JP2017207013A - 内燃機関のピストン - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な燃料噴射態様に適した断熱層を形成し得る内燃機関のピストンを提供する。
【解決手段】アルミニウム合金材料によって形成されるピストン本体10の冠部11の燃焼室側に、前記アルミニウム合金材料よりも熱伝導率の低い材料である低熱伝導材料によって互いに独立して形成された複数の低熱伝導部20を設けた。これにより、インジェクタによる燃料の噴射領域に合わせて当該各低熱伝導部20を配置することが可能となって、前記インジェクタによる燃料の噴射態様(噴射領域)に適した断熱層を形成することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば自動車の内燃機関に適用され、冠面に低熱伝導部を有する内燃機関のピストンに関する。
冠面に低熱伝導部を有する従来の内燃機関のピストンとしては、例えば筒内噴射式の内燃機関に用いられる以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
すなわち、このピストンでは、冠面のうち噴射燃料が液状で衝突する領域に、ピストン母材よりも熱伝導率の小さい低熱伝導部材が取り付けられることで、燃料衝突部の昇温効率を高めて前記冠面に衝突した燃料の蒸発を促進し、デポジットやスモークの排出を抑制している。
特開平11−193721号公報
しかしながら、燃料噴射の位置及び領域は燃料噴射装置によって様々であり、前記従来のピストンのように低熱伝導部を局部的に設けたのでは、様々な燃料噴射態様に十分に対応できないという問題があった。
そこで、本発明は、前記従来の内燃機関のピストンの技術的課題に鑑みて案出されたものであって、様々な燃料噴射態様に適した断熱層を形成し得る内燃機関のピストンを提供することを目的としている。
本発明は、アルミニウム合金材料によって形成され、燃焼圧の受圧に供する冠部と、該冠部から摺動方向に沿って延設されるスカート部とを有するピストン本体と、前記冠部の燃焼室側に前記アルミニウム合金材料よりも熱伝導率の低い材料である低熱伝導材料によって形成され、互いに独立して形成された複数の低熱伝導部と、を備えたことを特徴としている。
本発明によれば、互いに独立した低熱伝導部を複数設けることにより、様々な燃料噴射態様に適した断熱層を形成することができる。
本発明に係るピストンを内燃機関に適用した状態を示す要部縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係るピストンの斜視図である。 図2のA−A線断面図である。 図2に示すピストンの平面図である。 図2に示すピストンの製造工程を表した図であって、(a)は凹部の穿設工程、(b)は低熱伝導材料の充填工程、(c)は低熱伝導材料の焼結工程、(d)は焼結工程の完了状態、(e)は仕上げ工程を示す。 本発明の第1実施形態の第1変形例に係るピストンの斜視図である。 本発明の第1実施形態の第2変形例に係るピストンの斜視図である。 本発明の第1実施形態の第3変形例に係るピストンの斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るピストンの斜視図である。 図9のB−B線断面図である。 図9に示すピストンの製造工程を表した図であって、(a)は凹部の穿設工程、(b)は低熱伝導材料の充填工程、(c)は低熱伝導材料の焼結工程、(d)は焼結工程の完了状態、(e)は仕上げ工程を示す。
以下に、本発明に係る内燃機関のピストンの各実施形態につき、図面に基づいて詳述する。なお、下記の各実施形態では、当該ピストンを、従来と同様、自動車用エンジンのピストンについて適用した例を基に説明する。
〔第1実施形態〕
(ピストンの構成)
図1〜図5は本発明に係る内燃機関のピストンの第1実施形態を示し、このピストン1は、図1に示すように、シリンダブロック2内に穿設されたほぼ円筒状のシリンダ3の壁面に摺動可能に設けられると共に、後述する両エプロン部13,13の間を径方向に挿通したピストンピン4を介して接続されるコネクティングロッド5を介して図示外のクランクシャフトに連接されている。
そして、前記各シリンダ3内において、前記ピストン1の上方には、図示外のシリンダヘッドとの間に燃焼室Cが形成されていて、該燃焼室Cの上端側の吸入ポート6の出口近傍に、当該ピストン1の上面(後述する冠面11a)側へ燃料を噴射するインジェクタ7と、該インジェクタ7から噴射された燃料への点火に供する点火プラグ8とが配置されている。
続いて、前記ピストン1の具体的な構成について説明すれば、当該ピストン1は、図2〜図4に示すように、例えばAC8AなどのAl−Si系のアルミニウム合金材料によってほぼ円筒状に鋳造されたピストン本体10と、該ピストン本体10に燃焼室C側へ向けて開口形成された後述する凹部21〜27に埋設され、前記ピストン本体10を形成する母材であるアルミニウム合金材料よりも低い熱伝導率を有する所定の低熱伝導材料によってそれぞれ互いに独立して形成された複数の低熱伝導部20と、から主として構成されている。
ここで、前述の「複数の低熱伝導部20が互いに独立している」とは、該各低熱伝導部20がそれぞれ独立した工程(加工作業)によって形成されていることを意味している。すなわち、本実施形態のような、前記各凹部21〜27が隔壁28によって完全に隔成されている態様のものには限定されず、各低熱伝導部20がそれぞれ独立した工程で形成されるような態様のものであれば、各凹部21〜27の一部が相互に連通可能に構成されたものも含む意である。
前記ピストン本体10は、冠面11a上に前記燃焼室Cを画成する冠部11と、該冠部11の下端側外周に一体に設けられた一対のスカート部12,12と、該各スカート部12,12の周方向両端部に接続される一対のエプロン部13,13と、を備え、前記各エプロン部13,13には、ピストンピン4,4の各端部を支持するピンボス部14,14が貫通形成されている。
前記冠部11は、比較的厚肉に形成された円盤状を呈し、冠面11aには、前記インジェクタ7より噴射された燃料が最初に当たる所定の箇所(領域)に、前記各低熱伝導部20の埋設に供する複数(本実施形態では7つ)の凹部21〜27が、燃焼室C側へ向かって開口形成されている。
前記各凹部21〜27は、平面視ほぼ円形状を呈し、それぞれがほぼ同大に形成されると共に、1箇所に密集するかたちで設けられている。そして、これら各凹部21〜27は、相互に離間するかたちで、それぞれ隔壁28を介して完全に隔成されている。
ここで、前記各低熱伝導部20、すなわち前記各低熱伝導部20を画成する前記各凹部21〜27は、図4中の軸L1〜L3に沿うほぼ直線状に複数配置されてなる複数のグループ(図4中に仮想線で示すグループG1〜G3)で構成され、これら各グループG1〜G3における凹部21〜27同士の間の距離を1ピッチ(P1)としたとき、隣り合う前記グループG1〜G3同士、すなわちグループG1とグループG2、及びグループG2とグループG3は、それぞれほぼ半ピッチ(P2=0.5×P1)ずらした位置に配置されている。
また、前記冠部11の外周側には、それぞれ環状の3つリング溝15〜17が周方向に沿って切欠形成されていて、これら各リング溝15〜17内には、それぞれプレッシャリングやオイルリングなど図示外の3つのピストンリングが嵌着保持されるようになっている。
前記各低熱伝導部20は、前記各凹部21〜27に充填された前記低熱伝導材料を後述する所定の焼結手段でもって焼結することにより、前記各凹部21〜27に埋設されるかたちでピストン本体10と一体に形成されていて、当該各低熱伝導部20によって冠部11における断熱層が構成されている。ここで、当該各低熱伝導部20を形成する前記低熱伝導材料は、例えばセラミックスやガラスなど、アルミニウム合金材料よりも熱伝導率の低い所定の低熱伝導材料を母材とし、これに前記アルミニウム合金材料をバインダー(結合材)として混合したものである。
なお、これら各低熱伝導部20は、後述するように前記各凹部21〜27内に充填された粉末状の前記低熱伝導材料を加圧成形しつつ加熱して形成(焼結)したもののみならず、前記各凹部21〜27に充填する前に予めタブレット状に予備成形した前記低熱伝導材料を前記各凹部21〜27に充填して前記焼結によって形成したものでもよい。
(ピストンの製造方法)
以下、本実施形態に係る内燃機関のピストン1の製造方法について、図5に基づいて説明する。
まず、前記ピストン本体10を鋳造によって成形した後、図5(a)に示すように、この鋳造したピストン本体10の冠面11aの所定箇所に、前記複数の凹部21〜27を穿設する(穿設工程)。
その後、図5(b)に示すように、この穿設した前記各凹部21〜27内に、前記低熱伝導材料の粉末20a、或いは当該粉体20aを予め加圧成形(予備成形)することにより形成したタブレット状の予備成形体20bを、それぞれ充填する(充填工程)。
続いて、図5(c)に示すように、この凹部21〜27内へと充填した粉末20a又は予備成形体20bに対し、それぞれほぼ丸棒状に形成された所定の回転工具30を回転させながら個別に押し当てる。これにより、当該粉末20a又は予備成形体20bが摩擦攪拌されるようにしてピストン本体10に焼結され、該ピストン本体10と一体に低熱伝導部20が形成される(焼結工程)。この際、当該低熱伝導部20は、前記摩擦攪拌作用によりほぼ均一に分布した前記バインダーとしてのアルミニウム合金材料を介してピストン本体10と一体化して強固に結合されることとなる。
なお、前記焼結作業については、前記各凹部21〜27のうち冠面11aの中央側に位置する凹部24から径方向外側へ順に行うことが望ましい。かかる順序で行うことで、前記中央側の凹部24における焼結作業によって発生した熱が放射状に広がる結果、この中央側の凹部24の外周側に位置する他の凹部21〜23、25〜27において、各低熱伝導部20と冠部11との密着性が向上し、前記摩擦攪拌による効果をより均一に得ることができる。
こうして、前記全ての凹部21〜27について前記焼結作業を実施することによって当該各凹部21〜27に前記各低熱伝導部20を形成した後、図5(d)に示すように、前記回転工具30を引き上げることで、前記焼結工程が完了する。
最後に、図5(e)に示すように、この焼結工程が完了したものに仕上げの研削加工を行い、冠部11の上端側の所定部分を除去することによって、前記ピストン1が完成する(仕上げ工程)。
以上のようにして製造した本実施形態に係るピストン1によれば、それぞれ互いに独立した低熱伝導部20を複数設けたことによって、インジェクタ7による燃料の噴射領域に合わせて当該各低熱伝導部20を配置することが可能となり、前記インジェクタ7による燃料の噴射態様(噴射領域)に適した断熱層を形成することができる。
しかも、前記各低熱伝導部20を独立した複数配置とすることで、該各低熱伝導部20をまとめて1つの大きな低熱伝導部として構成する場合に比べて、1つ1つの低熱伝導部20の外周面積及び底面積からなるピストン本体10との接触面積を増大させることができる。これにより、より結合力の高い強固な断熱層を形成することが可能となって、より高い燃焼圧力に耐え得る耐久性の高いピストン1を得ることができる。
また、本実施形態では、前記各低熱伝導部20が、それぞれ互いに離間して配置されている。かかる構成とすることで、当該各低熱伝導部20同士の間にピストン本体10の母材により構成される隔壁28を介在させることが可能となり、冠面11a側の強度の低下を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、前記各低熱伝導部20は、該各低熱伝導部20がほぼ直線状に複数配置されてなる複数のグループG1〜G3で構成され、該各グループG1〜G3内における各低熱伝導部20同士の間の距離を1ピッチとしたとき、隣り合う各グループG1〜G3同士がほぼ半ピッチずらした位置に配置されている。これにより、各低熱伝導部20をいわゆる碁盤の目状に配置する場合と比べて、該各低熱伝導部20同士の間の隔壁28の肉厚を確保しながら、該各低熱伝導部20をより密に配置することが可能となり、より効果的な断熱層の形成に供される。
そして、前記各低熱伝導部20は、冠面11aにおいてインジェクタ7から噴射された燃料が最初に当たる位置に形成されている。このように、インジェクタ7からの噴射燃料が最初に当たる箇所(領域)の断熱性を向上させることで、該噴射燃料の温度低下を効果的に抑制し、該噴射燃料の蒸発の促進を図ることができる。
また、本実施形態では、前述のように、前記各低熱伝導部20が、冠部11の燃焼室C側に開口する前記各凹部21〜27に充填した低熱伝導材料を前記回転工具30でもって押圧することにより、前記摩擦攪拌作用を利用した焼結手段によって形成されている。これにより、大気解放中にて前記各低熱伝導部20を形成するできるメリットがある。
加えて、かかる低熱伝導部20の形成時には、ピストン本体10に前記回転工具30による押圧荷重が作用することによってピストン本体10の変形を招来してしまうおそれがあるところ、前記各低熱伝導部20を複数の箇所に分散して配置し、これを順に押圧することにより、当該各低熱伝導部20の焼結時に前記各凹部21〜27に1度に作用する前記回転工具30の押圧荷重を低減することが可能となり、該押圧荷重に基づく前記ピストン本体10の変形を抑制できるメリットもある。
また、前記各低熱伝導部20は、それぞれ円形に形成されている。このように、当該各低熱伝導部20について角をなくすことで、当該各低熱伝導部20に生ずる応力集中を抑制することができる。
(第1変形例)
図6は、前記第1実施形態に係る複数の低熱伝導部20を、冠面11aの周方向領域に並列に配置した第1変形例を示している。なお、かかる変更点以外の基本的構成については前記第1実施形態と同様であるため、該第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を省略する(以下の変形例において同じ)。
この第1変形例では、前記各低熱伝導部20が冠面11aの外周側の周方向領域にピストン本体10の円周方向に沿ってほぼ等間隔に8つ設けられている。かかる配置構成は、特にインジェクタ7が前記第1実施形態のような側方配置ではなく、図6中に仮想線で示すような冠面11aの上方ほぼ中央位置に配置されているような場合に有効である。
すなわち、かかるセンタータイプのインジェクタ7の場合には、燃料はインジェクタ7からほぼ放射状に噴射されることになるため、上述のように前記各低熱伝導部20を冠面11aの外周側周方向に並列に配置する構成とすることにより、前記噴射燃料が衝突しうる領域に当該各低熱伝導部20による断熱層を形成することが可能となり、該断熱層による噴射燃料の蒸発の効果的な促進に供される。
(第2変形例)
図7は、前記第1実施形態に係る低熱伝導部20を2つの領域に疎密に配置した第2変形例を示している。
この第2変形例では、前記各低熱伝導部20が、一方側に4つ密集するかたちで設けられた凹部21〜24に埋設されてなる密領域A1と、該密領域A1に対して大きく離間するように他方側に1つ設けられた凹部29aに埋設されてなる疎領域A2と、からなる2つの領域に疎密に設けられている。
かかる構成とすることで、インジェクタ7が燃料噴射を複数回行う内燃機関において、燃料の噴射タイミングや噴射特性に応じた、前記各低熱伝導部20による断熱層を構成することができるメリットがある。
(第3変形例)
図8は、前記第1実施形態における前記各低熱伝導部20を、2つの領域に大きさを異ならせて配置した第3変形例を示している。
この第3変形例では、複数の低熱伝導部20が、一方側に比較的小径に形成された3つの凹部21〜23に埋設されると共に、他方側に前記各低熱伝導部21〜23から大きく離間して比較的大径に形成された1つの凹部29bに埋設されている。
換言すれば、前記複数の低熱伝導部20は、それぞれ燃焼室C内のピストン本体10の移動方向に直交する平面X上の大きさを互いに異ならせたかたちで形成されている。
かかる構成とすることで、冠面11a上のそれぞれの箇所に応じた断熱特性を得ることができるメリットがある。
なお、本変形例では、前記各低熱伝導部20が、燃焼室C内のピストン本体10の移動方向に直交する平面X上の大きさを互いに異ならせた構成を例示して説明したが、かかる例示の構成に限定されるものではなく、前記平面X上の形状を互いに異ならせる構成としても、また、前記平面X上の形状及び大きさを互いに異ならせる構成としても、本変形例の作用効果が奏せられる。
〔第2実施形態〕
図9〜図11は本発明に係る内燃機関のピストンの第2実施形態を示し、前記第1実施形態に係る冠部11の形態を変更したものである。なお、かかる変更点以外の基本的な構成については前記第1実施形態と同様であるため、該第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を省略する。
すなわち、本実施形態に係るピストン2は、特に図9、図10に示すように、前記冠面11aのうち前記第1実施形態に係る複数の低熱伝導部20が設けられる領域に、該領域に係る全ての低熱伝導部20とオーバーラップするかたちで、平面視ほぼ円形であって比較的大径の大径凹部31が、燃焼室C側に開口形成されている。
前記大径凹部31は、冠面11aにほぼ平行となる平坦状の底部31aと、該底部31aの外周縁から立ち上がる壁部31bとを有し、これら底部31aと壁部31bとは、いわゆる隅アール状の滑らかな曲面により接続されている。
ここで、前記大径凹部31は、低熱伝導部20のグループG1〜G3の最大幅Wよりも僅かに小さい内径Rに設定されていて、特に図10に示すように、最大幅Wを構成するグルーブG2の両端の低熱伝導部20の一部が前記壁部31bに露出するように構成されている。
換言すれば、上記のような寸法設定により、前記各低熱伝導部20は、燃焼室C内のピストン本体10の移動方向である上下方向の厚さTが、大径凹部31の中央側と外周側とで異なる構成となっている。
そして、前記大径凹部31は、図11(a)〜(d)に示す前記第1実施形態と同様の工程(穿設工程〜焼結工程)を経て冠部11に前記各低熱伝導部20を形成した後、図11(e)に示す仕上げ工程において、冠部11の上端側を研削すると共に、前記各低熱伝導部20の一部を切除するように穿設することによって形成される。
以上のことから、本実施形態に係るピストン2によれば、前記第1実施形態と同様の作用効果に加え、前記各低熱伝導部20が設けられる領域に前記大径凹部31が穿設されると共に、各低熱伝導部20の一部が大径凹部31の壁部31bに露出するように設けられていることにより、前記インジェクタ7からの噴射燃料が当たって流れる大径凹部31の壁部31bの断熱性を向上させることができる。これにより、噴射燃料の温度低下を効果的に抑制し、当該噴射燃料の蒸発の促進を図ることができる。
しかも、本実施形態では、前記大径凹部31において前記各低熱伝導部20が燃焼室C内のピストン本体10の移動方向の厚さTが異なるように形成されていることから、冠面11a上のそれぞれの箇所に応じた断熱特性を得ることができるメリットがある。
さらに、前記大径凹部31については、前記各低熱伝導部20が冠部11に形成された後に当該各低熱伝導部20の一部を切除するように形成されていることから、本実施形態のような最終的に大径凹部31が形成されるピストン2においても、冠面11aが平面の状態で前記各低熱伝導部20を形成することができ、該低熱伝導部20の形成条件を揃えることができる。
本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではなく、前述した本発明の作用効果を奏し得るような形態であれば、適用対象の仕様やコスト等に応じて自由に変更可能である。
以上説明した実施形態に基づく内燃機関のピストンとしては、例えば以下に述べる態様のものが考えられる。
すなわち、当該内燃機関のピストンは、その1つの態様において、アルミニウム合金材料によって形成され、燃焼圧の受圧に供する冠部と、該冠部から摺動方向に沿って延設されるスカート部とを有するピストン本体と、前記冠部の燃焼室側に前記アルミニウム合金材料よりも熱伝導率の低い材料である低熱伝導材料によって形成され、互いに独立して形成された複数の低熱伝導部と、を備えている。
前記内燃機関のピストンの好ましい態様において、前記複数の低熱伝導部は、互いに離間して配置されている。
別の好ましい態様では、前記内燃機関のピストンの態様のいずれかにおいて、前記複数の低熱伝導部は、該低熱伝導部がほぼ直線状に複数配置されてなる複数のグループで構成され、該各グループ内における前記低熱伝導部同士の間の距離を1ピッチとしたとき、隣り合う前記各グループ同士は、ほぼ半ピッチずらした位置に配置されている。
さらに別の好ましい態様では、前記内燃機関のピストンの態様のいずれかにおいて、前記低熱伝導部は、前記冠部の燃焼室側に穿設された凹部に前記低熱伝導材料が充填された後、該低熱伝導材料が回転工具で押圧されることによって形成される。
さらに別の好ましい態様では、前記内燃機関のピストンの態様のいずれかにおいて、前記複数の低熱伝導部は、前記冠部の中央側から径方向外側の順に形成される。
さらに別の好ましい態様では、前記内燃機関のピストンの態様のいずれかにおいて、前記低熱伝導部は、それぞれ円形に形成されている。
さらに別の好ましい態様では、前記内燃機関のピストンの態様のいずれかにおいて、前記冠部の燃焼室側に、底部と該底部から立ち上がる壁部とを有する凹部が開口形成され、前記低熱伝導部は、前記壁部に露出するように設けられている。
さらに別の好ましい態様では、前記内燃機関のピストンの態様のいずれかにおいて、前記冠部は、燃焼室側に開口する凹部を有し、前記凹部は、前記低熱伝導部が前記冠部に形成された後、前記低熱伝導部の一部を切除するように形成される。
さらに別の好ましい態様では、前記内燃機関のピストンの態様のいずれかにおいて、前記複数の低熱伝導部は、該各低熱伝導部同士が密集するように設けられた密領域と、該密領域よりも前記各低熱伝導部同士の大きく離間するように形成された疎領域と、を有する。
さらに別の好ましい態様では、前記内燃機関のピストンの態様のいずれかにおいて、前記複数の低熱伝導部は、前記冠面のうち噴射燃料が最初に当たる位置に形成されている。
さらに別の好ましい態様では、前記内燃機関のピストンの態様のいずれかにおいて、前記複数の低熱伝導部は、それぞれ燃焼室内における前記ピストン本体の移動方向に係る厚さが異なるように形成されている。
さらに別の好ましい態様では、前記内燃機関のピストンの態様のいずれかにおいて、前記複数の低熱伝導部は、それぞれ燃焼室内における前記ピストン本体の移動方向に直交する平面上の形状又は大きさが互いに異なるように形成されている。
1…ピストン
10…ピストン本体
11…冠部
11a…冠面
12…スラスト側スカート部(スカート部)
13…反スラスト側スカート部(スカート部)
20…低熱伝導部
C…燃焼室

Claims (7)

  1. アルミニウム合金材料によって形成され、燃焼圧の受圧に供する冠部と、該冠部から摺動方向に沿って延設されるスカート部とを有するピストン本体と、
    前記冠部の燃焼室側に前記アルミニウム合金材料よりも熱伝導率の低い材料である低熱伝導材料によって形成され、互いに独立して形成された複数の低熱伝導部と、
    を備えたことを特徴とする内燃機関のピストン。
  2. 前記複数の低熱伝導部は、互いに離間して配置されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のピストン。
  3. 前記複数の低熱伝導部は、該低熱伝導部がほぼ直線状に複数配置されてなる複数のグループで構成され、該各グループ内における前記低熱伝導部同士の間の距離を1ピッチとしたとき、隣り合う前記各グループ同士は、ほぼ半ピッチずらした位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関のピストン。
  4. 前記冠部の燃焼室側に、底部と該底部から立ち上がる壁部とを有する凹部が開口形成され、
    前記低熱伝導部は、前記壁部に露出するように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のピストン。
  5. 前記複数の低熱伝導部は、前記冠面のうち噴射燃料が最初に当たる位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のピストン。
  6. 前記複数の低熱伝導部は、それぞれ燃焼室内における前記ピストン本体の移動方向に係る厚さが異なるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のピストン。
  7. 前記複数の低熱伝導部は、それぞれ燃焼室内における前記ピストン本体の移動方向に直交する平面上の形状又は大きさが互いに異なるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のピストン。
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