JP2017207371A - 放射線遮蔽体及び放射線遮蔽ブロック - Google Patents

放射線遮蔽体及び放射線遮蔽ブロック Download PDF

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Abstract

【課題】放射線遮蔽ブロックの組み立て作業を容易にする。【解決手段】隣接して配置された複数の放射線遮蔽ブロックと、隣接する一方の前記放射線遮蔽ブロックの端面に形成され先端へ向かって幅狭となる凸部と、隣接する他方の前記放射線遮蔽ブロックの端面に形成され、該放射線遮蔽ブロックの内側へ向かって幅狭となり前記凸部と係合する凹部と、を有する放射線遮蔽体。【選択図】図2

Description

本発明は、放射線を遮蔽する放射線遮蔽体及び放射線遮蔽ブロックに関する。
放射線利用施設等において、放射線を遮蔽する放射線遮蔽体が一般的に使用されている。例えば、特許文献1には、放射性物質取扱施設内の区域を区画する放射線遮蔽体としての放射線遮蔽壁が開示されている。
一方、放射線を遮蔽する放射線遮蔽ブロックを積み上げることにより放射線遮蔽体としての放射線遮蔽壁を形成する方法が考えられる。ここでは、放射線遮蔽ブロックの上端面に凸部又は凹部を設け、この放射線遮蔽ブロック上に載せられる放射線遮蔽ブロックの下端面に凹部又は凸部を設けて、凹部に凸部を挿入するようにして放射線遮蔽ブロックを積み上げていく。しかし、放射線遮蔽ブロックは、比重が大きいために重く、凹部に凸部を挿入するようにして放射線遮蔽ブロックを積み上げる作業は容易ではない。
また、放射線を遮蔽する放射線遮蔽ブロックを敷き並べることにより放射線遮蔽体としての放射線遮蔽床を形成する方法が考えられる。ここでは、放射線遮蔽ブロックの側端面に凸部又は凹部を設け、この放射線遮蔽ブロックに隣接する放射線遮蔽ブロックの側端面に凹部又は凸部を設けて、凹部に凸部を挿入するようにして放射線遮蔽ブロックを敷き並べていく。しかし、放射線遮蔽ブロックは、比重が大きいために重く、凹部に凸部を挿入するようにして放射線遮蔽ブロックを敷き並べる作業は容易ではない。
これらのように、放射線遮蔽体の形成において、凹部に凸部を挿入して放射線遮蔽ブロックを組み立てる作業は容易ではない。
特開平8−36093号公報
本発明は係る事実を考慮し、放射線遮蔽ブロックの組み立て作業を容易にすることを課題とする。
第1態様の発明は、隣接して配置された複数の放射線遮蔽ブロックと、隣接する一方の前記放射線遮蔽ブロックの端面に形成され先端へ向かって幅狭となる凸部と、隣接する他方の前記放射線遮蔽ブロックの端面に形成され、該放射線遮蔽ブロックの内側へ向かって幅狭となり前記凸部と係合する凹部と、を有する放射線遮蔽体である。
第1態様の発明では、放射線遮蔽ブロックにより、放射線遮蔽体に照射される放射線が放射線遮蔽体を透過するのを抑制することができる。
また、凹部に凸部を係合することにより、隣接する放射線遮蔽ブロック間の目地をラビリンス(迷路)構造にし、この目地から進入する放射線が放射線遮蔽体を透過するのを抑制することができる。
さらに、隣接する一方の放射線遮蔽ブロックの端面に、先端へ向かって幅狭となる凸部を形成し、隣接する他方の放射線遮蔽ブロックの端面に、この放射線遮蔽ブロックの内側へ向かって幅狭となる凹部を形成することによって、凸部の外側面と凹部の内側面がテーパー面となる。これにより、凹部へ凸部を挿入し易くなり、放射線遮蔽ブロックの組み立て作業を容易にすることができ、放射線遮蔽ブロックの組み立て作業の作業効率を向上させることができる。
第2態様の発明は、第1態様の放射線遮蔽体において、隣接する前記放射線遮蔽ブロック間の目地に、前記放射線遮蔽ブロックの比重以上の比重を有する目地部材が設けられている。
第2態様の発明では、隣接する放射線遮蔽ブロック間の目地から進入する放射線のエネルギーを目地部材により低減し、放射線が放射線遮蔽体を透過するのを抑制することができる。
第3態様の発明は、第2様の放射線遮蔽体において、前記目地部材は、前記放射線遮蔽ブロックの端面を覆うように前記凸部に沿って設けられた、断面がハット形状の金属製プレートである。
第3態様の発明では、金属製プレートのプレート面を滑らせるように放射線遮蔽ブロックを移動させて、放射線遮蔽ブロックを所定位置に設置することができる。
第4態様の発明は、隣接して複数配置され、放射線遮蔽体を形成する放射線遮蔽ブロックにおいて、先端へ向かって幅狭となるように端面に形成され、隣接するブロックの端面に形成され該ブロックの内側へ向かって幅狭となる凹部と係合する凸部を有する放射線遮蔽ブロックである。
第4態様の発明では、隣接して複数配置され、放射線遮蔽体を形成する放射線遮蔽ブロックにおいて、第1態様と同様の効果を得ることができる。
第5態様の発明は、隣接して複数配置され、放射線遮蔽体を形成する放射線遮蔽ブロックにおいて、内側へ向かって幅狭となるように端面に形成され、隣接するブロックの端面に先端へ向かって幅狭となるように形成された凸部と係合する凹部を有する放射線遮蔽ブロックである。
第5態様の発明では、隣接して複数配置され、放射線遮蔽体を形成する放射線遮蔽ブロックにおいて、第1態様と同様の効果を得ることができる。
本発明は上記構成としたので、放射線遮蔽ブロックの組み立て作業を容易にすることができる。
本発明の実施形態に係る放射線遮蔽壁を示す正面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 本発明の実施形態に係る放射線遮蔽ブロックを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る放射線遮蔽ブロックを示す正面図である。 本発明の実施形態に係る放射線遮蔽ブロックを示す側面図である。 本発明の実施形態に係る放射線遮蔽壁の壁部を示す正面図である。 図7のC−C断面図である。 図7のD−D断面図である。 本発明の実施形態に係る目地部材を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る放射線遮蔽壁の放射線遮蔽効果を示す側面断面図である。 図12(a)及び図12(b)は、本発明の実施形態に係る放射線遮蔽壁の放射線遮蔽効果を示す側面断面図である。 図13(a)及び図13(b)は、本発明の実施形態に係る放射線遮蔽壁の放射線遮蔽効果を示す側面断面図である。 本発明の実施形態に係る試験体の材料厚に対するγ線透過率を示す線図である。 本発明の実施形態に係るγ線遮蔽性能実験の実験装置を示す正面図である。 図16(a)、図16(b)、図16(c)及び図16(d)は、本発明の実施形態に係る目地部材のバリエーションを示す断面図である。 図17(a)、図17(b)及び図17(c)は、本発明の実施形態に係る目地部材のバリエーションを示す断面図である。 本発明の実施形態に係る目地部材のバリエーションを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る目地部材のバリエーションを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る目地部材のバリエーションを示す断面図である。 本発明の実施形態に係る目地部材のバリエーションを示す断面図である。 本発明の実施形態に係る放射線遮蔽壁のバリエーションを示す断面図である。 本発明の実施形態に係る放射線遮蔽壁の放射線遮蔽効果を示す断面図である。
図を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。まず、本発明の実施形態に係る放射線遮蔽壁について説明する。
図1の正面図、図1のA−A断面図である図2、及び図1のB−B断面図である図3に示すように、本実施形態の放射線遮蔽体としての放射線遮蔽壁10は、複数の放射線遮蔽ブロック12を積み上げて形成された壁部14と、壁部14の外周に設けられた枠部16とを有して構成されている。
放射線遮蔽ブロック12は、積み上げられることにより隣接して配置されている。放射線遮蔽ブロック12は、主材としての粒状又は粉状の重晶石(硫酸バリウム)、結合材としての半水石膏、及び水を混練し硬化させて形成された、放射線を遮蔽する直方体状のブロック部材である。
本例では、放射線遮蔽ブロック12として、形状の異なる11種類のブロック(以下、「放射線遮蔽ブロック12A、12B、12C、12D、12E、12F、12G、12H、12I、12J、12K」とする)を用いている。
壁部14の1段目には、放射線遮蔽ブロック12G、12F、12F,12F、12Hが、左から右へこの順に並設され、壁部14の2段目には、放射線遮蔽ブロック12B、12A、12A、12A、12Cが、1段目の放射線遮蔽ブロック12の上に左から右へこの順に並設されて積み上げられている。
また、壁部14の3段目には、放射線遮蔽ブロック12D、12A、12A、12A、12Eが、2段目の放射線遮蔽ブロック12の上に左から右へこの順に並設されて積み上げられ、壁部14の4段目には、放射線遮蔽ブロック12B、12A、12A、12A、12Cが、3段目の放射線遮蔽ブロック12の上に左から右へこの順に並設されて積み上げられている。
さらに、壁部14の5段目には、放射線遮蔽ブロック12J、12I、12I、12I、12Kが、4段目の放射線遮蔽ブロック12の上に左から右へこの順に並設されて積み上げられている。
横方向へ並設された放射線遮蔽ブロック12同士の目地は上下段で互い違いになっており、馬目地を構成するように放射線遮蔽ブロック12が配置されている。
図4の斜視図、図5の正面図、及び図6の側面図に示す放射線遮蔽ブロック12Aのように、放射線遮蔽ブロック12は、上端面に形成され先端に向かって幅狭となる凸部18と、下端面に形成され放射線遮蔽ブロック12の内側へ向かって幅狭となる凹部20と、右端面に形成され先端に向かって幅狭となる凸部22と、左端面に形成され放射線遮蔽ブロック12の内側へ向かって幅狭となる凹部24と、を有して構成されている。すなわち、凸部18、22、及び凹部20、24の壁面がテーパー状になっている。
これにより、隣接して上下及び左右に配置される放射線遮蔽ブロック12同士は、隣接する一方の放射線遮蔽ブロック12の端面に形成された凸部18、22を、隣接する他方の放射線遮蔽ブロック12の端面に形成された凹部20、24に係合することによって接合されている。
本例では、図2に示すように、上下に配置される放射線遮蔽ブロック12同士が、下方に配置される放射線遮蔽ブロック12の上端面に形成された凸部18を、上方に配置される放射線遮蔽ブロック12の下端面に形成された凹部20に係合することによって接合されている。また、図3に示すように、左右に配置される放射線遮蔽ブロック12同士が、左側に配置される放射線遮蔽ブロック12の右端面に形成された凸部22を、右側に配置される放射線遮蔽ブロック12の左端面に形成された凹部24に係合することによって接合されている。
放射線遮蔽ブロック12Bは、放射線遮蔽ブロック12Aの横方向の長さを半分にして左端面を平坦面にした(左端面に凹部24が形成されていない)ものである。
放射線遮蔽ブロック12Cは、放射線遮蔽ブロック12Aの右端面を平坦面にした(右端面に凸部22が形成されていない)ものである。
放射線遮蔽ブロック12Dは、放射線遮蔽ブロック12Aの左端面を平坦面にした(左端面に凹部24が形成されていない)ものである。
放射線遮蔽ブロック12Eは、放射線遮蔽ブロック12Aの横方向の長さを半分にして右端面を平坦面にした(右端面に凸部22が形成されていない)ものである。
放射線遮蔽ブロック12Fは、放射線遮蔽ブロック12Aの下端面を平坦面にした(下端面に凹部20が形成されていない)ものである。
放射線遮蔽ブロック12Gは、放射線遮蔽ブロック12Aの下端面及び左端面を平坦面にした(下端面に凹部20が形成されていない、且つ左端面に凹部24が形成されていない)ものである。
放射線遮蔽ブロック12Hは、放射線遮蔽ブロック12Aの横方向の長さを半分にして下端面及び右端面を平坦面にした(下端面に凹部20が形成されていない、且つ右端面に凸部22が形成されていない)ものである。
放射線遮蔽ブロック12Iは、放射線遮蔽ブロック12Aの上下方向の長さを半分にして上端面を平坦面にした(上端面に凸部18が形成されていない)ものである。
放射線遮蔽ブロック12Jは、放射線遮蔽ブロック12Aの上下方向の長さを半分にして上端面及び左端面を平坦面にした(上端面に凸部18が形成されていない、且つ左端面に凹部24が形成されていない)ものである。
放射線遮蔽ブロック12Kは、放射線遮蔽ブロック12Aの上下方向の長さを半分にして上端面及び右端面を平坦面にした(上端面に凸部18が形成されていない、且つ右端面に凸部22が形成されていない)ものである。
なお、放射線遮蔽ブロック12の大きさ(長さ、高さ及び厚さ)は、放射線遮蔽ブロック12を積み上げて壁部14を形成することができ、この壁部14が放射線を遮蔽することができれば、どのようなものであってもよい。
図7の正面図、図7のC−C断面図である図8、及び図7のD−D断面図である図9に示すように、隣接して上下に配置される放射線遮蔽ブロック12間の目地に目地部材26が設けられ、隣接して左右に配置される放射線遮蔽ブロック12間の目地に目地部材28が設けられている。
目地部材26、28は、図10の斜視図に示すように、放射線遮蔽ブロック12の比重以上の比重を有するステンレス板(SUS304)により形成された断面がハット形状の金属製プレートであり、図8及び図9に示すように、放射線遮蔽ブロック12の端面を覆うように凸部18、22に沿って設けられている。
図7に示すように、目地部材26は、複数の放射線遮蔽ブロック12に跨って設けられ、目地部材28は、放射線遮蔽ブロック12ごとに設けられている。これにより、目地部材28は、下端面が目地部材26の上面に接触し、上端面が目地部材26の下面に接触している。
図1、図2及び図3に示すように、枠部16は、H形鋼からなる鉛直フレーム部材30、32、及び溝形鋼からなる水平フレーム部材34、38を有するとともに、鉛直フレーム部材30、32の上端部を水平フレーム部材34の左右端部に接合し、鉛直フレーム部材30、32の下端部を水平フレーム部材38の左右端部に接合することによって構成されている。すなわち、放射線を遮蔽する金属製の部材によって構成されている。また、水平フレーム部材38は、平鋼からなるベースプレート36の上面に取り付けられている。
枠部16は、建物の床部40に、アンカーボルト42等によりベースプレート36を固定することによって、床部40に固定されている。
図2に示すように、壁部14の上縁部を構成する放射線遮蔽ブロック12は、水平フレーム部材34を構成する溝形鋼の溝内へ挿入されて保持され、壁部14の面外方向44へ移動しないようになっている。
また、壁部14の下縁部を構成する放射線遮蔽ブロック12は、水平フレーム部材38を構成する溝形鋼の溝内へ挿入されて保持され、壁部14の面外方向44へ移動しないようになっている。
さらに、図3に示すように、壁部14の側縁部を構成する放射線遮蔽ブロック12は、鉛直フレーム部材30、32を構成するH形鋼のフランジ間へ挿入されて保持され、壁部14の面外方向44へ移動しないようになっている。
図2に示すように、水平フレーム部材34を構成する溝形鋼の溝天井面と、放射線遮蔽ブロック12の上面との間には、塩ビ、アルミニウム、ステンレス等により形成され放射線遮蔽ブロック12を保護する板状の保護材46が設けられている。
また、図3に示すように、鉛直フレーム部材30、32を構成するH形鋼のウェブ面と、放射線遮蔽ブロック12の側端面との間には、塩ビ、アルミニウム、ステンレス等により形成され放射線遮蔽ブロック12を保護する板状の保護材48が設けられている。
図1に示すように、壁部14は、放射線遮蔽ブロック12同士を接着剤等によって接合したり、放射線遮蔽ブロック12同士の間の目地にモルタル等の充填材を充填したりしないで、放射線遮蔽ブロック12を積み上げただけの乾式施工によって組み立てられている。
次に、本発明の実施形態に係る放射線遮蔽壁の作用と効果について説明する。
本実施形態の放射線遮蔽壁10では、図1に示すように、放射線遮蔽ブロック12を積み上げて壁部14を形成することにより、乾式施工によって放射線遮蔽壁を構築することができる。また、現場を汚すことなく、放射線遮蔽壁を構築することができる。さらに、騒音や振動の少ない施工によって放射線遮蔽壁を構築することができる。
また、本実施形態の放射線遮蔽壁10では、図8及び図9に示すように、放射線遮蔽ブロック12の上端面に、先端に向かって幅狭となる凸部18を形成し、放射線遮蔽ブロック12の下端面に、放射線遮蔽ブロック12の内側へ向かって幅狭となる凹部20を形成し、放射線遮蔽ブロック12の右端面に、先端に向かって幅狭となる凸部22を形成するとともに、放射線遮蔽ブロック12の左端面に、放射線遮蔽ブロック12の内側へ向かって幅狭となる凹部24を形成することによって、凸部18、22の外側面と凹部20、24の内側面がテーパー面となる。これにより、凹部20、24へ凸部18、22を挿入し易くなり、放射線を遮蔽するために比重が大きく重い放射線遮蔽ブロック12の位置合わせを伴う積み上げ作業を容易にすることができ、放射線遮蔽ブロック12の積み上げ作業の作業効率を向上させることができる。すなわち、放射線遮蔽ブロック12の組み立て作業を容易にすることができる。
さらに、凸部18、22の外側面と凹部20、24の内側面をテーパー面とすることにより、型枠中に石膏を打設して放射線遮蔽ブロック12を形成する製造方法において、打設した石膏中に生じる気泡を抜け易くすることができ、また、脱型し易くすることができる。
また、本実施形態の放射線遮蔽壁10では、図8に示すように、目地部材26が、放射線遮蔽ブロック12の上端面を覆うように凸部18に沿って設けられた、断面がハット形状の金属製プレートであるので、摩擦抵抗の小さい金属製プレート(目地部材26)の上面(プレート面)を滑らせるように放射線遮蔽ブロック12を移動させて、放射線遮蔽ブロック12を所定位置に容易に設置することができる。なお、目地部材26の上面(プレート面)の摩擦抵抗は、目地部材26の上面に目荒し加工を施し、この目荒しの程度によって調整することができる。
さらに、目地部材26によって放射線遮蔽ブロック12が保護されて、この放射線遮蔽ブロック12上に重い放射線遮蔽ブロック12を設置する際に損傷するのを防ぐことができる。
また、本実施形態の放射線遮蔽壁10では、図2に示すように、放射線遮蔽ブロック12により、壁部14の壁面に照射される放射線が放射線遮蔽壁10を透過するのを抑制することができる。
さらに、本実施形態の放射線遮蔽壁10では、図8及び図9に示すように、隣接して配置される放射線遮蔽ブロック12同士を、隣接する一方の放射線遮蔽ブロック12の端面に形成された凸部18、22を、隣接する他方の放射線遮蔽ブロック12の端面に形成された凹部20、24に係合することによって接合しているので、隣接する放射線遮蔽ブロック12間の目地をラビリンス(迷路)構造にし、この目地から進入する放射線が放射線遮蔽壁10を透過するのを抑制することができる。
また、本実施形態の放射線遮蔽壁10では、図11の側断面図、図12(a)、(b)の側断面図、及び図13(a)、(b)の側断面図に示すように、隣接する放射線遮蔽ブロック12間の目地から進入する放射線50のエネルギーを目地部材26により低減し、放射線50が放射線遮蔽壁10を透過するのを抑制することができる。
図11に示すように、隣接する一方(下方)の放射線遮蔽ブロック12の上面と目地部材26の下面との間、及び隣接する他方(上方)の放射線遮蔽ブロック12の下面と目地部材26の上面との間に隙間を有していない場合、壁部14の壁面に照射された放射線50は、放射線遮蔽ブロック12により遮蔽される。また、目地部材26の端面に当たった放射線50は、目地部材26によりエネルギーが減衰されて低減される。
また、図12(a)、(b)に示すように、隣接する他方(上方)の放射線遮蔽ブロック12の下面と目地部材26の上面との間に隙間を有している場合、この隙間から進入する放射線50は、図12(a)に示すように、凸部18の側面に位置する目地部材26に当たり、この目地部材26によりエネルギーが減衰されて低減される。又は、図12(b)に示すように、目地部材26の上面と放射線遮蔽ブロック12の下面とへの反射を繰り返しながら進み、目地部材26によりエネルギーが減衰されて低減される。
さらに、図13(a)、(b)に示すように、隣接する一方(下方)の放射線遮蔽ブロック12の上面と目地部材26の下面との間に隙間を有している場合、この隙間から進入する放射線50は、図13(a)に示すように、凸部18の側面に当たり、この凸部18により遮蔽される。又は、図13(b)に示すように、目地部材26の下面と放射線遮蔽ブロック12の上面とへの反射を繰り返しながら進み、目地部材26によりエネルギーが減衰されて低減される。
なお、目地部材28についても、図11、図12(a)、(b)、及び図13(a)、(b)で説明したものと同様の原理で、放射線遮蔽壁10の壁部14へ照射される放射線50のエネルギーを目地部材28により低減し、放射線50が放射線遮蔽壁10を透過するのを抑制することができる。
また、本実施形態の放射線遮蔽壁10では、主材としての粒状又は粉状の重晶石(硫酸バリウム)、結合材としての半水石膏、及び水を混練し硬化させて放射線遮蔽ブロック12を形成することにより、放射線遮蔽ブロック12を、人や環境に配慮した材料(硫酸バリウム、石膏)で構成することができる。よって、放射線を使って殺菌や殺虫をする農業分野、レントゲン撮影を行う医療分野等において特に有効に用いることができる。
ここで、放射線遮蔽ブロックの放射線遮蔽効果を検証した実験について説明する。
図14に示すグラフには、図15に示す試験体52に対して行ったγ線遮蔽性能実験の実験結果が示されている。なお、図15に示されている数値は、γ線遮蔽性能評価装置の寸法の一例であり、他の数値にしてもよい。すなわち、図15に示されている数値は、本実施形態の放射線遮蔽ブロック12を特定するものではない。
試験体52は、硫酸バリウム70%とα型二水石膏により形成された、縦20cm、横20cm、厚さ5cmの直方体形状のブロック部材である。
実験では、セシウム137線源P(放射能:10MBq)を備える鉛コリメータ54と、γ線検出器56(応用光研工業製 NaIシンチレーション式サーベイメータ)との間に1〜4個の試験体52(以下、試験体52A、52B、52C、52Dとする)を配置し、セシウム137線源Pから照射されるγ線58の透過線量をγ線検出器56により計測することによって透過率を求め、これによって試験体52により構成されるγ線遮蔽壁60A、60B、60C、60Dのγ線遮蔽性能を評価した。
セシウム137線源Pの床62からの高さHを120cmとし、セシウム137線源Pからγ線検出器56の測定中心までの距離Lを35cmとしている。また、γ線検出器56の測定中心から試験体52Aの右側壁面までの距離dを1cmとしている。
図14のグラフの横軸は、試験体52により形成されるγ線遮蔽壁60A、60B、60C、60Dの壁厚(試験体の材料厚)を示し、縦軸は、γ線検出器56の計測値に基づいて求めたγ線透過率を示している。
また、値64は、試験体52を床62上に配置しないときのγ線透過率の値であり、値66Aは、1つの試験体52Aにより構成されるγ線遮蔽壁60Aを床62上に配置したときのγ線透過率の値であり、値66Bは、2つの試験体52A、52Bにより構成されるγ線遮蔽壁60Bを床62上に配置したときのγ線透過率の値であり、値66Cは、3つの試験体52A、52B、52Cにより構成されるγ線遮蔽壁60Cを床62上に配置したときのγ線透過率の値であり、値66Dは、4つの試験体52A、52B、52C、52Dにより構成されるγ線遮蔽壁60Dを床62上に配置したときのγ線透過率の値である。
値64、66A、66B、66C、66Dから、試験体52により形成されるγ線遮蔽壁60A、60B、60C、60Dの壁厚が厚くなるに伴って、γ線遮蔽性能が向上している(γ線透過率が小さくなっている)ことがわかる。
また、値66Aのγ線透過率は、0.5であり、これは、普通コンクリートにより形成された試験体52と同形状のブロックのγ線透過率(=0.6)の1/1.2となっている。すなわち、値66Aのγ線遮蔽性能は、普通コンクリートにより形成された試験体52と同形状のブロックの1.2倍程度となっている。
以上、本発明の実施形態について説明した。
なお、本実施形態では、図11、図12(a)、(b)、及び図13(a)、(b)に示すように、放射線遮蔽壁10によって放射線50を遮蔽する例を示したが、本実施形態の放射線遮蔽壁10は、X線、γ線、中性子等のさまざまな放射線の遮蔽壁として適用することができる。特に、X線やγ線の遮蔽壁として有効に適用することができる。
また、本実施形態では、図4に示すように、放射線遮蔽ブロック12を、直方体形状のブロック部材とした例を示したが、積み上げて壁を形成できるものであれば、立方体形状等の他の形状のものであってもよい。
放射線遮蔽ブロック12は、壁部14が放射線遮蔽壁としての形状を保持できるように、圧縮強さ20N/mm2以上とし、寸法精度を±1mm以内とするのが好ましい。放射線遮蔽ブロック12を、硫酸バリウム70%とα型二水石膏によって形成した場合、圧縮強さを28N/mm2以上とし、寸法精度を±0.5mm以内とすることができる。
さらに、本実施形態では、図4に示すように、主材としての粒状又は粉状の重晶石(硫酸バリウム)、結合材としての半水石膏、及び水を混練し硬化させて放射線遮蔽ブロック12を形成した例を示したが、放射線遮蔽ブロック12は、結合材に主材を配合することによって形成されていればよい。
結合材は、無機系材料又は有機系材料であればよく、主材は、粒状又は粉状の高密度材料であればよい。結合材を半水石膏とする場合、石膏の平均粒子径は20〜200μmであるのが好ましく、20〜80μmであるのがより好ましい。また、主材を重晶石(硫酸バリウム)とする場合、重晶石(硫酸バリウム)の平均粒子径は5〜100μmであるのが好ましく、20〜80μmであるのがより好ましい。
高密度材料とは、高比重の材料を意味する。高密度材料は、4以上の比重の材料や、放射線遮蔽ブロック12全体の比重が2.4以上となるような比重の材料とするのが好ましい。例えば、高密度材料を、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ニオブ、モリブデン、パラジウム、銀、バリウム、タンタル、タングステン、プラチナ、金、鉛、ビスマス、ウラン、又はこれらの合金や酸化物としてもよいし、重晶石(硫酸バリウム)、又は劣化ウランとしてもよい。また、例えば、結合材を、セメント又はエポキシ樹脂としてもよい。放射線遮蔽ブロック12を、硫酸バリウム70%とα型二水石膏によって形成した場合、比重を2.48以上とすることもできる。また、例えば、放射線遮蔽ブロック12を、高密度材料が配合されていない普通コンクリートによって形成してもよい。
表1には、放射線遮蔽ブロックの試験体A、B、Cに対して行った、圧縮強さの測定結果が示されている。試験体A、B、Cは、主材である硫酸バリウム(平均粒子径40μm)73.5質量部に対して結合材であるα型半水石膏(平均粒子径40μm)26.5質量部を所定量の水と混練してスラリーとし、このスラリーを縦4cm、横4cm、高さ4cmの型枠に流し込み硬化させることによって製作した、硫酸バリウム70質量%とα型二水石膏30質量%からなるブロック部材である。
圧縮強さの測定は、試験体A、B、Cを40℃で恒量になるまで乾燥させ、これを「JIS R 5201附属書C、C.8.2圧縮強さ」で規定する方法で行った。試験体A、B、Cの比重は、2.13、2.33、2.51となり、圧縮強さは、9.8、20.8、28.4となった。
これにより、比重が2.33以上であれば圧縮強さが20N/mm2以上となることや、圧縮強さが28N/mm2以上のブロック部材の製作が可能であることがわかる。圧縮強さは、略比重と相関があり、比重は、同一組成であっても一定程度の範囲であれば、ブロック部材の作り方でコントロールすることができる。
また、本実施形態では、図4、図5、及び図6に示すように、放射線遮蔽ブロック12の上端面、下端面、右端面、左端面に、凸部18、凹部20、凸部22、凹部24をそれぞれ形成した例を示したが、放射線遮蔽ブロック12のどの面に凸部を形成してもよいし、どの面に凹部を形成してもよい。すなわち、放射線遮蔽ブロック12の上端面、下端面、右端面、及び左端面の少なくとも1つの端面に凸部又は凹部が形成されていればよい。
例えば、隣接する一方の放射線遮蔽ブロック12の上端面、下端面、右端面、及び左端面に凸部を形成し、隣接する他方の放射線遮蔽ブロック12の上端面、下端面、右端面、及び左端面に凹部を形成して、隣接する一方の放射線遮蔽ブロック12の端面に形成された凸部を、隣接する他方の放射線遮蔽ブロック12の端面に形成された凹部に係合させることにより、放射線遮蔽ブロック12同士を接合してもよい。
また、本実施形態では、図4、図5及び図6に示すように、放射線遮蔽ブロック12の端面に凸部18、22や凹部20、24を形成した例を示したが、凸部18、22や凹部20、24は、放射線遮蔽ブロック12の端面に複数形成してもよい。
さらに、本実施形態では、図8及び図9に示すように、隣接して上下に配置される放射線遮蔽ブロック12間の目地に目地部材26を設け、隣接して左右に配置される放射線遮蔽ブロック12間の目地に目地部材28を設けた例を示したが、隣接する一方の放射線遮蔽ブロック12の端面と目地部材26の表面(隣接する一方の放射線遮蔽ブロック12の端面と対向する面)との間や、隣接する他方の放射線遮蔽ブロック12の端面と目地部材26の表面(隣接する他方の放射線遮蔽ブロック12の端面と対向する面)との間に、隙間を有していても有していなくてもよい。この隙間は、できるだけ小さいのが好ましく、有していないのがより好ましい。
また、本実施形態では、図1に示すように、馬目地を構成するように放射線遮蔽ブロック12を配置した例を示したが、芋目地を構成するように放射線遮蔽ブロック12を配置してもよい。
さらに、本実施形態では、図8及び図9に示すように、目地部材26、28を、ステンレス板により形成された金属製プレートとした例を示したが、目地部材26、28は、放射線遮蔽ブロック12の比重以上の比重を有する金属プレートであればよい。
例えば、目地部材26、28は、アルミニウム、チタン、鉄、タングステン、モリブデン等の金属によって形成することができる。目地部材26、28は、耐食性のよさや加工のし易さから、ステンレスで形成するのが好ましい。目地部材26、28をステンレスにより形成する場合、板厚は、0.1〜1.0mm程度が好ましく、0.3〜0.5mm程度がより好ましい。また、目地部材26、28は、放射線遮蔽ブロック12の比重以上の比重を有する金属や固体(結晶を含む)を含有する樹脂、ゴム、ゲル状の板やシート、粉状の充填材であってもよい。
放射線遮蔽ブロック12の比重以上の比重を有する金属や固体(結晶を含む)を、アルミニウム、ケイ素、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ガリウム、ゲルマニウム、ニオブ、モリブデン、パラジウム、銀、バリウム、タンタル、タングステン、プラチナ、金、鉛、ビスマス、ウラン、又はこれらの合金や酸化物としてもよいし、水晶、石灰石、重晶石(硫酸バリウム)、大理石、又は劣化ウランとしてもよい。
また、本実施形態では、図8及び図9に示すように、目地部材26、28を、断面がハット形状の金属製プレートとした例を示したが、目地部材は、隣接する放射線遮蔽ブロック12間の目地の全てに設けられていてもよいし、一部に設けられていてもよい。
例えば、図16(a)、(b)、(c)、(d)の断面図、及び図17(a)、(b)、(c)の断面図に示す目地部材68のようにしてもよい。図17(b)では、図18の斜視図に示すように、目地部材68が、平鋼からなるプレート部材70と、平鋼をL字状に折り曲げて形成したプレート部材72とによって構成されている。また、図17(c)では、図19の斜視図に示すように、目地部材68が、2つのプレート部材72によって構成されている。また、これらの目地部材68や目地部材26、28を、放射線遮蔽ブロック12の積み上げにより形成された縦目地や横目地に対して、適宜組み合わせて設けてもよい。
図8に示す目地部材26や図9に示す目地部材28を用いる場合には、放射線遮蔽ブロック12の製造において、この目地部材26、28を側型枠として兼用し、この側型枠内に石膏を流し込んで、目地部材26、28が一体化された放射線遮蔽ブロック12を形成してもよい。
さらに、例えば、図20の断面図に示すように、図16(a)の目地部材68や図17(a)の目地部材68の端部に、目地を跨いで塞ぐように配置される平鋼からなる蓋部74を設けるようにしてもよい。
また、例えば、図21の断面図に示すように、隣接する一方の放射線遮蔽ブロック12の端面を、山形形状の断面を有する凸部76とし、隣接する他方の放射線遮蔽ブロック12の端面を、凸部76と係合する山形形状の断面を有する凹部78として、凸部76と凹部78との間の目地に山形形状の断面を有する金属製プレートからなる目地部材68を設けるようにしてもよい。
さらに、本実施形態では、図7に示すように、隣接して上下に配置される放射線遮蔽ブロック12間の目地に目地部材26を設けるとともに、隣接して左右に配置される放射線遮蔽ブロック12間の目地に目地部材28を設けた例を示したが、隣接して上下に配置される放射線遮蔽ブロック12間の目地、及び隣接して左右に配置される放射線遮蔽ブロック12間の目地の一方に、目地部材26又は目地部材28を設けるようにしてもよい。
また、本実施形態では、隣接する放射線遮蔽ブロック12間の目地に目地部材26、28を設けた例を示したが、図22の断面図に示すように、目地部材26、28を設けない構成にしてもよい。このような構成において、図23の断面図に示すように、隣接する一方の放射線遮蔽ブロック12の端面と、隣接する他方の放射線遮蔽ブロック12の端面との間に隙間を有している場合、この隙間から進入する放射線50は、凸部18、22の側面に当たり、この凸部18、22により遮蔽される。
さらに、本実施形態では、図1に示すように、枠部16を、H形鋼からなる鉛直フレーム部材30、32、及び溝形鋼からなる水平フレーム部材34、38を有して構成し、ベースプレート36を平鋼により構成した例を示したが、枠部16及びベースプレート36は、放射線を遮蔽する金属製の部材によって構成されていればよい。例えば、枠部16及びベースプレート36を、H形鋼、溝形鋼、L形鋼、平鋼等によって構成してもよい。
また、本実施形態では、図1に示すように、放射線遮蔽壁10を、壁部14と枠部16とを有して構成した例を示したが、壁部14を面外方向44(図2を参照のこと)へ複数重ねて遮蔽性能を向上させてもよい。
さらに、放射線遮蔽壁10を1つのユニットにして、このユニットを壁部14の面内方向に対して複数並べることにより大きな壁面積の放射線遮蔽壁を構成するようにしてもよい。
また、本実施形態の放射線遮蔽壁10は、放射線に対する遮蔽を必要とする、部屋の壁、パーティション、ドアとして利用することができる。
さらに、本実施形態の放射線遮蔽壁10は、放射線遮蔽ブロック12の積み上げにより容易に構築することができるので、部屋を改修する際に有効である。例えば、放射線加速器施設において、放射線加速器を高出力のものにリプレイスする際に発生量が増加する二次γ線に対応させて、この放射線加速器が設置された部屋の既設の壁の放射線遮蔽性能を容易に高めることができる。また、例えば、γ線照射装置の移設やリプレイスに伴って行われる部屋のレイアウト変更に対しても容易に対応することができる。
また、本実施形態の放射線遮蔽壁10は、図1及び図2に示すように、枠部16を床部40に固定することにより自立するものであるが、例えば、建物の柱梁架構に放射線遮蔽壁10を設置して、部屋同士を仕切る戸境壁や、部屋内部を仕切る間仕切り壁としてもよい。
さらに、本実施形態では、放射線遮蔽体を放射線遮蔽壁10とした例を示したが、放射線遮蔽体は、放射線遮蔽床であってもよい。すなわち、複数敷き並べることにより隣接して配置された複数の放射線遮蔽ブロックと、隣接する一方の前記放射線遮蔽ブロックの端面に形成され先端へ向かって幅狭となる凸部と、隣接する他方の前記放射線遮蔽ブロックの端面に形成され、該放射線遮蔽ブロックの内側へ向かって幅狭となり前記凸部と係合する凹部と、を有する放射線遮蔽床を構成してもよい。放射線遮蔽ブロックは、例えば、建物の床版上に複数敷き並べるようにすればよい。
放射線遮蔽体を放射線遮蔽床とする場合においても、凸部の外側面と凹部の内側面がテーパー面となっているので、凹部へ凸部を挿入し易くなり、放射線遮蔽ブロックの敷き並べ作業を容易にすることができる。すなわち、放射線遮蔽ブロックの組み立て作業を容易にすることができる。
放射線遮蔽体を放射線遮蔽床とする場合、JASS 15M−103に示されているセルフレベリング材の品質基準では、石膏系セルフレベリング材の圧縮強さを15N/mm2以上と規定しているので、放射線遮蔽ブロック12の圧縮強さが15N/mm2以上とするのが好ましい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 放射線遮蔽壁
12、12A、12B、12C、12D、12E、12F、12G、12H、12I、12J、12K 放射線遮蔽ブロック
18、22、76 凸部
20、24、78 凹部
26、28、68 目地部材

Claims (5)

  1. 隣接して配置された複数の放射線遮蔽ブロックと、
    隣接する一方の前記放射線遮蔽ブロックの端面に形成され先端へ向かって幅狭となる凸部と、
    隣接する他方の前記放射線遮蔽ブロックの端面に形成され、該放射線遮蔽ブロックの内側へ向かって幅狭となり前記凸部と係合する凹部と、
    を有する放射線遮蔽体。
  2. 隣接する前記放射線遮蔽ブロック間の目地に、前記放射線遮蔽ブロックの比重以上の比重を有する目地部材が設けられている請求項1に記載の放射線遮蔽体。
  3. 前記目地部材は、前記放射線遮蔽ブロックの端面を覆うように前記凸部に沿って設けられた、断面がハット形状の金属製プレートである請求項2に記載の放射線遮蔽体。
  4. 隣接して複数配置され、放射線遮蔽体を形成する放射線遮蔽ブロックにおいて、
    先端へ向かって幅狭となるように端面に形成され、隣接するブロックの端面に形成され該ブロックの内側へ向かって幅狭となる凹部と係合する凸部を有する放射線遮蔽ブロック。
  5. 隣接して複数配置され、放射線遮蔽体を形成する放射線遮蔽ブロックにおいて、
    内側へ向かって幅狭となるように端面に形成され、隣接するブロックの端面に先端へ向かって幅狭となるように形成された凸部と係合する凹部を有する放射線遮蔽ブロック。
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