JP2016179515A - 三次元構造体の貫通流路を研磨するための方法およびデバイス - Google Patents

三次元構造体の貫通流路を研磨するための方法およびデバイス Download PDF

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Abstract

【課題】シリンダーを用いずとも、より十分な量の砥粒でもって三次元構造体の貫通流路をより適切に研磨できる貫通流路の研磨方法を提供すること。
【解決手段】砥粒および液体を含んで成る研磨流体が仕込まれた仕込み密閉容器から貫通流路に研磨流体を流して貫通流路の研磨処理を行う。特に、貫通流路へと研磨流体を流すためのガスが供給される仕込み密閉容器内において砥粒を液体中に分散させる分散処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、三次元構造体の貫通流路を研磨するための方法およびかかる方法を実施するためのデバイスに関する。
従来より、貫通流路を備えた三次元構造体が知られている。三次元構造体は、例えば金属材料または樹脂材料から形成されている。
金属材料から形成された三次元構造体は例えば金型として用いられ、貫通流路は冷却路等の温調媒体路として用いられる。かかる場合、三次元構造体の貫通流路には例えば冷却液等を流して三次元構造体の冷却が行われることになる。
このような貫通流路は、基材となる部材に切削加工を施すことによって形成できる他、粉末焼結積層法によっても形成できる。特に粉末焼結積層法は、三次元構造体の貫通流路を複雑な任意形状とすることができる点で特徴を有する。
粉末焼結積層法の場合、粉末層の所定領域に光ビームを照射して粉末原料の焼結または溶融固化を繰り返して三次元構造体を形成していくが、貫通流路となる局所部分には光ビームを照射しない。光ビームを照射しなかった局所部分の粉末原料を最終的に除去すると、貫通流路を備えた三次元構造体が得られることになる。
特許第5477739号
粉末焼結積層法を用いて貫通流路を備えた三次元構造体を形成する場合、光ビームの照射箇所と非照射箇所との界面においては焼結または溶融しなかった粉末原料が当該照射箇所に付着し得る。これにより、貫通流路の断面サイズが所望のものより小さくなる場合がある。貫通流路の断面サイズがより小さくなると、貫通流路に冷却液等の温調媒体を流しにくくなり、三次元構造体の温調効果が低下する虞がある。
所望の貫通流路を得るため、砥粒を含んだ研磨流体を三次元構造体の貫通流路に流して、貫通流路を研磨する方法が提案されている(特許文献1参照)。当該方法では、油圧等でシリンダーを往復運動させて貯留タンク内の研磨流体を三次元構造体の貫通流路に流入させている。
本発明者は、シリンダーの往復運動により研磨流体を貫通流路に流入させる態様では以下の問題が生じ得ることを見出した。具体的には、シリンダーの往復運動は砥粒の過剰な運動を引き起こし、砥粒がシリンダーの構造内部へと流入してしまう虞があることを見出した。砥粒がシリンダーの構造内部に流入すると、砥粒に起因してシリンダーの摩耗が引き起こされ、シリンダーの往復運動が阻害されてしまう。その結果、研磨流体を貫通流路へと十分に送液することができず、貫通流路を適切に研磨できなくなるといった問題が生じ得る。
また、研磨流体の種類によっては、砥粒が貯留タンク内に沈殿する虞がある。砥粒が貯留タンク内に沈殿した状態では貫通流路に十分な量の砥粒を送ることができず、その点でも貫通流路を適切に研磨できなくなる問題が生じ得る。
本発明は、このような問題に鑑みて為されたものである。即ち、本発明の目的は、シリンダーを用いずとも、より十分な量の砥粒でもって三次元構造体の貫通流路をより適切に研磨できる貫通流路の研磨方法および研磨デバイスを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明では、
三次元構造体の貫通流路を研磨するための方法であって、
砥粒および液体を含んで成る研磨流体が仕込まれた仕込み密閉容器から貫通流路に研磨流体を流して貫通流路の研磨処理を行い、
貫通流路へと研磨流体を流すために用いられるガスが供給される仕込み密閉容器内において砥粒を液体中に分散させる分散処理を行うことを特徴とする方法が提供される。
また、上記目的を達成するために、本発明では、
三次元構造体の貫通流路を研磨するためのデバイスであって、
砥粒および液体を含んで成る研磨流体を仕込むための仕込み密閉容器を有して成り、
仕込み密閉容器は、外部から仕込み密閉容器の内部へとガスを供給するための第1管、および、仕込み密閉容器の内部から貫通流路へと研磨流体を導くための第2管を備えており、
三次元構造体の貫通流路を研磨するためのデバイスは、仕込み密閉容器内において砥粒を液体中に分散させるための分散手段を更に有して成ることを特徴とするデバイスも提供される。
本発明では、シリンダーを用いずとも、より十分な量の砥粒でもって三次元構造体の貫通流路をより適切に研磨できる。
仕込み密閉容器内の研磨流体にて砥粒が液体中に分散している態様を示した概略断面図 仕込み密閉容器内の研磨流体を撹拌機で攪拌する態様を示した概略断面図 仕込み密閉容器内の研磨流体を撹拌機で攪拌するためのデバイスの外観を示した概略斜視図 仕込み密閉容器内の研磨流体をバブリングする態様を示した概略断面図 仕込み密閉容器内の研磨流体をバブリングする別の態様を示した概略断面図 研磨流体の流体挙動を検知するための検知機構を設けた態様を示した概略断面図 回収密閉容器を用いて研磨処理を行う態様を示した概略断面図 貫通流路の上流側および下流側に検知機構を設けた態様を示した概略断面図 研磨処理後に貫通流路に乾燥用ガスを流す態様を示した概略断面図 仕込み密閉容器の底部から研磨流体を抜き出す態様を示した概略断面図
以下では、図面を参照して本発明の一実施形態をより詳細に説明する。図面における各種要素の形態および寸法などは、あくまでも例示にすぎず、実際の形態および寸法を反映するものではない。
本明細書で用いる用語は次の通り規定される。本明細書でいう「三次元構造体」は、金属材料および/または樹脂材料から形成されている三次元物体を指す。三次元構造体が金属材料から形成されている場合、三次元構造体を金型または金型部品(例えば、入れ子、スプルーブッシュまたはガイドピン等)として用いることができる。本明細書でいう「三次元形状造形物」は、粉末焼結積層法によって製造される構造体を指し、粉末焼結積層法以外の方法によっても製造される「三次元構造体」の下位概念の構造体に相当する。本明細書でいう「貫通流路」は、三次元構造体の内部を貫通するように形成された“中空部分”を指す。ここでいう“中空部分”とは、具体的には三次元構造体の内部にて壁面で囲まれた空間領域を意味している。本明細書でいう「仕込み密閉容器」は、下記で説明する第1管および第2管を除いて、供給ガスおよび研磨流体等が当該容器の内部から外部へと漏れ出ないように封止された容器を指す。本明細書でいう「回収密閉容器」は、下記で説明する第3管および第4管を除いて、ガスおよび研磨流体等が当該容器の内部から外部へと漏れ出ないように封止された容器を指す。
便宜上、まず「三次元構造体の貫通流路を研磨するためのデバイス」を説明し、その後、「貫通流路を備えた三次元構造体」および「三次元構造体の貫通流路を研磨するための方法」を説明する。
[三次元構造体の貫通流路を研磨するためのデバイス]
本発明の一実施形態に係るデバイスは、三次元構造体の貫通流路を研磨するためのデバイス1である(図1参照)。図1に示されるように、かかるデバイス1は、砥粒71と液体72とを含んで成る研磨流体7を仕込むための仕込み密閉容器2を有して成る。仕込み密閉容器2は、例えばステンレスなどの金属製であって、第1管6と第2管10とを備えている。第1管6は、仕込み密閉容器2の外部からその内部へとガス5を供給するための管であり、第2管10は、仕込み密閉容器2の内部から三次元構造体8の貫通流路9へと研磨流体を導くための管である。第1管6および第2管10は、それぞれ、例えば仕込み密閉容器2の上部25を介して仕込み密閉容器2の外部からその内部へと延在している。第1管6の上流側においては、その第1管6と接続されたガス供給ライン(図示せず)が設けられていることが好ましい。一方、第2管10の下流側においては、その第2管10と貫通流路9の流入口との間を接続する送液ライン14が設けられていることが好ましい。
仕込み密閉容器2の内部には第1管6を介してガス5が供給される。供給されるガス5は、仕込み密閉容器2内において研磨流体7と直接的に接し、研磨流体7の加圧に供する。つまり、ガス5によって研磨流体7を仕込み密閉容器2内で直接的に加圧する。ここでいう「直接的に加圧する」とは、仕込み密閉容器2内でガス5と研磨流体7とがそれぞれ気相および液相を成して互いに接するような条件下でガス5が研磨流体7を押圧する態様を指している。仕込み密閉容器2内でガス5が研磨流体7を押圧するので、研磨流体7が仕込み密閉容器2から押し出され、第2管10を介して貫通流路9へと流入する。
ガス5は研磨流体7に溶存しにくいガスとなっていることが好ましい。ガス種類を適切に選択することによって、あるいは、ガス圧力および/またはガス温度などを適宜調整することによって、ガス5を“溶存しにくいガス”とすることができる。例えばガス5の種類としては空気または不活性ガス(1つ例示するとアルゴンガス)等を選択してよい。ガス5の圧力は例えばコンプレッサーを用いて調整してよい。また、ガス5の温度は常温であってもよい(即ち、ガス5に対して加熱処理または冷却処理などの特段の温調処理を施さなくてよい)。
本発明の一実施形態に係るデバイス1は、図1に示すように、回収密閉容器3を更に有していてよい。回収密閉容器3は、貫通流路9から流出した研磨流体7を回収するための容器である。即ち、回収密閉容器3は、仕込み密閉容器2から貫通流路9へと送液された研磨流体7を回収する容器に相当する。回収密閉容器3は、例えばステンレスなどの金属製であって、第3管11と第4管12とを備えている。第3管11は、貫通流路9から流出した研磨流体7を回収密閉容器3内に導くための管であり、第4管12は、回収密閉容器3内のガス5’を外部へと排気するための管である。第3管11の上流側においては、その第3管11と貫通流路9の流出口との間を接続する送液ライン15が設けられていることが好ましい。
回収密閉容器3から排出されるガス5’は、その回収密閉容器3内に元々存在するガスであるが、研磨処理に伴って不可避的にもたらされる「仕込み密閉容器2で供給されたガス5」を場合によって含み得る。具体的には、仕込み密閉容器2内で研磨流体7に一旦溶け込んだガス5が回収密閉容器3にて気化する場合、回収密閉容器3から排出されるガス5’には「仕込み密閉容器2で供給されたガス5」が含まれることになる。
本発明の一実施形態に係るデバイス1は、特に“砥粒分散手段”を有することを特徴とする。具体的には、本発明の一実施形態に係るデバイス1は、仕込み密閉容器2に仕込んだ研磨流体7の砥粒71を液体72に分散させるための“砥粒分散手段”を有して成る。かかる“砥粒分散手段”は、好ましくは撹拌機および/またはガス供給管である。
(砥粒分散手段としての撹拌機)
砥粒分散手段として、本発明の一実施形態に係るデバイス1は、図2および図3に示すように仕込み密閉容器2に備えられた撹拌機19を有することが好ましい。撹拌機19は、図2に示すように、例えば撹拌制御部20およびそれに接続された撹拌翼21を有して成る。撹拌翼21は、仕込み密閉容器2内の研磨流体7のレベルよりも下方に位置付けられている。研磨流体7の攪拌処理のために撹拌翼21は回転運動に付されるが、その回転運動が撹拌制御部20によって制御される。このように仕込み密閉容器2に設けられた撹拌機19で研磨流体7の攪拌処理が行われることになり、砥粒71が液体72中に分散される。
図示するように、分散処理後の研磨流体7は、第2管10を介して貫通流路9へと移送されるので、より十分な量の砥粒71を貫通流路9へと送ることができ、結果としてより好適な研磨処理を行うことができる。
(砥粒分散手段としてのガス供給管)
本発明の一実施形態に係るデバイスは、好ましくは、砥粒分散手段として好適なガス供給管を有している。かかるガス供給管は、例えば仕込み密閉容器2の第1管6である。図4に示すように、砥粒分散手段として好適な第1管6は、そのガス供給口6aが仕込み密閉容器2内に仕込まれる研磨流体7のレベルよりも下方に位置付けられている。第1管6のガス供給口6aを介してガス5が供給されると、図示されるように研磨流体7に気泡24が発生するので、研磨流体7がバブリングされる。このようなバブリングによって仕込み密閉容器2内の研磨流体7には対流が引き起こされ、砥粒71が液体72中で分散される。
好ましくは、図4に示すように、第1管6のガス供給口6aは第2管10の研磨流体流入口10aよりも上方に位置付けられていることが好ましい。これにより、バブリングの気泡24が第2管10の研磨流体流入口10aに入り込むことを抑制できる。
第1管6のガス供給口6aは下向きでなくてもよい。図5に示すように、仕込み密閉容器2の外部から内部へと鉛直方向に延在する第1管6は、その先端が曲げられた形態を有していてよい。つまり、第1管6の先端部分は、鉛直方向からずれた方向に延在していてよい。例えば、鉛直方向Mと第1管6の先端部分の延在方向Nとが成す角度α(図5参照)は、好ましくは約45°〜約135°、より好ましくは約60°〜約120°(1つ例示すると約90°)となっている。かかる場合、より好適な対流が研磨流体7にもたらされ、より効果的なバブリングを実施できる。具体的には、そのような第1管6からガス5を供給すると、バブリングの気泡24が研磨流体7内で旋回するように生じることになり、より効果的に砥粒71が液体72中に分散される。
図4および図5に示すように、仕込み密閉容器2内で砥粒71の分散処理がなされた研磨流体7は、第2管10を介して貫通流路9へと移送される。従って、より十分な量の砥粒を貫通流路9へと送ることができ、結果としてより好適な研磨処理を行うことができる。
(デバイスの検知機構)
尚、本発明の一実施形態に係るデバイスは、検知機構を有していてよい。具体的には、図6に示すように、本発明の一実施形態に係るデバイスは、三次元構造体8の貫通流路9から流出した研磨流体の流体挙動を検知するための検知機構13を更に有していてよい。貫通流路9から流出する研磨流体の流体挙動を検知することによって、貫通流路9の研磨処理の停止または終了のタイミングを判定する。検知機構13は「研磨流体の流体挙動を検知する検知手段」および「検知手段が検知した流体挙動を表示する表示手段」から構成されていることが好ましい。図6に示すように、検知機構13の検知手段は、非接触式(13A1)であってよく、あるいは、接触式(13B1および13C1)であってもよい。あくまでも1つの例示にすぎないが、非接触式の検知手段は、超音波の伝播時間を利用した超音波式検知手段であってよい。一方、接触式の検知手段は、絞り前後の圧力差を検知する差圧式検知手段であってよい。また、検知機構13の表示手段は、図6に示すように、検知手段に対して直接的に設けられた手段(13B2)であってよく、あるいは、電気ケーブルなどを介して検知手段に間接的に接続された表示手段(13A2および13C2)であってもよい。
[貫通流路を備えた三次元構造体]
次に、貫通流路を備えた三次元構造体について説明する。かかる三次元構造体は、切削加工法を利用することによって得ることができる他、粉末焼結積層法を利用することによっても得ることができる。切削加工法では、基材となる部材にドリル加工等の機械的加工を施すことによって貫通流路を形成する。一方、粉末焼結積層法では、粉末層への光ビーム照射を通じて三次元構造体とその貫通流路とを並列的に形成する。粉末焼結積層法を用いると、比較的複雑な形状の貫通流路を備えた三次元構造体を製造できる。以下では、粉末焼結積層法による“造形”によって貫通流路が形成された三次元構造体(即ち、「三次元形状造形物」)を製造する方法について詳述する。
粉末焼結積層法は、以下の工程(i)および(ii)を繰り返して三次元形状造形物を製造することを特徴としている。
(i)粉末層の所定箇所に光ビームを照射し、かかる所定箇所の粉末を焼結または溶融固化させて固化層を形成する工程
(ii)得られた固化層の上に新たな粉末層を敷いて同様に光ビームを照射して更に固化層を形成する工程
粉末焼結積層法において「粉末層」とは、例えば「金属の粉末原料から成る金属粉末層」または「樹脂の粉末原料から成る樹脂粉末層」を意味している。また「粉末層の所定箇所」とは、製造される三次元形状造形物の領域を実質的に指している。従って、かかる所定箇所に存在する粉末原料に対して光ビームを照射することによって、その粉末原料が焼結または溶融固化して三次元形状造形物を構成することになる。更に「固化層」とは、粉末層が金属粉末層である場合には「焼結層」を意味し、粉末層が樹脂粉末層である場合には「硬化層」を意味している。
このような製造技術を用いれば、複雑な三次元形状造形物を短時間で製造することができる。粉末原料として金属の粉末原料を用いる場合、得られる三次元形状造形物を金型として使用することができる。一方、粉末原料として樹脂の粉末原料を用いる場合、得られる三次元形状造形物を各種モデルとして使用することができる。
粉末原料として金属の粉末原料を用い、それによって得られる三次元形状造形物を金型として使用する場合を例にとる。まず、スキージング・ブレードを水平方向に動かして造形プレート上に所定厚みの粉末層を形成する。次いで、粉末層の所定箇所に光ビームを照射して粉末層から固化層を形成する。引き続いて、スキージング・ブレードを水平方向に動かして、得られた固化層の上に新たな粉末層を形成して再度光ビームを照射して新たな固化層を形成する。このようにして粉末層形成と固化層形成とを交互に繰り返し実施すると固化層が積層することになり、最終的には積層した固化層から成る三次元形状造形物を得ることができる。最下層として形成される固化層は造形プレートと結合した状態になるので、三次元形状造形物と造形プレートとは一体化物を成し、その一体化物を金型として使用することができる。
三次元形状造形物の貫通流路は、光ビームの照射箇所において光ビームを照射しない局所部分を設けることによって形成できる。具体的には、粉末層の所定箇所への光ビーム照射に際して貫通流路となるべき局所部分に光ビームを照射せず、三次元形状造形物の造形完了後に当該局所部分の粉末原料を除去する。これにより、貫通流路が最終的に得られる。粉末焼結積層法では、光ビームを照射しない局所部分を任意に設けることができるので、ドリル加工等では形成困難な複雑形状の貫通流路を任意に形成できる。
[三次元構造体の貫通流路を研磨するための方法]
本発明に係る方法は、三次元構造体の貫通流路を研磨する方法である。本発明に係る方法では、研磨流体が仕込まれた仕込み密閉容器から三次元構造体の貫通流路へと研磨流体を流して貫通流路の研磨処理を行う。特に、研磨流体を流すためのガスが供給される仕込み密閉容器内で砥粒を液体中に分散させる分散処理を行う。
以下、本発明の一実施形態に係る研磨方法について、図面を参照して具体的に説明する。
まず、仕込み密閉容器2内に研磨流体7を仕込む。研磨流体7は砥粒71および液体72を含んで成る。液体72は、砥粒に対して分散媒体となるものである。例えば、研磨流体7の液体72として水を用いてよい。一方、砥粒71は、研磨剤として機能する粒状物または粉末状物である。液体72内に分散し得るものであれば、いずれの種類の砥粒を用いてよい。例えば、研磨流体7の砥粒71として、多孔質セラミック、炭化ケイ素、アルミナおよび鉱石材(例えばガーネット)等から成る群から選択される少なくとも1種類の材質から成るものを用いてよい。
研磨流体が仕込まれた仕込み密閉容器に対してはガスを供給する。具体的には、例えば図1に示すように、仕込み密閉容器2に仕込まれた研磨流体7と接することになるように第1管6を介して仕込み密閉容器2の内部にガス5を供給する。これにより、ガス5が仕込み密閉容器2内の研磨流体7を直接的に加圧するので、研磨流体7が仕込み密閉容器2から押し出されて貫通流路9へと流入する。つまり、ガス5の圧力に起因して、仕込み密閉容器2で研磨流体7が押圧されるので、研磨流体7が第2管10を介して貫通流路9へと移送されることになる。
このように、本発明では研磨流体7が仕込まれた仕込み密閉容器2内にガス5を供給することによって仕込み密閉容器2から貫通流路9へと研磨流体7を移送させる。つまり、本発明は“シリンダーの往復運動で貫通流路に研磨流体を流入させる態様”とはなっていない。
仕込み密閉容器2内に供給されるガス5の圧力は、仕込み密閉容器2内の研磨流体7を加圧し、かつ、当該圧力により研磨流体7を仕込み密閉容器2から貫通流路9へと移送できるものであればよい。ガス5の圧力を適切に調整すれば、例えば図3に示すような複雑形状の貫通流路9を備えた三次元構造体8であっても、当該貫通流路9に研磨流体7を流すことができる。特に限定されるものではないが、ガス5の圧力は、約0.01MPa〜約20MPaであってよい。好ましくは、ガス5の圧力は約0.1MPa〜約10MPaであり、より好ましくは約0.2MPa〜約5MPaである。ガス5の圧力自体は、例えばコンプレッサーおよび/またはガスボンベを利用することによって得ることができる。つまり、コンプレッサーを用いてガス5の昇圧を行ってよい。あるいは、ガス供給源として用いられるガスボンベから供されるガスをそのままガス5として使用してもよい。ここでいう「コンプレッサー」とは、いわゆる“ガスコンプレッサー”のことであって、ガスの圧縮によってガス圧を高くすることができる圧送機を指している。また、「ガスボンベ」は、主にガス源として用いられる高圧ガスを貯留したガス容器(例えば、可搬式の高圧ガス容器)のことを指している。
尚、本発明の一実施形態では、仕込み密閉容器2内において研磨流体7のレベルが第2管10の先端部レベルよりも高い位置にある。従って、いわゆる“水頭圧”に起因して研磨流体7が第2管10から押し出される作用が生じ得る。つまり、このような場合では“ガス5の圧力”のみならず、“水頭圧”にも起因して研磨流体7が貫通流路9へと移送されることになる。
移送された研磨流体7が貫通流路9に流入すると、研磨流体7によって貫通流路9の流路面の付着物等が削り取られる。粉末焼結積層法により三次元構造体8が得られた場合(即ち、“三次元形状造形物”の場合)、その貫通流路9の流路面には“焼結または溶融しなかった粉末原料”が付着していることが多いが、そのような不要な粉末原料を研磨流体7で削り取ることができる。具体的には、貫通流路9に流入した研磨流体7の砥粒71の研磨作用によって、かかる不要な粉末原料が削り取られ、貫通流路9の研磨が行われることになる。貫通流路9の研磨によって貫通流路9の流路面の付着物等が除去されるので、貫通流路9の断面サイズなどを所望のものにすることができる。つまり、研磨処理後に貫通流路9を温調媒体路として用いる場合、所望の流量および/または流速でもって温調媒体(例えば冷却液など)を貫通流路に流すことができる。これは、三次元構造体8を例えば金型として用いる場合、三次元構造体の冷却等をより適切に行うことができることを意味している。
本発明に係る研磨方法の特徴1つは、研磨流体を分散処理に付すことである。具体的には、本発明に係る研磨方法では、仕込み密閉容器内で砥粒を液体中に分散させる処理を行う。図1(特に、図1内の拡大概略断面図)には、仕込み密閉容器2内の研磨流体7において砥粒71が液体72中で分散した状態が示されている。このように砥粒71が液体72中で分散していると、三次元構造体8の貫通流路9をより適切に研磨できる。具体的には、第2管10を介して仕込み密閉容器2から三次元構造体8の貫通流路9へと研磨流体7を流すに際してより十分な量の砥粒71を研磨流体7に含めることができ、三次元構造体8の貫通流路9をより適切に研磨することができる。
(撹拌機による砥粒分散処理)
分散処理としては、撹拌機を用いた処理を行ってよい。具体的には、仕込み密閉容器2内にて研磨流体7を撹拌機で攪拌することにより分散処理を行ってよい。撹拌機としては図2に示すような撹拌機19を用いてよい。上述したように、撹拌機19は、撹拌制御部20およびそれに接続された撹拌翼21を有して成り、撹拌翼21を回転運動させることによって、仕込み密閉容器2内で砥粒71を液体72中に分散させる。特に撹拌翼21の回転数を調整することによって、砥粒71が液体72の全体により行き渡る分散処理を行うことができる。
“撹拌機による分散処理”は例えばガス供給に先立って行ってよい。つまり、仕込み密閉容器2内に仕込まれた研磨流体7を撹拌機19を用いて攪拌した後にガス5を供給してよい。あるいは別法にて、“撹拌機による分散処理”をガス供給と並列的に行ってもよい。つまり、仕込み密閉容器2内に仕込まれた研磨流体7を撹拌機19を用いて攪拌しながら、ガス5を供給を仕込み密閉容器2内に供給してよい。
(バブリングによる砥粒分散処理)
分散処理としては、バブリングによる処理を行ってもよい。具体的には、仕込み密閉容器内において研磨流体をバブリングすることで分散処理を行ってよい。
バブリングによる分散処理は、図4および図5に示すような第1管6を用いてガス5を供給することによって行ってよい。つまり、仕込み密閉容器2内の研磨流体7のレベルよりも下方位置からガス5を仕込み密閉容器2内に供給してバブリングを行ってよい。かかるバブリングによって研磨流体7に対流を引き起こすことができるので、砥粒71を液体72中に分散させることができる。
特に図5に示すように、鉛直方向からずれた方向にガス5を供給すると、旋回するような気泡24を研磨流体7内に生じさせることができるので、より好適な砥粒分散処理を実施できる。また、図5に示すようなバブリングにおいては、第1管6から供給されたガス5に起因した気泡24が第2管10に入り込むといった不都合な現象を抑制できる点で利点が供される。
バブリングに供した後のガス5は、仕込み密閉容器2内の上方部分に蓄積されることになり、仕込み密閉容器2内で研磨流体7の加圧に供し得る。つまり、本発明のある好適な実施形態では、バブリングに供した後のガス5の圧力に起因して、仕込み密閉容器2から押し出されるように研磨流体7が貫通流路9へと流入することになる。
(砥粒材質に起因した分散)
本発明に係る研磨方法では、砥粒材質の好適な選択によって、上記の如くの分散処理と同様の効果を得ることができる。
本発明の研磨方法に用いられる研磨流体7は、砥粒71と液体72とから構成され得るが、液体72に対する砥粒71の密度比がより小さくなるように砥粒材質を選択すると、液体72中における砥粒71の分散を促進させることができる。例えば、液体72に対する砥粒71の密度比が約1.5〜約3.5となる研磨流体7を用いてよく、それによって、砥粒71の分散状態を向上させることができる。
砥粒材質の観点で砥粒71が液体72中で好適に分散した研磨流体7を用いると、より十分な量の砥粒を貫通流路9へと送ることができ、結果としてより好適な研磨処理を行うことができる。
以上、本発明の一実施形態に係る研磨方法について、具体的に説明したが、本発明は、種々の態様を採ることができる。
(回収密閉容器を用いる態様)
本発明に係る研磨方法は、回収密閉容器を用いて実施してもよい。具体的には、図7に示すように、貫通流路9から流出した研磨流体7を回収密閉容器3に回収してよい。つまり、貫通流路9を通るように仕込み密閉容器2から回収密閉容器3へと研磨流体7を流してよい。図示されるように、貫通流路9から流出した研磨流体7は、回収密閉容器3の第3管11を介して回収密閉容器3へと導かれることになる。
一般的には、研磨流体7が回収されるに伴って回収密閉容器3内では研磨流体7の体積が増すことになる。回収密閉容器3内で研磨流体7の体積が増すと、回収密閉容器3内の圧力が増加し得る。つまり、研磨流体7が回収されるに伴って、仕込み密閉容器2と回収密閉容器3との間の圧力差が一般に小さくなってしまう。圧力差が小さくなると、貫通流路9を通して仕込み密閉容器2から回収密閉容器3へと研磨流体7を流しにくくなる。そこで、本発明のある好適な実施形態では、回収密閉容器3の第4管12から回収密閉容器3の内部のガス5’を排気する。これにより、回収密閉容器3内の圧力増加を効果的に減じることができ、仕込み密閉容器2と回収密閉容器3との間の圧力差をより好適に維持することができる。つまり、研磨処理を継続的に実施したとしても、貫通流路9を通して仕込み密閉容器2から回収密閉容器3へと研磨流体7をより好適に流し続けることができる。
なお、図示していないが、仕込み密閉容器2の第1管6および第2管10、ならびに、回収密閉容器3の第3管11および第4管12には、流体・ガスの流通状態を遮断または調整できるバルブが設けられていてよい。換言すれば、バルブの開閉操作によって、供給されるガス5、研磨流体7および/または排気されるガス5’の流通状態を遮断したり、あるいは、それらの流量を調整したりしてよい。例えば、第1管6に設けられたバルブの開閉状態を制御することによって、仕込み密閉容器2内へと供給されるガス5の流量を調整することができる。また、第2管10および/または第3管11に設けられたバルブの開閉状態を制御することによって、貫通流路9を通る研磨流体7の量を調整することができる。更に、第4管12に設けられたバルブの開閉状態を制御することによって、回収密閉容器3内のガス5’を外部(すなわち、大気中)へと排気する量を調整することができる。そのように用いられるバルブの種類としては、例えばバタフライバルブまたはゲートバルブなどであってよい。
回収密閉容器3を用いる態様では、使用済み研磨流体を再利用してよい。つまり、貫通流路9から一旦流出した研磨流体7を貫通流路9へと再度流してよい。具体的には、貫通流路9から流出して回収密閉容器3で回収された研磨流体7を貫通流路9へと再度流してよい。つまり、貫通流路9を通るように回収密閉容器3から仕込み密閉容器2へと研磨流体7を流してよい。
かかる態様では、仕込み密閉容器2を回収側として用いる一方、回収密閉容器3を仕込み側として用いており、仕込み密閉容器2と回収密閉容器3との間の機能を反転させている。つまり、貫通流路9を通過する研磨流体7の流れ方向を逆方向にしている。より具体的には、貫通流路9を介して仕込み密閉容器2から回収密閉容器3へと一旦流された研磨流体7は、それと逆方向に貫通流路9を介して回収密閉容器3から仕込み密閉容器2へと流される。
例えば、仕込み密閉容器2から貫通流路9へと研磨流体7を流すことによって貫通流路9の研磨処理を行うと、最終的には仕込み密閉容器2内の研磨流体7が回収密閉容器3内へと移ることになる。そこで、仕込み密閉容器2を回収側として用いる一方、回収密閉容器3を仕込み側として用い、貫通流路9を通過する研磨流体7の流れ方向を逆方向にすることによって、研磨処理を継続することができる。
研磨流体を“逆方向”に流すに際しては、回収密閉容器3に対してガスが供給される。具体的には、回収密閉容器3内の研磨流体7と接することになるように第4管12を介して回収密閉容器3の内部へとガスが供給される。供給されるガスは、回収密閉容器3内の研磨流体7を直接的に加圧するので、研磨流体7を回収密閉容器3から押し出すことができ、貫通流路9へと研磨流体7を流入させることができる。つまり、回収密閉容器3に供給されるガスの圧力に起因して、回収密閉容器3内の研磨流体7が押圧されるので、研磨流体7が第3管11を介して貫通流路9へと移送される。
回収密閉容器3へのガスの供給は、仕込み密閉容器2へのガス5の供給態様と同様であってよく、それゆえ、それについての説明は重複を避けるべく割愛する。
図7に示すように、回収密閉容器3には、仕込み密閉容器2と同様の撹拌機19が設けられていてよい。つまり、“逆方向”に流すに際しては、回収密閉容器3にて研磨流体7を撹拌機19で攪拌して砥粒分散処理を行ってよい。これにより、“逆方向”に流すに際しても、より十分な量の砥粒を貫通流路9へと送ることができ、より好適な研磨処理を行うことができる。
使用済み研磨流体を再利用する態様は、シリンダーを用いなくとも“互いに相反する2方向”から貫通流路9へと研磨流体を送ることができ、より効率的な研磨処理を実施できる。
(研磨流体の流体挙動の検知態様)
本発明に係る研磨方法では、研磨処理時に研磨流体の流体挙動を検知してよい。特に研磨処理の状態を把握するために、貫通流路9から流出した研磨流体の流体挙動を検知してよい(図6参照)。
三次元構造体8の貫通流路9(具体的には、その流路面)に粉末原料等の付着物が存在する場合、当該付着物に起因して貫通流路9にはその断面サイズが所望よりも減じられた“狭窄部分”が存在する。かかる貫通流路9の狭窄部分は、研磨処理によって徐々に減じられることになるが、そのような研磨処理の過程において貫通流路9を通る研磨流体の流体挙動が変化する。つまり、貫通流路9に狭窄部分が存在する場合とそうでない場合とでは流体挙動が異なるので、そのような流体挙動の違いを検知することによって、貫通流路9に狭窄部分が依然存在するか否か、即ち、貫通流路9が所望に研磨処理されたか否かを把握できる。
特に貫通流路9において狭窄部分が無くなると、貫通流路9から流出する研磨流体7の流体挙動が実質的に変化しなくなるので、かかる流体状態から研磨処理の進行度を把握できる。それゆえ、本発明のある好適な実施形態では、貫通流路9から流出する研磨流体7の流体挙動の変化に基づいて、貫通流路9の研磨処理の停止または終了のタイミングを判定する。
“流体挙動の検知”としては、例えば研磨流体の流速または流量の検知であってよい。あくまでも1つの例示にすぎないが、貫通流路9から流出する研磨流体7の流速または流量が実質的に一定となったことを検知した時点で、貫通流路9の研磨処理は十分に行われたものと判定し、研磨処理を終了してよい。
図6に示す検知機構13(13A、13Bまたは13C)は、貫通流路9の下流側に設けられているが、図8に示すように貫通流路9の上流側にも検知機構13を設けてもよい。かかる場合、貫通流路9の上流側および下流側の検知機構によって研磨流体の流体挙動を検知できる。具体的には、「貫通流路9の上流側で検知した流体挙動」と「貫通流路9の下流側で検知した流体挙動」との差から貫通流路9に狭窄部分が依然存在するか否か、即ち、貫通流路9が所望に研磨処理されたか否かを把握することができる。例えば、「貫通流路9の上流側で検知した流体挙動」と「貫通流路9の下流側で検知した流体挙動」との差が実質的に無くなれば、貫通流路9の研磨処理は十分に行われたものと判定し、研磨処理を終了してよい。
(乾燥用ガスの使用態様)
本発明に係る研磨方法に際しては乾燥用ガスを使用してよい。具体的には、図9に示すように、研磨流体による研磨処理後において乾燥用ガス18を貫通流路9に流してよい。乾燥用ガス18を流すことによって、研磨処理後に貫通流路9に残存した研磨流体の液体が気化し易くなり、貫通流路9を好適に乾燥させることができる。
例えば、貫通流路9に研磨流体の液体が残存したままだと、三次元構造体8(特に金属から形成された三次元構造体8の場合)に錆などが発生する不都合が生じ得るが、乾燥用ガス18を流して貫通流路9を乾燥させることによって、かかる不都合を減じることができる。また、研磨処理後には貫通流路9の流路面に砥粒が残存する場合があるが、乾燥用ガス18を流すことで、そのような砥粒を貫通流路9から排出する効果も期待できる。
乾燥用ガス18は、研磨処理後の貫通流路9の乾燥に資するものであれば、いずれの種類のガスであってよい。例えば、乾燥用ガス18として、高温および/または低湿度のガスを用いてよい。ここでいう「高温」とは、常温(例えば23℃)よりも高い温度を有する態様を指し、「低湿度」とは、例えば貫通流路9の内部空間における水蒸気圧力よりも低い水蒸気圧力を有する態様を指す。このような高温および/または低湿度のガスを乾燥用ガス18として用いることによって、貫通流路9を効果的に乾燥させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、それは本発明の適用範囲のうちの典型例を示したに過ぎない。従って、本発明は、上記にて説明した実施形態に限定されず、種々の変更がなされ得ることを当業者は容易に理解されよう。
例えば、上述の実施形態では、仕込み密閉容器2の第1管6および第2管10ならびに回収密閉容器3の第3管11および第4管12は、例えば図1に示されるように“容器上部”を介して延在することを前提としたが、必ずしもそれに限定されない。第1管6および第2管10ならびに第3管11および第4管12は、それぞれ“容器側部”を介して延在してもよい。
また、上述の実施形態では、仕込み密閉容器2から貫通流路9への研磨流体7の移送に際して研磨流体7を仕込み密閉容器2から上方に向かって取り出すような形態を前提としたが、本発明は必ずしもこれに限定されない。例えば図10に示すように、研磨流体7を仕込み密閉容器2から下方へと抜き出すような形態であってもよい。つまり、図示されるように、仕込み密閉容器2の底部26に設けた第2管10’を介して、仕込み密閉容器2内の研磨流体7を貫通流路9へと移送してよい。かかる場合、砥粒分散処理から必要以上に時間が経ることによって液体中で砥粒の沈殿が進行した場合であっても、より十分な量の砥粒を貫通流路9へと送ることができる。
1 三次元構造体の貫通流路を研磨するためのデバイス
2 仕込み密閉容器
3 回収密閉容器
5 ガス
6 第1管
7 研磨流体
71 砥粒
72 液体
8 三次元構造体
9 貫通流路
10 第2管
11 第3管
12 第4管
13 検知機構
18 乾燥用ガス
19 撹拌機

Claims (15)

  1. 三次元構造体の貫通流路を研磨するための方法であって、
    砥粒および液体を含んで成る研磨流体が仕込まれた仕込み密閉容器から前記貫通流路に該研磨流体を流して該貫通流路の研磨処理を行い、
    前記貫通流路へと前記研磨流体を流すために用いられるガスが供給される前記仕込み密閉容器内において前記砥粒を前記液体中に分散させる分散処理を行うことを特徴とする、方法。
  2. 前記仕込み密閉容器内にて前記研磨流体を撹拌機で攪拌することによって前記分散処理を行うことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記仕込み密閉容器内にて前記研磨流体をバブリングすることによって前記分散処理を行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記仕込み密閉容器内の前記研磨流体のレベルよりも下方位置から前記ガスを前記仕込み密閉容器内に供給して前記バブリングを行うことを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  5. 前記液体に対する前記砥粒の密度比が1.5〜3.5となる前記研磨流体を用いることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記砥粒が、多孔質セラミック材および/または炭化ケイ素材を含んで成ることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
  7. コンプレッサーおよび/またはガスボンベを用いて前記仕込み密閉容器内に前記ガスを供給することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記貫通流路から流出する前記研磨流体の流体挙動に基づいて、前記貫通流路の前記研磨処理の停止または終了のタイミングを判定することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 前記研磨処理を行った後、前記貫通流路を乾燥させるために該貫通流路に乾燥用ガスを流すことを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記三次元構造体として、粉末焼結積層法によって製造された三次元形状造形物を用いることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 三次元構造体の貫通流路を研磨するためのデバイスであって、
    砥粒および液体を含んで成る研磨流体を仕込むための仕込み密閉容器を有して成り、
    前記仕込み密閉容器は、外部から該仕込み密閉容器の内部へとガスを供給するための第1管、および、該仕込み密閉容器の前記内部から前記貫通流路へと前記研磨流体を導くための第2管を備えており、
    前記デバイスは、前記仕込み密閉容器内において前記砥粒を前記液体中に分散させるための分散手段を更に有して成ることを特徴とする、デバイス。
  12. 前記分散手段が、前記仕込み密閉容器に備えられた撹拌機であることを特徴とする、請求項11に記載のデバイス。
  13. 前記分散手段は、前記仕込み密閉容器内に仕込まれる前記研磨流体のレベルよりも下方に位置付けられたガス供給口を有する前記第1管であることを特徴とする、請求項11または12に記載のデバイス。
  14. 前記貫通流路から流出する前記研磨流体を回収するための回収密閉容器を更に有して成り、
    前記回収密閉容器は、前記貫通流路から流出した前記研磨流体を前記回収密閉容器内に導くための第3管、および、該回収密閉容器内のガスを前記外部へと排気するための第4管を備えていることを特徴とする、請求項11〜13のいずれかに記載のデバイス。
  15. 前記貫通流路から流出する前記研磨流体の流体挙動を検知して、前記貫通流路の研磨処理の停止または終了のタイミングを判定する検知機構を更に有して成ることを特徴とする、請求項11〜14のいずれかに記載のデバイス。
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