JP2017211065A - パネルの固定金具及びパネルの固定構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】小さな変位で所定の弾性力を発揮することができるため金具の設置が容易であり、且つ、クリープ現象によりヘタって弾性力が低下しにくいパネルの固定金具を提供する。
【解決手段】所定間隔をおいて立設された支柱(H1)間に差し込まれたパネル(パネル枠W)を、折り曲げ加工された金属板の弾性力で固定するパネルの固定金具1において、鉛直断面において上下に直線状に伸びる第1縦辺部3と、この第1縦辺部3の下端から上方へ折り返された鉛直断面くの字状の第2縦辺部4と、を備え、これらの第1縦辺部3と第2縦辺部4とは、第2縦辺部の開口端側で係止部5により互いに係止された状態で前記パネルと前記支柱間に差し込まれていることにより、第1縦辺部3及び第2縦辺部4全体が弾性変形して弾性力を発揮する構成とする。
【選択図】図1
【解決手段】所定間隔をおいて立設された支柱(H1)間に差し込まれたパネル(パネル枠W)を、折り曲げ加工された金属板の弾性力で固定するパネルの固定金具1において、鉛直断面において上下に直線状に伸びる第1縦辺部3と、この第1縦辺部3の下端から上方へ折り返された鉛直断面くの字状の第2縦辺部4と、を備え、これらの第1縦辺部3と第2縦辺部4とは、第2縦辺部の開口端側で係止部5により互いに係止された状態で前記パネルと前記支柱間に差し込まれていることにより、第1縦辺部3及び第2縦辺部4全体が弾性変形して弾性力を発揮する構成とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、高速道路や線路脇などの騒音源に沿って設置される遮音壁の遮音パネルを、金属板の弾性復元力を利用してH形鋼などからなる支柱に固定する固定金具及びパネルの固定構造に関するものである。
従来、H形鋼などからなる支柱が所定間隔をおいて立設されたうえ、そのH形鋼のフランジ内に遮音パネルが差し込まれた遮音壁が設置されており、高速道路、線路、工場等の騒音源から騒音を遮蔽(遮音)することが行われている。
この遮音壁の遮音パネルの支柱(H形鋼等)への固定は、遮音パネルと支柱であるH形鋼のフランジとの間の隙間に、鋼板などの金属板から折り曲げ加工された固定金具を打ち込んで、固定金具の板バネとしての弾性復元力で押圧固定するものであった。このため、交通量が少ない夜間に遮音パネルを設置する際に、固定金具をハンマー等で遮音パネルと支柱との隙間に打ち込む際の騒音が問題となっていた。
このような問題を解決することを目的として、例えば、特許文献1には、折曲部を介してV字状をなす側板(2)及びバネ板(3)と、該バネ板(3)の頂部から側板側に鋭角状に折曲されており更にその先端が僅かにバネ板(3)側に折曲されている折曲片(4)とから形成されており、H形鋼から成る支柱(6)間に落し込んで施工される防音パネルやプラスチック板パネルの壁パネル(7)の両側端で該支柱(6)のフランジ(6a)との間隙に打ち込まれて該壁パネル(7)を該支柱(6)に固定する壁パネル用固定金具において、該側板(2)の中央部が一辺を残して切り欠かれて該一辺を支点としてバネ板(3)側に折曲されている引掛用舌片(2a)が該折曲片(4)に穿設されている引掛用舌片受け口(4a)に引掛けて固定されている壁パネル用固定金具(1)が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲の請求項1、図1、図2等参照)。
しかし、特許文献1に記載の壁パネル用固定金具は、遮音パネルと支柱のH形鋼のフランジ間に打ち込む際に、引掛用舌片が引掛用舌片受け口に引掛けて固定されているので、打込みを容易にし、打込回数を減少させることはできるものの、引掛用舌片を引掛用舌片受け口から外す作業が必要なうえ、鋭角に折り曲げ加工された部分の弾性復元力を利用して押圧固定しているため、壁パネルに作用する風圧などの繰り返し荷重によるクリープ現象でヘタって、固定金具の鋭角に折り曲げ加工された部分の弾性復元力が徐々に低下してしまうという問題があった。
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、小さな変位で所定の弾性力を発揮することができるため金具の設置が容易であり、且つ、クリープ現象によりヘタって弾性力が低下しにくいパネルの固定金具を提供することにある。
第1発明に係るパネルの固定金具は、所定間隔をおいて立設された支柱間に差し込まれたパネルを、折り曲げ加工された金属板の弾性力で固定するパネルの固定金具であって、鉛直断面において上下に直線状に伸びる第1縦辺部と、この第1縦辺部の下端から上方へ折り返された鉛直断面くの字状の第2縦辺部と、を備え、これらの第1縦辺部と第2縦辺部とは、第2縦辺部の開口端側で係止部により互いに係止された状態で前記パネルと前記支柱間に差し込まれていることにより、前記第1縦辺部及び前記第2縦辺部全体が弾性変形して前記弾性力を発揮していることを特徴とする。
第2発明に係るパネルの固定金具は、第1発明において、第1縦辺部と第2縦辺部とが、第1縦辺部と第2縦辺部との最大離間距離が狭くなると、第1縦辺部と第2縦辺部との間の折り返し部分が、開く方向に弾性変形して前記弾性力が発揮される鉛直断面において偏平な三角形状となっていることを特徴とする。
第3発明に係るパネルの固定金具は、第1発明又は第2発明において、前記第1縦辺部には、前記パネルと係合する係合部が形成されていることを特徴とする。
第4発明に係るパネルの固定金具は、第3発明において、前記係合部は、前記パネルに形成された係合凹部と係合する、前記第1縦辺部から切り起こされた係合爪であることを特徴とする。
第5発明に係るパネルの固定金具は、第1発明ないし第4発明のいずれかの発明において、前記係止部は、第1縦辺部の上端付近の金属板から切り起こされ係止爪であり、この係止爪は、左右の両端に前記第2縦辺部の上端を掛け止める鉤状の掛止片を有することを特徴とする。
第6発明に係るパネルの固定構造は、所定間隔をおいて立設され、縦方向に形成された溝部を有する複数の支柱と、これらの支柱の対向する前記溝部に差し込まれるパネルと、を備えたパネルの固定構造であって、請求項1ないし5のいずれかに記載のパネルの固定金具が前記パネルと前記支柱との間に差し込まれて前記パネルが前記支柱に固定されていることを特徴とする。
第7発明に係るパネルの固定構造は、第6発明において、前記パネルの枠には、係合凹部が形成され、前記固定金具には、前記第1縦辺部から前記枠側へ切り起こされた係止爪が形成され、前記係合凹部に前記係止爪が嵌り込んで係合していることを特徴とする。
第1発明〜第7発明によれば、第1縦辺部と第2縦辺部とは、第2縦辺部の開口端側で係止部により互いに係止された状態でパネルと支柱間に差し込まれていることにより、第1縦辺部及び第2縦辺部全体が弾性変形して弾性力を発揮しているので、小さな変位で所定の弾性力を発揮することができる。このため、固定金具の設置が容易であり、ハンマー等で叩き込まなくてもパネルと支柱との間の隙間に設置することが可能である。また、第1縦辺部及び第2縦辺部全体が弾性変形して前記弾性力を発揮しているので、クリープ現象によりヘタって弾性力が低下するおそれが少ない。
特に、第2発明によれば、第1縦辺部と第2縦辺部との間の折り返し部分が、開く方向に弾性変形して弾性力が発揮されるので、金属板の折り曲げ加工時の変形が大きい第1縦辺部と第2縦辺部との間の鋭角に折り返し部分の負担が少なく、クリープ現象によりヘタって弾性力が低下するおそれがさらに少なくなる。
特に、第3発明及び第4発明によれば、第1縦辺部には、パネルと係合する係合部が形成されているので、固定金具の横ズレを防止することができる。このため、パネルに風圧などの繰り返し荷重が作用しても固定金具が横ズレして外れることを防止することができる。
特に、第4発明によれば、パネルに形成された係合凹部と係合する係合部は、第1縦辺部から切り起こされた係合爪であるので、溶接するなど新たに係合部を取り付ける必要がなく、固定金具の製造コストを低減することができる。
特に、第5発明によれば、係止部は、第1縦辺部の上端付近の金属板から切り起こされ係止爪であるので、新たに溶接等で係止部を取り付ける必要がなく、固定金具の製造コストを低減することができる。また、第5発明によれば、係止爪は、左右の両端に鉤状の掛止片を有しているので、第2縦辺部の上端を確実に掛け止めて、第1縦辺部と第2縦辺部の係止が外れることを防止することができる。
また、第6発明及び第7発明によれば、請求項1ないし5のいずれかに記載のパネルの固定金具がパネルと支柱との間に差し込まれて固定されているので、パネルの固定構造において、固定金具の設置が容易であり、ハンマー等で叩き込まなくてもパネルと支柱との間の隙間に設置することが可能である。また、クリープ現象により固定金具がヘタって弾性力が低下するおそれが少ない。
特に、第7発明によれば、係合凹部に係合部の係止爪が嵌り込んで係合しているので、パネルに風圧などの繰り返し荷重が作用しても固定金具が横ズレして外れることを確実に防止することができる。また、第7発明によれば、係合部が係止爪であるので、溶接するなど新たに係合部を取り付ける必要がなく、固定金具の製造コストを低減することができる。
以下、本発明の実施形態に係るパネルの固定金具及びパネルの固定構造について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<パネルの固定金具>
先ず、図1〜図4を用いて、本発明の実施形態に係るパネルの固定金具について説明する。後で詳述するように、固定するパネルとして、高速道路脇に設置される遮音壁の遮音パネルを例示し、その遮音パネルを、所定間隔をおいて立設された支柱であるH形鋼に本実施形態に係るパネルの固定金具を用いて押圧固定する場合を例示して説明する。
先ず、図1〜図4を用いて、本発明の実施形態に係るパネルの固定金具について説明する。後で詳述するように、固定するパネルとして、高速道路脇に設置される遮音壁の遮音パネルを例示し、その遮音パネルを、所定間隔をおいて立設された支柱であるH形鋼に本実施形態に係るパネルの固定金具を用いて押圧固定する場合を例示して説明する。
図1〜図3は、本発明の実施形態に係るパネルの固定金具を示す斜視図であり、図2は、係止部を主に示す正面側斜視図、図3は、係合部を主に示す背面側斜視図である。また、図4は、本発明の実施形態に係るパネルの固定金具の左側面図である。
図1〜図4に示すように、本実施形態に係るパネルの固定金具1は、鋼板から折り曲げ加工された金具であり、H形鋼のフランジと遮音パネルとの間の隙間に差し込んで、鋼板の復元弾性力で遮音パネルとフランジを押圧して所定位置に固定する機能を有している。この固定金具1は、図4等に示すように、鉛直断面において、横方向に斜め下方に伸びる上辺部2と、この上辺部2と連続して上下に伸びる第1縦辺部3と、この第1縦辺部3と連続して下端から上方へ折り返された第2縦辺部4など、から構成されている。
(上辺部)
この上辺部2は、図1〜図4に示すように、鉛直断面において横方向に斜め下方に伸びる直線状の平板からなる部位であり、パネルの上枠(W1)の上面に当接して設置され、固定金具1が落下しないように掛け止める機能を有している(図6等も参照)。
この上辺部2は、図1〜図4に示すように、鉛直断面において横方向に斜め下方に伸びる直線状の平板からなる部位であり、パネルの上枠(W1)の上面に当接して設置され、固定金具1が落下しないように掛け止める機能を有している(図6等も参照)。
また、本実施形態に係る固定金具1の上辺部2には、落下防止用のワイヤ(W3)が挿通されるワイヤ挿通孔20が穿設されている(図6等も参照)。このワイヤ挿通孔20は、ワイヤが挿通されて、事故などで遮音壁が破壊されたような場合であっても、固定金具1が落下しないようにするためのものであり、高速道路などの下に一般道が通っているような高架橋に遮音壁が設置される場合に設けられる。よって、本発明の必須の発明特定事項でないことは云うまでもない。
(第1縦辺部)
第1縦辺部3は、図1、図3、図4に示すように、鉛直断面において上下に伸びる直線状の平板からなる部位であり、遮音パネルの縦枠(W2)の側面に沿って設置され、該縦枠(W2)の側面に当接して押圧する機能を有している(図6も参照)。
第1縦辺部3は、図1、図3、図4に示すように、鉛直断面において上下に伸びる直線状の平板からなる部位であり、遮音パネルの縦枠(W2)の側面に沿って設置され、該縦枠(W2)の側面に当接して押圧する機能を有している(図6も参照)。
この第1縦辺部3は、前述の上辺部2の一端と連続しており、その上辺部2との交差角度は、パネルの上枠(W1)の上面の角度に応じた90度より少しだけ開いた鈍角となっている。この上辺部2と第1縦辺部3との間の角部には、図2等に示すように、後述の係止部5が形成されている。
また、本実施形態に係る固定金具1の第1縦辺部3には、パネルの縦枠の側面に形成された係合凹部(W0)と係合する係合部である係合爪30が設けられている。この係合爪30は、パンチング加工等により、第1縦辺部3の母材となる平板鋼板から切り起こされた係止爪であり、パネル枠(W)と係合して固定金具の横ズレを防止する機能を有している。このため、遮音パネルに風圧などの繰り返し荷重が作用しても固定金具が横ズレして外れることを防止することができる。
なお、このように、係合爪30は、第1縦辺部3の母材となる平板鋼板から切り起こされて形成されているため、溶接するなど新たに係合部として係合爪を取り付ける必要がなく、固定金具1の製造コストを低減することができる。但し、本発明に係る係合爪は、切り起こされた爪だけでなく、溶接などで他の部材を接合して爪にしてもよい。
(第2縦辺部)
第2縦辺部4は、図1〜図4に示すように、前述の第1縦辺部3の下端と連続し、その第1縦辺部3の下端から上方へ折り返された部位であり、平板鋼板から略中間位置において鉛直断面がくの字状の鈍角に屈曲加工され、屈曲部40が形成されている。
第2縦辺部4は、図1〜図4に示すように、前述の第1縦辺部3の下端と連続し、その第1縦辺部3の下端から上方へ折り返された部位であり、平板鋼板から略中間位置において鉛直断面がくの字状の鈍角に屈曲加工され、屈曲部40が形成されている。
この第2縦辺部4は、遮音パネルとH形鋼(H1)との間の隙間に差し込まれていることにより、主に、屈曲部40が偏平に開いて弾性変形することにより、その復元力により弾性力を発揮する板バネとしての機能を有している。
また、第2縦辺部4の上端は、後述の係止部5に掛け止められて係止されており、図4等に示すように、第1縦辺部3と第2縦辺部4とは、第1縦辺部3の高さ方向の略中間位置に屈曲部40の角部が位置する偏平な三角形状を形成している。
(係止部)
係止部5は、上辺部2と第1縦辺部3との間の角部に、母材である鋼板からパンチング加工等により切り起こされて形成された係止爪50であり、第2縦辺部4の上端を掛け止めて第2縦辺部4が開いたり、上方へズレたりしないように係止する機能を有している。
係止部5は、上辺部2と第1縦辺部3との間の角部に、母材である鋼板からパンチング加工等により切り起こされて形成された係止爪50であり、第2縦辺部4の上端を掛け止めて第2縦辺部4が開いたり、上方へズレたりしないように係止する機能を有している。
また、本実施形態に係る係止爪50は、図2等に示すように、左右の両端に一対の鉤状の掛止片51が設けられている。このため、一対の掛止片51で第2縦辺部4の上端が開かないように確実に掛け止めることができ、後述のように弾性変形して小さな変位で所定の弾性力を発揮することができる。
なお、係止爪50は、母材である鋼板から切り起こされて形成されているので、前述の係合爪30と同様に、新たに溶接等で係止部5を取り付ける必要がなく、固定金具の製造コストを低減することができる。
以上のように、本実施形態に係る固定金具1として、係止部5を上辺部2と第1縦辺部3との間の角部に設け、第2縦辺部4の上端を係止する場合を例示したが、第2縦辺部4の上端に係合部が形成され、第1縦辺部3の上端付近に係合されるものであっても構わない。要するに、第1縦辺部3と第2縦辺部4とが、上端付近で係止部により互いに係止される構成であればよい。
<パネルの固定構造>
次に、図5〜図9を用いて、本発明の実施形態に係るパネルの固定構造について説明する。固定するパネルとして、高速道路脇に設置される遮音壁の遮音パネルを例示し、その遮音パネルを、所定間隔をおいて立設された支柱であるH形鋼H1に前述の固定金具1を用いて押圧固定する場合を例示して説明する。
次に、図5〜図9を用いて、本発明の実施形態に係るパネルの固定構造について説明する。固定するパネルとして、高速道路脇に設置される遮音壁の遮音パネルを例示し、その遮音パネルを、所定間隔をおいて立設された支柱であるH形鋼H1に前述の固定金具1を用いて押圧固定する場合を例示して説明する。
図5は、パネルの固定構造10の固定金具1でのパネル枠Wの支柱H1への固定状態を示す部分拡大斜視図であり、図6は、パネルの固定構造10のパネル枠Wに固定金具1を装着した状態を示す部分拡大斜視図である。
図5等に示すように、本発明の実施形態に係るパネルの固定構造10は、遮音パネルのパネル枠Wを、支柱であるH形鋼H1のフランジ間の所定位置に固定する固定構造である。
(パネル枠)
本実施形態に係るパネルであるパネル枠Wは、アルミ製の矩形の枠体であり、上枠W1と、図示しない下枠と、左右一対の縦枠W2から構成され、内側に図示しないアクリル樹脂等からなる透明な板が嵌め込まれ、透明な板から光を透過しつつ騒音を反射する一般に透光板と呼ばれる遮音パネルを構成する枠体である。
本実施形態に係るパネルであるパネル枠Wは、アルミ製の矩形の枠体であり、上枠W1と、図示しない下枠と、左右一対の縦枠W2から構成され、内側に図示しないアクリル樹脂等からなる透明な板が嵌め込まれ、透明な板から光を透過しつつ騒音を反射する一般に透光板と呼ばれる遮音パネルを構成する枠体である。
勿論、このパネル枠Wは、アルミ製ではなく樹脂や防錆処理された鋼製の枠体であってもよく、透光板ではない吸音材を装填した箱体からなる一般的な遮音パネルを構成するものであってもよい。また、パネル枠を有しない箱体からなるパネルや遮音パネルではない壁面パネルを構成するパネル等であっても本発明を適用することが可能である。
(支柱)
本実施形態に係る支柱であるH形鋼H1は、パネル枠Wの幅に応じた所定間隔をおいて複数立設されている。勿論、本発明に係る支柱は、H形鋼に限られるものではなく、溝形鋼やI形鋼など、縦方向に形成された溝部を有する支柱であり、相対向する溝部内にパネル枠Wを装着可能な構成であればよい。
本実施形態に係る支柱であるH形鋼H1は、パネル枠Wの幅に応じた所定間隔をおいて複数立設されている。勿論、本発明に係る支柱は、H形鋼に限られるものではなく、溝形鋼やI形鋼など、縦方向に形成された溝部を有する支柱であり、相対向する溝部内にパネル枠Wを装着可能な構成であればよい。
(固定金具)
本実施形態に係るパネルの固定構造10の固定金具は、前述の固定金具1であり、図5に示すように、パネル枠Wの左右両端の上方の角部に一対の固定金具1が装着され、その弾性力でパネル枠WとH形鋼H1のフランジ内側を押圧して固定している。
本実施形態に係るパネルの固定構造10の固定金具は、前述の固定金具1であり、図5に示すように、パネル枠Wの左右両端の上方の角部に一対の固定金具1が装着され、その弾性力でパネル枠WとH形鋼H1のフランジ内側を押圧して固定している。
具体的には、図5等に示すように、H形鋼H1のフランジ間に遮音パネルのパネル枠Wが挿置され、図6等に示すように、落下防止ワイヤW3に上辺部2のワイヤ挿通孔20が挿通されたうえ、パネル枠WとH形鋼H1のフランジとの間の隙間に固定金具1がゴムハンマー等で叩き込まれて設置される。また、固定金具は、パネル毎に左右一対計2個ずつ装着されて、その弾性力で遮音パネルを押圧固定する。なお、固定金具1の弾性力の発揮の仕組みは、後で詳述する。
(係合部)
また、本実施形態に係るパネルの固定構造10には、横ズレ防止手段として係合部が設けられている。図7は、本実施形態に係るパネルの固定構造10のパネル枠Wと固定金具1の係合状態を主に示す部分拡大斜視図であり、図8は、パネルの固定構造10の固定金具1でのパネル枠Wの支柱H1への固定状態及び係合部の係合状態を、パネル枠の係合凹部を通る鉛直面で切断した状態で示す部分拡大斜視図であり、図9は、その鉛直断面図である。
また、本実施形態に係るパネルの固定構造10には、横ズレ防止手段として係合部が設けられている。図7は、本実施形態に係るパネルの固定構造10のパネル枠Wと固定金具1の係合状態を主に示す部分拡大斜視図であり、図8は、パネルの固定構造10の固定金具1でのパネル枠Wの支柱H1への固定状態及び係合部の係合状態を、パネル枠の係合凹部を通る鉛直面で切断した状態で示す部分拡大斜視図であり、図9は、その鉛直断面図である。
具体的には、図7〜図9に示すように、パネル枠Wの上枠W1と縦枠W2とが交差する角部に係合凹部W0が設けられ、前述のように、固定金具1の第1縦辺部3の背面に係合爪30が設けられている。そして、図8、図9に示すように、この係合爪30が係合凹部W0に嵌り込むことにより、パネル枠Wと固定金具1とが係合して横ズレを防止している。このため、遮音パネルに風圧などの繰り返し荷重が作用しても固定金具1が横ズレして外れることを防止することができる。
<固定金具の弾性変形>
次に、図10、図11を用いて、固定金具1の弾性変形及び弾性力の発揮の仕組みについて詳述する。図10は、パネルの固定構造10における固定金具1の弾性変形状態を示す側面図であり、(a)が変形前、(b)が変形後である。図11は、固定金具1の弾性変形状態を示す斜視図であり、(a)が変形前、(b)が変形後である。
次に、図10、図11を用いて、固定金具1の弾性変形及び弾性力の発揮の仕組みについて詳述する。図10は、パネルの固定構造10における固定金具1の弾性変形状態を示す側面図であり、(a)が変形前、(b)が変形後である。図11は、固定金具1の弾性変形状態を示す斜視図であり、(a)が変形前、(b)が変形後である。
固定金具1は、パネル枠WとH形鋼H1のフランジとの間の隙間に装着される前は、図10(a)、図11(a)となっている。その後、ゴムハンマー等で叩き込まれて隙間に挿入されると、図10(b)に示すように、第1縦辺部3と第2縦辺部4とが成す三角形状の頂角である屈曲部40で押し潰されて三角形の頂角の底辺(第1縦辺部3)に対する頂角高さh1が頂角高さh2となることとなる。
すると、第2縦辺部4のくの字形状が押し潰されて広がることとなり、第2縦辺部4の長さ(高さ)が長くなることとなるが、固定金具1では、前述のように、第2縦辺部4の上端が、係止部5の係止爪50で係止されてズレ上がらないようになっている。このため、第2縦辺部4が押し潰されて長くなった分、図10(b)の矢印で示すように、第2縦辺部4の屈曲部40より上部が、内側(パネル枠W側)に弾性変位し、第2縦辺部4の屈曲部40より下部が外側に弾性変位する。また、第2縦辺部4の屈曲部40より下部の外側への変位に連動し、第1縦辺部3と第2縦辺部4との間の角部が回転することなり、図10(b)の矢印で示すように、これに釣られて第1縦辺部3の下部が外側へ変位することとなる。
このように、本実施形態に係る固定金具1では、弾性変形する際にも係止部5で第1縦辺部3と第2縦辺部4とが上端で係止されていることにより、第2縦辺部4の屈曲部40より上部の内側への曲げ変形、第2縦辺部4の屈曲部40の角度が広がる変形、第2縦辺部4の屈曲部40より下部の外側への曲げ変形、第1縦辺部3と第2縦辺部4との間の角部の角度が広がる変形、及び第1縦辺部3の下部の曲げ変形が生じることなる。
即ち、固定金具1では、隙間に挿入されることにより、第1縦辺部3及び第2縦辺部4の全体が弾性変形して弾性力を発揮することとなる。このため、小さな変位で所望の弾性力を発揮することができる。
一方、従来の固定金具、例えば、特許文献1に記載の固定金具では、打ち込み時には、引掛用舌片2aで係止されているものの、弾性力を発揮する際には、引掛用舌片2aと引掛用舌片受け口4aとの係合が解かれる。このため、特許文献1に記載の固定金具では、弾性力を発揮する際には、バネ板3、折曲片4は、いずれも、カンチレバー(cantilever:片持ち梁)の先端に力を作用させて鋭角に折り曲げられた角部の角度を狭める変形をさせることとなる(特許文献1の図面の図5、図6等参照)。
固定金具は、平板鋼板から折り曲げ加工されて製作されている関係上、鋭角に折り曲げられた角部は、元々変位量が多いうえ、それをさらに変位が増大する方向である角度を狭める方向に繰り返し変形させることになると、塑性変形が溜まり次第にクリープ現象で復元力が低下し、弾性力が弱くなる。
しかし、本実施形態に係る固定金具1では、鋭角に折り曲げられた第1縦辺部3と第2縦辺部4との間の角部は、角度が広がる方向に変形するので、このようなクリープ現象による復元力の低下のおそれが少ないと云える。
また、本実施形態に係る固定金具1では、元々、カンチレバーではなく、第1縦辺部3と第2縦辺部4とが、上端及び下端で当接した三角形状の板バネとなっている。このため、カンチレバー方式の従来の固定金具と比べて、固定金具1は、図10(a)に示すように、弾性変形前の第1縦辺部3と第2縦辺部4との最大離間距離が小さく、且つ、小さな変位で大きな弾性反発力が発揮できる構成となっている。
このため、固定金具1によれば、ハンマー等で叩き込まなくてもパネルと支柱との間の隙間に容易に設置することが可能である。また、第1縦辺部及び第2縦辺部全体が弾性変形して弾性力を発揮しているので、クリープ現象により金具の板バネ部分がヘタって固定金具1の弾性力が低下するおそれが少ない。
以上説明した本実施形態に係るパネルの固定金具1及びパネルの固定構造10によれば、小さな変位で必要な弾性力を発揮することができる。このため、固定金具1の設置が容易であり、ハンマー等で叩き込まなくてもパネル枠WとH形鋼H1との間の隙間に設置することが可能である。また、第1縦辺部3及び第2縦辺部4全体が弾性変形して必要な弾性力を発揮しているので、クリープ現象によりヘタって固定金具1の弾性力が低下するおそれが少ない。
また、パネルの固定金具1及びパネルの固定構造10によれば、パネル枠Wの係合凹部W0と係合する係合爪30が形成されているので、固定金具1の横ズレを確実に防止することができる。このため、遮音パネルなどのパネルに風圧などの繰り返し荷重が作用しても固定金具1が横ズレして外れることを防止することができる。
その上、パネルの固定金具1及びパネルの固定構造10によれば、係合爪30や係止爪50は、母材である鋼板から切り起こされて形成されているので、新たに溶接等で係合部や係止部5を取り付ける必要がなく、固定金具1の製造コストを低減することができる。
以上、本実施形態に係るパネルの固定金具及びパネルの固定構造について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
特に、固定金具の素材としは、鋼製の金具を例示したが、弾性体である金属板からなるものであればよい。また、固定するパネルとしてパネル枠を有する遮音パネルを例示して説明したが、遮音パネルに限られず、縦方向に溝部を有する支柱にパネルを取り付けて固定する際には、本発明を適用することができる。
1 :固定金具(パネルの固定金具)
10 :固定構造(パネルの固定構造)
2 :上辺部
20 :ワイヤ挿通孔
3 :第1縦辺部
30 :係合爪(係合部)
4 :第2縦辺部
40 :屈曲部
5 :係止部
50 :係止爪
51 :掛止片
H1 :H形鋼(支柱)
W :パネル枠(パネル)
W0 :係合凹部
W1 :上枠(パネル枠)
W2 :縦枠(パネル枠)
W3 :落下防止ワイヤ
10 :固定構造(パネルの固定構造)
2 :上辺部
20 :ワイヤ挿通孔
3 :第1縦辺部
30 :係合爪(係合部)
4 :第2縦辺部
40 :屈曲部
5 :係止部
50 :係止爪
51 :掛止片
H1 :H形鋼(支柱)
W :パネル枠(パネル)
W0 :係合凹部
W1 :上枠(パネル枠)
W2 :縦枠(パネル枠)
W3 :落下防止ワイヤ
Claims (7)
- 所定間隔をおいて立設された支柱間に差し込まれたパネルを、折り曲げ加工された金属板の弾性力で固定するパネルの固定金具であって、
鉛直断面において上下に直線状に伸びる第1縦辺部と、この第1縦辺部の下端から上方へ折り返された鉛直断面くの字状の第2縦辺部と、を備え、
これらの第1縦辺部と第2縦辺部とは、第2縦辺部の開口端側で係止部により互いに係止された状態で前記パネルと前記支柱間に差し込まれていることにより、前記第1縦辺部及び前記第2縦辺部全体が弾性変形して前記弾性力を発揮していること
を特徴とするパネルの固定金具。 - 第1縦辺部と第2縦辺部とは、最大離間距離が狭くなると、第1縦辺部と第2縦辺部との間の折り返し部分が、開く方向に弾性変形して前記弾性力が発揮される鉛直断面において偏平な三角形状となっていること
を特徴とする請求項1に記載のパネルの固定金具。 - 前記第1縦辺部には、前記パネルと係合する係合部が形成されていること
を特徴とする請求項1又は2に記載のパネルの固定金具。 - 前記係合部は、前記パネルに形成された係合凹部と係合する、前記第1縦辺部から切り起こされた係合爪であること
を特徴とする請求項3に記載のパネルの固定金具。 - 前記係止部は、第1縦辺部の上端付近の金属板から切り起こされ係止爪であり、この係止爪は、左右の両端に前記第2縦辺部の上端を掛け止める鉤状の掛止片を有すること
を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のパネルの固定金具。 - 所定間隔をおいて立設され、縦方向に形成された溝部を有する複数の支柱と、これらの支柱の対向する前記溝部に差し込まれるパネルと、を備えたパネルの固定構造であって、
請求項1ないし5のいずれかに記載のパネルの固定金具が前記パネルと前記支柱との間に差し込まれて前記パネルが前記支柱に固定されていること
を特徴とするパネルの固定構造。 - 前記パネルの枠には、係合凹部が形成され、前記固定金具には、前記第1縦辺部から前記枠側へ切り起こされた係止爪が形成され、前記係合凹部に前記係止爪が嵌り込んで係合していること
を特徴とする請求項6に記載のパネルの固定構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016106404A JP2017211065A (ja) | 2016-05-27 | 2016-05-27 | パネルの固定金具及びパネルの固定構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2017211065A true JP2017211065A (ja) | 2017-11-30 |
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ID=60474590
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016106404A Pending JP2017211065A (ja) | 2016-05-27 | 2016-05-27 | パネルの固定金具及びパネルの固定構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017211065A (ja) |
-
2016
- 2016-05-27 JP JP2016106404A patent/JP2017211065A/ja active Pending
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