジド((NHNHCO)などのヒドラジン類、例えば、尿素(NHCONH)、例えば、イミダゾール、1,3,5−トリアジン、3−アミノ−1,2,4−トリアゾールなどの複素環類、例えば、ヒドロキシルアミン(NHOH)、硫酸ヒドロキシルアミン(NHOH・HSO)などのヒドロキシルアミン類などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、ヒドラジン類が挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
なお、燃料化合物は、必要により、水に溶解して調製することができる。
また、液体燃料は、好ましくは、添加剤を含有している。
添加剤としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化フランシウムなどのアルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化ラジウムなどのアルカリ土類金属水酸化物などの電解質などが挙げられる。これらのうち、好ましくは、アルカリ金属水酸化物が挙げられ、より好ましくは、水酸化カリウムが挙げられる。また、これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
液体燃料が添加剤を含有すれば、電解質層4がイオン交換基を有しない場合において、後述する水酸化物イオン(OH)の移動を促進することができる。
添加剤の添加量は、燃料化合物100質量部に対して、例えば、1質量部以上、好ましくは、5質量部以上であり、また、例えば、35質量部以下、好ましくは、30質量部以下である。
そして、酸素供給部材6の酸素側流路10に酸素(空気)を供給しつつ、燃料供給部材5の燃料側流路7に上記した液体燃料を供給すれば、酸素側電極3においては、次に述べるように、燃料側電極2で発生し、外部回路13を介して移動する電子(e)と、水(HO)と、酸素(O)とが反応して、水酸化物イオン(OH)を生成する。生成した水酸化物イオン(OH)は、親水性高分子膜からなる電解質層4を、酸素側電極3から燃料側電極2へ移動する。そして、燃料側電極2においては、電解質層4を通過した水酸化物イオン(OH)と、液体燃料とが反応して、電子(e)が生成する。生成した電子(e)は、燃料供給部材5から外部回路13を介して酸素供給部材6に移動され、酸素側電極3へ供給される。このような燃料側電極2および酸素側電極3における電気化学的反応によって、起電力が生じ、発電が行われる。
そして、このような電気化学的反応には、燃料側電極2において、液体燃料に水酸化物イオン(OH)を直接反応させる一段反応と、液体燃料を、水素(H)と窒素(N)とに分解した後に、分解により生成した水素(H)に水酸化物イオン(OH)を反応させる二段反応との2種類の反応がある。
例えば、液体燃料としてヒドラジン(NHNH)を用いた場合には、一段反応は、燃料側電極2、酸素側電極3および全体として、次の反応式(1)〜(3)で表すことができる。
(1) NHNH+4OH→4HO+N+4e (燃料側電極)
(2) O+2HO+4e→4OH (酸素側電極)
(3) NHNH+O→2HO+N (全体)
また、二段反応は、燃料側電極2、酸素側電極3および全体として、次の反応式(4)〜(7)で表すことができる。
(4) NHNH→2H+N (分解反応;燃料側電極)
(5) H+2OH→2HO+2e (燃料側電極)
(6) 1/2O+HO+2e→2OH (酸素側電極)
(7) H+1/2O→HO (全体)
一方、燃料電池1を長期間使用に供すると、燃料電池1の内部にOHラジカルが生じる。そして、電解質層4が、イオン交換基を有する樹脂であれば、OHラジカルと、イオン交換基とが反応し、電解質層4が、劣化するという不具合がある。
これに対して、上記の燃料電池1では、電解質層4が、イオン交換基を有さず、親水性高分子膜からなる。つまり、電解質層4は、OHラジカルと反応するイオン交換基を有していないので、上記の反応により、電解質層4が劣化することなく、電解質層4は、高い耐久性を有する。
なお、この燃料電池1の運転条件は、特に限定されないが、例えば、燃料側電極2側の加圧が200kPa以下、好ましくは、100kPa以下であり、酸素側電極3側の加圧が200kPa以下、好ましくは、100kPa以下であり、燃料電池セルSの温度が0〜120℃、好ましくは、20〜80℃として設定される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲で、適宜設計を変形することができる。
本発明の燃料電池の用途としては、例えば、自動車、船舶、航空機などにおける駆動用モータの電源や、携帯電話機などの通信端末における電源などが挙げられる。
なお、上記した説明では、燃料電池1が、アニオン交換型燃料電池として構成されている場合について説明したが、上記に限定されず、燃料電池1が、カチオン交換型燃料電池として構成されていてもよい。
この場合には、燃料側電極2は、上記触媒と、イオン交換樹脂としてのカチオン交換樹脂とを含む。
また、酸素側電極3は、上記金属触媒と、イオン交換樹脂としてのカチオン交換樹脂とを含む。
また、触媒、金属触媒、液体燃料などは、公知のものが、採用される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限値(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限値(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
なお、「部」および「%」は、特に言及がない限り、質量基準である。
実施例1
1)燃料側電極となる触媒インクの調製
ニッケル粉末を担持させたカーボン(ケッチェンブラック)の粉末(Ni:50質量%、C:50質量%、キャタラー社製)を、アニオン交換樹脂と混合させ混合物を得た。次いで、この混合物を、アルコールに分散させた。
これにより、燃料側電極となる触媒インクを調製した。
2)酸素側電極となる触媒インクの調製
ナイカルバジンFe錯体(NPC−2000、Pajarito社製)を、アニオン交換樹脂と混合させ混合物を得た。次いで、この混合物を、アルコールに分散させた。
これにより、酸素側電極となる触媒インクを調製した。
3)膜電極接合体の製造
燃料側電極となる触媒インクを、電解質層としての親水性高分子膜(エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、エチレン含有率32mol%、エバールEF−XL15、厚み15μm、クラレ社製)の一方側の表面に、スプレー法により塗布し、25℃で乾燥させた。これにより、燃料側電極(アノード触媒層)を形成した。なお、アノード触媒層の触媒担持量は、3.2mg/cmとした。
次いで、酸素側電極となる触媒インクを、上記した親水性高分子膜(エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム、エバールEF−XL15、厚み15μm、クラレ社製)の他方側の表面に、スプレー法により塗布し、25℃で乾燥させた。これにより、酸素側電極(カソード触媒層)を形成した。なお、カソード触媒層の触媒担持量は、1.25mg/cmとした
これにより、膜電極接合体を製造した。
比較例1
電解質層をアニオン交換樹脂(炭化水素系電解質膜)に変更した以外は、実施例1と同様にして、膜電極接合体を製造した。
4)耐久性評価
燃料電池評価セル(ラボセル、ダイハツ工業社製)に、実施例1および比較例1で得られた膜電極接合体をセットして、燃料側電極へ2MのKOHと40質量%濃度の水加ヒドラジンとの混合溶液(水加ヒドラジン100質量部に対して、26.6質量部のKOHを含有)を、酸素側電極へ空気を、それぞれ1.2ml/minおよび0.5L/minの流速で供給して、電子負荷装置(890e、Scribner Associates社製)で電流密度を一定に制御して、定格時出力を測定した。
測定条件を以下に示す。
セル温度:60℃
背圧;燃料側電極:0kPa、酸素側電極:10kPa
実施例1および比較例1の定格時出力の保持率(各経過時間における定格時出力/初期の定格時出力×100)の経時変化を図2に示す。
図2に示すように、電解質層が親水性高分子膜(エチレン−ビニルアルコール共重合体フィルム)である実施例1は、200時間経過後、定格時出力の保持率が97%であり、膜電極接合体の耐久性に優れていた。
また、電解質層がアニオン交換樹脂である比較例1は、200時間経過後、定格時出力の保持率が82%であり、膜電極接合体の耐久性が低いことが確認された。
このことから、電解質層が、イオン交換基を有さず、親水性高分子膜からなれば、膜電極接合体の耐久性を向上できると確認された。
1 燃料電池
2 燃料側電極
3 酸素側電極
4 電解質層

Claims (1)

  1. 電解質層と、前記電解質層を挟んで対向配置され、液体燃料が供給される燃料側電極、および、酸素が供給される酸素側電極とを備える燃料電池において、
    前記電解質層は、イオン交換基を有さず、親水性高分子膜からなることを特徴とする、燃料電池。
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