JP2017215023A - ロックアップクラッチの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】作動油が低温であるときにロックアップクラッチのスリップ制御を行う場合、そのスリップ制御を実行する前に、油圧制御により作動油の油温を上昇させる。
【解決手段】トルクコンバータの作動油の油温が所定温度以下であるときにロックアップクラッチのスリップ制御を行う場合、そのスリップ制御を実行する前に、トルクコンバータに形成した係合側油室と解放側油室との差圧を、スリップ制御の実行の場合よりも小さくして、トルクコンバータ内部の作動油の油温を上昇させる油温上昇制御を実行する。そして、作動油の油温を上昇させてからスリップを実行することで、そのスリップ制御の実行時にスティックスリップ現象が発生することを抑制する。
【選択図】図4

Description

本発明は、トルクコンバータに設けられたロックアップクラッチの制御装置に関する。
ロックアップクラッチの制御としては、ロックアップクラッチを完全に係合する完全係合制御や、ロックアップクラッチの実際のスリップ量(エンジン回転数とタービン回転数との回転数差)を目標スリップ量に制御してロックアップクラッチをスリップ係合状態にするスリップ制御が行われている(例えば、特許文献1参照)。
特開平05−079561号公報
ところで、ロックアップクラッチ制御において、作動油(ATF)が低温であるときにスリップ制御を行う場合、ロックアップクラッチのμ−V特性(摩擦係数(μ)−すべり速度(V)特性)が定常温度の場合に比べて悪化するため、ロックアップクラッチの摩擦面においてスティックスリップ現象(シャダー)が発生しやすい。
なお、作動油の油温を調整する技術として、上記した特許文献1に記載のものがある。この特許文献1に記載の技術では、トルクコンバータのロックアップクラッチに冷却オリフィスを設け、作動油が低温であるときにスリップ制御を行う場合には、冷却オリフィスの開口面積を小さくして、作動油の油温を上昇させている。しかしながら、このような技術では、油温感応型の冷却オリフィスを設ける必要があり、コストが増加する。
本発明はそのような実情を考慮してなされたもので、作動油が低温であるときにロックアップクラッチのスリップ制御を行う場合、そのスリップ制御を実行する前に、油圧制御により作動油の油温を上昇させることが可能なロックアップクラッチの制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、ロックアップクラッチを作動するための係合側油室と解放側油室とが内部に形成されたトルクコンバータに設けられたロックアップクラッチに適用される制御装置であって、前記係合側油室と前記解放側油室との差圧を制御することにより前記ロックアップクラッチをスリップ係合状態にするスリップ制御の実行が可能なスリップ制御手段と、前記トルクコンバータの作動油の油温を取得する油温取得手段と、油圧制御手段とを備えている。そして、前記油圧制御手段は、前記トルクコンバータの作動油の油温が所定温度以下であるときに前記ロックアップクラッチのスリップ制御を行う場合、そのスリップ制御を実行する前に、前記係合側油室と前記解放側油室との差圧を、前記スリップ制御の実行の場合よりも小さくして、前記トルクコンバータ内部の作動油の油温を上昇させる油温上昇制御を実行するように構成されていることを特徴としている。
本発明によれば、トルクコンバータの作動油が所定温度以下の低温であるときにスリップ制御を行う場合、係合側油室と解放側油室との差圧(ロックアップ差圧)を、スリップ制御の実行の場合よりも小さくしている。このように、係合側油室と解放側油室との差圧を小さくすることにより、トルクコンバータ内に流れる作動油の流量を低減することができるので、トルクコンバータの内部が蓄熱しやすい状態となり、トルクコンバータ内部の作動油の油温を上昇させることができる。そして、油温が上昇(スティックスリップ現象が生じない油温まで上昇)してから、スリップ制御を実行することにより、そのスリップ制御の実行時にスティックスリップ現象が発生することを抑制することができる。
しかも、本発明では、係合側油室と解放側油室との差圧の制御によりトルクコンバータ内部の作動油の油温を上昇させるので、特許文献1に記載のような冷却オリフィス等の部品を追加する必要もない。
本発明によれば、トルクコンバータの作動油が低温であるときにロックアップクラッチのスリップ制御を行う場合、そのスリップ制御を実行する前に、係合側油室と解放側油室との差圧の制御によりトルクコンバータ内部の作動油の油温を上昇させるので、スリップ制御の実行時にスティックスリップ現象が発生することを抑制することができる。
本発明を適用するロックアップクラッチが搭載された車両の一例を示す概略構成図である。 油圧制御回路の回路構成図である。 ECU等の制御系の構成を示すブロック図である。 ロックアップ油圧制御の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明を適用するロックアップクラッチが搭載された車両の一例について図1を参照して説明する。
この例の車両Vは、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型の車両であって、エンジン1、トルクコンバータ2、ロックアップクラッチ3、自動変速機(AT)4、デファレンシャル装置5、駆動輪(前輪)6、従動輪(後輪:図示せず)、油圧制御回路100、及び、ECU(Electronic Control Unit)200などを備えている。
これらエンジン1、トルクコンバータ2、ロックアップクラッチ3、自動変速機4、油圧制御回路100、及び、ECU200の各部について以下に説明する。
−エンジン−
エンジン1は、走行用の駆動力源であり、例えば多気筒ガソリンエンジンである。エンジン1は、吸入空気量、燃料噴射量、点火時期などの運転状態を制御可能である。エンジン1の出力軸であるクランクシャフト11はトルクコンバータ2に連結されている。クランクシャフト11の回転数(エンジン回転数Ne)はエンジン回転数センサ201によって検出される。
−トルクコンバータ−
トルクコンバータ2は、入力軸側のポンプインペラ21と、出力軸側のタービンランナ22と、トルク増幅機能を発現するステータ23とを備え、ポンプインペラ21とタービンランナ22との間で流体を介して動力伝達を行う。トルクコンバータ2のタービンシャフト26の回転数(タービン回転数Nt)はタービン回転数センサ202によって検出される。トルクコンバータ2には、このトルクコンバータ2の入力側と出力側とを直結またはスリップ係合状態で連結するロックアップクラッチ3が設けられている。
図2に示すように、トルクコンバータ2の内部には、ロックアップクラッチ3を作動する係合側油室24と解放側油室25とが形成されている。
−ロックアップクラッチ−
ロックアップクラッチ3は、図2に示すように、係合側油室24内の油圧Ponと解放側油室25内の油圧Poffとの差圧ΔP(ΔP=Pon−Poff:以下、ロックアップ差圧ΔPともいう)が制御されることにより、トルクコンバータ2のフロントカバー2aに摩擦係合させられる油圧式の摩擦クラッチである。このようなロックアップクラッチ3にあっては、ロックアップ差圧ΔPを制御することにより、係合状態(完全係合状態またはスリップ係合状態)または解放状態にすることができる。
そして、ロックアップクラッチ3を完全係合状態とすることにより、ポンプインペラ21とタービンランナ22とが一体回転する。また、ロックアップクラッチ3を所定のスリップ係合状態(半係合状態)とすることにより、所定のスリップ量でタービンランナ22がポンプインペラ21に追随して回転する。このロックアップクラッチ3の係合状態または解放状態はECU200及び油圧制御回路100によって制御される。
−自動変速機−
自動変速機4は、有段式の変速機であり、複数の油圧式の摩擦係合要素及び遊星歯車装置を含んでいる。自動変速機4では、複数の摩擦係合要素が選択的に係合されることにより、複数のギヤ段(変速段)を選択的に成立させることが可能である。図1に示すように、自動変速機4の入力軸41はトルクコンバータ2のタービンシャフト26に連結されている。自動変速機4の出力ギヤ42はデファレンシャル装置5等を介して駆動輪6に連結されている。
−油圧制御回路−
次に、油圧制御回路100について図2を参照して説明する。なお、図2にはトルクコンバータ2及びロックアップクラッチ3の油圧回路構成のみを示している。
まず、この例の油圧制御回路100は、図示はしないが、エンジン1の駆動力により駆動されるオイルポンプ(電動オイルポンプを含む場合もある)、プライマリレギュレータバルブ、及び、セカンダリレギュレータバルブなどを備えており、オイルポンプが発生した油圧はプライマリレギュレータバルブにより調圧されてライン圧PLが生成される。そのライン圧PLを元圧としてセカンダリレギュレータバルブによってセカンダリ圧Psecが調圧される。
図2に示す油圧制御回路100は、リニアソレノイドバルブ(SLU)101、ソレノイドバルブ(SL)102、ロックアップコントロールバルブ103、及びロックアップリレーバルブ104などを備えている。
リニアソレノイドバルブ(SLU)101は、ECU200からの指令(ロックアップ差圧ΔPの制御信号)に応じて制御圧Psluを出力する。ソレノイドバルブ(SL)102は、ECU200からの指令(ロックアップオン/オフ信号)に応じて信号圧Pslを出力する。
ロックアップコントロールバルブ103は、ロックアップクラッチ3のスリップ制御及び完全係合制御を行うバルブ(ロックアップクラッチ3の作動状態をスリップ係合状態ないしは完全係合状態の範囲内で制御するバルブ)である。
ロックアップコントロールバルブ103には、制御ポート131、セカンダリ圧入力ポート132、制御圧出力ポート133、及び排出ポート134が設けられている。制御ポート131にはリニアソレノイドバルブ(SLU)101が接続されている。セカンダリ圧入力ポート132には、上記セカンダリレギュレータバルブからのセカンダリ圧Psecが供給される。制御圧出力ポート133は後述するロックアップリレーバルブ104の制御圧入力ポート142に接続されている。
ロックアップリレーバルブ104は、ロックアップクラッチ3の係合状態(完全係合状態またはスリップ係合状態)と解放状態とを切り替えるバルブである。
ロックアップリレーバルブ104には、切替ポート141、制御圧入力ポート142、セカンダリ圧入力ポート143、係合側ポート144、解放側ポート145、及び排出ポート146が設けられている。切替ポート141にはソレノイドバルブ(SL)102が接続されている。制御圧入力ポート142は、上記ロックアップコントロールバルブ103の制御圧出力ポート133に接続されている。セカンダリ圧入力ポート143には、上記セカンダリレギュレータバルブからのセカンダリ圧Psecが供給される。係合側ポート144はロックアップクラッチ3(トルクコンバータ2)の係合側油室24に連通しており、解放側ポート145は解放側油室25に連通している。
以上の構成の油圧制御回路100において、ECU200からの指令により、ソレノイドバルブ(SL)102が信号圧Pslを出力し、その信号圧Pslがロックアップリレーバルブ104の切替ポート141に供給されると、ロックアップリレーバルブ104はロックアップオンの状態となり、ロックアップリレーバルブ104のセカンダリ圧入力ポート143と係合側ポート144とが連通する。これにより、セカンダリ圧Psecが係合側ポート144からロックアップクラッチ3の係合側油室24に供給される。この係合側油室24に供給されるセカンダリ圧Psecが油圧Ponとなる。
また、ロックアップリレーバルブ104の切替ポート141に信号圧Pslが供給されると、制御圧入力ポート142と解放側ポート145とが連通し、ロックアップコントロールバルブ103の制御圧出力ポート133がロックアップリレーバルブ104を介してロックアップクラッチ3の解放側油室25に連通する。これによって解放側油室25内の油圧Poffがロックアップコントロールバルブ103に供給される制御圧Psluによって調整される。
具体的に説明すると、ロックアップコントロールバルブ103は、リニアソレノイドバルブ(SLU)101からの制御圧Psluが制御ポート131に入力されると、その制御圧Psluに応じてセカンダリ圧Psecを調圧し、そのセカンダリ圧Psecを調圧した油圧(制御圧Psluに比例して低下した油圧)を制御圧出力ポート133から出力する。この出力油圧はロックアップリレーバルブ104(制御圧入力ポート142、解放側ポート145)を介してロックアップクラッチ3の解放側油室25に供給される。したがって、ロックアップコントロールバルブ103に供給される制御圧Psluに応じて、解放側油室25内の油圧Poffが調整(ロックアップ差圧ΔP(Pon−Poff)が調整)されて、ロックアップクラッチ3のスリップ係合状態(スリップ量)が制御される。
なお、このようなロックアップクラッチ3をスリップ制御する処理が、本発明の「スリップ制御手段」の処理に相当する。
そして、リニアソレノイドバルブ(SLU)101からの制御圧Psluが所定値よりも高くなると、ロックアップコントロールバルブ103のセカンダリ圧入力ポート132と制御圧出力ポート133との連通が遮断され、制御圧出力ポート133が排出ポート134に連通する。これにより解放側油室25には油圧が供給されなくなり、ロックアップ差圧ΔPが最大となってロックアップクラッチ3が完全係合状態となる。
ここで、本実施形態にあっては、リニアソレノイドバルブ(SLU)101からロックアップコントロールバルブ103の制御ポート131に供給する制御圧Psluを調整することにより、係合側油室24内の油圧Ponと解放側油室25内の油圧Poffとを等しくすること(Pon≒Poff)が可能であり、このような状態にすることにより、トルクコンバータ2内部に流れる作動油(ATF)の流量を低減することができる。これによりトルクコンバータ2の内部が蓄熱しやすい状態となり、トルクコンバータ2内部の作動油の油温を上昇させることが可能になる。
一方、ソレノイドバルブ(SL)102が信号圧Pslを出力しない場合、ロックアップリレーバルブ104はロックアップオフの状態となり、ロックアップリレーバルブ104のセカンダリ圧入力ポート143と解放側ポート145とが連通し、係合側ポート144が排出ポート146に連通する。また、制御圧入力ポート142の連通は遮断される。これにより、セカンダリ圧Psecが解放側ポート145からロックアップクラッチ3の解放側油室25に供給されるとともに、係合側油室24の作動油がロックアップリレーバルブ104の排出ポート146から排出される。したがって、ソレノイドバルブ(SL)102が信号圧Pslを出力しない場合は、解放側油室25内の油圧Poffがセカンダリ圧Psecとなり、係合側油室24には油圧が供給されないので、ロックアップ差圧ΔPが負となり、ロックアップクラッチ3が解放状態となる。
なお、ロックアップリレーバルブ104がロックアップオフの状態のときには、制御圧入力ポート142が遮断されるので、ロックアップコントロールバルブ103の制御圧出力ポート133から出力される油圧に関係なく、ロックアップクラッチ3が解放状態となる。
−ECU−
ECU200は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、及びバックアップRAMなどを備えている。
ROMには、各種制御プログラムや、それら各種制御プログラムを実行する際に参照されるマップ等が記憶されている。CPUは、ROMに記憶された各種制御プログラムやマップに基づいて演算処理を実行する。また、RAMはCPUでの演算結果や各センサから入力されたデータ等を一時的に記憶するメモリであり、バックアップRAMはエンジン1の停止時などにおいて保存すべきデータ等を記憶する不揮発性のメモリである。
ECU200には、図3に示すように、エンジン回転数センサ201、タービン回転数センサ202、スロットルバルブ(図示せず)のスロットル開度を検出するスロットル開度センサ203、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み量であるアクセル開度を検出するアクセル開度センサ204、トルクコンバータ2(ロックアップクラッチ3)等の作動油の温度(油温)を検出する油温センサ205、及び車両Vの車速に応じた信号を出力する車速センサ206などの各種のセンサが接続されており、これらの各センサ(スイッチ類も含む)からの信号がECU200に入力される。なお、油温センサ205が本発明の「油温取得手段」の一例である。
そして、ECU200は、各種センサの検出結果などに基づいて、スロットル開度、燃料噴射量及び点火時期などを制御することにより、エンジン1の運転状態を制御するように構成されている。
さらに、ECU200は、油圧制御回路100を制御することにより、自動変速機4の変速制御(油圧制御)、トルクコンバータ2の油圧制御及びロックアップクラッチ3の係合制御(完全係合制御またはスリップ制御)を実行する。また、ECU200は、後述するロックアップ油圧制御(油温上昇制御も含む)を実行する。
−ロックアップ油圧制御−
次に、ECU200が実行するロックアップ油圧制御について説明する。
まず、ロックアップクラッチ制御において、作動油(ATF)が低温であるときにスリップ制御を行う場合、ロックアップクラッチ3のμ−V特性が定常温度の場合に比べて悪化するため、ロックアップクラッチ3の摩擦面においてスティックスリップ現象(シャダー)が発生しやすい。なお、低温時にロックアップクラッチ3のμ−V特性が悪くなる理由は、作動油中の摩擦調整材が低温では活性しにくいためである。
そのような実情を考慮して、本実施形態では、作動油が低温であるときにロックアップクラッチ3のスリップ制御を行う場合、そのスリップ制御を実行する前に、油圧制御により作動油の油温を上昇させることで、スリップ制御の実行時にスティックスリップ現象が発生することを抑制できるようにする。
その制御(ロックアップ油圧制御)の一例について図4のフローチャートを参照して説明する。図4の制御ルーチンはECU200において実行される。
図4の制御ルーチンが開始されると、まずはステップST101において、油温センサ205の出力信号から得られる油温(作動油の油温)が所定温度以下であるか否かを判定する。
ここで、ステップST101の判定に用いる所定温度は、作動油が低温であるときにスリップ制御を行った場合に、上記スティックスリップ現象が発生する油温(上限値)を予め実験またはシミュレーションによって求めておき、その結果に基づいて、スティックスリップ現象が発生しないような油温(許容値)を所定温度として設定する。なお、この例では、所定温度を40℃としている。
ステップST101の判定結果が肯定判定(YES)である場合(油温が所定温度以下の低温である場合)はステップST102に進む。
ステップST102では油温上昇制御を実行して作動油の油温を上昇させる。具体的には、ロックアップ差圧ΔP(Pon−Poff)が、通常のスリップ制御(ロックアップクラッチ3の実際のスリップ量が目標スリップ量となるようにする制御)を実行する場合よりも小さくなるように油圧を制御することにより、作動油の油温を上昇させる油温上昇制御を実行する。
より具体的には、トルクコンバータ2内部の係合側油室24内の油圧Ponと解放側油室25内の油圧Poffとが等しくなるように、油圧を制御(リニアソレノイドバルブ(SLU)101からロックアップコントロールバルブ103の制御ポート131に供給する制御圧Psluを制御)する。このような制御(油温上昇制御)を実行することにより、上記したように、トルクコンバータ2内部が蓄熱しやすい状態となり、トルクコンバータ2内部の作動油の油温を上昇させることができる。
なお、上記油温上昇制御の際に設定するロックアップ差圧ΔPは、約0(Pon≒Poff)に必ずしもする必要はなく、ロックアップ差圧ΔPが、通常のスリップ制御を実行する場合よりも小さくて、トルクコンバータ2内部の作動油の油温を上昇させること可能なロックアップ差圧ΔPであれば、特に限定されない。
次に、ステップST103では、上記油温上昇制御の実行による油温上昇量が不足しているか否かを判定し、その判定結果が肯定判定(YES)である場合(油温上昇量が不足している場合)はステップST102に戻って油温上昇制御を継続する。ステップST103の判定結果が肯定判定(YES)である場合(油温上昇量不足が解消された場合(例えば、油温センサ205の出力信号から得られる油温が上記所定温度よりも大きくなった場合))はステップST104に進む。
ステップST104では、車両状態に基づいてスリップ制御領域であるか否かを判定する。具体的には、例えば、スロットル開度及び車速(車両状態)をパラメータとして、ロックアップクラッチ3をスリップ係合状態にするスリップ制御領域が予め実験シミュレーションによって設定されたマップ(ECU200のROMに記憶)を用い、スロットル開度センサ203の出力信号から得られるスロットル開度、及び車速センサ206の出力信号から得られる車速に基づいて、上記マップを参照してスリップ制御領域であるか否かを判定する。
そして、ステップST104の判定結果が肯定判定(YES)である場合(スリップ制御領域であると確認した場合)、ロックアップクラッチ3のスリップ制御を実行する(ステップST105)。スリップ制御では、ロックアップクラッチ3の実際のスリップ量(Ne−Nt)が、目標スリップ量(スロットル開度及び車速などの車両状態に基づいて決定される目標スリップ量)となるように、ロックアップ差圧ΔP(リニアソレノイドバルブ(SLU)101が出力する制御圧Pslu)をフィードバック制御する。
一方、上記ステップST101の判定結果が否定判定(NO)である場合、つまり油温が所定温度よりも高い場合は、ステップST102の油温上昇制御は実行せずに、そのままステップST104に移行する。そして、ステップST104の判定結果が肯定判定(YES)である場合(スリップ制御領域であると確認した場合)、ロックアップクラッチ3のスリップ制御を実行する(ステップST105)。
なお、上記ステップST101〜ステップST105がECU200によって実行されることにより、本発明の「油圧制御手段」が実現される。
<効果>
以上説明したように、本実施形態によれば、トルクコンバータ2の作動油が所定温度以下の低温であるときにロックアップクラッチ3のスリップ制御を行う場合、そのスリップ制御を実行する前に、ロックアップ差圧ΔPを通常のスリップ制御の実行の場合よりも小さくしている。このように、ロックアップ差圧ΔPを小さくすることにより、トルクコンバータ2内部の作動油の油温を上昇させことができる。そして、作動油の油温が上昇(スティックスリップ現象が生じない油温まで上昇)してから、スリップ制御を実行するようにしているので、そのスリップ制御の実行時にスティックスリップ現象が発生することを抑制することができる。
−他の実施形態−
なお、今回開示した実施形態は、すべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、本発明の技術的範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、以上の実施形態では、クラッチ及びブレーキ等の摩擦係合装置と遊星歯車装置とを用いてギヤ段を設定する有段式(遊星歯車式)の自動変速機(AT)とエンジンとの間のトルクコンバータに設けられたロックアップクラッチの制御に本発明を適用した例について説明したが、本発明はこれに限られることなく、変速比を無段階に調整する無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)とエンジンとの間のトルクコンバータに設けられたロックアップクラッチの制御にも適用できる。
以上の実施形態では、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式の車両に搭載されたロックアップクラッチに本発明の制御装置を適用した例を示したが、本発明はこれに限られることなく、FR(フロントエンジン・リアドライブ)方式の車両や、4輪駆動方式の車両に搭載されたロックアップクラッチの制御装置にも適用できる。
本発明は、トルクコンバータに設けられたロックアップクラッチの制御に有効に利用することができる。
2 トルクコンバータ
24 係合側油室
25 解放側油室
3 ロックアップクラッチ
100 油圧制御回路
101 リニアソレノイドバルブ(SLU)
102 ソレノイドバルブ(SL)
103 ロックアップコントロールバルブ
104 ロックアップリレーバルブ
200 ECU
201 エンジン回転数センサ
202 タービン回転数センサ
205 油温センサ

Claims (1)

  1. ロックアップクラッチを作動するための係合側油室と解放側油室とが内部に形成されたトルクコンバータに設けられたロックアップクラッチに適用される制御装置であって、
    前記係合側油室と前記解放側油室との差圧を制御することにより前記ロックアップクラッチをスリップ係合状態にするスリップ制御の実行が可能なスリップ制御手段と、前記トルクコンバータの作動油の油温を取得する油温取得手段と、油圧制御手段とを備え、
    前記油圧制御手段は、前記トルクコンバータの作動油の油温が所定温度以下であるときに前記ロックアップクラッチのスリップ制御を行う場合、そのスリップ制御を実行する前に、前記係合側油室と前記解放側油室との差圧を、前記スリップ制御の実行の場合よりも小さくして、前記トルクコンバータ内部の作動油の油温を上昇させる油温上昇制御を実行するように構成されていることを特徴とするロックアップクラッチの制御装置。
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