JP2017213825A - ゴム物品用モールドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層造形により造形された成形部材とベントピースの表面粗さを調整して、ゴム物品に生じる光沢のむらを低減する。【解決手段】モールド1は、成形部11によりゴム物品2を成形する成形部材10と、接触部21でゴム物品2に接触するベントピース20を備える。成形部11の表面粗さRa1が接触部21の表面粗さRa2よりも大きい。成形部11を、Ra1よりも小さくRa2よりも大きい表面粗さRa3に研磨する。成形部11の周辺領域14と接触部21の少なくとも一方を、Ra3よりも小さくRa2以上の表面粗さRa4に研削する。成形部11と接触部21を、Ra3よりも小さくRa4以上の表面粗さRa5に研磨する。【選択図】 図1

Description

本発明は、ゴム物品を成形する成形部材とベントピースを備えたゴム物品用モールドを製造するゴム物品用モールドの製造方法に関する。
モールドによりゴム物品を成形するときには、ゴム物品は、モールドに押し付けられて、モールドの形状に対応した形状に成形される。その際、モールドとゴム物品の間に気体(空気等)が閉じ込められて、ゴムの充填不足がゴム物品に生じることがある。これに対し、従来、ベントピースを金型(モールド)の貫通孔内に固定して、ベントピースの貫通孔から気体を排出する金型が知られている(特許文献1参照)。
ところが、モールドの表面粗さとベントピースの表面粗さに差があるときには、ゴム物品の表面の状態が、モールドに接触する部分とベントピースに接触する部分とで異なる状態になる。この場合には、成形後のゴム物品に光沢のむらが生じる虞がある。特に、積層造形によりモールドを造形するときには、モールドの表面粗さを小さくするのが難しく、モールドの表面粗さがベントピースの表面粗さよりも大きくなる。また、モールドの表面粗さとベントピースの表面粗さの差が大きくなる。その結果、ゴム物品に生じる光沢のむらが大きくなることがある。
特開2002−264145号公報
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、積層造形により造形された成形部材とベントピースの表面粗さを調整して、ゴム物品に生じる光沢のむらを低減することである。
本発明は、積層造形により造形されて成形部によりゴム物品を成形する成形部材と、成形部材の固定孔内に固定されて接触部でゴム物品に接触するベントピースと、を備え、成形部材を造形したときの成形部の表面粗さRa1が、ベントピースを固定孔に固定するときの接触部の表面粗さRa2よりも大きいゴム物品用モールドの製造方法である。ゴム物品用モールドの製造方法は、成形部を、Ra1よりも小さくRa2よりも大きい表面粗さRa3に研磨する第1研磨工程と、ベントピースを固定孔に挿入して、固定孔内にベントピースを固定する固定工程と、成形部の固定孔の周辺に位置する周辺領域と接触部の少なくとも一方を、Ra3よりも小さくRa2以上の表面粗さRa4に研削する研削工程と、成形部と接触部を、Ra3よりも小さくRa4以上の表面粗さRa5に研磨する第2研磨工程と、を有する。
本発明によれば、積層造形により造形された成形部材とベントピースの表面粗さを調整して、ゴム物品に生じる光沢のむらを低減することができる。
本実施形態のゴム物品用モールドを示す断面図である。 本実施形態のモールドの製造手順を示す平面図である。
本発明のゴム物品用モールドの製造方法の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態のゴム物品用モールドは、ゴム成形用モールドであり、本実施形態のゴム物品用モールドの製造方法により製造される。ゴム物品用モールドは、ゴム物品の成形装置に設けられて、ゴム物品を成形する。
図1は、本実施形態のゴム物品用モールド(以下、単に、モールドという)1を示す断面図であり、1つのベントピース20を含むモールド1の一部を示している。また、図1は、モールド1により成形されるゴム物品2の一部を示している。
図示のように、モールド1は、ゴム物品2を成形する成形部材10と、ベントピース20と、ベントピース20に形成されたベントホール3を備えている。複数のベントピース20が成形部材10に固定されて、複数のベントホール3がモールド1に形成される。
成形部材10は、モールド1のモールド本体であり、ゴム物品2に接触する成形部11と、ベントホール3の形成位置に形成された固定孔12を有する。成形部11は、成形部材10のゴム物品2を成形する部分であり、ゴム物品2の形状に対応した形状に形成されている。成形部材10は、成形部11の表面(成形面)でゴム物品2に接触して、成形部11によりゴム物品2を成形する。
固定孔12は、成形部材10を貫通する貫通孔であり、成形部材10の成形部11に開口する。ここでは、固定孔12の断面形状が円形状に形成され、固定孔12が所定の半径Sに形成される。固定孔12の断面形状は、固定孔12の半径方向の中心を通る線(中心線M1)に直交する断面の形状である。固定孔12が成形部材10の成形部11に円形状に開口して、固定孔12の円形状の開口部13が成形部11に形成される。
ベントピース20は、円筒状部材であり、成形部材10の固定孔12内に固定される。また、ベントピース20は、成形部材10の成形部11に連続する接触部21と、ベントホール3を有し、接触部21でゴム物品2に接触する。接触部21は、ベントピース20のゴム物品2に接触する部分であり、成形部材10の成形部11側(固定孔12の開口部13側)に位置するベントピース20の先端部である。
ベントホール3は、気体(空気等)を排出するモールド1の孔部(ベント部)であり、円形状の断面形状に形成されるとともに、ベントピース20の中心線M2に沿って形成されている。ベントピース20の中心線M2は、ベントピース20の半径方向の中心を通る線であり、固定孔12の中心線M1に一致する。ベントホール3は、ベントピース20を貫通する貫通孔であり、ベントピース20の接触部21に開口する。
モールド1の製造時には、ベントピース20を成形部材10の固定孔12に押し込んで固定孔12内に固定する。その際、例えば、ベントピース20を固定孔12に圧入し、或いは、ベントピース20を固定孔12に打ち込む。ベントピース20の押し込みに伴い、ベントピース20がカシメられて固定孔12内に固定される。ベントピース20が成形部材10に固定されて、ベントホール3を有するモールド1が製造される。
ゴム物品2の成形時に、ベントピース20は、接触部21の表面(接触面)でゴム物品2に接触する。気体は、ゴム物品2とモールド1の間に閉じ込められずに、ベントピース20のベントホール3を通って、モールド1の外部に排出される。モールド1は、ゴム物品2とモールド1の間の気体をベントホール3から排出しつつ、成形部材10の成形部11により、ゴム物品2を成形する。
図2は、本実施形態のモールド1の製造手順を示す平面図であり、図1のX方向からみたモールド1を示している。
図示のように、モールド1の製造時には、積層造形により、成形部材10を造形して、成形部材10の全体を形成する(図2A参照)。成形部材10は、造形材料からなる硬化層の積層体であり、積層造形装置(例えば、3次元プリンタ(3Dプリンタ))により造形される。ここでは、固定孔12が成形部材10に形成されず、積層造形により、固定孔12のない成形部材10が形成される。また、成形部材10は、金属(例えば、マルエージング鋼)の積層造形品であり、金属の粉末を用いた粉末積層造形により造形される。
粉末積層造形では、粉末を焼結して、粉末の焼結体である成形部材10を造形する。具体的には、所定厚さの粉末層を形成して、粉末層に光ビーム(例えば、レーザー光)を照射し、粉末を光ビームの熱により焼結する。これにより、粉末を焼結した硬化層(焼結層)を形成する。また、粉末層の形成と硬化層の形成を繰り返して、複数の硬化層を順に積層し、成形部材10を所定形状に造形する。このように、粉末の硬化層を積層して、複数の硬化層の積層体である成形部材10を形成する。
積層造形された状態で、成形部材10の成形部11は、所定の表面粗さRa(第1表面粗さRa1)に形成される。モールド1に関する表面粗さRaは、全て、日本工業規格(JIS B0601:2001)に規定された算術平均粗さである。成形部11の第1表面粗さRa1は、成形部材10を積層造形により造形したときの成形部11の表面粗さRaであり、成形部材10を造形した状態において測定される。また、成形部11の第1表面粗さRa1は、成形部11の第1表面粗さRa1として許容される所定の許容範囲内の値である。ここでは、成形部11の第1表面粗さRa1は、14〜50μmである(14≦Ra1≦50)。
ベントピース20は、例えば、ステンレス鋼(SUS304(JIS規格)等)、又は、鋼であり、機械加工(旋盤加工、孔加工等)により円筒状に形成される。機械加工により形成された状態(ベントピース20の固定前の状態)で、ベントピース20の接触部21は、所定の表面粗さRa(第2表面粗さRa2)に形成される。接触部21の第2表面粗さRa2は、ベントピース20を成形部材10の固定孔12に固定するときの接触部21の表面粗さRaであり、ベントピース20を形成した状態において測定される。また、接触部21の第2表面粗さRa2は、接触部21の第2表面粗さRa2として許容される所定の許容範囲内の値である。ここでは、接触部21の第2表面粗さRa2は、2〜5.5μmである(2≦Ra2≦5.5)。また、ベントピース20の全体が第2表面粗さRa2に形成される。
成形部11の第1表面粗さRa1は、接触部21の第2表面粗さRa2よりも大きい(Ra1>Ra2)。その状態で、成形部材10の成形部11に研磨加工を施して、成形部材10の成形部11を所定の表面粗さRa(第3表面粗さRa3)に形成する。成形部11の第3表面粗さRa3は、成形部11の第1表面粗さRa1よりも小さく、かつ、接触部21の第2表面粗さRa2よりも大きい(Ra1>Ra3>Ra2)。また、成形部11の第3表面粗さRa3は、成形部11の第3表面粗さRa3として許容される所定の許容範囲内の値であり、成形部11を研磨した状態で測定される。ここでは、成形部11の第3表面粗さRa3は、9〜12μmである(9≦Ra3≦12)。
成形部11の全体が、(Ra1>Ra3>Ra2)の条件を満たす第3表面粗さRa3に研磨される。その際、粒状の研磨材(第1研磨材)を成形部11の全体に衝突させて、成形部11の全体を第1研磨材により研磨する。ここでは、第1研磨材は、所定の粒度のスチールグリットである。スチールグリットは、鋼製の粒体であり、複数の角部を有する。例えば、ショットブラスト装置により、第1研磨材が成形部材10の成形部11に打ち付けられ、或いは、第1研磨材が成形部材10の成形部11に吹き付けられる。研磨により、成形部11の表面粗さRaが、第1表面粗さRa1から第3表面粗さRa3に変化して、研磨前の第1表面粗さRa1よりも小さくなる。
次に(図2B参照)、孔加工により、固定孔12を成形部材10に形成して、固定孔12の開口部13を成形部材10の成形部11に形成する。続いて、ベントピース20を成形部材10の固定孔12に押し込む(図2C参照)。これにより、ベントピース20を成形部材10の固定孔12に挿入して、ベントピース20を成形部材10の固定孔12内に固定する。ここでは、ベントピース20は、接触部21が成形部材10の成形部11から出っ張る状態で、固定孔12内に固定されて、固定孔12を埋める。
ベントピース20の固定後に(図2D参照)、固定孔12の周辺(成形部11の周辺領域14)とベントピース20の接触部21の少なくとも一方に研削加工を施して、研削部4を接触部21と周辺領域14の少なくとも一方に形成する。成形部11の周辺領域14は、成形部11内で固定孔12(接触部21)の周辺に位置する部分(周辺部)であり、固定孔12及び接触部21を囲む。周辺領域14と接触部21の少なくとも一方を所定の表面粗さRa(第4表面粗さRa4)で研削して、成形部11と接触部21の位置(表面位置)を調整する。研削により、接触部21の表面位置と成形部11の表面位置を合わせて、接触部21の表面と成形部11の表面をなだらかに連続させる。
研削部4の第4表面粗さRa4は、成形部11の第3表面粗さRa3よりも小さく、かつ、接触部21の第2表面粗さRa2以上である(Ra3>Ra4≧Ra2)。また、研削部4の第4表面粗さRa4は、研削部4の第4表面粗さRa4として許容される所定の許容範囲内の値であり、研削部4を形成した状態で測定される。ここでは、研削部4の第4表面粗さRa4は、4〜6μmである(4≦Ra4≦6)。例えば、回転する研削砥石により、ベントピース20の接触部21が研削され、又は、成形部11の周辺領域14が研削される。これにより、周辺領域14と接触部21の少なくとも一方が、(Ra3>Ra4≧Ra2)の条件を満たす第4表面粗さRa4に研削されて、研削部4が、第4表面粗さRa4に形成される。
ベントピース20の接触部21のみを研削するときには、研削部4は、接触部21の研削された部分である。これに対し、成形部11の周辺領域14のみを研削するときには、研削部4は、周辺領域14の研削された部分である。成形部11の周辺領域14とベントピース20の接触部21を研削するときには、研削部4は、周辺領域14の研削された部分と、接触部21の研削された部分である。
例えば、ベントピース20の接触部21が成形部11の周辺領域14に対して窪むときには、成形部11の周辺領域14を研削し、又は、成形部11の周辺領域14とベントピース20の接触部21を研削する。また、ベントピース20の接触部21が成形部11の周辺領域14から出っ張るときには、ベントピース20の接触部21を研削し、又は、成形部11の周辺領域14とベントピース20の接触部21を研削する。ここでは、成形部11の周辺領域14とベントピース20の接触部21を研削して、研削部4を成形部11の周辺領域14とベントピース20の接触部21に形成する。その際、接触部21の一部又は全部が研削され、周辺領域14の一部又は全部が研削される。
成形部11の周辺領域14は、固定孔12の外側に位置する所定の外側位置15よりも内側(固定孔12側)の領域である。外側位置15は、固定孔12の外周から固定孔12の半径方向外側に向かって固定孔12の半径Sに相当する距離を隔てた位置である。外側位置15は、固定孔12を囲む環状をなし、成形部11の周辺領域14は、固定孔12の外周と外側位置15の間の環状領域である。成形部11では、周辺領域14内の部分のみが研削されて、研削部4が周辺領域14内のみに形成される。研削部4以外の成形部11は、研削されず、第3表面粗さRa3に維持される。
続いて、成形部材10の成形部11とベントピース20の接触部21に研磨加工を施して、成形部11と接触部21の全体を所定の表面粗さRa(第5表面粗さRa5)に形成する。成形部11と接触部21の第5表面粗さRa5は、成形部11の第3表面粗さRa3よりも小さく、かつ、研削部4の第4表面粗さRa4以上である(Ra3>Ra5≧Ra4)。また、成形部11と接触部21の第5表面粗さRa5は、成形部11と接触部21の第5表面粗さRa5として許容される所定の許容範囲内の値であり、成形部11と接触部21を研磨した状態で測定される。
ここでは、成形部11と接触部21の第5表面粗さRa5は、5.5〜8μmである(5.5≦Ra5≦8)。また、例えば、研削部4以外の成形部11の表面粗さRa5(1)は、6〜8μmである(6≦Ra5(1)≦8)。成形部11の研削部4の表面粗さRa5(2)は、5.5〜8μmである(5.5≦Ra5(2)≦8)。接触部21の表面粗さRa5(3)は、6〜7μmである(6≦Ra5(3)≦7)。
周辺領域14を含む成形部11の全体と接触部21の全体が、(Ra3>Ra5≧Ra4)の条件を満たす第5表面粗さRa5に研磨される。その際、粒状の研磨材(第2研磨材)を成形部11と接触部21の全体に衝突させて、成形部11と接触部21の全体を第2研磨材により研磨する。第2研磨材の粒度は第1研磨材の粒度よりも小さく、第1研磨材よりも小さい第2研磨材により、成形部11と接触部21の全体を研磨する。ここでは、第2研磨材は、褐色アルミナ製の粒体であり、所定の粒度を有する。例えば、ショットブラスト装置により、第2研磨材が成形部11と接触部21に打ち付けられ、或いは、第2研磨材が成形部11と接触部21に吹き付けられる。
研磨により、研削部4以外の成形部11の表面粗さRaは、第3表面粗さRa3から第5表面粗さRa5に変化して、研磨前の第3表面粗さRa3よりも小さくなる。また、第5表面粗さRa5が第4表面粗さRa4と同じであるときには、成形部11の研削部4と接触部21の表面粗さRaは、第4表面粗さRa4に維持される。第5表面粗さRa5が第4表面粗さRa4よりも大きいときには、成形部11の研削部4と接触部21の表面粗さRaは、第4表面粗さRa4から第5表面粗さRa5に変化して、研磨前の第4表面粗さRa4よりも大きくなる。
研磨により、成形部11、研削部4、及び、接触部21の表面粗さRaが互いに近くなり、表面粗さRaの差が小さくなる。表面粗さRaの差は、表面粗さRaの差として許容される所定の許容範囲内の値になる。ここでは、成形部11と接触部21の全体を第5表面粗さRa5に研磨した状態で、研削部4以外の成形部11(成形部11の研削部4を除く部分)、成形部11の研削部4、接触部21の順に、表面粗さRaが次第に小さくなる(Ra5(1)>Ra5(2)>Ra5(3))。
表面粗さRa(Ra1〜Ra5)は、それぞれの許容範囲内の値であり、かつ、Ra1〜Ra5に規定された不等式の条件(大小関係の条件)を満たす。各表面粗さRaの許容範囲は、各表面粗さRaの上限値(上限表面粗さRa)と各表面粗さRaの下限値(下限表面粗さRa)を有し、予め設定される。
成形部11と接触部21を第5表面粗さRa5に研磨した後、ベントホール3を検査する。ベントホール3に第2研磨材が詰まったときには、ベントホール3から第2研磨材を除去する。全てのベントホール3の貫通を確認して、モールド1の製造が終了する。ゴム物品2の成形時には、ゴム物品2は、成形部材10の成形部11とベントピース20の接触部21に接触して、成形部11と接触部21により成形される。
以上説明したモールド1では、成形部材10の成形部11とベントピース20の接触部21の表面粗さRaを容易に調整して、ゴム物品2に接触する部分の表面粗さRaの差を小さくすることができる。その結果、成形後のゴム物品2に生じる光沢のむらを低減することができる。また、研削部4以外の成形部11、成形部11の研削部4、接触部21の順に、表面粗さRaが次第に小さくなり、ゴム物品2に生じる光沢も次第に変化する。これにより、ゴム物品2に生じる光沢のむらを目立たなくして、光沢のむらを容易に低減することができる。
成形部11を外側位置15の外側まで研削するときには、成形部11の研削にかかる手間が増加する。そのため、成形部11の周辺領域14は外側位置15よりも内側の領域であるのが好ましい。この場合には、成形部11の研削にかかる手間の増加を抑制して、成形部材10とベントピース20の表面粗さRaを容易に調整することができる。
成形部材10の成形部11とベントピース20の接触部21の研磨時には、第1研磨材により、成形部11の全体を容易に研磨でき、第2研磨材により、成形部11と接触部21の全体を容易に研磨することができる。第2研磨材の粒度が第1研磨材の粒度よりも小さいため、成形部11の表面粗さRaが接触部21の表面粗さRaに近づくように、表面粗さRaを確実に調整することができる。そのため、ゴム物品2に接触する部分の表面粗さRaの差を確実に小さくすることができる。
第1研磨材がスチールグリットであるときには、第1研磨材のコストの増加を抑制できるとともに、成形部材10の成形部11を確実に研磨することができる。第2研磨材が褐色アルミナ製であるときには、成形部材10の成形部11を確実に研磨できるとともに、接触部21の表面粗さRaが大きくなりすぎるのを抑制することができる。
なお、第1研磨材は、スチールグリット以外の研磨材(例えば、ステンレスグリット、セラミックスグリット)であってもよい。また、第2研磨材は、褐色アルミナ製の粒体以外の研磨材(例えば、他のアルミナ製の粒体、アルミナ以外のセラミックス製の粒体)であってもよい。成形部11と接触部21の全体を第5表面粗さRa5に研磨するときに、研削部4以外の成形部11、成形部11の研削部4、及び、接触部21は、異なる表面粗さRaに研磨してもよく、同じ表面粗さRaに研磨してもよい。
成形部材10の成形部11とベントピース20の接触部21を、ショットブラスト装置以外の研磨装置(例えば、バフ研磨装置)により研磨してもよい。また、成形部材10の成形部11とベントピース20の接触部21は、種々の研削装置により研削することができる。成形部材10を粉末積層造形により造形する場合には、成形部材10は、例えば、焼結可能な各種の粉末(金属粉末、セラミックス粉末等)を用いて造形される。
ゴム物品2は、モールド1により成形されるゴム製の物品であり、ゴムのみからなる物品、又は、ゴムと他の部材からなる物品である。例えば、ゴム物品2がタイヤであるときには、モールド1は、タイヤ用モールド(タイヤ成形用モールド)であり、タイヤ成形装置に設けられる。モールド1は、タイヤの成形時(加硫時)に用いられて、タイヤを成形する。
1・・・モールド、2・・・ゴム物品、3・・・ベントホール、4・・・研削部、10・・・成形部材、11・・・成形部、12・・・固定孔、13・・・開口部、14・・・周辺領域、15・・・外側位置、20・・・ベントピース、21・・・接触部。

Claims (7)

  1. 積層造形により造形されて成形部によりゴム物品を成形する成形部材と、成形部材の固定孔内に固定されて接触部でゴム物品に接触するベントピースと、を備え、成形部材を造形したときの成形部の表面粗さRa1が、ベントピースを固定孔に固定するときの接触部の表面粗さRa2よりも大きいゴム物品用モールドの製造方法であって、
    成形部を、Ra1よりも小さくRa2よりも大きい表面粗さRa3に研磨する第1研磨工程と、
    ベントピースを固定孔に挿入して、固定孔内にベントピースを固定する固定工程と、
    成形部の固定孔の周辺に位置する周辺領域と接触部の少なくとも一方を、Ra3よりも小さくRa2以上の表面粗さRa4に研削する研削工程と、
    成形部と接触部を、Ra3よりも小さくRa4以上の表面粗さRa5に研磨する第2研磨工程と、
    を有するゴム物品用モールドの製造方法。
  2. 請求項1に記載されたゴム物品用モールドの製造方法において、
    研削工程は、成形部の周辺領域と接触部を研削して、成形部の周辺領域に研削部を形成し、
    成形部と接触部を表面粗さRa5に研磨した状態で、研削部以外の成形部、成形部の研削部、接触部の順に、表面粗さが小さくなるゴム物品用モールドの製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載されたゴム物品用モールドの製造方法において、
    固定孔は、成形部に円形状に開口し、
    成形部の周辺領域は、固定孔の外周から固定孔の半径方向外側に向かって固定孔の半径に相当する距離を隔てた位置よりも内側の領域であるゴム物品用モールドの製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載されたゴム物品用モールドの製造方法において、
    第1研磨工程は、第1研磨材を成形部に衝突させて、成形部を第1研磨材により研磨し、
    第2研磨工程は、第2研磨材を成形部と接触部に衝突させて、成形部と接触部を第2研磨材により研磨するゴム物品用モールドの製造方法。
  5. 請求項4に記載されたゴム物品用モールドの製造方法において、
    第2研磨材の粒度は、第1研磨材の粒度よりも小さいゴム物品用モールドの製造方法。
  6. 請求項4又は5に記載されたゴム物品用モールドの製造方法において、
    第1研磨材は、スチールグリットであるゴム物品用モールドの製造方法。
  7. 請求項4ないし6のいずれかに記載されたゴム物品用モールドの製造方法において、
    第2研磨材は、褐色アルミナ製であるゴム物品用モールドの製造方法。
JP2016110928A 2016-06-02 2016-06-02 ゴム物品用モールドの製造方法 Active JP6734701B2 (ja)

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