JP2017211607A - 光変調器 - Google Patents

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Abstract

【課題】プロセス誤差に起因するMZMの出力信号光のチャープを抑制する。【解決手段】光変調回路を1以上の変調電気信号で駆動するK個の駆動回路S1,S2を備える光変調器であり、一対の光導波路アームは、第1のドーピング極性の領域と第1と逆の第2のドーピング極性の領域を含んで構成された接合を備えるN個の領域を備えており、K個の駆動回路は、N個の領域に電気的に接続されており、N個の領域の内M個の領域は、一方のアームの光導波路は、他方のアームと反対側が第1のドーピング極性の領域であり、他方のアーム側が第2のドーピング極性の領域であり、他方のアームの光導波路は、一方のアームと反対側が第1のドーピング極性の領域であり、一方のアーム側が第2のドーピング極性の領域である第一の領域となっており、N個の領域の内(N−M)個の領域は、第一の領域とはドーピング極性が逆である第二の領域となっている光変調器とした。【選択図】図8

Description

本発明は、光通信システムにおいて用いられる光変調器に関し、特に波長チャープを抑制し、波形品質の良い光変調器を提供する為の構造に関する。
光変調回路の中でも、マッハツェンダ変調器(MZM)は、波長依存性が小さく、原理的に波長チャープ成分が無い、高速な光変調器として光ファイバ通信に広く用いられている。InP、LiNbO3といった種々の材料のMZMが実用化されている中、リブ型導波路に形成されたPN接合を屈折率変化部として用いた導波路型MZMは、小さな曲げ半径を実現できるSi光回路と適合性が高く、次世代の小型光変調モジュールや小型光送受信モジュールを実現できる技術として研究、開発がなされている(例えば非特許文献1参照)。
図1の半導体シリコン(Si)のPN接合を用いた従来のSi導波路型MZMは、図1(a)のように、入力光を分岐する第一の光カプラC1と、該第一の光カプラに光学的に接続された一対の光導波路アームA1,A2と、該一対の光導波路アームからの光を合流する第二の光カプラC2とを備えており、前記一対の光導波路アームは、それぞれ、光導波路アーム対に沿って基板水平方向に形成されたPドープ領域とNドープ領域を備える一対の屈折率変化部F1,F2を備える。
また、説明の為に、一方(例えば図面の上側)の光導波路アームを第一のアームA1と定義し、他方(下側)の光導波路アームを第二のアームA2と定義する。
図1(b)のA-A’間の断面図に示すように、各アームの屈折率変化部F1,F2のPドープ領域、Nドープ領域それぞれに金属電極を形成することで、PN接合面PNJ1、PNJ2に対して電圧を印加することができる。各アームの屈折率変化部は、図2(a)のように、PN接合面に印加したPN逆方向電圧に対して屈折率が変化する特性を持っている。屈折率の変化は光路長の変化となるため、屈折率変化部の特性は位相変化量を縦軸にとった図2(b)のように表すことが出来る。
図3は、MZMの第一のアームA1からの光出力、第二のアームA2からの光出力を合波した時の出力光(MZM出力)の電界を示す。それぞれのアームは電圧印加に対して位相のみを変化させるため、アームに電圧を印加した時の光出力電界は原点を中心に複素数平面上を回転する。また、今回説明するMZMの一対のアームは差動駆動(プッシュプル動作)することが前提となっているため、例えばV0からV1までの差動の電圧信号を一対の光導波路アームの屈折率変化部に印加した場合には、第一のアームA1が入力電圧V0の時は第二のアームA2の入力電圧がV1になり、第一のアームA1が入力電圧V1の時は第二のアームA2の入力電圧がV0になる。
一対の光導波路アームの出力がそれぞれ揃っていれば、位相変化による虚数成分は打ち消しあうため、MZMの光出力は虚数成分を持つ事が無く、実軸上を移動する。このように、出力光電界が虚数成分を持たない、すなわち波長チャープ成分を持たないことから、PAMのような強度変調を行う為にMZMを用いた場合には、伝送時の信号劣化が少ない高品質な変調信号を送信できる。また、図1のMZMを2つ組み合わせ用いてIQ変調器とすることによって、QPSKやQAMのような位相変調を行った際にも、送信信号がシンボル歪を持たず、高品質な変調信号を送信することが出来る。
図4には、MZMを用いた従来の光変調器の全体構成を示す。
PN接合を用いたMZMでは、一対の光導波路アームで一対のPN接合が必要であるが、図4のように、紙面上から下方向に向かって、Pドープ領域-Nドープ領域-Pドープ領域として、一対の光導波路アームのPN接合の向きを上下対称に配置することで、光導波路の屈折率や、変調器の電極の周波数特性を一対の光導波路アーム間で簡単に等しい特性を持たせることが出来る。一般的に高速な光変調の為には、進行波電極を用いプッシュプル動作をさせる(先行技術文献1)が、一対の光導波路アームの電極、導波路の特性を揃えることは、完全に対称なプッシュプル動作を実現する為に不可欠である。
さらには、図4で示したようにNドープ領域を共通化することで、小面積化し、DC電極の数を削減することが出来る。
なお、図4の場合とは異なり、紙面上下方向にNドープ領域-Pドープ領域-Nドープ領域として、一対の光導波路アーム間のPのドープ領域を共通化しても良く、また、一対の光導波路アーム間のPまたはNドープ領域を共通化しなくとも良い。
また、半導体のドーピング極性として、NドープとPドープは互いに逆の極性ということができ、一方のドーピング極性を第1のドーピング極性としたとき、逆の他方を第2のドーピング極性ということができ、電圧の印加極性を逆とすれば、これらを入れ替えて逆とすることもできるのは技術常識である。
図4には、従来のMZMにおいて実際に変調器の光変調回路に変調用の電気信号を入力する為の電極(RF,RF’、DC)と、変調信号駆動用の電気回路である駆動回路Dも示した。駆動回路Dは非反転型の差動増幅回路であり、正相(ポジ)、逆相(ネガ)2本1組の差動電気信号対を入力として増幅し、2本1組の差動電気信号出力の対として出力し光変調回路を駆動する。正相、逆相を入れ替えて反転出力する反転差動増幅回路とすることもできる。
変調用の差動信号入力電圧(Vdiff)を印加する為に、共通化したNドープ領域にDC電極DCを設け、一対の光導波路アームのP領域に一対のRF電極RF,RF’を設ける。そして、Nドープ領域のDC電極DCにはDCバイアスを印加し、一対の光導波路アームのPドープ領域のRF電極RF,RF’には、光変調回路駆動用の差動RF電圧信号Vdiffの対を駆動回路Dから図示のように入力することで、変調が行える。DCバイアスは、Pドープ領域に差動RF信号を入力した際、常にPN接合が逆バイアスとなるような電圧を加える。
L. Zimmermann et al., "Monolithically integrated 10Gbit/sec Silicon Modulator with driver in 0.25μM SiGe:C BiCMOS," IEEE European Conf. on Opt.Comm, pp. 1-3, (2013) W. Green et al, "Ultra-coMpact, Low RF power, 10 Gb/s silicon Mach-Zehnder ModuLator." Opt Express 15, pp. 17106-17113, (2007). B. Milivojevic et al. "112Gb/s DP-QPSK transmission Over 2427km SSMF using small-size silicon photonic IQ modulator and low-power CMOS driver", Optical Fiber Communication Conference 2013, OTh1D.1. D. Patel et al, "Design, analysis, and transmission system performance of a 41 GHz silicon photonic modulator." Opt Express 23, pp. 14263-14287, (2015).
しかしながら、発明者はPN接合を用いたMZMにおいて、以下に示す問題点があることを発見した。一般に、MZMの第一のアームと第二のアームの屈折率変化部は同じ特性を示すように設計される。しかし、PN接合面がプロセス中のマスクずれや、ドーピングの為のイオン注入の入射角度の影響により、設計者が意図した位置からずれてしまうこと(PN接合面オフセット)がある。すると、一対の光導波路アームの屈折率変化部がそれぞれ異なる位相変化特性を持ち、結果的にMZMの出力電界が波長チャープ成分を持つことから、光出力信号が劣化する。
例として、図4の従来のMZMにおいて実際にPN接合面が紙面下方向にオフセットした場合を考える。図5にそのようなプロセス誤差が生じた際の場合の、図4のA-A’間の断面図を示す。
図5の断面図において、プロセス誤差が無い場合にあるべき本来のPN接合面の位置をPNJ0として点線で示し、実際に製造されてプロセス誤差によりオフセットしたPN接合面の位置をPNJoffsetとして示している。
図6にはこのオフセットによって、第一のアームと第二のアームの屈折率変化部において、Pドープ領域とNドープ領域の割合が異なることから、一対の光導波路アームの屈折率変化部の位相変化特性はそれぞれ異なり不一致となる様子を示す。図6(a)は第一のアームA1の屈折率変化部F1におけるPN接合PNJ1への印加電圧(V)と、位相変化量(deg)の関係を表すグラフであり、図6(b)は第二のアームA2の屈折率変化部F2におけるPN接合PNJ2への印加電圧(V)と、位相変化量(deg)の関係を表すグラフである。
このようなプロセス中のマスクエラーによる一対のアームの位相変化量の誤差は一般的に起こりうることであり、先行技術文献4にも報告されている。
図7にはこのPN接合面オフセットにより、一対の光導波路アーム間で位相変化特性が異なる場合のMZM出力を示す。駆動振幅から一対の光導波路アームとも同じ振幅の電圧スイングを入力した際に、第一のアームA1と第二のアームA2それぞれで位相変化量が異なる為、位相変化による虚数成分が一対の光導波路アームで打ち消しあわず、MZM出力も虚数成分を持っている。このようにMZM出力の光電界が虚数成分を持ち、位相のずれを持っている場合(チャープがある場合)には、強度変調、位相変調のどちらにおいても変調出力信号光の品質が劣化するため、これを改善する必要がある。
また、従来技術としてPN接合を用いたMZMを説明したが、半導体接合としてPN接合の代わりにドーピングにより形成されたPIN接合を屈折率変化部として用いたMZM(先行技術文献2)でも同様の課題がある。これは、PIN接合を用いたMZMにおいて、プロセス誤差により、Pドープ領域、I領域、Nドープ領域の割合が第一のアームと第二のアームの屈折率変化部で異なり、第一のアームと第二のアームで異なる屈折率変化特性を持つことがあるからである。
本発明の光変調器は、このような課題を解決するために、以下のような構成を備えることを特徴とする。
(発明の構成1)
基板上に形成された光変調回路と、該光変調回路を1以上の変調電気信号で駆動するK個(Kは1以上の自然数)の駆動回路を備える光変調器であり、
前記光変調回路は、入力光を分岐する第一の光カプラと、該第一の光カプラに光学的に接続された一対の光導波路アームと、該一対の光導波路アームからの光を合流する第二の光カプラとを備えており、
前記一対の光導波路アームは、それぞれのアームの光導波路の光伝播方向に形成された接合であって、第1のドーピング極性の領域と第1と逆の第2のドーピング極性の領域を含んで構成された接合を備えるN個(NはK以上の自然数)の領域 を 備えており、
前記K個の駆動回路は、前記N個の領域に電気的に接続されており、
前記N個の領域の内M(Mは1以上N未満の自然数)個の領域は
一方のアームの光導波路は、他方のアームと反対側が第1のドーピング極性の領域であり、他方のアーム側が第2のドーピング極性の領域であり、
他方のアームの光導波路は、一方のアームと反対側が第1のドーピング極性の領域であり、一方のアーム側が第2のドーピング極性の領域である第一の領域となっており、
前記N個の領域の内(N−M)個の領域は
第一の領域とはドーピング極性が逆である第二の領域となっている、
ことを特徴とする光変調器。
(発明の構成2)
前記第一の領域と第二の領域は、光の伝播方向について、各々の領域の全長に対する長さの割合が概ね1/2に設定されていることを特徴とする、
発明の構成1に記載の光変調器。
(発明の構成3)
前記第一の領域では、RF電極を前記第1のドーピング極性の領域に備え、DC電極を前記第2のドーピング極性の領域に備えるのに対し、
前記第二の領域では、RF電極を前記第2のドーピング極性の領域に備え、DC電極を前記第1のドーピング極性の領域に備える
発明の構成1または2に記載の光変調器。
(発明の構成4)
前記K個の駆動回路は、前記第一の領域に接続され、差動信号を出力する第一の駆動回路と、
前記第二の領域に接続され、前記第一の駆動回路に対して逆相の差動信号を出力する、第二の駆動回路であり、
前記第一の駆動回路と第二の駆動回路が出力する差動信号のポジ側出力はすべて一方のアームのRF電極に接続されるのに対し、
前記第一の駆動回路と第二の駆動回路が出力する差動信号のネガ側出力はすべて他方のアームのRF電極に接続されることを特徴とする、
発明の構成3に記載の光変調器。
(発明の構成5)
前記K個の駆動回路が出力する差動信号のポジ側出力は、前記K個の駆動回路それぞれで位相がすべて揃っており、また同様に前記K個の駆動回路が出力する差動信号のネガ側出力は、前記K個の駆動回路それぞれで位相がすべて揃っており、前記第一の領域のRF電極に接続される駆動回路が出力する差動信号のポジ側出力は一方のアームのRF電極に接続され、ネガ側出力はそれぞれ他方のアームのRF電極に接続されるのに対し、
前記第二の領域のRF電極に接続される駆動回路が出力する差動信号のネガ側出力は一方のアームのRF電極に接続され、ポジ側出力はそれぞれ他方のアームのRF電極に接続されることを特徴とする、
発明の構成3または4のいずれかに記載の光変調器。
(発明の構成6)
光変調器に入力される前記変調電気信号はL(LはK以下の自然数)対の差動変調電気信号であって、
前記L対の差動変調電気信号を1対づつ入力し、全体として前記K個の駆動回路に分岐して出力するL個の分岐回路を備えることを特徴とする、
発明の構成1ないし5のいずれかに記載の光変調器。
(発明の構成7)
前記該分岐回路と前記駆動回路の接続は、第一の領域に接続される駆動回路に対しては、前記分岐回路のポジ側出力が差動駆動回路のポジ入力に接続され、前記分岐回路のネガ側出力を駆動回路のネガ入力に接続されるのに対し、
第二の領域に接続される駆動回路に対しては、前記分岐回路のネガ側出力が差動駆動回路のポジ入力に接続され、前記分岐回路のポジ側出力を駆動回路のネガ入力に接続されることを特徴とする、
発明の構成6に記載の光変調器。
以上記載の本発明の光変調器の構成によれば、プロセス誤差に起因するMZMの出力信号光のチャープを抑制し、品質の高い変調信号出力を生成可能な光変調器を提供することが可能となる。
従来のSi導波路型MZMの光変調器の平面図およびその屈折率変化部の断面図である。 従来の光変調器の屈折率変化部の挙動を示す図である。 従来の光変調器のSi導波路型MZMの出力光電界を示す図である。 従来の光変調器の全体構成を示す図である。 従来の光変調器においてプロセス誤差が生じた際の屈折率変化部の断面図である。 従来の光変調器のMZMの2つのアームにおける屈折率変化量の不一致を説明する図である。 従来の光変調器においてプロセス誤差が生じた際のMZM光出力電界を示す図である。 本発明の光変調器の基本構造を示す図である。 本発明の光変調器の基本構造における屈折率変化部の断面図である。 本発明の光変調器の基本構造の各部における屈折率変化部の位相変化特性を説明する図である。 本発明の光変調器の基本構造の2つのアームにおける屈折率変化特性を説明する図である。 本発明の光変調器の基本構造のMZM光出力電界を説明する図である。 本発明の光変調器の実施例1の図である。 本発明の光変調器の実施例1変形例の図である。 本発明の光変調器の実施例2の図である。 本発明の光変調器の実施例3の図である。 本発明の光変調器の実施例4の図である。 本発明の光変調器の実施例5の図である。 本発明の光変調器の実施例6の図である。 本発明の光変調器の実施例7の図である。 本発明の光変調器の実施例8の図である。 本発明の光変調器の実施例9の図である。
以下、図面を参照しながら本発明の光変調器の基本的な構造と動作および実施形態について詳細に説明する。
(本発明の光変調器の基本構造と動作)
本発明の光変調器の概要となる要件の一つは、光変調回路となるMZM構造の一対の光導波路アームを光伝播方向にドーピング極性が異なる複数の領域に分けて、別々の駆動回路により変調駆動することにある。
このような、本発明の光変調器の基本的な構造は、基板上にMZMとして形成された光変調回路と、該光変調回路を1以上の変調電気信号で駆動するK個(Kは1以上の自然数)の駆動回路を備える光変調器であり、
光変調回路は、入力光を分岐する第一の光カプラと、該第一の光カプラに光学的に接続された一対の光導波路アームと、該一対の光導波路アームからの光を合流する第二の光カプラとを備えている。
一対の光導波路アームは、それぞれのアームの光導波路の光伝播方向に形成された接合であって、第1のドーピング極性の領域と第1と逆の第2のドーピング極性の領域を含んで構成された接合を備えるN個(NはK以上の自然数)の領域を備えており、
K個の駆動回路は、N個の領域に電気的に接続されている。
そして、N個の領域の内M(Mは1以上N未満の自然数)個の領域は
一方のアームの光導波路は、他方のアームと反対側が第1のドーピング極性の領域であり、他方のアーム側が第2のドーピング極性の領域であり、
他方のアームの光導波路は、一方のアームと反対側が第1のドーピング極性の領域であり、一方のアーム側が第2のドーピング極性の領域である第一の領域となっており、
前記N個の領域の内(N−M)個の領域は
第一の領域とはドーピング極性が逆である第二の領域となっている、
ことを特徴とする光変調器である。
このような本発明の基本構成における動作は、
一方の第一のアームの第一の領域と第二の領域では、信号を入力する電極であるRF電極が設けられたドーピング領域の極性が異なることから、第一の領域に入力される駆動信号と第二の領域に入力される駆動信号は逆相とする。同様に、他方の第二のアームの第一の領域と第二の領域では、信号を入力する電極であるRF電極が設けられたドーピング領域の極性が異なることから、第一の領域と第二の領域に入力される信号は逆相とする。すなわち、第一の領域に入力する差動信号に対して、第二の領域に入力する差動信号は逆相とする。
さらに第一の領域のDC電極に加えるDCバイアスは、例えば第一の領域のPドープ領域に差動RF信号を入力した際、常に第一の領域のPN接合が逆バイアスとなるような電圧を加えればよい。また、第二の領域のDC電極に加えるDCバイアスは、例えば第二の領域Nドープ領域に差動RF信号を入力した際、常に第二の領域のPN接合に対して、第一の領域のPN接合と同じDC逆バイアスが印加されるような電圧を加えればよい。
上述のような差動信号とDCバイアスを印加することで、MZMの第一の領域の第一のアームのPN接合に印加されるRF信号によるバイアスの変化と、第二の領域の第一のアームのPN接合に印加されるRF信号によるバイアスの変化は等しくなる。また同様に、MZMの第一の領域の第二のアームのPN接合に印加されるRF信号によるバイアスの変化と、第二の領域の第二のアームのPN接合に印加されるRF信号によるバイアスの変化は等しくなる。
これによって、一対の光導波路アームの屈折率変化部に対して、従来構造と等しいバイアス印加状況を作ることができる。すなわち、上アームのPN接合に印加されるRFバイアスの変化と、下アームのPN接合に印加されるRFバイアスの変化は、従来構造と同様である為、変調が行える。
(本発明の基本構造例)
図8に本発明の基本構造例として、第一の領域と第二の領域をそれぞれ一つずつ備える構造を示す。図8の例では、第一の領域R1において、Nドープ領域を一対の光導波路アームで共通化し、紙面上下方向にPドープ領域-Nドープ領域-Pドープ領域となっており、第二の領域R2では、逆にPドープ領域を共通化し、紙面上下方向にNドープ領域-Pドープ領域-Nドープ領域となっている。また、互いに逆相の上部の2つの信号源S1,S2から出力され、2つの領域R1,R2のRF電極RF1、RF1’、RF2、RF2’に入力される2組の差動信号の極性は逆であるが、信号線のRF電極との接続関係は2つの領域で同じであることも示した。
すなわち、図8の2つの領域R1,R2ともに、光変調器の駆動信号である差動信号の一対の2本の信号線の、光入力側(図8の左側)の信号線は、下側のRF電極RF1’、RF2’に接続され、光出力側(図8の右側)の信号線は、上側のRF電極RF1、RF2に接続されている。
このような構造において、プロセス誤差によるPN接合面オフセットが起きた場合を考える。図9にその場合の第一の領域と第二の領域の断面図を示す。(図9では、例として、図8においてPN接合面が紙面下方向にずれた場合を示す。)
図9から分かるように、本発明の構成を用いることで、第一の領域R1の第一のアームA1の屈折率変化部(図9(a)左)のPドープ領域とNドープ領域の割合は、第二の領域R2の第二のアームA2の屈折率変化部(図9(b)右)のPドープ領域とNドープ領域の割合と等しくなる。また、第一の領域R1の第二のアームA2の屈折率変化部(図9(a)右)のPドープ領域とNドープ領域の割合は、第二の領域R2の第一のアームA1の屈折率変化部(図9(b)左)のPドープ領域とNドープ領域の割合と等しくなる。
図10にその場合の、第一のアームの第一の領域の屈折率変化部の位相変化特性図10(a)、第一のアームの第二の領域の屈折率変化部の位相変化特性図10(b)、第二のアームの第一の領域の屈折率変化部の位相変化特性図10(c)、第二のアームの第二の領域の屈折率変化部の位相変化特性図10(d)をそれぞれ示す。
図10(a)から(d)より、第一の領域の第一のアームと、第二の領域の第二のアームの、PN接合に加わったバイアスに対する位相変化特性は等しく、第一の領域の第二のアームと、第二の領域の第一のアームの、PN接合に加わったバイアスに対する位相変化特性は等しくなることが分かる。
この場合の第一のアームの光の位相変化特性と、第二のアームの光の位相変化特性を図11に示す。第一の領域の第一のアームの屈折率変化部と第二の領域の第一のアームの屈折率変化部を一つずつもつことから、第一のアームは図10(a)と(b)の重ね合わせとなる屈折率変化特性を持つ。また、第二のアームは図10(c)と(d) の重ね合わせとなる屈折率変化特性を持つ。よって図11(a)に示すように、第一のアームの位相変化特性と、図11(b)の第二のアームの位相変化特性は等しくなる。その結果、図12に示すように、PN接合面オフセットに起因する波長チャープ成分を持たない光変調信号を出力する光変調器を実現できる。
上記の基本構成例では、第一の領域の数と第二の領域の数が1つずつの場合について示したが、第一の領域の数と第二の領域の数が等しければ、それぞれ複数あっても同様の効果が得られる。さらに、第一の領域の数と第二の領域の数が等しくなくても、最低一つの第一の領域と第二の領域を備えれば、効果は小さくなるが、従来構造と比べて、波長チャープを低減することができる。
このように本発明によれば、従来構造において問題となったプロセス誤差による第一のアームと第二のアームの位相変化量の差を補償することができ、PN接合面オフセットに起因する波長チャープ成分を完全に持たないか、波長チャープ成分が小さい光変調信号を出力する光変調器を実現できる。
(実施例)
以下に本発明の実施例について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
(実施例1)
図13に、本発明の光変調器の実施例1を示す。図13の例では、MZMは図8の基本構成と同じく第一の領域R1と第二の領域R2を1つずつもつ。第一の領域R1では、Nドープ領域を一対の光導波路アームで共通化し、紙面上下方向にPドープ領域-Nドープ領域-Pドープ領域となっており、第二の領域R2では、Pドープ領域を共通化し、紙面上下方向にNドープ領域-Pドープ領域-Nドープ領域となっており、第一の領域R1は第二の領域R2とは、逆のドーピング極性ということができる。
さらに、第一の領域R1を駆動する非反転差動増幅回路である第一の駆動回路D1と、第二の領域R2を駆動する反転差動増幅回路である第二の駆動回路D2を備え、図13の上に示すように、差動信号入力Vdiffより分岐回路BRAを介してMZMのRF電極RF1、RF1’、RF2、RF2’に対し、同じ接続関係で接続する。
DC電極DC1に加えるDCバイアスは、Pドープ領域に差動RF信号を入力した際、常に第一の領域R1のPN接合が逆バイアスとなるような電圧を加えればよい。また、DC電極DC2に加えるDCバイアスは、Nドープ領域に差動RF信号を入力した際、常に第二の領域R2のPN接合に対して、第一の領域のPN接合と同じDC逆バイアスが印加されるような電圧を加えればよい。
例えば、第一の駆動回路D1からPドープ領域に設けられたRF電極RF1とRF電極RF1’に入力されるRF信号が3Vを中心に1Vから5Vで電圧がスイングする場合には、Nドープ領域に設けられたDC電極DC1に対しては、5V以上の電圧を加えれば良い。すると、常に第一の領域R1の一対の光導波路アームのPN接合に対して、0V以上掛かり、DCでは2V以上の逆バイアスが印加される。
また、第二の駆動回路D2では、Nドープ領域に設けられたRF電極RF2とRF電極RF2’に入力されるRF信号が3V中心で1Vから5Vで電圧がスイングする為、Pドープ領域に設けられたDC電極DC2に対しては、1V以下の電圧を加えれば良い。すると、常に第二の領域R2の一対の光導波路アームのPN接合に対して、常に0V以上掛かり、第一の領域R1のPN接合に対するDCバイアスと等しいDCでは2V以上の逆バイアスが印加される。
上記のような動作をさせると、第一のアームの第一の領域のPN接合に印加されるバイアスの遷移と、第一のアームの第二の領域の逆向きに設置されたPN接合に印加されるバイアスの遷移は等しくなる。また同様に、第二のアームの第一の領域のPN接合に印加されるバイアスの遷移と、第二のアームの第二の領域の逆向きに設置されたPN接合に印加されるバイアスの遷移は等しくなる。そのため、第一の領域に入力する差動信号に対して、第二の領域に入力する差動信号は逆相となり、一対の光導波路アームに対して、従来構造と等しいバイアス印加を行うことができる。さらに、等しい数の第一の領域と第二の領域を設けることにより、一対の光導波路アームの屈折率変化部の特性は等しくなり、本発明の具体的な説明で示した効果を実現する。
また図14の実施例1変形例のように第一の領域R1において、MZM干渉計の内側のNドープ領域を2つに分離し、2つのRF電極RF1,RF1’をNドープ領域に形成し、2つのDC電極DC1、DC1’を外側の2つのPドープ領域に形成し、
第二の領域R2において、内側のPドープ領域を2つに分離し、2つのRF電極RF2,RF2’をPドープ領域に形成し、2つのDC電極DC2,DC2’を外側の2つのNドープ領域に形成しても良い。
(実施例2)
図15に、本発明の光変調器の実施例2を示す。実施例1と同様の光変調器の構成とするが、第一の領域R1と第二の領域R2に接続する駆動回路D1,D2は、ともに反転又は非反転差動増幅回路であり、同相の差動信号を出力するものとする。そして、第一の領域R1と第二の領域R2では、駆動回路D1,D2からの同相の差動信号出力が互いに逆相となって入力されるように、逆の接続関係でRF電極に接続する。
例えば、第一の領域R1では、駆動回路D1のポジ側出力(図15右)を変調器の第一のアームのRF電極RF1に接続し、駆動回路D1のネガ側出力(図15左)を変調器の第二のアームのRF電極RF1’に接続する。
一方で、第二の領域R2では、駆動回路D2のポジ側出力(図15右)を変調器の第二のアームのRF電極RF2’に接続し、駆動回路D2のネガ側出力(図15左)を変調器の第一のアームのRF電極RF2に接続する。
第一の領域R1と第二の領域R2それぞれのDC電極に印加するバイアスは、実施例1と同じ条件とする。上記のような接続と動作をすると、第一のアームの第一の領域のPN接合に印加されるバイアスの遷移と、第一のアームの第二の領域の逆向きに設置されたPN接合に印加されるバイアスの遷移は等しくなる。
また同様に、第二のアームの第一の領域のPN接合に印加されるバイアスの遷移と、第二のアームの第二の領域の逆向きに設置されたPN接合に印加されるバイアスの遷移は等しくなる。そのため、第一の領域に入力する差動信号に対して、第二の領域に入力する差動信号は逆相となり、一対の光導波路アームに対して、従来構造と等しいバイアス印加を行うことができる。さらに、等しい数の第一の領域と第二の領域を設けることで、一対の光導波路アームの屈折率変化部の特性は等しくなることから、本発明の具体的な説明で示した効果を実現する。
また図は省略するが、実施例1の変形例(図14)と同様に、第一の領域において、内側のNドープ領域を2つに分離し、2つのRF電極をNドープ領域に形成し、2つのDC電極を外側の2つのPドープ領域に形成し、
第二の領域において、内側のPドープ領域を2つに分離し、2つのRF電極をPドープ領域に形成し、2つのDC電極を外側の2つのNドープ領域に形成しても良い。
(実施例3)
図16に、本発明の光変調器の実施例3を示す。実施例1の第一の領域R1−1と第二の領域R2−1に加えて、追加の第一の領域R1−2、第二の領域R2−2・・・・R1−N、R2−Nと領域をそれぞれN個に増やし、図13の第二の領域の光出力側に配置する。
ここで、第一の領域と第二の領域の数は必ずしも等しい必要は無く、図とは別に便宜上、第一と第二の領域の合計数をN(偶数に限らず、1以上の自然数でよい)と表現したとき、第一の領域の数はM(N以下の任意の数)個とし、第二の領域の数は(N−M)個ということもできる。
さらに第一の領域と第二の領域は、図では交互に配置したが、交互である必要は無く、任意の順序で配置しても良い。第一の領域と第二の領域は、抽象化して描き、RF電極のみ示したが、実施例1や2と同じ構成である。そして、実施例1のように、第一の領域R1に対しては非反転差動増幅回路である第一の駆動回路D1を、第二の領域R2に対しては反転差動増幅回路である第二の駆動回路D2を備え、図16のようにMZMのRF電極に対し同じ接続関係で接続する。
第一の領域と第二の領域それぞれのDC電極に印加するバイアスは実施例1と同じ条件とする。上記のような接続と動作をすると、第一のアームの第一の領域のPN接合に印加されるバイアスの遷移と、第一のアームの第二の領域の逆向きに設置されたPN接合に印加されるバイアスの遷移は等しくなる。また同様に、第二のアームの第一の領域のPN接合に印加されるバイアスの遷移と、第二のアームの第二の領域の逆向きに設置されたPN接合に印加されるバイアスの遷移は等しくなる。
そのため、第一の領域に入力する差動信号に対して、第二の領域に入力する差動信号は逆相となり、一対の光導波路アームに対して、従来構造と等しいバイアス印加を行うことができる。さらに、N=2Mとなるように第一の領域と第二の領域を設けることで、一対の光導波路アームの屈折率変化部の特性は等しいことから、本発明の具体的な説明で示した効果を実現する。
また、N=2Mでなければ、波長チャープ成分を持つが、いくつかの第一の領域と第二の領域を設けることで、従来構造と比較して出力振幅の波長チャープ成分を低減する効果を持つ。
(実施例4)
実施例4を図17に示す。この実施例4では、各N個の同数の第一の領域R1−1〜R1−Nと第二の領域R2−1〜R2−Nを合計で2N個備える。そして、複数L個(N以下の任意の自然数)の分岐回路BRA−1〜BRA−Lを配置し、それらに対して、L対の異なる差動信号Vdiff−1〜Vdiff−Lを入力する。L個あるそれぞれの分岐回路からは全部で2N対の差動信号が、全体でN個の非反転差動増幅回路である第一の駆動回路D1−1〜D1−Nと、全体でN個の反転差動増幅回路である第二の駆動回路D2−1〜D2−Nに重複無く接続する。
そして、第一の駆動回路D1−1〜D1−Nの差動出力は、第一の領域R1−1〜R1−Nに接続され、逆相の第二の駆動回路D2−1〜D2−Nの差動出力は第二の領域R2−1〜R2−Nに同じ接続関係で接続される。
具体的には例えば、全体でL個の分岐回路を、紙面左からBRA−1・・・BRA−Lとすると、全体で2N個の駆動回路に対して、
分岐回路BRA−1から2分岐して駆動回路D1−1、D2−1に接続し、
分岐回路BRA−2から4分岐して駆動回路D1−2、D2−2、D1−3、D2−3に接続し、
分岐回路BRA−3から8分岐して駆動回路D1−4、D2−4、D1−5、D2−5、D1−6、D2−6、D1−7とD2−7というように順に分岐数を2倍に増やして接続する。
そして、駆動回路D1−1とD2−1の出力には第一の領域R1−1と第二の領域R2−1をそれぞれ接続し、
駆動回路D1−2、D2−2、D1−3、D2−3の出力には、領域R1−2、R2−2、R1−3、R2−3をそれぞれ接続し、
駆動回路D1−4、D2−4・・・D1−7、D2−7の出力には、領域R1−4、R2−4・・・R1−7、R2−7をそれぞれ接続する。
そして第一の領域に接続される駆動回路に対し、第二の領域に接続される駆動回路は逆相の差動信号を出力する駆動回路とする。このような構成とすることで、PN接合面オフセットによるMZM出力電界のチャープを完全に抑制できるとともに、複数の変調信号入力に対して、多値の位相変調量を出力できる光変調モジュールを実現する。
上述の例では第一の領域と第二の領域の数は等しいとしたが、必ずしも等しい必要は無く、それぞれ少なくとも1つ以上の第一の領域と第二の領域をもてば、従来と比較して、PN接合面オフセットに起因する波長チャープ成分の小さい光変調器が実現できる。
このように複数の差動信号を入力する機構を設けることは、複数ビットのバイナリデータを変調器に入力することを可能とする。上述の具体例では、分岐回路BRA−1に入力されるVdiff−1をデジタル変調の2進符号の最下位の重み1のビットに割り当て、分岐回路BRA−2に入力されるVdiff−2をデジタル変調2進符号の下から2番目の重み2のビットに割り当て、以下同様とすればよい。
なお、デジタル変調の符号は2進符号を例としたが、任意の符号を用いることが可能であるのは明らかである。すなわち、先行技術文献3のように、DACを用いることなく、多値変調を可能とした上で、本発明の効果を実施することが出来る。
(実施例5)
実施例5を図18に示す。実施例5は実施例3(図16)の複数の領域を有する構成において、実施例2(図15)と同様に第一、第二の領域に接続する駆動回路をともに非反転差動増幅回路として、駆動回路出力の差動信号線対とRF電極の接続関係を領域で逆にした構成である。
2N個の駆動回路が出力する差動信号のポジ側出力は、2N個の駆動回路それぞれで位相がすべて揃っており、また同様に2N個の駆動回路が出力する差動信号のネガ側出力も、2N個の駆動回路それぞれで位相がすべて揃っている。
第一の領域R1−1〜R1−Nを駆動する駆動回路D1−1〜D1−Nが出力する差動信号のポジ側出力は、第一のアームのRF電極に接続され、ネガ側出力はそれぞれ第二のアームのRF電極に接続されるのに対し、
第二の領域R2−1〜R2−Nを駆動する駆動回路D2−1〜D2−Nが出力する差動信号のネガ側出力は、第一のアームのRF電極に接続され、ポジ側出力はそれぞれ第二のアームのRF電極に接続されるように駆動回路の出力信号線を配置する。
このように接続することで、駆動回路出力の差動信号線対とRF電極の接続関係は第一の領域と第二の領域で反対になっており、互いに逆相で第一の領域と第二の領域を駆動することによって、本発明の効果を実現する構成である。
(実施例6)
実施例6を図19に示す。実施例6は実施例4(図17)の多値変調の場合において、実施例2と同様に駆動回路をすべて非反転差動増幅回路として、駆動回路出力信号線とRF電極の接続関係を領域で変えた構成である。
2N個の駆動回路が出力する差動信号のポジ側出力は、2N個の駆動回路それぞれで位相がすべて揃っており、また同様に2N個の駆動回路が出力する差動信号のネガ側出力も、2N個の駆動回路それぞれで位相がすべて揃っている。
第一の領域を駆動する駆動回路が出力する差動信号のポジ側出力は、第一のアームのRF電極に接続され、ネガ側出力はそれぞれ第二のアームのRF電極に接続されるのに対し、第二の領域を駆動する駆動回路が出力する差動信号のネガ側出力は、第一のアームのRF電極に接続され、ポジ側出力はそれぞれ第二のアームのRF電極に接続されるように駆動回路の出力信号線を配置する。
このように接続することで、駆動回路出力の差動信号線対とRF電極の接続関係は第一の領域と第二の領域で逆になっており、互いに逆相で第一の領域と第二の領域を駆動することによって、実施例4と同様に本発明の効果を実現する構成である。
(実施例7)
実施例7を図20に示す。実施例7は実施例3(図16)の場合において、駆動回路をすべて非反転差動増幅回路として、第二の領域を駆動する駆動回路については、分岐回路よりの入力を交差接続としたものである。駆動回路出力とRF電極の接続はすべての領域で同じにできる。
2N個の駆動回路が出力する差動信号のポジ側出力は、2N個の駆動回路それぞれで位相がすべて揃っており、また同様に2N個の駆動回路が出力する差動信号のネガ側出力は、2N個の駆動回路それぞれで位相はすべて揃っているようにする。
そして、第一の領域に接続する駆動回路に対しては、分岐回路のポジ側出力を駆動回路のポジ側入力に接続し、分岐回路のネガ側出力を駆動回路のネガ側入力に接続する。一方で、第二の領域に接続する駆動回路に対しては、分岐回路のポジ側出力を駆動回路のネガ側入力に接続し、分岐回路のネガ側出力を駆動回路のポジ側入力に接続する。
このように分岐回路出力と駆動回路入力の間の接続の一部を交差接続にして、駆動回路はすべて非反転差動増幅回路として、駆動回路出力とRF電極の接続関係も同じとしながら、第一の領域と第二の領域では、互いに逆相の差動信号で駆動されるように接続することができ、本発明の効果を実現する構成である。
(実施例8)
実施例8を図21に示す。実施例8は実施例4の多値変調の場合において、駆動回路をすべて非反転差動増幅回路として、第二の領域を駆動する駆動回路については、分岐回路からの入力を交差接続としたものである。駆動回路出力とRF電極の接続関係はすべての領域で同じにできる。
2N個の駆動回路が出力する差動信号のポジ側出力は、2N個の駆動回路それぞれで位相がすべて揃っており、また同様に2N個の駆動回路が出力する差動信号のネガ側出力は、2N個の駆動回路それぞれで位相はすべて揃っているものとする。
そして、第一の領域に接続する駆動回路に対しては、分岐回路のポジ側出力を駆動回路のポジ側入力に接続し、分岐回路のネガ側出力を駆動回路のネガ側入力に接続する。
一方で、第二の領域に接続する駆動回路に対しては、分岐回路のポジ側出力を駆動回路のネガ側入力に接続し、分岐回路のネガ側出力を駆動回路のポジ側入力に接続する。
このようにして、第一の領域と第二の領域では、差動信号の逆相が入力されるように接続することで、実施例4と同様に本発明の効果を実現する構成である。
なお図21では、光信号の伝播方向に対して第一、第二の2つの領域は必ずしも同じ順番で交互に並んでいる必要は無いため、この図においては左右の分岐回路の対応する駆動回路と領域の順番は逆に表現されている。
(実施例9)
実施例9を図22に示す。実施例9は実施例3において、全部でN個、すなわち複数M個の第一の領域R1−1〜R1−M、複数(N−M)個の第二の領域R2−1〜R2−N−Mを設けた場合を示す。
各領域において、第一の領域には個数M以下のK1個の第一の駆動回路D1−1〜D1−K1を設け、さらに第二の領域は個数N―M以下のK2個の反転型の第二の駆動回路D2−1〜D2−K2を設ける。
すなわちK1≦M、K2≦N−Mとなるようにする。図22ではK1=K2=1の場合を非反転型駆動回路D1、反転型駆動回路D2として表示している。
駆動回路より個数の多い第一と第二の領域に対しては、駆動回路出力から分岐させて複数の領域のRF電極に同じ接続関係で接続することで、本発明の効果を実現する構成である。
図22では第一の駆動回路D1は非反転差動増幅回路、第二の駆動回路D2は反転差動増幅回路としているが、実施例5(図18)、実施例6(図19)のようにすべて非反転差動増幅回路として、駆動回路出力とRF電極との接続関係を第一と第二の領域で逆とすることもできる。
あるいは、実施例7(図20)、実施例8(図21)のようにすべて非反転差動増幅回路として、分岐回路BRA出力から一方の駆動回路への入力を交差接続とすることもできる。
また前述のように、2つの領域は必ずしも同じ順番で交互に並んでいる必要は無いため、この実施例9においては駆動回路D1,D2に対応する領域R1−1〜R1−M、R2−1〜R2−N−Mは、それぞれまとめて配置されており、これはまた各駆動回路からの信号の分配、分岐のためにも有利な構成である。
以上記載の本発明の構成によれば、プロセス誤差に起因するMZMの出力信号のチャープを抑制し、品質の高い信号を生成可能な光変調器を提供することが可能となる。
A1,A2 アーム
C1,C2 光カプラ
F1,F2 屈折率変化部
PNJ1、PNJ2 PN接合面
D,D1,D2,D1−1〜D1−N,D2−1〜D2−N 駆動回路
Vdiff、Vdiff−1〜Vdiff−L 差動信号入力
RF、RF’、RF1、RF2,RF1’、RF2’ RF電極
DC,DC1、DC2 DC電極
PNJ0 プロセス誤差が無い場合のPN接合面
PNJoffset プロセス誤差によりオフセットしたPN接合面
R1,R2,R1−1〜R1−N、R2−1〜R2−N 領域
S1,S2 変調信号源
BRA、BRA1〜BRA−L 分岐回路

Claims (7)

  1. 基板上に形成された光変調回路と、該光変調回路を1以上の変調電気信号で駆動するK個(Kは1以上の自然数)の駆動回路を備える光変調器であり、
    前記光変調回路は、入力光を分岐する第一の光カプラと、該第一の光カプラに光学的に接続された一対の光導波路アームと、該一対の光導波路アームからの光を合流する第二の光カプラとを備えており、
    前記一対の光導波路アームは、それぞれのアームの光導波路の光伝播方向に形成された接合であって、第1のドーピング極性の領域と第1と逆の第2のドーピング極性の領域を含んで構成された接合を備えるN個(NはK以上の自然数)の領域を備えており、
    前記K個の駆動回路は、前記N個の領域に電気的に接続されており、
    前記N個の領域の内M(Mは1以上N未満の自然数)個の領域は
    一方のアームの光導波路は、他方のアームと反対側が第1のドーピング極性の領域であり、他方のアーム側が第2のドーピング極性の領域であり、
    他方のアームの光導波路は、一方のアームと反対側が第1のドーピング極性の領域であり、一方のアーム側が第2のドーピング極性の領域である第一の領域となっており、
    前記N個の領域の内(N−M)個の領域は
    第一の領域とはドーピング極性が逆である第二の領域となっている、
    ことを特徴とする光変調器。
  2. 前記第一の領域と第二の領域は、光の伝播方向について、各々の領域の全長に対する長さの割合が概ね1/2に設定されていることを特徴とする、
    請求項1に記載の光変調器。
  3. 前記第一の領域では、RF電極を前記第1のドーピング極性の領域に備え、DC電極を前記第2のドーピング極性の領域に備えるのに対し、
    前記第二の領域では、RF電極を前記第2のドーピング極性の領域に備え、DC電極を前記第1のドーピング極性の領域に備える
    請求項1または2に記載の光変調器。
  4. 前記K個の駆動回路は、前記第一の領域に接続され、差動信号を出力する第一の駆動回路と、
    前記第二の領域に接続され、前記第一の駆動回路に対して逆相の差動信号を出力する、第二の駆動回路であり、
    前記第一の駆動回路と第二の駆動回路が出力する差動信号のポジ側出力はすべて一方のアームのRF電極に接続されるのに対し、
    前記第一の駆動回路と第二の駆動回路が出力する差動信号のネガ側出力はすべて他方のアームのRF電極に接続されることを特徴とする、
    請求項3に記載の光変調器。
  5. 前記K個の駆動回路が出力する差動信号のポジ側出力は、前記K個の駆動回路それぞれで位相がすべて揃っており、また同様に前記K個の駆動回路が出力する差動信号のネガ側出力は、前記K個の駆動回路それぞれで位相がすべて揃っており、前記第一の領域のRF電極に接続される駆動回路が出力する差動信号のポジ側出力は一方のアームのRF電極に接続され、ネガ側出力はそれぞれ他方のアームのRF電極に接続されるのに対し、
    前記第二の領域のRF電極に接続される駆動回路が出力する差動信号のネガ側出力は一方のアームのRF電極に接続され、ポジ側出力はそれぞれ他方のアームのRF電極に接続されることを特徴とする、
    請求項3または4に記載の光変調器。
  6. 光変調器に入力される前記変調電気信号はL(LはK以下の自然数)対の差動変調電気信号であって、
    前記L対の差動変調電気信号を1対づつ入力し、全体として前記K個の駆動回路に分岐して出力するL個の分岐回路を備えることを特徴とする、
    請求項1ないし5のいずれかに記載の光変調器。
  7. 前記該分岐回路と前記駆動回路の接続は、第一の領域に接続される駆動回路に対しては、前記分岐回路のポジ側出力が差動駆動回路のポジ入力に接続され、前記分岐回路のネガ側出力を駆動回路のネガ入力に接続されるのに対し、
    第二の領域に接続される駆動回路に対しては、前記分岐回路のネガ側出力が差動駆動回路のポジ入力に接続され、前記分岐回路のポジ側出力を駆動回路のネガ入力に接続されることを特徴とする、
    請求項6に記載の光変調器。
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