本発明の一実施形態に係る装置状態記憶システムを図面を参照して以下に説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る装置状態記憶システム11は、貨幣に関する処理を行う貨幣処理装置12と、この貨幣処理装置12を撮像する撮像カメラ13(撮像手段)とを有しており、撮像カメラ13の撮像データを記憶する図2に示す合成録画装置14(記憶手段)と、合成録画装置14に記憶された撮像データを表示するモニタ装置15(表示手段)とを有している。
貨幣処理装置12は、貨幣として具体的には紙幣を取り扱うものである。貨幣処理装置12は、図2に示すように、操作者により操作される操作部21と、外部から紙幣が集積状態で投入される受入口22Aと、受入口22Aから繰り出された紙幣を搬送する図示略の搬送路と、搬送路で搬送中の紙幣を識別する識別部23と、識別部23で識別され搬送路で振り分けられた紙幣を外部に取り出し可能に収容する複数(具体的には13カ所)の収容部24B〜24Nとを有している。
操作部21は、貨幣処理装置12の上面31に設けられている。操作部21は、図1に示すように、処理開始の指示時に操作者により操作される処理開始ボタン26や、処理終了の指示時に操作者により操作される処理終了ボタン27や、緊急時に操作者により操作される緊急ボタン28、解除時に操作者により操作される解除ボタン29等を有している。
受入口22Aは、貨幣処理装置12の前面32の下部に設けられており、貨幣処理装置12の前面32および一方の側面33に開口する形状をなしている。受入口22Aには、その奥面34に対し近接および離間可能なビルプレス35が設けられている。受入口22Aには、ビルプレス35が奥面34から離された状態で、奥面34とビルプレス35との間に紙幣が集積状態で投入されることになり、ビルプレス35が奥面34に近接することで投入された紙幣を奥面34とで挟持する。受入口22Aには、受入口22A内の紙幣の有無を検知する紙幣有無検知センサ38Aが設けられている。
収容部24B〜24Nのうちの一つである収容部24Bは、貨幣処理装置12の前面32の受入口22Aよりも上側に設けられており、貨幣処理装置12の前面32および受入口22Aと同じ側面33に開口する形状をなしている。収容部24Bは、貨幣処理装置12の内部から一枚ずつ繰り出された紙幣を底面41上に集積させる。収容部24Bには、例えば識別が不能な識別不能紙幣や重送等の受入不可紙幣が排出される。収容部24Bには、収容部24B内の紙幣の有無を検知する紙幣有無検知センサ38Bが設けられている。
収容部24B〜24Nのうちの残りの収容部24C〜24Nは、受入口22Aおよび収容部24Bよりも後方に設けられており、これら受入口22Aおよび収容部24Bと同じ側面33に開口する形状をなしている。収容部24C〜24Nは同様の形状をなしており、それぞれが貨幣処理装置12内から一枚ずつ繰り出された紙幣を底面42上に集積させる。収容部24C〜24Nには、それぞれ単一金種の紙幣が収納されることになる。
収容部24Cには、収容部24C内の紙幣の有無を検知する紙幣有無検知センサ38Cが設けられている。同様に、収容部24Dには紙幣有無検知センサ38Dが、収容部24Eには紙幣有無検知センサ38Eが、収容部24Fには紙幣有無検知センサ38Fが、収容部24Gには紙幣有無検知センサ38Gが、収容部24Hには紙幣有無検知センサ38Hが、収容部24Iには紙幣有無検知センサ38Iが、収容部24Jには紙幣有無検知センサ38Jが、収容部24Kには紙幣有無検知センサ38Kが、収容部24Lには紙幣有無検知センサ38Lが、収容部24Mには紙幣有無検知センサ38Mが、収容部24Nには紙幣有無検知センサ38Nが、それぞれ設けられている。
貨幣処理装置12は、受入口22Aに紙幣が投入されたことを紙幣有無検知センサ38Aが検知すると、一の振分処理を開始することになり、この状態で、操作部21の処理開始ボタン26の操作を受け付ける状態になる。操作部21の処理開始ボタン26が操作されると、図示略の搬送路を駆動して受入口22Aの紙幣を一枚ずつに分離し間隔をあけて内部に繰り出して図示略の搬送路で搬送し、この搬送中に識別部23で識別および計数を行った後、識別部23の識別結果に基づいて図示略の搬送路で収容部24B〜24Nに振り分ける。受入口22Aの紙幣がなくなったことを紙幣有無検知センサ38Aが検知し、図示略の紙幣通過検知センサが搬送路に紙幣がないことを検知すると、図示略の搬送路を停止させて待機する。再び受入口22Aに紙幣が投入されたことを紙幣有無検知センサ38Aが検知すると、再び操作部21の処理開始ボタン26の操作を受け付ける状態になる。操作部21の処理開始ボタン26が操作されると、上記と同様の振り分けを行うことになり、以上を適宜繰り返すことになる。受入口22Aの紙幣がなくなったことを紙幣有無検知センサ38Aが検知し、図示略の紙幣通過検知センサが搬送路に紙幣がないことを検知した状態で、操作部21の処理終了ボタン27の操作を受け付けることになり、操作部21の処理終了ボタン27が操作され、かつ収容部24B〜24Nからすべての紙幣がなくなったことを紙幣有無検知センサ38B〜38Nが検知すると、当該一の振分処理を終了する。
収容部24Bには、識別部23で識別が不能であった識別不能紙幣や識別部23で重送と識別された受入不可紙幣が排出される。収容部24C〜24Nには、識別部23で正常と識別された受入可能紙幣が識別結果に基づいて分類される。収容部24C〜24Nには、それぞれに、同一の単一金種の汚損度合いの低い紙幣を収容したり、同一の単一金種の汚損度合いの高い紙幣を収容したりする。ここでは、具体的に、収容部24C,24D,24Eに汚損度合いが低い万円券を、収容部24F,24G,24Hに汚損度合いが低い千円券を、収容部24I,24Jに汚損度合いが低い五千円券を、収容部24Kに汚損度合いに関係なく二千円券を、収容部24Lに汚損度合いが高い万円券を、収容部24Mに汚損度合いが高い千円券を、収容部24Nに汚損度合いが高い五千円券を収容する場合を例にとって説明する。勿論、この分類の仕方は一例であり、これに限られることはなく、貨幣処理装置12は、設定モードでの操作部21への操作入力によって種々の分類の仕方が設定可能となっている。
貨幣処理装置12には、搬送路の各所に図示略の紙幣通過検知センサが設けられている。貨幣処理装置12は、識別部23の識別結果および図示略の紙幣通過検知センサの検知結果に基づいて、収容部24C〜24Nのそれぞれに収容された紙幣の収容枚数を把握可能であり、このように把握された収容部24C〜24Nそれぞれの紙幣の収容枚数を示す紙幣収容枚数データを自身で記憶するとともに出力する。また、貨幣処理装置12は、収容部24B〜24Nに設けられた紙幣有無検知センサ38B〜38Nの検知結果である紙幣有無検知データを出力する。また、貨幣処理装置12は、受入口22Aに設けられた紙幣有無検知センサ38Aの検知結果である紙幣有無検知データを出力する。なお、収容部24Bには重送紙幣が含まれるため、枚数が不正確となる可能性があり、収容部24Bの紙幣の収容枚数は目安枚数となる。
さらに、貨幣処理装置12は、操作部21の処理開始ボタン26が操作された際にその旨を示す処理開始指示データを出力し、操作部21の処理終了ボタン27が操作された際にその旨を示す処理終了指示データを出力する。また、操作部21の緊急ボタン28が操作された際にその旨を示す緊急操作データを出力し、操作部21の解除ボタン29が操作された際にその旨を示す解除操作データを出力する。貨幣処理装置12から出力されるこれらの紙幣収容枚数データ、紙幣有無検知データ、処理開始指示データ、処理終了指示データ、緊急操作データおよび解除操作データが、装置情報データとなっている。
よって、装置情報データは、紙幣収容枚数データが、収容部24C〜24Nの貨幣の収容枚数および収容部24C〜24Nのそれぞれが満杯にある旨の満杯情報を示す満杯情報データとなっている。また、紙幣有無検知データが受入口22Aおよび収容部24B〜24Nのそれぞれの紙幣が空である旨の空情報を示す空情報データとなっている。さらに、処理開始指示データ、処理終了指示データ、緊急操作データおよび解除操作データが貨幣処理装置12への操作情報を示す操作情報データとなっている。言い換えれば、装置情報データは、収容部24C〜24Nの貨幣の収容枚数データ、収容部24C〜24Nの満杯情報データ、受入口22Aおよび収容部24B〜24Nの空情報データおよび貨幣処理装置12への操作情報データを含んでいる。
撮像カメラ13は、動画を撮像するものであり、貨幣処理装置12の受入口22Aおよび収容部24B〜24Nのすべてが開口する側面33を、この側面33に対向するように固定されて撮像するようになっている。つまり、撮像カメラ13は、外部から紙幣が投入される受入口22Aと、内部から繰り出された紙幣を収容する複数の収容部24B〜24Nとを撮像可能であり、撮像した動画の撮像データを出力可能となっている。
合成録画装置14は、撮像カメラ13と通信可能であり、撮像カメラ13よる動画の撮像データを受信して記憶するものである。また、合成録画装置14は、貨幣処理装置12とも通信可能であり、貨幣処理装置12の複数の収容部24C〜24Nのそれぞれの収容枚数データを含む装置情報データを受信し、この装置情報データを撮像カメラ13による動画の撮像データに日時情報とともに合成して状態情報データを作成しこれを記憶する。
合成録画装置14は、操作者により操作される操作部51を有している。合成録画装置14は、記憶している状態情報データが日時で検索可能となっており、操作部51への操作で再生モードが選択され日時が指定されると、指定された日時から状態情報データを再生してモニタ装置15に出力可能となっている。また、合成録画装置14は、リアルタイム表示モードが選択されると、合成した状態情報データを、そのままリアルタイムでモニタ装置15に出力可能となっている。
合成録画装置14は、貨幣処理装置12からの装置情報データに基づくテキストデータを、撮像カメラ13の撮像データに対して表示上の決められた位置に表示するように合成して状態情報データとし、これを記憶する。
モニタ装置15は、カラーのモニタ装置であり、合成録画装置14から入力された状態情報データを画面に表示する。
次に、合成録画装置14が記憶する状態情報データの具体例をモニタ装置15の表示画面55への表示状態をもって説明する。図3〜図5は表示画面55を示している。
状態情報データでは、貨幣処理装置12に対し位置固定で撮像を行う図1に示す撮像カメラ13の撮像データを、図3に示すように、表示画面55に表示させることになり、この撮像データにおける貨幣処理装置12の表示領域Zの受入口22A内となる表示領域Aaに受入口22Aの識別を示す「A」の黒色文字を表示させるようにデータが合成される。また、撮像データにおける貨幣処理装置12の表示領域Zの収容部24B内となる表示領域Baに収容部24Bの識別を示す「B」の黒色文字を表示させるようにデータが合成される。
同様に、収容部24C内となる表示領域Caに「C」の黒色文字を、収容部24D内となる表示領域Daに「D」の黒色文字を、収容部24E内となる表示領域Eaに「E」の黒色の文字を、収容部24F内となる表示領域Faに「F」の黒色文字を、収容部24G内となる表示領域Gaに「G」の黒色文字を、収容部24H内となる表示領域Haに「H」の黒色文字を、それぞれ表示させるようにデータが合成される。また、収容部24I内となる表示領域Iaに「I」の黒色文字を、収容部24J内となる表示領域Jaに「J」の黒色文字を、収容部24K内となる表示領域Kaに「K」の黒色文字を、収容部24L内となる表示領域Laに「L」の黒色文字を、収容部24M内となる表示領域Maに「M」の黒色文字を、収容部24N内となる表示領域Naに「N」の黒色文字を、それぞれ表示させるようにデータが合成される。
また、状態情報データは、撮像カメラ13の撮像データにおける貨幣処理装置12の表示領域Zよりも外側となる表示領域Xに、図示略のタイマから取得する日時情報の「XXXX年XX月XX日XX時XX分XX秒」の黒色文字を表示させるようにデータが合成される。つまり、表示画面55に表示された状態情報データを見れば、表示されている状態がいつのものであるのかを操作者に認識させることができるようになっている。
また、状態情報データは、撮像カメラ13の撮像データにおける貨幣処理装置12の表示領域Zよりも外側となる表示領域Abに、受入口22Aであることの識別である「A:」の黒色文字と、貨幣処理装置12からの装置情報データに受入口22Aの紙幣有無検知センサ38Aが紙幣を検知していることを示す紙幣有無検知データが含まれている場合には何も表示させず、受入口22Aの紙幣有無検知センサ38Aが紙幣を検知していることを示す紙幣有無検知データが含まれていない場合には図3に示すように「EMPTY」の赤色文字を表示させるようにデータが合成される。つまり、受入口22Aに紙幣がない状態では、モニタ装置15に表示された状態情報データの表示領域Abに、受入口22Aが空状態であることを示す「EMPTY」の赤色文字が表示され、受入口22Aに紙幣がある状態では、この「EMPTY」の文字は表示されない。
また、状態情報データは、撮像カメラ13の撮像データにおける貨幣処理装置12の表示領域Zよりも外側となる表示領域Bbに、収容部24Bであることの識別である「B:」の黒色文字と、収容部24Bに収容されている紙幣の枚数を示す数字(図3では「000」)とを組み合わせて表示させるようにデータが合成される。収容部24Bに収容されている紙幣の枚数を示す数字は、貨幣処理装置12からの装置情報データに含まれる収容部24Bに収容された紙幣の枚数を示す紙幣収容枚数データに基づくもので、紙幣がないことを示す「000」から収容部24Bが満杯となる例えば「999」までの数字を表示させるようにデータが合成される。なお、上述したように、収容部24Bには重送紙幣が含まれるため、枚数が不正確となる可能性があり、収容部24Bの紙幣の収容枚数は目安枚数となる。
つまり、収容部24Bに紙幣がない状態では図3に示すように表示領域Bbに「000」を表示させ、識別部23の識別結果および図示略の紙幣通過検知センサの検知結果から、収容部24Bに紙幣が収容されるとその目安枚数を表示領域Bbに表示させる。なお、収容部24Bの収容枚数は、例えば999枚が満杯状態(フル状態)である場合、「999」の数字は、収容部24Bを示す識別の「B」とともに満杯であることを示すように赤色で表示させ、「900」〜「998」の数字は、収容部24Bを示す識別の「B:」とともに満杯近い状態(ニアフル状態)であることを示すように黄色で表示させ、「000」〜「899」の数字は収容部24Bを示す識別の「B」とともに黒色で表示させるようになっている。なお、貨幣処理装置12からの装置情報データに収容部24Bの紙幣有無検知センサ38Bが紙幣を検知していないことを示す紙幣有無検知データが含まれている場合には、表示領域Bbに、紙幣の枚数を示す数字として「000」を表示させる。
また、状態情報データは、撮像カメラ13の撮像データにおける貨幣処理装置12の表示領域Zよりも外側となる表示領域Cbに、収容部24Cであることの識別である「C:」の黒色文字と、収容部24Cに収容されている紙幣の枚数を示す数字(図3では「000」)とを組み合わせて表示させるようにデータが合成される。収容部24Cに収容されている紙幣の枚数を示す数字は、貨幣処理装置12からの装置情報データに含まれる収容部24Cに収容された紙幣の枚数を示す紙幣収容枚数データに基づくもので、紙幣がないことを示す「000」から収容部24Cが満杯となる例えば「999」までの数字を表示させるようにデータが合成される。
つまり、収容部24Cに紙幣がない状態では図3に示すように表示領域Cbに「000」を表示させ、識別部23の識別結果および図示略の紙幣通過検知センサの検知結果から、収容部24Cに紙幣が収容されるとその枚数を表示領域Cbに表示させる。なお、収容部24Cの収容枚数も、例えば999枚が満杯状態(フル状態)である場合、「999」の数字は、収容部24Cを示す識別の「C」とともに満杯であることを示すように赤色で表示させ、「900」〜「998」の数字は、収容部24Cを示す識別の「C:」とともに満杯近い状態(ニアフル状態)であることを示すように黄色で表示させ、「000」〜「899」の数字は収容部24Cを示す識別の「C」とともに黒色で表示させるようになっている。なお、貨幣処理装置12からの装置情報データに収容部24Cの紙幣有無検知センサ38Cが紙幣を検知していないことを示す紙幣有無検知データが含まれている場合には、表示領域Cbに、紙幣の枚数を示す数字として「000」を表示させる。
同様にして、状態情報データは、表示領域Dbに、「D:」の黒色文字と、収容部24Dに収容されている紙幣の枚数を示す数字(図3では「000」)とを組み合わせて表示させるようにデータが合成される。また、表示領域Ebに、「E:」の黒色文字と、収容部24Eに収容されている紙幣の枚数を示す数字(図3では「000」)とを組み合わせて表示させるようにデータが合成され、表示領域Fbに、「F:」の黒色文字と、収容部24Fに収容されている紙幣の枚数を示す数字(図3では「000」)とを組み合わせて表示させるようにデータが合成される。
また、表示領域Gbに、「G:」の黒色文字と、収容部24Gに収容されている紙幣の枚数を示す数字(図3では「000」)とを組み合わせて表示させるようにデータが合成され、表示領域Hbに、「H:」の黒色文字と、収容部24Hに収容されている紙幣の枚数を示す数字(図3では「000」)とを組み合わせて表示させるようにデータが合成される。また、表示領域Ibに、「I:」の黒色文字と、収容部24Iに収容されている紙幣の枚数を示す数字(図3では「000」)とを組み合わせて表示させるようにデータが合成され、表示領域Jbに、「J:」の黒色文字と、収容部24Jに収容されている紙幣の枚数を示す数字(図3では「000」)とを組み合わせて表示させるようにデータが合成される。
また、表示領域Kbに、「K:」の黒色文字と、収容部24Kに収容されている紙幣の枚数を示す数字(図3では「000」)とを組み合わせて表示させるようにデータが合成され、表示領域Lbに、「L:」の黒色文字と、収容部24Lに収容されている紙幣の枚数を示す数字(図3では「000」)とを組み合わせて表示させるようにデータが合成される。また、表示領域Mbに、「M:」の黒色文字と、収容部24Mに収容されている紙幣の枚数を示す数字(図3では「000」)とを組み合わせて表示させるようにデータが合成され、表示領域Nbに、「N:」の黒色文字と、収容部24Nに収容されている紙幣の枚数を示す数字(図3では「000」)とを組み合わせて表示させるようにデータが合成される。
また、状態情報データは、貨幣処理装置12からの装置情報データに緊急操作データが含まれている場合に表示領域Yに「SOS」の赤色文字を点滅表示させ、貨幣処理装置12からの装置情報データに解除操作データが含まれている場合に表示領域Yから「SOS」の文字を消滅させるようにデータが合成される。
ここで、貨幣処理装置12は、受入口22Aに紙幣が投入されたことを紙幣有無検知センサ38Aが検知すると、この紙幣有無検知センサ38Aの紙幣有無検知データが、装置情報データにおいて一の振分処理の開始を示すことになる。そして、この紙幣有無検知データが含まれている装置情報データを貨幣処理装置12から受けると、合成録画装置14は、状態情報データの合成および記憶を開始する。このとき、受入口22Aに紙幣があり、収容部24B〜24Nのすべてに紙幣がない状態であることから、装置情報データは、図4に示すように、モニタ装置15の表示画面55への表示状態で、表示領域Abの「EMPTY」の文字が消去され、表示領域Bb〜Nbの数字はすべて「000」の黒色文字が表示され、すべての収容部24B〜24Nが空であることを示している。
この状態から、受入口22Aの紙幣が振り分けられると、振り分けに応じて収容部24B〜24Nのそれぞれの紙幣収容枚数データを装置情報データが含むことになり、この装置情報データに基づいて表示領域Bb〜Nbに、収容部24B〜24Nのそれぞれの収容枚数に応じた数字がカウントアップされる。
例えば、ある時点では、図5に示すように、表示領域Bbに、収容部24Bに紙幣が2枚繰り出された状態にあることを示す「B:002」の黒色文字を、表示領域Cbに、収容部24Cに紙幣が123枚繰り出された状態にあることを示す「C:123」の黒色文字を、表示領域Fbに、収容部24Fに紙幣が45枚繰り出された状態にあることを示す「F:045」の黒色文字を、それぞれ表示させる。また、表示領域Ibに、収容部24Iに紙幣が15枚繰り出された状態にあることを示す「I:015」の黒色文字を、表示領域Lbに、収容部24Lに紙幣が3枚繰り出された状態にあることを示す「L:003」の黒色文字を、表示領域Mbに、収容部24Mに紙幣が2枚繰り出された状態にあることを示す「M:002」の黒色文字を、それぞれ表示させる。また、その他の表示領域Db,Eb,Gb,Hb,Jb,Kb,Nbには、収容部24D,24E,24G,24H,24J,24K,24Nに紙幣が繰り出されていないことを示す「D:000」,「E:000」,「G:000」,「H:000」,「J:000」,「K:000」,「N:000」の黒色文字を表示させる。そして、受入口22Aの紙幣がなくなると、表示領域Abに「A:EMPTY」の赤色文字を表示させる。
また、振分処理が進んで、例えば、収容部24Cに紙幣が800枚繰り出されると、その時点で、表示領域Cbに「C:800」の黄色文字を表示させることになり、収容部24Cに紙幣が999枚繰り出されると、その時点で、表示領域Cbに「C:999」の赤色文字を表示させることになる。なお、収容部24Cが満杯になると、同じ金種の繰り出し先となる収容部24Dに紙幣が繰り出されることになり、表示領域Dbの数字がカウントアップされる。さらに、収容部24Dが満杯になると、同じ金種の繰り出し先となる収容部24Eに紙幣が繰り出されることになり、表示領域Ebの数字がカウントアップされる。
そして、貨幣処理装置12は、操作部21の処理終了ボタン27が操作され、かつ収容部24B〜24Nからすべての紙幣がなくなったことを紙幣有無検知センサ38B〜38Nが検知すると、これらの処理終了指示データおよび紙幣有無検知データが装置情報データにおいて一の振分処理の終了を示すことになる。これらの処理終了指示データおよび紙幣有無検知データが含まれている装置情報データを貨幣処理装置12から受けると、合成録画装置14は、その後、所定時間経過後に状態情報データの合成および記憶を終了する。なお、一の振分処理の終了時点では、紙幣がすべて取り除かれるため、表示領域Bb〜Nbの数字は図3に示すようにすべて「000」となり、表示領域Abに「A:EMPTY」の赤色文字が表示される。
以上のように、合成録画装置14は、貨幣処理装置12の処理開始に基づいて装置情報データの記憶を開始し、貨幣処理装置12の処理終了に基づいて装置情報データの記憶を終了する。勿論、状態情報データの合成および記憶を常に行うようにしても良い。
なお、貨幣処理装置12の操作部21の緊急ボタン28が操作されて装置情報データに緊急操作データが含まれると、図3に示すように、表示領域Yに「SOS」の赤色文字を点滅表示させる。この「SOS」の赤色文字は、貨幣処理装置12の操作部21の解除ボタン29が操作されて装置情報データに解除操作データが含まれると、消去される。これにより、例えば、合成録画装置14をリアルタイム表示モードに設定しておくと、合成した状態情報データを、そのままリアルタイムでモニタ装置15に表示させることになり、この状況で、緊急ボタン28が操作されると、貨幣処理装置12および撮像カメラ13とは離れた場所に設置された合成録画装置14およびモニタ装置15のモニタ装置15の表示画面55に緊急事態が発生したことを報知できることになる。
以上に述べた本実施形態に係る装置状態記憶システム11よれば、合成録画装置14が、撮像カメラ13によって撮像された貨幣処理装置12の収容部24B〜24Nの撮像データと、収容部24B〜24Nの貨幣の収容枚数を含む装置情報データとを合成して記憶する。このため、合成録画装置14に記憶された記憶データをモニタ装置15に再生表示させれば、時点時点での収容部24B〜24Nの撮像データと時点時点での収容部24B〜24Nの貨幣の収容枚数の状態とを一つの画面で確認することが可能となる。したがって、貨幣処理装置12の詳細な状態情報を容易に検証することが可能となる。
また、装置情報データが収容部24B〜24Nの満杯情報データを含むため、合成録画装置14に記憶された記憶データをモニタ装置15に再生表示させれば、収容部24B〜24Nの撮像データと、収容部24B〜24Nの貨幣の収容枚数の状態と、収容部24B〜24Nのそれぞれが満杯状態にあるか否かとを一つの画面で確認することが可能となる。したがって、貨幣処理装置12のより詳細な状態情報を容易に検証することが可能となる。
また、装置情報データが収容部24B〜24Nの空情報データを含むため、合成録画装置14に記憶された記憶データをモニタ装置15に再生表示させれば、収容部24B〜24Nの撮像データと、収容部24B〜24Nの貨幣の収容枚数の状態と、収容部24B〜24Nのそれぞれが空状態にあるか否かとを一つの画面で確認することが可能となる。したがって、貨幣処理装置12のより詳細な状態情報を容易に検証することが可能となる。
また、装置情報データが貨幣処理装置12への操作情報データを含むため、合成録画装置14に記憶された記憶データをモニタ装置15に再生表示させれば、収容部24B〜24Nの撮像データと、収容部24B〜24Nの貨幣の収容枚数の状態と、貨幣処理装置12への操作情報とを一つの画面で確認することが可能となる。したがって、貨幣処理装置12のより詳細な状態情報を容易に検証することが可能となる。
また、合成録画装置14が、複数の収容部24B〜24Nそれぞれの貨幣の収容枚数データを含む装置情報データを撮像データと合成して記憶するため、合成録画装置14に記憶された記憶データをモニタ装置15に再生表示させれば、複数の収容部24B〜24Nの撮像データと、これら収容部24B〜24Nのそれぞれの貨幣の収容枚数の状態とを一つの画面で確認することが可能となる。したがって、貨幣処理装置12のより詳細な状態情報を容易に検証することが可能となる。
また、合成録画装置14は、貨幣処理装置12の処理開始に基づいて装置情報データの記憶を開始し、貨幣処理装置12の処理終了に基づいて装置情報データの記憶を終了するため、収容部24B〜24Nの撮像データと装置情報データとを合成して記憶することが効率良くできる。
実施形態の第1の態様は、外部から紙幣が投入される受入口と、前記受入口から繰り出された紙幣を識別する識別部と、前記識別部で識別された紙幣を外部に取り出し可能に収容する複数の収容部とを有し、前記受入口と前記複数の収容部とが同側の装置側面に開口し、前記受入口に投入された紙幣を、前記識別部の識別結果に基づいて、前記複数の収容部に金種別に振り分けて収容する振分処理を行う貨幣処理装置と、前記貨幣処理装置の前記装置側面に対向するように配置されて、前記装置側面に開口する前記受入口および前記複数の収容部のすべてを撮像する撮像手段と、前記複数の収容部それぞれの貨幣の収容枚数データを含む装置情報データを前記撮像手段の撮像データと合成して記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された撮像データを、当該撮像データに合成された装置情報データに含まれる前記複数の収容部それぞれの貨幣の収容枚数データと前記複数の収容部との対応付け表示とともに表示する表示手段と、を有することを特徴とする。記憶手段が、撮像手段によって撮像された貨幣処理装置の収容部の撮像データと、収容部の貨幣の収容枚数を含む装置情報データとを合成して記憶する。このため、記憶手段に記憶された記憶データを表示手段に再生表示させれば、収容部の撮像データと収容部の貨幣の収容枚数の状態とを一つの画面で確認することが可能となる。したがって、貨幣処理装置の詳細な状態情報を容易に検証することが可能となる。また、記憶手段が、複数の収容部それぞれの貨幣の収容枚数データを含む装置情報データを撮像データと合成して記憶するため、記憶手段に記憶された記憶データを表示手段に再生表示させれば、複数の収容部の撮像データと、これら収容部のそれぞれの貨幣の収容枚数の状態とを一つの画面で確認することが可能となる。したがって、貨幣処理装置のより詳細な状態情報を容易に検証することが可能となる。
実施形態の第2の態様は、第1の態様において、前記装置情報データは、前記収容部の満杯情報データを含むことを特徴とする。装置情報データが収容部の満杯情報データを含むため、記憶手段に記憶された記憶データを表示手段に再生表示させれば、収容部の撮像データと、収容部の貨幣の収容枚数の状態と、収容部が満杯状態にあるか否かとを一つの画面で確認することが可能となる。したがって、貨幣処理装置のより詳細な状態情報を容易に検証することが可能となる。
実施形態の第3の態様は、第1または第2の態様において、前記装置情報データは、前記収容部の空情報データを含むことを特徴とする。装置情報データが収容部の空情報データを含むため、記憶手段に記憶された記憶データを表示手段に再生表示させれば、収容部の撮像データと、収容部の貨幣の収容枚数の状態と、収容部が空状態にあるか否かとを一つの画面で確認することが可能となる。したがって、貨幣処理装置のより詳細な状態情報を容易に検証することが可能となる。
実施形態の第4の態様は、第1乃至第3のいずれか一態様において、前記装置情報データは、前記貨幣処理装置への操作情報データを含むことを特徴とする。装置情報データが貨幣処理装置への操作情報データを含むため、記憶手段に記憶された記憶データを表示手段に再生表示させれば、収容部の撮像データと、収容部の貨幣の収容枚数の状態と、貨幣処理装置への操作情報とを一つの画面で確認することが可能となる。したがって、貨幣処理装置のより詳細な状態情報を容易に検証することが可能となる。
実施形態の第5の態様は、第1乃至第4のいずれか一態様において、前記表示手段は、前記記憶手段に記憶された撮像データを、当該撮像データに合成された装置情報データに含まれる前記複数の収容部それぞれの貨幣の収容枚数データと前記複数の収容部との対応付け表示とともにリアルタイムで表示することを特徴とする。
実施形態の第6の態様は、第1乃至第5のいずれか一態様において、前記貨幣処理装置の緊急ボタンが操作されると、その旨を前記表示手段に表示させることを特徴とする。
実施形態の第7の態様は、第1乃至第6のいずれか一態様において、前記記憶手段は、前記貨幣処理装置の処理開始に基づいて前記装置情報データの記憶を開始し、前記貨幣処理装置の処理終了に基づいて前記装置情報データの記憶を終了することを特徴とする。記憶手段は、貨幣処理装置の処理開始に基づいて装置情報データの記憶を開始し、貨幣処理装置の処理終了に基づいて装置情報データの記憶を終了するため、収容部の撮像データと装置情報データとを合成して記憶することが効率良くできる。