JP2017207296A - 建造物外壁診断適性判定装置 - Google Patents

建造物外壁診断適性判定装置 Download PDF

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【課題】人の経験や勘に頼ることなく、サーモグラフィーを用いた建造物外壁診断を遂行できるか否かを確実に判定できるようにする。【解決手段】ビル外壁と日照のシミュレーションモデルをソフトウェアで構築し、日照センサーから得られる日照熱エネルギーをシミュレーションモデルで演算することで、ビル外壁が日照によってサーモグラフィーによる外壁診断ができる程度に十分暖められたか否かを確実に判定する。【選択図】図5

Description

本発明は、建造物の外壁を赤外線サーモグラフィーで撮影して剥離の有無を診断する際に、日照量が建造物の外壁を十分温めているか否かを判定するための、建造物外壁診断適性判定装置に関する。
建築基準法第12条では、該当する規模の建築物の施設保全責任者に対し、建築物の平常時の安全性を確認するために、定期的な点検・報告を義務付けている。同様に、官公庁施設の建設に関する法律第12条では、該当する規模の国の機関の建築物の施設保全責任者に対し、定期的な点検・活用を義務付けている。
この定期的な点検には様々な項目があるが、その中に、建築物の損傷、腐食等の劣化状況を確認する点検が施設保全責任者に義務付けられている。建築物の損傷、腐食等の劣化状況とは、例えばコンクリートのひび割れ、鉄骨の腐食、外装材の剥落、浮き上がり等が挙げられている。
これより本明細書に記載する技術内容は、このうちの、建築物の外装材の剥離や浮き上がりに関するものである。なお、建築物は様々なものが存在するが、これ以降、代表的な建築物としてビルを挙げて説明する。
殆どのビルは鉄筋コンクリートで建造されているが、そのコンクリート躯体の表面には多種多様な外装材が施工されている。
外装材の例としては、モルタル、タイル、れんが、繊維強化セメント板、厚さ3mm以上のガラス繊維混入セメント板、鉄鋼、アルミニウム、金属板、ガラス等が挙げられている。
上述したように、外装材のうちタイルやモルタルの場合はモルタルの接着力によって貼り付いているが、この接着力は万能ではない。殆どの場合、外装材とコンクリートの躯体は異なる材質であるため、熱膨張率が異なる。日中は太陽光によってビルの外壁が暖められ、夜間は太陽光がなくなり外壁が冷却される。この繰り返しが日々続くことで、外装材とコンクリート躯体との間に、熱膨張率の差に基づく経年劣化等に伴い、剥離が生じる。この剥離を放置したままでいると、外装材は地上へ落下するおそれがある。突然、何の前触れもなく外装材が高層ビルの高層階から落下することは大変危険である。
先に挙げた建築基準法第12条及び官公庁施設の建設に関する法律第12条は、この外装材の剥離を防ぐための定期点検を、ビル等建築物の施設保全責任者に義務付けている。
本発明の技術内容に一部関係すると思われる先行技術文献として、農業用ハウスの日照量を測定し、その変化を視覚化する技術内容が特許文献1に開示されている。
特開2014−240829号公報
ビル外壁に貼り付けられているタイルやモルタルの剥離を事前察知するための点検には、二通りの方法が存在する。
一つ目の方法は、打診と呼ばれる直径2cm程度の金属球のついた棒で撫でて、ビル外壁に軽い衝撃を与えて、反射音から躯体外壁と外装材の間に生じた剥離を察知する方法である。法令にも定められている確実な方法であるものの、音の判断には熟練を要する他、ビルの規模が大きくなればそれだけ時間もかかり、人件費も高騰する。
二つ目の方法は、サーモグラフィーでビル外壁を撮影し、温度ムラから剥離を察知する方法である。外壁と外装材との間に剥離が生じると、太陽光で暖められた外壁には、剥離のある箇所とない箇所との間に温度差が生じる。剥離がない箇所は太陽熱がコンクリート躯体に吸収拡散されるが、剥離がある箇所は剥離の空気が断熱効果を生じるため、太陽熱がコンクリート躯体に吸収されず、温度が上昇する。
この、二つ目の方法であるサーモグラフィーは、太陽光に照らされるビル外壁を必要な解像度の画像をいくつかに分割して撮影するだけで剥離のある箇所を突き止めることができるため、一つ目の方法よりはるかに短時間で完遂し、かつ低コストである。しかしその一方で、外壁が太陽光で十分暖められていないと、温度ムラを検出することができない、という欠点が存在する。このため、サーモグラフィーを使用する二つ目の方法で外装材の剥離を事前察知するための点検を実施する際には、外壁が太陽光で十分暖められているか否か、すなわち日照量がサーモグラフィーを使用するに十分であるか否かを判断する必要がある。
これまで、このサーモグラフィーを使用する二つ目の方法で外装材の剥離を事前察知するための点検を実施する際の、日照量が十分であるか否かの判断は、人の経験と勘で行われていた。しかし、人の経験と勘というものは、大きな不確定要素を含むため、機械的かつ客観的な、日照量の判定方法の登場が望まれている。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、人の経験や勘に頼ることなく、サーモグラフィーを用いた建造物外壁診断を遂行できるか否かを確実に判定する、建造物外壁診断適性判定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の建造物外壁診断適性判定装置は、日照の強度を測定する日照センサーと、日照センサーの出力信号に基づく日照熱エネルギーを計測し、建造物外壁のシミュレーションモデルに日照熱エネルギーを与えて、得られた熱量を所定の閾値と比較することで、建造物外壁がサーモグラフィーによる外壁診断に適した状態であるか否かを判定する判定処理部と、判定処理部の判定結果である、建造物外壁がサーモグラフィーによる外壁診断に適した状態であるか否かをユーザーに提示する表示部とを具備する。
本発明の建造物外壁診断適性判定装置によれば、人の経験や勘に頼ることなく、サーモグラフィーを用いた建造物外壁診断を遂行できるか否かを確実に判定することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施形態の例である、建造物外壁診断適性判定装置の概略図である。 建造物外壁診断適性判定装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 日照センサーを表側から見た外観斜視図と、裏側から見た外観斜視図と、上面図である。 建造物の外壁の熱特性を電気回路に置き換えてモデル化した、仮想的な回路図である。 建造物外壁診断適性判定装置のソフトウェア機能を示すブロック図である。
[建造物外壁診断適性判定装置101の使い方]
図1は、本発明の実施形態の例である、建造物外壁診断適性判定装置101の概略図である。
図1において、建造物102の外壁102aには、建造物外壁診断適性判定装置101の一部である、日照の強度を測定する日照センサー103が貼付されている。日照センサー103の貼付と建造物外壁診断適性判定装置101の起動は外壁診断の予定時間よりも1時間前ぐらいには終了する。建造物102の他の方角を向いた外壁102bを点検する場合は日照センサー103を外壁102bに移動して利用する。
建造物外壁診断適性判定装置101は、日照センサー103が外壁102aに貼り付けられた場合は、日照センサー103で測定した日照度を積算し、この積算結果から、太陽光に照らされた建造物102の外壁102aに、サーモグラフィー104による外壁診断のために十分な日照105が当たったか否かを判定する。
建造物外壁診断適性判定装置101は、赤色を発光する第一LED106と緑色を発光する第二LED107を備えており、上記判定結果に応じて、第一LED106と第二LED107の何れか一方を発光させる。
すなわち、日照量が十分でないと判定された場合、建造物外壁診断適性判定装置101は赤色の第一LED106を発光させる。また、日照量が十分であると判定された場合には、建造物外壁診断適性判定装置101は緑色の第二LED107を発光させる。
この第一LED106と第二LED107は、不図示の測定作業者(ユーザー)に、建造物外壁がサーモグラフィーによる外壁診断に適した状態であるか否かという判定結果を提示する表示部としての役割を果たすものである。
測定作業者は、建造物外壁診断適性判定装置101が緑色の第二LED107を発光させたことに呼応して、サーモグラフィー104で建造物102の外壁102aを撮影する。
もし、建造物外壁診断適性判定装置101が緑色の第二LED107を発光させなかった場合には、サーモグラフィー104で建造物102の外壁102aを撮影するに適さないことを示す。日照の強度が改善し必要な日照量を満足すれば、緑色の第二LED107を発光させ、適する判定をする。
もし、建造物外壁診断適性判定装置101が緑色の第二LED107を発光させた後、天候が曇りになると、建造物102の外壁102aは冷めていく。この冷却が過渡に進行すると、建造物102の外壁102aがサーモグラフィー104で撮影するに適さない状態になる。本発明の実施形態に係る建造物外壁診断適性判定装置101は、このような建造物102の冷却についても適切に検出し、赤色の第一LED106を発光させる。
[建造物外壁診断適性判定装置101のハードウェア構成]
図2は、建造物外壁診断適性判定装置101のハードウェア構成を示すブロック図である。
建造物外壁診断適性判定装置101は、CPU201、ROM202、RAM203がバス204に接続されている、周知のマイコン等により構成される。バス204にはこの他に、A/D変換器205、第一出力ポート207、第二出力ポート208が接続されている。更に、A/D変換器205の入力端子にはバス204を通じて制御されるマルチプレクサ209が接続されている。
建造物外壁診断適性判定装置101が実行する演算処理の詳細については、図5にてソフトウェア機能を後述する際に説明することにするが、建造物外壁診断適性判定装置101が実行する演算処理は極めて軽いものとなる。このため、建造物外壁診断適性判定装置101は、広く普及しているワンチップマイコンやボードマイコンで十分実現可能である。
マルチプレクサ209には日照センサー103を構成する第一センサー210と第二センサー211が接続されている。第一センサー210と第二センサー211は共に温度センサーであり、温度に比例したアナログ電圧を出力する。例えば、Texas Instruments社製のLM61やLM35、Microchip Technology社製のMCP9700等、集積回路で構成されたセンサーがサーミスタより便利である。勿論、サーミスタを用いてもよいし、また同じ集積回路を用いたタイプのものでデジタルデータを出力するタイプのものを採用してもよい。
マルチプレクサ209はバス204から制御される。すると、A/D変換器205には、第一センサー210の出力信号と第二センサー211の出力信号が選択される。
第一出力ポート207には、第一LED106をオン・オフ制御する第一スイッチ213が接続されている。前述のように第一LED106は赤色LEDであり、電源電圧から電流制限抵抗R214と第一スイッチ213を通じて電流が流れることによって発光する。
すなわち、バス204から出力される制御命令に呼応して、第一LED106はオン・オフ制御される。
同様に、第二出力ポート208には、第二LED107をオン・オフ制御する第二スイッチ215が接続されている。前述のように第二LED107は緑色LEDであり、電源電圧から電流制限抵抗R216と第二スイッチ215を通じて電流が流れることによって発光する。
第二出力ポート208と第二スイッチ215の実体も、第一出力ポート207と第一スイッチ213と同様に、バス204から出力される制御命令に呼応して、第二LED107はオン・オフ制御される。
[日照センサー103の構造]
図3Aは、日照センサー103を表側から見た外観斜視図である。図3Bは、日照センサー103を裏側から見た外観斜視図である。図3Cは、日照センサー103の上面図である。
図3A、図3B及び図3Cに示すように、日照センサー103は、発泡スチロール等の断熱体301と、背板302と、支持板303と、第一センサー210と第二センサー211を有する。
図3Aに示すように、断熱体301の表面の中心に第一センサー210が貼り付けられている。その上に黒色の紙304が貼り付けられている。白色等の淡色である断熱体301の左右両側面にはそれぞれ、支持板303が貼り付けられている。
図3Cに示すように、支持板303の一端は背板302に接着されている。背板302と断熱体301との間には、支持板303によって空間が形成されている。この空間に面する断熱体301の裏面の中心に、第二センサー211が貼り付けられている。
なお、背板302と支持板303は、熱伝導率が低いものが好ましい。このため発泡スチロール等で断熱することが望ましい。また、背板302と支持板303も断熱体301と同様、太陽熱を吸収し難い白色等の淡色にするのが好ましい。
日照センサー103は、ビル外壁と共に日光が照射されるように、サーモグラフィー104で撮影する対象となるビル外壁に設置される。
断熱体301に貼り付けられている黒色の紙304が日光によって暖められると、第一センサー210は気温よりも高い値を出力する。
一方、第二センサー211は断熱体301によって日光の照射が防がれているので、第二センサー211は、概ね気温と同じ値を出力する。
第一センサー210によって検出される温度から、第二センサー211によって検出される気温を減算すると、黒色の紙304が日照105によって暖められた温度差が得られる。
なお、第一センサー210と第二センサー211に同一メーカーの同一製品を使用すると、減算処理によって製品固有の特性のばらつきも軽減されるので、精度の高い日照センサー103を容易に実現することができる。
黒色の紙304は、第一センサー210に日照熱エネルギーを集めるために設けている。黒色に着色された紙304やこれに類するテープ等は、吸熱板と総称できる。
可視光線と赤外線を良く吸収するため、色はマットブラックとも言われるつや消しの黒が最良であろう。
[建造物外壁診断適性判定装置101の動作原理]
前述のように、サーモグラフィー104を使用して外装材の剥離を事前察知するための点検を実施する際には、日照センサー103を外壁102aに貼り付け太陽光で十分暖められているか否か、すなわち日照量がサーモグラフィー104を使用するに十分であるか否かを判断する必要がある。そのためには、日照105を時間で数値的に積算して熱量を予測する必要があるが、以下のような理由で、積算するだけでは正しい判断ができない。
<1>ビル外壁の熱量は常に周囲に放散して、ビル外壁は冷めていく。
<2>また、外壁の診断に必要な最低限必要な日照105の強さが存在する。
こういった現象を把握した上で、ビル外壁を模倣した数値モデルを用意し、その数値モデルに対して日照105の積算を含むシミュレーション演算を実行することで、ビル外壁の状態を類推することが可能になる。
図4は、日照105とビル外壁のシミュレーションモデルを示す図である。
日照105という熱エネルギーをそのまま考慮することは困難を伴うが、周知の電気回路に置き換えて考えると、極めて容易にシミュレーションが可能になる。図4は、日照105とビル外壁の関係を、電気回路に置き換えた、擬似的な回路図である。
日照105は、対象物に熱エネルギーを供給する。この熱エネルギーを電流に置き換えて考えると、日照105は時間や雲の存在等の変動要因を有する可変電流源401として表現することができる。そこで、図4に示す回路図において、日照105を可変電流源401として表現している。
次に、ビル外壁は熱エネルギーという電流を蓄積するキャパシタ要素C402と、熱エネルギーを放散する抵抗要素R403の並列接続として表現することができる。つまり、熱エネルギーという電流はキャパシタ要素C402に蓄積されるが、蓄積される熱量(電荷)が抵抗要素R403によって放散される。したがって、熱エネルギーである電流が不足するとキャパシタ要素C402に蓄積される熱量(電荷)が少なくなり、キャパシタ要素C402の温度差(電圧)が下がる。抵抗要素R403の存在によって、ビル外壁が冷めるという現象を説明できる。
次に外壁の剥離は外壁表層の現象なので、日照105によって供給される熱エネルギーの蓄積された熱量には限界があり、その限界を超える熱量がビル外壁の表層に供給されることはない。つまり、キャパシタ要素C402には、最大熱量(電圧)を制限するツェナーダイオード要素D404が接続されていると考えることができる。
すなわち、図4に示すシミュレーションモデルは、日照105の可変電流源401とツェナーダイオード要素D404とビル外壁をキャパシタ要素C402と抵抗要素R403で表現している。
[建造物外壁診断適性判定装置101のソフトウェア機能]
図5は、建造物外壁診断適性判定装置101のソフトウェア機能を示すブロック図である。
図5中、一点鎖線枠内がソフトウェアによって実現される機能の集合体である、判定処理部500である。また、点線枠内には図4で示したシミュレーションモデルが示されている。
日照センサー103を構成する第一センサー210と第二センサー211の出力信号は、それぞれA/D変換器205によってデジタルデータに変換される。ソフトウェアで構成される減算器501は、第一センサー210の出力データから第二センサー211の出力データを減算して、差分データを出力する。ソフトウェアで構成される乗算器502は差分データに定数k503を乗算する。この乗算器502の出力データが、図4の可変電流源401、すなわち日照105に対応する日照熱エネルギーに変換される。
日照熱エネルギーは、ソフトウェアで構成されるキャパシタ要素C402によって、積分処理が行われ、蓄積された熱量になる。
キャパシタ要素C402に蓄積される熱量は、ソフトウェアで構成される抵抗要素R403によって蓄積された熱量に応じた放熱処理が行われる。
この、ツェナーダイオード要素D404、キャパシタ要素C402、抵抗要素R403によって算出される蓄積された熱量は外壁表面の上昇する温度をもたらす。電気回路では電圧の上昇をもたらすが、温度上昇と熱量は正比例の関係にあるため、上昇温度でなく熱量で考える。蓄積された熱量は、ソフトウェアで構成されるコンパレータ505によって、ソフトウェアで構成される参照熱量506が出力する参照熱量と比較される。この参照熱量は、コンパレータ505に判定基準を提供する閾値である。
コンパレータ505の出力論理信号は第二スイッチ215に供給されると共に、ソフトウェアで構成されるNOTゲート507によって論理が反転された上で第一スイッチ213に供給される。すなわち、コンパレータ505の出力論理信号は、第一スイッチ213と第二スイッチ215を排他的にオン・オフ制御する。
上述のシミュレーションモデルでは、コンパレータ505により蓄積された熱量と参照熱量が比較されて、蓄積された熱量が参照熱量以上であると判定された場合は、日照量が十分であることを示している。つまり、蓄積された熱量が参照熱量以上であると判定した場合は、コンパレータ505の出力論理信号が第一スイッチ213をオフ制御し、第二スイッチ215をオン制御する。
逆に、コンパレータ505により蓄積された熱量と参照熱量が比較されて、蓄積された熱量が参照熱量より小さいと判定された場合は、日照量が不十分であることを示している。したがって、蓄積された熱量が参照熱量より小さいと判定された場合は、コンパレータ505の出力論理信号が第一スイッチ213をオン制御し、第二スイッチ215をオフ制御する。
以上説明したように、判定処理部500は、ビル外壁が熱エネルギーを蓄積する状況を模倣するキャパシタ要素C402と、ビル外壁が熱エネルギーを放散する状況を模倣する抵抗要素R403と、蓄積された熱量の上限値を制限するツェナーダイオード要素D404とを用いてシミュレーション演算処理を行う。そして、得られた値をコンパレータ505で閾値である参照熱量と比較して、ビル外壁がサーモグラフィーによる外壁診断に適した状態であるか否かの判定結果を得る。
上述のソフトウエア処理は1秒の時間を区切って実施し、それを1秒ごとに繰り返して連続的な処理に代えている。この繰り返し周期の時間の1秒は外壁の熱反応速度と比較して充分短い時間であるため連続的な処理と等価である。
ツェナーダイオード要素D404に設定される熱量の上限値、キャパシタ要素C402に設定される熱容量、抵抗要素R403に設定される熱抵抗、及び定数k503は、多種多様なビル外壁のうち、温まり難いものを想定して設定される。本発明の実施形態に係る建造物外壁診断適性判定装置101の目的は、ビル外壁が日照105によってサーモグラフィー104による外壁診断ができる程度に十分暖められたか否かを判定することである。すなわち、日照量やビル外壁のシミュレーションモデルの正確さよりも、建造物外壁診断適性判定装置101の判定結果によって確実にサーモグラフィー104による外壁診断が可能であることを担保できればよい。
上述した本発明の実施形態は、以下の様な応用例が実施可能である。
(1)日照センサー103は上述の形態に限らず、周知の日射計のように赤外線を含めた日照エネルギーを測定できるものを使用してもよい。
(2)上述の実施形態では、外壁診断の可否を測定作業者に示すための表示手段に、最も簡単でかつ低価格な表示手段として、LEDを用いた。表示手段はLEDに限らず、液晶ディスプレイを用いて文字等を表示させてもよい。また、表示手段に代えて音声を発してもよい。
本発明の実施形態において開示された建造物外壁診断適性判定装置101によれば、 ビル外壁と日照105のシミュレーションモデルをソフトウェアで構築し、日照センサー103から得られる日照熱エネルギーをシミュレーションモデルで演算する。これにより、ビル外壁が日照105によってサーモグラフィー104による外壁診断ができる程度に十分暖められたか否かを確実に判定することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、他の変形例、応用例を含む。
例えば、上述した実施形態は本発明をわかりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることは可能であり、更にはある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計するなどによりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行するためのソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の揮発性あるいは不揮発性のストレージ、または、ICカード、光ディスク等の記録媒体に保持することができる。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
101…建造物外壁診断適性判定装置、102…建造物、103…日照センサー、104…サーモグラフィー、105…日照、106…第一LED、107…第二LED、201…CPU、202…ROM、203…RAM、204…バス、205…A/D変換器、207…第一出力ポート、208…第二出力ポート、209…マルチプレクサ、210…第一センサー、211…第二センサー、213…第一スイッチ、215…第二スイッチ、R214、R216…電流制限抵抗、301…断熱体、302…背板、303…支持板、304…紙、401…可変電流源、C402…キャパシタ要素、R403…抵抗要素、D404…ツェナーダイオード要素、500…判定処理部、501…減算器、502…乗算器、503…定数k、505…コンパレータ、506…参照熱量、507…NOTゲート

Claims (3)

  1. 日照の強度を測定する日照センサーと、
    前記日照センサーの出力信号に基づく日照熱エネルギーを計測し、建造物外壁のシミュレーションモデルに前記日照熱エネルギーを与えて、得られた熱量を所定の閾値と比較することで、前記建造物外壁がサーモグラフィーによる外壁診断に適した状態であるか否かを判定する判定処理部と、
    前記判定処理部の判定結果である、前記建造物外壁がサーモグラフィーによる外壁診断に適した状態であるか否かをユーザーに提示する表示部と
    を具備する、建造物外壁診断適性判定装置。
  2. 前記判定処理部は、
    前記建造物外壁が熱エネルギーを蓄積する状況を模倣するキャパシタ要素と、
    前記建造物外壁が熱エネルギーを失う状況を模倣する抵抗要素と、
    前記蓄積された熱量の上限値を制限するツェナーダイオード要素と
    を用いて、シミュレーション演算処理を行う、請求項1に記載の建造物外壁診断適性判定装置。
  3. 前記日照センサーは、
    太陽光が照射される位置に配置され日照熱エネルギーを吸収して温度上昇する吸熱板と、
    前記吸熱板に配置され、前記吸熱板の温度を測定する第一センサーと、
    前記第一センサー及び前記吸熱板とは隔離した、前記太陽光が照射されない位置に配置され、気温を測定する第二センサーと、
    前記第一センサー及び前記吸熱板と、前記第二センサーとの間に介在する断熱体と
    を具備して日照熱エネルギーを計測する、請求項1に記載の建造物外壁診断適性判定装置。
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