JP2017211216A - 原子炉建屋および建屋用構造体 - Google Patents

原子炉建屋および建屋用構造体 Download PDF

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貴仁 熊谷
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Abstract

【課題】飛来物の衝突荷重に起因する振動を制振することができ、耐震性に優れた原子炉建屋および建屋用構造体を提供する。【解決手段】原子炉建屋は、建屋の外壁1aと、外壁1aの内部に設けられた収容部2と、収容部2に運動可能に収容された粉粒物3と、収容部2を仕切り、収容部2内における粉粒物の沈下を防ぐ仕切り部4と、を備えた構成とした。【選択図】図3

Description

本発明は、原子炉建屋および建屋用構造体に関するものである。
原子力発電プラントにおいて原子炉建屋を建設する場合、特定の国や地域によっては原子炉建屋への航空機等の飛来物の衝突を想定しなければならないことがある。飛来物の規模や衝突速度によっては、飛来物が衝突する際に生じる衝突荷重に起因して振動が生じる。振動は、原子炉建屋内部に収容されている機器に伝搬し、機能維持に影響を及ぼす可能性がある。
従来、原子炉建屋として特許文献1に開示されたものが知られている。この原子炉建屋は、原子炉格納容器を覆う所定構造の外壁を備えている。外壁には、飛来物を受け止め可能な衝撃緩衝装置が設けられている。衝撃緩衝装置は、分割されたパネル状を呈しており、外壁に一定の間隔を置いて取り付けられている。
この原子炉建屋では、飛来物として万が一航空機が衝突した場合でも、外壁の衝撃緩衝装置が航空機を受け止める。これにより、飛来物の衝突に伴う外壁の損傷や振動による直接的な影響を回避することができる。
特開平4−98197号公報
前記した特許文献1の原子炉建屋では、飛来物の衝突荷重に起因する振動の制振を衝撃緩衝装置によって行うことが可能である。しかしながら、特許文献1の原子炉建屋は、剛性の小さい緩衝材が地震時に大きく振動してしまうおそれがあり、耐震性に難点がある。
そこで本発明は、飛来物の衝突荷重に起因する振動を制振することができ、耐震性に優れた原子炉建屋および建屋用構造体を提供することにある。
本発明の原子炉建屋は、建屋の外壁と、前記外壁の内部に設けられた収容部と、前記収容部に運動可能に収容された粉粒物と、前記収容部を仕切り、前記収容部内における粉粒物の沈下を防ぐ仕切り部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の建屋用構造体は、建屋の外壁に取り付けられる構造体本体と、前記構造体の内部に設けられた収容部と、前記収容部に運動可能に収容された粉粒物と、前記収容部を仕切り、前記収容部内における粉粒物の沈下を防ぐ仕切り部と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、飛来物の衝突荷重に起因する振動を制振することができ、耐震性に優れた原子炉建屋および建屋用構造体が得られる。
本発明の第1実施形態に係る原子炉建屋の全体の構造を断面で示した概略図である。 図1のA−A線に沿う模式断面図である。 外壁を拡大して示した模式断面図である。 仕切り部の変形例を示す模式断面図である。 仕切り部の変形例を示す模式断面図である。 本発明の第2実施形態に係る原子炉建屋の縦壁を示す模式断面図である。 図6のB−B線に沿う模式断面図である。 図6のC−C線に沿う模式断面図である。 本発明の第3実施形態に係る原子炉建屋の縦壁を示す模式断面図である。 図9のD−D線に沿う模式断面図である。 本発明の第4実施形態に係る原子炉建屋の縦壁を示す模式断面図である。 本発明の第5実施形態に係る原子炉建屋の縦壁を示す模式側面図である。 同じく原子炉建屋の縦壁を示す模式断面図である。 カム部材の作用を示す模式平面図である。 カム部材の作用を示す模式平面図である。 本発明の第6実施形態に係る原子炉建屋に用いられる建屋用構造体を示す図であり、(a)は原子炉建屋の全体の構造を断面で示した概略図、(b)(c)は取り付けの様子を示す模式断面図、(d)はその他の建屋用構造体を示す模式断面図である。 (a)〜(c)は変形例の仕切り部を示す模式断面図である。 (a)(b)はその他の変形例を示す模式断面図である。
以下、本発明に係る原子炉建屋の実施形態について図面を参照して説明する。各実施形態において、同様の部分には同一の符号を付し重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1に示すように、原子炉建屋1は、内部に図示しない原子炉格納容器を収容している。原子炉建屋1は、例えば、鉄筋コンクリート等により構築されており、外壁1aを有している。外壁1aの内部には、制振構造として、収容部2と、収容部2に運動可能に収容された粉粒物(粒状物)3と、収容部2を仕切る仕切り部としての仕切板4と、を備えている。また、屋根1cの内部には、収容部5が形成されている。
図1,図2に示すように、収容部2は所定の容積を有しており、例えば、二枚の仕切板4a,4bで上下方向に3つの部屋2a〜2cに仕切られている。各部屋2a〜2cは、略同じ容積を備えている。なお、各部屋2a〜2cは、相互に容積を異ならせてもよく、任意に容積を設定することができる。各部屋2a〜2cのそれぞれには粉粒物3が収容されている。
粉粒物3は鋼鉄製であり、球状を呈している。粉粒物3は、複数種類の異なる直径を備えている。複数種類の粉粒物3は、各部屋2a〜2c内においてランダムに収容されている。このように複数種類の異なる直径の粉粒物3がランダムに収容されていることにより、各部屋2a〜2c内において各粉粒物3は、運動可能となっている。つまり、粉粒物3は、運動可能な空間を有して収容されている。具体的に、図3に示すように、外壁1aの外面1a1側から白抜き矢印方向に衝撃力を受けた場合に、粉粒物3は、並進方向や回転方向等、種々の自由な方向に運動可能となっている。
なお、粉粒物3は、鋼鉄製のものに限られることはなく、砕石を採用してもよい。また、粉粒物3は、中実状のものに限られることはなく、中空状のものであってもよい。さらに、粉粒物3の外形状は、球状のものに限られることはなく、楕円状や多角形状、さらには、星形状、テトラポット形状等、種々の形状のものを採用し得る。
仕切板4aは、部屋2aと部屋2bとを仕切っている。仕切板4bは、部屋2bと部屋2cとを仕切っている。各仕切板4a,4bは、地震によって各部屋2a〜2cの粉粒物3が沈下して粉粒物3の分布に疎密が生じるのを防止する役割をなす。つまり、収容部2を仕切板4a,4bで分割して部屋2a〜2cとすることにより、外壁1a内の上下方向の全体に亘って粉粒物3が運動可能となるように構成している。
屋根1cの収容部5にも複数種類の異なる直径の粉粒物3がランダムに収容されている。なお、収容部5は、高さ方向の寸法が比較的小さいため、前記した仕切板4a等を配置していないが、必要に応じて配置してもよい。また、図示しない縦型の仕切板を用いて収容部5を長手方向に複数の部屋に分割し、長手方向の粉粒物3の疎密化対策を図ってもよい。
次に、外壁1aに航空機等の飛来物が衝突した場合の作用について説明する。図3の白抜き矢印方向から図示しない飛来物が衝突して衝撃荷重が前壁1a2に加わると、前壁1a2が後壁1b2方向に面外変形し、衝撃力が各部屋2a〜2cに入力される。各部屋2a〜2cに入力された衝撃力は、粉粒物3の並進運動(直進運動等)や回転運動の摩擦(バラスト効果)、あるいは粉粒物3同士の衝突によって分散する。これにより、振動が原子炉建屋1の内部(後壁1b2側)に伝搬することが抑制される。特に、粉粒物3は、複数種類の異なる直径を備えているので、衝撃力を受けて回転運動し易くなっている。これにより、振動の伝搬が好適に抑制される。
以上説明した本実施形態の原子炉建屋1によれば、粉粒物3によるバラスト効果や粉粒物3同士による衝突で、飛来物の衝突の際に生じる振動成分を制振することができる。また、高周波振動成分も制振することが可能である。これにより、原子炉建屋1内に備わる比較的固有振動数の高い電子機器等との共振を避けることができ、電子機器等の機能維持を図ることができる。
また、外壁1aは、収容部2に粉粒物3が収容され、壁として一体となっているので、強度が向上し耐震性が向上している。また、地震時には、粉粒物3同士で摩擦が生じ、制振効果も期待できる。
図4,図5は仕切り部の変形例を示す図である。図4に示す仕切り部は、外壁1aの前壁1a2と後壁1b2に、収容室2内に向けてそれぞれ延在する支持部6a,6bを設けたものである。支持部6a,6bは、前後方向に間隔S1を開けて対向している。仕切板4a1は、支持部6a,6b間に亘って載置されている。
このように、支持部6a,6bを間隔S1を開けて対向配置することにより、前壁1a2の面外変形が抑制され難くなり、粉粒物3に衝撃力を好適に伝達することができる。
図5に示す仕切り部は、支持部6a,6bを上下方向に部分的にオーバーラップさせて配置したものであり、図4に示した仕切板4a1を排除したものである。
このように構成することによっても、前壁1a2の面外変形が抑制され難くなり、粉粒物3に衝撃力を好適に伝達することができる。
(第2実施形態)
図6〜図8を参照して第2実施形態の原子炉建屋について説明する。図6は本発明の第2実施形態に係る原子炉建屋の縦壁を示す模式断面図、図7は図6のB−B線に沿う模式断面図、図8は図6のC−C線に沿う模式断面図である。本実施形態が前記第1実施形態と異なるところは、収容部2の各部屋2a〜2cごとにスリット状の開口部7a〜7c,8a〜8cが設けられている点にある。なお、図7,図8では粉粒物3を省略している。
図6に示すように、開口部7a〜7cは前壁1a2に設けられている(図7参照)。開口部7aは、収容部2の部屋2aの下部空間に連通している。開口部7bは、部屋2bの下部空間に連通している。開口部7cは、部屋2cの下部空間に連通している。開口部7a〜7cは、図7に示すように、各部屋2a〜2cの長手方向に亘って形成されている。
図6に示すように、開口部8a〜8cは、後壁1b2に設けられている(図8参照)。開口部8aは、収容部2の部屋2aの上部空間に連通している。開口部8bは、部屋2bの上部空間に連通している。開口部8cは、部屋2cの上部空間に連通している。開口部8a〜8cは、図8に示すように、各部屋2a〜2cの長手方向に亘って形成されている。
各部屋2a〜2cには、開口部7a〜7c,8a〜8cを通じて粉粒物3をかき混ぜるための図示しない棒状部材を挿入することができる。棒状部材は、例えば、鋼材で形成されており、粉粒物3をかき混ぜることが可能な強度を備えている。
なお、各部屋2a〜2cに収容される粉粒物3の直径は、各開口部7a〜7c,8a〜8cの高さ寸法よりも大きくなるように設定されている。これにより、各開口部7a〜7c,8a〜8cを通じた粉粒物3の脱落が防止されている。
以上のような原子炉建屋1では、メンテナンス時等、定期的に、各開口部7a〜7c,8a〜8cから棒状部材を挿入し、各部屋2a〜2cの粉粒物3をかき混ぜる。そうすると、各部屋2a〜2c内において、上下に粉粒物3が入れ替わり粉粒物3の沈下が抑制されるとともに、衝撃吸収のための適切な空間がそれぞれ形成される。
第2実施形態の原子炉建屋1においても、粉粒物3によるバラスト効果や粉粒物3同士による衝突で、飛来物の衝突の際に生じる振動成分を制振することができる。しかも、定期的に棒状部材で各部屋2a〜2cの粉粒物3をかき混ぜることができるので、制振効果を長期間にわたって維持することができる。
なお、開口部7a〜7c,8a〜8cの形成位置は適宜設定することができる。また、開口部7a〜7c,8a〜8cに加えて他の開口部を設けてもよい。
(第3実施形態)
図9,図10を参照して第3実施形態の原子炉建屋について説明する。図9は本発明の第3実施形態に係る原子炉建屋の縦壁を示す模式断面図、図10は図9のD−D線に沿う模式断面図である。本実施形態では、外壁1aの前壁1a2の内面に矩形状の突起部9a〜9cを一体的に設けている。
突起部9aは、収容部2の部屋2a内に突出している。突起部9bは、部屋2b内に突出している。突起部9cは、部屋2c内に突出している。
このような外壁1aに対して、図9の白抜き矢印方向から図示しない飛来物が衝突して衝撃荷重が前壁1a2に加わると、前壁1a2が後壁1b2方向に面外変形し、前壁1a2の内面および突起部9a〜9cを通じて衝撃力が各部屋2a〜2cに入力される。各部屋2a〜2cに入力された衝撃力は、粉粒物3の並進運動(直進運動等)や回転運動の摩擦(バラスト効果)、あるいは粉粒物3同士の衝突によって分散する。この場合、突起部9a〜9cは、粉粒物3の回転運動をさらに促進させ、衝撃荷重を好適に分散する。これにより、振動が原子炉建屋1の内部(後壁1b2側)に伝搬することがより一層抑制される。
第3実施形態の原子炉建屋1によれば、粉粒物3によるバラスト効果がより向上するので、飛来物の衝突の際に生じる振動成分をより一層好適に制振することができる。
(第4実施形態)
図11を参照して第4実施形態の原子炉建屋について説明する。図11は本発明の第4実施形態に係る原子炉建屋の縦壁を示す模式断面図である。本実施形態は、前記第3実施形態の変形例であり、外壁1aの前壁1a2の内面に台形状の突起部10a〜10cを一体的に設けている。
突起部10aは、収容部2の部屋2a内に突出している。突起部10bは、部屋2b内に突出している。突起部10cは、部屋2c内に突出している。
本実施形態では、突起部10a〜10cが台形状とされているので、粉粒物3の層への挿入性がさらに高まり、粉粒物3の回転運動をさらに促進させて衝撃荷重を好適に分散することができる。これにより、振動が原子炉建屋1の内部(後壁1b2側)に伝搬することがより一層抑制される。
第4実施形態の原子炉建屋1によれば、粉粒物3によるバラスト効果がより向上するので、飛来物の衝突の際に生じる振動成分をより一層好適に制振することができる。
なお、突起部10a〜10cは、断面三角形状等のくさび形であっても同様の作用効果が得られる。
(第5実施形態)
図12〜図15を参照して第5実施形態の原子炉建屋について説明する。図12は本発明の第5実施形態に係る原子炉建屋の縦壁を示す模式側面図、図13は同じく原子炉建屋の縦壁を示す模式断面図である。図14はカム部材の作用を示す模式平面図、図15はカム部材の作用を示す模式平面図である。本実施形態が前記第1〜第4実施形態と異なるところは、収容部2の容積を変化させる容積可変機構を備えている点にある。
前壁20は、図12,図13に示すように、外壁1aと別体に形成されており、外壁1aの後壁1b2に対向して外壁1aの前面側に位置し、収容部2の容積を変更可能に移動可能となっている。後壁1b2と前壁20との間には、仕切板4a,4bによって仕切られた部屋2a〜2cが設けられている。前壁20の内面には、矩形状の突起部9a〜9cが一体的に設けられている。前壁20は、容積可変機構の一部を構成している。
前壁20の前面側には、図13に示すように、容積可変機構として、軸部材21と、軸部材21に固定されたカム部材22と、が備わる。軸部材21は、図12に示すように、前壁20の周縁部に沿って井桁状に配置されている。各軸部材21は、図示しない駆動機構によって同時に軸方向に回動されるように構成されている。
カム部材22は、図14に示すように、平面視で楕円形状を呈しており、長径L1と短径L2とを備えている。カム部材22はカム面22aを備えている。カム面22aは、前壁20の前面20aに当接している。カム部材22の長径L1の延長上でカム面22aが前壁20の前面20aに当接している状態では、カム部材22に押されて前壁20が後壁1b2側に近づいている。また、図15に示すように、カム部材22の短径L2の延長上でカム面22aが前壁20の前面20aに当接している状態では、前記した長径L1の延長上でカム面22aが当接している場合に比べて、前壁20が後壁1b2側から離れている。つまり、前壁20の前面20aに対するカム面22aの当接位置によって、収容部2(各部屋2a〜2c)の容積が変化するように構成されている。長径L1の延長上でカム面22aが当接している場合には、容積が小さくなり、短径L2の延長上でカム面22aが前壁20の前面20aに当接している場合には、前記に比べて容積が大きくなる。
通常時には、図14に示すように、長径L1の延長上でカム面22aが前壁20の前面20aに当接する位置に設定される。また、飛来物が衝突する可能性のある緊急時には、図13に示すように、短径L2の延長上でカム面22aが前壁20の前面20aに当接する位置に設定される。
図示しない駆動機構は、図13に示すように、制御装置30の制御によって駆動される。制御装置30は、制御装置30は、原子炉建屋1や他の場所に設けられている。制御装置30は、入力部31と、制御部32と、を備えている。入力部31には、管制塔等から送られてくる飛来物衝突予測情報や、原子力発電プラントに設置された図示しないレーダーシステム等から送られてくる飛来物衝突予測情報が入力される。制御部32は、入力部31に入力された飛来物衝突予測情報に基づいて、駆動機構を作動制御する。具体的に、制御部32は、入力部31に入力された飛来物衝突予測情報に基づいて、駆動機構を作動させ、各軸部材21を回動させる。これにより、長径L1の延長上でカム面22aが前壁20の前面20aに当接する位置から短径L2の延長上でカム面22aが前壁20の前面20aに当接する位置にカム部材22が回動する。
次に第5実施形態の作用について説明する。通常時、カム部材22は長径L1の延長上でカム面22aが前壁20の前面20aに当接する位置にあり、収容部2には、比較的容積が小さい状態にて粉粒物3が収容されている。したがって、粉粒物3は、運動が規制された状態で収容されている。したがって、収容部2が外壁1aと一体となり、強度が向上して耐震性が向上している。また、地震時には、粉粒物3同士で摩擦が生じ、制振効果も期待できる。
一方、飛来物衝突予測情報が制御装置30の入力部31に入力された場合には、入力部31に入力された情報に基づいて、制御部32が駆動機構を作動制御する。そうすると、各軸部材21が回動し、カム部材22が短径L2の延長上でカム面22aが前壁20の前面20aに当接する位置に回動する。つまり、前壁20は、粉粒物3の運動を規制する第一の位置(図14参照)から、粉粒物3の運動を許容する第二の位置(図15参照)に移動する。これにより、収容部2の容積が大きくなる。収容部2の容積が大きくなると、収容部2内において粉粒物3の周囲に空間部が形成される。このように、粉粒物3の運動が許容される状態となって飛来物の衝突に備える。
その後、飛来物が衝突して衝撃荷重が前壁20に加わると、前壁20が後壁1b2方向に面外変形し、衝撃力が各部屋2a〜2cに入力される。各部屋2a〜2cに入力された衝撃力は、粉粒物3の並進運動(直進運動等)や回転運動の摩擦(バラスト効果)、あるいは粉粒物3同士の衝突によって分散する。これにより、振動が原子炉建屋1の内部(後壁1b2側)に伝搬することが抑制される。
以上説明した第5実施形態の原子炉建屋1によれば、容積可変機構により、粉粒物3の運動を規制する状態にすることができるので、収容部2が外壁1aと一体となり、強度が向上して耐震性が向上する。また、地震時には、粉粒物3同士で摩擦が生じ、制振効果も期待できる。したがって、耐震性に優れた原子炉建屋1が得られる。
また、粉粒物3の運動を許容する状態にすることができるので、粉粒物3によるバラスト効果や粉粒物3同士による衝突で、飛来物の衝突の際に生じる振動成分を好適に制振することができる。また、高周波振動成分も制振することが可能である。これにより、原子炉建屋1内に備わる比較的固有振動数の高い電子機器等との共振を避けることができ、電子機器等の機能維持を図ることができる。
(第6実施形態)
図16を参照して第6実施形態の原子炉建屋に適用される建屋用構造体について説明する。図16の(a)は原子炉建屋の全体の構造を断面で示した概略図、(b)(c)は取り付けの様子を示す模式断面図、(d)はその他の建屋用構造体を示す模式断面図である。本実施形態が前記第1〜第5実施形態と異なるところは、原子炉建屋に取り付けることができる構造体としての建屋用構造体に、制振構造を設けた点にある。
図16(a)に示すように、建屋用構造体50は、原子炉建屋1の外壁1aと別体に構成されており、外壁1aに対して取り付けることが可能である。
建屋用構造体50は、前壁51と上壁52と下壁53とからなる構造体本体内に、収容部2が形成され、仕切板4a,4bで仕切られた各部屋2a,2b,2cに粉粒物3が収容されている。建屋用構造体50は、一つのユニットとして原子炉建屋1に取り付けることができる。
原子炉建屋1に対する建屋用構造体50の構築は、例えば、図16(b)に示すように、前壁51と上壁52と下壁53とからなる構造体本体を先に外壁1a等に取り付ける。その後、図16(c)に示すように、透孔2hを通じて各部屋2a〜2cに粉粒物3を充填する。これにより、建屋用構造体50を原子炉建屋1に簡単に構築することができる。
また、図16(d)に示すように、予め粉粒物3が収容された建屋用構造体60を用いて、これを原子炉建屋1に取り付けるようにしてもよい。建屋用構造体60は、前壁61と後壁62と上壁63と下壁64とから囲まれる収容部2(部屋2a,2b,2c)を備えている。
本実施形態によれば、建屋用構造体50,60を原子炉建屋1に取り付けることで、原子炉建屋1に制振構造を構築することができる。したがって、原子炉建屋1の制振構造化が簡単である。また、既存の原子炉建屋1に対してもユニット化された建屋用構造体50,60を取り付けることで、制振構造を構築することができる。
建屋用構造体50,60は、大きさの異なるものを複数種類用意することで、原子炉建屋1に対応した耐衝撃構造を構築することができる。また、建屋用構造体50は、後付けすることができるので、少なくとも原子炉の稼働開始時に間に合う工程で原子炉建屋1に取り付ければよく、工期の短縮を図ることも可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に変更が可能である。
例えば、図17(a)に示すように、仕切板4aの上面に突部41を設けてもよい。突部41は半球状を呈している。このような突部41を設けることによって、衝撃力の入力時に、粉粒物3が例えば突部41を乗り越えるようにして運動する。したがって、粉粒物3の運動が促進され、制振効果が高まる。
また、図17(b)に示すように、仕切板4aの上面に突部41を設けることで、同一形状の粉粒物3を収容した場合にも、粉粒物3が自然にランダムな配置される。したがって、異なる種類の粉粒物3を収容した場合と同様の作用効果が得られる。
また、図17(c)に示すように、仕切板4aの上面に突部41を設けた場合には、突部41の半径R2を粉粒物3の半径R1よりも小さく設定するのがよい。このように設定することによって、粉粒物3が突部41を乗り越えやすくなり、特に乗り越える際の回転運動の促進(バラスト効果の向上)が期待される。
また、図18(a)に示すように、仕切板4a〜4cを傾斜させて配置してもよい。また、図18(b)に示すように、仕切板4a1,4a2同士、仕切板4b1,4b2同士、仕切板4c1,4c2同士をそれぞれオーバーラップさせて配置してもよい。
これらのように傾斜させることによって、粉粒物3の沈下抑制を図ることが可能である。
また、前記各実施形態において、粉粒物3は合成樹脂製のものを採用してもよい。また、合成樹脂製のものと鋼鉄製のものとを混合して用いてもよい。また、粉粒物3の一部に浮力をもたせ、収容部2内に充填した水で浮力のある粉粒物3を浮かすことで、収容部2内の粉粒物3をかき混ぜるようにしてもよい。
また、例えば、前記した各実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 原子炉建屋
1a 外壁
2 収容部
3 粉粒物
4 仕切板(仕切り部)
9a〜9c 突起部
10a〜10c 突起部
20 前壁(容積可変機構)
21 軸部材(容積可変機構)
22 カム部材(容積可変機構)
41 突部
50 建屋用構造体

Claims (5)

  1. 建屋の外壁と、
    前記外壁の内部に設けられた収容部と、
    前記収容部に運動可能に収容された粉粒物と、
    前記収容部を仕切り、前記収容部内における粉粒物の沈下を防ぐ仕切り部と、を備えたことを特徴とする原子炉建屋。
  2. 前記収容部の内側面には、前記収容部の内側に向けて突出する突起部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の原子炉建屋。
  3. 前記仕切り部の内側面には、前記収容部の内側に向けて突出する突部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の原子炉建屋。
  4. 建屋の外壁と、
    前記外壁の内部に設けられた収容部と、
    前記収容部に収容された粉粒物と、
    前記収容部を仕切り、前記収容部内における粉粒物の沈下を防ぐ仕切り部と、
    前記収容部の少なくとも一つの内側面の位置を変化させることによって前記収容部の容積を変化させる容積可変機構と、を備えており、
    前記容積可変機構は、前記粉粒物の運動を規制する第一の位置と、前記粉粒物の運動を許容する第二の位置と、に前記内側面の位置を変化させることを特徴とする原子炉建屋。
  5. 建屋の外壁に取り付けられる構造体本体と、
    前記構造体本体の内部に設けられた収容部と、
    前記収容部に運動可能に収容された粉粒物と、
    前記収容部を仕切り、前記収容部内における粉粒物の沈下を防ぐ仕切り部と、を備えたことを特徴とする建屋用構造体。
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