JP2017215580A - 表示体、印刷物および情報記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】可視光に対して、プラズモン共鳴する粒子を用い、意匠性および偽造防止性に優れた表示体を提供する。【解決手段】本開示は、透明性を有する基材12と、上記基材の一方の面側に有する第1層11と、上記基材のいずれかの面側または両方の面側に有し、透明かつ有色の第2層13と、を有する表示体10であって、上記第1層は、上記基材側から第3層1と、上記第3層の一方の面に粒子2と、を有し、上記第3層は上記粒子の周辺媒質とは異なる屈折率を有し、上記粒子は、負誘電体材料を有し、可視光に対してプラズモン共鳴し、上記第1層の上記粒子の配置領域の少なくとも一部が、上記第2層の配置領域の少なくとも一部と平面視上重なる表示体10である。【選択図】図2

Description

本開示は、意匠性および偽造防止性に優れた表示体に関する。
粒子には、電磁波に対して応答する電磁波応答性、例えば、電磁波が有する位相や進行方向、偏光、強度の波長依存性といったパラメータを変化させる機能を有する種類がある。
このような粒子としては、その粒径等の形状、構成材料等により、例えば、プラズモン共鳴を起こして特定波長の電磁波のみを散乱する微粒子や、ミー散乱またはレイリー散乱を起こして特定波長の電磁波のみを散乱したり、位相反転せずに反射したりする微粒子等が知られている。例えば、非特許文献1には、プラズモン共鳴により可視光の散乱が可能な微粒子(以下、プラズモン共鳴型微粒子と称する場合がある。)として、銀ナノキューブ粒子が開示されている。
近年、上記の微粒子を意匠性材料や偽造防止技術等へ応用する検討がなされている。例えば、非特許文献1では、銀ナノキューブ粒子が透明基材表面に固定された積層体が開示されている。通常の印刷用インキにより透明基材上に形成される画像の色は、上記透明基材の表裏で同色になるが、非特許文献1で開示される積層体によれば、表裏で異なる色の画像表示が可能であることが示されている。これは、銀ナノキューブ粒子の一部の面が透明基材の表面に固定されていることで、銀ナノキューブ粒子の透明基材固定面(微粒子の裏面)側の周辺媒質の屈折率と、その反対面(微粒子の表面)側の周辺媒質の屈折率とが異なるため、プラズモン共鳴により散乱される可視光の特定波長、および散乱された可視光の色(以下、散乱光の特定色とする。)も、銀ナノキューブの表裏で異なるという、プラズモン共鳴の特殊な性質を利用している。
Koichiro Saito and Tetsu Tatsuma,"Asymmetric Three-Way Plasmonic Color Routers,"Adv.Optical.Mater.(2015)
しかし、上記のようなプラズモン共鳴型微粒子により画像表示を行う表示体においては、その周辺媒質の屈折率により、プラズモン共鳴により散乱される可視光の波長域が決まるため、表示体の表裏各面で表示可能な色が、プラズモン共鳴型微粒子の散乱光の特定色に限定されてしまう。このため、上記表示体は、多彩な画像表示を行うことができず、意匠性が制限されてしまう。
一方、表示体の意匠性を高めるために、ある情報はプラズモン共鳴型微粒子のプラズモン共鳴による散乱光の特定色で表示し、他の情報はインキ等により印字発色させて表示することも考えられる。しかし、この場合、プラズモン共鳴型微粒子により表示する情報以外の情報は偽造が容易であるため、表示体全体での偽造防止機能に劣ってしまう。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、可視光に対してプラズモン共鳴する粒子を用い、意匠性および偽造防止機能を有する表示体および印刷物を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本開示は、透明性を有する基材(以下、透明基材と称する場合がある。)と、上記基材の一方の面側に有する第1層(以下、表示層と称する場合がある。)と、上記基材のいずれかの面側または両方の面側に有し、透明かつ有色の第2層(以下、透明着色層と称する場合がある。)と、を有する表示体であって、上記第1層は、上記基材側から第3層(以下、高屈折率層と称する場合がある。)と、上記第3層の一方の面に粒子と、を有し、上記第3層は上記粒子の周辺媒質とは異なる屈折率を有し、上記粒子は、負誘電体材料を有し、可視光に対してプラズモン共鳴し、上記第1層の上記粒子の配置領域の少なくとも一部が、上記第2層の配置領域の少なくとも一部と平面視上重なる表示体を提供する。すなわち、本開示は、透明基材と、上記透明基材の一方の面側に有する表示層と、上記透明基材のいずれかの面側または両方の面側に有する透明着色層と、を有する表示体であって、上記表示層は、上記透明基材側から高屈折率層と、上記高屈折率層の一方の面に粒子と、を有し、上記高屈折率層は上記粒子の周辺媒質とは異なる屈折率を有し、上記粒子は、負誘電体材料を有し、可視光に対してプラズモン共鳴し、上記表示層の上記粒子の配置領域の少なくとも一部が、上記透明着色層の配置領域の少なくとも一部と平面視上重なる表示体を提供する。
以下、本開示の表示体における粒子を「微粒子」と表記し、微粒子のプラズモン共鳴により散乱される特定波長の可視光のことを、「プラズモン共鳴による散乱光」または、単に「散乱光」として説明する場合がある。また、本開示の表示体において、表示層の微粒子を有する側の面、すなわち表示層の微粒子が固定されている側の面を「表示体の表面」とし、その反対側の面を「表示体の裏面」として説明する。
また、本開示は、透明性を有する基材と、上記基材の一方の面側に有する第1層と、上記基材のいずれかの面側または両方の面側に有し、透明かつ有色の第2層と、を有し、上記第1層は、上記基材側から第3層と、上記第3層の一方の面に粒子と、を有し、上記第3層は上記粒子の周辺媒質とは異なる屈折率を有し、上記粒子は、負誘電体材料を有し、可視光に対してプラズモン共鳴し、上記第1層の上記粒子の配置領域の少なくとも一部が、上記第2層の配置領域の少なくとも一部と平面視上重なる表示体を絵柄部として少なくとも1つ以上備える印刷物を提供する。すなわち、本開示は、上述した表示体を絵柄部として少なくとも1つ以上備える印刷物を提供する。
また、本開示は、透明性を有する基材と、上記基材の一方の面側に有する第1層と、上記基材のいずれかの面側または両方の面側に有し、透明かつ有色の第2層と、を有し、上記第1層は、上記基材側から第3層と、上記第3層の一方の面に粒子と、を有し、上記第3層は上記粒子の周辺媒質とは異なる屈折率を有し、上記粒子は、負誘電体材料を有し、可視光に対してプラズモン共鳴し、上記第1層の上記粒子の配置領域の少なくとも一部が、上記第2層の配置領域の少なくとも一部と平面視上重なる表示体を備える情報記録媒体を提供する。すなわち、本開示は、上述した表示体を備える情報記録媒体を提供する。
本開示は、透明性を有する基材と、上記基材の一方の面側に有する第1層と、上記基材のいずれかの面側または両方の面側に有し、透明かつ有色の第2層と、を有する表示体であって、上記第1層は、上記基材側から第3層と、上記第3層の一方の面に固定された粒子と、を有し、上記第3層は上記粒子の周辺媒質とは異なる屈折率を有し、上記粒子は、負誘電体材料を有し、可視光に対してプラズモン共鳴し、上記第1層の上記粒子の配置領域の少なくとも一部が、上記第2層の少なくとも一部と平面視上重なる表示体を提供する。
本開示の表示体は、光の照射面や上記重複領域の有無に応じて、微粒子表面で生じるプラズモン共鳴による散乱光の特定色や上記散乱光が透明着色層を介して呈する色により、異なる色の画像表示が可能であり、また、各色の表示方法が異なることから、意匠性や偽造防止性に優れるという効果を奏する。
本開示の表示体の第1実施形態の一例を示す概略平面図である。 図1のX−X線断面図である。 図1および図2の一点鎖線部分の拡大図である。 本開示の表示体の第1実施形態による表示色を説明する模式図である。 本開示の表示体の他の例を示す概略平面図である。 本開示の表示体の第1実施形態の他の例を示す概略断面図である。 図6に示す表示体の表示色を説明する模式図である。 図6の二点鎖線部分の拡大図である。 本開示の表示体の第2実施形態の一例を示す概略断面図である。 本開示の表示体の第3実施形態の一例を示す概略断面図である。 本開示の表示体の第4実施形態の一例を示す概略平面図および断面図である。 本開示の表示体の第4実施形態の他の例を示す概略平面図および断面図である。 図11に示す表示体による表示色を説明する模式図である。 本開示の表示体の第4実施形態の他の例を示す概略断面図である。 図14に示す表示体による表示色を説明する模式図である。 スペーサーの例を示す模式図である。 本開示の印刷物の一例を示す概略平面図および断面図である。 本開示の情報記録媒体の一例を示す概略平面図である。 本開示の情報記録媒体の他の例を示す概略断面図である。 本開示の情報記録媒体の他の例を示す概略平面図である。 本開示の情報記録媒体の他の例を示す概略断面図である。
以下、本開示の表示体、印刷物および情報記録媒体について詳細に説明する。
I.表示体
本開示の表示体は、透明性を有する基材(透明基材)と、上記基材の一方の面側に有する第1層(表示層)と、上記基材のいずれかの面側または両方の面側に有し、透明かつ有色の第2層(透明着色層)と、を有する表示体であって、上記第1層は、上記基材側から第3層(高屈折率層)と、上記第3層の一方の面に粒子と、を有し、上記第3層は上記粒子の周辺媒質とは異なる屈折率を有し、上記粒子は、負誘電体材料を有し、可視光に対してプラズモン共鳴し、上記第1層の上記粒子の配置領域の少なくとも一部が、上記第2層の配置領域の少なくとも一部と平面視上重なる。
本開示の表示体について図面を参照して説明する。図1は、本開示の表示体の一例を示す概略平面図であり、図2は図1のX−X線断面図である。また、図3は図1および図2の一点鎖線部分の拡大図である。図1〜図2に示す表示体10は、透明基材12と、透明基材12の一方の面側に配置された表示層11と、透明基材12の他方の面側に配置された透明着色層13と、を有する。表示層11は、透明基材12側から高屈折率層1と、高屈折率層1上に微粒子2と、を有し(図3)、表示層11の微粒子2の配置領域20が、透明着色層13の配置領域の一部と平面視上重なる(重複領域P)。高屈折率層1は、微粒子2の周辺媒質とは異なる屈折率を有する。微粒子2は、負誘電体材料を有し、可視光に対してプラズモン共鳴する。なお、図1〜2に例示する表示体は、後述する本開示の表示体の第1実施形態に相当する。
本開示の表示体は、白色光を照射した際に、微粒子のプラズモン共鳴により散乱された特定波長の可視光により、特定色の画像を表示することができる。
本開示によれば、上記の特徴を有する微粒子が高屈折率層表面にあることにより、微粒子の高屈折率層に接する面とそれ以外の面とで、プラズモン共鳴により散乱される可視光の特定波長および散乱光の特定色を異ならせることができる。すなわち、上記の特徴を有する微粒子が高屈折率層上に固定されていることにより、微粒子の高屈折率層との固定面(以下、微粒子の固定面とする。)とそれ以外の非固定面とで、プラズモン共鳴により散乱される可視光の特定波長および散乱光の特定色を異ならせることができる。これにより、本開示の表示体は、表裏で異なる色による画像表示が可能となる。また、表示層の上記微粒子の配置領域と上記透明着色層の配置領域とが平面視上重なる領域(以下、重複領域と称する場合がある。)では、上記微粒子表面で散乱された光が透明着色層を介して出射されるため、散乱光による色と透明着色層の色との混色による画像表示が可能となり、一方、表示層の上記微粒子の配置領域と上記透明着色層の配置領域とが平面視上重ならない領域(以下、非重複領域と称する場合がある。)では、光の入射面に応じて、微粒子の散乱光の特定色による画像表示や、透明着色層の色による画像表示が可能となる。このように、本開示の表示体は、微粒子の散乱特性や透明着色層の分光透過・反射特性を利用して、表裏や上記重複領域の有無に応じて異なる色による画像表示が可能となり、意匠性に優れる。また、本開示の表示体は、色の発現方法が重複領域および非重複領域、ならびに表示体の表裏で異なるため、真贋判定を容易に行うことができ、偽造防止効果に優れる。
本開示の表示体において、透明着色層が「透明基材のいずれかの面側または両方の面側に有する(配置される)」とは、透明基材の一方の面側、すなわち、透明基材の表示層が配置されている面側に配置されていてもよく、透明基材の他方の面側、すなわち、透明基材の表示層が配置された面と反対側の面に配置されていてもよく、透明基材の両方の面側にそれぞれ配置されていてもよい。
また、透明着色層が「透明基材の一方の面側に有する(配置される)」とは、上記透明着色層が透明基材の一方の面上に直接配置されていてもよく、上記透明着色層が透明基材の一方の面に他の部材を介して間接的に配置されていてもよい。具体的には、上記透明着色層は、透明基材および上記表示層の間に配置されていてもよく、透明基材上に配置された表示層の微粒子を覆うようにして配置されていてもよく、透明基材上に配置された表示層上に、空気層を介して配置されていてもよい。「透明基材の他方の面側に有する(配置される)」場合も同様である。透明着色層の配置位置の詳細については、各実施形態で説明する。
また、「表示層の微粒子の配置領域の少なくとも一部が、透明着色層の配置領域の少なくとも一部と平面視上重なる」とは、透明着色層が透明基材の両方の面側にそれぞれ配置されている場合、微粒子の配置領域の少なくとも一部が、一方の透明着色層の配置領域の少なくとも一部と平面視上重なり、かつ、他方の透明着色層の配置領域の少なくとも一部と平面視上重なることをいう。
本開示の表示体は、表示層の微粒子の配置領域と透明着色層との位置関係や、表示体の表裏によって、異なる色の画像を表示することが可能であり、透明基材、表示層、および透明着色層の配置関係に応じて、以下の実施形態に大別することができる。以下、本開示の表示体の各実施形態、および各構成について説明する。
A.第1実施形態
本開示の表示体の第1実施形態(以下、この項において本実施形態と称する場合がある。)は、上述の表示体であって、上記透明基材の他方の面側に上記透明着色層を有し、上記表示層が、上記高屈折率層の一方の面に上記微粒子を露出状態で有する。
本実施形態の表示体は、例えば、既述の図1〜図2に例示した構造を有することができる。
本実施形態の表示体によれば、表面の重複領域では、微粒子の露出面にて生じる散乱光の特定色による画像表示が可能であり、非重複領域では、透明着色層の色による画像表示が可能である。また、上記表示体は、裏面の重複領域では、微粒子と高屈折率層との界面にて生じる散乱光の特定色と透明着色層の色との混色による画像表示が可能であり、非重複領域では、透明着色層の色による画像表示が可能である。
本実施形態の表示体による表示色について、図を参照して更に説明する。図4は、本実施形態の表示体による画像表示色を説明する模式図である。なお、図4中、表示体10の表示層11の微粒子2を有する側の面、すなわち表示体10の表示層11の微粒子2が固定されている側の面を表示体10の表面F側とし、表面Fと反対側の面を表示体10の裏面B側とする。後述する他の実施形態の表示体においても同様とする。
図4で示すように、本実施形態の表示体10に対し、表面F側から画像観察Sを行うと、表示層11の微粒子2の配置領域20と透明着色層13とが平面視上重なる重複領域Pでは、微粒子2の露出面にて生じた散乱光の特定色CLの画像が表示される。また、表示層11の微粒子2の配置領域と透明着色層13とが平面視上重ならない非重複領域Qでは、透明着色層13を透過した光により、非重複領域Qに位置する透明着色層13の色CLの画像が表示される。
一方、表示体10に対し、裏面B側から画像観察Sを行うと、重複領域Pでは、微粒子2と高屈折率層1との界面にて生じた散乱光が、透明着色層13を透過して出射されることより、散乱光の特定色CLと上記散乱光が透過した透明着色層13の色CLとの混色(CL+CL)の画像を表示することができる。このとき、微粒子13の表裏で散乱される可視光の特定波長が異なるため、色CLおよび色CLは異なる色となる。また、非重複領域Qでは、透明着色層13を透過した光により、非重複領域Qに位置する透明着色層13の色CLの画像を表示することができる。
また、図4に示す例では、非重複領域Qは、微粒子2の配置領域20と透明着色層13とが平面視上重ならない領域であって、透明着色層13の配置領域であるが、図示しないが、本実施形態の表示体は、微粒子の配置領域と透明着色層とが平面視上重ならない領域であって、微粒子の配置領域である非重複領域を有していてもよい。なお、微粒子の配置領域と透明着色層とが平面視上重ならない領域であって、透明着色層の配置領域である非重複領域を第1非重複領域と称し、微粒子の配置領域と透明着色層とが平面視上重ならない領域であって、微粒子の配置領域である非重複領域を第2非重複領域と称する場合がある。本実施形態の表示体が、第2非重複領域を有する場合、表示体の表面の第2非重複領域では、微粒子の露出面にて生じる散乱光の特定色による画像表示が可能であり、表示体の裏面の第2非重複領域では、微粒子と高屈折率層との界面にて生じる散乱光の特定色による画像表示が可能である。
このように、本実施形態の表示体は、表裏や、透明着色層および微粒子の配置領域の重複の有無に応じて、異なる色による画像表示が可能となる。
なお、図示しないが、本実施形態の表示体は、上述の重複領域および非重複領域の他に、上記表示層の上記微粒子および上記透明着色層が配置されない領域(以下、非配置領域と称する場合がある。)を有していてもよい。この場合、上記非配置領域では、表示体の表裏を問わず、透明基材の色による画像表示が可能となる。
本実施形態の表示体は、上記重複領域に加え、上記非重複領域および上記非配置領域の少なくとも一方を含むことにより、微粒子の散乱特性および透明着色層の分光透過・反射特性を利用して、表裏や表示層の微粒子の配置領域と透明着色層との重複領域の有無、非配置領域の有無に応じて、多種多彩な画像表示が可能となり、より優れた意匠性を発揮することができる。また、本実施形態の表示体は、領域ごとに色の表示方法が異なることで、偽造防止効果を高めることができる。後述する他の実施形態においても、同様の効果を奏することができる。
以下、本実施形態の表示体の各構成について説明する。
1.第1層(表示層)
本実施形態における第1層(表示層)は、上記透明基材側から高屈折率層と、上記高屈折率層の一方の面に微粒子と、を有し、上記表示層が、上記高屈折率層の一方の面に上記微粒子を露出状態で有する。
上記高屈折率層の一方の面とは、上記高屈折率層の透明基材側とは反対側の面をいう。
ここで、「露出状態」とは、少なくとも微粒子の高屈折率層とは反対側の表面が露出し、他の部材と接していない状態をいい、通常、少なくとも微粒子の高屈折率層側とは反対側の表面が大気と接する状態をいう。
(1)微粒子
上記微粒子は、負誘電体材料を含み、可視光に対してプラズモン共鳴する。
ここで、可視光に対してプラズモン共鳴するとは、微粒子に可視光が照射された際に、微粒子の局在表面プラズモン共鳴(局在表面プラズモンポラリトンともいう。)により特定波長の可視光を散乱可能であることをいう。
プラズモン共鳴する可視光の波長は、微粒子の形状、構成材料等により影響を受ける。このため、微粒子は、その形状、構成材料を調整することで、プラズモン共鳴する可視光の波長を調整することができ、白色光が照射された際の特定色として、例えば、赤色、青色、黄色等の光を散乱することが可能となる。
可視光とは、360nm以上830nm未満の波長領域の電磁波をいう。プラズモン共鳴する可視光の波長としては、例えば360nm以上830nm以下の範囲内であることが好ましく、400nm以上760nm以下の範囲内であることが好ましい。ヒトの視感度を考慮すると、この範囲内の波長の光が容易に知覚されるからである。
上記微粒子の平均一次粒径としては、可視光に対してプラズモン共鳴することが可能な大きさであればよく、例えば、2nm以上200nm以下の範囲内であることが好ましく、なかでも、5nm以上150nm以下の範囲内であることが好ましく、特に、10nm以上100nm以下の範囲内であることが好ましい。上記平均一次粒径が上述の範囲内であることで、上記微粒子は、上記範囲内の可視光に対してプラズモン共鳴を生じさせやすいからである。
上記平均一次粒径は、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で求めることができる。具体的には、透過型電子顕微鏡写真(TEM)(例えば、日立ハイテク製 H−7650)にて粒子像を測定し、ランダムに選択した100個以上の一次粒子の「4×面積÷周長」の平均値を平均一次粒径とすることができる。具体的には、上記微粒子が半径Rの球形状であれば、4×(面積)/(周長)=4×(πR)/(2πR)=2Rの平均値を平均一次粒径とすることができる。また、上記微粒子が一辺の長さaの立方体形状であれば、4×(面積)/(周長)=4a/4a=aの平均値を平均一次粒径とすることができる。なお、電子顕微鏡は透過型(TEM)または走査型(SEM)のいずれを用いてもよい。
微粒子の平均一次粒径は、1種類のみに限定されず、2種類以上であってもよい。平均一次粒径の種類が2種類以上である場合、例えば、平均一次粒径が100nmの範囲内の微粒子と、平均一次粒径が200nmの微粒子と、を混合して用いることができる。
上記微粒子の粒度分布は、上記範囲内の特定の波長帯の可視光に対してプラズモン共鳴することが可能となる粒度分布であればよく、例えば、特定色の画像を表示可能とする観点からは、粒度分布が狭いことが好ましい。粒度分布が狭いということは、例えば、累積粒度分布の微粒側から累積50%、累積90%の粒径をD50、D90としたとき、D50に対するD90の比率(D90/D50)という値で評価できる。例えば、D90/D50が2以下であることが好ましく、なかでも1.5以下であることが好ましい。
上記微粒子の形状としては、可視光に対してプラズモン共鳴することが可能な形状であればよく、例えば、球形状や円柱形状であってもよいが、三角錐形状、三角柱形状、立方体形状、直方体形状、金平糖形状、円盤形状、その他プレート状の角を有する形状であることが好ましい。上記形状が角を有する形状であることで、上記微粒子は、プラズモン共鳴を生じさせやすいからである。中でも、上記形状が、立方体形状または直方体形状であることが好ましい。上記形状であることにより、上記微粒子は、プラズモン共鳴を生じやすく、かつ、製造が容易だからである。
上記形状の種類は、1種類のみに限定されず、2種類以上であってもよい。形状の種類が2種類以上である場合、例えば、形状が球形状の微粒子と、形状が立方体形状の微粒子と、を混合して用いることができる。
上記微粒子に含まれる負誘電体材料とは、電磁波応答性を得たい特定の波長領域において、誘電率の実部が負である材料をいう。本開示の場合であれば、プラズモン共鳴を得たい可視光の波長領域において誘電率の実部が負である材料をいう。上記負誘電体材料としては、例えば、金属、金属酸化物や不純物半導体を用いることができ、中でも金属であることが好ましい。可視光に対してプラズモン共鳴が容易だからである。
上記金属としては、例えば、銀、金、銅、アルミニウム、プラチナ、パラジウム、アルミニウム等であることが好ましく、中でも銀であることが好ましい。可視領域においてプラズモン共鳴が容易だからである。上記金属酸化物は、誘電率の実部が負である化合物であればよく、例えば、特開2015−194799号公報の透明電極層の形成に用いられる、インジウム錫酸化物(ITO)等の無機導電性材料を挙げることができる。上記不純物半導体としては、例えば、特開2015−232713号公報に記載の材料を使用できる。上記負誘電体材料の種類は、1種類のみに限定されず、2種類以上であってもよい。負誘電体材料の種類が2種類以上である場合、例えば、負誘電体材料として銀を含む微粒子と、負誘電体材料として金を含む微粒子とを混合して用いることができる。
上記微粒子は、負誘電体材料を主成分として含む。ここで、負誘電体材料を主成分として含むとは、上記微粒子が、可視光に対してプラズモン共鳴が可能な程度に負誘電体材料を含むことを意味する。具体的には、微粒子中の負誘電体材料の含有量が80質量%以上であることを意味する。
また、上記微粒子は、負誘電体材料を主成分として含むが、必要に応じてその他の材料を含んでいてもよい。例えば、微粒子は、負誘電体材料粒子の表面が被覆層により覆われるもの、すなわち、微粒子が、負誘電体材料粒子の表面を覆う材料を含んでいてもよい。上記微粒子が被覆層を有することにより、微粒子は、凝集の抑制等を図ることができるからである。
上記被覆層を構成する材料としては、負誘電体微粒子の表面に結合可能な樹脂材料を用いることができ、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、PEG誘導体、ポリビニルピロリドン(PVP)、クエン酸イオン、炭酸イオン、α−リポ酸、分岐ポリエチレンイミン(BPEI)、シリカ、シリカ誘導体、アルキルチオール等を挙げることができる。
上記被覆層の厚みとしては、上記微粒子のプラズモン共鳴を大きく妨げることがない厚みであればよいが、本実施形態の表示体の表裏において、散乱光の特定色による表示画像の観察が容易となる観点から、例えば2nm以下とすることができる。
上記微粒子の配置領域の平面視形状、すなわち、配置形状は、後述する高屈折率層の全面を覆う形状であってもよく、パターン形状であってもよい。
中でも、上記微粒子の配置領域の平面視形状は、パターン形状とすることができる。微粒子の配置領域のパターン形状に応じた画像表示が可能となるため、意匠性に優れるからである。なお、パターン形状とは、任意の形状をいう。
パターン形状としては、例えば、ドット状、ライン状等とすることができる。ドット状としては、円形状、四角形状等の任意の形状とすることができる。また、上記配置形状は、絵柄、記号、文字等を表わす意匠パターン形状であってもよい。具体的には、ライン状の配置領域を用いて文字等を表わす形状や、ドット状の配置領域を用いて文字等を表わす形状とすることができる。
中でも、上記微粒子の配置形状が意匠パターン形状であることが好ましい。微粒子の配置領域のパターン形状に応じた画像表示が可能となるため、本実施形態の表示体により表示される画像を多種化することができ、意匠性や偽造防止性を高めることができるからである。
ここで、高屈折率層の全面とは、高屈折率層の微粒子を有する側の面の平面視上の全域をいい、すなわち高屈折率層の微粒子が固定される面の平面視上の全域をいう。なお、図5(a)は、微粒子2の配置領域20の平面視形状が、高屈折率層1の全面を覆う形状である例を示し、図5(b)は、微粒子2の配置領域20の平面視形状が星型のパターン形状である例を示す。また、既述の図1は、微粒子2の配置領域20の平面視形状がライン状のパターン形状である例を示す。
上記配置領域の面内における微粒子の数密度としては、照射光のうち特定波長の可視光を所望の強度で散乱可能となる数密度であればよく、例えば、10個/cm以上1010個/cm以下の範囲内とすることができる。微粒子の数密度は、高屈折率層上の微粒子の配置領域について、上記配置領域の平面視における微粒子の個数/上記配置領域の平面視面積(cm)で算出される。
上記配置領域内における微粒子の配置間隔としては、上記数密度とすることが可能な間隔であればよい。上記微粒子は、1種類の間隔により等間隔で配置されていてもよく、ランダムに配置され、上記間隔が2種類以上であってもよい。
上記微粒子は、高屈折率層の一方の面に配置されており、通常、上記微粒子は、上記表示層において、高屈折率層の一方の面に固定される。ここで、高屈折率層の一方の面に固定されるとは、高屈折率層表面に直接接するように固定される場合に限定されず、バインダ樹脂等を介して高屈折率層表面に固定される場合も含む。
上記バインダ樹脂としては、微粒子を高屈折率層表面に安定的に密着可能な樹脂であればよく、公知の熱硬化樹脂や、紫外線(UV)硬化樹脂、電子ビーム(EB)硬化樹脂等の光硬化性樹脂の硬化性樹脂を用いることができる。
微粒子の固定態様としては、高屈折率層表面に微粒子が吸着されていてもよく、バインダ樹脂により高屈折率層表面に微粒子が密着されていてもよい。
微粒子の固定態様が前者である場合、その固定方法としては、例えば高屈折率層上に、微粒子および溶剤を含む微粒子分散液を塗工し、溶剤を乾燥除去する方法等を挙げることができる。また、上記固定方法は、微粒子を構成する構成材料からなる微粒子形成用層を高屈折率層上に形成し、次いで、フォトリソグラフィー法や電子線リソグラフィー法等を用いて所望の微粒子形状にパターニングする方法であってもよい。
一方、微粒子の固定態様が後者である場合、その固定方法としては、例えば、バインダ樹脂を含有する上記微粒子分散液を用い、高屈折率層上に塗工し、溶剤を乾燥除去する方法を挙げることができる。
上記微粒子分散液の塗工方法としては、例えば、スクリーン印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷等の各種印刷方式や、ダイコーティング法、スプレーコーティング法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、インクジェット法、マイクロコンタクトプリンティング法、ディップペンリソグラフィー法等を挙げることができる。
上記微粒子形成用層の形成方法としては、負誘電体材料の塗膜を形成できる方法であればよく、例えば、スパッタ法等を用いることができる。
(2)第3層(高屈折率層)
本実施形態における第3層(高屈折率層)は、表示層において、微粒子よりも透明基材側に位置する層であり、上記微粒子の周辺媒質とは異なる屈折率を有する。
上記表示層は、高屈折率層を有することにより、微粒子の表裏で周辺媒質との屈折率差(すなわち、誘電率差)を大きくすることができ、その結果、本開示の表示体の表裏において、微粒子の散乱光による特定色を異ならせることができる。
ここで、上記微粒子の周辺媒質とは、微粒子の高屈折率層に接していない面、すなわち微粒子の高屈折率層と固定されていない面(露出面)が触れる媒質であり、例えば、本実施形態であれば空気である。また、後述するように、微粒子が透明着色層に覆われる場合であれば、上記周辺媒質とは、透明着色層である。
上記高屈折率層は、通常、透明基材のいずれかの面側において全面に配置されているが、微粒子の配置領域のパターン形状と同一のパターン形状で配置されていてもよい。なお、透明基材の全面とは、透明基材の高屈折率層が配置される面の平面視上の全域をいう。
高屈折率層は、微粒子の露出面が触れる周辺媒質とは異なる屈折率を有し、通常、上記周辺媒質よりも高屈折率である。上記高屈折率層の屈折率は、透明基材の屈折率よりも高ければよく、高いほど好ましい。具体的には、高屈折率層の屈折率が1.5以上であることが好ましく、中でも1.6以上であることが好ましく、特に2.0以上であることが好ましい。また、上記高屈折率層の屈折率の上限は3.0程度であることが好ましい。上記屈折率は、波長589nm(ナトリウムのD線)における屈折率であり、反射率分光法による薄膜測定装置や、分光エリプソメーターにより測定することができる。他の部材の屈折率についても同様の方法で測定することができる。なお、一般に使用される光学材料は、比透磁率が1であるため、比誘電率は屈折率の二乗と同等となる。したがって、高屈折率層の比誘電率は、上記の屈折率の二乗の値で規定される範囲となる。他の部材についても同様とする。
上記高屈折率層の構成材料は、所望の屈折率および可視光透過性を有する材料であればよく、例えば、酸化チタン(IV)、酸化クロム(III)、硫化亜鉛、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、三酸化アンチモン、酸化鉄(III)、硫化カドミウム、酸化セリウム(IV)、塩化鉛(II)、酸化カドミウム、酸化タングステン(VI)、酸化インジウム(III)、酸化鉛(II)、酸化タンタル(V)、酸化ジルコニウム(IV)等の無機化合物や、シリコン等の無機物等を挙げることができる。
上記高屈折率層の厚みは、要求される光透過性等に応じて適宜設定でき、例えば10nm以上1000nm以下の範囲内とすることができ、中でも20nm以上100nm以下の範囲内であることが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることで、本実施形態の表示体は、表裏で異なる色の画像を容易に表示可能となるからである。
上記高屈折率層の光透過性としては、微粒子のプラズモン共鳴により散乱される特定波長の可視光の透過率が70%以上であることが好ましく、中でも90%以上であることが好ましい。また、上記高屈折率層は、可視光全体を透過する可視光透過性を有することが好ましく、具体的には、上記高屈折率層の全光線透過率が、70%以上であることが好ましく、中でも80%以上であることが好ましい。なお、高屈折率層の光の透過率および全光線透過率の上限は高いほど好ましいが、高屈折率層の材料選択の自由度の観点等から、通常、92%以下である。全光線透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法)により測定することができる。他の部材についても同様の方法で測定することができる。
上記高屈折率層の表面は、平坦面であることが好ましい。微粒子によるプラズモン共鳴への影響を抑えることができるからである。上記記高屈折率層表面の算術平均粗さRaとしては、200nm以下とすることができ、100nm以下であることが好ましい。なお、上記算術平均粗さRaは、JIS B0601:2001に規定された算術平均粗さRaをいう。
上記高屈折率層の形成方法は、高屈折率層の構成材料に応じて適宜設定することができる。例えば、上記構成材料が無機化合物である場合には、上記形成方法としては、スパッタ法、ゾルゲル法等の一般的な成膜方法を用いることができる。
2.第2層(透明着色層)
本実施形態における第2層(透明着色層)は、上記透明基材の他方の面側に有し、透明かつ有色の層である。
ここで、第2層(透明着色層)が有する「透明(性)」とは、可視光領域内の少なくとも特定波長の可視光に対して透明であればよく、半透明の概念も含む。具体的には、透明着色層の可視光領域内のいずれかの波長における透過率が70%以上であることが好ましく、中でも90%以上であることが好ましい。上記透過率は、紫外可視近赤分光光度計V−770(日本分光)により測定することができる。
また、第2層(透明着色層)が「有色」であるとは、層中に含まれる色材等により、第2層が所望の色を呈していることをいう。
上記透明着色層は、単一色の透明着色層で構成されていてもよく、複数色の透明着色層で構成されていてもよい。透明着色層の色は、表示したい画像の色に応じて適宜選択することができる。
透明着色層は、透明基材の他方の面の全面に配置されていてもよく、透明基材の他方の面の一部に配置されていてもよい。
また、透明着色層は、平面視形状がパターン形状であることが好ましい。微粒子の配置形状に基づく画像を、透明着色層のパターン形状に応じた色で表示が可能となり、また、透明着色層のパターン形状に基づき、微粒子の散乱光の特定色による画像表示も可能となるため、意匠性に優れた表示体となるからである。
ここで、透明着色層の平面視形状がパターン形状であるとは、透明着色層が透明基材の他方の面の全面に配置されている場合であれば、図2で示すように、複数色の透明着色層13R、13G、13Bがパターン形状に配置されていることをいう。
また、透明着色層が透明基材の他方の面の一部に配置されている場合は、表示体が、透明着色層が配置された配置領域と配置されていない非配置領域とを有し、上記透明着色層の配置領域が平面視においてパターン形状であることをいい、例えば、後述する図6(a)で示す配置をいう。上記の場合、上記透明着色層は単一色の透明着色層であってもよく、複数色の透明着色層から構成されていてもよい。
透明着色層のパターン形状としては、例えば、ドット状、ライン状等が挙げられる。また、上記パターン形状は絵柄、記号、文字等を表わす意匠パターン形状であってもよい。具体的なパターン形状については、上記「1.表示層 (1)微粒子」の項で説明した微粒子の配置形状と同様とすることができる。
なお、透明着色層がパターン形状のとき、上記微粒子の配置形状は、高屈折率層の全面を覆う形状であってもよく、パターン形状であってもよい。上記透明着色層が透明基材の他方の面の全面に配置されているときも同様である。上記透明着色層の配置形状がパターン形状であり、且つ、上述した微粒子の配置形状もパターン形状である場合、上記透明着色層の一部または全部が、微粒子の配置領域と平面視上重なればよいことから、上記透明着色層の配置形状は、微粒子の配置形状と同一のパターン形状であってもよく、異なるパターン形状であってもよい。また、例えば、後述する図17(b)で示すように、微粒子2の配置領域20Aまたは20B内において、複数色の透明着色層13R、13G、13Bがパターン形状に配置されていてもよい。
既に説明した図2では、透明着色層13は、透明基材12の他方の面の全面に配置され、且つ、赤色透明着色層13R、緑色透明着色層13G、および青色透明着色層13Bの3色がライン状のパターン形状に配置されている。このとき、微粒子2の配置領域20A、20Bおよび20Cごとに、各色の透明着色層13R、13Gおよび13Bが配置されているため、表示体10の裏面B側において重複領域Pにて表示される混色(CL+CL)は、配置領域20A〜20Cごとに異なる色となる。
また、図示しないが、透明着色層の平面視形状が意匠パターン形状であり、上記透明着色層と平面視上重なる微粒子の配置形状が、透明着色層の上記意匠パターン形状を覆う形状であれば、表示体の裏面側において、透明着色層の意匠パターン形状を、微粒子の散乱光による特定色と透明着色層の色との混色で表示することができる。
透明着色層の構成材料は、透明着色層の種類に応じて適宜選択することができ、例えば、色材をバインダ樹脂中に分散させた組成物が挙げられる。
色材としては、各色の顔料や染料等を挙げることができる。赤色透明着色層に用いられる赤色色材としては、例えば、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、イソインドリン系顔料等が挙げられる。緑色透明着色層に用いられる緑色色材としては、例えば、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料もしくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン系顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料等が挙げられる。青色透明着色層に用いられる青色色材としては、例えば、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これらの顔料や染料は単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
バインダ樹脂としては、例えば、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する感光性樹脂が用いられる。
透明着色層は、光重合開始剤や、必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を含んでいてもよい。
透明着色層の厚みは、例えば0.1μm以上10μm以下の範囲内が好ましく、中でも1μm以上5μm以下の範囲内が好ましい。
透明着色層の形成方法としては、後述する透明基材上に単色または複数色の透明着色層を同一平面上に形成可能な方法であればよく、例えば、色材およびバインダ樹脂を少なくとも含む透明着色層用組成物を用いて、各種印刷法または各種コーティング法により形成する方法が挙げられる。このとき用いられる印刷法としては、例えば、フォトリソグラフィー法や、活版印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、インクジェット印刷等が挙げられる。また、コーティング法としては、例えば、ダイコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、ギャップコーティング等があげられる。
上記透明着色層の平面視形状がパターン形状であれば、上記透明着色層は、単一または複数の透明着色層用組成物を所望のパターン形状に塗布する方法により形成することができる。より具体的には、パターン形状の透明着色層は、上述の印刷方法で形成することができる。
透明着色層の形成に際し、透明着色層が形成されている同一平面上には、上記色材を含有せず、上記バインダ樹脂を含有し、光を透過する透明層が形成されていてもよい。透明層の厚みおよび形成方法は、透明着色層と同様とすることができる。
3.透明性を有する基材(透明基材)
本実施形態における透明性を有する基材(透明基材)は、表示層や透明着色層等の他の部材を支持する層である。
上記基材は、通常、上記光の透過が可能な光透過性を有する。
上記透明基材の構成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、シリコーンゴム等の有機材料、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の有機材料、ガラス等の無機材料、有機材料と無機材料とのハイブリッド材料等を用いることができる。
上記透明基材の構造としては、板状構造、多数の空孔を有する多孔質構造、紙のような不織布構造等とすることができる。
上記透明基材の剛性は、本実施形態の表示体を使用する際に破損しない程度の機械的強度を示せばよく、屈曲可能なフレキシブル性を有していてもよく、屈曲しなくてもよい。
上記透明基材の有する「透明」には、半透明の概念も含むが、中でも可視光領域内の全波長光に対して透明であることが好ましい。上記透明基材の光透過性については、上述の「1.表示層 (2)高屈折率層」の項で説明した、高屈折率層の光透過性と同様とすることができる。
上記透明基材の厚みは、上記他の部材を支持できればよく、構成材料や光透過性により異なるが、例えば、10μm以上2000μm以下の範囲内とすることができ、15μm以上250μm以下の範囲内であることが好ましく、なかでも、20μm以上100μm以下の範囲内であることが好ましい。上記厚みが上述の範囲内であることにより、透明基材は、表示層や透明着色層等の他の部材を安定的に支持することができる。
4.第4層(第2透明着色層)
本実施形態の表示体は、上記表示層の上記透明基材側と反対側に、更に第4層(以下、第2透明着色層と称する場合がある。)を有し、上記表示層の上記微粒子の配置領域が、上記第2透明着色層と平面視上重なっていてもよい。第4層は、透明かつ有色の層である。
なお、本実施形態の表示体が上記第2透明着色層を有する場合、透明基材の他方の面側に有する(配置された)透明着色層のことを、第1透明着色層と称する。
図6(a)、(b)は、本実施形態の表示体の他の例を示す概略断面図であり、図1のX−X線断面図に相当する。図6に示す表示体10は、透明基材12と、透明基材12の一方の面側に配置された表示層11と、透明基材12の他方の面側に配置された第1透明着色層13と、を有し、表示層11の透明基材12側とは反対側に、更に第2透明着色層13’を有する。図6(a)は、第2透明着色層13’が表示層11の微粒子2を覆うようにして高屈折率層1の一方の面の全面に配置されている例を示す。また、図6(b)は、第2透明着色層13’が表示層11の微粒子2を覆うようにしてパターン形状に配置されている例を示す。
本実施形態の表示体は、上記表示層の裏面側に配置された第1透明着色層に加え、表面側に第2透明着色層が配置されることで、表示体の表面の重複領域では、微粒子と第2透明着色層との界面にて生じる散乱光の特定色と第2透明着色層の色との混色による画像表示が可能であり、非重複領域では、第1透明着色層の色および第2透明着色層の色の混色による画像表示が可能である。また、表示体の裏面の重複領域では、微粒子と高屈折率層との界面にて生じる散乱光の特定色と第1透明着色層の色との混色による画像表示が可能であり、非重複領域では、第1透明着色層の色および第2透明着色層の色の混色による画像表示が可能である。このように、表示体の表裏で複数色による画像表示が可能となる。
第1透明着色層および第2透明着色層を有する本実施形態の表示体における表示色について、更に図を参照して説明する。
例えば、図6(a)で例示した本実施形態の表示体は、表裏ならびに重複領域および非重複領域に応じて図7(a)で示す色で画像を表示することができる。すなわち、表示体10の表面F側から画像観察Sを行うと、表示層11の微粒子2の配置領域20と第1透明着色層13および第2透明着色層13’とが平面視上重なる重複領域Pでは、微粒子2と第2透明着色層13’との界面にて生じた散乱光の特定色CLと重複領域Pに位置する第2透明着色層13’の色CL3Bとの混色(CL+CL3B)の画像が表示される。また、表示層11の微粒子2の配置領域と第1透明着色層13および第2透明着色層13’とが平面視上重ならない非重複領域Qでは、第1透明着色層13および第2透明着色層13’を透過した光により、非重複領域Qに位置する第1透明着色層13の色CL3Aおよび第2透明着色層13’の色CL3Bの混色(CL3A+CL3B)の画像が表示される。
一方、表示体10の裏面B側から画像観察Sを行うと、重複領域Pでは、微粒子2と高屈折率層1との界面にて生じた散乱光が第1透明着色層13を透過して出射されることより、上記散乱光の特定色CLと上記散乱光が透過した第1透明着色層13の色CL3Aとの混色(CL+CL3A)の画像が表示される。また、非重複領域Qでは、表面F側の非重複領域Qと同様の混色(CL3A+CL3B)の画像が表示される。
同様に、図6(b)で例示した本実施形態の表示体は、表裏ならびに重複領域および非重複領域に応じて図7(b)で示す色で画像を表示することができる。すなわち、表示体10の表面F側、または裏面B側から画像観察Sを行うと、重複領域Pでは、特定色CLと色CL3Bとの混色(CL+CL3B)、または特定色CLと色CL3Aとの混色(CL+CL3A)の画像が表示される。一方、非重複領域Qでは、表面F側、裏面B側共に非重複領域Qに位置する第1透明着色層13の色CL3Aの画像が表示される。
ここで、第2透明着色層が上記表示層の上記透明基材側と反対側に有する(配置される)とは、上記第2透明着色層が微粒子を覆うようにして上記高屈折率層の上記一方の面に配置されていてもよく、表示層の高屈折率層上に、微粒子よりも高さの高いスペーサーを有し、上記第2透明着色層が上記スペーサーを介して配置されていてもよい。後者の配置態様の場合、微粒子と第2透明着色層との間には、空気層が介在する。
また、上記第2透明着色層が上記微粒子を覆うようにして上記高屈折率層の上記一方の面に有する(配置される)とは、上記第2透明着色層が、上記微粒子を覆うようにして上記高屈折率層の上記一方の面の全面に配置されていてもよく、微粒子を覆うようにして上記高屈折率層の上記一方の面の一部に配置されていてもよい。また、上記第2透明着色層は、平面視形状がパターン形状であることが好ましい。上記第2透明着色層のパターン形状については、上述の「2.透明着色層」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
さらに、第2透明着色層が表示層の微粒子を覆うとは、微粒子の表面のうち、微粒子の高屈折率層に接する面以外の面が第2透明着色層により覆われることをいい、すなわち、微粒子の表面のうち、高屈折率層に配置された微粒子の、固定面以外の面が第2透明着色層により覆われることをいう。このような被覆態様としては、具体的には、微粒子の固定面と反対側の面を覆う第2透明着色層の表面と、高屈折率層の微粒子が配置されていない箇所に位置する第2透明着色層の表面とが、同一平面内にある態様、すなわち、図8(a)で例示するように、微粒子2が第2透明着色層13’内に埋まっており、第2透明着色層13’の高屈折率層1とは反対側の面が平坦面である態様が挙げられる。また、他の被覆態様としては、高屈折率層の微粒子が配置されていない箇所に位置する透明着色層の表面が、微粒子の高さより低い態様、すなわち、図8(b)で例示するように、第2透明着色層13’の表面が微粒子2の配置に追従した凹凸形状を有する態様であってもよい。なお、図8(a)、(b)は、図6中の二点鎖線部分の拡大図に相当する。
上記第2透明着色層は、第1透明着色層と同じ種類であってもよく、異なってもよい。また、上記第2透明着色層および上記第2透明着色層と平面視上重なる第1透明着色層は、同色であってもよく異なる色であってもよい。
第2透明着色層の詳細については、後述する「D.第4実施形態 1.第1仕様」の項で説明する透明着色層の詳細と同様とすることができる。
5.その他の構成
本実施形態の表示体は、必要に応じて、その他の構成を有していてもよい。以下、その他の構成について説明する。
(1)スペーサー
本実施形態の表示体は、上記表示層の上記高屈折率層上に、上記微粒子よりも高さの高いスペーサーを有していてもよい。上記スペーサーを有することにより、本実施形態の表示体の使用時に、指等との接触により上記表示層から微粒子が脱落することを防止することができるからである。スペーサーについては、後述する「D.第4実施形態」の項で詳細に説明する。
(2)カバー層
本実施形態の表示体は、上記スペーサーに加え、上記表示層を平面視上覆うカバー層を有していてもよい。上記カバー層は、通常、高屈折率層上にスペーサーを介して配置される。
上記カバー層の構成材料は、接触等による本実施形態の表示体、中でも表示層の破損を防ぐことが可能な強度を示すカバー層を構成することが可能な材料であればよく、例えば、上記「3.透明基材」の項に記載の構成材料と同様とすることができる。
上記カバー層の構造、剛性および厚みは、上記「3.透明基材」の項に記載の内容と同様とすることができる。
上記カバー層は、表示画像を良好に視認可能とするために、光透過率が高いことが好ましく、また、微粒子によるプラズモン共鳴を効果的に発揮させる観点から、可視光全体の反射性や吸収性が低いことが好ましい。上記カバー層の光透過性については、上述の透明基材の光透過性と同様とすることができる。
上記カバー層は、スペーサーにより支持されていればよく、スペーサーと接着していてもよく、接着していなくてもよい。また、スペーサーと接着していない場合、カバー層は、通常、任意の固定手段により表示層の高屈折率層表面に対して固定される。固定手段としては、カバー層、表示層、透明着色層、および透明基材の外周を覆うように配置される樹脂製の封止部材等を挙げることができる。
上記カバー層の配置方法としては、カバー層を位置精度よく基材表面に配置可能な方法であればよく、例えば、表示層の高屈折率層上にスペーサーを配置した後に、上記スペーサーの上記高屈折率層とは反対側の表面にカバー層を配置する方法を用いることができる。また、カバー層表面にスペーサーを接着して積層体を形成した後、表示層の高屈折率層とスペーサーとが接するように配置する方法等を用いることができる。なお、カバー層表面にスペーサーを接着する方法としては、カバー層表面に直接柱状スペーサーを形成する方法や、接着層を介してスペーサーを接着する方法を用いることができる。
(3)その他の構成
本実施形態の表示体は、その他の構成としては、表示層およびスペーサー間、透明基材および表示層間、スペーサーおよびカバー層間、高屈折率層および微粒子間等の各構成間を接着する接着層等を有していてもよい。上記接着層を構成する接着剤としては、上記「1.表示層 (1)微粒子」の項に記載のバインダ樹脂と同様とすることができる。
B.第2実施形態
本開示の表示体の第2実施形態(以下、この項において本実施形態と称する場合がある。)は、上述の表示体であって、上記透明基材および上記表示層の間に上記透明着色層を有し、上記表示層が、上記高屈折率層の一方の面に上記微粒子を露出状態で有する。
本実施形態の表示体について図面を参照して説明する。図9は、本実施形態の表示体の一例を示す概略断面図であり、図1のX−X線断面図に相当する。図9に示すように、本実施形態の表示体10は、透明基材12と、透明基材12の一方の面側に配置された表示層11と、透明基材12および表示層11の間に配置された透明着色層13と、を有する。図9で説明しない符号については、既述の図2と同様とすることができる。
本実施形態の表示体によれば、表示体の表裏ならびに重複領域および非重複領域において、上述の第1実施形態と同様の画像表示が可能となる。本実施形態の表示体による表示色については、図4で説明した第1実施形態の表示体による表示色と同様であるため、ここでの説明は省略する。また、本実施形態の表示体が第1非重複領域を有する場合だけでなく第2非重複領域を有する場合の表示色についても、上述の第1実施形態の表示体による表示色と同様である。
本実施形態の表示体の各構成については、上述の「A.第1実施形態」の項で説明した表示体の各構成と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
また、本実施形態の表示体は、上記表示層の上記透明基材側と反対側に、更に第2透明着色層を有し、上記表示層の上記微粒子の配置領域が、上記第2透明着色層と平面視上重なっていてもよい。その理由については、上述の「A.第1実施形態」の項で説明した理由と同様であるため、ここでの説明は省略する。
C.第3実施形態
本開示の表示体の第3実施形態(以下、この項において本実施形態と称する場合がある。)は、上述の表示体であって、上記透明着色層および上記透明基材が一体であり、上記表示層が、上記高屈折率層の一方の面に上記微粒子を露出状態で有する。
なお、透明着色層および透明基材が一体であるとは、透明着色層および透明基材が単一の部材であることをいい、このような単一の部材を、「透明着色基材」と称して説明する。
本実施形態の表示体について図面を参照して説明する。図10は、本実施形態の表示体の一例を示す概略断面図であり、図1のX−X線断面図に相当する。図10に示すように、本実施形態の表示体10は、透明基材12および透明着色層13が一体である透明着色基材21と、透明着色基材21の一方の面側に配置された表示層11とを有する。図10で説明しない符号については、既述の図2と同様とすることができる。
本実施形態の表示体によれば、透明着色層および透明基材が一体であることから、表裏で複数色による画像表示が可能となることに加え、表示体の薄型化や構成部材の簡略化を図ることができる。
本実施形態の表示体による画像の表示色については、図4で説明した第1実施形態の表示体による表示色と同様であるため、ここでの説明は省略する。また、本実施形態の表示体が第1非重複領域を有する場合だけでなく第2非重複領域を有する場合の表示色についても、上述の第1実施形態の表示体による表示色と同様である。
本実施形態の表示体の各構成について説明する。なお、透明着色基材以外の表示体の詳細については、上述の「A.第1実施形態」の項で説明した内容と同様とすることができるため、ここでの説明は省略する。
1.透明着色基材
本実施形態における透明着色基材は、単一で透明着色層としての機能および透明基材としての機能の両方を発揮可能であればよい。このような透明着色基材としては、例えば、着色透明無機基材、着色透明樹脂基材等が挙げられる。着色透明無機基材は、透明無機基材に着色剤が含有された部材であり、例えば、色ガラス、色ガラスフィルター等が挙げられる。透明無機基材の構成材料としては、例えは、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英等が挙げられる。着色透明樹脂基材は、透明樹脂基材に着色剤が含有された部材であり、例えば、色セロファン、着色樹脂フィルム、着色樹脂シート、着色樹脂板等が挙げられる。透明樹脂基材の構成材料としては、例えば、PET、アクリル等の、一般的なフィルムやシート、樹脂板に用いられる透明樹脂が挙げられる。
上記透明着色基材に用いられる着色剤は特に限定されず、顔料、染料等の汎用の着色剤を用いることができる。
上記透明着色基材は、屈曲しないリジッドな基材であってもよく、屈曲可能なフレキシブル性を有する基材であってもよい。
上記透明着色基材の屈折率については、「A.第1実施形態 2.透明着色層」の項で説明した透明着色層の屈折率と同様とすることができる。また、上記透明着色基材の厚みや光透過性等については、上述の「A.第1実施形態 3.透明基材」の項で説明した透明基材の厚みや光透過性等と同様とすることができる。
2.その他
本実施形態の表示体は、上記表示層の上記着色透明樹脂基材側と反対側に、更に第2透明着色層を有し、上記表示層の上記微粒子の配置領域が、上記第2透明着色層と平面視上重なっていてもよい。その理由については、上述の「A.第1実施形態」の項で説明した理由と同様であるため、ここでの説明は省略する。
D.第4実施形態
本開示の表示体の第4実施形態(以下、この項において本実施形態と称する場合がある。)は、上述の表示体であって、上記表示層の上記透明基材側と反対側に上記透明着色層を有する。
本実施形態の表示体によれば、表面の重複領域では、微粒子と上記微粒子の上記高屈折率層に接していない面が接する他の層との界面にて生じる散乱光の特定色と透明着色層の色との混色による画像表示が可能である。すなわち、表面の重複領域では、微粒子と上記微粒子の上記高屈折率層に固定されていない面が接する他の層との界面にて生じる散乱光の特定色と透明着色層の色との混色による画像表示が可能である。一方、表示体の裏面の重複領域では、微粒子と高屈折率層との界面にて生じる散乱光の特定色による画像表示が可能である。このように、本実施形態の表示体は、重複領域の表裏で異なる色による画像表示が可能となる。
本実施形態の表示体は、透明着色層の配置態様に応じて、以下の2つの仕様に大別することができる。すなわち、本実施形態の表示体の第1仕様は、上記表示層の上記微粒子を覆うようにして透明着色層を有する。また、本実施形態の表示体の第2仕様は、上記表示層が、上記高屈折率層の一方の面に上記微粒子を露出状態で有しており、上記表示層の上記高屈折率層上に、上記微粒子よりも高さの高いスペーサーを有し、上記スペーサーを介して上記透明着色層を有する。以下、本実施形態について、仕様ごとに説明する。
1.第1仕様
本実施形態の表示体の第1仕様(以下、この項において本仕様とする。)は、上記微粒子を覆うようにして上記透明着色層を有する。
図11(a)は、本実施形態の表示体の第1仕様の一例を示す概略平面図であり、図11(b)は図11(a)のY−Y線断面図である。図11(a)、(b)に示す表示体10は、透明基材12と、透明基材12の一方の面側に配置された表示層11と、表示層11の透明基材12側と反対側に、表示層11の微粒子2を覆うようにして配置された透明着色層13とを有する。表示層11の微粒子2の配置領域と透明着色層13とは、平面視上重なる。図11(a)、(b)で示す例では、透明着色層13が表示層11の微粒子2を覆うようにして高屈折率層1の一方の面の全面に配置されている。
また、図12(a)は、本実施形態の表示体の第1仕様の他の例を示す概略平面図であり、図12(b)は図12(a)のZ−Z線断面図である。図12(a)、(b)に示す表示体10では、透明着色層13が表示層11の微粒子2を覆うようにしてパターン形状に配置されている。なお、図11、図12で説明しない符号については、既述の図1、図2と同様とすることができる。
本仕様によれば、表示体の表面の重複領域では、微粒子と透明着色層との界面にて生じる散乱光の特定色と透明着色層の色との混色による画像表示が可能となる。また、微粒子が透明着色層で覆われることにより、微粒子の脱落を防止することができるため、本仕様の表示体は、耐久性が向上する。
本仕様の表示体による画像の表示色について更に説明する。図13(a)は、図11に例示した表示体による表示色を説明する模式図であり、図13(b)は図12に例示した表示体による表示色を説明する模式図である。
例えば、図11で例示した本仕様の表示体は、表裏ならびに重複領域および非重複領域に応じて図13(a)で示す色で画像を表示することができる。すなわち、表示体10の表面F側から画像観察Sを行うと、重複領域Pでは、微粒子2と透明着色層13との界面にて生じた散乱光の特定色CLと重複領域Pに位置する透明着色層13の色CLとの混色(CL+CL)の画像が表示される。また、非重複領域Qでは、非重複領域Qに位置する透明着色層13の色CLの画像が表示される。一方、表示体10の裏面B側から画像観察Sを行うと、重複領域Pでは、微粒子2と高屈折率層1との界面にて生じた散乱光の特定色CLの画像を表示することができる。また、非重複領域Qでは、非重複領域Qに位置する透明着色層13の色CLの画像を表示することができる。
同様に、図12で例示した本仕様の表示体は、表裏ならびに重複領域および非重複領域に応じて図13(b)で示す色で画像を表示することができる。すなわち、表示体10の表面F側または裏面B側から画像観察SまたはS行うと、重複領域Pでは、図13(a)における表面F側または裏面B側の重複領域Pで表示される色と同様の色の画像を表示することができる。一方、非配置領域Rでは、透明着色層および表示層の微粒子の両方が配置されないため、透明基材12の色CLの画像を表示することができる。
以下、本仕様を構成する各部材について説明する。なお、透明着色層以外の表示体の詳細については、上述の「A.第1実施形態」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
(1)透明着色層
本仕様における透明着色層は、上記微粒子を覆うようにして配置されている。
ここで、透明着色層が「上記微粒子を覆うようにして配置されている」こと、および「表示層の微粒子を覆う」ことについては、上述の「A.第1実施形態 4.第2透明着色層」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
上記透明着色層の屈折率としては、表示層の高屈折率層および微粒子とは異なる屈折率であればよく、中でも上記高屈折率層よりも低屈折率であることが好ましい。具体的には、上記透明着色層の屈折率が2以下であることが好ましく、中でも1.6以下であることが好ましく、特に1.5以下であることが好ましい。また、上記透明着色層の屈折率の下限は1.0であることが好ましい。
上記透明着色層と上記高屈折率層との屈折率差は0より大きければよく、好ましくは0.3以上である。
上記透明着色層の厚みは、微粒子の固定面以外の面を覆うことが可能な厚みであればよく、一般的な着色層の厚みと同様とすることができる。上記厚みとしては、例えば0.1μm以上10μm以下の範囲内が好ましく、中でも1μm以上5μm以下の範囲内が好ましい。ここでいう透明着色層の厚みとは、高屈折率層表面から透明着色層の表面までの長さの平均をいう。図8(b)で例示したように、透明着色層の表面が凹凸形状を有する場合は、高屈折率層表面から透明着色層の凸部表面までの長さの平均とする。透明着色層の厚みは、図8(a)、(b)中のLで示す部分をいう。
その他、上記透明着色層については、上述の「A.第1実施形態 2.透明着色層」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
上記透明着色層の形成方法としては、透明着色層の種類に応じて適宜選択することができ、高屈折率層上に微粒子を固定後、その上から各種印刷法または各種コーティング法等を用いて形成することができる。印刷法およびコーティング法の具体例については、上述の「A.第1実施形態 2.透明着色層」の項で説明したため、ここでの説明は省略する。
2.第2仕様
本実施形態の表示体の第2仕様(以下、この項において本仕様とする。)は、上記表示層が、上記高屈折率層の一方の面に上記微粒子を露出状態で有しており、上記表示層の上記高屈折率層上に、上記微粒子よりも高さの高いスペーサーを有し、上記スペーサーを介して上記透明着色層を有する。
図14は、本実施形態の表示体の第2仕様の一例を示す概略断面図である。図14に示す表示体10では、表示層11は、高屈折率層1の一方の面に微粒子2を露出状態で有しており、表示層11の高屈折率層1上に、微粒子2よりも高さの高いスペーサー14を有し、透明着色層13がスペーサー14を介して配置されている。
本仕様によれば、微粒子と透明着色層との間に空気層が存在するため、表面の重複領域では、微粒子と空気層との界面にて生じる散乱光の特定色と透明着色層の色との混色による画像表示が可能となる。また、スペーサーを有して透明着色層が配置されることにより、微粒子の脱落を防止することができるため、本実施形態の表示体は、耐久性の向上が可能となる。
本仕様の表示体による画像の表示色について更に説明する。図15で示すように、本仕様の表示体10は、表面F側から画像観察Sを行うと、表示層11の微粒子2の配置領域20と透明着色層13とが平面視上重なる重複領域Pでは、微粒子2と空気層との界面にて生じた散乱光の特定色CL’と、重複領域Pに位置する透明着色層13の色CLとの混色(CL’+CL)の画像が表示される。このときの混色(CL’+CL)は、図13(a)で示す表示体10の、表面F側の重複領域Pで表示される画像の混色(CL+CL)とは、異なる色となる。また、非重複領域Qでは、非重複領域Qに位置する透明着色層13の色CLの画像が表示される。一方、表示体10は、裏面B側から画像観察Sを行うと、重複領域Pおよび非重複領域Qで表示される画像の色は、図13(a)説明した裏面Bにおける重複領域Pおよび非重複領域Qでの表示色と同様となる。
以下、本仕様の表示体を構成する各部材について説明する。なお、透明着色層およびスペーサー以外の詳細については、上述の「A.第1実施形態」の項で説明した内容と同様であるため、ここでの説明は省略する。
(1)透明着色層
本仕様における透明着色層は、上記スペーサーを介して配置される。
本仕様における透明着色層は、スペーサー上に配置することで弛まずに平坦性を保持可能な層あればよく、屈曲可能なフレキシブル性を有する層であってもよく、屈曲しないリジッドな層であってもよい。中でも上記透明着色層はリジッドであることが好ましい。
このような透明着色層としては、例えば、上記「C.第3実施形態 1.透明着色基材」の項で説明した着色透明無機基材や着色透明樹脂基材等が挙げられる。これらは、強度や剛性に応じて透明支持層を併用してもよい。透明着色層の平坦性の保持や剛性等の補強を図ることができるからである。
また、本仕様における透明着色層は、透明支持層の一方の面上に、色材およびバインダ樹脂を含む着色層が形成されていてもよい。この場合、着色層は、透明支持層の一方の表面の全面を覆う形状であってもよく、一部を覆う形状であってもよい。また、上記着色層はその平面視形状がパターン形状を有することが可能である。上記着色層の詳細および配置については、上記「A.第1実施形態 2.透明着色層」の項で説明した内容と同様とすることができる。なお、透明支持層は、上記「A.第1実施形態」の項で説明した透明基材と同様とすることができる。
透明着色層の配置方法については、「A.第1実施形態 5.その他の構成 (2)カバー層」の項で説明した、カバー層の配置方法と同様とすることができる。
(2)スペーサー
本仕様におけるスペーサーは、上記表示層の上記高屈折率層上に有し、上記微粒子よりも高さが高い。上記スペーサーは、透明着色層を支持する機能、上記微粒子を保護する機能を有する。
ここで、スペーサーが、「上記微粒子よりも高さが高い」とは、スペーサーの高さが上記微粒子の平均一次粒径より大きいことをいう。
また、保護するとは、上記表示層に使用者の指が触れる等、上記微粒子に対し他の部材が接触するのを防ぐことをいう。
さらに、表示層の高屈折率層上に有するとは、上記スペーサーが、高屈折率層表面の少なくとも1つの微粒子と平面視上重ならないように配置されることをいい、すなわち高屈折率層表面に固定される少なくとも1つの微粒子と平面視上重ならないように配置されることをいう。
上記スペーサーの種類は、平面視形状等に応じて適宜選択することができ、例えば、スペーサーの構成材料をパターン形状に成形して得られる柱状スペーサーを用いることができる。また、上記平面視形状がドット状である場合には、散布して高屈折率層表面に配置されるビーズ状スペーサーを用いることができる。
上記柱状スペーサーの構成材料は、例えば感光性樹脂の硬化物等の樹脂材料を用いることができ、上記感光性樹脂としては、例えば、特許第2953594号公報等の液晶表示装置のスペーサーの形成に用いられる紫外線硬化性樹脂を用いることができる。
一方、上記ビーズ状スペーサーの構成材料は、所望の強度を有するスペーサーを形成可能な材料であればよく、例えば、特開2007−94185号公報等の液晶表示装置にスペーサーとして用いられるビーズの構成材料と同様とすることができ、具体的には、ガラス等の無機材料や、アクリル樹脂等の樹脂材料を用いることができる。
上記ビーズ状スペーサーは、高屈折率層表面に移動可能に配置されていてもよく、高屈折率層表面に接着し固定されていてもよい。
上記スペーサーの高さは、微粒子の近接場光が十分に減衰する距離以上であればよく、例えば、微粒子の平均一次粒径の2倍以上高い位置で支持する高さとすることができる。より具体的には、平均一次粒径が0.08μmの微粒子であれば、スペーサーの高さは0.16μm以上300μm以下の範囲内とすることができる。上記高さの上限については、表示体の用途等に応じて適宜設定することができる。なお、上記高さは、具体的には、図14中のaで示される部分である。
また、上記スペーサーの間隔としては、透明着色層を撓ませることなく支持できる間隔であることが好ましく、透明着色層の厚みと材質のヤング率を考慮して適宜選択される。具体的には、10μm以上5000μm以下の範囲内とすることができる。なお、上記スペーサーの間隔とは、それぞれのスペーサーについての最短となる隣接するスペーサー間の距離をいう。また、スペーサーの平面視形状が開口部を有する形状である場合には、開口部により隔てられたスペーサー間の距離のうち、最短の長さをいう。具体的には、図14中のbで示される部分である。
上記スペーサーは、1種類の間隔で等間隔に配置されていてもよく、ランダムに配置され、上記間隔が2種類以上となってもよい。後者の場合、上記スペーサーが周期的に配置されることによるモアレ等の発生を抑制することができる。
上記スペーサーの形状は、上記透明着色層を支持することができ、上記透明着色層と微粒子との間に空気層を介在させることが可能となるように適宜設計することができる。
上記スペーサーの平面視形状は、透明着色層を支持できれば特に限定されず、例えば、ドット状、ライン状等とすることができる。また、上記平面視形状は、ハニカム状、格子状等の開口部を有する形状、もしくはランダムな開口部を有する形状であってもよい。なお、図16は、高屈折率層上に有するスペーサーの平面視形状を説明するための模式図であり、図16(a)は平面視形状がドット状である例、図16(b)は平面視形状がライン状である例、および図16(c)は平面視形状が開口部を有する形状である例を、それぞれ示している。なお、透明着色層については図示を省略した。
また、ドット状である場合のスペーサーの平面視形状としては、円形状や、三角形状、四角形状等の多角形状等とすることができる。なお、既に説明した図16(a)は、ドット状のスペーサーの平面視形状が四角形状である例を示す。
上記スペーサーの平面視サイズとしては、透明着色層を支持できる大きさであれば良く、例えば0.1μm以上100μm以下の範囲内とすることができ、1μm以上50μm以下の範囲内であることが好ましい。上記平面視サイズであることにより、上記スペーサーは、透明着色層を支持できるからである。また、上記スペーサーは、肉眼では識別できないため目立たなくなるとともに、スペーサーが意図せず回折格子の役割をして明暗のムラや虹色のムラが発生することを抑制できるからである。なお、上記平面視サイズは、ドット状である場合の最大径、ライン状である場合の短尺方向の幅、開口部を有する形状である場合の隣接する開口部間の最短距離をいう。具体的には、図14中のcで示される部分である。
上記スペーサーの形成方法は、上記スペーサーの種類に応じて適宜選択することができる。上記柱状スペーサーの形成方法としては、例えば、特許第2953594号公報に記載のスペーサーの形成方法を用いることができる。より具体的には、上記構成材料が感光性樹脂の硬化物である場合には、高屈折率層の表面に感光性樹脂の塗膜を形成し、フォトマスクを介して塗膜を露光処理し、未硬化の感光性樹脂を現像処理により除去する方法を挙げることができる。また、支持基板表面に配置された柱状スペーサーを有する転写用基板を準備し、転写用基板を上記高屈折率層に接触させることで、柱状スペーサーを上記高屈折率層上に転写する転写法を用いて形成してもよい。
上記柱状スペーサーは、高屈折率層表面に接着し固定されていることが好ましい。
一方、上記ビーズ状スペーサーの形成方法としては、ビーズ状スペーサーを散布することで高屈折率層表面に配置可能な方法であればよく、例えば、ビーズ状スペーサーを含む分散液を高屈折率層上に塗布し、分散媒を乾燥除去する方法を用いることができる。上記分散液は、後述する微粒子を含んでいてもよい。すなわち、上記形成方法が、スペーサーおよび微粒子を同時に配置する方法であってもよい。
E.用途
本開示の表示体は、意匠性や偽造防止性が要求される用途に好適に用いることができ、例えば、紙幣等の金券;運転免許証、パスポート等の身分証明書;クレジットカード等のカード等の印刷物として用いることができる。
本開示の表示体は、各実施形態の表示体単体を印刷物として用いることができる。また、各実施形態の表示体を組み合わせて印刷物とすることもできる。すなわち、第1実施形態から第4実施形態までの表示体の少なくとも1以上で構成される印刷物とすることができる。
さらに、本開示の表示体は、意匠性や偽造防止性が要求される対象物に貼付する、内蔵する等して用いることも可能である。具体的には、本開示の表示体は、情報記録媒体に組み込むことができる。情報記録媒体については、後述する。
なお、本開示の表示体は、特殊な器具を用いず、裏表からの目視観察により真贋判定を行うことができる。必要に応じて、判定者が保有する見本と照合することで、より確度の高い真贋判定ができる。また、目視ではなくマシンビジョンを用いて真贋判定を行ってもよい。
II.印刷物
次に、本開示の印刷物について説明する。本開示の印刷物は、上述の「I.表示体」の項で説明した表示体を絵柄部として少なくとも1つ以上備える。
図17(a)は、本開示の印刷物の一例を示す概略平面図であり、図17(b)は図17(a)のA−A線断面図である。図17で例示する印刷物30は、印刷基材32上に絵柄部31Aおよび31Bを有する。絵柄部31Aは、上述の「I.表示体」の項で説明した第1実施態様の表示体10Aで構成されており、絵柄部31Bは、上述の「I.表示体」の項で説明した第4実施態様の表示体10Bで構成されている。なお、図17で示す例では、絵柄部31Aおよび31Bを構成する表示体10Aおよび10Bが有する透明基材12が、印刷基材32と一体である。
本開示によれば、上述した表示体を絵柄部として有することで、印刷物の意匠性および偽造防止性の向上を図ることができる。
例えば、図17に例示する印刷物において、絵柄部31Aおよび絵柄部31Bは、印刷物30の表面側と裏面側とで、それぞれ異なる色で表示される。絵柄部31Aによる表示色および絵柄部31Bによる表示色については、上述の「I.表示体」の「A.第1実施形態」および「D.第4実施形態 1.第1仕様」の各項で説明したため、ここでの説明は省略する。また、絵柄部31Aおよび31Bを有しない箇所では、印刷基材32として機能する透明基材12の色が表示される。このように、印刷物30は、多彩な表示が可能となる。
本開示の印刷物は、上述の「I.表示体」の項で説明した表示体の第1実施態様から第4実施態様までの少なくとも1つを絵柄部として備えていればよいが、中でも異なる表示体を用いた絵柄部を複数有することが好ましい。各絵柄部において印刷物の表裏で表示色等が異なるため、意匠性が向上し、また、各絵柄部において色の表示方法が異なるため、絵柄部ごとに真贋判定を行うことができ、偽造防止効果の高くすることができるからである。
本開示の印刷物は、印刷基材上に上記表示体が別途配置されていてもよく、印刷基材が平面視上の一部に開口を有し、上記表示体が上記開口に嵌め込まれていてもよい。また、本開示の印刷物は、絵柄部を構成する表示体の透明基材が印刷基材と一体であってもよい。表示体の透明基材が印刷基材と一体であるとは、表示体の透明基材が印刷基材としても機能することをいう。
本開示の印刷物が異なる表示体を用いた絵柄部を複数有する場合は、図17(b)で示すように、絵柄部31Aおよび31Bを構成する表示体10Aおよび10Bが有する透明基材12が一体であり、さらに、透明基材12が印刷基材32と一体であってもよい。
印刷基材は、印刷物の表裏で絵柄部の色の視認が可能であればよく、表示体の配置態様に応じて透明であってもよく、不透明であってもよい。透明な印刷基材としては、例えば上述の「I.表示体 A.第1実施態様」の項で説明した透明基材を用いることができる。不透明な印刷基材としては、紙等の公知の材質のものが挙げられる。
本開示の印刷物は、絵柄部の他に、図17(a)で示すように樹脂インキで印刷された印刷層33等の、一般的な印刷物の構成部材を有することができる。
III.情報記録媒体
次に、本開示の情報記録媒体について説明する。本開示の情報記録媒体は、上述の「I.表示体」の項で説明した表示体を備える。
本開示の情報記録媒体は、上述の表示体を備えることにより、意匠性および偽造防止性を高めることが可能である。また、表示体は、例えば文字、記号、絵柄等の情報を含む画像を表示することができ、情報記録媒体の表裏で、所定の情報を含む画像を複数色で表示可能である。そのため、情報記録媒体に両面側からそれぞれ可視光を照射し、情報記録媒体の表裏で、表示体が表示する画像を確認することにより、情報記録媒体の真贋判定を行うことができる。
以下、本開示の情報記録媒体の各構成について説明する。
A.表示体
表示体は、例えば文字、記号、絵柄との情報を含む画像を表示することができる。具体的には、表示体は、情報記録媒体の表裏で、所定の情報を含む画像を異なる色で表示可能である。
表示体は、情報記録媒体の最表面に配置されていてもよく、情報記録媒体を構成する部材の間に配置されていてもよく、情報記録媒体を構成する部材の開口部に嵌め込まれていてもよい。情報記録媒体は、通常、表示体の少なくとも一方の面側に、支持体を備える。情報記録媒体が支持体を備える場合、例えば図18、図19(a)、図19(b)、図20、図21(a)に示すように情報記録媒体40A、40Bが1つの支持体41を備え、表示体10が支持体41の一方の面側に配置されていてもよく、図18、図19(c)、図19(d)、図20、図21(b)に示すように情報記録媒体40A、40Bが2つの支持体、すなわち第1支持体41aおよび第2支持体41bを備え、表示体10が第1支持体41aおよび第2支持体41bの間に配置されていてもよく、図18、図19(e)、図19(f)に示すように情報記録媒体40Aを構成する支持体41が開口部42を有し、その開口部42に表示体10が嵌め込まれていてもよい。なお、図19(a)〜(f)は図18のB−B線断面図であり、図21(a)〜(b)は図20のC−C線断面図である。図18〜図21については後述する。
表示体が、情報記録媒体の最表面に配置される場合、具体的には、情報記録媒体が1つの支持体を備え、表示体が支持体の一方の面側に配置される場合、支持体の一方の面側に表示体が別途配置されていてもよく、また表示体の透明基材が支持体と一体であってもよい。なお、表示体の透明基材が支持体と一体であるとは、表示体の透明基材が支持体としても機能することをいう。
また、後述するように、情報記録媒体が、開口部を有する支持体をさらに備える場合、表示体の少なくとも一部が、上記開口部と平面視上重なることが好ましい。開口部から、表示体が表示する画像を観察しやすくなるからである。また、表示体を、種々の情報記録媒体に適用することができるからである。
表示体の少なくとも一部が、支持体の開口部と平面視上重なる場合、表示体の全部が、支持体の開口部と平面視上重なっていてもよく、表示体の一部が、支持体の開口部と平面視上重なっていてもよい。また、表示体は、支持体の開口部の全域に配置されてもよく、支持体の開口部の一部に配置されてもよい。
支持体の一方の面側に表示体を配置する方法としては、例えば、接着層を介して支持体および表示体を接着する方法、支持体の上に表示体を配置した後、熱や圧力を加えることにより支持体および表示体を融着させる方法が挙げられる。また、2つの支持体の間に表示体を配置する方法としては、例えば、接着層を介して少なくとも一方の支持体と表示体とを接着する方法、2つの支持体の間に表示体を配置するとともに、接着層を介して2つの支持体を接着する方法、2つの支持体の間に表示体を配置した後、熱や圧力を加えることにより2つの支持体を融着させる方法が挙げられる。接着層については、上述の表示体に使用される接着層と同様とすることができる。また、接着層を構成する接着剤としては、例えば、アクリル系樹脂等の公知の粘着剤、2液硬化型接着剤、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、熱溶融型接着剤等の公知の接着剤を用いることもできる。また、支持体の開口部に表示体を嵌め込む方法の場合、開口部と同一形状の表示体が用いられる。
表示体については、上述の「I.表示体」の項で詳細に記載したため、ここでの説明は省略する。
2.支持体
情報記録媒体は、通常、表示体の少なくとも一方の面側に支持体を有する。
情報記録媒体は、上述したように、図19(a)、図19(b)、図21(a)に示すように1つの支持体41を備え、表示体10が支持体41の一方の面側に配置されていてもよく、図19(c)、図19(d)、図21(b)に示すように情報記録媒体40が2つの支持体を備え、表示体10が2つの支持体の間、すなわち第1支持体41aおよび第2支持体41bの間に配置されていてもよく、図19(e)、(f)に示すように支持体41を備え、支持体41の開口部42に表示体10が嵌め込まれていてもよい。また、上述したように、表示体の透明基材が支持体と一体であってもよい。
支持体は、透明性を有していてもよく有さなくてもよい。支持体が透明性を有する場合、通常、上述の表示体の透明基材と同様の光透過性を有しており、さらに上記透明基材と同様の可視光透過性を有することができる。
また、支持体は開口部を有していてもよい。支持体が透明性を有さない場合には、開口部を有することが好ましい。開口部は、表示体が表示する画像を、情報記録媒体の両面側から観察するために設けられる。表示体の少なくとも一部は、支持体の開口部と平面視上重なるように配置される。
支持体は、支持層を有していればよく、例えば支持層のみを有していてもよく、支持層の少なくとも一方の面側に機能層を有していてもよい。また、支持体が支持層および機能層を有する場合、支持層および機能層を1つずつ有していてもよく、支持層および機能層の少なくとも一方を複数有していてもよい。
支持層および機能層の材質としては、例えば紙、樹脂、金属、合成繊維等が挙げられる。支持層としては、上述の表示体の透明基材を用いることもできる。また、機能層としては、例えば不透明層、印刷層、受像層、ホログラム層等が挙げられる。
支持体が開口部を有する場合、支持層が開口部を有していてもよく、機能層が開口部を有していてもよく、支持層および機能層が開口部を有していてもよい。
また、機能層が開口部を有する場合、機能層の開口部は孔であってもよく、機能層の開口部に、その開口部と同一形状の透明層が嵌められていてもよい。透明層は、通常、上述の表示体の透明基材と同様の光透過性を有しており、さらに上記透明基材と同様の可視光透過性を有することができる。
開口部の大きさは、表示体の少なくとも一部を、開口部と平面視上重なるように配置することができればよく、表示体の大きさや、情報記録媒体の大きさ等に応じて適宜調整される。
支持体の厚みとしては、情報記録媒体の用途や種類等に応じて適宜選択され、例えば10μm以上2000μm以下の範囲内とすることができ、さらに50μm以上1000μm以下の範囲内とすることができる。
支持層の少なくとも一方の面側に機能層を配置する方法としては、例えば、接着層を介して支持層および機能層を接着する方法、熱や圧力を加えることにより支持層および機能層を融着させる方法、支持層上に機能層を形成する方法等が挙げられる。また、支持体が複数の支持層を有する場合、複数の支持層を積層する方法としては、例えば接着層を介して複数の支持層を接着する方法、熱や圧力を加えることにより複数の支持層を融着させる方法等が挙げられる。この場合、各支持層の間には機能層が配置されていてもよい。接着層については、上述の通りである。
支持体が支持層および機能層を有する場合について、例を挙げて説明する。図18〜図21は、支持体が支持層および機能層を有する例である。なお、図19(a)〜(f)は図18のB−B線断面図、図21(a)〜(b)は図20のC−C線断面図である。以下、各例について説明する。
図18および図19(a)に示す情報記録媒体40Aは、1つの支持体41を備え、支持体41の一方の面側に表示体10が配置されている。支持体41では、第1支持層43と不透明層44と第2支持層45とが順に積層されている。不透明層44は開口部42を有し、この開口部42と平面視上重なるように表示体10が配置されている。なお、この例では、支持体41の第2支持層45側の面に表示体10が配置されているが、支持体41の第1支持層43側の面に表示体10が配置されていてもよい。
図18および図19(b)に示す情報記録媒体40Aは、1つの支持体41を備え、支持体41の一方の面側に表示体10が配置されている。支持体41では、第1支持層43と第1印刷層46と第2支持層45と第2印刷層47と第3支持層48とが順に積層されている。第1印刷層46および第2印刷層47はそれぞれ開口部42を有し、この開口部42と平面視上重なるように表示体10が配置されている。なお、この例では、支持体41の第3支持層48側の面に表示体10が配置されているが、支持体41の第1支持層43側の面に表示体10が配置されていてもよい。
図18および図19(c)に示す情報記録媒体40Aは、2つの支持体、すなわち第1支持体41aおよび第2支持体41bを備え、第1支持体41aおよび第2支持体41bの間に表示体10が配置されている。第1支持体41aでは、第1支持層43と不透明層44とが順に積層されている。また、第2支持体41bは、第2支持層45を有する。不透明層44は開口部42を有し、この開口部42と平面視上重なるように表示体10が配置されている。
図18および図19(d)に示す情報記録媒体40Aは、2つの支持体、すなわち第1支持体41aおよび第2支持体41bを備え、第1支持体41aおよび第2支持体41bの間に表示体10が配置されている。第1支持体41aでは、第1支持層43と不透明層44とが順に積層されている。また、第2支持体41bでは、第2支持層45と印刷層49とが順に積層されている。不透明層44および印刷層49はそれぞれ開口部42を有し、この開口部42と平面視上重なるように表示体10が配置されている。なお、この例では、印刷層49が、第2支持層45の表示体10側に配置されているが、第2支持層45の表示体10とは反対側に配置されていてもよい。
図18および図19(e)に示す情報記録媒体40Aは、1つの支持体41を備え、支持体41の開口部42に表示体10が嵌め込まれている。支持体41では、第1支持層43と不透明層44と第2支持層45とが順に積層されている。第2支持層45および不透明層44はそれぞれ開口部42を有し、第2支持層45の開口部42に表示体10が嵌め込まれている。
図18および図19(f)に示す情報記録媒体40Aは、1つの支持体41を備え、支持体41の開口部42に表示体10が嵌め込まれている。支持体41では、第1支持層43と第1印刷層46と第2支持層45と第2印刷層47と第3支持層48とが順に積層されている。第3支持層48、第1印刷層46および第2印刷層47はそれぞれ開口部42を有し、第3支持層48の開口部42に表示体10が嵌め込まれている。
図20および図21は、情報記録媒体が紙幣である例である。図20および図21(a)に示す情報記録媒体40Bは、1つの支持体41を備え、支持体41の一方の面側に表示体10が配置されている。支持体41では、支持層51の両面側にそれぞれ第1印刷層52および第2印刷層53が配置されている。第1印刷層52および第2印刷層53はそれぞれ開口部42を有し、この開口部42と平面視上重なるように表示体10が配置されている。
図20および図21(b)に示す情報記録媒体40Bは、2つの支持体、すなわち第1支持体41aおよび第2支持体41bを備え、第1支持体41aおよび第2支持体41bの間に表示体10が配置されている。第1支持体41aでは、第1支持層54の片面側に第1印刷層52が配置されている。また、第2支持体41bでは、第2支持層55の片面側に第2印刷層53が配置されている。第1印刷層52および第2印刷層53はそれぞれ開口部42を有し、この開口部42と平面視上重なるように表示体10が配置されている。
3.情報記録媒体
本開示においては、情報記録媒体に両面側からそれぞれ可視光を照射し、情報記録媒体の表裏で、表示体が表示する画像を確認することで、真贋判定を行うことが可能である。情報記録媒体に照射する可視光としては、上述の「I.表示体」の項に記載した、プラズモン共鳴する可視光の波長を含むものであればよい。例えば、情報記録媒体には白色光を照射することができる。表示体が表示する画像の確認方法は、上述の表示体を用いた真贋判定の方法と同様とすることができる。
情報記録媒体としては、例えば、金銭的価値を有する媒体、個人情報や機密情報等の各種の情報を記録した媒体を挙げることができ、具体的には、紙幣、金券、チケット、ID証、パスポート、磁気カード、ICカード、公的文書等が挙げられる。ID証としては、例えば、国民ID証、運転免許証、会員証、社員証、学生証等が挙げられる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本開示をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
エチレングリコールで表面修飾された、直径100nmの銀ナノ粒子の水系分散液(シグマアルドリッチ)を遠沈管に分取した。過剰量のアセトンを加えて、遠心分離機を用いて2000Gの遠心力で、銀ナノ粒子を沈殿させ、上澄み液を除去した。これを数回繰り返し、エタノールに再分散させて銀ナノ粒子エタノール分散液を得た。
次いで、透明着色層と透明基材とが一体化した透明着色基材として、色ガラスフィルター(Y−44、HOYA社製)を用い、上記色ガラスフィルターの片面に高屈折率層として酸化チタン膜をスパッタ法で成膜した。触針式段差計で高屈折率層の膜厚を測定したところ40nmであった。
透明着色基材の酸化チタン膜面に銀ナノ粒子エタノール分散液をディスポーザブルピペットで約1mL散布し、乾燥して、酸化チタン膜面上に銀ナノ粒子を露出状態で固定した。これにより、透明着色基材上に表示層を有する表示体を得た。
[比較例1]
色ガラスフィルターに代えて、透明基材としてPETフィルム(ルミラー、東レ社製)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法により、透明着色層を有さない表示体を得た。
[実施例2]
比較例1の表示体の作製手順の後に、透明基材の銀ナノ粒子散布面に、5μmのガラスビーズを分散させたアセトンをディスポーザブルピペットで散布し、再度乾燥させ、ビーズ状のスペーサーを形成した。透明基材の銀ナノ粒子およびガラスビーズの散布面に、上記スペーサーを介して上記色ガラスフィルターを積層して表示体(第4実施形態の第2仕様)を得た。
[評価]
実施例1、実施例2および比較例1で得た表示体に対して白色ハロゲンランプで照明して、目視で観察したところ、実施例1、実施例2および比較例1の各表示体は、それぞれ表示体の表裏で異なる色が観察された。各表示体の表面、裏面での表示色を表1に示す。さらに、実施例1および実施例2では、表示体の裏面から観察される色が、比較例1の表示体の裏から観察される色とは異なっていた。このことから、表示層の一方の面に色ガラスフィルターを配置することで、プラズモン共鳴による散乱光の色と色ガラスフィルターの色との混色を表示することができ、表示色を変えることが可能であることが示唆された。
1 … 第3層、高屈折率層
2 … 微粒子
10 … 表示体
11 … 第1層、表示層
12 … 透明性を有する基材、透明基材
13 … 第2層、透明着色層
13’ … 第4層、第2透明着色層
20 … 微粒子の配置領域
30 … 印刷物
31A、31B … 絵柄部
40A、40B … 情報記録媒体
41 … 支持体
41a … 第1支持体
41b … 第2支持体
42 … 開口部

Claims (14)

  1. 透明性を有する基材と、
    前記基材の一方の面側に有する第1層と、
    前記基材のいずれかの面側または両方の面側に有し、透明かつ有色の第2層と、
    を有する表示体であって、
    前記第1層は、前記基材側から第3層と、前記第3層の一方の面に粒子と、を有し、
    前記第3層は前記粒子の周辺媒質とは異なる屈折率を有し、
    前記粒子は、負誘電体材料を有し、可視光に対してプラズモン共鳴し、
    前記第1層の前記粒子の配置領域の少なくとも一部が、前記第2層の配置領域の少なくとも一部と平面視上重なる表示体。
  2. 前記基材の他方の面側に前記第2層を有し、
    前記第1層が、前記第3層の一方の面に前記粒子を露出状態で有する請求項1に記載の表示体。
  3. 前記基材および前記第1層の間に前記第2層を有し、
    前記第1層が、前記第3層の一方の面に前記粒子を露出状態で有する請求項1に記載の表示体。
  4. 前記第2層および前記基材が一体であり、
    前記第1層が、前記第3層の一方の面に前記粒子を露出状態で有する請求項1に記載の表示体。
  5. 前記第1層の前記基材側と反対側に、更に第4層を有し、
    前記第1層の前記粒子の配置領域が、前記第4層と平面視上重なる請求項2から請求項4までのいずれかの請求項に記載の表示体。
  6. 前記第1層の前記基材側と反対側に前記第2層を有する請求項1に記載の表示体。
  7. 前記粒子を覆うようにして前記第2層を有する請求項6に記載の表示体。
  8. 前記第1層が、前記第3層の一方の面に前記粒子を露出状態で有し、
    前記第1層の前記第3層上に、前記粒子よりも高さの高いスペーサーを有し、
    前記スペーサーを介して前記第2層を有する請求項6に記載の表示体。
  9. 前記第1層の前記粒子の配置領域の平面視形状が、パターン形状である請求項1から請求項8までのいずれかの請求項に記載の表示体。
  10. 前記第2層の平面視形状が、パターン形状である請求項1から請求項9までのいずれかの請求項に記載の表示体。
  11. 透明性を有する基材と、
    前記基材の一方の面側に有する第1層と、
    前記基材のいずれかの面側または両方の面側に有し、透明かつ有色の第2層と、を有し、
    前記第1層は、前記基材側から第3層と、前記第3層の一方の面に粒子と、を有し、
    前記第3層は前記粒子の周辺媒質とは異なる屈折率を有し、
    前記粒子は、負誘電体材料を有し、可視光に対してプラズモン共鳴し、
    前記第1層の前記粒子の配置領域の少なくとも一部が、前記第2層の配置領域の少なくとも一部と平面視上重なる表示体を絵柄部として少なくとも1つ以上備える印刷物。
  12. 透明性を有する基材と、
    前記基材の一方の面側に有する第1層と、
    前記基材のいずれかの面側または両方の面側に有し、透明かつ有色の第2層と、を有し、
    前記第1層は、前記基材側から第3層と、前記第3層の一方の面に粒子と、を有し、
    前記第3層は前記粒子の周辺媒質とは異なる屈折率を有し、
    前記粒子は、負誘電体材料を有し、可視光に対してプラズモン共鳴し、
    前記第1層の前記粒子の配置領域の少なくとも一部が、前記第2層の配置領域の少なくとも一部と平面視上重なる表示体を備える情報記録媒体。
  13. 前記表示体は、情報を含む画像を表示する、請求項12に記載の情報記録媒体。
  14. 開口部を有する支持体をさらに備え、
    前記表示体の少なくとも一部が、前記支持体の前記開口部に平面視上重なる、請求項12または請求項13に記載の情報記録媒体。
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