以下、本発明を適用した画像形成装置として、電子写真方式で画像を形成する電子写真プリンタ(以下、単にプリンタという)について説明する。
まず、実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。同図において、このプリンタは、像担持体としてのドラム状の感光体1や、本体筐体50に対して着脱可能に構成されたシート収容手段としての給紙カセット100などを備えている。給紙カセット100の内部には、複数の記録シートSをシート束の状態で収容している。
給紙カセット100内の記録シートSは、後述する給送ローラ35の回転駆動によってカセット内から送り出されて、後述する分離ニップを経た後に給紙路42内に至る。その後、第1搬送ローラ対41の搬送ニップに挟み込まれて、給紙路42内を搬送方向の上流側から下流側に向けて搬送される。給紙路42の末端付近には、レジストローラ対49が配設されている。記録シートSは、このレジストローラ対49のレジストニップに先端を突き当てた状態で搬送が一時中止される。その突き当ての際、記録シートSのスキューが補正される。
レジストローラ対49は、記録シートSを後述する転写ニップで感光体1の表面のトナー像に重ね合わせ得るタイミングで回転駆動を開始して、記録シートSを転写ニップに向けて送り出す。この際、第1搬送ローラ対41が同時に回転駆動を開始して、一時中止していた記録シートSの搬送を再開する。
プリンタの本体筐体は、手差しトレイ43、手差し給送ローラ54、分離パッド55などからなる手差し給紙部を保持している。この手差し給紙部の手差しトレイ43に手差しされた記録シートSは、手差し給送ローラ54の回転駆動によって手差しトレイ43内から送り出される。そして、手差し給送ローラ54と分離パッド55との当接による分離ニップを経た後に、給紙路42におけるレジストローラ対49よりも上流側の領域に進入する。その後、給紙カセット100から送り出された記録シートSと同様にして、レジストローラ対49を経た後に、後述する転写ニップに送られる。
図2は、実施形態に係るプリンタにおける感光体1とその周囲の構成とを拡大して示す拡大構成図である。図中時計回り方向に回転駆動せしめられるドラム状の感光体1の周囲には、帯電・クリーニングユニット18、潜像書込装置7、現像装置8、転写ローラ10などが配設されている。
帯電・クリーニングユニット18は、感光体1の表面を均一に帯電させる帯電装置としての機能と、感光体1の表面をクリーニングするクリーニング装置としての機能とを兼ね備えている。そして、クリーニング部材たるクリーニングブレード2、回収スクリュウ3、帯電ローラ4、クリーニングローラ5、スクレーパー6などを有している。
導電性ゴムローラ部を具備する帯電ローラ4は、感光体1に接触しながら回転して帯電ニップを形成している。この帯電ローラ4には、電源から出力される帯電バイアスが印加されている。これにより、帯電ニップにおいて、感光体1の表面と帯電ローラ4の表面との間で放電が発生することで、感光体1の表面が一様に帯電せしめられる。
潜像書込装置7は、LEDアレイを具備しており、感光体1の一様帯電した表面に対してLED光による光走査を行う。感光体1の一様帯電した地肌部のうち、この光走査によって光照射を受けた領域は、電位を減衰させる。これにより、感光体1の表面に静電潜像が形成される。
静電潜像は、感光体1の回転駆動に伴って、現像装置8に対向する現像領域を通過する。現像装置8は、循環搬送部や現像部を有しており、循環搬送部には、非磁性のトナーと磁性キャリアとを含有する現像剤を収容している。循環搬送部は、後述する現像ローラ8aに供給するための現像剤を搬送する第1スクリュウ8bや、第1スクリュウ8bの直下に位置する独立した空間で現像剤を搬送する第2スクリュウ8cを有している。更には、第2スクリュウ8cから第1スクリュウ8bへの現像剤の受け渡しを行うための傾斜スクリュウ8dも有している。現像ローラ8a、第1スクリュウ8b、及び第2スクリュウ8cは、互いに平行な姿勢で配設されている。これに対し、傾斜スクリュウ8dは、それらから傾いた姿勢で配設されている。
第1スクリュウ8bは、自らの回転駆動に伴って現像剤を同図の紙面に直交する方向における奥側から手前側に向けて搬送する。この際、自らに対向配設された現像ローラ8aに一部の現像剤を供給する。第1スクリュウ8bによって同図の紙面に直交する方向における手前側の端部付近まで搬送された現像剤は、第2スクリュウ8cの上に落とし込まれる。
第2スクリュウ8cは、現像ローラ8aから使用済みの現像剤を受け取りながら、受け取った現像剤を自らの回転駆動に伴って同図の紙面に直交する方向における奥側から手前側に向けて搬送する。第2スクリュウ8cによって同図の紙面に直交する方向における手前側の端部付近まで搬送された現像剤は、傾斜スクリュウ8dに受け渡される。そして、傾斜スクリュウ8dの回転駆動に伴って、同図の紙面に直交する方向における手前側から奥側に向けて搬送された後、同方向における奥側の端部付近で、第1スクリュウ8bに受け渡される。
現像ローラ8aは、筒状の非磁性部材からなる回転可能な現像スリーブと、現像スリーブに連れ回らないようにスリーブ内に固定されたマグネットローラとを具備している。そして、第1スクリュウ8bによって搬送されている現像剤の一部をマグネットローラの発する磁力によって現像スリーブの表面で汲み上げる。現像スリーブの表面に担持された現像剤は、現像スリーブの表面に連れ周りながら、スリーブとドクターグレードとの対向位置を通過する際に、その層厚が規制される。その後、感光体1に対向する現像領域で、感光体1の表面に摺擦しながら移動する。
現像スリーブには、トナーや感光体1の地肌部電位と同極性の現像バイアスが印加されている。この現像バイアスの絶対値は、潜像電位の絶対値よりも大きく、且つ、地肌部電位の絶対値よりも小さくなっている。このため、現像領域においては、感光体1の静電潜像と現像スリーブとの間にトナーをスリーブ側から潜像側に静電移動させる現像ポテンシャルが作用する。この一方で、感光体1の地肌部と現像スリーブとの間には、トナーを地肌部側からスリーブ側に静電移動させる地肌ポテンシャルが作用する。これにより、現像領域では、感光体1の静電潜像にトナーが選択的に付着して静電潜像が現像される。
現像領域を通過した現像剤は、現像スリーブの回転に伴って、スリーブと第2スクリュウ8cとの対向領域に進入する。この対向領域では、マグネットローラに具備される複数の磁極のうち、互いに極性の異なる2つの磁極によって反発磁界が形成されている。対向領域に進入した現像剤は、反発磁界の作用によって現像スリーブ表面から離脱して、第2スクリュウ8c上に回収される。
傾斜スクリュウ8dによって搬送される現像剤は、現像ローラ8aから回収された現像剤を含有しており、その現像剤は現像領域で現像に寄与していることからトナー濃度を低下させている。現像装置8は、傾斜スクリュウ8dによって搬送される現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサーを具備している。制御部150は、トナー濃度センサーによる検知結果に基づいて、必要に応じて、傾斜スクリュウ8dによって搬送される現像剤にトナーを補給するための補給動作信号を出力する。
現像装置8の上方には、トナーカートリッジ9が配設されている。このトナーカートリッジ9は、内部に収容しているトナーを、回転軸部材9aに固定されたアジテータ9bによって撹拌している。そして、トナー補給部材9cが制御部150から出力される補給動作信号に応じて回転駆動されることで、回転駆動量に応じた量のトナーを現像装置8の傾斜スクリュウ8dに補給する。
現像によって感光体1上に形成されたトナー像は、感光体1の回転に伴って、感光体1と、転写手段たる転写ローラ10とが当接する転写ニップに進入する。転写ローラ10には、感光体1の潜像電位とは逆極性の帯電バイアスが印加されており、これにより、転写ニップ内には転写電界が形成されている。
上述したように、レジストローラ対49は、記録シートSを転写ニップ内で感光体1上のトナー像に重ね合わせうるタイミングで転写ニップに向けて送り出す。転写ニップでトナー像に密着せしめられた記録シートSには、転写電界やニップ圧の作用により、感光体1上のトナー像が転写される。この際、記録シートSから感光体1に紙粉が逆転移してしまうことがある。紙粉の逆転移量は、記録シートSの銘柄によって様々である。
転写ニップにおける転写工程を通過した後の感光体1の表面には、記録シートSに転写されなかった転写残トナーや紙粉などの付着物が付着している。この付着物は帯電・クリーニングユニット18のクリーニングブレード2によって感光体1の表面から掻き落とされた後に回収スクリュウ3上に回収され、この回収物は回収スクリュウ3によってユニットケーシングの外に向けて送られる。ユニットケーシングから排出された回収物は、搬送装置によって廃トナーボトルに送られる。
クリーニングブレード2によって転写残トナーや紙粉などからなる付着物がクリーニングされた感光体1の表面は、除電手段によって除電された後、帯電ローラ4によって再び一様に帯電せしめられる。感光体1の表面に当接している帯電ローラ4には、トナー添加剤や、クリーニングブレード2で除去し切れなかったトナーなどの異物が付着することがある。この異物は、帯電ローラ4に当接しているクリーニングローラ5に転移した後、クリーニングローラ5に当接しているスクレーパー6によってクリーニングローラ5の表面から掻き落とされる。掻き落とされた異物は、上述した回収スクリュウ3の上に落下する。
図1において、感光体1と転写ローラ10とが当接する転写ニップを通過した記録シートSは、定着装置44に送られる。定着装置44は、ハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ44aと、これに向けて押圧される加圧ローラ44bとの当接によって定着ニップを形成している。定着ニップに挟み込まれた記録シートSの表面には、加熱や加圧の作用によってトナー像が定着せしめられる。その後、定着装置44を通過した記録シートSは、排紙路45を経た後、排紙ローラ対46の排紙ニップに挟み込まれる。
実施形態に係るプリンタは、記録シートSの片面だけに画像を形成する片面モードと、記録シートSの良縁に画像を形成する両面モードとを切り替えて実行することができる。片面モードの場合や、両面モードであって既に記録シートSの両面に画像を形成している場合には、排紙ローラ対46が正転駆動を続けることで、排紙路45内の記録シートSを機外に排出する。排出された記録シートSは、本体筐体50の上面に設けられたスタック部にスタックされる。
一方、両面モードであって、且つ記録シートSの片面だけにしか画像を形成していない場合には、排紙ローラ対46の排紙ニップに記録シートSの端部が進入したタイミングで、排紙ローラ対46が逆転駆動される。このとき、排紙路45の末端付近に配設された切替爪47が作動して、排紙路45を塞ぐとともに、反転再送路48の入口を開く。排紙ローラ対46の逆転駆動によって逆戻りを開始した記録シートSは、反転再送路48内に送り込まれる。そして、反転再送路48内で上下を反転せしめられながら搬送された後、レジストローラ対49のレジストニップに再送される。その後、転写ニップでもう一方の面にもトナー像が転写された後、定着装置44と排紙路45と排紙ローラ対46とを経て機外に排出される。
近年、カラー化が進んだ画像形成装置の分野では、高画質化や画質安定化がより一層求められるようになってきており、そのために、トナーの小粒径化や球形化が進められる傾向にある。このため、小径で球形のトナー粒子がクリーニングブレード2と感光体1との当接部をすり抜けてクリーニング不良を発生させ易くなっている。
また、クリーニング不良の発生は、感光体1とクリーニングブレード2とが当接するブレード当接部の入口に滞留する上記付着物である滞留物における紙粉によって助長される。具体的には、転写ニップを通過した後の感光体1表面には、既に述べたように、転写残トナーだけでなく、記録シートSから転移した紙粉も付着物として付着している。そして、ブレード当接部入口には、転写残トナーだけでなく紙粉も滞留物として滞留する。一般に、この紙粉の滞留は、実施形態に係るプリンタのように、感光体1から記録シートSに対してトナーを直接的に転写する直接転写方式において顕著に見られる。ブレード当接部入口に滞留する紙粉は、クリーニングブレード2と感光体1との当接部に噛み込まれて隙間を形成すると、付着物のブレード当接部へのすり抜けを助長する。これにより、クリーニング不良の発生を助長してしまうのである。この現象は、画像面積率の低い画像の出力頻度が高い場合に顕著に現れる。また、紙粉中に含まれる炭酸カルシウム及び繊維(セルロース)は、感光体1の表面層に摺擦して表面層の摩耗を促進してしまうことから、クリーニング不良に起因する画質劣化だけでなく、感光体の低寿命化にも関与してしまう。
感光体1の表面に対する紙粉の付着量は、トナーリサイクルシステムを搭載している画像形成装置において特に多くなる。トナーリサイクルシステムは、転写残トナーを感光体1の表面から回収して再び現像装置8に戻すシステムである。かかるトナーリサイクルシステムを搭載した画像形成装置では、紙粉を含むトナーを現像装置8内に戻して再び感光体1の表面に付着させるからである。記録シートSとして、墳料(炭酸カルシウム、タルク等)を多く含むリサイクル紙を使用する場合には、ブレード当接部入口における紙粉の滞留量が特に多くなる傾向にある。
紙粉の成分は、紙繊維であるセルロースや、墳料である炭酸カルシウムなどであるが、ブレード当接部入口に滞留する紙粉は、図3に示されるようにそれらの混合物であることが多い。ブレード当接部入口では、まず、小粒径(5μm以下)の紙粉が滞留していき、それらの紙粉によってクリーニングブレード2のエッジが持ち上げられる。これにより、クリーニングブレード2と感光体1との間に微小ギャップが生じ、そのギャップをトナー粒子がすり抜けて感光体1の帯電や光書込を阻害して異常画像を発生させてしまう。また、紙粉と感光体1との付着力は比較的弱いことから、小粒径の紙粉がブレード当接部をすり抜けて異常画像を発生させることもある。
小粒径の紙粉やトナー粒子のブレード当接部へのすり抜けを抑えるためには、それらを凝集させて比較的大きな塊にして、クリーニングブレード2によって掻き取られ易くするとよい。紙粉やトナー粒子の凝集を促進する構成として、ブレード当接部よりも上流側で磁石に吸着した磁性粉粒体を感光体1に擦り付ける構成が知られている。しかしながら、かかる構成では、磁石から離脱させた磁性粉粒体がクリーニングブレード2と感光体1との間をすり抜けてブレードや感光体1を傷付けてしまうおそれがある。更には、磁石に対して磁性粉粒体を定期的に補充する必要があるので、メンテナンスに手間を要してしまう。
そこで、実施形態に係るプリンタでは、紙粉に対して正負両極性の電荷を与えることで、紙粉の凝集を促すようになっている。具体的には、転写ローラ10による転写工程が実施される転写ニップを経由した感光体1の表面は、クリーニングブレード2によって転写残トナーがクリーニングされるのに先立って、電荷付与部材たる電荷付与ブラシ11との接触位置を通過する。実施形態に係るプリンタは、転写ニップを通過した後、クリーニングブレード2によるクリーニング工程が行われるブレードとの接触位置に進入する前の感光体1表面に付着している付着物に対して電荷を付与する電荷付与手段を備えている。この電荷付与手段は、電荷付与ブラシ11の他、図4に示されるように、スイッチ回路12、第1電源回路13、第2電源回路14を有している。また、スイッチ回路12のスイッチング動作を制御する制御部150も有している。
電荷付与ブラシ11は、複数の導電性起毛からなる導電性ブラシ部と、これを保持する金属製保持部とを具備している。この電荷付与ブラシ11の金属製保持部には、スイッチ回路12を介して第1電源回路13や第2電源回路14が接続されている。スイッチ回路12は、図示のように、電荷付与ブラシ11に接続される電源を第1電源回路13と第2電源回路14とで切り替えるためのもので、その切り替えは制御部150によって制御される。
スイッチ回路12が第1電源回路13を電荷付与ブラシ11に導通させている場合には、第1電源回路13から出力される+800[V]の直流電圧が電荷付与ブラシ11に印加される。このとき、感光体1の回転に伴って、電荷付与ブラシ11と感光体1表面との摺擦部に進入した転写残トナーや紙粉等の付着物には、電荷付与ブラシ11の導電性起毛からプラス極性の電荷が付与され、これによって付着物はプラス極性に帯電する。
一方、スイッチ回路12が第2電源回路14を電荷付与ブラシ11に導通させている場合には、第2電源回路14から出力される−800[V]の直流電圧が電荷付与ブラシ11に印加される。このとき、感光体1の回転に伴って、電荷付与ブラシ11と感光体1表面との摺擦部に進入した転写残トナーや紙粉等の付着物には、電荷付与ブラシ11の導電性起毛からマイナス極性の電荷が付与され、これによって付着物はマイナス極性に帯電する。
制御部150は、図示のように、記録シート1枚分の画像を形成するプリントジョブ期間において、電荷付与ブラシ11に印加される電圧の極性を複数回に渡って反転させるように、スイッチ回路12のスイッチ動作を制御する。つまり、電荷付与手段は、転写工程を経由した後の感光体1の表面に付着している付着物に対して正電荷と負電荷とを交互に付与するようになっている。このため、ブレード当接部入口には、プリントジョブ期間中に、マイナス極性に帯電した付着物と、プラス極性に帯電した付着物とが交互に堆積していく。クリーニングブレード2の先端部は、感光体1の回転に伴って微振動している(スティックスリップ現象)。この微振動により、ブレード当接部入口ではマイナス極性の付着物とプラス極性の付着物とが混合撹拌されながら、互いの電荷に引かれ合って静電的に付着して凝集体を形成する。これにより、単体の状態でブレード当接部入口で滞留するトナー粒子の数を低減することで、トナー粒子のブレード当接部へのすり抜けを抑える。また、滞留物中の紙粉を凝集体という塊にすることで、紙粉のブレード当接部への噛み込みを抑える。これらの結果、特許文献1に記載の画像形成装置とは異なり、磁石に吸着させた磁性粉粒体を感光体の表面に接触させることなく、クリーニング不良の発生を抑えることができる。よって、磁石から離脱させた磁性粉粒体によってクリーニングブレード2や感光体1を傷付けたり、磁石に対して磁性粉粒体を定期的に補充する手間を強いられたりすることなく、クリーニング不良の発生を抑えることができる。
なお、電荷付与ブラシ11に印加する電源回路として交流電源回路を用い、交流電圧を電荷付与ブラシ11に印加して、付着物をマイナス極性、プラス極性の交互に帯電させるようにしてもよい。
前述のようにして紙粉の凝集を促すことで滞留物のブレード当接部への噛み込みを抑えることが可能になるが、ブレード当接部入口における紙粉滞留量が過剰になってくると、ブレードめくれを発生させてしまうおそれがある。
図5は、適量のトナーが滞留している状態のブレード当接部入口を示す模式図である。中程度の画像面積率の画像を複数の記録シートSに連続プリントしているときには、ある程度の量の転写残トナーが感光体1の表面に付着する。このため、図示のように、ブレード当接部入口に滞留する滞留物の中に、適量のトナーが含まれるようになる。同図において、滞留物の中には、トナー中に含まれていた外添剤などに由来する微粒子200と、紙粉に由来する炭酸カルシウム結晶201と、平均的な大きさのトナー粒子Taと、少し小さめのトナー粒子Tbとが適切な比率で混入している。それら混入成分の中では、通常の大きさのトナー粒子Taが、感光体1表面とクリーニングブレード2との摩擦力を低下させて両者間に適度な潤滑性を付与する。このため、滞留物は感光体1表面とクリーニングブレード2との間をすり抜けることなく、ブレード当接部入口に滞留し続けながら、過剰なものが感光体1表面から落下して回収スクリュウ3の上に落下する。
図6は、トナー比率の比較的少ない滞留物を滞留させている状態のブレード当接部入口を示す模式図である。比較的高い画像面積率の画像を複数の記録シートに連続プリントしているといには、感光体1の表面に転写残トナーがそれほど付着しなくなる。このため、図示のように、ブレード当接部入口の滞留物の中におけるトナー比率が比較的少なくなる一方で、炭酸カルシウム結晶201の比率が比較的高くなる。但し、図示の状態では、ブレード当接部の入口点に多くの微粒子200が存在していて、摩擦係数の高い炭酸カルシウム結晶201が入口点から比較的離れた位置にあるので、炭酸カルシウム結晶201がブレード当接部入口の潤滑性を著しく低下させることはない。図6に示される状態が長く続くと、炭酸カルシウム結晶201が徐々に入口点に近づいていき、やがて、図7に示されるように、クリーニングブレード2と感光体1表面との間に入り込んで、ブレードめくれを発生させる。このとき、クリーニングブレード2と感光体1表面との間に大きな隙間を発生させて、多くの転写残トナーをすり抜けさせる。このようにしてすり抜けた転写残トナーは、画質に悪影響を及ぼしてしまう。
そこで、実施形態に係るプリンタは、所定のタイミングで潤滑性促進処理を実施して、ブレード当接部におけるクリーニングブレード2と感光体1表面との潤滑性を高める。その所定のタイミングは、電源ON直後のウォーミングアップ時や、連続プリント中において潤滑性促進要求度が高まったときなどである。
図8は、潤滑促進用トナー像202が形成された感光体1を示す斜視図である。潤滑性促進処理においては、図示のように、感光体1の回転軸線方向に延在する矩形状の潤滑促進用トナー像202を感光体1の表面に形成する。感光体1と現像装置8(図2を参照)との対向位置で現像された潤滑促進用トナー像202は、感光体1の回転に伴って転写ニップに進入するが、プリント用のトナー像ではないことから、そのとき、転写ニップには記録シートSが進入していない。この状態で転写ニップ内に転写電界が形成されていると、潤滑促進用トナー像202が転写ローラ10(図2を参照)の表面に転写されてしまう。
そこで、制御部150は、ウォーミングアップ時に潤滑性促進処理を実施する場合には、転写ローラ10に対して、トナーの正規帯電極性と逆極性の転写バイアスではなく、トナーの正規帯電極性と同極性の拘束用バイアスを印加する制御を実施する。この拘束用バイアスを転写ローラ10に印加することで、転写ニップ内のトナーに対し、転写ローラ10側から感光体1表面側に向かう静電気力を付与して、潤滑促進用トナー像202を感光体1表面上に拘束する。
また、制御部150は、連続プリントジョブ中に潤滑性促進処理を実施する場合には、感光体1の表面における全域のうち、シート間対応領域に潤滑促進用トナー像202を形成する。シート間対応領域は、感光体1の表面の移動方向における全域のうち、連続プリントジョブ中にて、先行して搬送される記録シートSに転写ニップ内で密着する領域と、後続の記録シートSに転写ニップ内で密着する領域との間の領域である。制御部150は、連続プリントジョブ中において、基本的には、転写ローラ10に対して転写バイアスを印加する制御を実施する。但し、感光体1において潤滑促進用トナー像202を形成したシート間領域を転写ニップに進入させるタイミングでは次のような制御を実施する。即ち、転写ローラ10に印加するバイアスを、転写バイアスから拘束用バイアスに一時的に切り替える制御である。これにより、潤滑促進用トナー像202を転写ローラ10表面に転写しないようにする。
感光体1の回転に伴って転写ニップを通過した潤滑促進用トナー像202は、図示のように、ブレード当接部に供給される。先に図6に示されたようにトナー比率の比較的少ない滞留物に対し、図8に示されるように潤滑促進用トナー像202が供給されると、ブレード当接部入口が図9に示されるような状態になる。即ち、炭酸カルシウム結晶201の集合体の搬送方向上流側に、多量のトナー粒子Taを供給した状態になる。この状態では、多量の炭酸カルシウム結晶201がブレード当接部の入口点に存在していてブレード当接部入口の摩擦力を高めているが、この状態は次のような現象によってすぐに解消される。即ち、炭酸カルシウム結晶201やトナー粒子Taを含む滞留物全体が感光体1表面の回転に伴ってロール運動をする。これにより、図10に示されるように、多量のトナー粒子Taと、炭酸カルシウム結晶201との分散が均一化されて、多くのトナー粒子Taが入口点でブレード当接部の潤滑性を促すようになる。この結果、ブレードめくれの発生を抑えることができる。
このように、潤滑性促進処理を実施することでブレードめくれの発生を抑えることが可能になる。しかし、図5に示されるようにブレード当接部入口の潤滑性を促進するトナーの比率が適切に保たれている滞留物を滞留させている状態で潤滑性促進処理を実施すると、トナーを無駄に消費してしまう。
そこで、従来、次のようにして潤滑性促進処理の実施の必要性を判定する画像形成装置が知られている。即ち、連続プリントジョブ中において、プリント1枚目からの出力画像の画像面積率を累積してその平均をとった平均画像面積率を算出する。連続プリント枚数が所定枚数に到達した時点で、平均画像面積率が所定の閾値を超えていれば、ある程度の転写残トナーが発生していることから、図5に示されるように、滞留物のトナー比率が適切になっている可能性が高い。このため、潤滑性促進処理を実施する必要性について低いものとみなして、潤滑性促進処理を実施することなく、連続プリントジョブと、平均画像面積率の算出とを継続する。一方、平均画像面積率が所定の閾値を超えていない場合には、転写残トナーの発生量が比較的少ないことで、滞留物中の紙粉の比率が比較的高くなっている可能性が高い。そこで、潤滑性促進処理を実施してブレード当接部の潤滑性向上を図る。
かかる構成では、単純に所定枚数プリント毎に潤滑性促進処理を実施する場合に比べて、潤滑性促進処理の実施タイミングの適正化を図ることができる。ところが、かかる構成においても、ブレードめくれを引き起こしたり、潤滑性促進要求度の低いタイミングで潤滑性促進処理を実施してトナーを無駄に消費したりするおそれがあった。これは次に説明する理由による。即ち、転写ニップにおける記録シートSから感光体1表面への紙粉(炭酸カルシウム結晶201)の転移量は、記録シートSの銘柄によって大きく異なってくる。このため、平均画像面積率が中程度であることによって転写残トナーが中程度に発生する場合であっても、紙粉転移量の比較的多い記録シートSが使用されていると、ブレード当接部入口の滞留物における炭酸カルシウム結晶201の比率が高くなることがある。また、平均画像面積率が比較的低くて転写残トナーの発生量が比較的少ない場合であっても、紙粉転移量の比較的少ない記録シートSが使用されていると、ブレード当接部入口の滞留物における炭酸カルシウム結晶201の比率が適正になることもある。
次に、実施形態に係るプリンタの特徴的な構成について説明する。
図11は、帯電・クリーニングユニット18を感光体1とともに示す構成図である。帯電・クリーニングユニット18の下部は、回収物搬送手段たる回収スクリュウ3を収容する収容部たるスクリュウ収容部になっている。このスクリュウ収容部の側壁18aには、透明材料からなる窓部としての検知窓18bが設けられている。スクリュウ収容部の側壁18aの図中左側には、センサー収容部が設けられており、このセンサー収容部の中には、紙粉濃度検知センサー19が検知窓18bに対向するように配設されている。紙粉濃度検知センサー19は、検知窓18bを介して、回収スクリュウ3によって搬送される回収物における紙粉の比率を検知する。
回収スクリュウ3によって搬送される回収物は、回収スクリュウ3の回転に伴って撹拌されることで、紙粉の比率の均一化が図られる。検知窓18bの光透過率が高いほど、紙粉の比率の検知精度が向上することから、検知窓18bを構成する透明材料としては、光透過率が高く且つ光反射率が低いものが望ましい。近年、透明基層の両面に反射防止コート層を被覆した透明部材が普及しているので、そのような透明部材を用いるとよい。
反射型光学センサーからなる紙粉濃度検知センサー19は小型であることから、帯電・クリーニングユニット18のケーシング内のデッドスペースを有効利用して、レイアウト変更を強いることなく、ケーシング内に容易に配置される。ケーシング内に配設されることで、破損の発生が抑えられる。
紙粉濃度検知センサー19の発光素子から発せられた光は、検知窓18bを通って、スクリュウ収容部内の回収物に到達する。そして、一部の光は、回収物の表面で反射した後、再び検知窓18bを通って、紙粉濃度検知センサー19の受光素子に受光される。クリーニングブレード2によって感光体1表面から除去された付着物の紙粉濃度が高くなるほど、紙粉濃度検知センサー19による受光量が増加する。これは、紙粉の主成分である炭酸カルシウム結晶201が白色だからである。よって、紙粉濃度検知センサー19による受光量に基づいて、回収物における紙粉の比率を検知することが可能である。なお、回収スクリュウ3の光反射率が高いと、回収物における紙粉の比率濃度を精度よく検知することが困難になることから、回収スクリュウ3については、黒色の材料で構成している。
図12は、帯電・クリーニングユニット18のスクリュウ収容部及びセンサー収容部を示す平断面図である。図中矢印方向は、回収スクリュウ3による回収物搬送方向を示している。紙粉濃度検知センサー19は、センサー収容部における図中矢印方向の中央の位置に設けられている。この紙粉濃度検知センサー19による紙粉の比率の検知を可能にするように、検知窓18bは、側壁18aにおける図中矢印方向の中央の位置に設けられて、紙粉濃度検知センサー19と対向するようになっている。
回収スクリュウ3によってスクリュウ収容部の回収物搬送方向における下流側端部まで搬送された回収物は、スクリュウ収容部の底壁に設けられた排出口に落下する。この排出口には、搬送管が接続されており、落下した回収物は搬送管を通って廃トナーボトルに送られる。なお、回収した回収物を廃トナーボトルに送る代わりに、現像装置8に送って、回収トナーをリサイクルしてもよい。
回収スクリュウ3のスクリュウ羽根内の螺旋空間における紙粉濃度検知センサー19との対向位置には、回収物が常に存在しているわけではない。転写残トナーや紙粉の発生量が比較的少ないときには。前述の螺旋空間における紙粉濃度検知センサー19との対向位置に回収物が存在していないこともある。但し、スクリュウ収容部において、回収スクリュウ3のスクリュウ羽根先端と、側壁18aとの間にはクリアランスが形成されており、そのクリアランス内には、回収物が常に存在している。回収物を常に存在させるように、クリアランスの大きさが調整されているからである。クリアランス内の回収物は、そこに停滞しているのではなく、回収スクリュウ3の螺旋空間内に存在している回収物に擦られることで、図中矢印方向にゆっくりと搬送されていく。そして、その搬送の過程で、クリアランス内の回収物の一部と、回収スクリュウ3の螺旋空間内に存在する回収物の一部とが入れ替わる。このため、ブレード当接部入口に存在する滞留物における紙粉の比率が変化すると、ある程度のタイムラグをおいて、前述のクリアランス内に存在している回収物における紙粉の比率も、滞留物における紙粉の比率に近い値に変化する。よって、紙粉濃度検知センサー19による紙粉の比率の検知結果は、ブレード当接部入口で滞留する滞留物の紙粉の比率に近い値になる。つまり、前者の比率は、後者の比率の代替特性として機能する。
なお、紙粉濃度検知センサー19をスクリュウ収容部内の回収物における紙粉の比率を検知する位置に配設する代わりに、ブレード当接部入口に滞留する滞留物の紙粉の比率を検知する位置に配設してもよい。また、クリーニングブレード2によって感光体1表面から掻き取った回収物を自由落下で回収スクリュウ3に送る構成の代わりに、次のような構成を採用してもよい。即ち、一方の面を重力方向の上方に向けるようにクリーニングブレード2を配設し、ブレード上面に滞積する回収物を、ブレード先端を乗り上げてきた後続の回収物によってブレード自由端側に向けて押す。そして、ブレード上面の自由端側に存在する回収物を回収スクリュウによって搬送する構成である。
図13は、実施形態に係るプリンタの電気回路の一部を示すブロック図である。同図において、制御部150は、プリンタの各種機器の駆動を制御したり、各種の演算処理をしたりするものであり、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリーなどを有している。この制御部150には、画像情報に基づいて潜像書込装置7の駆動を制御して潜像の光書込を行う書込制御部151が接続されている。また、I/Oユニット152を介して、各種モータ、各種ソレノイド、各種クラッチ、各種センサー、各種電源などが接続されている。
各種モータは、各種の駆動部材の駆動源になっているモータである。また、各種ソレノイドは、切替爪47の姿勢を変化させるためのソレノイドなどである。また、各種クラッチは、モータの駆動力の駆動系部材への駆動伝達を入切するためのものである。また、各種センサーは、搬送路内の記録シートSの有無を検知するセンサー、紙粉濃度検知センサー19、現像装置8内の現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサーなどである。各種電源は、現像バイアスを出力する現像電源や、転写バイアスを出力する転写電源などである。
図14は、制御部150によって実施される潤滑性促進処理の処理フローを示すフローチャートである。以下、フローチャートにおける各工程の名称を「ステップ」と記さずに「S」という省略記号で記す。制御部150は、連続プリントジョブを開始した後(S1でY)、連続プリント枚数が所定枚数に達すると(S2でY)、回収スクリュウ3によって搬送中の回収物における紙粉の比率を紙粉濃度検知センサー19によって紙粉濃度として検知する(S3)。そして、その検知結果について、所定の閾値を上回っているか否かを判定する(S4)。
紙粉濃度が所定の閾値を上回っていない場合(S4でN)には、ブレード当接部入口の滞留物中に適量のトナーが存在していて、ブレード当接部入口に適度な潤滑性が付与されている。このため、制御部150は、潤滑促進用トナー像202を形成することなく、再び連続プリント枚数が所定枚数に達するのを待つ。これに対し、紙粉濃度が所定の閾値を上回っている場合(S4でY)には、ブレード当接部入口の滞留物中のトナー比率が比較的低くなっていて、ブレード当接部の潤滑性が不足している。このため、制御部150は、潤滑促進用トナー像202の形成を決定するために、まず、感光体1における次のシート間対応領域に潤滑促進用トナー像202の形成が可能であるか否かを判定する。
このような判定を行うのは、次に説明する理由による。即ち、連続プリントジョブ中には、潤滑性促進処理の他に、プロセスコントロール処理が実施される。このプロセスコントロール処理は、画像濃度を一定に維持するためのものである。連続プリントジョブ中には、出力画像の平均画像面積率に応じて、現像剤のトナー帯電量(Q/M)が変化する。作像条件を一定にしたままでいると、トナー帯電量の変化に伴って画像濃度が変化してしまう。そこで、プロセスコントロール処理では、感光体1のシート間対応領域にテストトナー像を定期的に形成し、そのトナー像の画像濃度を検知した結果に基づいて、画像濃度について適切に維持されているか否かを確認する。適切に維持されていない場合には、現像バイアスなどの作像条件を補正することで、画像濃度を目標濃度に近づける。これにより、画像濃度を一定に維持するのである。プロセスコントロールにより、感光体1のシート間対応領域にテストトナー像を形成するときには、潤滑促進用トナー像202を形成することができないので、前述のような判定を行うのである。
なお、プロセスコントロール処理で形成したテストトナー像も、ブレード当接部に供給することになるが、ブレード長手方向の一部分にしか供給できない長さであるので、潤滑性を向上させることはできない。
感光体1のシート間対応領域に潤滑促進用トナー像202を形成することができない場合には(S5でN)、形成することができるシート間対応領域が発生するのを待つ。その後、形成可能なシート間対応領域に潤滑促進用トナー像202を形成した後(S6)、全ての頁をプリントしたか否かを判定する(S7)。そして、全ての頁をプリントしていない場合には(S7でN)、上記S2からのフローを再び実行する。これに対し、全ての頁をプリントすると(S7でY)、一連の処理フローを上記S1に戻す。なお、連続プリント枚数が所定枚数に達する前に全ての頁の出力を終えた場合にも、一連の処理フローを上記S1に戻す。
かかる構成では、紙粉濃度検知センサー19による検知結果に基づいて、滞留物の紙粉濃度が高まって(閾値を超える)ブレード当接部入口の潤滑性が不足したときだけ、潤滑促進用トナー像202を形成してブレード当接部に供給する。これにより、トナーを無駄に消費することなく、クリーニングブレード2のめくれの発生を抑えることができる。
次に、実施形態に係るプリンタに、より特徴的な構成を付加した各実施例について説明する。なお、以下に特筆しない限り、各実施例に係るプリンタの構成は実施形態と同様である。
[第一実施例]
記録シートSにおいては、紙面よりも、紙端で紙粉が多く発生する。このため、連続プリントジョブ中には、クリーニングブレード2の長手方向における全域のうち、使用している記録シートSの両端のそれぞれに対応する二つの位置に対して、紙粉が集中的に送られる。以下、記録シートSの両端のうち、一方の端を図12における左右方向の左端、他方の端を同図における左右方向の右端と定義して、前述した二つの位置のうち、記録シートSの左端に対応する位置を左端対応位置という。また、前述した二つの位置のうち、記録シートSの右端に対応する位置を右端対応位置という。
図12において、記録シートSの左端に対応する左端対応位置は、同図における紙粉濃度検知センサー19よりも図中左側の位置である。回収スクリュウ3における左端対応位置に落下した紙粉濃度の高い付着物は、図中矢印方向に搬送される過程で、他の付着物と撹拌混合されることから、紙粉濃度検知センサー19による検知位置に到達したときには、紙粉濃度がかなり低くなっている。つまり、図示の紙粉濃度検知センサー19は、左端対応位置における滞留物の紙粉濃度を検知することができない。
また、記録シートSの右端に対応する右端対応位置は、同図における紙粉濃度検知センサー19よりも図中右側の位置である。回収スクリュウ3における右端対応位置に落下した紙粉濃度の高い付着物は、紙粉濃度検知センサー19による検知位置を通過することなく、帯電・クリーニングユニット18から排出される。よって、図示の紙粉濃度検知センサー19は、左端対応位置における滞留物の紙粉濃度を検知することができない。
そこで、第一実施例に係るプリンタでは、図15に示されるように、スクリュウ収容部におけるトナー搬送方向の中央部に加えて、次のような位置にも検知窓18b及び紙粉濃度検知センサー19の組み合わせを設けている。即ち、A4サイズの横方向の両端に相当する位置や、A4サイズの縦方向の両端に相当する位置である。
制御部150は、潤滑性促進処理において、次のような処理を実施する。即ち、図14のS3の工程で5つの紙粉濃度検知センサー19によって回収物の紙粉濃度を検知したら、それらの検知結果のうち、最も値の大きいものを、紙粉濃度の検知結果として採用する。そして、採用した検知結果について、S4の工程で閾値よりも大きいか否かを判定する。かかる構成においては、回収物における紙粉の滞留量が感光体1の表面移動方向と直交する方向においてばらつくことによるブレードめくれの発生を抑えることができる。
[第二実施例]
図12に示される検知窓18bの表面は、スクリュウ収容部の内壁の一部を構成していることから、検知窓18bの表面には回収物中のトナーや紙粉が付着する。付着したトナーや紙粉をそのままにしておくと、やがて検知窓18bの表面にトナーや紙粉を固着させて、紙粉濃度検知センサー19による紙粉の比率の検知精度を低下させてしまうことになる。
図16は、第二実施例に係るプリンタの帯電・クリーニングユニット18における回収スクリュウ3の一部を拡大して示す部分拡大斜視図である。回収スクリュウ3は、棒状の回転軸部材3aと、これの周面に立設せしめられた螺旋状の螺旋羽根3bとを具備している。回転軸部材3aの長手方向における全域のうち、検知窓(図12の18b)との対向領域には、検知窓を清掃するための清掃部材15が立設せしめられている。この清掃部材15は、回転軸部材3aの周面に固定された支持部15aと、検知窓を清掃するための清掃部15bとを具備している。清掃部15bは、硬度90、厚み0.2[mm]の可撓性を有するウレタンゴムシートからなり、柔軟に撓むことが可能である。そして、支持部15aに接着されて片持ち支持されている。
図17は、スクリュウ収容部及びセンサー収容部における紙粉濃度検知センサー19の付近を拡大して示す部分平断面図である。同図においては、便宜上、清掃部材15の清掃部15bを黒塗りで示している。回収スクリュウ3が回転するのに伴って、回収スクリュウ3に固定された清掃部材15が検知窓18bとの対向位置を通過するときには、図示のように、清掃部材15の清掃部15bの自由端が検知窓18bに摺擦しながら撓む。その摺擦により、検知窓18bの表面に付着した回収物を同表面から掻き取ることで、同表面を清掃する。このように、回収スクリュウ3が一回転する毎に、清掃部材15が検知窓18bから回収物を掻き取ることで、検知窓18bに回収物が固着することに起因する、紙粉濃度検知センサー19による紙粉比率の検知精度の低下を抑えることができる。
検知窓18bの配設位置については、スクリュウ収容部の側壁に代えて、スクリュウ収容部の上壁や底壁にすることも可能である。しかしながら、検知窓18bをスクリュウ収容部の上壁に設けた場合には、検知窓18bと、スクリュウ収容部内の回収物との距離を比較的大きくして回収物における紙粉比率を精度良く検知させることが困難になるおそれがある。また、検知窓18bをスクリュウ収容部の底壁に設けた場合には、重力の作用によって回収物を検知窓18bに付着させ易くなることから、検知窓18bに対する回収物の固着を発生させ易くなる。よって、検知窓18bについては、スクリュウ収容部の側壁に設けることが望ましい。
なお、回収スクリュウ3の長手方向における全域のうち、清掃部材15を配設している領域には、螺旋羽根(図16の3b)を設けていない。このため、清掃部材15を設けた領域には、回収物が蓄積し易くなる。これにより、回収物における紙粉比率の検知をし易くすることができる。
図18は、清掃部材15による清掃能力と、累積プリント枚数と、清掃部材15の清掃部15bの検知窓18bに対する食い込み量Kとの関係を示すグラフである。第二実施例に係るプリンタのように、清掃部15bの材料として可撓性を有するウレタンゴムシート(硬度90、厚み0.2mm)を用いた場合の例である。
同図において、目標寿命は、帯電・クリーニングユニット18の交換時期として目標にする累積プリント枚数である。また、能力許容下限は、清掃部材15による清掃能力として許容できる下限値であり、この下限値を下回ると、検知窓18bに対する回収物の固着が急激に起こり易くなる。図示のように、食い込み量Kをどのような値に設定しても、累積プリント枚数の増加に伴って清掃能力が徐々に低下していく。このため、運転開始初期に能力許容下限を超える清掃能力であったとしても、やがては清掃能力が能力許容下限を下回ることになる。
食い込み量Kを0.5〜1.5[mm]の範囲に設定した場合には、目標寿命内で、能力許容下限よりも高い清掃能力を維持し得ることがわかる。これに対し、食い込み量Kを2[mm]に設定した場合には、運転開始初期には能力許容下限を超えいた清掃能力が、目標寿命に達する前に能力許容下限を下回ってしまう。これは、食い込み量Kを大きくし過ぎると、清掃部15bによって回収物を検知窓18bに押し付ける力が過剰に大きくなってしまうからである。
なお、検知窓18bに対する回収物の固着のし易さは、検知窓18bや清掃部15bの材質に影響を受ける。例えば、検知窓18bや清掃部15bの材質として、何れも樹脂を採用した場合には、検知窓18bと清掃部15bとの摺擦に伴う検知窓18bの摩擦帯電により、回収物の検知窓18bへの付着を助長して、回収物の固着を引き起こし易くなることがある。そこで、第二実施例に係るプリンタにおいては、検知窓18bの材質として、摩擦帯電し難いガラスを採用している。これにより、検知窓18bの材質として樹脂を採用する場合に比べて、検知窓18bへの回収物の付着を抑えることができる。
図19は、第二実施例に係るプリンタの帯電・クリーニングユニットのスクリュウ収容部及びセンサー収容部を示す平断面図である。図示のように、第二実施例に係るプリンタにおいても、第一実施例に係るプリンタと同様に、スクリュウ収容部におけるトナー搬送方向の中央部に加えて、次のような位置にも検知窓18b及び紙粉濃度検知センサー19の組み合わせを設けている。即ち、A4サイズの横方向の両端に相当する位置や、A4サイズの縦方向の両端に相当する位置である。そして、それら五つの検知窓18bのそれぞれを個別に清掃するための五つの清掃部材15を回収スクリュウ3に設けている。
第二実施例に係るプリンタの制御部150は、第一実施例と同様に、図14のS3の工程で5つの紙粉濃度検知センサー19によって回収物の紙粉濃度を検知したら、それらの検知結果のうち、最も値の大きいものを、紙粉濃度の検知結果として採用する。そして、採用した検知結果について、S4の工程で閾値よりも大きいか否かを判定する。
次に、第二実施例に係るプリンタに、より特徴的な構成を付加した各具体例について説明する。なお、以下に特筆しない限り、各具体例に係るプリンタの構成は、第二実施例と同様である。
[第一具体例]
まず、第一具体例に係るプリンタについて説明する前に、第二実施例に係るプリンタの清掃部材15について追加説明をする。図20は、第二実施例に係るプリンタの清掃部材15を拡大して示す拡大斜視図である。同図における清掃部材15の清掃部15bの材料としては、既に説明したように、ウレタンゴムシートを採用している。そのウレタンゴムシートからなる清掃部15bに対し、所望の腰の強さを発揮させるために、支持部15a先端からの清掃部15bの突出量pを比較的小さく設定している。
図21は、第一具体例に係るプリンタの清掃部材15を拡大して示す拡大斜視図である。第一具体例に係るプリンタでは、清掃部材15の清掃部15bの材料として、ステンレスシートなどの金属シートを用いている。金属シートは、ウレタンゴムシートよりも剛性が高いことから、ウレタンゴムシートと同様の腰の強さを発揮させるために、図示のように、突出量pを第二実施例よりも大きくしている。金属製の清掃部15bを検知窓18bに接触させたときに、検知窓18bに付着している回収物や、検知窓18bの電荷を、清掃部材15及び回収スクリュウ3を介してアースに逃がすことが可能である。このため、回収物を検知窓18bに静電気力によって付着させることによる検知窓18bへの回収物の固着を抑えることができる。
[第二具体例]
第二実施例や第一具体例に係るプリンタのように、清掃部として片持ち支持されたシート状のものを用いる場合には、清掃部の自由端の微振動による清掃ムラを発生させ易い。そこで、第二具体例や、後述する第三具体例、第四具体例に係るプリンタにおいては、清掃部として、片持ち支持されるシート状ではないものを用いている。
図22は、第二具体例に係るプリンタにおける回収スクリュウ3の回転軸部材3aと、清掃部材15とを示す部分斜視図である。図示のように、第二具体例に係るプリンタにおいては、一つの検知窓18bを清掃するための清掃部材15として、回転軸部材3aの周面における120[°]ずつずれた三つの位置のそれぞれに清掃部材15を設けている。
清掃部材15は、回転軸部材3aに固定されたパドル部15cと、パドル部15cの外周面に植毛された複数の起毛からなるブラシ清掃部15dとを具備している。回転軸部材3aの回転に伴って、ブラシ清掃部15dが検知窓18bとの接触位置にくると、ブラシ清掃部15dの複数の起毛の先端部が検知窓18bに擦れる。この擦れにより、検知窓18bの表面から回収物を掻き落とす。かかる構成では、片持ち支持されるシート状の清掃部(例えば清掃部15b)を採用する場合に比べて、検知窓18bの清掃ムラを抑えることができる。よって、清掃ムラによる回収物の検知窓18bへの固着による紙粉比率の検知精度の低下を抑えることができる。
なお、回収スクリュウ3が一回転する間における紙粉濃度検知センサー19からの出力のうち、回収物中における紙粉比率を正確に反映するのは、ブラシ清掃部15dが検知窓18bとの接触位置にないときの出力値(以下、「非接触時出力値」という)である。よって、制御部150は、直近の所定期間に取得した複数の「非接触時出力値」の平均に基づいて、回収物中の紙粉比率を求めるようになっている。
「非接触時出力値」を取得する方法の一つとして、所定の時間間隔でサンプリングした複数の出力値のうち、所定の下限値から上限値の範囲にあるものだけを選択する方法が挙げられる。その範囲にない出力値については、ブラシ清掃部15dが検知窓18bに接触しているときに取得された出力値であるとみなすのである。
「非接触時出力値」を取得する方法の他の一つとして、回転軸部材3aに設けられたエンコーダー等の回転角度検知手段による回転軸部材3aの回転角度姿勢の検知結果が、所定の角度範囲内になったときだけ、出力値をサンプリングする方法が挙げられる。
[第三具体例]
図23は、第三具体例に係るプリンタにおける回収スクリュウ3の回転軸部材3aと、清掃部材15とを示す部分斜視図である。図示のように、第三具体例に係るプリンタにおいても、一つの検知窓18bを清掃するための清掃部材15として、回転軸部材3aの周面における120[°]ずつずれた三つの位置のそれぞれに清掃部材15を設けている。
清掃部材15は、回転軸部材3aに固定されたパドル部15cと、パドル部15cの外周面に固定された弾性発泡樹脂からなる弾性発泡清掃部15eとを具備している。回転軸部材3aの回転に伴って、弾性発泡清掃部15eが検知窓18bとの接触位置にくると、弾性発泡清掃部15eが弾性変形しながら検知窓18bの表面に良好に密着して擦れる。この擦れにより、検知窓18bの表面から回収物を掻き落とす。かかる構成では、片持ち支持されるシート状の清掃部(例えば清掃部15b)を採用する場合に比べて、検知窓18bの清掃ムラを抑えることができる。よって、清掃ムラによる回収物の検知窓18bへの固着による紙粉比率の検知精度の低下を抑えることができる。
図22に示した第二具体例に係るプリンタの清掃部材15では、ブラシ清掃部15dにより、比較的大きな粒径の回収物を検知窓18bの表面から掻き取ることが可能であるが、小さな粒径の回収物を検知窓18bの表面から掻き取ることが困難である。例えば、回収物中に含まれる紙粉としての炭酸カルシウムには、直径5[μm]以上の重質炭酸カルシウムと、直径1[μm]程度の軽質炭酸カルシウムがある。シート状の清掃部15bやブラシ清掃部15dによって重質炭酸カルシウムを掻き取ることは可能であるが、軽質炭酸カルシウムを掻き取ることはできない。よって、第一具体例や第二具体例に係るプリンタでは、軽質炭酸カルシウムの清掃不良により、軽質炭酸カルシウムの検知窓18bに対する固着を経時的に進行させるおそれがある。
一方、図23に示した第三具体例に係るプリンタの清掃部材15においては、外縁が円弧形状になっている弾性発泡清掃部15eの表面に無数の空泡が形成されている。そして、検知窓18bの表面に付着した小粒径の回収物(例えば軽質炭酸カルシウム)をその空泡内に取り込みながら検知窓18bの表面から掻き取ることができる。よって、軽質炭酸カルシウムの清掃不良による検知窓18bへの固着を抑えることができる。但し、空泡内に比較的大きな粒径の回収物を詰まらせ易いことから、高い清掃能力を長期間に渡って維持することが困難である。
[第四具体例]
図24は、第四具体例に係るプリンタにおける回収スクリュウ3の回転軸部材3aと、清掃部材15とを示す部分斜視図である。図示のように、第四具体例に係るプリンタにおいては、回転軸部材3aの全周のうち、約240[°]の範囲を覆うパドル状の清掃部材15を採用している。パドル部15cの表面状には、清掃部が形成されている。この清掃部における回転方向の全域のうち、約半分の領域はブラシ清掃部15dになっており、残りの領域は弾性発泡清掃部15eになっている。回転軸部材3aの回転に伴って、それら二つの清掃部のうち、まず、ブラシ清掃部15dによる清掃が行われてから、弾性発泡清掃部15eによる清掃が行われるように、ブラシ清掃部15dの方が回転方向の下流側の位置に設けられている。
清掃部材15は、回転軸部材3aの回転に伴って、検知窓18bに付着している大粒径の回収物と、小粒径の回収物とのうち、まず、大粒径の回収物をブラシ清掃部15dによって検知窓18bから掻き取る。このため、ブラシ清掃部15dとの摺擦を終えた直後の検知窓18bの表面には、大粒径の回収物が少量しか付着しておらず、その表面に残っている回収物の多くが小粒径の回収物である。この小粒径の回収粒は、弾性発泡清掃部15eによって検知窓18bの表面から良好に掻き取られる。このとき、検知窓18bの表面には、大粒径の回収物が殆ど存在していないことから、大粒径の回収物を空泡に詰まらせることによる弾性発泡清掃部15eの経時的な清掃能力の低下を抑えることができる。
以上に説明したものは一例であり、次の態様毎に特有の効果を奏する。
[態様A]
態様Aは、像担持体(例えば感光体1)と、前記像担持体の表面にトナー像を作像する作像手段(例えば、潜像書込装置7、帯電・クリーニングユニット18、現像装置8など)と、前記像担持体上のトナー像を転写体に転写する転写手段(例えば転写ローラ10)と、前記転写手段による転写工程(例えば転写ニップ)を経由した後の前記像担持体の表面に当接して前記表面に付着している付着物をクリーニングするクリーニング部材(例えばクリーニングブレード2)を具備するクリーニング手段(例えば帯電・クリーニングユニット18)と、所定のトナー像を前記作像手段によって前記像担持体の表面に作像して前記像担持体と前記クリーニング部材との当接部に供給する処理を所定のタイミングで実施する制御手段(例えば制御部150)とを備える画像形成装置(例えばプリンタ)において、前記当接部の入口で滞留する前記付着物からなる滞留物における紙粉の比率、又は前記比率の代替特性を検知する紙粉比率検知手段(例えば紙粉濃度検知センサー19)を設け、前記紙粉比率検知手段による検知結果に基づいて、前記処理の実施タイミングを決定するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
態様Aにおいては、紙粉比率検知手段による検知結果に基づいて、クリーニング部材と像担持体との当接部の入口に滞留する滞留物の紙粉の比率が高まって当接部の潤滑性が不足したときだけ、所定のトナー像を形成して当接部に供給する。これにより、トナーを無駄に消費することなく、クリーニング部材のめくれの発生を抑えることができる。
[態様B]
態様Bは、態様Aにおいて、前記クリーニング部材によって前記像担持体の表面上から除去されて回収された前記滞留物である回収物を搬送する回収物搬送手段(例えば回収スクリュウ3)を設け、前記回収物搬送手段によって搬送されている回収物の紙粉の比率を前記代替特性として検知するように前記紙粉比率検知手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様C]
態様Cは、態様Bにおいて、光透過性のある材料からなる窓部(例えば検知窓18b)を、前記回収物搬送手段を収容する収容部の壁に設け、前記収容部の外部から前記窓部を介して前記収容部内の回収物における紙粉の比率を検知するように前記紙粉比率検知手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様D]
態様Dは、態様Cにおいて、前記窓部を清掃する清掃手段を設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、清掃手段によって窓部を清掃することで、窓部に回収物が固着することに起因する、紙粉比率検知手段による紙粉比率の検知精度の低下を抑えることができる。
[態様E]
態様Eは、態様Dにおいて、前記回収物搬送手段として、自らの回転に伴って前記回収物を回転軸線方向に搬送するものを用い、前記清掃手段としての清掃部材を前記回収物搬送手段に固定して前記回収物搬送手段の回転に伴って前記窓部に摺擦させるようにしたことを特徴とするものである。かかる構成では、清掃部材を駆動するための専用の駆動手段を設けることなく、回収物搬送手段の駆動力を利用して窓部を清掃することができる。
[態様F]
態様Fは、態様C〜Eの何れかにおいて、前記クリーニング部材と、前記収容部と、前記収容部に収容された前記回収物搬送手段と、前記紙粉比率検知手段とをケーシング内に搭載してクリーニング装置として構成したことを特徴とするものである。
[態様G]
態様Gは、態様C〜Fの何れかにおいて、前記窓部を前記収容部の側壁に設けたことを特徴とするものである。
[態様H]
態様Hは、態様C〜Gの何れかにおいて、前記窓部及び前記紙粉比率検知手段の組み合わせを、前記収容部の回収物搬送方向における一端部と他端部とのそれぞれに設けたことを特徴とするものである。
[態様I]
態様Iは、態様Hにおいて、前記一端部と前記他端部とのそれぞれに、前記組み合わせを前記回収物搬送方向に並べて複数設けたことを特徴とするものである。
[態様J]
態様Jは、態様H又はIにおいて、複数の前記紙粉濃度検知手段による検知結果のうち、値が最も高い検知結果に基づいて前記実施タイミングを決定するように、前記制御手段を構成したことを特徴とするものである。
[態様K]
態様Kは、態様Eにおいて、前記清掃部材として、可撓性を有するものを用いたことを特徴とするものである。かかる構成では、清掃部材の腰の強さを利用して回収物を窓部から掻き取ることができる。
[態様L]
態様E又はKにおいて、前記回収物搬送手段として、中空の材料からなるものを用いたことを特徴とするものである。かかる構成では、中空のない材料からなる回収物搬送手段を用いる場合に比べて、回収物搬送手段の低重量化を図ることができる。
[態様M]
態様E、K又はLにおいて、前記清掃部材として、互いに異なる材料からなる複数の清掃部を具備するものを用いたことを特徴とするものである。かかる構成では、材料の違いによる清掃性の違いを利用して、大粒径から小粒径までの回収物を良好に清掃することができる。
[態様N]
態様Nは、態様Mにおいて、複数の前記清掃部のうち、少なくとも一つとして、発泡材からなるもの(例えば弾性発泡清掃部15e)を設けたことを特徴とするものである。かかる構成では、発泡材の空泡への取り込み作用により、小粒径の回収物を良好に窓部から掻き取ることができる。
[態様O]
態様Oは、態様Iにおいて、前記一端部と前記他端部とのそれぞれにおける、A4サイズの短手方向端部に対応する位置と、A4サイズの長手方向端部に対応する位置とに、前記組み合わせを設けたことを特徴とするものである。