JP2017209712A - 多段式鍛造プレス機のトランスファ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この時トランスファ装置は、チャックユニットを複数の鍛造加工部が並設されている水平方向に移動させるのに加えて、パンチやダイとの干渉を避けるため水平方向とは直交する上下方向にも移動させる場合が多い。このような水平方向及び上下方向の移動動作を行なわせるための動力源として、従来はプレスラムを駆動させるための主モータが用いられていた。
このような場合、主モータの動力は、ギア、カム、リンク機構等で構成される動力伝達機構を介して、チャックユニットが取り付けられているトランスファビーム等に伝達される。
このため主モータを動力源とする従来のトランスファ装置では、動力伝達機構が長くなってしまうとともに、これを構成する部品点数も多くなり動力伝達機構が複雑化してしまう問題が生じていた。
このような複雑な機構は作製費用が高価なものとなり、またメンテナンス費用も増加してしまう。
しかしながら主モータを動力源とするトランスファ装置では、搬送位置の調整を行う場合、具体的には動力伝達機構を構成するリンクの長さやカムのカム曲線を変更することになるため、該当部品の交換又は調整作業が必要となり、その結果鍛造プレス機の停止時間が長くなってしまい製品生産時間を阻害する要因となっていた。
しかしながらこの特許文献2に記載のものは、各サーボモータがそれ単独でビームを水平方向若しくは上下方向に移動させるといったものではなく本発明とは搬送機構が異なっている。
かかる本発明によれば、主モータの回転運動からトランスファ装置の移動タイミングを取り出すため従来用いられていた複雑なカム機構を不要とすることができる。また動力源としてのサーボモータを駆動対象のプレートに隣接した位置に設置することができため、プレスラムを駆動させる主モータからの動力を長い距離伝達させる従来の構成のものに比べて、動力伝達機構をコンパクトで部品点数の少ない構成とすることができる。またこれによりトランスファ装置の作製費用及びメンテナンス費用を抑制することができる。
主モータを動力源とする従来のトランスファ装置では、搬送位置の調整を行う場合、動力伝達機構を構成するリンクの長さやカムのカム曲線を変更するため、該当部品の交換又は調整が必要となり、機械の停止時間が長くなってしまう。
これに対し本発明ではサーボモータの指示値を変更して、出力軸の回転量を変更するのみで(リンク等の動力伝達機構部品を変更しなくても)チャックユニットの停止位置を水平方向及び上下方向に任意に変更することができる。このため本発明ではプレス機を動作させながらでも搬送位置の調整を行なうことが可能となり、従来のものに比べて位置調整作業に要する時間を大幅に短縮することができる。
この請求項2によればベースプレートを縦に挟んで、上下駆動用サーボモータと駆動対象のプレート(第1プレート又は第2プレート)とを近接して配置することができるため、上下駆動用サーボモータと駆動対象のプレートの間に配置される動力伝達機構としてのリンク機構をより短いコンパクトな構成とすることができる。
図1は本実施形態のトランスファ装置を備えた多段式鍛造プレス機を示した図である。
図1において、10は多段式鍛造プレス機(以下、鍛造プレス機とする場合がある)で、箱型形状をなすフレーム12の内部にワークを鍛造加工するための複数(ここでは3段)の鍛造加工部が水平方向に一定間隔で並設されている。
鍛造加工部はフレーム12に固定されたダイ14(図3)と、ダイ14に対向して配置されたパンチ16とで構成されている。
各パンチ16は何れもラム18の先端部に装着されており、ラム18の前進移動により各鍛造加工部で材料(ワーク)が同時に成形される。
詳しくは、フライホイール軸25のフライホイール24とは反対側の端部に設けられたピニオンギア27と、クランク軸26の端部に設けられた大ギア28とが噛み合い状態で連結されている。
このため本例では主モータ20の動力によりフライホイール24が回転せしめられるとともに、その動力によりラム18が進退移動する。即ちラム18の先端部に装着されたパンチ16がダイ14に対して進退し鍛造加工が行なわれる。
そして鍛造加工が完了した製品は図示を省略した搬出装置により機外に搬出される。
図2はこのトランスファ装置30の要部を示した斜視図である。
同図で示すようにトランスファ装置30は、3枚のプレートがベースプレート34、第1プレート38、第2プレート40の順にそれぞれ縦向きで対向配置され、第2プレート40上にはチャックユニット42が取り付けられている。
ベースプレート34は、この支持面36が水平方向(ダイ14が並設されている方向)及びこれと直交する上下方向に対して平行となるよう鍛造プレス機10のフレーム12に位置固定されている。
そして支持面36には隣接する第1プレート38をスライド移動可能に保持するためのガイドレール46が水平方向に取り付けられている。
水平駆動用サーボモータ49は、その出力軸51が第1プレート38のスライド方向とは直交する方向で、鍛造プレス機10に位置固定されている。
ここで第2ロッド54は図4(B)で示すガイド軸57に沿って水平方向にのみ移動可能とされている。
本例では、これらクランク軸52,第1ロッド53,第2ロッド54にて第1リンク機構50が構成されている。
本例によれば第1プレート38の水平方向の停止位置は、水平駆動用サーボモータ49の出力軸51の回転量を変更することで任意の位置に容易に変更することができる。
上下駆動用サーボモータ58は、その出力軸61が上下方向に延びる向きで、ベースプレート34の裏面側(支持面36とは反対側)の位置にてベースプレート34に取り付けられている。詳しくはベースプレート34と一体をなすブラケット71に取り付けられている。
上下駆動用サーボモータ58の出力軸61には外周面に雄ねじが形成されたシャフト62が取り付けられ、このシャフト62の外周には雌ねじが内周面に形成されたナット63が嵌合組付けされている。これら雄ねじと雌ねじの間には複数のボールが配設されており、これらシャフト62及びナット63にてボールネジが形成されている。
図2及び図3で示すように水平方向に延びる軸棒68は、ベースプレート34に取り付け固定された一対のブラケット67により支持されており、揺動部材66はこの軸棒68に対して揺動可能に取り付けられている。
このガイド軸70は、ベースプレート34のガイドレール46と平行に設けられており、このガイド軸70に対してスライドブロック72が軸方向にスライド可能且つ軸中心に回転可能に取り付けられている。
そしてスライドブロック72の先端側は連結軸73(図3)を介して第2プレート40と回転可能に連結されている。
本例では、ピン59、中間レバー64、揺動部材66、ガイド軸70、スライドブロック72、連結軸73が第2リンク機構60を構成している。
例えばナット63が上向きに移動した場合、揺動部材66は軸棒68を中心にガイド軸70を下向きに押し下げる方向に揺動し、このガイド軸70及びスライドブロック72を介して連結されている第2プレート40は下向きに移動する。
これとは逆にナット63が下向きに移動した場合には、揺動部材66は軸棒68を中心にガイド軸70を上向きに引き上げる方向に揺動し、第2プレート40は上向きに移動する。
本例によれば第2プレート40の上下方向の停止位置は、上下駆動用サーボモータ58の出力軸61の回転量を変更することで任意の位置に容易に変更することができる。
チャックユニット42では、エアー圧によりチャック本体43の内部のシリンダヘッドを上下方向に移動させると、その運動はリンク機構により左右方向の開閉運動に変換され、これに連動して、一対のチャック爪44,44も左右方向に開閉移動する。
図2(B)に示すように本例の一対のチャック爪44,44は、ワークWを保持する内側の面が、一方はストレート形状、他方はV溝形状をなしており、一対のチャック爪44,44を閉方向に移動させると一対のチャック爪44,44は円形状をなすワークWの外周面に対し3箇所で当接してワークWを挟持する。
回転移動手段81は具体的には以下のように構成されている。
図5において、75は鍛造加工部の並設方向と平行にフレーム12に取り付けられた回転軸で、軸方向の複数箇所に設けられたベアリング82,83,84を介して回転可能に支持されている。
図5(B)で示すように回転軸75の上方には動力源としてのモータ77が設けられており、その出力軸に歯車体78が装着され、歯車体78は回転軸75側の歯車体76に噛合している。
ベースプレート34は通常(搬送動作中)連結部材74の底面に設けられた固定片85をクランプ装置等でフレーム12の上面に押し付けられ位置固定されているが、チャック爪44の交換作業等を行なう場合には固定片85とフレーム12との固定を解除した上で、モータ77を回転駆動させることで、歯車体78,76を介して回転軸75、連結部材74とともにベースプレート34を回転させることも可能である。
尚本例の鍛造プレス機10は、ダイ及びパンチの軸方向にワークを移動させて、ダイ14からワークWを抜き出す動作及びダイ14へワークWを挿入する動作を行うワーク挿抜手段(図示は省略)を各鍛造加工部に備えている。ワークWの搬送はトランスファ装置30とこのワーク挿抜手段との連携により行なわれる。
次に水平駆動用サーボモータ49を駆動させ、チャック爪44でワークWを挟持したままの状態でチャックユニット42を第2プレート40及び第1プレート38とともに水平方向に移動させ(図2のY1方向)、次工程のダイの位置までワークWを搬送する。
次工程のダイ14の位置まで搬送されたワークWは上述のワーク挿抜手段によって保持され、トランスファ装置30はチャック爪44を開く。尚ワークWはワーク挿抜手段によってダイ14内に挿入される。
次に水平駆動用サーボモータ49を駆動させ、チャックユニット42を第2プレート40及び第1プレート38とともに水平方向(図2のY2方向)に移動させ、原位置に復帰させる。
尚、各サーボモータの駆動、即ちトランスファ装置の移動は、ラム18を前後させるクランク軸26側からのエンコーダ信号に基づいて制御部(図示せず)によって制御される。
30 トランスファ装置
34 ベースプレート
38 第1プレート
40 第2プレート
42 チャックユニット
46,55 ガイドレール
49 水平駆動用サーボモータ
50 第1リンク機構
58 上下駆動用サーボモータ
60 第2リンク機構
W ワーク
Claims (2)
- 複数の鍛造加工部が水平方向に並設された多段式鍛造プレス機に備えられ、ワークを次の鍛造加工部へ順次搬送する多段式鍛造プレス機のトランスファ装置であって、
(a)前記水平方向及び上下方向に延びる支持面を有するベースプレートと、
(b)該ベースプレートの該支持面に設けられたガイドレールに沿って、前記水平方向又は上下方向にスライド移動可能な第1プレートと、
(c)該第1プレートに設けられたガイドレールに沿って、前記上下方向又は水平方向にスライド移動可能な第2プレートと、
(d)該第2プレートに取り付けられワークを挟持する複数のチャックユニットと、
(e)前記第1プレート又は第2プレートを前記水平方向に駆動させるための水平駆動用サーボモータと、
(f)前記第2プレート又は第1プレートを前記上下方向に駆動させるための上下駆動用サーボモータと、を有し、
前記水平駆動用サーボモータを前記水平方向にスライド移動可能な前記第1プレート又は第2プレートに、前記上下駆動用サーボモータを前記上下方向にスライド移動可能な前記第2プレート又は第1プレートに、それぞれリンク機構を介して接続したことを特徴とする多段式鍛造プレス機のトランスファ装置。 - 請求項1において、前記ベースプレートに対し前記第1プレートとは反対側の位置で、前記上下駆動用サーボモータを、出力軸が前記上下方向に延びる向きで該ベースプレートに取り付けるようになしたことを特徴とする多段式鍛造プレス機のトランスファ装置。
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