JP2017209742A - 三次元構造体の貫通流路を研磨するための方法およびデバイス - Google Patents

三次元構造体の貫通流路を研磨するための方法およびデバイス Download PDF

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Abstract

【課題】シリンダーを用いなくとも三次元構造体の貫通流路をより適切に研磨できる貫通流路の研磨方法を提供すること。【解決手段】砥粒および液体を含んで成る研磨流体が仕込まれた仕込み密閉容器から貫通流路に研磨流体を流して貫通流路の研磨処理を行う。特に、仕込み密閉容器内では研磨流体に気泡を発生させて砥粒を液体中に分散させる分散処理を行う。【選択図】図3

Description

本発明は、三次元構造体の貫通流路を研磨するための方法およびかかる方法を実施するためのデバイスに関する。
従来より、貫通流路を備えた三次元構造体が知られている。三次元構造体は、例えば金属材料または樹脂材料から形成されている。
金属材料から形成された三次元構造体は例えば金型として用いられ、貫通流路は冷却路等の温調媒体路として用いられる。かかる場合、三次元構造体の貫通流路には例えば冷却液等を流して三次元構造体の冷却が行われることになる。
このような貫通流路は、基材となる部材に切削加工を施すことによって形成できる他、粉末焼結積層法によっても形成できる。特に粉末焼結積層法は、三次元構造体の貫通流路を複雑な任意形状とすることができる点で特徴を有する。
粉末焼結積層法の場合、粉末層の所定領域に光ビームを照射して粉末原料の焼結または溶融固化を繰り返して三次元構造体を形成していくが、貫通流路となる局所部分には光ビームを照射しない。光ビームを照射しなかった局所部分の粉末原料を最終的に除去すると、貫通流路を備えた三次元構造体が得られることになる。
特許第5477739号
粉末焼結積層法を用いて貫通流路を備えた三次元構造体を形成する場合、光ビームの照射箇所と非照射箇所との界面においては焼結または溶融しなかった粉末原料が当該照射箇所に付着し得る。これにより、貫通流路の断面サイズが所望のものより小さくなる場合がある。貫通流路の断面サイズがより小さくなると、貫通流路に冷却液等の温調媒体を流しにくくなり、三次元構造体の温調効果が低下する虞がある。
所望の貫通流路を得るため、砥粒を含んだ研磨流体を三次元構造体の貫通流路に流して、貫通流路を研磨する方法が提案されている(上記の特許文献1参照)。当該方法では、油圧等でシリンダーを往復運動させて貯留タンク内の研磨流体を三次元構造体の貫通流路に流入させる。
本発明者は、シリンダーの往復運動で研磨流体を貫通流路に流入させる態様では以下の問題が生じ得ることを見出した。具体的には、シリンダーの往復運動は砥粒の過剰な運動を引き起こし、砥粒がシリンダーの構造内部へと流入してしまう虞があることを見出した。砥粒がシリンダーの構造内部に流入すると、砥粒に起因してシリンダーの摩耗が引き起こされ、シリンダーの往復運動が阻害されてしまう。その結果、研磨流体を貫通流路へと十分に送ることができず、貫通流路を適切に研磨できなくなるといった問題が生じ得る。また、三次元構造体の貫通流路をより適切に研磨するには、十分な量の研磨流体を貫通流路に送るだけでなく、砥粒がより適量含まれた研磨流体を流路目詰りなく貫通流路へと送る必要もある。
本発明は、このような問題に鑑みて為されたものである。即ち、本発明の目的は、シリンダーを用いなくとも三次元構造体の貫通流路をより適切に研磨できる貫通流路の研磨方法および研磨デバイスを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明では、
三次元構造体の貫通流路を研磨するための方法であって、
砥粒および液体を含んで成る研磨流体が仕込まれた仕込み密閉容器から貫通流路に研磨流体を流して貫通流路の研磨処理を行っており、
仕込み密閉容器内では研磨流体に気泡を発生させて砥粒を液体中に分散させる分散処理を行うことを特徴とする方法が提供される。
また、本発明では、
三次元構造体の貫通流路を研磨するためのデバイスであって、
砥粒および液体を含んで成る研磨流体を仕込むための仕込み密閉容器を有して成り、
仕込み密閉容器は、外部から仕込み密閉容器の内部へとガスを供給するための第一管、および、仕込み密閉容器の内部から貫通流路へと研磨流体を導くための第二管を備えており、
仕込み密閉容器内の研磨流体に気泡を発生させるための気泡発生手段を更に有して成ることを特徴とするデバイスも提供される。
本発明では、シリンダーを用いなくとも三次元構造体に設けた貫通流路をより適切に研磨できる。特に、砥粒がより適量含まれた研磨流体を流路目詰りなく貫通流路へと送ることができるので、貫通流路をより適切に研磨できる。
貫通流路を研磨するための方法およびデバイスを模式的に示した概略断面図 貫通流路を研磨するためのデバイスが回収密閉容器を更に有して成る態様を示した概略断面図 研磨流体に気泡を発生させる態様を模式的に示した概略断面図 第一管に設けられた多孔フィルターを利用して気泡を発生させる態様を模式的に示した概略断面図 発泡剤を利用して気泡を発生させる態様を模式的に示した概略断面図 本発明の一実施形態に係る研磨方法を模式的に示す概略断面図 複雑形状の貫通流路を備えた三次元構造体を模式的に示した概略斜視図 発泡剤を加圧ガスと共に仕込み密閉容器へと供給する態様を模式的に示した概略断面図 回収密閉容器を用いる本発明の一実施形態に係る研磨方法を模式的に示す概略断面図 研磨処理後に貫通流路に乾燥用ガスを流す態様を示した概略断面図
以下では、図面を参照して本発明の一実施形態をより詳細に説明する。図面における各種要素の形態および寸法などは、あくまでも例示にすぎず、実際の形態および寸法を反映するものではない。
本明細書で用いる用語は次の通り規定される。本明細書でいう「三次元構造体」は、金属材料および/または樹脂材料から形成されている三次元物体を指す。三次元構造体が金属材料から形成されている場合、三次元構造体を金型または金型部品(例えば、入れ子、スプルーブッシュまたはガイドピン等)として用いることができる。本明細書でいう「三次元形状造形物」は、粉末焼結積層法によって製造される構造体を指し、粉末焼結積層法以外の方法によっても製造される「三次元構造体」の下位概念の構造体に相当する。本明細書でいう「貫通流路」は、三次元構造体の内部を貫通するように形成された“中空部分”を指す。ここでいう“中空部分”とは、具体的には三次元構造体の内部にて壁面で囲まれた空間領域を意味している。本明細書でいう「仕込み密閉容器」は、下記で説明する第一管および第二管を除いて、加圧ガスおよび研磨流体等が当該容器の内部から外部へと漏れ出ないように封止された容器を指す。本明細書でいう「回収密閉容器」は、下記で説明する第三管および第四管を除いて、ガスおよび研磨流体等が当該容器の内部から外部へと漏れ出ないように封止された容器を指す。
便宜上、まず「三次元構造体の貫通流路を研磨するためのデバイス」を説明し、その後、「貫通流路を備えた三次元構造体」および「三次元構造体の貫通流路を研磨するための方法」を説明する。
[三次元構造体の貫通流路を研磨するためのデバイス]
本発明の一実施形態に係るデバイスは、三次元構造体の貫通流路を研磨するためのデバイス1である(図1参照)。図1に示されるように、かかるデバイス1は、砥粒と液体とを含んで成る研磨流体7を仕込むための仕込み密閉容器2を有して成る。仕込み密閉容器2は、例えばステンレスなどの金属製であって、第一管6と第二管10とを備えている。第一管6は、仕込み密閉容器2の外部からその内部へと加圧ガス5を供給するための管であり、第二管10は、仕込み密閉容器2の内部から三次元構造体8の貫通流路9へと研磨流体7を導くための管である。第一管6は、例えば仕込み密閉容器2の上部25を介して仕込み密閉容器2の外部からその内部へと延在している。一方、第二管10は、好ましくは仕込み密閉容器2の底部28から外部へと延在している。仕込み密閉容器2の内部において第一管6の先端レベル6aは研磨流体7のレベルよりも上方であってよいし、あるいは、研磨流体7のレベルよりも下方であってもよい。第一管6の上流側においては、その第一管6と接続されたガス供給ライン(図示せず)が設けられていることが好ましい。一方、第二管10の下流側においては、その第二管10と貫通流路9の流入口との間を接続する送液ライン14が設けられていることが好ましい。
仕込み密閉容器2の内部には第一管6を介して加圧ガス5が供給される。加圧ガス5は、仕込み密閉容器2内に仕込んだ研磨流体7に対して圧力を加えるために用いられるガスである。加圧ガス5の圧力は、例えばコンプレッサーおよび/またはガスボンベを利用することによって得ることができる。つまり、コンプレッサーを用いて昇圧させることによって加圧ガス5を得てよい。あるいは、ガス供給源として用いられるガスボンベから供されるガスをそのまま加圧ガス5として使用してもよい。ここでいう「コンプレッサー」とは、いわゆる“ガスコンプレッサー”のことであって、ガスの圧縮によってガス圧を高くすることができる圧送機を指している。また、「ガスボンベ」は、主にガス源として用いられる高圧ガスを貯留したガス容器(例えば、可搬式の高圧ガス容器)のことを指している。
本発明において、加圧ガス5は、研磨流体7の加圧に供する。好ましくは、仕込み密閉容器2内において研磨流体7と直接的に接し、研磨流体7の加圧に供する。つまり、加圧ガス5によって研磨流体7を仕込み密閉容器2内で直接的に加圧することが好ましい。ここでいう「直接的に加圧する」とは、仕込み密閉容器2内で加圧ガス5と研磨流体7とがそれぞれ気相および液相を成して互いに接するような条件下で加圧ガス5が研磨流体7を押圧する態様を指している。仕込み密閉容器2内で加圧ガス5が研磨流体7を押圧するので、研磨流体7が仕込み密閉容器2から第二管10を介して貫通流路9へと流入することになる。
加圧ガス5は研磨流体7に溶存しにくいガスとなっていることが好ましい。ガス種類を適切に選択することによって、あるいは、ガス圧力および/またはガス温度などを適宜調整することによって、加圧ガス5を“溶存しにくいガス”とすることができる。例えば加圧ガス5のガス種類としては空気または不活性ガス(1つ例示するとアルゴンガス)等を選択してよい。加圧ガス5の圧力は例えばコンプレッサーを用いて調整してよい。また、加圧ガス5の温度は常温であってもよい(すなわち、加圧ガス5に対して加熱処理または冷却処理などの特段の温調処理を施さなくてよい)。
本発明の一実施形態に係るデバイス1は、図2に示すように、回収密閉容器3を更に有していてよい。回収密閉容器3は、貫通流路9から流出した研磨流体7を回収するための容器である。即ち、回収密閉容器3は、仕込み密閉容器2から貫通流路9へと送液された研磨流体7を回収する容器に相当する。回収密閉容器3は、例えばステンレスなどの金属製であって、第三管11と第四管12とを備えている。第三管11は、貫通流路9から流出した研磨流体7を回収密閉容器3内に導くための管であり、第四管12は、回収密閉容器3内のガス5’を外部へと排気するための管である。図2に示すように、第三管11の上流側においては、その第三管11と貫通流路9の流出口との間を接続する送液ライン15が設けられていることが好ましい。
回収密閉容器3のガス5’は、その回収密閉容器3内に元々存在するガスであるが、研磨処理に伴って不可避的にもたらされる加圧ガス5を場合によって含み得る。具体的には、仕込み密閉容器2内で研磨流体7に一旦溶け込んだ加圧ガス5が回収密閉容器3にて気化する場合、回収密閉容器3のガス5’には加圧ガス5が含まれることになる。
本発明の一実施形態に係るデバイス1は、特に“気泡発生手段”を有することを特徴とする。具体的には、本発明の一実施形態に係るデバイス1は、図3に示すように、仕込み密閉容器2に仕込まれた研磨流体7中に気泡42を発生させるための気泡発生手段40を更に有して成る。かかる手段40によって気泡42を発生させると、研磨流体7において砥粒の移動を促すことができる。つまり、気泡発生手段40によって仕込み密閉容器2内で研磨流体7に気泡42を発生させ、砥粒を液体中に分散させる分散処理を行うことができる。これにより、仕込み密閉容器2内の研磨流体7において砥粒をより長い時間浮遊させることができるので、砥粒がより適量含まれた研磨流体7を流路目詰りなく貫通流路9へと送ることができる。つまり、貫通流路9をより適切に研磨できるようになる。より具体的にいえば、貫通流路9へと送られる研磨流体7にて砥粒量が過度に少なくならず貫通流路9の研磨をより好適に行える一方、かかる砥粒量が過度に多くもならず管内の詰まり(特に、過剰量の砥粒によって管路が塞がれることによる第二管10および/または送液ライン14の詰まり)を防止できる。換言すれば、気泡42によって仕込み密閉容器2内で砥粒をより長い時間液体中に浮遊させることによって貫通流路9の研磨処理の安定化を図ることができる。
気泡発生手段40は、特に制限されるわけではないが、発泡剤および第一管に設けられた多孔フィルターの少なくとも一方であってよい。
(第一管に設けられた多孔フィルター)
本発明の一実施形態に係るデバイスは、図4に示すように、第一管6に設けられた多孔フィルター44を有して成る。つまり、仕込み密閉容器2の第一管6には多孔フィルター44が設けられている。図示するように、第一管6は、そのガス供給口6’が仕込み密閉容器2内に仕込まれる研磨流体7のレベルよりも下方に位置付けられており、かかるガス供給口6’に多孔フィルター44が設けられていることが好ましい。第一管6のガス供給口6’を介して加圧ガス5が供給されると、多孔フィルター44の存在に起因して研磨流体7に気泡42が発生することになる。
多孔フィルター44は、その名称から分かるように、複数の孔を有するフィルターであって、気泡発生に寄与するものであればその種類に特に制限はない。例えば、多孔フィルター44は、金属材、樹脂材および/またはセラミック材などから成る板状もしくは膜状の部材であり、かかる部材に穿孔が施されたものであってよい。あるいは、多孔フィルター44は、金属材、樹脂材および/またはセラミック材などから成る多孔性材料の板状もしくは膜状の部材であってもよい。つまり、多孔フィルター44は、膜に対してパンチング処理などの機械的処理が施されて多数の孔が設けられたものであってよく、あるいは、材質自体が多孔性を有するものであってもよい。
特に、多孔フィルター44は、マイクロバブルの発生に寄与するフィルターであることが好ましい。つまり、多孔フィルター44は、平均サイズがマイクロオーダーの気泡を発生することができるフィルター(すなわち、“マイクロバブル・フィルター”)であることが好ましい。かかる場合、多孔フィルター44の孔サイズは少なくともマイクロオーダーまたはそれ以下であることが好ましい。マイクロバブルは、研磨流体7中での滞留時間が比較的長く、それゆえ、砥粒を液体中でより長く分散させることができる。なお、本明細書において「マイクロオーダー」とは、好ましくは5μm〜500μm、より好ましくは10μm〜100μm、更に好ましくは10μm〜80μm(例えば10μm〜50μm)といった範囲にあることを意味している。
(発泡剤)
本発明の一実施形態に係るデバイスは、図5に示すように、発泡剤46を有している。発泡剤46は、研磨流体7(より具体的には研磨流体7の液体72)と接すると、研磨流体7中において発泡現象を引き起こして気泡42を生じるものが好ましい。発泡剤46は、タブレット形態を有していてよく、あるいは、粉末形態を有していてもよい。典型的な態様でいえば、タブレット形態は研磨流体7中で発泡剤46が比較的長く存在し得るので気泡42をより長い時間発生させることができるのに対して、粉末形態は発泡剤46の供給量に応じて気泡量を調整し易いといった利点を有し得る。
発泡剤46は、仕込み密閉容器2内に研磨流体7を仕込んだ後で研磨流体7に投入されるものであってもよい。また、研磨流体7の仕込みに先立って、仕込み密閉容器2内に予め設けられるものであってもよい(かかる場合、例えば、砥粒も仕込み密閉容器2内に予め設けておいてよい)。更にいえば、発泡剤46は、第一管6を介して加圧ガス5と共に供給されるものであってもよい。
発泡剤46は、研磨流体7との接触により研磨流体7に気泡42をもたらすものであれば特に制限はない。典型的には研磨流体7の液体72は水であるところ、発泡剤46が水と反応して気体を発生するものであってよい。あくまでも例示にすぎないが、具体的な発泡剤46として炭酸水素ナトリウムを含んで成るものを挙げることができ、かかる場合、液体72として用いられる水と反応すると発泡剤46が炭酸ガスの気泡を発生することになる。また、発泡剤46としては、いわゆる“ドライアイス”を用いてもよい。ドライアイスは、常温下の液体72と接触すると、気化現象によってガス(CO2ガス)を発生することができるので、研磨流体7に気泡42をもたらすことができる。特にドライアイスの気化は、爆発的に起こり得るので、砥粒の分散をより好適に促進させることが可能となる。また、そのような爆発的な気化は、仕込み密閉容器2内の圧力増加につながるので、加圧ガス5による研磨流体7の加圧(図1参照)がより効果的に助力される効果も奏され得る。
特に、発泡剤46はマイクロバブルの発生に寄与するものが好ましい。つまり、平均サイズがマイクロオーダーの気泡42を発生できる発泡剤46が好ましい。マイクロバブルは、研磨流体7中での滞留時間が比較的長く、砥粒を液体中でより好適に分散させることができるからである。つまり、マイクロバブルによって、より好適な研磨処理が行えることになる。
[貫通流路を備えた三次元構造体]
次に、貫通流路を備えた三次元構造体について説明する。かかる三次元構造体は、切削加工法を利用することによって得ることができる他、粉末焼結積層法を利用することによっても得ることができる。切削加工法では、基材となる部材にドリル加工等の機械的加工を施すことによって貫通流路を形成する。一方、粉末焼結積層法では、粉末層への光ビーム照射を通じて三次元構造体とその貫通流路とを並列的に形成する。粉末焼結積層法を用いると、比較的複雑な形状の貫通流路を備えた三次元構造体を製造できる。以下では、粉末焼結積層法による“造形”によって貫通流路が形成された三次元構造体(すなわち、「三次元形状造形物」)を製造する方法について詳述する。
粉末焼結積層法は、以下の工程(i)および(ii)を繰り返して三次元形状造形物を製造することを特徴としている。
(i)粉末層の所定箇所に光ビームを照射し、かかる所定箇所の粉末を焼結または溶融固化させて固化層を形成する工程
(ii)得られた固化層の上に新たな粉末層を敷いて同様に光ビームを照射して更に固化層を形成する工程
粉末焼結積層法において「粉末層」とは、例えば「金属の粉末原料から成る金属粉末層」または「樹脂の粉末原料から成る樹脂粉末層」を意味している。また「粉末層の所定箇所」とは、製造される三次元形状造形物の領域を実質的に指している。従って、かかる所定箇所に存在する粉末原料に対して光ビームを照射することによって、その粉末原料が焼結または溶融固化して三次元形状造形物を構成することになる。更に「固化層」とは、粉末層が金属粉末層である場合には「焼結層」を意味し、粉末層が樹脂粉末層である場合には「硬化層」を意味している。
このような製造技術を用いれば、複雑な三次元形状造形物を短時間で製造することができる。粉末原料として金属の粉末原料を用いる場合、得られる三次元形状造形物を金型として使用することができる。一方、粉末原料として樹脂の粉末原料を用いる場合、得られる三次元形状造形物を各種モデルとして使用することができる。
粉末原料として金属の粉末原料を用い、それによって得られる三次元形状造形物を金型として使用する場合を例にとる。まず、スキージング・ブレードを水平方向に動かして造形プレート上に所定厚みの粉末層を形成する。次いで、粉末層の所定箇所に光ビームを照射して粉末層から固化層を形成する。引き続いて、スキージング・ブレードを水平方向に動かして、得られた固化層の上に新たな粉末層を形成して再度光ビームを照射して新たな固化層を形成する。このようにして粉末層形成と固化層形成とを交互に繰り返し実施すると固化層が積層することになり、最終的には積層した固化層から成る三次元形状造形物を得ることができる。最下層として形成される固化層は造形プレートと結合した状態になるので、三次元形状造形物と造形プレートとは一体化物を成し、その一体化物を金型として使用することができる。
三次元形状造形物の貫通流路は、光ビームの照射箇所において光ビームを照射しない局所部分を設けることによって形成できる。具体的には、粉末層の所定箇所への光ビーム照射に際して貫通流路となるべき局所部分に光ビームを照射せず、三次元形状造形物の造形完了後に当該局所部分の粉末原料を除去する。これにより、貫通流路が最終的に得られることになる。粉末焼結積層法では、光ビームを照射しない局所部分を任意に設けることができるので、ドリル加工等では形成困難な複雑形状の貫通流路を任意に形成できる。
[三次元構造体の貫通流路を研磨するための方法]
本発明に係る方法は、三次元構造体の貫通流路を研磨する方法である。本発明に係る方法では、研磨流体が仕込まれた仕込み密閉容器から三次元構造体の貫通流路へと研磨流体を流して貫通流路の研磨処理を行う。特に、研磨流体を流すための加圧ガスが供給される仕込み密閉容器内において研磨流体に気泡を発生させて砥粒を液体中に分散させる分散処理を行う。
以下、本発明の一実施形態に係る研磨方法について、図6を参照して具体的に説明する。
まず、仕込み密閉容器2内に研磨流体7を仕込む。研磨流体7は砥粒71および液体72を含んで成る。液体72は、砥粒71に対して分散媒体となるものである。例えば、研磨流体7の液体72として水を用いてよい。一方、砥粒71は、研磨剤として機能する粒状物または粉末状物である。液体72内に分散し得るものであれば、いずれの種類の砥粒を用いてよい。例えば、研磨流体7の砥粒71として、多孔質セラミック、炭化ケイ素、アルミナおよび鉱石材(例えばガーネット)等から成る群から選択される少なくとも1種類の材質から成るものを用いてよい。
研磨流体7が仕込まれた仕込み密閉容器2に対してはガスを供給する。具体的には、例えば図6に示すように、仕込み密閉容器2に仕込まれた研磨流体7と接することになるように第一管6を介して仕込み密閉容器2の内部に加圧ガス5を供給する。これにより、加圧ガス5が仕込み密閉容器2内の研磨流体7を直接的に加圧するので、研磨流体7が仕込み密閉容器2から押し出されて貫通流路9へと流入する。つまり、加圧ガス5の圧力に起因して、仕込み密閉容器2で研磨流体7が押圧されるので、研磨流体7が第二管10を介して貫通流路9へと移送されることになる。
このように、本発明では研磨流体7が仕込まれた仕込み密閉容器2内に加圧ガス5を供給することによって仕込み密閉容器2から貫通流路9へと研磨流体7を移送させる。つまり、本発明は“シリンダーの往復運動で貫通流路に研磨流体を流入させる態様”とはなっていない。
仕込み密閉容器2内に供給される加圧ガス5の圧力は、仕込み密閉容器2内の研磨流体7を加圧し、かつ、当該圧力により研磨流体7を仕込み密閉容器2から貫通流路9へと移送できるものであればよい。加圧ガス5の圧力を適切に調整すれば、例えば図7に示すような複雑形状の貫通流路9を備えた三次元構造体8であっても、当該貫通流路9に研磨流体7を流すことができる。特に限定されるものではないが、加圧ガス5の圧力は、約0.01MPa〜約20MPaであってよい。好ましくは、加圧ガス5の圧力は約0.1MPa〜約10MPaであり、より好ましくは約0.2MPa〜約5MPaである。加圧ガス5の圧力自体は、例えばコンプレッサーおよび/またはガスボンベを利用することによって得ることができる。つまり、コンプレッサーを用いてガスの昇圧を行って加圧ガス5を得てよい。あるいは、ガス供給源として用いられるガスボンベから供されるガスをそのまま加圧ガス5として使用してもよい。ここでいう「コンプレッサー」とは、いわゆる“ガスコンプレッサー”のことであって、ガスの圧縮によってガス圧を高くすることができる圧送機を指している。また、「ガスボンベ」は、主にガス源として用いられる高圧ガスを貯留したガス容器(例えば、可搬式の高圧ガス容器)のことを指している。
なお、仕込み密閉容器2に設けられる第二管10は、第一管6と同様に、仕込み密閉容器2の上部を介して仕込み密閉容器2の内部から外部へと延在していてもよいが、仕込み密閉容器2の底部28から外部へと延在していることが好ましい。図6に示すように仕込み密閉容器2内において研磨流体7のレベルが第二管10の先端部レベルよりも高い位置にあると、いわゆる“水頭圧”に起因して研磨流体7が第二管10から押し出される。つまり、“加圧ガス5の圧力”のみならず、“水頭圧”にも起因して研磨流体7は貫通流路9へと移送され、更には貫通流路9を経た研磨処理に供した研磨流体7が貫通流路9から流出されることになる。
移送された研磨流体7が貫通流路9に流入すると、研磨流体7によって貫通流路9の流路面の付着物等が削り取られる。粉末焼結積層法により三次元構造体8が得られた場合(すなわち、“三次元形状造形物”の場合)、その貫通流路9の流路面には“焼結または溶融しなかった粉末原料”が付着していることが多いが、そのような不要な粉末原料を研磨流体7で削り取ることができる。具体的には、貫通流路9に流入した研磨流体7の砥粒71の研磨作用によって、かかる不要な粉末原料が削り取られ、貫通流路9の研磨が行われることになる。このような貫通流路9の研磨によって貫通流路9の流路面の付着物等が除去されるので、貫通流路9の断面サイズなどを所望のものにすることができる。つまり、研磨処理後に貫通流路9を温調媒体路として用いる場合、所望の流量および/または流速でもって温調媒体(例えば冷却液など)を貫通流路9に流すことができる。これは、三次元構造体8を例えば金型として用いる場合、三次元構造体8の冷却等をより適切に行うことができることを意味している。
本発明に係る研磨方法の特徴1つは、研磨流体7を分散処理に付すことである。具体的には、本発明に係る研磨方法では、図3に示すように、仕込み密閉容器2内で研磨流体7に気泡42を発生させて砥粒を液体72中に分散させる分散処理を行う。気泡42で砥粒を液体72中に分散させると、三次元構造体8の貫通流路9をより適切に研磨できるようになる。より具体的には、貫通流路9へと送られる研磨流体7にて砥粒量が過度に少なくならず貫通流路9の研磨をより好適に行える一方、かかる砥粒量が過度に多くもならず管内の詰まり(特に、過剰量の砥粒によって管路が塞がれることによる第二管10および/または送液ライン14の詰まり)を防止できる。特に、気泡42によって仕込み密閉容器2内で砥粒をより長い時間液体72中に浮遊させると、貫通流路9の研磨処理の安定化につながる。
研磨流体7の全体に及ぶように気泡42を発生させる場合、かかる気泡42によって砥粒を液体中でより好適に分散させることができる。かかる観点でいえば、仕込み密閉容器2内に仕込まれた研磨流体7のより下方から気泡42を発生させることが好ましい。気泡42は一般に浮力を有するところ、より下方から生じた気泡42は拡がるように上昇し、結果として気泡42が研磨流体7に広く分布できるからである。
本発明のある好適な実施形態では、研磨流体7中で砥粒を気泡42に同伴させることによって分散処理を行う。つまり、砥粒の分散処理では、研磨流体7に発生させた気泡42により砥粒を“トラップ”してよい。例えば、気泡42の表面に砥粒を吸着させるような形態で砥粒を気泡42に同伴させてよく、あるいは、気泡42の内部に砥粒を包含するような形態で砥粒を気泡42に同伴させてもよい。更には、気泡42に起因して発生し得る液体の対流に乗るように砥粒を気泡42に同伴させてもよい。このような態様から分かるように、本明細書において「砥粒を気泡に同伴させる」とは、研磨流体において気泡の動きに砥粒が追随するような形態で砥粒の分散が促進されることを実質的に意味している。
なお、図3に示すように、仕込み密閉容器2が曲面状の内面28’を備えた底部28を有していてよい。具体的には、図示するように、仕込み密閉容器2の底部28の内面28’が曲面を成していてよい。このような“曲面”の場合、仕込み密閉容器2内で発生させた気泡42に起因して研磨流体7により効果的な対流が生じ易くなり、砥粒を液体中でより好適に分散させることができる。
(多孔フィルターを用いた気泡発生)
気泡発生は多孔フィルターを介したガス供給によって行ってよい。具体的には、多孔フィルターを介して加圧ガスを研磨流体中へと供給することによって、研磨流体に気泡を発生させてよい。図4に示すように、多孔フィルター44を設けた第一管6から加圧ガス5を供給すると、多孔フィルター44の存在に起因して研磨流体7に気泡42を発生させることができる。このような多孔フィルター44は、仕込み密閉容器2内に仕込まれる研磨流体7のレベルよりも下方に位置付けられることになる第一管6のガス供給口6’に設けることが好ましい。
特に、多孔フィルター44は、マイクロバブルの発生に寄与するフィルターであることが好ましい。つまり、平均サイズがマイクロオーダーの気泡を発生することができるフィルター(すなわち、“マイクロバブル・フィルター”)であることが好ましい。かかる場合、多孔フィルター44の孔サイズは、少なくともマイクロオーダー以下であることが好ましい。マイクロバブルは、研磨流体中での比較的長く滞在し得るので、砥粒を液体中でより長く分散させておくことができる。
本発明のある好適な態様では、マイクロバブルに砥粒をトラップさせることで砥粒の分散を促進させる。より具体的には、マイクロバブルの表面に砥粒が吸着されたり、マイクロバブルの内部に砥粒を包含したり、あるいは、マイクロバブルに起因して生じる液体の対流に乗ったりすることによって、液体中での砥粒の分散が促進されてよい。
(発泡剤を用いた気泡発生)
気泡発生には発泡剤46を用いてよい。具体的には、発泡剤46によって気泡42を研磨流体7に発生させてよい(図5参照)。発泡剤46は、研磨流体7(より具体的には研磨流体7の液体72)と接することによって研磨流体7中で発泡現象を引き起こすものである。発泡剤46を用いる場合、研磨流体7中で発生した気泡42は、あくまでもガスであるので、仕込み密閉容器2内の加圧にも寄与し得る。つまり、発泡剤46は、仕込み密閉容器2内に供給される“加圧ガス”の一部としても作用し得る。
発泡剤46は、タブレット形態または粉末形態で研磨流体7に供給してよい。また、研磨流体7への発泡剤46の供給は、連続的であってよく、あるいは、断続的であってもよい。
あくまでも例示にすぎないが、具体的には以下の態様に基づいて発泡剤46を使用してよい。

研磨流体への投入:発泡剤46は仕込み密閉容器2内の研磨流体7に直接的に投入する。例えば、仕込み密閉容器2内に研磨流体7を仕込んだ後、タブレット形態または粉末形態の発泡剤46を研磨流体7に投入する。投入された発泡剤46は液体との反応に起因して研磨流体7中で発泡する。

仕込み密閉容器への予めの設置:発泡剤46は仕込み密閉容器2内に予め設けておく。例えば、研磨流体7の仕込みに先立って、タブレット形態または粉末形態の発泡剤46を予め仕込み密閉容器2内に設けておく。これにより、研磨処理に際して仕込み密閉容器2内に研磨流体7が導入されるに伴って、発泡剤46が液体との反応により研磨流体7中で発泡する。

加圧ガスへの供給:発泡剤46は加圧ガス5に供給する。具体的には、加圧ガス5と共に発泡剤46を仕込み密閉容器2に供給する(図8参照)。例えば、研磨処理に際しては第一管6を介して仕込み密閉容器2内に加圧ガス5が供給されるが、かかる加圧ガス5の供給時に第一管6を介して発泡剤46を並列的に研磨流体7に供給してよい。第一管6から供給される発泡剤46は液体72との反応に起因して研磨流体7中で発泡する。
典型的には研磨流体7の液体72は水であるところ、水と反応することで気体を発生する発泡剤46を用いてよい。あくまでも例示にすぎないが、例えば炭酸水素ナトリウムまたはドライアイスを含んで成る発泡剤46を用いてよい。好ましくは、マイクロバブルを発生し得る発泡剤46を用いる。つまり、平均サイズがマイクロオーダーの気泡42を生じる発泡剤46を用いることが好ましい。マイクロバブルは、研磨流体中で比較的長く滞在し得るので、砥粒を液体72中でより長く分散させておくことができる。
以上、本発明の一実施形態に係る研磨方法について、具体的に説明したが、本発明は、種々の態様を採ることができる。
(砥粒の密度・サイズの選択態様)
本発明に係る研磨方法では、砥粒材質の好適な選択によって、気泡による分散処理をより好適に促進することができる。
研磨流体7は、砥粒71と液体72とから構成され得るが(図6参照)、液体72に対する砥粒71の密度比がより小さくなるように砥粒材質を選択すると、液体72中における砥粒71の分散をより促進させることができる。例えば、液体72に対する砥粒71の密度比が約1.5〜約3.5となる研磨流体7を用いてよく、それによって、気泡による砥粒71の分散を促進させることができる。あくまでも例示にすぎないが、研磨流体7の砥粒71として、炭化ケイ素および/またはアルミナから実質的に成る砥粒を用いてよい。
また、本発明に係る研磨方法では、砥粒サイズの好適な選択によっても、気泡による分散処理をより促進させることができる。例えば、砥粒サイズが小さいと、研磨流体7に発生させた気泡が砥粒71をトラップし易くなり、砥粒の分散処理が促進され得る。あくまでも例示にすぎないが、例えば、研磨流体7の砥粒71は、12メッシュ未満のサイズを有するものであってよい。
(回収密閉容器を用いる態様)
本発明に係る研磨方法は、回収密閉容器を用いて実施してもよい。具体的には、図9に示すように、貫通流路9から流出した研磨流体7を回収密閉容器3に回収してよい。つまり、貫通流路9を通るように仕込み密閉容器2から回収密閉容器3へと研磨流体7を流してよい。図示されるように、貫通流路9から流出した研磨流体7は、回収密閉容器3の第三管11を介して回収密閉容器3へと導かれることになる。
一般的には、研磨流体7が回収されるに伴って回収密閉容器3内では研磨流体7の体積が増すことになる。回収密閉容器3内で研磨流体7の体積が増すと、回収密閉容器3内の圧力が増加し得る。つまり、研磨流体7が回収されるに伴って、仕込み密閉容器2と回収密閉容器3との間の圧力差が一般に小さくなってしまう。圧力差が小さくなると、貫通流路9を通して仕込み密閉容器2から回収密閉容器3へと研磨流体7を流しにくくなる。そこで、本発明のある好適な実施形態では、回収密閉容器3の第四管12から回収密閉容器3の内部のガス5’を排気する。これにより、回収密閉容器3内の圧力増加を効果的に減じることができ、仕込み密閉容器2と回収密閉容器3との間の圧力差をより好適に維持することができる。つまり、研磨処理を継続的に実施したとしても、貫通流路9を通して仕込み密閉容器2から回収密閉容器3へと研磨流体7をより好適に流し続けることができる。
なお、図示していないが、仕込み密閉容器2の第一管6および第二管10、ならびに、回収密閉容器3の第三管11および第四管12には、流体・ガスの流通状態を遮断または調整できるバルブが設けられていてよい。換言すれば、バルブの開閉操作によって、供給される加圧ガス5、研磨流体7および/または排気されるガス5’の流通状態を遮断したり、あるいは、それらの流量を調整したりしてよい。例えば、第一管6に設けられたバルブの開閉状態を制御することによって、仕込み密閉容器2内へと供給される加圧ガス5の流量を調整することができる。また、第二管10および/または第三管11に設けられたバルブの開閉状態を制御することによって、貫通流路9を通る研磨流体7の量を調整することができる。更に、第四管12に設けられたバルブの開閉状態を制御することによって、回収密閉容器3内のガス5’を外部(すなわち、大気中)へと排気する量を調整することができる。そのように用いられるバルブの種類としては、例えばバタフライバルブまたはゲートバルブなどであってよい。
回収密閉容器3を用いる態様では、使用済みの研磨流体7を再利用してよい。つまり、貫通流路9から一旦流出した研磨流体7を貫通流路9へと再度流してよい。具体的には、貫通流路9から流出して回収密閉容器3で回収された研磨流体7を貫通流路9へと再度流してよい。つまり、第四管12を介して回収密閉容器3の内部へと加圧ガスを供給することによって貫通流路9を通るように回収密閉容器3から仕込み密閉容器2へと研磨流体7を流してよい。かかる再利用の態様では、仕込み密閉容器2を回収側として用いる一方、回収密閉容器3を仕込み側として用いており、仕込み密閉容器2と回収密閉容器3との間の機能を反転させている。つまり、貫通流路9を通過する研磨流体7の流れ方向を再利用の態様と比べて逆方向にしている。より具体的には、貫通流路9を介して仕込み密閉容器2から回収密閉容器3へと一旦流された研磨流体7は、それと逆方向に貫通流路9を介して回収密閉容器3から仕込み密閉容器2へと流される。回収密閉容器3へのガスの供給は、仕込み密閉容器2へのガス5の供給態様と同様であってよく、それゆえ、それについての説明は重複を避けるべく割愛する。
(乾燥用ガスの使用態様)
本発明に係る研磨方法に際しては乾燥用ガスを使用してよい。具体的には、図10に示すように、研磨流体による研磨処理後において乾燥用ガス18を貫通流路9に流してよい。乾燥用ガス18を流すことによって、研磨処理後に貫通流路9に残存した研磨流体の液体が気化し易くなり、貫通流路9を好適に乾燥させることができる。
例えば、貫通流路9に研磨流体の液体が残存したままだと、三次元構造体8(特に金属から形成された三次元構造体8の場合)に錆などが発生する不都合が生じ得るが、乾燥用ガス18を流して貫通流路9を乾燥させることによって、かかる不都合を減じることができる。また、研磨処理後には貫通流路9の流路面に砥粒が残存する場合があるが、乾燥用ガス18を流すことで、そのような砥粒を貫通流路9から排出する効果も期待できる。
乾燥用ガス18は、研磨処理後の貫通流路9の乾燥に資するものであれば、いずれの種類のガスであってよい。例えば、乾燥用ガス18として、高温および/または低湿度のガスを用いてよい。ここでいう「高温」とは、常温(例えば23℃)よりも高い温度を有する態様を指し、「低湿度」とは、例えば貫通流路9の内部空間における水蒸気圧力よりも低い水蒸気圧力を有する態様を指す。このような高温および/または低湿度のガスを乾燥用ガス18として用いることによって、貫通流路9を効果的に乾燥させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、それは本発明の適用範囲のうちの典型例を示したに過ぎない。従って、本発明は、上記にて説明した実施形態に限定されず、種々の変更がなされ得ることを当業者は容易に理解されよう。
1 三次元構造体の貫通流路を研磨するためのデバイス
2 仕込み密閉容器
3 回収密閉容器
5 加圧ガス
6 第一管
7 研磨流体
8 三次元構造体
9 貫通流路
10 第二管
11 第三管
12 第四管
40 気泡発生手段
42 気泡
44 多孔フィルター
46 発泡剤
71 砥粒
72 液体

Claims (11)

  1. 三次元構造体の貫通流路を研磨するための方法であって、
    砥粒および液体を含んで成る研磨流体が仕込まれた仕込み密閉容器から前記貫通流路に該研磨流体を流して該貫通流路の研磨処理を行っており、
    前記仕込み密閉容器内では前記研磨流体に気泡を発生させて前記砥粒を前記液体中に分散させる分散処理を行うことを特徴とする、方法。
  2. 前記研磨流体中で前記砥粒を前記気泡に同伴させることによって前記分散処理を行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記研磨処理においては、前記仕込み密閉容器内に供給した加圧ガスによって前記研磨流体を該仕込み密閉容器内で加圧し、それによって、該仕込み密閉容器から該貫通流路へと該研磨流体を流入させることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 多孔フィルターを介して前記加圧ガスを前記研磨流体中へと供給することによって、該研磨流体に前記気泡を前記発生させることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 発泡剤によって前記気泡を前記研磨流体に前記発生させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  6. 前記気泡がマイクロバブルであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 前記貫通流路から流出した前記研磨流体を回収密閉容器に回収しており、
    前記回収では前記回収密閉容器内のガスを外部へと排気することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記三次元構造体として、粉末焼結積層法によって製造された三次元形状造形物を用いることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 三次元構造体の貫通流路を研磨するためのデバイスであって、
    砥粒および液体を含んで成る研磨流体を仕込むための仕込み密閉容器を有して成り、
    前記仕込み密閉容器は、外部から該仕込み密閉容器の内部へとガスを供給するための第一管、および、該仕込み密閉容器の前記内部から前記貫通流路へと前記研磨流体を導くための第二管を備えており、
    前記仕込み密閉容器内の前記研磨流体に気泡を発生させるための気泡発生手段を更に有して成ることを特徴とする、デバイス。
  10. 前記気泡発生手段が、発泡剤および前記第一管に設けられた多孔フィルターの少なくとも一方であることを特徴とする、請求項9に記載のデバイス。
  11. 前記貫通流路から流出した前記研磨流体を回収するための回収密閉容器を更に有して成り、
    前記回収密閉容器が、前記貫通流路から流出した前記研磨流体を前記回収密閉容器内に導くための第三管、および、該回収密閉容器内のガスを外部へと排気するための第四管を備えていることを特徴とする、請求項9または10に記載のデバイス。
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