JP6530955B2 - 爆発エネルギー吸収機構 - Google Patents
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Description
これにより、第1エネルギー吸収手段だけではなく、第2エネルギー吸収手段も変形によって爆発エネルギーを吸収することができる。
したがって、構造部材や周囲の建物に与える損傷を抑制する効果を高めることができる。
を備えている。
これにより、第1エネルギー吸収手段だけではなく、回転摩擦ダンパーも変形によって爆発エネルギーを吸収することができる。
また、第2板体の一端が構造部材に対して移動可能とされているので、第2板体と構造部材との間から爆発エネルギーの一部が外部へ放出される。
したがって、構造部材や周囲の建物に与える損傷を抑制する効果を高めることができる。
以下、図面を参照しながら、第1実施形態の外壁の爆発エネルギー吸収機構について説明する。
図1(a)、(b)に示されるように、本実施形態の爆発エネルギー吸収機構は、一例として、構造部材としての柱21、梁22、床版23で地盤90の上に構築された建物10に適用される。
柱21、梁22、床版23は、それぞれ鉄筋コンクリート造とされている。
壁体31は、グリッド状に配置したコンクリート製の矩形状のブロック31aの端面同士を、接着剤によって板状のゴム31bで連結して構成されている。
壁体31は、柱21と梁22、及び床版23に囲まれた垂直構面Vに配置され、接着剤が塗布された連結ゴム31cで柱21と梁22、及び床版23に固定されている。
なお、連結ゴム31cは本発明における第1エネルギー吸収手段の一例であり、ゴム31bは、本発明における第2エネルギー吸収手段の一例である。ゴム31b及び連結ゴム31cは、概ね−10℃〜40℃の環境下において、粘弾性(物体に外力を与えると時間経過に伴って変形し、外力を除くと元に近い形状に戻る性質)を備えた高減衰ゴムであり、外力を与えると、せん断変形によって付与されたエネルギーを吸収することができる。
天井体32は、グリッド状に配置したコンクリート製の矩形状のブロック31aの端面同士を、接着剤によってゴム31bで連結して構成されている。
天井体32は、梁22に囲まれた水平構面Hに配置され、連結ゴム31cで梁22に固定されている。
さらに、天井体32の下部には、梁22に亘って小梁25が架け渡されており、天井体32の撓みを抑制している。
床版23の上には、ガス供給設備11が載置されている。
ガス供給設備11は、本実施形態においては、圧縮水素を貯蔵するタンクである。なお、ガス供給設備とは、爆発(爆轟や爆燃)する可能性のあるガスが内在するタンク、配管、バルブ及び容器並びにこれらを2つ以上組み合わせたものを含む。
第1実施形態の爆発エネルギー吸収機構は、上述したように構成されており、以下その作用について説明する。
このとき、爆圧を壁体31と天井体32が受けると、ブロック31aが圧力のかかる方向に移動して、ゴム31b及び連結ゴム31cがせん断変形する。ゴム31b及び連結ゴム31cには、せん断変形を開始した直後からせん断抵抗が生じるので、ゴム31b及び連結ゴム31cは、爆圧を受けた直後から爆発エネルギーを吸収することができる。
また、複数のブロック31aの端面がそれぞれゴム31b及び連結ゴム31cによって連結されているので、複数箇所で爆発エネルギーを吸収することができる。
さらに、爆圧の高い場所ほどブロック31aの移動量が大きくなるので、壁体31、天井体32は、爆心を中心として、ドーム状に変形する。このため、爆発エネルギーを効率的に吸収することができる。また、ゴム31b及び連結ゴム31cは、エネルギー吸収後、逆方向に弾性変形して元に近い形状に戻るので、復旧作業が容易である。なお、弾性変形によって元の形状に戻らず使用上問題がある場合は、適宜ジャッキなどを用いて元の形状に戻せばよい。
以下、図面を参照しながら、第2実施形態の外壁の爆発エネルギー吸収機構について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
図3(a)に示すように、壁体33は、コンクリート製の壁パネル33aと壁パネル33bとを、後述する回転摩擦ダンパー40aで連結して構成されている。
壁体33は、柱21と梁22、及び床版23に囲まれた垂直構面Vに配置され、壁パネル33aの上端部は、回転摩擦ダンパー40cで梁22に連結されている。さらに、壁パネル33bの下端部は、後述するローラー支承50aで床版23に連結されている。
天井体34は、コンクリート製の天井パネル34aと天井パネル34bとを、回転摩擦ダンパー40bで連結して構成されている。
天井体34は、梁22に囲まれた水平構面Hに配置され、天井パネル34aの端部(図3(a)では左側の端部)は、回転摩擦ダンパー40cで梁22に連結されている。さらに、天井パネル34bの端部(図3(a)では右側の端部)は、後述するローラー支承50bで梁22に連結されている。
さらに、天井体34の下部には、梁22に亘って小梁25が架け渡されており、回転摩擦ダンパー40が天井体34の自重によって回転し、天井体34が建物10の内部に折れ曲がることを抑制している。
図4(a)、(b)に示すように、回転摩擦ダンパー40aは、一対のベースプレート41と、一対のベースプレート41からそれぞれ延出した複数のリンクプレート42と、リンクプレート42の間に挟まれて配置された摩擦体43と、を含んで構成される。
リンクプレート42、摩擦体43には貫通孔が形成され、それぞれの貫通孔にボルト44を通し、ナット45によって締結することで、回転摩擦ダンパー40が構成されている。
回転摩擦ダンパー40は、ベースプレート41と取付け対象とを、ボルト46によって締結することにより、取付け対象に固定される。
図3(a)に示すように、本実施形態においては、ベースプレート41は、取付け対象としての壁パネル33aの下端部と壁パネル33bの上端部にそれぞれ固定されている。
なお、回転摩擦ダンパー40c、40dは、本発明における第1エネルギー吸収手段の一例である。
また、以降の説明では、回転摩擦ダンパー40a、40b、40c、40dを総称して回転摩擦ダンパー40と称することがある。
また、ボルト44の締付け力を調整することで、リンクプレート42と摩擦体43との間の摩擦力を調整することができる。
図5(a)、(b)に示すように、ローラー支承50aは、床版23と、壁パネル33bの下端部に連結されている。
床版23には、ボルト57でベースプレート51が固定されている。ベースプレート51には、長穴55が形成された2枚のリンクプレート52が取り付けられている。リンクプレート52に挟まれた位置には、ローラー56が回転可能に支持されたリンクプレート54が配置されている。リンクプレート54は、壁パネル33bの下端部にボルト57で固定されたベースプレート53に取付けられている。
ローラー56は、長穴55の長軸方向に沿って移動可能とされ、長軸方向と直交する方向には移動が制限されている。また、壁パネル33bは、ローラー56を軸に回転可能とされている。
また、以降の説明では、ローラー支承50a、50bを総称してローラー支承50と称することがある。
第2実施形態の爆発エネルギー吸収機構は、上述したように構成されており、以下その作用について説明する。
このとき、壁パネル33aが、壁パネル33aの上端部に固定された回転摩擦ダンパー40cのボルト44を中心に回転し、壁パネル33bの下端部が、ローラー支承50aの長穴55の長軸方向に沿って移動する。また、壁パネル33aと壁パネル33bが、連結部の回転摩擦ダンパー40aを中心にして相対的に回転することで、壁体33が折れ曲がるようにして変形する。
したがって、構造部材や周囲の建物に与える損傷を抑制する効果を高めることができる。
このとき、天井パネル34aが、天井パネル34aの端部(図3(b)では左側の端部)に固定された回転摩擦ダンパー40dのボルト44を中心に回転し、天井パネル34bの端部(図3(b)では右側の端部)がローラー支承50bの長穴55の長軸方向に沿って移動する。また、天井パネル34aと天井パネル34bが、連結部の回転摩擦ダンパー40bを中心にして相対的に回転することで、天井体34が折れ曲がるようにして変形する。
また、天井体34によって塞がれていた水平構面Hに隙間が生じるので、図3(b)に矢印で示したように、爆発エネルギーの一部が、天井体34と水平構面Hの間から建物10の外部に放出される。
したがって、構造部材や周囲の建物に与える損傷を抑制する効果を高めることができる。
あるいは、より大きな爆発エネルギーを吸収する場合は、爆発前まではボルト44に高い締付け力を与えておき、爆圧をうけて移動した後に、ボルト44の締付け力を緩めて壁体33、及び天井体34を元の位置に戻してもよい。
本発明の実施形態は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
元の形に戻らない粘性素材または低降伏点鋼などの鋼製部材を使用すれば、壁体31、天井体32の爆発後の形状を分析することにより、爆心位置の特定や爆発特性を分析する手がかりとすることができる。
これにより、壁体31の表面にゴム31bが露出しないので、ゴム31bの劣化を抑えることができる。また、仕上げが容易になる。
このような構成によっても、爆発時、壁体35は図6に破線で示したように移動するので、回転摩擦ダンパー40cが爆発エネルギーを吸収し、また垂直構面Vと壁体の間の隙間から、爆発エネルギーの一部を建物10の外部に放出することができる。
このとき、自重で元の位置に戻る壁体35をそれぞれ受け止めるストッパ60を設けておけば、壁体35が建物10の内側に入ることを抑制できる。
このような構成によっても、ガスが爆発した際に、天井体36は図6に破線で示したように移動するので、回転摩擦ダンパー40dが爆発エネルギーを吸収し、また水平構面Hと天井体36の間の隙間から、爆発エネルギーの一部を建物10の外部に放出することができる。
同様に、水平構面Hを例えば3枚以上の天井パネルで塞ぎ、それぞれの壁パネルを回転摩擦ダンパー40で連結するものとしてもよい。
このようにすれば、爆発エネルギーを吸収できる箇所を増やすことができるので、爆発エネルギーを吸収する効果を更に高めることができる。
この場合、ガスが爆発した際の爆圧を受けた庇37が移動して回転摩擦ダンパー40を回転させ、爆発エネルギーを吸収することができる。
このとき、庇37の端部を、壁体24に接合された張弦材70に接合させて支持することで、庇37が自重によって垂れることを抑制できる。
これにより、例えば公共性の高い場所に設置される水素ガスステーションなどの損傷を抑制し、また、周囲に水素ガスステーションの破片などが飛散することを抑制できる。
例えば、図8(a)、(b)に示すように、回転制御機構47を設けた回転摩擦ダンパー48を用いて、天井体34が建物10の内部に折れ曲がることを抑制してもよい。
制限軸47bが貫通孔47aの円周方向の端部に当接すると、天井パネル34aと、天井パネル34bとの相対的な回転が制限される。
また、壁体31、33は梁22、及び床版23に連結されるものとしたがこれに限られない。例えば梁22の下部に設けた垂れ壁や、床版23の上部に設けた腰壁に連結されるものとしてもよく、建物10の固定構造物に連結されればよい。
21 柱(構造部材)
22 梁(構造部材)
23 床版(構造部材)
24 壁体(構造部材)
31、33、35 壁体(受け部材)
33a 壁パネル(第1板体)
33b 壁パネル(第2板体)
34a 天井パネル(第1板体)
34b 天井パネル(第2板体)
32、34、36 天井体(受け部材)
37 庇(受け部材)
31a ブロック
31b ゴム(第1エネルギー吸収手段、第2エネルギー吸収手段)
40 回転摩擦ダンパー(第1エネルギー吸収手段)
Claims (3)
- ガス供給設備の周囲に構築された構造部材と、
前記ガス供給設備及び外部空間と対向して配置され、ガスが爆発したときの爆圧を受ける受け部材と、
前記受け部材を前記構造部材に対して移動可能に連結すると共に、前記受け部材の移動により変形して前記ガスの爆発エネルギーを吸収する第1エネルギー吸収手段と、
を有する爆発エネルギー吸収機構。 - 前記受け部材は、
ブロックと、
前記ブロックを連結して前記ガス供給設備と対向する壁体を構成する第2エネルギー吸収手段と、
を備えている、請求項1に記載の爆発エネルギー吸収機構。 - 前記受け部材は、
一端が前記第1エネルギー吸収手段に連結された第1板体と、
一端が前記構造部材に対して移動可能とされた第2板体と、
前記第1板体の他端と前記第2板体の他端とを連結して前記ガス供給設備と対向する面状部材を構成する回転摩擦ダンパーと、
を備えている、請求項1に記載の爆発エネルギー吸収機構。
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JP2015090167A JP6530955B2 (ja) | 2015-04-27 | 2015-04-27 | 爆発エネルギー吸収機構 |
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JP2015090167A JP6530955B2 (ja) | 2015-04-27 | 2015-04-27 | 爆発エネルギー吸収機構 |
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